JPH06349700A - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JPH06349700A
JPH06349700A JP5138488A JP13848893A JPH06349700A JP H06349700 A JPH06349700 A JP H06349700A JP 5138488 A JP5138488 A JP 5138488A JP 13848893 A JP13848893 A JP 13848893A JP H06349700 A JPH06349700 A JP H06349700A
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JP5138488A
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English (en)
Inventor
Tsuneo Miyai
恒夫 宮井
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/708Construction of apparatus, e.g. environment aspects, hygiene aspects or materials
    • G03F7/70858Environment aspects, e.g. pressure of beam-path gas, temperature
    • G03F7/70866Environment aspects, e.g. pressure of beam-path gas, temperature of mask or workpiece

Abstract

(57)【要約】 【目的】 照明光のもとでレチクルのパターン像を投影
光学系を介してウエハ上に露光する際に、レチクルの熱
変形によって発生する結像特性(投影倍率等)の変化を
良好に補正する。 【構成】 曲線41で示すように、レチクル上のパター
ン存在率αが大きい程、熱変形が大きく倍率誤差の補正
すべき量が大きくなる。曲線42で示すように、パター
ン存在率αが50%の付近で計測誤差が大きくなり、パ
ターン存在率αの計測結果に基づいて推定される倍率誤
差Δβの誤差もパターン存在率αに対して山型に変化す
る。曲線43で示すように、結像特性の補正手段で設定
する投影倍率には所定の誤差がある。曲線41が曲線4
3より大きい領域44、又は曲線41が曲線44より大
きい領域45A,45Bで結像特性の補正を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体素子又は
液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する際
に使用され、マスクパターンを投影光学系を介して感光
性の基板上に投影する投影露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体素子又は液晶表示素子等を
フォトリソグラフィ工程で製造する際に、フォトマスク
又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)のパタ
ーンを投影光学系を介して感光性の基板(ウエハ、ガラ
スプレート等)上に投影する投影露光装置が使用されて
いる。近年、半導体集積回路等のパターンが微細化する
のに伴い、投影露光装置においては、レチクルが露光用
の照明光を吸収することによって生じる結像特性(例え
ば投影光学系の倍率、焦点位置等)の変化を補正する必
要が生じてきた。そこで、例えば特開平4−19231
7号公報に開示されているように、照明光の吸収による
レチクルの熱変形量を検出して、結像状態を補正する機
構が提案されている。
【0003】この機構を簡単に説明すると、照明光の吸
収によるレチクルの熱変形量を、レチクルの熱吸収率及
びパターンの密度分布等に基づいて数値計算するか、又
はレチクルの計測用マーク位置を直接計測することで求
める。これに基づいて、投影光学系による結像状態の変
化を、実測又は計算により予測する。この結果より、結
像状態の補正手段を用いて結像状態を一定にするか、又
は結像状態の変動による影響を最小に抑えるための補正
を行うというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の技術
により、レチクルの照明光の吸収による結像特性の補正
という問題は、一応解決されている。しかし、レチクル
のパターン面のパターン形状やパターンを形成する材質
(クロム等)等による影響で、レチクル上のパターンの
存在率が正確に計測できないという不都合があった。
【0005】特にレチクルのパターン形状が細いものに
ついては、照明光がパターンにより回折されて投影光学
系に全部は入射せず、外部に漏れてしまう。そのため、
基板が載置されているZステージ上の照射量モニターで
測定した光量からパターン存在率を推定する場合、推定
されたパターン存在率が実際のパターン存在率よりも大
きくなり(実際より多くのパターンが存在していると判
断してしまい)、それによる誤差が生じてしまう。ま
た、パターンが少ない(パターン存在率が小さい)レチ
クルにおいては、照明光の熱吸収によるレチクルの膨張
はほとんど無い為、補正を行うこと自体の誤差分が全体
の誤差に占める割合に対して大きくなり、最終的な結像
特性が補正前より却って悪くなることがあり得る。
【0006】従来、精度上あまり問題にならなかったこ
れらの結像特性の悪化が、近年あるいは将来に亘って益
々微細化するパターンを高い解像度で露光する上での障
害になってくると考えられる。本発明は斯かる点に鑑
み、レチクル等のマスクの熱変形によって発生する光学
特性の変化に対し、良好に補正を行い得る投影露光装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の投影露光
装置は、例えば図1及び図4に示すように、所定の波長
域の照明光で転写用のパターンが形成されたマスク
(R)を照明し、マスク(R)のパターンの像を投影光
学系(PL)を介して感光性の基板(W)上に結像投影
する投影露光装置において、マスク(R)のパターン形
成面の変形量に対応する物理量を測定する変形量測定手
段(16)と、この変形量測定手段の測定結果からマス
ク(R)のパターン形成面の変形量に起因する基板
(W)上での結像状態の変化量を推定する結像状態演算
手段(20)と、投影光学系(PL)による結像状態を
変化させる結像状態補正手段(23)と、この結像状態
補正手段を動作させて投影光学系(PL)による結像状
態を変化させた際の結像状態の目標とする結像状態から
の誤差量(曲線43)よりも、その結像状態演算手段に
より推定された結像状態の変化量(曲線41)が大きい
場合に、その結像状態補正手段を動作させて投影光学系
(PL)の結像状態をその結像状態演算手段により推定
された結像状態の変化量を相殺させるように変化させる
制御手段(20)と、を有するものである。
【0008】また、本発明の第2の投影露光装置は、例
えば図1及び図4に示すように、所定の波長域の照明光
で転写用のパターンが形成されたマスク(R)を照明
し、マスク(R)のパターンの像を投影光学系(PL)
を介して感光性の基板(W)上に結像投影する投影露光
装置において、マスク(R)のパターン形成面の変形量
に対応する物理量を測定する変形量測定手段(16)
と、この変形量測定手段の測定結果からマスク(R)の
パターン形成面の変形量に起因する基板(W)上での結
像状態の変化量を推定する結像状態演算手段(20)
と、投影光学系(PL)による結像状態を変化させる結
像状態補正手段(23)と、その結像状態演算手段によ
り推定された結像状態の変化量の誤差量(曲線42)よ
りも、その結像状態演算手段により推定された結像状態
の変化量(曲線41)が大きい場合に、その結像状態補
正手段を動作させて投影光学系(PL)の結像状態をそ
の結像状態演算手段により推定された結像状態の変化量
を相殺させるように変化させる制御手段(20)と、を
有するものである。
【0009】この場合、その第1の投影露光装置におい
て、その制御手段(20)は、その結像状態演算手段に
より推定された結像状態の変化量(曲線41)が、その
結像状態補正手段を動作させて投影光学系(PL)によ
る結像状態を変化させた際の結像状態の目標とする結像
状態からの誤差量(曲線43)及びその結像状態演算手
段により推定された結像状態の変化量の誤差量(曲線4
2)よりも大きい場合に、その結像状態補正手段を動作
させて投影光学系(PL)の結像状態をその結像状態演
算手段により推定された結像状態の変化量を相殺させる
ように変化させることが望ましい。
【0010】
【作用】斯かる本発明によれば、マスク(R)のパター
ン形成面の変形量に対応する物理量(照明光の照度、パ
ターン存在率、パターンの材質、パターンの反射率等)
を測定することにより、マスク(R)のパターン形成面
の熱膨張による変形量が求められ、この変形量から基板
(W)上での結像状態(倍率、フォーカス位置等)の変
化量が推定される。例えば図4に示すように、測定する
物理量としてパターン存在率αを例に取り、結像状態と
して倍率誤差Δβを例に取ると、パターン存在率αが大
きい程熱膨張量が大きくなるため、結像状態演算手段
(20)により推定された結像状態の変化量は、曲線4
1のようにパターン存在率αにほぼ比例して増加する。
【0011】また、パターンが少ない場合にはパターン
存在率αの計測誤差は少なく、逆にパターンが多い場合
でもそのパターンを反転することによりパターン存在率
αの計測誤差は少なくなるため、パターン存在率αの計
測誤差は、山型の特性となる。従って、パターン存在率
αの計測結果に基づいて、結像状態演算手段(20)に
より推定された結像状態の変化量の誤差量は、曲線42
のように山型となる。また、結像状態補正手段(23)
を動作させて投影光学系(PL)による結像状態(投影
倍率)を変化させた際の結像状態の目標とする結像状態
からの誤差量は、曲線43のようにパターン存在率αに
拘らずほぼ一定の量となる。
【0012】そこで、先ず本発明の第1の投影露光装置
では、結像状態補正手段(23)を動作させて投影光学
系(PL)による結像状態を変化させた際の結像状態の
目標とする結像状態からの誤差量(曲線43)よりも、
結像状態演算手段(20)により推定された結像状態の
変化量(曲線41)が大きい場合(領域44)に、結像
状態補正手段(23)を介して投影光学系(PL)の結
像状態を補正する。これにより、結像状態補正手段(2
3)を動作させて、却って結像特性が悪化することが防
止される。
【0013】一方、第2の投影露光装置では、結像状態
演算手段(20)により推定された結像状態の変化量の
誤差量(曲線42)よりも、結像状態演算手段(20)
により推定された結像状態の変化量(曲線41)が大き
い場合(領域45A,45B)に、結像状態補正手段
(23)を動作させて投影光学系(PL)の結像状態を
補正する。これにより、推定された結像状態の変化量の
誤差量が大きい場合に、誤った方向に結像特性の補正が
行われることが防止される。
【0014】また、最も望ましいのは、結像状態演算手
段(20)により推定された結像状態の変化量(曲線4
1)が、結像状態補正手段(23)を動作させて投影光
学系(PL)による結像状態を変化させた際の結像状態
の目標とする結像状態からの誤差量(曲線43)、及び
結像状態演算手段(20)により推定された結像状態の
変化量の誤差量(曲線42)よりも大きい場合(領域4
5B)に、結像状態補正手段(23)を動作させて投影
光学系(PL)の結像状態を補正することである。これ
により、結像状態補正手段(23)を動作させて、却っ
て結像特性が悪化すること、及び推定された結像状態の
変化量の誤差量が大きい場合に、誤った方向に結像特性
の補正が行われることの両方が防止される。
【0015】
【実施例】以下、本発明による投影露光装置の一実施例
につき図面を参照して説明する。図1は本実施例の投影
光学装置の概略的な構成を示し、この図1において、超
高圧水銀ランプ、エキシマレーザ光源等の露光用の照明
光源1は、g線、i線あるいは紫外線パルス光(例えば
KrFエキシマレーザ光等)のようなレジスト層を感光
するような波長(露光波長)の照明光ILを発生する。
【0016】照明光ILは、照明光の光路の閉鎖、開放
を行うシャッター2、及び大部分(90%以上)の照明
光を通過させる半透過鏡4を通過した後、オプティカル
インテグレータ(フライアイレンズ)等を含む照明光学
系6に達する。シャッター2は駆動部3により照明光の
透過及び遮断を制御するように駆動される。また、半透
過鏡4で反射された照明光の一部は、PINフォトダイ
オード等の光電検出器(パワーモニタ)5に入射する。
パワーモニタ5は照明光ILを光電検出して光情報(強
度値)PSを主制御系20に出力し、この光情報PSは
主制御系20において投影光学系PLの結像特性の変動
量を求めるための基礎データとなっている(詳細後
述)。
【0017】照明光学系6において光束の一様化、スペ
ックルの低減化等が行われた照明光ILは、反射率の高
いビームスプリッター7で反射されてリレーレンズ9
a、可変ブラインド10及びリレーレンズ9bを経た
後、ミラー12で垂直に下方に反射されてメインコンデ
ンサーレンズ13により集束され、レチクルRのパター
ン領域PAを均一な照度で照明する。可変ブラインド1
0の配置面はレチクルRのパターン形成面と結像関係に
あるので、駆動モータ11により可変ブラインド10を
構成する可動ブレードを開閉させて開口位置、形状を変
えることによって、レチクルRの照明視野を任意に選択
することができる。
【0018】また、本実施例では、照明光ILの照射に
よりウエハWから発生する反射光が、投影光学系PL及
びレチクルR等を経てビームスプリッター7に達し、ビ
ームスプリッター7を通過した反射光が、光電検出器
(反射量モニタ)8に入射するように構成されている。
反射量モニタ8は、ウエハWからの反射光を光電検出し
て得た光情報(強度値)RSを主制御系20に出力し、
主制御系20においてその光情報RSは投影光学系PL
の結像特性の変動量を求めるための基礎データとなる
(詳細後述)。
【0019】レチクルRは、水平面(XY平面)内で2
次元移動可能なレチクルステージRS上に載置され、レ
チクルR上のパターン領域PAの中心点が投影光学系P
Lの光軸AXと一致するように位置決めが行われる。レ
チクルRの初期設定は、レチクル周辺のアライメントマ
ーク(不図示)を光電検出するレチクルアライメント系
RAからのマーク検出信号に基づいて、レチクルステー
ジRSを微動することにより行われる。レチクルRは不
図示のレチクル交換器により適宜交換されて使用され
る。特に多品種少量生産を行う場合、交換は頻繁に行わ
れる。
【0020】さて、レチクルRのパターン領域PAを通
過した照明光ILは、両側テレセントリックな投影光学
系PLに入射し、投影光学系PLは、レチクルRの回路
パターンの投影像を、表面にレジスト層が形成され、そ
の表面が投影光学系PLの結像面IMとほぼ一致するよ
うに保持されたウエハW上の一つのショット領域に重ね
合わせて投影(結像)する。
【0021】ウエハWは、駆動モータ17により投影光
学系PLの光軸AXの方向(Z方向)に微動可能なZス
テージ14上に載置されている。更に、Zステージ14
は、駆動モータ18によりステップ・アンド・リピート
方式で2次元移動可能なXYステージ15上に載置さ
れ、XYステージ15はウエハW上の1つのショット領
域に対するレチクルRの転写露光が終了すると、次のシ
ョット位置までステッピングされる。XYステージ15
の2次元的な位置は干渉計19によって、例えば0.0
1μm程度の分解能で常時検出され、Zステージ14の
端部には干渉計19からのレーザビームを反射する移動
鏡14mが固定されている。また、Zステージ14上に
は照射量モニタ(例えば投影光学系PLのイメージフィ
ールド又はレチクルパターンの投影領域とほば同じ面積
の受光面を備えた光電検出器)16が、ウエハWの表面
位置とほぼ一致するように設けられており、照射量モニ
タ16から出力される照射量に関する光情報LSも主制
御系20に送られ、投影光学系PLの結像特性の変動量
を求めるための基礎データとなっている。
【0022】また、図1中には投影光学系PLの結像面
IMに向けてピンホール若しくはスリットの像を形成す
るための結像光束、又は平行光束を、光軸AXに対して
斜め方向より供給する照射光学系22aと、その結像光
束又は平行光束のウエハ表面での反射光束を受光する受
光光学系22bとから成る斜入射方式の表面位置検出系
22が設けられている。ここで、表面位置検出系22の
構成等については、例えば特公平2−10361号公報
に開示されており、ウエハ表面の結像面IMに対する上
下方向(Z方向)の位置を検出し、ウエハWと投影光学
系PLとの合焦状態を検出する焦点検出系と、ウエハW
上の所定領域の結像面IMに対する傾きを検出する水平
位置検出系とを組み合わせたものである。
【0023】尚、本実施例では結像面IMが零点基準と
なるように、予め受光光学系22bの内部に設けられた
不図示の平行平板ガラス(プレーンパラレル)の角度が
調整されて、焦点検出系のキャリブレーションが行われ
ている。更に、ウエハWの表面と結像面IMとが一致し
た時に、照射光学系22aからの平行光束が受光光学系
22bの内部の4分割受光素子(不図示)の中心位置に
集光されるように、水平位置検出系のキャリブレーショ
ンが行われているものとする。
【0024】次に、投影光学系PLによる結像状態を補
正するための補正手段の構成について説明する。本実施
例においては、後に詳述するが、投影光学系PLのレン
ズエレメントを駆動することにより、結像特性(投影倍
率、ディストーション等)を補正する構成となってお
り、投影光学系PLの光学特性を調整可能とするため、
その光学要素の一部が移動可能となっている。図1に示
すように、レチクルRに最も近い第1群のレンズエレメ
ント30,31は支持部材32により固定されると共
に、第2群のレンズエレメント33は支持部材34によ
り固定され、更に第3群のレンズエレメント35は支持
部材36に固定されている。また、レンズエレメント3
5より下部のレンズエレメントはそれぞれ投影光学系P
Lの鏡筒部37に固定されている。尚、本実施例におい
て投影光学系PLの光軸AXとはこの鏡筒部37に固定
されているレンズエレメントの光軸を指すものとする。
【0025】さて、支持部材36は伸縮可能な駆動素子
40a,40b,40cによって投影光学系PLの鏡筒
部37と連結されている。また、支持部材34は伸縮可
能な駆動素子39a,39b,39cによって支持部材
36に連結されると共に、支持部材32は伸縮可能な駆
動素子38a,38b,38cによって支持部材34に
連結されている。ここで、本実施例では駆動素子制御部
23によって、レチクルRに近いレンズエレメント3
0,31,33及び35が移動可能となっており、これ
らのエレメントは倍率、ディストーション特性に与える
影響が他のレンズエレメントに比べて大きく制御し易い
ものを選択してある。
【0026】また、本実施例では移動可能なレンズエレ
メントを3群構成としているため、他の諸収差の変動を
抑えつつレンズエレメントの移動範囲を大きくでき、し
かも種々の形状歪み(台形、菱形、樽型、糸巻型等)に
対応可能となっており、照明光(露光光)吸収に起因す
るレチクルRの熱変形に応じて生じる投影光学形PLの
結像特性の変動に十分対応できる。
【0027】尚、レンズエレメントの移動は、投影光学
系PLの他の諸収差(例えば非点収差等)に及ぼす影響
が無視できる範囲内で行うものとする。または、レンズ
エレメント相互の間隔を調整することによって、倍率、
ディストーション特性を制御しつつ、他の諸収差をも補
正するという方式を採用しても構わない。図2は投影光
学系PLを上方(レチクル側)から見た図であって、駆
動素子38a〜38cはそれぞれ120゜ずつ回転した
位置に配置され、駆動素子制御部23により独立制御可
能となっている。また、駆動素子39a〜39c及び4
0a〜40cについても同様にそれぞれ120゜ずつ回
転して配置され、駆動素子制御部23により独立に制御
可能となっている。駆動素子38a,39a及び40a
は互いに40゜だけずれて配置されており、駆動素子3
8b,39b及び40bと38c,39c及び40cと
についても同様に互いに40゜ずつずれて配置されてい
る。駆動素子38〜40としては、例えば電歪素子、磁
歪素子を用い、駆動素子に与える電圧または磁界に応じ
た駆動素子の変位量は予め求めておくものとする。ここ
では図示していないが、駆動素子のヒステリシス性を考
慮し、位置検出装置としての容量型位置センサ、差動ト
ランス等を駆動素子の近傍に設けることとする。従っ
て、駆動素子に与える電圧または磁界に対応した駆動素
子の位置をモニターできるので、高精度な駆動が可能と
なる。
【0028】以上の構成によって、3群のレンズエレメ
ント(30,31)、33及び35の周辺3点を独立
に、投影光学系PLの光軸AX方向に主制御系20から
与えられる駆動指令に応じた量だけ移動させることがで
きる。この結果、3群のレンズエレメント(30,3
1)、33及び35の各々を光軸AXにほぼ沿って平行
移動させることができると共に、光軸AXとほぼ垂直な
平面に対して任意に傾斜させることが可能となる。尚、
上記レンズエレメントはそれぞれ光軸AXに垂直な面を
仮想的な傾斜基準として傾斜するものとする。
【0029】図1において、主制御系20は、パワーモ
ニタ5、反射量モニタ8、照射量モニタ16より情報を
得て、後述する如く投影光学系PLの結像特性の変動量
を演算にて算出すると共に、駆動素子制御部23を始め
として装置全体を統括制御する。また、主制御系20に
はメモリ21が接続され、照明光吸収によるレチクルR
の熱変形量を算出するために必要な種々のデータ(レチ
クルRの遮光部材の種類やパターンの密度分布等)がメ
モリ21に記憶されている。また、メモリ21には、熱
変形量に基づいて結像状態の変化量を演算するための数
式又はテーブル等も格納されている。
【0030】次に、本実施例における結像特性の変動量
の演算方法について述べる。本実施例は、レチクルRの
熱変形に応じて発生する結像特性の変動を補正するもの
であり、本実施例では、結像特性の変動量を演算するに
当たって、先ずレチクルRの熱変形量を求める。以下、
その方法について説明する。レチクルRの熱変形は、該
レチクルRの温度分布に比例して発生していると考えて
よいので、熱変形量を計算するためにはレチクルRの或
る時間における温度分布が分かればよい。例えば、この
温度分布を計算機でシミュレーションする手法として、
レチクルRを所定の複数の有限な要素に分解し、各点の
温度変化を差分法、又は有限要素法等により計算するも
のが知られている。本実施例では単純な差分法で説明を
行う。
【0031】先ず、レチクルRの正方形の露光エリアを
図3(a)の如く4×4個の16個のブロックB1〜B
16に分割する。また、各ブロックB1〜B16の中心
点をそれぞれP1〜P16とする。この分割数あるいは
計算法の選択は最終的に必要な精度と、計算機の計算ス
ピード等を加味して決められるもので、本実施例では便
宜的に16分割したに過ぎない。
【0032】レチクルRは、図1のシャッタ2がオープ
ン時には照明光学系6を介して均一に照明される。しか
しながらレチクルRのパターンの分布によりレチクルR
上で吸収される熱量は場所によって異なる。このためレ
チクルR上の各ブロックB1〜B16毎にパターン存在
率を求める。このとき各ブロック内ではそれぞれ吸収さ
れる熱量が均一なものであると仮定する。
【0033】各ブロックB1〜B16のパターン存在率
は例えばZステージ14上の照射量モニタ16とパワー
モニタ5との出力比で求められる。照射量モニタ16は
Zステージ14上にあって、投影光学系PLのイメージ
フィールドとほぼ等しい口径の受光面をもったフォトセ
ルである。Zステージ14を移動させることで、照射量
モニタ16を投影光学系PLのイメージフィールドのほ
ぼ中心部へ送り込み、ウエハW上に照射される照明光の
全てを受光して光電検出し、レチクルR等を介してウエ
ハW上に到達する照明光の照射量を算出する。照射量は
照明光のパワー、レチクルRの透過率、可変ブラインド
10の大きさ等に依存するものである。
【0034】また、照射量モニタ16は、レチクルRが
16分割されていることに対応して受光面が16分割さ
れており、各ブロックを通過して結像した光量を独立に
測定できるようになっている。このときZステージ14
により照射量モニタ16とレチクルRとを正確に位置合
わせした後測定を行う。先ず、予めパターンの全く描か
れていないレチクルで照射量モニタ16の各出力とパワ
ーモニタ5の出力との比を求めておき、パターンの描か
れたレチクルで出力比を測定してパターンの存在率を求
める。この測定はレチクル交換毎に行ってもよいし、予
めレチクル毎に測定しておき、メモリ21に記憶させて
おいてもよい。
【0035】また、照射量モニタ16については、各ブ
ロックの面積が等しい場合は分割式でなくても良く、受
光面が1ブロックに相当する大きさの照射量モニタをZ
ステージ14上に用意して、ZステージをXY面内でス
テッピングすることにより測定を行っても良い。勿論、
レチクルの製造時のデータによりパターン存在率が分か
っていれば測定の必要はない。
【0036】さて、以上のように求めた各ブロックB1
〜B16のパターン存在率に基づいて各ブロックの熱吸
収量を計算する。各ブロックは光源1のパワーとパター
ン存在率とに比例して熱量を吸収する。吸収された熱
は、空気中、あるいはレチクルステージRSを介して逃
げてゆく。また、各ブロック間においても熱は移動す
る。
【0037】ここで、例えば2物体間における熱量の移
動を考える。この場合の熱量の移動は、基本的に2つの
物体間の温度差に比例すると考えられる。また、熱量の
移動に伴う温度変化の変化率は熱量の移動量に比例す
る。これらを式で表すと次のようになる。
【0038】
【数1】△Q=K1(T1−T2) (T1>T2
【数2】dT1/dt=−K2 △Q
【数3】dT2/dt=K3 △Q
【0039】但し、△Qは移動した熱量、T1 ,T2
各物体の温度、tは時間、K1 ,K 2 ,K3 は比例定数
である。(数1)〜(数3)より次式が成り立つ。
【0040】
【数4】dT1/dt=−K4(T1−T2
【数5】dT2/dt=K5(T1−T2
【0041】これは、よく知られているように一次遅れ
系であり、温度T1 及びT2 の間に温度差があるとき、
両者はエクスポネンシャルカーブを描いて一定の温度に
達する。上式に基づいてレチクルR上の熱分布の計算を
行う。
【0042】先ず、図3(a)のブロックB1に注目す
る。ブロックB1は隣接するブロックB5及びB2と熱
のやりとり(熱伝達)をする。また、レチクルステージ
RS及び空気とも熱のやりとりをするが、ここでは簡単
にするため空気の温度とレチクルステージ8の温度は一
定とする。各ブロックの温度をT1 〜T16、空気の温度
をT0 、レチクルステージRSの温度をTH とすると、
ブロックB1の温度T 1 に関して次式が成り立つ。
【数6】dT1/dt=K12(T2−T1)+K15(T5
1)+K10(TH−T1)+K0(T0−T1)+KPη1
【0043】ここで、dT1/dtはT1 の時間微分、K
12,K15は各々ブロックB1とブロックB2及びB5と
の熱のやりとりの係数、K10はレチクルステージRSと
ブロックB1との間の熱のやりとりの係数、K0 は各ブ
ロックと空気との熱のやりとりの係数である。また、η
1 はブロックB1のパターン存在率、Pは光源1のパワ
ーでパワーモニタ5の出力に対応している。KP は照明
光を各ブロックが吸収した熱量とη1 及びPとを関係づ
ける係数である。(数6)の最後の項は照明光から吸収
する熱量を示しており、その他の項は吸収した熱が拡散
していく過程を示している。ここでTH,T0 は一定であ
り、TH =T0 とし、各ブロックの温度を(T0 +△
T)で表せること、及びレチクル上の各ブロックは全て
石英ガラスでできているためK12,K13,…等は全て等
しいことを考慮に入れると、(数6)は、次式のように
なる。
【0044】
【数7】d△T1/dt=KR(△T2−△T1)+K
R(△T5−△T1)+KH(−△T1)+K0(−△T1
+KPη1P=(−2KR−KH−K0)△T1+KR△T2
R△T5+KPη1P (但し、KR=K12=K13=…)
【0045】(数7)をブロックB1〜B16について
それぞれ求め、これをマトリックス表現で表すと次式の
ようになる。
【0046】
【数8】
【0047】これは一階の微分方程式の16元連立方程
式であり、数値解法によって解くことが可能である。あ
るいは、微分の形をある微小時間(計算器の計算周期)
の値の差として差分形式で表現して解く方法、すなわち
差分法によっても解くことができる。(数8)で所謂外
力の項は最終項であるので、単位時間毎の各ブロックの
値、即ちη11 ,η2 ,P2 …の値を計算器に入れて
やれば、各時間毎の△T1,△T2 …の値を求めることが
できる。パターン存在率η12…は前述したように実
測によって得られ、入射光量P1,P2…はパワーモニタ
5及び照射量モニタ16によって求まる。
【0048】また各係数KR,K0,KH,KP はレチクル、
空気の物性、空気の流速等から計算で求めることが可能
である。又は、種々のレチクルに関して実験を行い各係
数が現実に最もよく合うように決定することも可能であ
る。以上により温度分布△T1 〜△T16が求まる。これ
らと石英ガラスの膨張係数とより各ブロックB1 〜B16
の中心点P1 〜P16の相互の距離変化が求められ、レチ
クル上の各点の動きを決定することができ、これに基づ
いて、結像特性の変動、例えばウエハW上に投影される
像の歪を計算することができる。
【0049】上記までの方法は一旦レチクルの温度分布
△Tを求めてから、中心点Pの動きを求め、像歪を求め
るという手段をとったが、△Tの代わりに直接像歪(デ
ィストーション、像面湾曲等)を計算することも可能で
ある。このときには各係数K R,K0,KH,KP を実験によ
り求めれば、レチクルRの撓みの変化等も含まれた形と
なる。また、レチクルRの熱電導性が非常によく、一部
のみパターンがある場合あるいは一部のみに光があたる
場合でも、レチクルRが一様に膨張すると考えても精度
上問題がないときは、上記のような複雑な計算は必要な
く、より単純な計算で済む。
【0050】具体的に、例えばレチクルRが一様に膨張
すると、レチクルRの各ブロックの中心点P1〜P16
は、図3(b)に示すように、レチクルRの中心CTか
ら外側に移動する。そして、この状態で露光を行うと、
ウエハW上に投影されるパターン像には、倍率誤差が生
じる。この倍率誤差のような結像状態を補正するために
は、基本的には前述したとおり、投影光学系の3群のレ
ンズエレメント(30,31)、(33)及び(35)
を光軸方向あるいは光軸に垂直な軸を回転軸に傾斜方向
に駆動すればよい。
【0051】これに関して、図4はレチクル上の或るブ
ロックにおけるパターン存在率α[%]と、そのブロッ
クのパターンを投影光学系PLを介してウエハW上に投
影した場合の倍率誤差Δβ[%]との関係を示す。そし
て、パターン存在率αが大きい程、レチクルRの熱膨張
量が大きくなり、倍率誤差も大きくなるため、倍率誤差
の補正すべき量は、補正曲線41で示すようにパターン
存在率αにほぼ比例して大きくなる。また、レチクルR
のパターン存在率αは、レチクルRの透過率の測定結果
から算出されるが、レチクルRの透過率の測定誤差はパ
ターン存在率αが50%付近のときに最大となる。従っ
て、パターン存在率αの計測結果に基づいて算出した倍
率誤差Δβの真の倍率誤差からのずれ量は、測定誤差曲
線42で示すように、パターン存在率αが50%でほぼ
最大となる山型の分布となる。また、本例の投影光学系
PLの結像特性補正装置を動作させて、投影光学系PL
の倍率誤差Δβを補正した場合には、補正誤差曲線43
で示すように、パターン存在率αの全範囲に亘ってほぼ
一定の設定誤差が生じる。
【0052】そこで、パターン存在率αがα2 より少な
い領域(補正誤差曲線43が補正曲線41より大きい領
域)では、レチクルの熱膨張による倍率誤差の補正すべ
き量が、倍率誤差の補正動作に伴う設定誤差より小さく
なり、倍率誤差の補正を行わない方が、却って倍率誤差
が高精度に維持されるという場合が起きる。従って、補
正曲線41が補正誤差曲線43より大きい領域44のみ
で、倍率誤差の補正を行うことにより、倍率誤差の補正
動作に伴う設定誤差により倍率誤差が大きくなってしま
うという現象が防止される。
【0053】また、パターン存在率αがα1 とα3 との
間の領域(測定誤差曲線42が補正曲線41より大きい
領域)では、レチクルの熱膨張による倍率誤差の補正す
べき量が、パターン存在率の測定誤差による倍率誤差の
誤差分より小さくなり、倍率誤差の補正を行わない方
が、却って倍率誤差が高精度に維持されるという場合が
起きる。従って、補正曲線41が測定誤差曲線42より
大きい2つの領域45A及び45Bのみで、倍率誤差の
補正を行うことにより、パターン存在率の測定誤差によ
り倍率誤差が大きくなってしまうという現象が防止され
る。また、レチクルの材質等により、レチクルのパター
ン存在率の測定誤差に対応する測定誤差曲線42が、全
て補正すべき倍率誤差を示す補正曲線41よりも下方に
あるときは、全範囲に亘って倍率誤差の補正を行えば良
い。
【0054】なお、補正曲線41が測定誤差曲線42及
び補正誤差曲線43の何れよりも大きい領域45Bのみ
で、倍率誤差の補正を行うようにしても良い。更に、上
述した測定誤差曲線42及び補正誤差曲線43は、便宜
上倍率誤差の誤差要因を2つに分けたものであり、より
倍率誤差を少なくするためには、図4において、補正曲
線41が、測定誤差曲線42及び補正誤差曲線43の和
よりも大きい領域で倍率誤差の補正(熱膨張補正)を行
えば良い。
【0055】同様に、パターンの材質についても図4の
パターン存在率αと同じような誤差特性が得られ、低反
射のクローム等をパターンの材質に用いているレチクル
は、高反射の材質を用いているレチクルと比較すると測
定誤差は小さいので熱膨張補正により結像特性が改善さ
れる。また、倍率誤差のみならず、歪曲収差やフォーカ
ス位置の変化についても、図4と同様な誤差特性が得ら
れる。
【0056】このように、結像特性の補正すべき量より
も、実際に結像特性を補正することによる誤差の方が大
きい現象が起きる。そこで、実際の露光プロセスでは、
どの様な状況のもとでも結像特性の最適化がなされるよ
うに、レチクルのガラス基板の材質やパターンの材質、
パターン面に描かれている回路図の形状、パターン面に
おけるパターン存在率等のレチクルに関する情報をもと
に、露光条件を主制御系20に接続されたメモリ(2
1)に数式化して記憶させ、その露光条件に従って露光
が行われる。
【0057】実際の例で説明すると、レチクルRのパタ
ーンには大別してライン・アンド・スペース(L/S)
パターン用とコンタクトホール用との2種類あるが、こ
れまで述べた条件から、L/Sパターンでは測定誤差が
大きいので、コンタクトホール用のパターンについての
み熱膨張補正(結像特性の補正)を行えば良い。また、
レチクルRのパターン面の材質については、高反射率の
パターンを持つものと低反射率のパターンを持つものと
があるが、パターン面での熱の吸収の多い低反射率のレ
チクルについて熱膨張補正(結像特性の補正)を行えば
良い。
【0058】また、前述の投影光学系PLの結像特性の
補正手段を行使するか否かの判断に関して、レチクルR
のパターン面PAに影響を与えない部分に、バーコード
等の読み取り部分を設け、そこに表示されているパター
ン情報をレチクルRがレチクルステージRSに搬送され
る途中や、レチクルステージRSでレチクルRがアライ
メントされている間等に読み取るようにしても良い。そ
して、その読み取ったパターン情報を主制御系20に送
り、予め主制御系20に入力されている情報と比較する
ことで、補正の可否の判断をオペレータ又は主制御系2
0自身が行うことができる。
【0059】また、別の方法として、図1のZステージ
14上に高反射率の反射板を設定して、Zステージ14
を光軸AX方向に動かしながら、レチクルRのパターン
面PAを通過してZステージ14上の反射板で反射され
た照明光の強度を、ミラー7の背面の光電検出器8で検
出しても良い。その反射光の強度をZステージ14の動
きと同期するように測定し、ベストフォーカス位置近辺
の強度曲線の傾きからパターン領域PAのパターンの微
細度を調べることで、レチクルRの熱膨張補正の計算式
の係数を補正することが可能となる。
【0060】この他の方法として、レチクルRを収納し
ておくカセット部(不図示)に、レチクルRを収納する
ときに予めパターン等の情報を測定しておく方法や、製
造時にパターン等の情報を測定しておく方法も考えられ
る。前者の場合、レチクル交換毎にカセット部からの情
報を主制御系20に送ることにより補正の行使の判断を
行うことができる。また、レチクルの状態や照明光のエ
ネルギーの状態により、いつから補正を始めたらよいと
いう判断を行うこともできる。
【0061】次に、結像特性の補正を行うときの前処理
として、レチクルの熱変形量を測定するために、図1の
実施例では照射量モニタ16により計測したパターン存
在率に基づいて熱変形量を算出している。その他に、レ
チクルの熱変形量を直接測定するために、図5に示すよ
うに、レチクルRのパターン面PAで回折されて投影光
学系PLに入らなかった回折光を、投影光学系PLの上
方にレチクルRに近接して設置してある受光センサー4
6により受光しても良い。熱変形によりレチクルRのパ
ターンのピッチ等が変化すると、回折光の光量が変化す
るため、その受光センサー46の検出信号からレチクル
Rの熱変形量を検出することができる。受光センサー4
6の検出信号を主制御系20に供給し、主制御系20は
駆動素子制御部23を介してレチクルRの熱膨張に伴う
結像特性の変化の補正を行う。この回折光の光量変化の
測定については、実際にウエハWにパターンを焼き付け
ている間にも測定を行うことが可能である。
【0062】また、図6に示すように、レチクルRの直
下の側面部に走査装置48を配置し、走査装置48に2
次元CCD等の受光センサー47を取り付けても良い。
そして、露光の直前に走査装置48を用いて受光センサ
ー47でレチクルRの下面を走査するか、又は一括で受
光センサー47を用いてレチクルRのパターン領域を通
過した光量を計測することにより、レチクルRのパター
ンの熱変化量を直接計測することができる。この方法を
用いると、長期にわたるレチクルRの熱膨張の様子を容
易に測定することができ、レチクルRに複数個のチップ
パターンが描かれていて、その分割された1つのチップ
パターンのみを露光をしている場合にも、正確に対応す
ることができる。
【0063】また、図5に戻り、受光センサー46を、
投影光学系PLを取り囲むように複数個設置することが
望ましい。この場合、レチクルRに形成されているパタ
ーンの大部分が直交するパターン(X方向及びY方向に
平行なパターン)であることから、図7に示すように、
X方向に平行なパターンの両側に2個の受光センサー4
6b及び46dを配置し、Y方向に平行なパターンの両
側に2個の受光センサー46a及び46cを配置するこ
とでも、計測精度は良好である。また、図5において、
1個あるいは複数個の受光センサー46を、投影光学系
PLの周囲を移動できるように設置しても、図7の場合
と同等の効果が得られる。
【0064】また、焦点位置に合わされた、Zステージ
14上に平面度の高い反射板(不図示)を設置して、レ
チクルRを通り、投影レンズPLを通過し、反射板上で
結像した像の反射像を再び投影レンズPL、レチクルR
を通して、パターン面PAと共役な位置にある受光セン
サー(不図示)で、光量の変化を測定することで、レチ
クルRの熱膨張率を測定することが可能である。
【0065】その他の方法として、レチクルRのパター
ン領域PA側の近傍に非接触の温度センサー(不図示)
を配置し、そのパターン領域PAの表面の温度分布を直
接測定しても良い。そして、レチクルRの熱膨張の様子
や、温度分布の測定を継続的に行い、その結果に画像処
理等を施すことにより、その後の熱膨張の様子を予想す
ることができる。この熱変形量に基づいて結像特性の補
正を行うことにより、より高精度の露光を行うことがで
きる。
【0066】また、露光時において、図1のシャッター
2の開閉の間隔と、照明光ILのエネルギー量の積算量
などのデータとを主制御系20で数式化することで、上
述したものと同様に予測的に結像特性の補正を行うこと
が可能となる。そして、これらの情報を蓄積していくこ
とで、更に精度の高い制御を行うことが可能となる。ま
た、予測制御を続けている間にも、並行して、実際に測
定を行うことも可能であり、この測定結果を逐次主制御
系20に入力していくことにより、より高精度な補正が
可能となる。
【0067】なお、本発明は上述実施例に限定されず、
本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る
ことは勿論である。
【0068】
【発明の効果】本発明の第1の投影露光装置によれば、
結像状態補正手段を動作させた際の結像状態の目標とす
る結像状態からの誤差量よりも、結像状態演算手段によ
り推定された結像状態の変化量が大きい場合に、投影光
学系の結像状態を補正するようにしているため、結像状
態補正手段を動作させて、却って結像特性が悪化するこ
とが防止される。従って、マスクの熱変形によって発生
する光学特性の変化に対し、良好に補正を行うことがで
きる利点がある。
【0069】従って、マスクのパターン中の遮光部材等
として、熱吸収を考えることなく、投影光学系あるい
は、アライメント系等の光学系にフレアー等の悪影響を
与えないものを選ぶことができる。また、第2の投影露
光装置によれば、結像状態演算手段により推定された結
像状態の変化量の誤差量よりも、結像状態演算手段によ
り推定された結像状態の変化量が大きい場合に、投影光
学系の結像状態を補正するようにしているため、推定さ
れた結像状態の変化量の誤差量が大きい場合に、誤った
方向に結像特性の補正が行われることが防止される。従
って、マスクの熱変形によって発生する光学特性の変化
に対し、良好に補正を行うことができる。
【0070】また、結像状態演算手段により推定された
結像状態の変化量が、結像状態補正手段を動作させて投
影光学系による結像状態を変化させた際の結像状態の目
標とする結像状態からの誤差量、及び結像状態演算手段
により推定された結像状態の変化量の誤差量よりも大き
い場合に、投影光学系の結像状態を補正する場合には、
マスクの熱変形による光学特性の変化をより良好に補正
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における縮小投影型露光装置
(ステッパー)の構成を示す一部を切り欠いた構成図で
ある。
【図2】投影光学系中のレンズの駆動機構を示す平面図
である。
【図3】(a)はレチクルRを16個のブロックに分割
した場合を示す平面図、(b)はレチクルRの熱変形の
一例を示す図である。
【図4】パターン存在率と倍率誤差との関係を示す図で
ある。
【図5】投影光学系PLの上部の側面に受光センサーを
配置して、レチクルRからの回折光の測定を行う場合を
示す概略構成図である。
【図6】投影光学系PLとレチクルRとの間に受光セン
サーを配置して、レチクルRのパターンを透過した光の
測定を行う場合を示す要部の構成図である。
【図7】投影光学系PLの上部の側面に複数個の受光セ
ンサーを配置して、レチクルRからの回折光の測定を行
う場合を示す平面図である。
【符号の説明】
1 光源 2 シャッター 8 反射率モニタ 10 可変ブラインド R レチクル PL 投影光学系 W ウエハ 14 Zステージ 16 照射量モニタ 20 主制御系 23 駆動素子制御部 41 受光センサー 41 補正曲線 42 測定誤差曲線 43 補正誤差曲線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の波長域の照明光で転写用のパター
    ンが形成されたマスクを照明し、該マスクのパターンの
    像を投影光学系を介して感光性の基板上に結像投影する
    投影露光装置において、 前記マスクのパターン形成面の変形量に対応する物理量
    を測定する変形量測定手段と、 該変形量測定手段の測定結果から前記マスクのパターン
    形成面の変形量に起因する前記基板上での結像状態の変
    化量を推定する結像状態演算手段と、 前記投影光学系による結像状態を変化させる結像状態補
    正手段と、 該結像状態補正手段を動作させて前記投影光学系による
    結像状態を変化させた際の結像状態の目標とする結像状
    態からの誤差量よりも、前記結像状態演算手段により推
    定された結像状態の変化量が大きい場合に、前記結像状
    態補正手段を動作させて前記投影光学系の結像状態を前
    記結像状態演算手段により推定された結像状態の変化量
    を相殺させるように変化させる制御手段と、を有するこ
    とを特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】 所定の波長域の照明光で転写用のパター
    ンが形成されたマスクを照明し、該マスクのパターンの
    像を投影光学系を介して感光性の基板上に結像投影する
    投影露光装置において、 前記マスクのパターン形成面の変形量に対応する物理量
    を測定する変形量測定手段と、 該変形量測定手段の測定結果から前記マスクのパターン
    形成面の変形量に起因する前記基板上での結像状態の変
    化量を推定する結像状態演算手段と、 前記投影光学系による結像状態を変化させる結像状態補
    正手段と、 前記結像状態演算手段により推定された結像状態の変化
    量の誤差量よりも、前記結像状態演算手段により推定さ
    れた結像状態の変化量が大きい場合に、前記結像状態補
    正手段を動作させて前記投影光学系の結像状態を前記結
    像状態演算手段により推定された結像状態の変化量を相
    殺させるように変化させる制御手段と、を有することを
    特徴とする投影露光装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記結像状態演算手段
    により推定された結像状態の変化量が、前記結像状態補
    正手段を動作させて前記投影光学系による結像状態を変
    化させた際の結像状態の目標とする結像状態からの誤差
    量及び前記結像状態演算手段により推定された結像状態
    の変化量の誤差量よりも大きい場合に、前記結像状態補
    正手段を動作させて前記投影光学系の結像状態を前記結
    像状態演算手段により推定された結像状態の変化量を相
    殺させるように変化させることを特徴とする請求項1記
    載の投影露光装置。
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