JPH0635549B2 - 新規発色性化合物とその製造方法 - Google Patents

新規発色性化合物とその製造方法

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JPH0635549B2
JPH0635549B2 JP28116285A JP28116285A JPH0635549B2 JP H0635549 B2 JPH0635549 B2 JP H0635549B2 JP 28116285 A JP28116285 A JP 28116285A JP 28116285 A JP28116285 A JP 28116285A JP H0635549 B2 JPH0635549 B2 JP H0635549B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、一般式(I) (式中、R、Rは水素原子またはアルキル基を、R
、Rはアルキル基またはベンジル基を示し、他に置
換基としてアルキル基、アルコキシ基、フェニル基また
はハロゲン原子を含んでもよい)をもって表わされる新
規発色化合物,および一般式(II) (式中、R、Rは一般式(I)の場合と同じ意味
し、他に置換基としてアルキル基、アルコキシ基、フェ
ニル基またはハロゲン原子を含んでもよい)で表わされ
るベンズヒドロール誘導体と、一般式(III) (式中、R、Rは一般式(I)と同じ意味を示す)
で表わされるインドール誘導体とを縮合させることを特
徴とする一般式(I)で表わされる発色性化合物の製造
法に関する。本発明の方法で得られる発色性化合物は情
報記録材として用いられる。
(従来の技術) 従来、発色性記録材として、例えば感熱記録材または感
圧記録材の分野で種々の方式が提案されている。例え
ば、ジアゾ化合物とカップラーを塗工し加熱によりカッ
プリング発色を行うジアゾ感熱記録材またはロウ状物質
に顔料を配合し薄いポリエステルフィルムに塗工し、被
転写体と接触させ顔料塗工フィルムの裏側より加熱して
ロウ状物質を溶融し被転写体上に転写を行う感熱転写材
などである。しかし、感熱記録材にも感圧記録材にも使
用されている有用な方式はNCR方式である。この方式
に用いられる記録材はロイコ染料として知られる無色の
発色性色素前駆体、例えば、スピロピラン化合物、クロ
マン化合物またはラクトン化合物といった物質を発色性
物質とし、酸性化合物を顕色性物質としている。この方
式は一種の酸塩基反応による造塩発色を利用しているの
で発色像の安定性に重大な欠点を有する。すなわち、発
色像は体脂、動植物油脂または可塑剤のごとき極性油と
接触すると速やかに系の平衡が油に移り、脱色を起こ
す。一方、アセトンやアルコールのような揮発性溶剤が
感熱複写紙に接触すると成分の溶け出しにより他の全面
発色が起り像が読めなくなる。このような欠点はNCR
方式の実用面での大きな制約となるものである。
(問題解決の手段) 本発明者らは従来の発色方式によらない新規な発色方式
を開発した(特開昭57-107882)。本発明はこの方式を
適用されるものであり、この発色剤(I)と、顕色剤(I
V)とを反応させて発色物質(V)を生成せしめる。
この発色は酸化還元による安定な色素体(V)の生成に
基くもので、像の安定性は従来の酸塩基発色系に比し格
段にすぐれ、油脂類や可塑剤により脱色することがな
い。本発明者等は、一般式(I)で表わされる発色性化
合物がすぐれた発色性を示し、特に、従来のトリアリー
ルメタン型化合物には見られない濃度の高い紫〜赤系発
色を呈し、単独で黒色に近い発色が得られる事を見出
し、鋭意検討の結果、本発明を完成した。
本発明の発色性化合物の発色に用いられる一般式(IV)の
顕色剤としては、例えば特開昭57-183744号、特開昭58-
198457号、特開昭59-83692号、特開昭60-27591号あるい
は特願昭59-115437号記載の化合物があげられる。
本発明の発色性化合物は、前記一般式(I)の発色性化
合物としては、フェニル−4′−ジメチルアミノフェニ
ル−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
−メタン、4−メトキシフェニル−4′−ジメチルアミ
ノフェニル−(1″−エチル−2″−メチルインドール
−3″−イル)−メタン、4−クロロフェニル−4′−
ジメチルアミノフェニル−(1″−エチル−2″−メチ
ルインドール−3″−イル)−メタン、4−メチルフェ
ニル−4′−ジメチルアミノフェニル−(1″−エチル
−2″−メチルインドール−3″−イル)−メタン、4
−メトキシフェニル−2′−メチル−4′−ジメチルア
ミノフェニル−(1″−エチル−2″−メチルインドー
ル−3″−イル)−メタン、4−クロロフェニル−4′
−ジメチルアミノフェニル−(1″−n・ブチル−2″
−メチルインドール−3″−イル)−メタン、4−クロ
ロフェニル−4′−ジエチルアミノフェニル−(1″−
エチル−2″−メチルインドール−3″−イル)−メタ
ン、、4−エトキシフェニル−4′−ジメチルアミノフ
ェニル−(1″−エチル−2″−メチルインドール−
3″−イル)−メタン、4−メトキシフェニル−4′−
ジメチルアミノフェニル−(1″−n・オクチル−2″
−メチルインドール−3″−イル)−メタン、、あるい
は4−メトキシフェニル−4′−ジメチルアミノフェニ
ル−(1″−ベンジル−2″−メチルインドール−3″
−イル)−メタンなどがあげられる。
この一般式(I)の化合物は、下の径路により、ベンズ
ヒドロール化合物(II)を1,2−ジ置換インドール(II
I)と反応させて合成される。
本発明に用いられる(II)式のベンズヒドロール化合物と
しては、例えば、4−アミノベンズヒドロール,4−メ
チルアミノベンズヒドロール、4−ジメチルアミノベン
ズヒドロール、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベ
ンズヒドロール、4−クロロ−4′−ジメチルアミノベ
ンズヒドロール、4−メチル−4′−ジメチルアミノベ
ンズヒドロール、4−メトキシ−2′−メチル−4′−
ジメチルアミノベンズヒドロール、4−メチル−2′−
メチル−4′−ジメチルアミノベンズヒドロール、4−
メトキシ−3′−メチル−4′−メチルアミノベンズヒ
ドロール、、4−メトキシ−4′−ジエチルアミノベン
ズヒドロール、4−エトキシ−4′−ジメチルアミノベ
ンズヒドロール、4−メトキシ−4′−ジブチルアミノ
ベンズヒドロール、4−メトキシ−4′−エチルアミノ
ベンズヒドロール、4−フェニル−4′−ジメチルアミ
ノベンズヒドロール、3.4−ジメトキシ−4′−ジメ
チルアミノベンズヒドロール、3.4.5−トリメトキ
シ−4′−ジメチルアミノベンズヒドロール、3−メチ
ル−4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンズヒドロ
ールまたは2.4′−ジメトキシ−4−ジエチルアミノ
ベンズヒドロール等があげられる。また、一般式(III)
のインドール化合物としては、1.2−ジメチルインド
ール、1−エチル−2−メチルインドール、1−n・ブ
チル−2−メチルインドール、1−ベンジル−2−メチ
ルインドールなどがあげられる。
本発明に用いられるベンズヒドロール誘導体は、公知の
ケトン化合物(VI)の還元、例えば、亜鉛末−カセイアル
カリ加熱法によつて製造される。
ベンズヒドロール誘導体(II)とインドール誘導体(III)
との縮合は、有機溶剤中触媒量の強酸、例えば塩酸を同
時に共存させると速かに起きる。通常、湯浴上数時間加
熱すると反応は完了する。反応に使用する触媒として
は、各種の溶媒が用いられるが、アルコール性溶媒、例
えばメタノール、エタノールもしくはプロパノールの使
用が有利である。縮合物が難溶性ならば冷却し析出固体
をこしとり洗浄、乾燥後再結晶等の操作により精製でき
る。縮合物が析出しない場合はハイドロサルファイトの
少量およびカセイアルカリにてアルカリ性とし水蒸気蒸
溜にて溶媒と未反応物を除き残留物を適当な方法で精製
する。
化合物(I)は通常白色の有機溶剤可溶性の結晶で大気
中室温で安定に保存できる。この化合物は、例えば第1
表化合物番号4の物質(VII)について次のように元素分
析、核磁気共鳴スペクトル(パークロロエチレン溶液中
測定)による確認ができた。
100MH核磁気共鳴スペクトル測定機による水素原
子核の核磁気共鳴スペクトルの測定値は次のようであつ
た。
ジメチルアミノ基のメチル基水素による吸収: 2.85PPM 単一線 積分値 水素原子6箇分 メトキシ基のメチル基水素による吸収: 3.7PPM 単一線 積分値 水素原子3箇分 インドール核のメチル基水素による吸収 2.2PPM 単一線 積分値 水素原子3箇分 インドール核のN-エチル基水素Hαによる吸収: 3.9〜4.2PPM 4重線 積分値 水素原子2箇分 インドール核のN-エチル基水素Hβによる吸収: 1.2〜1.4PPM 3重線 積分値 水素原子3箇分 メチン基水素による吸収: 5.57PPM 単一線 積分値 水素原子1箇分 ベンゼン核水素による吸収: 6.4〜7.2PPM 多重線 積分値 水素原子12箇分 以上の結果から本発明の化合物の構造が所期の構造(VI
I)と一致することが明らかである。
本発明の化合物を発色剤として応用する場合、例えば、
感熱複写材として使用するときは、本発明の化合物を微
細水懸濁液とし、顕色剤、融点降下剤および滑剤等の微
細水分散液および結着剤の水溶液と混合し、支持体上に
塗工乾燥し感熱複写材として使用する。また感圧複写材
として使用するときは、本発明の化合物を適当な溶媒、
例えば、水素化ターフェニル、フェニルキシリルエタ
ン、アルキルナフタレン、ジフェニルエーテルまたは、
脂肪酸エステル等に溶解し、この溶液を適当な方法、例
えばゼラチン・コアセルベーション法またはin−si
tu重合によるポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、尿
素−ホルムアルデヒド樹脂又はメラミン−ホルムアルデ
ヒド樹脂を皮膜としたマイクロカプセルに封入し、得ら
れたマイクロカプセル分散液を緩衝材や糊材等と共に支
持体上に塗工し、感圧色素層とし、適当な顕色剤塗工層
と組合わせて使用する。
本発明の化合物の特徴は、一般に発色像の色相が暗色で
単一色素で黒色に近い色相に発色する化合物があるこ
と、および光による退色物の色相が変色乃至変退色でな
く退色であることである。
例えば、第1表化合物番号7の物質の3%フェニルキシ
リルエタン溶液を実施例にしたがいマイクロカプセル化
し、塗工し感圧記録上用紙とする。これを実施例記載の
下用紙と塗工面を合はせロール間を通し発色させて得た
発色物の測色値は次の通りであつた。
L=63.9,a=2.12,b=0.35 一方、単一黒発色性化合物として公知の3−ジエチルア
ミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオランの6
%フェニルキシリルエタン溶液を同様にしてカプセル
化、塗工して上用紙化し、市販のフェノール系顕色剤を
用いた下用紙にて同様に発色させ、測色し次の値を得
た。
L=55.4,a=3.29,b=4.65 (日本電色社製Σ80機にて測定。) この結果は、本発明の化合物の発色色相が公知化合物の
それより黒色に近いことをあらわすものである。
(実施例) 以下、実施例によつて、本発明を詳細に説明する。文
中、部とあるは重量部を意味する。
実施例1 4−メトキシフェニル−4′−ジメチルアミノフェニル
−(1″−エチル−2″−メチルインドール−3″−イ
ル)−メタンの合成。
4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンズヒドロール
32g、1−エチル−2−メチルインドール 23g
およびメタノール 150mlを混合し、湯浴上に加温
し内容が完全に溶解したら0.5ml濃塩酸を加え、4
hr湯浴上にかきまぜ還流煮沸した。ついで冷却し析出
物をこしわけ、冷メタノールで洗浄し乾燥し、キシレン
−リグロインより再結晶し、白色結晶 44gを得た。
収率 86%、mp.142〜144℃ 試料の調製 上用紙の作成 化合物(I)をフェニルキシリルエタン(日本石油化学
社製、商品名ハイゾールSAS)の3%溶液とし、ゼラ
チン−コアセルベーション法で粒径5〜10μのマイク
ロカプセルとし、殿粉糊等を混合し上質紙に塗工し、カ
プセル塗工量が5g/m2となるようにする。
下用紙の作成 2−ベンジルスルホニル−3.6−ジシクロヘキシルオ
キシカルボニル−1.4−ベンゾキノンおよびカリオン
の微細水分散液ならびに殿粉糊を、固体重量比で1:5
0:4となるように配合し上質紙上に塗工し乾燥し、下
用紙とする。
発色試験 上用紙と下用紙の各塗工面を合せて電動タイプライター
で文字を打刻し発色させる。
未使用下用紙および発色下用紙それぞれについてTSS
型ハンター比色計(東洋精機社製)を用い発色率を求め
た。
未発色紙の反射率をI0、発色紙の反射率をI1とおく
と、発色率Jは次式で表される。
J=(I0−I1)/I0×100(%) 実施例2 色素として、4−メトキシフェニル−4′−ジメチルア
ミノフェニル−(1″−エチル−2″−メチルインドー
ル−3″−イル)−メタンを選び発色を行った。発色物
を日本電色社製Σ80機で測色した。
測色値 J=24.5% L=83.6,a=0.45,b=2.10 視感は暗紫青色であった。
以下、本発明の化合物を第1表に例示し、その融点と発
色物の色相を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)で表わされる発色性化合物。 (式中、R、Rは水素原子またはアルキル基を、R
    、Rはアルキル基またはベンジル基を示し、他に置
    換基としてアルキル基、アルコキシ基、フェニル基また
    はハロゲン原子を含んでもよい)
  2. 【請求項2】一般式(II)で表されるベンズヒドロール誘
    導体と、 (式中、R、Rは水素原子またはアルキル基を示
    し、他に置換基としてアルキル基、アルコキシ基、フェ
    ニル基またはハロゲン原子を含んでもよい) 一般式(III)で表されるインドール誘導体 (式中、R、Rはアルキル基またはベンジル基を示
    す) とを縮合させることを特徴とする、一般式(I)で表わ
    される発色性化合物の製造法。 (式中、R、Rは水素原子またはアルキル基を、R
    、Rはアルキル基またはベンジル基を示し、他に置
    換基としてアルキル基、アルコキシ基、フェニル基また
    はハロゲン原子を含んでもよい)
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