JP2008066639A - 露光装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】投影光学系を介したレチクル上のマーク像を計測し、焦点位置や平面方向位置ずれ量等を算出する(S15)。次に、投影光学系を介したレチクル基準プレート上のマーク像を計測し、焦点位置や平面方向位置ずれ量等を算出する(S30)。次に、投影光学系とレチクルの熱変化量が含まれるレチクルマーク像計測値と投影光学系の熱変化量が含まれる基準マーク像計測値との差からレチクル熱変化量を算出し(S40)、補償する。
【選択図】図2
Description
[露光装置の構成]
図1は本発明の一実施例に係る露光装置の装置構成概略図である。同図において、1は露光用の光源である。レチクル(原版)上の回路パターンをウエハ(基板)上に転写露光する際には、露光装置制御系70の指示が光源制御系30に伝えられ、光源制御系30の指示により露光光源1の動作が制御される。
ウエハステージ制御系60は、フォーカスキャリブレーション計測時には、ステージ基準プレート9を所定の基準位置の近傍で投影光学系5の光軸方向(z方向)に上下駆動を行う。また、露光時はウエハ8の位置制御も実施する。
露光装置制御系70では、補正値に基づきユニットを補正制御することにより高精度な露光を行う。
本発明の第1〜第5の実施例では、図1の露光装置において、投影光学系の熱変化量とレチクルの熱変化量を分離して計測する具体的な計測方法に関し説明する。
図2は投影光学系とレチクルの熱変化量を分離計測する計測シーケンスを示す図である。
ステップS10でレチクル上に描画されている計測用マークの計測位置にレチクルステージ、ウエハステージ、照明光学系、投影光学系等計測に必要なユニットを駆動する。
ステップS15でマーク(第1の像の特性)を計測する。計測値としては焦点位置や平面方向位置ずれ量等の計測値が算出される。
レチクル上マーク計測結果=レチクル熱変化量+投影光学系熱変化量・・(式1)
レチクル基準プレート上マーク計測結果=投影光学系熱変化量・・(式2)
(式1)、(式2)より
レチクル熱変化量=レチクル上マーク計測結果−レチクル基準プレート上マーク計測結果・・(式3)
となり、(式2)、(式3)よりレチクル熱変化量と投影光学系熱変化量を分離して算出することが可能となる。
図3は、2枚のレチクルを使い投影光学系とレチクルの熱変化量を分離計測する計測シーケンスを示す図である。
ステップS50で熱負荷が掛かっているレチクル(第1の原版)上に描画されている計測用マークの計測位置にレチクルステージ、ウエハステージ、照明光学系、投影光学系等計測に必要なユニットを駆動する。
ステップS55でマーク(第1の像の特性)を計測する。計測値としては焦点位置や平面方向位置ずれ量等の計測値が算出される。
ステップS70で熱負荷が掛かっていないレチクル(第2の原版)上に描画されている計測用マークの計測位置にレチクルステージ、ウエハステージ、照明光学系、投影光学系等計測に必要なユニットを駆動する。
ステップS80で計測するべき全マークの計測が完了しているかを確認し、全マーク計測が完了していない場合は、次の計測マークの座標情報より計測位置を算出しステップS70へ戻る。熱変化量は計測処理中の熱変化を小さくする為に短時間で計測を完了する必要がある。このため、レチクル上マークの計測マーク数は最適化しておくことが望ましい。
熱負荷が掛かっているレチクル上マーク計測結果=レチクル熱変化量+投影光学系熱変化量・・(式4)
熱負荷が掛かっていないレチクル上マーク計測結果=投影光学系熱変化量・・(式5)
(式4)、(式5)より
レチクル熱変化量=熱負荷が掛かっているレチクル上マーク計測結果−熱負荷が掛かっていないレチクル上マーク計測結果・・(式6)
となり、(式5)、(式6)よりレチクル熱変化量と投影光学系熱変化量を分離して算出することが可能となる。
詳細な計測方法に関し説明する。予め計測の前準備として計測対象マークを計測位置に駆動しておく。駆動は、レチクル基準プレート上マーク計測の場合はレチクル基準プレートとステージ基準プレートを、レチクル上マーク計測の場合はレチクル上マークとステージ基準プレートを駆動することにより行う。
図4は図1のTTR観察光学系20を計測手段として用いる場合の焦点位置計測シーケンスを示す図である。不図示ではあるが、TTR観察光学系による計測の前準備として、計測マークに対してTTR観察光学系の対物レンズの駆動を実施し、計測準備は完了しているものとする。
ステップS105でレチクル側マークの計測を実施する。ここでの計測は、TTR観察光学系内の照明系により照明されたレチクル側マークの反射光を利用した光量または画像計測を実施している。
ステップS110でレチクル側マークの計測が完了していない場合はステップS115でリレーレンズの焦点位置を変更し、計測が完了するまでステップS105、ステップS110を繰り返す。
ステップS100〜S110の処理は、レチクル側マークに対するTTR観察光学系のB.F.位置を求めているが、常に両者の関係が不変である場合には省略しても良い。
ステップS135でウエハ側マークの計測が完了していない場合はステップS140でウエハZステージの焦点位置を変更し、計測が完了するまでステップS130、ステップS135を繰り返す。
ステップS145で完了したウエハ側マーク計測結果を元にレチクル側マークに対するウエハ側マークの焦点位置を算出し、焦点位置を算出する。
図4のTTR観察光学系による焦点位置計測シーケンスは、レチクル上マークおよびレチクル基準プレート上マーク計測共通シーケンスである。
図5はTTR観察光学系による焦点位置計測シーケンスである。図4との相違は、予めレチクル側マークおよびウエハ側マークをTTR観察光学系で計測可能な位置に駆動しておき、ステップS160でTTR観察光学系内のリレーレンズを投影光学系の光軸方向への駆動と計測を実施している点である。図5のシーケンスは図4のシーケンスより短時間で計測を完了することができる。
ステップS165で計測する全マークの計測が完了しているか確認する。全マークの計測が完了していない場合は、次のマークを計測する為にレチクルステージ、ウエハステージ、TTR観察光学系の対物レンズを駆動し、ステップS160へ戻る。
図6はステージ基準プレートにレチクル側マークに対応したスリット型マーク(第2の基準マーク)とセンサを構成する。そして、照明光学系により露光光をレチクル側マークに照明し、投影光学系を介しステージ基準プレート上に形成された像(第1の像)を用いて焦点位置および平面方向位置ずれを計測する場合の計測シーケンスを示す図である。不図示ではあるが、計測の前準備として計測するマーク領域のみを照明する様照明光学系内の遮光板の駆動、計測対象マークを計測位置に駆動しておく。駆動は、レチクル基準プレート上マーク(第2の像)計測の場合はレチクル基準プレートとステージ基準プレートを駆動することにより行う。また、レチクル上マーク(第1の像)計測の場合はレチクル上マークとステージ基準プレートを駆動することにより行う。
ステップS175で焦点位置の算出を行い、焦点位置にウエハステージをZ駆動(光軸方向に駆動)する。
ステップS180で平面方向にウエハステージを駆動中にレチクル側マークに対して露光光を照明し、ステージ基準プレート側スリットを透過した光量を積算計測する。
ステップS185で平面方向の位置ずれの算出を行う。
ステップS190で全マークの計測完了を確認する。全マークの計測が完了していない場合は、次のマークを計測するためにレチクルステージ、ウエハステージ、照明光学系内の遮光板等を駆動し、ステップS170へ戻る。
本発明の第6および第7の実施例では、投影光学系の熱変化係数とレチクルの熱変化係数を分離して算出する具体的な計測方法に関し説明する。
図7は図2のシーケンスにより計測したレチクル計測およびレチクル基準プレート計測で取得された熱変化を示す図である。図7の実線はレチクル計測により得られた熱変化を示している。破線はレチクル基準プレート計測により得られた熱変化を示している。一点鎖線はレチクル計測値とレチクル基準プレート計測値の差分即ちレチクルの熱変化量を示している。
レチクル計測値=レチクル熱変化量+投影光学系熱変化量・・(式1)
という式が成立する。
レチクル基準プレート上マークを計測して得られる計測値には、投影光学系が熱変化した変化量が含まれているため、
レチクル基準プレート計測値=投影光学系熱変化量・・(式2)
という式が成立する。
(式1)、(式2)式より
レチクル計測値−レチクル基準プレート計測=レチクル熱変化量・・(式3)
という式が成立する。
図8は図3のシーケンスにより計測した熱負荷が掛かったレチクル計測(以下レチクル計測A)および熱負荷が掛かっていないレチクル計測(以下レチクル計測B)で取得された熱変化を示す図である。
図8の実線はレチクル計測Aにより得られた熱変化を示している。破線はレチクル計測Bにより得られた熱変化を示している。一点鎖線はレチクル計測Aとレチクル計測Bの差分即ちレチクルの熱変化量を示している。
レチクル計測A=レチクル熱変化量+投影光学系熱変化量・・(式4)
という式が成立する。
レチクル計測Bで得られる計測値には、投影光学系が熱変化した変化量が含まれているため、
レチクル計測B=投影光学系熱変化量・・(式5)
という式が成立する。
(式4)、(式5)式より
レチクル計測A−レチクル計測B=レチクル熱変化量・・(式6)
という式が成立する。
熱変化量はレチクルの変化量と投影光学系の変化量が分離された形で求まるため、それぞれの時間に対する変化量をモデル化することが可能となる。熱膨張に対するモデル式は、熱負荷を掛けた時間と時定数および熱変化する物体の熱膨張係数等を反映した式とすれば良い。熱収縮に対するモデル式は、熱負荷が掛かっていない時間と時定数および熱変化する物体の熱膨張係数等を反映した式とすれば良い。
本発明の第8の実施例では、投影光学系の熱変化係数とレチクルの熱変化係数より補正量を算出し補正する具体的な補正方法に関し説明する。
図9は熱変化を補正し、露光処理を実施する露光シーケンスを示す図である。不図示ではあるが、露光開始時には既に露光に必要な準備(ウエハやレチクルの装置内への搬入、露光処理を実施する照明条件へのユニット駆動等)は完了している。
ステップS205でレチクルまたは投影光学系の熱変化量計測の実施有無を確認する。熱変化量計測実施の有無は、予め装置の設定として定期的に実施してもよいし、前回熱変化量計測を実施してからの経過時間などにより自動的に判断してもよいし、プロセスマージンを考慮し、プロセス毎に計測実施のタイミングを設定しても良い。
テップS225でウエハ内全ショットの露光完了を確認する。全ショットの露光が完了していない場合は不図示ではあるが次のショット露光の準備を実施し、ステップS215へ戻る。
ステップS230で全ウエハの露光完了を確認する。全ウエハの露光が完了していない場合は不図示ではあるが次のウエハ露光の準備を実施し、ステップS200へ戻る。
本発明の第9の実施例では、投影光学系の熱変化係数とレチクルの熱変化係数より補正量を算出し補正する具体的な補正方法に関し説明する。
図10は露光処理開始前に熱変化係数を更新し、その後露光処理を実施する露光シーケンスを示す図である。不図示ではあるが、露光開始時には既に露光に必要な準備(ウエハやレチクルの装置内への搬入、露光処理を実施する照明条件へのユニット駆動等)は完了している。
ステップS260でダミー露光後の熱変化量を計測する。計測内容に関してはステップS250と同じなので説明を省略する。
ステップS270で熱変化係数を算出し、更新する。熱変化係数の算出についての説明は上記第6および第7の実施例にて説明済みであるため省略する。
ステップS280で熱変化補正量の算出と補正を行う。熱変化補正量の算出と補正に関する説明は上記第8の実施例にて説明済みであるため省略する。
ステップS285で露光処理を行う。
ステップS290で全ショットの露光処理が完了したか確認する。全ショットの露光処理が完了していない場合はステップS280へ戻る。
ステップS295で全ウエハの露光処理が完了したか確認する。全ウエハの露光処理が完了していない場合はステップS275へ戻る。
以上の実施例によれば、レチクルおよび投影光学系の熱変化を分離計測および分離補正することが可能となり、露光によるレチクルおよび投影光学系の熱変形を常に高精度で補正し露光処理を行うことが可能となる。
また、レチクルおよび投影光学系の熱変化係数を分離して算出することが可能となる。レチクルおよび投影光学系の熱変形を予測補正することが可能となるため、露光処理中の補正計測処理の削除または回数削減が可能となり、露光装置を効率良く稼動させることが可能となる。
次に、以上いずれかの実施例に記載した露光装置を利用した微小デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造プロセスを説明する。
図11は半導体デバイスの製造のフローを示す。
ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では設計したパターンを形成したマスク(原版またはレチクルともいう)を製作する。
一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハ(基板ともいう)を製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記用意したマスクを設置した露光装置とウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。
次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程である。後工程は、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、ステップ7でこれを出荷する。
Claims (6)
- 原版を介し基板を露光する露光装置であって、
前記原版からの光を前記基板に投影するための投影光学系と、
前記原版を保持し、かつ移動するように構成された、第1の基準マークを有する原版ステージと、
前記基板を保持し、かつ移動するように構成された基板ステージと、
前記原版ステージに保持された原版に形成されたマークの前記投影光学系による第1の像の特性を、前記原版および前記投影光学系を介して計測し、かつ前記第1の基準マークの前記投影光学系による第2の像の前記特性を、前記基準マークおよび前記投影光学系を介して計測する計測器と、
前記計測器により計測された前記第1の像の前記特性と前記第2の像の前記特性とに基づいて、前記投影光学系により形成される像の前記特性に関し、前記投影光学系に起因する第1の熱変化係数と、前記原版に起因する第2の熱変化係数とを算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記第1の熱変化係数と前記第2の熱変化係数とにしたがって、前記投影光学系により形成される像の前記特性の変化を補償する補償手段と、
を有することを特徴とする露光装置。 - 原版を介し基板を露光する露光装置であって、
前記原版からの光を前記基板に投影するための投影光学系と、
前記原版を保持し、かつ移動するように構成された原版ステージと、
前記基板を保持し、かつ移動するように構成された基板ステージと、
前記原版ステージに保持された第1の原版に形成されたマークの前記投影光学系による第1の像の特性を、前記第1の原版および前記投影光学系を介して計測し、かつ前記原版ステージに保持された第2の原版に形成されたマークの前記投影光学系による第2の像の前記特性を、前記第2の原版および前記投影光学系を介して計測する計測器と、
前記計測器により計測された前記第1の像の前記特性と前記第2の像の前記特性とに基づいて、前記投影光学系により形成される像の前記特性に関し、前記投影光学系に起因する第1の熱変化係数と、前記第1の原版に起因する第2の熱変化係数とを算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記第1の熱変化係数と前記第2の熱変化係数とにしたがって、前記投影光学系により形成される像の前記特性の変化を補償する補償手段と、
を有することを特徴とする露光装置。 - 前記基板ステージは、第2の基準マークを有し、
前記計測器は、前記第2の基準マークを介して、前記第1の像の前記特性と前記第2の像の前記特性とを計測する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の露光装置。 - 前記特性は、前記投影光学系により形成される像の面の、前記投影光学系の光軸方向における位置、前記像の前記光軸に垂直な方向における位置、前記面の傾き量、前記像の倍率、前記面の形状、および前記像のディストーションの少なくとも1つを含む、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の露光装置。
- 前記補償手段は、露光光の波長の変更、前記原版ステージの位置の変更、前記基板ステージの位置の変更、前記投影光学系内の光学素子の駆動、および前記原版ステージと前記基板ステージとの間の相対走査速度の変更、の少なくとも1つにより、前記特性の変化を補償する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の露光装置。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の露光装置を用いて原版を介し基板を露光するステップを有する、ことを特徴とするデバイス製造方法。
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