JP2010080512A - 露光方法及びデバイス製造方法 - Google Patents

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
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Abstract

【課題】特性計測用マークの位置と光学特性を高精度に管理又は計測したい位置等とが異なっている場合にも、光学特性を高精度に評価する。
【解決手段】照明光でレチクルRのパターン及び投影光学系を介してウエハを露光する露光方法において、レチクルR上の倍率校正マーク40A〜40Dの像位置を計測してレチクルの伸縮量を計測するステップと、レチクルR上の倍率校正マーク40A〜40D及び倍率評価点41A,41BにおけるレチクルRの伸縮量を予測するステップと、それらの伸縮量の例えば平均値を相殺するように投影倍率を補正するステップとを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、光学特性の変動量を予測(計算)しながら、転写用のパターンを介して物体を露光する露光技術、及び露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
例えば半導体デバイス又は液晶表示素子等のデバイス(電子デバイス、マイクロデバイス)を製造するためのリソグラフィ工程中で、レチクル(又はフォトマスク等)のパターンを投影光学系を介してレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写するために、ステッパ等の一括露光型の投影露光装置又はスキャニングステッパ等の走査露光型の投影露光装置等の露光装置が使用されている。これらの露光装置においては、露光光の照射エネルギー等による投影光学系の結像特性(収差特性)の変動を抑制するために、例えば投影光学系を構成する光学部材の位置及び傾斜角を調整することによって結像特性を調整する結像特性補正機構が備えられている。
従来は、例えば所定の予測モデルを用いて露光光の照射量等に伴う結像特性の変動量を予測し、この予測された変動量を相殺するように結像特性補正機構を介して結像特性を補正していた(例えば、特許文献1参照)。また、補正対象の結像特性の初期状態を計測するために、レチクル等に形成された特性計測用マークの像の位置等を計測していた。さらに、例えば定期的に特性計測用マークの像の位置等を計測して、結像特性の残存誤差(オフセット)を求めることによって、結像特性補正機構の校正(キャリブレーション)を行っていた。
特開平4−134813号公報
露光装置において、レチクルのパターン領域には種々の回路パターンが形成されるため、レチクルのパターン領域内で例えば結像特性を高精度に管理又は計測したい位置又は領域(以下、特性管理領域という)はレチクル(又はウエハ上のレイヤ)毎に異なっている。従って、従来のように、レチクル上の所定の定位置に形成されている特性計測用マークの像の位置等の計測結果に基づいて結像特性を制御すると、その特性管理領域に関する結像特性を高精度に補正できない恐れがあった。
本発明はこのような事情に鑑み、特性計測用マークの位置と結像特性等の光学特性を高精度に管理又は計測したい位置又は領域とが異なっている場合にも、光学特性を高精度に評価できる露光技術及びデバイス製造技術を提供することを目的とする。
本発明による露光方法は、露光光でマスクのパターンを照明し、その露光光でそのパターン及び投影光学系を介して物体を露光する露光方法において、そのマスク上の複数組の評価点における光学特性の変動量を予測する工程と、その複数組のうちから選択された組の評価点におけるその光学特性の変動量に応じてその投影光学系の結像特性を補正する工程と、を含むものである。
また、本発明によるデバイス製造方法は、本発明の露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、そのパターンが形成された基板を処理することと、を含むものである。
本発明によれば、マスク上の複数組の評価点における光学特性の変動量を予測しているため、例えばその複数組のうちの1組の評価点に特性計測用マークを形成しておくことによって、特性計測用マークの位置と光学特性を高精度に管理又は計測したい位置又は領域(特性管理領域)とが異なっている場合にも、その特性管理領域における光学特性を高精度に評価できる。
以下、本発明の好ましい実施形態の一例につき図面を参照して説明する。本実施形態は、走査露光型の投影露光装置であるスキャニングステッパ型の露光装置で露光を行う場合に本発明を適用したものである。
図1は、本実施形態に係る露光装置の概略構成を示す。図1において、この露光装置は、露光用の光源6と、光源6からの露光用の照明光(露光光)ILによりレチクルR(マスク)を照明する照明光学系5と、レチクルRを保持するレチクルステージ22と、レチクルRから射出された照明光ILをフォトレジスト(感光材料)が塗布されたウエハW(物体)上に投射する投影光学系PLと、ウエハWを保持するウエハステージWSTと、装置全体の動作を統括制御するコンピュータよりなる主制御系1と、その他の駆動系等とを備えている。以下、投影光学系PLの光軸AXと平行にZ軸を取り、これに垂直な面内でレチクルとウエハとが相対走査される走査方向にY軸を、Z軸及びY軸に直交する非走査方向にX軸を取り、X軸、Y軸、及びZ軸に平行な軸の周りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
光源6としてはArFエキシマレーザ光源(波長193nm)が使用されている。なお、露光用の光源としては、KrFエキシマレーザ光源(波長248nm)などの紫外パルスレーザ光源、YAGレーザの高調波発生光源、固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波発生装置、又は水銀ランプ(i線等)なども使用することができる。
露光時に光源6からパルス発光された照明光ILは、ミラー7、不図示のビーム整形光学系、第1レンズ8A、ミラー9、及び第2レンズ8Bを経て断面形状が所定形状に整形されて、フライアイレンズ10(オプティカルインテグレータ)に入射して、照度分布が均一化される。フライアイレンズ10の射出面(照明光学系5の瞳面)には、通常照明用の開口絞り13A、4極照明用の開口絞り13B、輪帯照明用の開口絞り13C、及び小さいコヒーレンスファクタ(小σ照明)用の開口絞り13D等が周囲に配置された照明系開口絞り部材11が、駆動モータ12によって回転可能に配置されている。照明系開口絞り部材11を回転して、所望の開口絞りを照明光ILの光路上に設置することによって、照明条件が設定される。
照明系開口絞り部材11中の一つの開口絞りを通過した照明光ILは、反射率の小さいビームスプリッタ14及びリレーレンズ17Aを経て、レチクルRのパターン面(レチクル面)とほぼ共役な面上に配置された固定ブラインド18A及び可動ブラインド18Bを順次通過する。ブラインド18A,18Bを通過した照明光ILは、サブコンデンサレンズ17B、ミラー19、及びメインコンデンサレンズ20を経て、レチクルRのパターン領域31内の非走査方向(X方向)に細長い照明領域21Rを均一な照度分布で照明する。
ビームスプリッタ14で反射された照明光は、集光レンズ15を介して光電センサよりなるインテグレータセンサ16に受光される。インテグレータセンサ16の検出信号は露光量制御系3に供給され、露光量制御系3は、その検出信号を用いてレチクルR上及びウエハW上での照明光ILの強度(露光量)を間接的に算出する。露光量制御系3は、その算出結果の積算値を主制御系1に供給するとともに、露光中には、主制御系1からの制御情報に基づいて、ウエハW上で適正露光量が得られるように光源6の発光動作を制御する。ミラー7からメインコンデンサレンズ20までの光学部材を含んで照明光学系5が構成されている。
照明光ILのもとで、レチクルRの照明領域21R内の回路パターンは、両側テレセントリックの投影光学系PLを介して所定の投影倍率(例えば1/4,1/5等の縮小倍率)で、ウエハW上の一つのショット領域SA上の非走査方向に細長い露光領域21W(照明領域21Rと共役な領域)に投影される。投影光学系PLは例えば屈折系であるが、反射屈折系等も使用できる。レチクルRのパターン面(レチクル面)及びウエハWの表面がそれぞれ投影光学系PLの物体面及び像面に配置される。
本実施形態の投影光学系PLには、図2に示すように、所定の結像特性を補正(調整)するための結像特性補正装置39が備えられている。
図2は、レチクルRのパターン面上の倍率校正マーク40B(図3(A)参照)の像の位置を空間像計測系29で計測している状態を示す。また、図2においては、説明の便宜上、投影光学系PL内の光軸AXに沿って配置された多数のレンズエレメントのうちの8枚のレンズ431、432、…、438 のみを図示している。この場合、レンズ431〜438 の一部、例えばレンズ431、432は、それぞれ複数の駆動素子(例えばピエゾ素子など)37によって光軸AX方向(Z方向)、θx方向、及びθy方向に微小駆動可能に構成されている。各駆動素子37に与えられる駆動電圧(駆動素子の駆動量)は、主制御系1からの指令に応じて結像特性制御系36により制御される。
更に、投影光学系PL中の例えば瞳面PPLに近い所定のレンズ434 に対して、不図示の光源から供給される例えば近赤外域の加熱用の光を導波路38A及び38Bを介して照射できるように構成され、その照射時間も結像特性制御系36によって制御される。このように、駆動素子37、導波路38A,38B、及び結像特性制御系36を含んで結像特性補正装置39が構成されている。この場合、駆動素子37によって、投影光学系PLの倍率誤差(X方向及びY方向の倍率誤差)やコマ収差等の結像特性が補正される。また、導波路38A,38Bからの光の照射によって、例えば光軸上で残存する非点収差であるいわゆるセンターアスの補正も行うことができる。
なお、その可動レンズの数は任意で良い。但し、例えば可動レンズの数が、フォーカスを除く、投影光学系PLの結像特性の補正可能な種類に対応しており、補正対象の結像特性の種類に応じて、可動レンズの数又は可動レンズの全体としての駆動の自由度を定めれば良い。
図1に戻り、レチクルRはレチクルステージ22上に吸着保持され、レチクルステージ22はレチクルベース23上でY方向に一定速度で移動すると共に、同期誤差を補正するようにX方向、Y方向、θz方向に微動して、レチクルRの走査を行う。レチクルステージ22の位置は、この上に設けられた移動鏡(不図示)及びレーザ干渉計(不図示)によって計測され、この計測値及び主制御系1からの制御情報に基づいて、ステージ駆動系2は不図示の駆動機構(リニアモータなど)を介してレチクルステージ22の位置及び速度を制御する。
また、レチクルステージ22の上方に、照明光学系5の光軸をX方向に挟むように外側に退避可能にミラー33A,33B(33Bは不図示)が配置され、ミラー33A等を介して例えば画像処理方式のレチクルアライメント系34A,34Bが配置されている。レチクルアライメント系34A,34Bは、必要に応じて、例えばレチクルRのパターン領域31をX方向に挟むように形成されているアライメントマーク32A,32Bの位置を計測し、計測結果を主制御系1内のアライメント制御部に供給する。アライメント制御部は、その計測結果を用いてレチクルRのアライメントを行う。
一方、ウエハWは、ウエハホルダ24を介してウエハステージWST上に吸着保持され、ウエハステージWSTはウエハベース27上でY方向に一定速度で移動すると共に、X方向、Y方向にステップ移動するXYステージ26と、Zチルトステージ25とを備えている。
Zチルトステージ25は、図2に示すように、3つのZ位置駆動部35A,35B,35CによってXYステージ26上に3点で支持されている。これらのZ位置駆動部35A〜35Cの駆動によって、Zチルトステージ25(ウエハW)の光軸AX方向の位置、及びθx方向、θy方向の回転角を制御する。更に、照射系28a及び受光系28bから成る、例えば特開平6−283403号公報(対応する米国特許第5,448,332号明細書)等に開示されるものと同様の構成の斜入射方式の多点のオートフォーカスセンサ(以下、AFセンサと略述する)28が設けられている。受光系28bの検出信号を不図示の信号処理部で処理することで、被検面(例えばウエハWの表面)の投影光学系PLの像面に対するZ方向へのデフォーカス量、及びθx、θy方向の傾斜角が求められて、ステージ駆動系2及び主制御系1に供給される。
図1に戻り、ステージ駆動系2は、露光中にはAFセンサ28の計測結果に基づいて、ウエハWの表面が投影光学系PLの像面に合焦されるように、オートフォーカス方式でZチルトステージ25のZ位置駆動部35A〜35Cを駆動する。
ウエハステージWSTのXY平面内での位置、及びθx、θy、θz方向の回転角はZチルトステージ25の反射面(又は移動鏡)及びレーザ干渉計(不図示)によって計測され、この計測値及び主制御系1からの制御情報に基づいて、ステージ駆動系2は不図示の駆動機構(リニアモータなど)を介してウエハステージWSTの動作を制御する。
更に、投影光学系PLの側面には、ウエハW上のアライメントマークの位置を計測するためのオフ・アクシス方式で例えば画像処理型のウエハアライメント系ALGが配置されており、この計測結果が主制御系1内のアライメント制御部に供給されている。アライメント制御部は、ウエハアライメント系ALGの計測結果及び予め求められているベースライン(レチクルRのパターン像の位置とウエハアライメント系ALGの検出中心との位置関係)を用いてウエハW上の複数のショット領域のアライメントを行う。
また、ウエハステージWST上のウエハホルダ24の近傍には、投影光学系PLによって投影される所定のマーク又はパターンの像の位置を計測するための空間像計測系29が設置されている。空間像計測系29の表面にはX方向及びY方向に細長いスリットをそれぞれ含む2つのスリットパターン30A及び30Bが形成され、スリットパターン30A,30Bの間にウエハアライメント系ALG用の基準マークFMが形成されている。スリットパターン30A,30Bと基準マークFMとの既知の位置関係の情報は主制御系1内のアライメント制御部に記憶されている。
図2に示すように、空間像計測系29は、スリットパターン30Bを通過した照明光ILを集光するレンズ30Cと、集光された光を光電変換するフォトダイオード等の光電センサ30Dとを備え、図1のスリットパターン30Aの底面にもレンズ及び光電センサ(不図示)が設けられている。光電センサ30D等の検出信号は主制御系1内の信号処理部に供給され、ウエハステージWSTをX方向、Y方向に走査しながら信号制御部がその検出信号を処理することで、被検マーク又は被検パターンの像のX方向、Y方向の位置が検出できる。検出結果はアライメント制御部又は主制御系1内の特性演算部に供給される。空間像計測系29によってレチクルRのアライメントマーク32A,32Bの像の位置を計測し、この計測結果からレチクルRのアライメントを行うことも可能である。また、空間像計測系29の計測結果から投影光学系PLのディストーション(倍率誤差を含む)、ベストフォーカス位置、非点収差、像面湾曲等の結像特性、及び照明光ILの照射熱等に起因するレチクルRのパターンの伸縮(以下、レチクル伸縮という)等の光学特性を計測できる。
また、本実施形態の露光装置が液浸型である場合には、投影光学系PLの下端の光学部材とウエハWとの間の局所的な液浸領域に液体を供給して回収する液浸装置(不図示)が設けられる。液浸装置としては、国際公開第2004/053955号パンフレットに開示されている液浸機構、あるいは欧州特許出願公開第1420298号明細書に開示されている液浸機構などを適用することができる。
露光時には、照明光ILを照射して、レチクルRの照明領域21R内のパターンを投影光学系PLを介してウエハW上の一つのショット領域上に投影しつつ、レチクルステージ22及びウエハステージWSTを駆動して、レチクルRとウエハWとをY方向に投影倍率比で同期移動する走査露光動作と、ウエハステージWSTを駆動してウエハWをX方向、Y方向にステップ移動する動作とが繰り返される。これによって、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の各ショット領域にレチクルRのパターン像が露光される。
次に、本実施形態の露光装置において、照明光ILの照射熱によるレチクルRのパターンの伸縮(以下、レチクル伸縮という。)に起因する投影像の倍率の変動を補正しながら露光する動作の一例につき説明する。
図3(A)は、図1のレチクルステージ22の照明光を通すための開口22aを覆うようにレチクルステージ22上に吸着保持されたレチクルRを示す平面図である。図3(A)において、レチクルRの矩形の枠状の遮光帯31aで囲まれたパターン領域31内に転写用の回路パターンが形成されている。パターン領域31の中心RCを通りX軸に平行な直線に沿って、パターン領域31を挟むように2次元のアライメントマーク32A,32Bが形成されている。また、パターン領域31を+Y方向側及び−Y方向側でX方向に挟むように、2次元マークよりなる倍率校正マーク40A,40B,40C,40Dが形成されている。なお、倍率校正マーク40A〜40Dの近傍にそれぞれ同じ形状の複数(図3(A)では2個)の倍率校正マークが形成されている。どの倍率校正マークを計測対象としてもよいが、以下では中心RCからの距離の初期値が共通のd2の倍率校正マーク40A〜40Dを計測対象とする。倍率校正マーク40A,40B(又は40C,40D)のX方向の間隔の初期値をX2、倍率校正マーク40A,40C(又は40B,40D)のY方向の間隔の初期値をY2とする。
さらに、レチクルRのパターン領域31内に、中心RCをX方向に挟むように対称に、中心RCからの距離の初期値がd1(<d2)の位置に倍率評価点41A,41Bが設定され、中心RCをY方向に挟むように対称に、中心RCからの距離の初期値がd1とd2との間となる位置に倍率評価点41C,41Dが設定されている。倍率評価点41A〜41Dには、例えば所定形状の2次元の評価用パターンが形成されているが、その評価用パターンとして、回路パターンの一部を用いてもよい。その評価用パターンは、一例として露光及び現像後にウエハ上に形成されるレジストパターンの段階で必要に応じて位置が計測される。
例えば倍率評価点41A,41Bの像の間隔(倍率)を高精度に管理又は計測したい場合には、倍率評価点41A,41Bの間の領域がレチクル伸縮に関する特性管理領域となる。また、パターン領域31の全面でレチクル伸縮に起因する倍率誤差を均一化する場合には、パターン領域31の全面が特性管理領域となる。レチクル伸縮がない状態でのパターン領域31の中心RCに対する倍率校正マーク40A〜40D及び倍率評価点41A〜41Dの位置関係の情報(距離d2,d1等)、倍率評価点41A,41BのX方向の間隔X1、及び倍率評価点41C,41DのY方向の間隔、並びにアライメントマーク32A,32Bと倍率校正マーク40A〜40Dとの位置関係の情報は主制御系1に接続された記憶装置1aに記憶されている。
なお、倍率評価点41A〜41Dには、特定のマーク又はパターンが形成されていなくともよい。
本実施形態において、照明領域21Rに対してレチクルRのパターン領域31を+Y方向及び−Y方向に交互に走査して露光を時間tだけ継続すると、照明光の照射熱によって、図3(B)に示すようにレチクルR及びパターン領域31が次第に伸張(膨張)する。なお、レチクルRに対する照明光の照度は一定であるため、時間tによって実質的にレチクルRに対する照明光の照射熱の積算値が表されている。従って、時間tの代わりに図1のインテグレータセンサ16で計測される照明光ILの照射エネルギー(露光量)の積算値を用いることも可能である。
さらに、レチクルRが伸張した後、露光を中断した場合には、レチクルR及びパターン領域31は次第に収縮する。なお、パターン領域31の伸縮(レチクル伸縮)の割合は、例えば0.1ppm程度であるが、図3(B)ではその割合をかなり誇張して表現している。また、パターン領域31は、照明光によって主に中心付近が加熱されるため、そのレチクル伸縮は、ほぼ中心RCからの距離dに関して非線形に変化する。図3(B)は、レチクル伸縮が距離dに関して非線形に次第に減少する例であるが、パターン領域31内の回路パターンの密度分布によってはレチクル伸縮が距離dに関して非線形に次第に増加する場合もある。
図3(B)において、中心RCから倍率校正マーク40Aへの距離をd2t、中心RCから倍率評価点41Aへの距離をd1tとすると、図3(A)との比較より、レチクルR上の倍率校正マーク40A〜40Dの位置におけるレチクル伸縮MVRA_Calc(t)及び倍率評価点41A,41Bの位置におけるレチクル伸縮MEXP_Calc(t)はそれぞれ以下のようになる。
VRA_Calc(t)=d2t/d2−1 …(1A)
EXP_Calc(t)=d1t/d1−1 …(1B)
この場合、主制御系1内の特性演算部は、時間t[sec ]経過後の倍率校正マーク40A〜40Dの位置におけるレチクル伸縮MVRA_Calc(t)[ppm]の値を次式から計算(予測)できる。
Figure 2010080512
ただし、各パラメータは以下のように定義されている。
Δt :レチクル伸縮の計算の間隔[sec]、
R :レチクル面上の単位時間当たりの照射量[W]、
R_n:レチクル伸縮の飽和値の第n成分(n=A,B,C)[/W]、
R_n:レチクル伸縮の時定数の第n成分(n=A,B,C)[sec]、
R :レチクル反射率、
η :レチクル透過率
また、第n成分(n=A,B,C)のA,B,Cはそれぞれ長期、中期、及び短期の変動成分を表している。これらのパラメータ等は記憶部1aに記憶されている。
本実施形態では、例えば予め実測又はシミュレーションを行うことによって、レチクル伸縮の中心RCからの距離d及び時間tの近似関数、ひいてはレチクル伸縮MVRA_Calc(t)から倍率評価点41A,41Bの位置におけるレチクル伸縮MEXP_Calc(t)を求めるための関数fVEが求められて、記憶装置1aに記憶されている。従って、主制御系1内の特性演算部は、必要に応じて次のようにレチクル伸縮MEXP_Calc(t)を計算できる。
EXP_Calc(t)=fVE(MVRA_Calc(t)) …(3)
なお、レチクル伸縮MEXP_Calc(t)も式(2)と同様の計算式を用いて計算してもよい。
また、図3(B)の倍率校正マーク40A,40BのX方向の間隔をX2t、倍率校正マーク40A,40CのY方向の間隔をY2t、倍率評価点41A,41BのX方向の間隔をX1tとすると、倍率校正マーク40A〜40Dの位置におけるX方向のレチクル伸縮MXVRA_Calc(t)、Y方向のレチクル伸縮MYVRA_Calc(t)、及び倍率評価点41A,41Bの位置におけるX方向のレチクル伸縮MXEXP_Calc(t)はそれぞれ以下のようになる。
MXVRA_Calc(t)=X2t/X2−1 …(4A)
MYVRA_Calc(t)=Y2t/Y2−1 …(4B)
MXEXP_Calc(t)=X1t/X1−1=MEXP_Calc(t) …(4C)
本実施形態では、照明領域21RはX方向に細長いため、一例として後述のレチクル伸縮による投影像の倍率の変動を補正する際に、X方向のレチクル伸縮MXVRA_Calc(t)を式(2)のレチクル伸縮MVRA_Calc(t)と同じとみなすものとする。
また、図1の投影光学系PLのレチクルからウエハへのX方向の投影倍率Mxは、結像特性補正装置39によって設計値であるβ(βは例えば1/4,1/5等)を中心として、次のように所定範囲内で可変のΔβだけ補正可能である。
Mx=β(1+Δβ) …(5)
この場合、図3(A)のレチクルRの倍率校正マーク40A〜40Dの位置におけるレチクル伸縮MVRA_Calc(t)を相殺するための投影倍率Mxの補正量Δβは、次のようになる。
β=(1+MVRA_Calc(t))β(1+Δβ) …(6)
なお、Δβはその絶対値が1よりも非常に小さい(|Δβ|≪1)ため、補正量Δβは近似的に次のようにレチクル伸縮の符号を反転した値であればよい。また、投影光学系PLのY方向の投影倍率Myは、例えば倍率校正マーク40A〜40Dの位置におけるレチクル伸縮を補正するための値に設定してもよい。
Δβ=(Mx/β)−1=−MVRA_Calc(t) …(7)
ただし、本実施形態では、レチクルRのパターン領域31中で投影像の倍率を目標とする倍率に高精度に合わせることが求められる領域でもある特性管理領域を任意に設定可能であるため、その特性管理領域の選択によって投影倍率の補正量Δβは変化する。
以下、図1の露光装置を用いてレチクル伸縮による倍率誤差を補正しながら、複数ロットのウエハに順次露光を行う場合の動作の一例につき図6のフローチャートを参照して説明する。この動作は主制御系1によって制御される。また、一例として、特性管理領域をレチクルRの中心RCからの距離dが距離d1及びd2の平均値となり、X軸に平行な直線上にある2点を結ぶ領域であるとする。
先ず、レチクルステージ22上にレチクルRがロードされ、レチクルアライメント系34A,34B又は空間像計測系29を用いてレチクルRのアライメントが行われる(ステップ101)。その後、ウエハアライメント系ALGで基準マークFMを計測して、ベースラインの計測(ベースラインチェック)を行った後、空間像計測系29を用いて図3(A)のレチクルRの倍率校正マーク40A〜40Dの投影光学系PLによる像のX方向、Y方向の位置を計測する(ステップ102)。この際に、照明領域21Rは、1点鎖線の照明領域21RAで示すように倍率校正マーク40A,40B(又は40C,40D)を含むようにX方向の幅が広げられる。
次のステップ103において、主制御系1内の特性演算部は、ステップ102の計測値を用いて、図3(A)の倍率校正マーク40A,40Bの像のX方向の間隔DXinを求める。また、特性演算部は、間隔DXinが既知の目標値DX0 になるように、投影光学系PLの投影倍率Mxのオフセットを求める。そして、結像特性補正装置39は、そのオフセット分だけ投影倍率Mxを補正する。このオフセット補正後の投影倍率Mxをβであるとして、式(2)の倍率校正マーク40A〜40Dの位置でのレチクル伸縮MVRA_Calc(t)(t=0)の初期値を0とする。
次のステップ104において、1ロットの先頭のウエハWをウエハステージWST上にロードしてウエハアライメント系ALGでアライメントを行った後、レチクルRのパターンの像をウエハW上の全部のショット領域に露光する。次のステップ105において、主制御系1内の特性演算部は、図3(B)の倍率校正マーク40A〜40Dの像のX方向の間隔の倍率の変動量を予測するために、式(2)から倍率校正マーク40A〜40Dの位置でのレチクル伸縮MVRA_Calc(t)を計算する。さらに、倍率評価点41A,41Bの像のX方向の間隔の変動量を予測するために、式(3)から倍率評価点41A,41Bの位置でのレチクル伸縮MEXP_Calc(t)を計算する。さらに、この場合の特性管理領域は、レチクルRの中心RCからの距離dが距離d1及びd2の平均値となる2点の間の領域であるため、その特性管理領域の両端部でのレチクル伸縮である補正対象のレチクル伸縮MCOR(t)は、次のようにレチクル伸縮MVRA_Calc(t)及びMEXP_Calc(t)の平均値で近似できる。
COR(t)=(MVRA_Calc(t)+MEXP_Calc(t))/2 …(8)
このレチクル伸縮を用いて、特性演算部は、その特性管理領域の像のX方向の幅を目標値に設定するための投影光学系PLのX方向の投影倍率Mxの式(5)の補正量Δβを次式から計算する。
Δβ=−MCOR(t) …(9)
その後、結像特性補正装置39では、式(9)の補正量Δβだけ投影光学系PLのX方向の投影倍率Mxを補正する(ステップ106)。
なお、ステップ105における倍率の変動量の予測及びステップ106の投影倍率の補正は、例えば1枚のウエハ中の各ショット領域の露光毎に、又は複数のショット領域の露光毎に行ってもよい。
その後、1ロットの全部のウエハへの露光が終了するまで、ステップ104〜106の動作が繰り返され、1ロットのウエハへの露光が終了したときに、動作はステップ107からステップ108に移行する。
図4(A)の曲線44C、44E、及び44Tは、それぞれレチクル伸縮MVRA_Calc(t)、レチクル伸縮MEXP_Calc(t)、及び式(8)の補正対象のレチクル伸縮MCOR(t)の計算値(予測値)を表している。図4(A)、図4(B)、図4(C)の横軸は時間t、図4(A)の縦軸はX方向のレチクル伸縮(x−mag)である。また、図4(B)の曲線46Tは、式(9)から計算されるX方向の投影倍率の補正量Δβを表し、図4(C)の曲線44CTは、Y方向のレチクル伸縮(y−mag)を表している。
また、ステップ108において、全部のロットへの露光が終了したときに露光工程が終了し、露光対象のロットが残っている場合にはステップ109に移行して(ここでは時刻t1とする)、ステップ102と同様に、ベースラインの計測及び図3(B)の倍率校正マーク40A,40Bの像の位置の計測を行う。次のステップ110において、主制御系1内の特性演算部は、図3(B)の倍率校正マーク40A〜40Dの像のX方向の間隔DX(t1)を求め、この間隔DX(t1)と目標値DX0 とを用いて、式(2)から計算されるレチクル伸縮MVRA_Calc(t1)の実測値からのオフセット(残差)ΔMxa(t1)を次のように計算する。
ΔMxa(t1)=(DX(t1)/DX0 −1)−MVRA_Calc(t1) …(10)
この後は、式(2)にオフセットΔMxa(t1)を加算した値をレチクル伸縮MVRA_Calc(t) の計算値とする。また、式(2)にオフセットΔMxa(t1)を加算した値を式(3)に代入して計算される倍率評価点41A,41Bにおけるレチクル伸縮MEXP_Calc(t1)とその前のレチクル伸縮MEXP_Calc(t1)との差分から、倍率評価点41A,41Bにおけるレチクル伸縮のオフセットΔMxb(t1)を計算する。さらに、レチクルRの特性管理領域の両端部でのレチクル伸縮である補正対象のレチクル伸縮MCOR(t1)のオフセットΔMx1は、次のように2つのオフセットΔMXa(t1)及びΔMXb(t1)の平均値で近似できる。
ΔMx1=(ΔMxa(t1)+ΔMXb(t1))/2 …(11)
このレチクル伸縮を用いて、特性演算部は、その特性管理領域の像のX方向の幅を目標値に設定するための投影光学系PLのX方向の投影倍率Mxの式(5)の補正量ΔβのオフセットΔβcを次式から計算する。
Δβc=−ΔMx1 …(12)
その後、結像特性補正装置39では、式(12)のオフセットΔβcだけ投影光学系PLの投影倍率Mxを補正する(ステップ111)。その後、動作はステップ104に移行して、次の1ロットのウエハの露光が行われる。
図4(A)の曲線45C、45E、及び45Tは、それぞれレチクル伸縮MVRA_Calc(t)、MEXP_Calc(t)、及びMCOR(t)の実測値から計算値(予測値)を差し引いたオフセットの変化を表している。また、図4(B)に示すように、時刻t1において、投影倍率の補正量ΔβはΔMx1だけ補正される。同様に、図4(C)の曲線45CTは、Y方向のレチクル伸縮(y−mag)のオフセットの変化を表している。
その後、2番目のロットのウエハへの露光が終了した後のステップ109〜111においては、図4(A)に示すように、補正対象のレチクル伸縮MCOR(t2)のオフセットΔMx2が求められ、このオフセットΔMx2に対応して図4(B)に示すように投影倍率の補正量Δβのオフセットが補正される。以下、次のロットに移行する毎にオフセットが更新される。
また、図5(A)は、ウエハW上の一つのショット領域SA上に図3(B)のレチクルRのパターン領域31のパターンの像31Pが露光された状態を示す平面図である。図3(B)の倍率校正マーク40A〜40Dの仮想的な像40AP〜40DP、及び倍率評価点41A,41Bの像41AP,41BPが図5(A)に示されている。なお、説明の便宜上、図5(A)では投影光学系PLによる像が正立像であるものとしている。
本実施形態によれば、上記の特性管理領域の像のX方向の幅が目標値になるように投影倍率が補正されているため、図5(A)において、倍率校正マークの仮想的な像40AP,40BPのX方向の間隔XP2は、目標値よりも狭く、倍率評価点の像41AP,41BPのX方向の間隔XP1は、目標値よりも広くなる。言い換えると、パターン領域31の像31PのX方向の幅が平均としてショット領域SAの幅に合致するため、重ね合わせ露光の場合に全体として高い重ね合わせ精度が得られる。
なお、図3(B)の倍率評価点41A,41Bの間の領域を特性管理領域とした場合には、図5(B)に示すように、倍率評価点の像41AP,41BPのX方向の間隔XP1が目標値に設定される。従って、その他の領域では、投影像の間隔が目標値よりも全体として狭くなる傾向があるが、例えば像41AP,41BPの間に最も微細なパターンが露光される場合等には、図5(B)のような露光も可能である。
本実施形態の作用効果等は以下の通りである。
(1)本実施形態の露光装置による露光方法は、照明光ILでレチクルRのパターン及び投影光学系PLを介してウエハWを露光する露光方法において、レチクルR上の倍率校正マーク40A〜40D及び倍率評価点41A,41Bの位置におけるレチクル伸縮の変動量を予測するステップ105と、それら2組の評価点におけるレチクル伸縮の変動量の平均値を相殺するように投影光学系PLの投影倍率を補正するステップ106とを含んでいる。
従って、倍率校正マーク40A〜40D(特性計測用マーク)の位置とレチクル伸縮(光学特性)を高精度に管理又は計測したい位置又は領域(特性管理領域)とが異なっている場合にも、その特性管理領域におけるレチクル伸縮を高精度に評価できる。従って、そのレチクル伸縮の変動量を相殺して、高精度に露光を行うことができる。
(2)なお、本実施形態では、2組の評価点におけるレチクル伸縮を予測しているが、さらに例えば図3(A)の倍率評価点41C,41D等を含む3組以上の評価点におけるレチクル伸縮を予測してもよい。
また、倍率校正マーク40A〜40D及び倍率評価点41A,41Bの位置におけるレチクル伸縮の変動量の平均値を相殺するように投影倍率を補正する代わりに、その2つのレチクル伸縮の加重平均値を相殺するように投影倍率を補正してもよい。この場合、例えばより微細なパターンに近い評価点に高い重みを付与してもよい。
(3)また、例えば図3(A)の倍率評価点41A,41Bにおけるレチクル伸縮の変動量を相殺するように投影倍率を補正してもよい。または、倍率評価点41A,41B及び41C,41Dにおけるレチクル伸縮の変動量の平均値を相殺するように投影倍率を補正してもよい。
(4)また、倍率校正マーク40A〜40Dはパターン領域31の外側に配置され、倍率評価点41A〜41Dはパターン領域31の内部に配置されているため、例えば露光中に定期的に倍率校正マーク40A〜40Dの像の位置を計測することによって、レチクル伸縮の変動量の予測値(計算値)のオフセットを求めることができる。従って、投影倍率をより高精度に補正できる。
なお、倍率校正マーク40A〜40Dをパターン領域31内に配置してもよい。また、倍率評価点41A〜41Dの位置はウエハW上のレイヤ、ひいてはレチクルRのパターンによって異なっていてもよい。
(5)また、本実施形態では倍率校正マーク40A〜40Dの像の位置を空間像計測系29を介して計測しているが、ステップ102及び109において、倍率校正マーク40A〜40Dの位置をレチクルアライメント系34A,34Bによって直接に計測してもよい。この場合には、ステップ109で計測される位置の間隔をステップ102で計測される位置の間隔で割ることによって、レチクル伸縮の変動量を直接に計測できる。
(6)また、例えば図3(A)の倍率評価点41A〜41Dに評価用パターンが形成されている場合に、ステップ104で露光されたウエハを現像した後に、その評価用パターンに対応するレジストパターンのX方向、Y方向の間隔を計測装置で計測してもよい。この場合には、倍率評価点41A〜41Dにおけるレチクル伸縮の変動量の予測値(計算値)の実測値に対するオフセットを求めることができる。従って、このオフセットを例えば式(3)の計算値に加算することで、倍率評価点41A〜41Dにおけるレチクル伸縮の予測値の精度を向上できる。
(7)また、本実施形態では、光学特性としてレチクル伸縮の変動量を計測している。しかしながら、光学特性として、例えば図3(A)のレチクルRの所定の複数組の評価点の像のベストフォーカス位置の変動量を予測してもよい。この場合には、予測されるベストフォーカス位置の加重平均等から求められるベストフォーカス位置が投影光学系PLの像面に合致するように、投影光学系PLの結像特性としてのフォーカス位置を補正すればよい。なお、フォーカス位置を補正する場合には、投影光学系PLのフォーカス位置を固定して、例えばウエハステージWSTを介してウエハWの表面のZ方向の位置を補正してもよい。
なお、上記の実施形態では、光学特性としてレチクル伸縮又はフォーカス位置を評価しているが、光学特性として、投影光学系のディストーション、非点収差、若しくは波面収差、又はレチクルのZ方向への撓み量等を評価(計測)する場合にも本発明を適用できる。
また、上記の実施形態の露光方法(露光装置)を用いて半導体デバイス等の電子デバイス(又はマイクロデバイス)を製造する場合、電子デバイスは、図7に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたレチクル(マスク)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造してレジストを塗布するステップ223、前述した実施形態の露光方法によりレチクルのパターンを基板(感光基板)に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
言い換えると、このデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光方法を用いて基板(ウエハ)を露光することと、露光された基板を処理すること(ステップ224)とを含んでいる。この際に、上記の実施形態の露光方法によれば、例えばレチクルのパターン領域内でレチクル伸縮を高精度に管理(評価及び補正)したい位置又は領域でのレチクル伸縮の変動量を相殺するように投影倍率を補正できるため、高精度に電子デバイスを製造できる。
なお、本発明は、上述の走査露光型の露光装置で露光する場合の他に、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ等)で露光する場合にも適用できる。さらに、本発明は、液浸型露光装置以外のドライ露光型の露光装置で露光する場合にも同様に適用することができる。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、MEMS(Microelectromechanical Systems)、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の露光工程にも適用することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
本発明の実施形態の一例で使用される露光装置の概略構成を示す斜視図である。 図1中の投影光学系PLの結像特性補正装置39を示す一部を切り欠いた図である。 (A)は図1中のレチクルRを示す平面図、(B)は時間tが経過した後のレチクルRの伸縮の状態を示す平面図である。 (A)は時間tの経過に伴うX方向のレチクル伸縮の一例を示す図、(B)は投影倍率の補正量Δβの変化の一例を示す図、(C)はY方向のレチクル伸縮の一例を示す図である。 (A)はウエハ上のショット領域に露光されるレチクルのパターンの像の一例を示す平面図、(B)はショット領域に露光されるレチクルのパターンの像の別の例を示す平面図である。 実施形態の露光工程の一例を示すフローチャートである。 電子デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
R…レチクル、PL…投影光学系、W…ウエハ、5…照明光学系、29…空間像計測系、31…パターン領域、32A,32B…アライメントマーク、39…結像特性補正装置、40A〜40D…倍率校正マーク、41A〜41D…倍率評価点

Claims (12)

  1. 露光光でマスクのパターンを照明し、前記露光光で前記パターン及び投影光学系を介して物体を露光する露光方法において、
    前記マスク上の複数組の評価点における光学特性の変動量を予測する工程と、
    前記複数組のうちから選択された組の評価点における前記光学特性の変動量に応じて前記投影光学系の結像特性を補正する工程と、
    を含むことを特徴とする露光方法。
  2. 前記複数組のうちから選択された2組の評価点における前記光学特性の変動量の加重平均に応じて前記投影光学系の結像特性を補正することを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
  3. 前記選択された2組の評価点における前記光学特性の変動量の平均値に応じて前記投影光学系の結像特性を補正することを特徴とする請求項2に記載の露光方法。
  4. 前記複数組のうちから選択された所定の1組の評価点における前記光学特性の変動量に応じて前記投影光学系の結像特性を補正することを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
  5. 前記予測される光学特性の変動量は前記マスクの伸縮量であり、
    前記補正される結像特性は前記投影光学系の倍率であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の露光方法。
  6. 前記複数組の評価点のうち第1組の評価点は前記パターンの外側に配置され、第2組の評価点は前記パターンの内部に配置されることを特徴とする請求項5に記載の露光方法。
  7. 前記第2組の評価点の位置は、前記物体上の露光レイヤによって異なることを特徴とする請求項6に記載の露光方法。
  8. 前記第1組の評価点上の前記マスクに第1の評価用パターンが形成され、
    前記第1の評価用パターンの位置情報を計測し、該計測結果より前記第1組の評価点における前記マスクの伸縮量を求める工程を含むことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の露光方法。
  9. 前記第2組の評価点上の前記マスクに第2の評価用パターンが形成され、
    前記物体上に露光された前記第2の評価用パターンの像の位置情報を計測し、該計測結果より前記第2組の評価点における前記マスクの伸縮量を求める工程を含むことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の露光方法。
  10. 前記予測される光学特性の変動量は前記パターンの像のフォーカス位置の変動量であり、
    前記補正される結像特性は前記投影光学系の像のフォーカス位置であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の露光方法。
  11. 前記投影光学系の像のフォーカス位置を補正するために、前記マスク及び前記物体の少なくとも一方の前記投影光学系の光軸方向の位置を補正することを特徴とする請求項10に記載の露光方法。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
    前記パターンが形成された基板を処理することと、を含むデバイス製造方法。
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