JPH0635239Y2 - 電子写真記録装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、二つの像担持体を備え、一回の通紙で記録用
紙の両面に印刷を行うことのできる電子写真記録装置に
関する。

〈従来の技術〉 記録用紙（以下単に用紙と呼ぶ）を反転させることな
く、一回の通紙でその両面に印刷を行う為に、二つの像
担持体を備えた電子写真記録装置（以下単に記録装置と
呼ぶ）が考案されている。

第３図は、従来この種類の記録装置を説明する概略構成
図である。

図で示す様にこの記録装置には、カット紙等の用紙Ｐの
上面と下面の夫々に対応させて、第一と第二の二つの画
像形成部A,Bが配設されている。各画像形成部A,Bには、
像担持体として例えば、Se系物質,CdS系物質、アモルフ
ァスSi,有機系物質等より成る感光体を表面に層状に設
けた感光ドラム1a,1bが備えられ、更にこの感光ドラム1
a,1bを囲む用にして、一次帯電器2a,2bと、露光光源3a,
3bと、現像装置4a,4bとが設けられる。

そして後述する様に記録紙Ｐにトナーを転写する為の転
写部である転写帯電器5a,5bが配置されている。

さらに感光ドラム1a,1bにおける各搬送先側には除電用
光源6a,6bと、クリーニング装置7a,7bとが配置されてい
る。又第二の画像形成部Ｂの用紙給送方向後方には、熱
定着装置８が配置されている。

上記各画像形成部A,Bの構成において、感光ドラム1a,1b
は夫々矢印ア，イ方向に一定速度で回転し、それらの表
面は、一次帯電器2a,2bにより均一に帯電される。その
後、感光ドラム1a,1bの表面には、露光光源3a,3bによっ
て印刷画像に応じた静電潜像が形成され、次いで現像装
置4a,4bから供給されたトナーの付着によりトナー像が
形成される。このトナー像が転写帯電器5a,5bにより用
紙Ｐに転写された後、感光ドラム1a,1bの表面は、除電
用光源6a,6bからの除電光により一様に除電されるとと
もに、クリーニング装置7a,7bによって残留トナーが除
去，回収され、次の印刷に移る。

そして用紙カセット９から給紙ローラ10により一枚ずつ
繰出されて搬送ガイド11で導かれた用紙Ｐは、先ず第一
の画像形成部Ａの感光ドラム1aと転写帯電器5a間を通過
する。その際に用紙Ｐに接触した状態で回転する感光ド
ラム1aの表面には、予め用紙Ｐの上面に印刷すべき画像
が上述の如くトナー像として形成されており、このトナ
ー像が、通過する用紙Ｐの上面に転写される。

次いでこの用紙Ｐは、搬送ガイド12で導かれて第二の画
像形成部Ｂの感光ドラム1bと転写帯電器5b間を通過する
際に、予め感光ドラム1bの表面に形成された、用紙Ｐの
下面に印刷すべき画像のトナー像が用紙Ｐの下面に転写
される。

この様にして両面にトナー像の形成された用紙Ｐは、熱
定着装置８に送られ、熱定着装置８の二本の加熱ローラ
8a,8bにより挟持圧送されることによって、両面のトナ
ー像が同時に固定される。これで用紙Ｐの両面の印刷が
完了し、用紙Ｐは排出される。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかし上記従来の記録装置では、用紙Ｐの何れか一方の
面、例えば上面だけに印刷を行う場合にも、印刷を行わ
ない下面に対応する第二の画像形成部Ｂを稼働させて感
光ドラム1bを転写時と同様に回転させなければならない
という問題があった。これは、感光ドラム1bが停止した
状態だと、走行する用紙Ｐによりこすられて摩耗するか
らである。

更に感光ドラム1bを回転させれば、現像装置4b内のトナ
ーがこの感光ドラム1bに僅かながら付着する為、トナー
が無駄に消費されるという問題も起こる。

上述の様な問題は、ドラム式以外の、例えばベルト式の
像担持体を備えた記録装置においても同様に起こる。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は上記問題点を解決すべく案出された電子写真記
録装置で、記録用紙の何れか一方の面にのみ印刷を行う
場合に、他方の印刷を行わない面に対応する像担持体と
記録用紙との接触を阻止する接触阻止ガイドを設けたこ
とを特徴とするものである。

〈作用〉 上記構成により記録用紙は、印刷を行わない面に対応す
る像担持体に接触することなく接触阻止ガイドに導かれ
て、その像担持体を含む画像形成部を通過する。

〈実施例〉 以下、図面に基づいて本考案の一実施例を説明する。

第１図は、本考案に係る電子写真記録装置の概略構成図
である。尚第１図において、第３図に示した従来例と相
違ない構成部品については、同一の符号を付して説明を
省略する。

図で示す様に本考案の電子写真記録装置の特徴は、接触
阻止ガイド13を設けた点にある。この接触阻止ガイド13
は、記録用紙Ｐ（以下単に用紙Ｐと呼ぶ）の何れか一方
の面にのみ印刷を行う場合に、他方の印刷を行わない面
に対応する像担持体（感光ドラム）と用紙Ｐとの接触を
阻止する板状部材である。本実施例では、接触阻止ガイ
ド13は、用紙Ｐの下面に対応する第二の画像形成部Ｂの
感光ドラム1bと用紙Ｐとの接触を阻止させる様に、その
感光ドラム1bに沿って移動可能な状態で設けられてい
る。

すなわち接触阻止ガイド13は、例えばその四隅にローラ
14が取付けられて、図示しない駆動機構により感光ドラ
ム1bの表面に沿って移動が可能となり、その結果感光ド
ラム1bと転写帯電器5b間に出入りが自在となる。

上記構成の電子写真記録装置において、用紙Ｐの両面に
印刷を行う場合には、接触阻止ガイド13を、第１図の如
く搬送ガイド12の下方へ退避させた状態に保持する。そ
して従来例における両面印刷の場合と同様に、先ず第一
の画像形成部Ａの感光ドラム1aと転写帯電器5a間で用紙
Ｐの上面にトナー像を転写し、次いで第二の画像形成部
Ｂの感光ドラム1bと転写帯電器5b間で用紙Ｐの下面にト
ナー像を転写する。その後、熱定着装置８で用紙Ｐの両
面のトナー像を同時に固定して両面印刷を完了する。

又用紙Ｐの上面のみに印刷を行う場合には、第２図の説
明の如く、接触阻止ガイド13を駆動機構により感光ドラ
ム1bと転写帯電器5b間へ移動させて保持させる。そして
第一の画像形成部Ａの感光ドラム1aと転写帯電器5a間で
用紙Ｐの上面にトナー像を転写した後、搬送ガイド12を
経て転写帯電器5bと接触阻止ガイド13間に通紙させて熱
定着装置８へ導き、用紙Ｐの上面のトナー像を固定して
印刷を完了する。

すなわち、印刷を行なわない感光ドラム1bにあっては、
この感光ドラム1bに用紙Ｐが接触することなく転写帯電
器5bと接触阻止ガイド13間がなす搬送路を通過すること
になる。従って、印刷を行わない用紙Ｐ下面に対応する
感光ドラム1bを摩耗防止の為に回転させる必要がなくな
り、結果として第二の画像形成部Ｂを稼働する必要がな
くなる。

尚上記接触阻止ガイド13を双方の感光ドラム1a,1b夫々
に対して設け、用紙Ｐの印刷を行わない面に応じて、用
紙Ｐと感光ドラム1a或は1bとの接触を選択的に阻止させ
る様に構成してもよい。

又上記実施例では、ドラム式の像担持体を備えた電子写
真記録装置について説明したが、ドラム式以外の、例え
ばベルト式の像担持体を備えた電子写真記録装置の場合
にも、接触阻止ガイドを設けることにより同様な効果が
得られる。

〈考案の効果〉 以上述べた様に本考案の電子写真記録装置によれば、一
回の通紙で記録用紙の両面に印刷を行うことができるば
かりでなく、記録用紙の何れか一方の面にのみ印刷を行
う場合には、他方の印刷を行わない面に対応する像担持
体を摩耗防止の為に駆動する必要がなく、結果としてそ
の像担持体を含む画像形成部を稼働する必要がなくな
る。よってこの種の電子写真記録装置を効率的に作動さ
せることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る電子写真記録装置の概略構成
図、 第２図は、接触阻止ガイドの作用の説明図、 第３図は、従来の電子写真記録装置の概略構成図であ
る。 1a,1b…感光ドラム（像担持体）， 13…接触阻止ガイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】二つの像担持体と各像担持体に対応して配
   置された転写部とを備え、記録用紙を前記像担持体と転
   写部間に通過させて該記録用紙の両面夫々にトナー像を
   転写することにより、一回の通紙で記録用紙の両面に印
   刷を行うことのできる電子写真記録装置において、 前記像担持体のうち、少なくとも一つには、該像担持体
   の表面に沿いかつ該像担持体と転写部間に出入り自在に
   移動する接触阻止ガイドを設けたものであって、 印刷を行なわない前記接触阻止ガイドが設けられた像担
   持体にあっては、 該像担持体とそれに対応した転写部との間に前記接触阻
   止ガイドが移動して、該転写部と接触阻止ガイドとの間
   に記録用紙を通過させることを特徴とする電子写真記録
   装置。