JP3506155B2 - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JP3506155B2
JP3506155B2 JP03224795A JP3224795A JP3506155B2 JP 3506155 B2 JP3506155 B2 JP 3506155B2 JP 03224795 A JP03224795 A JP 03224795A JP 3224795 A JP3224795 A JP 3224795A JP 3506155 B2 JP3506155 B2 JP 3506155B2
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70216Mask projection systems
    • G03F7/70358Scanning exposure, i.e. relative movement of patterned beam and workpiece during imaging

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体集積回路や液晶表
示素子等の製造用の高精度な結像特性が要求される投影
露光装置に関し、ステッパーのような一括露光方式の投
影露光装置にも適用できるが、特にマスクと感光基板と
を同期して走査しながらマスクのパターンを逐次その基
板上に投影露光するスリット・スキャン方式、又はステ
ップ・アンド・スキャン方式等の走査露光方式の投影露
光装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体集積回路や液晶表示素子等
の製造用の投影露光装置に装着される投影光学系には極
めて高精度な投影倍率、像歪等の結像特性が要求され
る。このため、従来から投影光学系の高精度な投影倍
率、像歪の計測方法及び結像特性の補正方法が開発され
てきた。現在これらの投影倍率及び像歪等の計測方法に
は大別して2つの方法がある。
【0003】第1の方法は、テスト用マスクのパターン
を感光基板(ウエハ等)に露光するもので、例えば特開
昭58−8353号公報に開示されている。これは、テ
スト用マスクのパターンを一度感光基板上に露光し、そ
の後感光基板をレーザ干渉計に従い一定量移動した後、
そのパターンをもう一度露光することによりパターン同
士を重ね合わせ、現像後その重ね合わせ誤差を測定する
ものである。このとき、重ね合わされるマークは感光基
板が移動後に重なるので、テスト用マスク上の別の場所
に描かれたパターンである。
【0004】第2の方法は、第1の方法のような実露光
プロセスを経ないもので、感光基板側に形成されるパタ
ーンの像を直接光電センサで測定する方法である。これ
は、例えば特開昭59−94032号公報あるいは特開
昭60−18738号公報に開示されている。この方法
による一例を図9を参照して簡単に説明する。図9
(a)は従来の投影露光装置の一例の概略構成を示し、
この図9(a)に示すように、テスト用マスクとしての
テストレチクルTRには複数の光透過部305A〜30
5G(ここではスリット)が予め決められた間隔で形成
されている。光透過部305A〜305Gを通過した照
明光は投影光学系PLを介して感光基板側で結像する。
図9(a)は、光透過部305Aの結像位置へマーク検
出手段である微小な光透過部(ここではスリット)30
6を持つパターン板301及び光透過部306からの照
明光を受光する光電センサ302が配置された状態を示
している。これらのパターン板301及び光電センサ3
02は、感光基板を載置し投影光学系PLの光軸に垂直
な平面内を移動可能なウエハステージ上に載置されてい
る。ウエハステージの位置はウエハステージ上に固定さ
れた反射鏡303及び外部のレーザ干渉計304により
精密に測定されている。ウエハステージを走査すること
により光電センサ302の出力が変化する。
【0005】図9(b)は光電センサ302の出力の結
果を表すグラフを示し、横軸はウエハステージの走査方
向の位置x、縦軸は光電センサ302の出力値Iを表
す。この図9(b)において、出力曲線307の出力値
Iが最大になる位置x0 を求めることによりテストレチ
クルTRの光透過部305Aの結像位置が測定できる。
同様な測定をテストレチクルTRの複数の光透過部に対
して行えば、複数の光透過部305A〜305Gのそれ
ぞれの結像位置が判り、複数の光透過部305A〜30
5Gの位置が予め分かっているため、投影光学系の投影
倍率、像歪を求めることができる。
【0006】その他、以上の光電センサ・スキャン方式
ではなく、レチクルのパターンの像を顕微鏡で拡大して
2次元CCD等の撮像素子で受光する方式、あるいは逆
にウエハステージ上のスリット側から発光しながらウエ
ハステージをスキャンしてテストレチクルTRのパター
ンを介して受光する方式(特開昭63−81818号公
報参照)等が知られている。
【0007】投影光学系の倍率や像歪等の結像特性は、
投影露光装置の製造時には測定して調整するのは勿論の
こと、実使用時においても大気圧変化、投影光学系の照
明光吸収等で変化するため補正が必要である。このため
の対策として、例えば特開昭60−28613号公報あ
るいは特開昭60−78457号公報に開示してあるよ
うに、予め結像特性の変化量を予測し、投影光学系内部
の空気の圧力を変化させることで倍率の補正を行う方法
等が知られている。
【0008】しかし、これだけでは不十分で、装置の長
期変動等で倍率等が変化する可能性もあるため、上記の
ような方法を用いて倍率、像歪を時々チェックしながら
使用する必要がある。また、近年、大気圧変化等に対応
する補正の精度に対する要求も益々厳しくなっているた
め、測定による補正誤差を頻繁にチェックしながら使用
する方法も検討されている。この方法は前記の第2の方
法でなければ測定時間上無理である。
【0009】また、最近、投影光学系をそれ程大型化す
ることなく、実質的に露光面積を大きくするために、マ
スクと感光基板の各ショット領域とを投影光学系に対し
て同期して走査するステップ・アンド・スキャン方式の
投影露光装置が注目されている。しかしながら、現状で
は特にステップ・アンド・スキャン方式のような走査露
光方式の投影露光装置の特徴を活かした結像特性の計測
方法といったものは提案されていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来技術
による投影光学系の投影倍率あるいは像歪の測定の原理
は、予め位置の判っているマスク上の基準マークが投影
光学系を介して設計上の位置からどの程度ずれて結像さ
れるかを測定し、倍率、像歪の量を測定するものであ
る。この場合、マスク上のマークの位置が予め正確に分
かっていることが前提条件となる。
【0011】しかしながら、マスクは通常、電子ビーム
描画装置で作製されるが、倍率、像歪等の計測で使用さ
れるマスク上に形成されたマーク同士の広い間隔はあま
り正確に描画できない。このため、倍率、像歪等の計測
に使用されるマスクは、予め一枚毎に基準マークの位置
を正確に計測して測定結果に補正を加える必要がある。
このため、前記のように露光動作中に補正誤差を頻繁に
チェックするためには、製造に用いるすべてのマスクに
対して、レチクルパターン測定機等で基準マークの描画
位置を正確に計測しなければならない。これは、多数の
マスクを使用する製造現場では事実上不可能であり、そ
のため正確に投影倍率等のチェックを行うことができ
ず、投影倍率等の補正精度を向上することができないと
いう不都合があった。
【0012】また、レチクルパターン測定の精度も問題
である。これは、例えばマスクを載置する場合、通常露
光装置のマスクのパターンは下側になるように載置され
るが、レチクルパターン測定機ではパターン面が上向き
になるように載置され、両者で重力による自重撓みの影
響が異なり、これが測定誤差の要因となる。また、露光
装置上でも自重撓みは1枚毎に微妙に異なり、これが像
歪の要因となる。
【0013】次に、基準マークの入っている基準マスク
を使用した場合でも、実際にデバイスの製造に使用して
いるマスクと交換している間に投影光学系の状態が変化
してしまうことも考えられる。また、照明光吸収による
熱膨張によりマスクの状態が変化することも考えなけれ
ばならない。例えば一部のマスクのみ計測して補正を行
う場合、そのマスクの使用中はマスクの膨張分も含め、
像歪の補正が行われるため支障はない。しかし、次のマ
スクに交換した場合、そのマスクは熱膨張していないた
め、以前のマスク膨張分まで補正してしまうと、補正誤
差が発生する。また、正確なマーク同士の間隔は分から
ないので、絶対値は問題にせず常にマスク交換時の初期
値に保つように補正する方法も考えられるが、同じくマ
スク交換時のマスク熱膨張の差に起因する誤差が発生し
てしまう。
【0014】本発明は斯かる点に鑑み、投影光学系の投
影倍率及び像歪等の結像特性を正確且つ迅速に計測し、
結像特性を正確に補正できる投影露光装置を提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の投影
露光装置は、露光用の照明光(IL)でマスクステージ
(4A)上のマスク(R)を照明し、そのマスク(R)
上のパターン(204)を投影光学系(PL)を介して
感光基板(W)上に投影する投影露光装置において、そ
のマスクステージ(4A)上又はそのパターン(20
4)と光学的にほぼ共役な位置に設けられ、複数個の基
準マーク(205a〜205i)が形成された基準マー
ク部材(23)と、その露光用の照明光(IL)と同じ
波長域の照明光のもとで、その複数個の基準マーク(2
05a〜205i)の内の少なくとも1つの基準マーク
の投影像の位置を検出する像位置検出手段(10,2
0,21,24)と、この像位置検出手段の検出結果に
基づいてその投影光学系(PL)の結像特性を求める演
算手段(16)と、この演算手段により求められた結像
特性に基づいてその投影光学系(PL)の結像特性を補
正する補正手段(11a,11b,12,14a,14
b,17)と、を設けたものである。
【0016】また、本発明による第2の投影露光装置
は、転写用のパターン(204)が形成されたマスク
(R)を露光用の照明光(IL)で照明し、マスクステ
ージ(4A)を介してそのマスク(R)を所定の走査方
向(+X方向又は−X方向)に走査するのと同期して、
感光基板(W)をその所定の走査方向に対応する方向
(−X方向又は+X方向)に走査して、そのマスク
(R)のパターン(204)を投影光学系(PL)を介
してその感光基板(W)上に投影する投影露光装置にお
いて、そのマスクステージ(4A)上でそのマスク
(R)に対して走査方向に隣接して配置され、複数個の
基準マーク(205a〜205i)が形成された基準マ
ーク部材(23)と、その露光用の照明光(IL)と同
じ波長域の照明光のもとで、その複数個の基準マーク
(205a〜205i)の内の少なくとも1つの基準マ
ークのその投影光学系(PL)を介した投影像の位置を
検出する像位置検出手段(10,20,21,24)
と、この像位置検出手段の検出結果に基づいてその投影
光学系(PL)の結像特性を求める演算手段(16)
と、この演算手段により求められた結像特性に基づいて
その投影光学系(PL)の結像特性を補正する補正手段
(11a,11b,12,14a,14b,17)と、
を設けたものである。
【0017】この場合、その基準マーク部材(23)は
そのマスクステージ(4A)上で走査露光時の加速又は
減速中にその露光用の照明光(IL)が照射される助走
区間(25)内に配置されることが好ましい。また、本
発明の第1及び第2の投影露光装置において、その像位
置検出手段(10,20,21,24)の検出対象の一
例は、検査用の感光基板又は検査用の感熱基板上にその
投影光学系(PL)を介して投影された投影像である。
【0018】
【作用】斯かる本発明の第1の投影露光装置によれば、
マスク(R)上の描画誤差の影響を受けることなく投影
光学系(PL)の結像特性を正確に測定し、補正手段
(11a,11b,12,14a,14b,17)によ
り補正することができる。従来は、マスク上の計測用基
準マークを用いて投影倍率、あるいは像歪等の結像特性
の測定を行っていたが、本発明においては、予めその位
置が正確に計測された複数個の基準マーク(205a〜
205i)が描かれた基準マーク部材(23)を備え、
投影光学系(PL)の結像特性の測定時には、基準マー
ク部材(23)を例えば露光時のマスク位置迄移動し、
基準マーク部材(23)の基準マーク(205a〜20
5i)により投影倍率、あるいは像歪等の結像特性の測
定を行うため、従来のように、マスク(R)上の計測用
の基準マークの描画誤差、あるいは、描画位置計測誤
差、あるいは、マスク(R)の熱膨張の影響を受けずに
投影光学系(PL)の結像特性を測定し、正確に補正す
ることができる。
【0019】また、本発明の第2の投影露光装置によれ
ば、走査露光方式の投影露光装置において第1の投影露
光装置と同様にマスク(R)上の描画誤差の影響を受け
ることなく投影光学系(PL)の結像特性を測定し、補
正手段(11a,11b,12,14a,14b,1
7)により補正することができる。更に、マスクステー
ジ(4A)上に基準マーク部材(23)をマスク(R)
に対して走査方向に配置しているので、マスクステージ
(4A)を移動することにより、基準マーク部材(2
3)をマスク(R)の露光位置に迅速に配置することが
できる。
【0020】また、本発明の第2の投影露光装置におい
て、基準マーク部材(23)がマスクステージ(4A)
上で走査露光時の加速又は減速中に露光用の照明光(I
L)が照射される助走区間(25)内に配置される場合
には、基準マーク部材(23)を設ける場所を別に必要
としない。また走査露光の助走区間(25)であるた
め、露光用の照明光(IL)を基準マーク(205a〜
205i)を照明する照明光に用いることができるた
め、照明光の違いによる結像特性の測定誤差が生じな
い。
【0021】また、本発明の第1及び第2の投影露光装
置において、像位置検出手段(10,20,21,2
4)の検出対象が、検査用の感光基板又は検査用の感熱
基板上に投影光学系(PL)を介して投影された投影像
である場合には、実露光時と同じ状態で投影光学系の結
像特性が正確に検出できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明による投影露光装置の第1実施
例につき、図1〜図3を参照して説明する。本実施例
は、マスクとしてのレチクルと感光基板としてのウエハ
とを同期して走査しながらレチクルのパターンを逐次そ
のウエハ上の各ショット領域に投影露光する、所謂ステ
ップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置に本発明を
適用したものである。
【0023】図1は、本例の投影露光装置の概略的構成
を示し、この図1において、超高圧水銀ランプよりなる
光源1から射出された照明光IL(紫外域のg線又はi
線等の輝線)は不図示のシャッタを通過した後、コリメ
ータレンズ、フライアイレンズ、レチクルブラインド等
からなる照度均一化照明系2Aにより照度分布がほぼ均
一な光束に変換される。照明光ILとしては、超高圧水
銀ランプの輝線の他、例えばKrFエキシマレーザ光や
ArFエキシマレーザ光、銅蒸気レーザやYAGレーザ
の高調波等が用いられる。また、レチクルブラインドは
複数枚の可動遮光部からなり、レチクルRを照明する領
域を任意に設定できるようになっている。
【0024】また、照度均一化照明系2A内部にはレチ
クルRの照明状態を変更するための可変絞りが設けられ
ており、その可変絞りにより照明系の開口絞りの開口数
(照明系のコヒーレンスファクターであるσ値)を変更
したり、あるいは輪帯状の照明等により露光対象のパタ
ーン(線幅、ピッチ、周期的パターン、孤立パターン
等)に応じて最適な照明条件が選択されるようになって
いる。
【0025】照度均一化照明系2Aから射出された照明
光ILは、コンデンサーレンズ2Bを経てミラー3によ
り垂直下方に折り曲げられ、集積回路のパターン等が描
かれたレチクルRを照明し、投影光学系PLを介してレ
チクルR上のパターンをウエハW上に投影する。ここ
で、図1において、投影光学系PLの光軸AXに平行に
Z軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に垂直に
Y軸を、図1の紙面に平行にX軸を取る。
【0026】レチクルRはレチクルステージ4A上に真
空吸着され、このレチクルステージ4Aは投影光学系の
光軸AXに垂直な2次元の平面(XY平面)内で微動し
てレチクルRの位置決めをする。レチクルステージ4A
は少なくとも2個のZ方向に伸縮自在なピエゾ素子等の
駆動素子(図2ではその内2個の駆動素子11a,11
bを示す)を介して摺動部4Bに取り付けられ、摺動部
4Bは投影露光装置の本体(架台)のレチクルベース4
C上にX方向に摺動自在に載置されている。投影光学系
PLも不図示ではあるがその本体に固定されているた
め、駆動素子11a,11bにより投影光学系PLとレ
チクルRとの間隔を変化させることができる。なお、こ
の駆動素子11a,11bは結像特性制御系17により
制御される。
【0027】また、レチクルステージ4A(摺動部4
B)はリニアモータ等で構成された不図示のレチクル駆
動系により、レチクルベース4C上で±X方向(走査方
向)に指定された走査速度で移動できるようになってい
る。レチクルステージ4Aは、レチクルRの全面が少な
くとも照明光学系の光軸AXを横切ることができ、且つ
露光中にレチクルRのパターン領域が等速で走査できる
だけの移動ストロークを有している。更に、レチクルス
テージ4Aの端部には外部に設けられたレーザ干渉計8
からのレーザビームを反射する移動鏡7が固定されてお
り、レチクルステージ4Aの走査方向の位置はレーザ干
渉計8によって、例えば0.01μm程度の分解能で常
時検出されている。レーザ干渉計8の測定値はステージ
制御系24に送られ、ステージ制御系24はその情報に
基づいてレチクル駆動系を制御する。また、ステージ制
御系24から中央制御系16にレーザ干渉計8の測定値
の情報が供給されており、中央制御系16はその情報に
基づいてステージ制御系24を制御する構成となってい
る。
【0028】また、レチクルステージ4A上の助走区間
25には投影光学系の結像特性を検出するための基準板
23が設けられている。助走区間25とは、走査露光の
加速又は減速時に露光用の照明光が照射される領域であ
る。図2(a)は、レチクルステージ4A上のレチクル
R及び基準板23の構成及び配置を表す平面図を示し、
この図2に示すようにレチクルRの中心部の長方形のパ
ターン領域には回路パターン204が描画されている。
パターン領域の周囲は枠状の遮光帯208により囲ま
れ、遮光帯208に隣接する左側(−X方向)のほぼ中
央部には非走査方向に伸びたスリット状の基準マーク2
03X1〜203X3がレチクルRの上方(+Y方向)
から均等な間隔で形成され、遮光帯208の右側(+X
方向)のほぼ中央部にもスリット状の基準マーク203
X4〜203X6が基準マーク203X1〜203X3
に対応する走査方向に平行な位置に形成されている。ま
た、同様に遮光帯208の上方(+Y方向)及び下方
(−Y方向)の中央部にはそれぞれ走査方向に長いスリ
ット状の基準マーク203Y1,203Y2がX軸に平
行に形成されている。以上の基準マーク203X1〜2
03X6,203Y1,203Y2は、後述するレチク
ルRの熱膨張分を測定するために使用される。なお、以
下の説明において、これらの基準マーク203X1〜2
03X6,203Y1,203Y2の内の何れか1つを
表現する場合には基準マーク203として表現する。
【0029】基準板23は、非走査方向の幅がレチクル
Rの非走査方向と同じ大きさを有するガラス基板よりな
り、レチクルRの走査方向の近傍の助走区間25内に設
けられている。基準板23の下面の遮光膜中には全体で
9個の十字状の開口パターンよりなる基準マークがX方
向及びY方向にほぼ均等な間隔で3行×3列で形成され
ている。最も上部の第1行の基準マーク205a〜20
5c、中間の第2行の基準マーク205d〜205f、
及び最も下部の第3行の基準マーク205g〜205i
は全て投影光学系PLのレチクルR側の有効フィールド
201内の細長い照明領域IA内に入るように配置され
ている。以下、基準マーク203と同様これらの基準マ
ーク205a〜205iの内の何れか1つを表現する場
合には基準マーク205として表現する。
【0030】図2(a)において、本例のようなスキャ
ン型の投影露光装置では、投影光学系PLの結像可能な
領域である有効フィールド201内の照明領域IAのみ
が露光に用いられる。図2(a)では、照明領域IAに
よりレチクルRではなく、基準板23が照明されてい
る。なお、走査露光中は照明領域IAに対してレチクル
Rのパターン領域が走査される。
【0031】図1に示すように、基準板23はレチクル
ステージ4Aの助走区間25内に設けられている。走査
型露光装置では、レチクルステージ4A上に助走区間を
設けて、レチクルRを所定方向に走査する場合にレチク
ルRのパターン領域が矩形の照明領域IAに入る前に一
定の速度に達するようになっている。また、レチクルR
が逆方向に走査される場合には、その助走区間25でレ
チクルステージ4Aの減速が行われる。従って、この助
走区間25は走査型露光装置に特有のスペースで、ステ
ッパー等の一括露光型の露光装置には通常設けられてい
ない。基準板23の中心はレチクルステージ4Aにより
投影光学系PLの光軸AXまで移動可能な位置であり、
結像特性測定時には基準板23の中心を投影光学系PL
の光軸AXのところまで移動することができるようにな
っている。
【0032】図1に戻り、レチクルRを通過した照明光
ILは、両側テレセントリックな投影光学系PLに入射
し、投影光学系PLによりレチクルRの回路パターン2
04が投影倍率βで縮小されて、表面にフォトレジスト
(感光材料)が塗布されたウエハW上に投影される。な
お、本実施例の投影光学系PLには結像特性の補正のた
めの機構が装備されているが、この補正機構については
後で詳しく説明する。
【0033】本実施例の投影露光装置においては、上記
のレチクルRの回路パターンがウエハWの表面に走査露
光方式で露光される際に、図2(a)に示すレチクルR
の非走査方向(Y方向)に伸びた長方形(スリット状)
の照明領域IAでレチクルRが照明され、同時にレチク
ルRは例えば+X方向(又は−X方向)に走査速度V R
で走査される。照明領域IA(中心は光軸AXとほぼ一
致)内のパターンは投影光学系PLを介して図1のウエ
ハW上のスリット状の投影領域に投影される。ウエハW
はレチクルRとは倒立結像関係にあるため、ウエハWは
速度VR の方向とは反対の−X方向(又は+X方向)に
レチクルRに同期して走査速度VW で走査される。走査
速度の比(VW /VR )は正確に投影光学系PLの投影
倍率βになっている。照明領域IAのY方向の幅は、レ
チクルR上のパターン領域よりも広く設定され、レチク
ルR及びウエハWを走査することでパターン領域の全面
が照明されるようになっている。なお、レチクルRの走
査速度VR は、像面の照度および、ウエハW上のフォト
レジストの感度等によって決定される。
【0034】また、ウエハWはウエハホルダー6上に真
空吸着され、ウエハホルダー6はウエハステージWST
上に載置されている。ウエハホルダー6は底部の駆動部
により、投影光学系PLの最良像面に対し任意の方向に
傾斜可能で、且つ光軸AX方向(Z方向)に微動でき
る。また、ウエハホルダー6は底部の回転テーブルによ
り光軸AXの回りの回転動作も可能である。一方、ウエ
ハステージWSTは前述の走査方向(X方向)の移動の
みならず、複数のショット領域内の任意のショット領域
に随時移動できるよう、走査方向に垂直な方向(Y方
向)にも移動可能に構成されており、ウエハW上の各シ
ョット領域へ走査露光する動作と、次のショット領域の
露光開始位置まで移動する動作とを繰り返すステップ・
アンド・スキャン動作を行う。
【0035】ウエハステージWSTはモータ等のウエハ
ステージ駆動系WMによりXY方向に駆動される。ウエ
ハステージWSTの上面の端部には外部に設けられたレ
ーザ干渉計10からのレーザビームを反射する移動鏡9
が固定され、ウエハステージWSTのXY平面内での位
置はレーザ干渉計10によって、例えば0.01μm程
度の分解能で常時検出されている。ウエハステージWS
Tの位置情報(又は速度情報)はステージ制御系24に
送られ、ステージ制御系24はこの位置情報(又は速度
情報)に基づいて、ウエハステージ駆動系WMの動作を
制御する。また、ステージ制御系24から中央制御系1
6に対してレーザ干渉計10によるウエハステージWS
Tの位置情報(又は速度情報)が供給されており、中央
制御系16はこの情報に基づいてステージ制御系24を
制御する。
【0036】また、図1の装置には、不図示であるが、
ウエハWの露光面に向けてピンホール像、あるいはスリ
ット像を形成するための結像光束を光軸AXに対して斜
め方向に供給する照射光学系と、その結像光束のウエハ
Wの露光面での反射光束をスリットを介して受光する受
光光学系とからなる斜入射方式の焦点位置検出系が設け
られている。この焦点位置検出系からのウエハWのZ方
向の位置情報は中央制御系16に供給され、中央制御系
16はこのZ方向の位置情報に基づいてウエハステージ
WSTを介してウエハWのZ方向の位置及び傾斜角を投
影光学系の結像面に合わせ込む。
【0037】次に、ウエハステージWST上のマーク検
出手段である光電検出系について図1及び図2を参照し
て説明する。ここで用いられる光電検出系は、例えば特
開昭59−94032号公報等に開示されているもの
で、レチクルR側のパターンを投影光学系PLを介して
光電検出するものである。これは、結像特性の変化を計
算で求めて補正する方法に対し、投影光学系PLの空間
像を直接観察し結像特性を求める方法に用いられる。
【0038】図1において、ウエハステージWST上に
ウエハWとほぼ同一の高さにパターン板21が固定され
ており、パターン板21にはY方向に伸びたスリット状
の光透過部22が設けられている。図2(c)はこのパ
ターン板21の平面図を示し、パターン板21の遮光部
26にその周囲を囲まれた光透過部22は、基準板23
の基準マーク205又はレチクルR上の基準マーク20
3のパターン板21上での投影像とほぼ同じ大きさを有
している。図1に示すように、光透過部22の下方には
シリコン・フォトダイオード等の光電センサ20が設け
られており、基準マーク205及び203の投影光学系
PLを介した投影像を光電センサ20で検出する。光電
センサ20で検出された基準マーク205又は203の
投影像に関する情報は、中央制御系16に供給されてい
る。
【0039】次に、投影光学系PLの結像特性の補正機
構について図1を参照して詳しく説明する。この補正機
構は、大気圧変化、照明光吸収、照明条件の変更等によ
る投影光学系PL自体の結像特性の変化を補正すると共
に、ウエハW上の前回の露光ショット領域の歪みに合わ
せてレチクルRの投影像を歪ませる働きも持つ。以下で
補正機構の説明を行う。
【0040】図1に示すように、本実施例では結像特性
制御系17によってレチクルRを載置するレチクルステ
ージ4A又は投影光学系PL内のレンズエレメント12
を駆動することにより、結像特性の補正を行う。投影光
学系PL内において、レチクルRに最も近いレンズエレ
メント12は支持部材13に固定され、レンズエレメン
ト12に続くレンズエレメント15等は投影光学系PL
の本体鏡筒に固定されている。なお、本実施例におい
て、投影光学系PLの光軸AXはレンズエレメント15
以下の投影光学系PLの本体の光学系の光軸を指すもの
とする。支持部材13は伸縮自在の少なくとも2つ以上
の複数のピエゾ素子等からなる駆動素子(図1ではその
内2つの駆動素子14a,14bを示す)を介して投影
光学系PLの本体鏡筒と連結されている。
【0041】また、駆動素子14a,14bの伸縮によ
り、レンズエレメント12を光軸AXに平行に移動する
ことも、光軸AXに垂直な面に対して傾けることもで
き、投影光学系PLの結像特性、例えば投影倍率、ディ
ストーション、像面湾曲、非点収差等を補正することが
できるようになっている。同様に、結像特性制御系17
は、駆動素子11a,11bの伸縮によりレチクルRを
移動又は傾斜させて、結像特性を補正する。更に、ウエ
ハステージWST上に投影光学系PLを通過する照明光
量計測用の光電センサ19が固定され、投影光学系PL
の近傍に大気圧等を検出する環境センサ18が配置さ
れ、光電センサ19及び環境センサ18の出力が中央制
御系16に供給されている。中央制御系16はこれらの
情報より、結像特性の変化量を後述のように算出する。
【0042】次に、本実施例の投影露光装置の動作の一
例につき図1及び図2を参照して説明する。図1におい
て、中央制御系16の指令により光源1から照明光IL
を射出し、先ず基準板23の中心が光軸AXの近傍にく
るように、ステージ制御系24を介してレチクルステー
ジ4Aを移動する。レチクルステージ4Aをその位置で
静止させた後、ウエハステージWST上のパターン板2
1の光透過部22が図2(a)の基準マーク205aの
投影光学系PLを介した投影像の大まかに推定される位
置を横切るようにウエハステージWSTを移動させ、光
電センサ20の出力がピークとなるときのウエハステー
ジWSTのX座標をレーザ干渉計10により求める。
【0043】図2(b)は、基準板23とウエハステー
ジWST上の光電検出系との投影光学系PLを介した関
係を示し、基準板23の基準マーク205aの結像位置
付近をウエハステージWST上のパターン板21の光透
過部22が通過している。図2(d)は、ウエハステー
ジWSTの位置と光電センサ20の受光量との関係を表
すグラフを示し、横軸はウエハステージWSTのX方向
の位置x、縦軸は光電センサ20の受光面での光強度I
を示す。その光強度Iを示す波形曲線28はX座標に対
応させて、中央制御系16内の記憶部に取り込まれる。
【0044】その取り込んだ波形曲線に基づき、中央制
御系16は、光電センサ20の出力が最大になる位置x
0 を求める。その位置x0 が基準マーク205aのウエ
ハステージWST上の結像位置である。次に、ウエハス
テージWST上のパターン板21の光透過部22が図2
(a)の基準マーク205bの投影光学系PLを介した
投影像の大まかに推定される位置を横切るようにウエハ
ステージWSTを移動させ、光電センサ20の出力がピ
ークとなるときのウエハステージWSTのX座標をレー
ザ干渉計10により求める。
【0045】レーザ干渉計10の計測値はステージ制御
系24を介して中央制御系16に送られ、中央制御系1
6で基準マーク205aの結像位置と205bの結像位
置との間隔が計算される。ここで、中央制御系16によ
り計算された結像位置同士の間隔を間隔M1とする。基
準板23の基準マーク同士の間隔は予めパターン測定機
等で精密に計測されており、中央制御系16には予め基
準マーク同士の間隔が入力されている。ここで基準マー
ク205aと205bとの設計値の間隔をM2とする
と、投影光学系PLの投影倍率は間隔M1と間隔M2と
の比(M1/M2)で求められる。以上の結果に基づ
き、中央制御系16は結像特性制御系17を介して投影
光学系PLの投影倍率を補正する。本例では装置固有の
マーク205を用いるため、装置間のディストーション
マッチングが取りにくいという問題があるが、例えば基
準レチクルに対する各マーク205の位置誤差を管理す
れば、各装置で同一の基準レチクルを使用して測定がで
きる。
【0046】以上、X方向の結像特性の測定方法につい
て説明したが、Y方向の投影倍率についても同様あり、
例えば基準板23上のY方向に並んだ基準マーク205
aと基準マーク205gとを用いてX方向と同様に測定
すればよい。なお、像歪については、更に多数の基準マ
ーク205を使用して上記の測定を行うことにより照明
領域IA内の像歪が求められる。この方法は、他にも像
のコントラストが分かるため、光透過部22の光軸AX
方向の位置(Z方向)を変えながらコントラストを見る
ことにより、焦点位置も測定できる。なお、基準マーク
205としては本例のような1本線ではなく、複数の線
を用いて測定結果を平均化することにより測定の再現性
を高める方法もある。また、平行に並んだ複数の線の線
幅を測定することによりコマ収差を測定することもでき
る。
【0047】また、本例ではウエハステージWST上に
設けた1箇所だけの光透過部22により測定を行った
が、基準マーク205の数に応じて光透過部を複数個設
け、一度のスキャンでその複数個の基準マーク205の
投影光学系PLを介した結像位置を一度に測定すること
もできる。この場合、光透過部同士の間隔を予め精密に
測定しておけば、レーザ干渉計10にスケール誤差があ
っても測定の精度に影響しない利点がある。また、結像
特性の測定が一度のスキャンで行えるため、測定時間が
短縮される。従ってスループット(生産性)が向上す
る。
【0048】また、本実施例ではレチクルステージ4A
を固定し、ウエハステージWSTを微動させて基準板2
3の基準マーク205の結像位置を測定したが、基準マ
ーク205とウエハステージ上の光電検出系とが相対ス
キャンすればよいので、レチクルステージ4Aを駆動さ
せ、ウエハステージWSTを固定する方式でもよい。ま
た本実施例では、スリット状の光透過部22を用いる測
定法の例を示したが、結像特性を空間像より求める方法
であれば、何れの方法でも使用することができる。
【0049】次に、ウエハステージ上のパターン板の別
の例について、図3を参照して説明する。本例は、光透
過部が非走査方向に伸びたスリット状の開口部ではなく
走査方向にも長い開口部を有するパターン板によりスキ
ャンし光電センサ20で受光する方法である。図3は、
本例のパターン板を示し、図3(a)はパターン板の断
面図、図3(b)はその平面図を示す。この図3(b)
に示すように円形のパターン板402の表面は、遮光部
403中に非走査方向(Y方向)にレチクルRの基準マ
ーク205の投影像の非走査方向の長さとほぼ同じ幅を
持ち且つ走査方向(X方向)の端部に直線状のエッヂ4
04を有するほぼ正方形の光透過部401が形成されて
いる。また、図3(a)に示すように、パターン板40
2の真下には光透過部401の全面を覆うように光電セ
ンサ20が配置されており、基準マーク205又は基準
マーク203の投影像を検出するようになっている。
【0050】この方法は、光透過部401のエッヂ40
4を利用する方法である。このパターン板402を用い
てウエハステージWSTをX方向にスキャンすると、光
電センサ20に入射する光量はいわば積分された量とし
て測定される。これを図3(c)及び(d)を参照して
説明する。図3(c)の曲線405は、光電センサ20
からの出力信号の波形を示し、図3(d)の曲線406
は、図3(c)の光電センサ20からの出力Iをウエハ
ステージWSTのX方向の位置xで微分した信号波形を
示す。なお、この図3(c)及び3(d)において横軸
は位置x、縦軸は出力Iを表す。ウエハステージWST
が移動するに従って曲線405で示される出力Iは次第
に大きくなり、ある位置で一定値に達する。ウエハステ
ージWSTが結像位置に近ずくに従って立ち上がりの角
度が大きくなり、離れるに従ってその角度は小さくなり
0に収束する。
【0051】即ち、光電センサ20からは、図2(d)
の曲線28に相当する波形を積分した形で信号が得られ
るので、微分してその曲線28に相当する出力信号を得
る必要がある。そこで本例では、図3(c)の曲線40
5をウエハステージWSTの位置xで微分して図3
(d)の曲線406を得ている。従って、図2に関して
述べたのと同様な方法により結像位置が算出される。
【0052】本例の方法によれば、演算処理が複雑にな
る面はあるが、光量が少なくてもよい点と、パターン板
402が形成し易い点とで有利である。また、様々な線
幅のマークを1つの光透過部401で測定できる利点が
ある。なお、この他に結像された像を拡大してCCD等
の1次元あるいは2次元の測定が可能な光電センサで測
定する方法を用いることもできる。
【0053】次に、第1実施例の投影光学系PLの結像
特性の補正動作について説明する。投影光学系PLの結
像特性としては、例えば焦点位置、像面湾曲、ディスト
ーション(倍率誤差、像歪等)、非点収差等があり、そ
れらを補正する機構はそれぞれ考えられるが、ここでは
ディストーションに関する補正機構の説明を行う。図1
において、レンズエレメント12が光軸AXの方向に平
行移動した場合、その移動量に応じた変化率で投影光学
系PLの倍率(投影像の寸法の拡大率)が変化する。ま
た、レンズエレメント12が光軸AXに垂直な平面に対
して傾斜した場合は、その回転軸に対して一方の倍率が
拡大し、他方の倍率が縮小する。所謂、正方形が台形状
に歪む変形を起こすディストーションを発生することが
できる。これにより逆にディストーションを補正でき
る。
【0054】次に、レチクルRを駆動する場合について
説明する。レチクルRは前記のようにレチクルステージ
4A上に載置されている。レチクルステージ4Aは伸縮
自在の複数の駆動素子11a,11bにより、摺動部4
Bに載置されているため、駆動素子11a,11bによ
り投影光学系PLとレチクルRの間隔を変化させること
ができる。ここで、レチクルRが光軸AXに平行に移動
した場合、投影像は所謂糸巻型(あるいは樽型)ディス
トーションと呼ばれる変化を発生することができる。
【0055】上記のようにレチクルRあるいはレンズエ
レメント12を駆動することにより、投影光学系PLの
投影倍率あるいは像歪を最適に補正できる。また、これ
らを駆動することによって焦点位置あるいは像面が変化
するが、その量は不図示のウエハWのZ方向の焦点位置
検出系のオフセットとしてフィードバックされ、ウエハ
Wの位置が常に投影光学系PLの焦点位置又は像面と一
致するように制御されている。
【0056】なお、投影像の歪みを補正する方法は上記
の方法に限定されず、例えば投影光学系PLとレチクル
Rとの間の空間に像歪を補正するようなガラスプレート
を挿入する方法、あるいはガラスプレートの厚みを変え
る方法が提案されている。この後者の方法はレチクルR
を上下させる方法と殆ど等価であるが、レチクルステー
ジ4Aの剛性に悪影響を与えることなく、同一の効果が
得られる。また、投影光学系PLの一部の空気間隔を密
封してその圧力もしくは空気の組成を変化させる方法等
種々の方法が提案されており、これらも同様に使用でき
る。
【0057】以上の補正手段は計測された結像特性を補
正する以外に、通常、大気圧等の環境変化、投影光学系
PLの照明光吸収、あるいは照明条件の変更等に伴う結
像特性の変化に対する補正に使用される。これを、以下
に簡単に説明する。先ず、大気圧の変化等の環境変化に
対応する補正について説明する。中央制御系16には、
大気圧センサ、温度センサ等からなる環境センサ18か
らの情報が供給されており、中央制御系16ではこれら
の情報に基づき、予め計算又は実験等で求めていた係
数、あるいはテーブル等を用いて結像特性の変化量が計
算される。更にレチクルステージ4A等の各補正手段の
補正量が求められ、その結果が結像特性制御系17に信
号として送られる。この信号に基づき、結像特性制御系
17はレンズエレメント12及びレチクルRの駆動素子
14a,14b,11a,11bを駆動させて補正を行
う。
【0058】次に、投影光学系PLの照明光吸収に関し
ては、例えばウエハステージWST上の光電センサ19
により、投影光学系PLを通過してくる照明光量の測定
を実露光動作の前に行う。光電センサ19は投影光学系
PLのスリット状の照明領域を一度に受光できるだけの
受光面積を持ち、測定時にはウエハステージWSTは光
電センサ19を投影光学系PLの光軸AXの中心で固定
し、レチクルステージ4Aのみをスキャンさせてレチク
ルスキャン時の照明光量の測定を行う。光電センサ19
の測定結果は中央制御系16に供給されている。中央制
御系16には予め照明光量に対する結像特性の変化特性
が、例えば微分方程式等の数学モデル等で記憶されてお
り、中央制御系16では照明光量の変化に伴う刻々の結
像特性の変化が算出され、その結果に基づいて、中央制
御系16からの指令により上記環境変化に対応するのと
同様に補正が行われる。更に、照明条件の変更に関して
も不図示の照明条件制御系からの信号に基づいて、中央
制御系16において結像特性の変化が計算され、その結
果に基づき補正が行われる。
【0059】以上、本例の方法によれば、予めマーク間
隔を測定したテスト用レチクルだけではなく、実露光に
用いられる全てのレチクルに対して倍率、像歪の測定が
可能である。従って、逐次測定と前記の結像特性補正手
段とによりキャリブレーションしながら露光を行うこと
ができる。また、従来の露光装置にも結像特性の変化量
を計算して補正する機能が備えられているが、予測され
ていない装置の長期変化、レチクルの違い、レーザ干渉
計の測定誤差、照明光吸収の影響の違い等による誤差が
発生する恐れがある。また、照明条件毎に結像特性の変
動特性を厳密に持たなければならない上、装置の調整に
時間が掛かるという問題点もある。しかしながら、本例
のように実露光に用いるレチクルで変動計算に対し頻繁
なキャリブレーションを行えば精度よい補正が行え、且
つ補正計算はキャリブレーションを行う間の補完をすれ
ばよいだけとなりそれほどの精度は要求されない。この
ため、変動計算の係数の調整が簡単になる利点もある。
【0060】但し、あまり頻繁に測定してキャリブレー
ションを行うとスループット(生産性)が悪化するの
で、精度との兼ね合いで行うことになる。例えば、あま
り変動要因の無いときにはキャリブレーションを行う必
要がない。そこで、前記の変動計算が照明光吸収等によ
り、ある一定値変化する毎にキャリブレーションを行う
という方法が考えられる。これによれば、変動が大きい
ときのみキャリブレーションが行える。あるいは、ロッ
トの先頭のみ、照明条件を変更したときにのみ行うとい
う方法もある。また、単純に一定時間おき、一定枚数お
きにキャリブレーションを行う方法もある。この方法は
スループットの点では最適とはいえないが、管理が簡単
で装置の動作設計も簡単になるという利点がある。更
に、測定値に基づき変動計算の係数を自動的に最適なも
のに書き換える方法を用いてもよい。
【0061】次に、本例においてレチクルの熱膨張の度
合いを計測し、それに基づいて補正する動作の一例を図
1及び図2を参照して説明する。ここではレチクルRの
X方向の測定方法について説明する。前述のように、レ
チクルR上にも測定用の基準マーク203が形成されて
いる。基準マーク203のマーク位置は描画誤差のため
正確には分からない。そこで、先ず例えば基準マーク2
03X1が照明領域IA内に入る位置にレチクルステー
ジ4Aを移動し、静止させる。そして、その時のレチク
ルステージ4Aの位置を測定する。次に、ウエハステー
ジWST上のパターン板21の光透過部22が基準マー
ク203X1の投影光学系PLを介した投影像の大まか
に推定される位置を横切るようにウエハステージWST
を移動させ、光電センサ20の出力がピークとなる位置
にウエハステージWSTを静止させる。
【0062】次に、ウエハステージWSTを静止させた
まま、基準マーク203X4の投影光学系PLを介した
投影像がウエハステージWST上のパターン板21の光
透過部22を横切るようにレチクルステージ4Aを移動
させて、光電センサ20の出力がピークとなるときのレ
チクルステージ4Aの位置を測定する。そして、中央制
御系16でウエハステージWSTが静止した状態でのレ
チクルステージ4Aの移動距離を計算する。
【0063】ここで、レチクルステージ4Aの移動距離
を間隔M3とし、レチクルR上の基準マーク203X1
と203X4との間隔の設計値を間隔M4とする。先に
基準マーク205により測定された像歪分を間隔ΔMと
すれば、基準マーク203X1と203X4との間の間
隔の設計値からの誤差ΔSは(M3−M4−ΔM)によ
り求められる。
【0064】この誤差ΔSは、レチクルRの横方向(X
方向)の描画誤差及び熱膨張分となる。レチクルRが普
通の状態にあれば描画誤差だけとなるが、レチクルRが
照明光を吸収して熱膨張していると熱膨張による分も加
算される。そこで、レチクルRが普通の状態にあるとき
に基準マーク203X1と203X4との間の描画誤差
を求めておけば、レチクルRの熱膨張分が算出できる。
以上、レチクルRのX方向の熱膨張分の測定方法を示し
たが、Y方向についても例えば基準マーク203Y1及
び203Y2を用いてX方向同様に測定すればよい。
【0065】前記の結像特性変化量を計算で求めて補正
する方式においても、レチクルの熱膨張分をレチクルパ
ターン存在率、及びレチクル面の照明光強度より計算す
る方法が考えられているが、投影光学系PLの結像特性
の補正同様に露光動作中に測定し、補正誤差を測定によ
り補正しながら使う方法が考えられる。また、一度描画
誤差を求めれば、基準板23で測定する必要はなく、レ
チクルRの基準マーク203で測定を行えば、レチクル
Rの熱膨張込みの像歪が測定できる。この方法では、レ
チクル熱膨張分と投影光学系PLの像歪の分の分離はで
きないが、測定時間は短くて済む。
【0066】なお、基準板23自体が照明光吸収で膨張
すると測定誤差になるので、基準板23はできるだけ熱
吸収率及び熱膨張率の低い材料で作成し、測定時間も短
くして基準板23自体が熱膨張しないように配慮しなけ
ればならない。このため、例えばレチクルブラインドに
より必要な場所のみ照明して投影光学系PLの結像特性
を測定する方法も考えられる。
【0067】次に、本発明による投影露光装置の第2実
施例について図4を参照して説明する。本例は第1実施
例の空間像を計測する方法に代えて、ウエハW上のフォ
トレジスト(感光材料)に像を露光して測定する方法で
ある。実際のパターンはフォトレジストにて形成される
ために、簡便な計測方式としては前記の空間像の計測で
よいが、最終的にはレジスト像を見る必要がある。フォ
トレジストの特性と投影光学系PLの収差のため、空間
像と測定値とが全く一致しない場合もあるためである。
【0068】これを簡単に説明すると、フォトレジスト
は殆ど感光するかしないかの2つの状態であるが空間像
は連続値であるため、空間像の信号処理によっては投影
光学系PLの収差の受け方が異なることも考えられる。
また、レジスト像は厚みを持つが、空間像は一平面だけ
の違いもある。この場合、前もって対応関係を求めてお
き、空間像の測定結果を補正する必要がある。レジスト
像においても解決すべき問題点と解決法は空間像の場合
と全く同様である。なお、装置の構成は第1実施例と同
様であるので、同様箇所には同一番号を付しその詳細説
明を省略する。
【0069】以下、本例の動作について説明する。図4
(a)は、本例の投影露光装置の要部の概略構成を示
し、この図4(a)に示すように、第1実施例と同様
に、まず中央制御系16の指令により光源1から照明光
ILを射出し、基準板23の中心が光軸AXの近傍にく
るように、ステージ制御系24を介してレチクルステー
ジ4Aを移動する。レチクルステージ4Aをその位置で
静止させ、基準マーク205aの投影光学系PLを介し
た投影像の露光位置にウエハWがくるようにウエハステ
ージWSTを地点P2に移動する。
【0070】次に、フォトレジスト層503が塗布され
たウエハWに実際の露光光を用いて基準マーク205a
の像を露光する。図4(a)中基準マーク205aの投
影像の位置に現像後に形成されるレジスト像502Aを
点線で示す。この場合、ウエハステージWSTとレチク
ルステージ4Aとは静止している。次に、レチクルステ
ージ4Aを静止したまま、基準マーク205aと基準マ
ーク205bとの間隔L1に対応するそれらの基準マー
ク205a,205bの結像位置の間隔L2に対して間
隔ΔL2だけ小さい地点P1迄ウエハステージWSTを
移動する。これは、2箇所での露光像が重なってしまう
と計測しにくいためで、ΔL2だけ加算した位置に移動
させてもよい。
【0071】ここで、再び露光動作を行い、基準マーク
205bの像を露光する。図4(a)中基準マーク20
5bの投影像の位置にレジスト像502Bを点線で示
す。図4(b)は、現像後に形成されたレジスト像50
2A,502Bを示し、この図4(b)に示すように2
つの基準位置で露光された像は投影倍率が正確に設計値
通りであれば、間隔ΔL2だけ離れて露光されている
が、倍率に誤差があるときは距離(ΔL2+α)だけ離
れて露光される。このときの投影倍率は、間隔(L2+
α)と間隔L1との比((L2+α)/L1)で計算さ
れる。以上により、フォトレジスト像での倍率が求めら
れる。
【0072】距離の測定は一般に重ね合わせを検査する
検査装置で測定できる。これらの装置としては、例えば
ウエハWを露光装置同様にレーザ干渉計で厳密に位置が
測定できるステージに載置し、レーザビームを像に照射
しつつステージをスキャンしてレジストパターンからの
散乱光を受光するものがある。露光装置によってはこの
ような計測も可能なものがある。また、顕微鏡で肉眼で
検査できるように目盛が付いた像を露光する方法もあ
る。また、ウエハWを移動せず、一括で基準板23の複
数の基準マーク205を露光し、その間隔を測定しても
よい。ただし、測定までにウエハWが伸縮等すると誤差
が大となる。
【0073】2箇所の重ね露光はウエハW1枚当たり複
数数回行い平均化して測定精度を上げてもよい。また、
現像を行わず潜像の状態で計測してもよい。また、フォ
トレジストではなく、フォトクロミック材料のような感
光、消去が自由な素子を用いてもよい。第1実施例と同
様に基準点の数を増やせば像歪の測定も可能である。ま
た、測定は第1実施例に比べ時間が掛かるため頻繁には
行えないが、前記のようにフォトレジスト像が最終的に
製品の精度を決めるため、定期的な検査等に用いるのが
適当である。このときも、レチクルRの描画誤差を気に
しなくてよいので従来の投影光学系の検査方法に比較し
て効率的である。
【0074】以上の実施例は走査型の投影露光装置を対
象とするものであるが、一括露光タイプの投影露光装置
に対しても適用することができる。一括タイプの投影露
光装置でも前述の実施例のように移動可能なレチクルス
テージを持っている場合そのまま適用できる。これは、
例えば、レチクルを一枚のウエハ内に次々に交換して露
光する場合、レチクルを複数枚設置して照明領域に次々
に移動可能な構成を持つ投影露光装置であれば、基準板
をその中に入れることができる。上記のような構成を持
っていない通常の一括露光型の投影露光装置の場合につ
いても、本発明を適用することができる。
【0075】以下、本発明を一括露光型の投影露光装置
に適用した例について図5〜図8を参照して説明する。
なお、図1のレチクルRとウエハWとを同期させて走査
しながら露光する走査型の投影露光装置に対し、一括露
光型の投影露光装置では各ショット領域にレチクルの回
路パターンを一括して露光するものであり、特にレチク
ルステージ周辺の構成及び照明領域等の相違はあるが、
その他照明光学系、投影光学系及びウエハ周辺の図面上
での構成は図1の走査型の投影露光装置と同様の構成で
あるので、以下、説明の都合上図1と同様箇所には同一
番号を付し、その詳細説明を省略する。
【0076】先ず、本発明による投影露光装置の第3実
施例について図5を参照して説明する。図5は、本例の
投影露光装置のレチクルステージ周辺の要部の構成を示
し、図5(a)は露光時の状態、図5(b)はレチクル
の交換時の状態、図5(c)は図5(b)の状態におけ
る基準板の配置を平面図で示したものである。図5
(a)において、レチクルRはレチクルホルダ601に
載置され、レチクルホルダ601上には更に複数の基準
板602A〜602F(図5(c)参照)がレチクルR
の外側に載置されている。基準板602A〜602Fは
不図示の駆動系により照明領域に出入自在に設けられて
おり、図5(a)では、基準板602A〜602Fは露
光領域外に待避している。
【0077】図5(c)に示すように本例における基準
板602A〜602Fは第1実施例の基準板23に比較
して小型のもので、レチクルホルダ601の左右の端部
にそれぞれ3個ずつY方向にほぼ等間隔な位置に配置さ
れている。それぞれの基準板602A〜602Fの中央
部にはそれぞれ十字状の基準マーク605A〜605F
が形成されている。
【0078】本例の構成によれば、露光動作中に頻繁に
結像特性の測定はできない。しかし、レチクル交換時に
は図5(b)に示すように、基準板602A〜602F
は照明領域内に移動し、基準マーク605A〜605F
により第1実施例と同様に倍率、像歪等の結像特性が測
定できる。基準マーク605A〜605Fの描画位置は
予め厳密に測定されており、基準板602A〜602F
の移動距離は不図示の位置センサ(エンコーダ等)によ
り厳密に測定され、位置決めされる。これにより、基準
マーク605A〜605Fの位置は正確に計測され、第
1実施例と同様にレチクルRによらない結像特性の測定
ができる。
【0079】なお、レチクルRの必要な露光領域に対し
て投影露光装置の照明エリアを十分大きくすることも考
えられる。そのような構成であれば、コスト及び効果の
面では考慮する点は残るが、レチクルRの外側に基準マ
ークを設置して本例のように基準板602A〜602F
を照明領域外に待避させなくてもよい。次に、本発明を
一括露光型の投影露光装置に適用した第4実施例につい
て図6を参照して説明する。
【0080】図6は、本例の投影露光装置のレチクルス
テージ周辺の要部の構成を示し、この図6において、レ
チクルホルダ601に載置されたレチクルRの左右の下
部の露光領域外にそれぞれミラー705A,705Bが
設けられている。基準マーク702A,702Bがそれ
ぞれ形成された基準板701A,701Bはレチクルホ
ルダ601の左右の両端の真下に、レチクルRのパター
ン面に共役な平面にそれぞれ配置されている。また、本
例においては、基準板701A,701B上の基準マー
ク702A,702Bを照明するため、本来の露光用の
照明系とは別の照明系707が設けられている。
【0081】照明系707からの照明光IL1はそれぞ
れコンデンサーレンズ708A,708Bを経て、基準
板701A,701Bの裏面側から入射して基準板70
1A,701Bのそれぞれの基準マーク702A,70
2Bを透過してミラー705A,705Bに入射し、そ
れぞれ直角に折り曲げられて光軸AXに平行に射出さ
れ、下方の投影光学系を経てウエハステージWSTに設
けられた光電検出系に入射し、基準マーク702A又は
702Bの像を結像させる。
【0082】基準マーク702A,702BのX方向の
結像位置は予め正確に測定され、結像特性の測定動作は
第1の実施例と同様に行われる。なお、以上はX方向の
結像特性の測定用の構成であり、Y方向にも同様な構成
をもつ基準板及びミラーが設けられており、Y方向の結
像特性も同様に測定される。本例では基準マーク702
A,702Bを露光用の照明系とは別の照明系により照
明しているため、照明系の違いによる測定誤差が発生す
る。即ち、照明条件の差により、投影光学系PL内部の
光線の通過位置が変化し、投影光学系PLの収差の受け
方が異なるからである。しかし、基準板701A,70
1Bの照明系を本来の露光用の照明系と同様な照明が行
えるようにすれば、上記のような誤差は発生しない。ま
た、ミラー705A,705Bを移動自在な形で設け、
露光時には待避させ、非露光時にレチクルRの露光領域
内に移動させて、レチクルRの露光領域内の結像特性の
測定を行うようにすることもできる。
【0083】また、例えば図8に示すような縦方向及び
横方向に均等に配列された複数の基準マーク902a〜
902iを形成した基準板901を設けて、第1実施例
と同様にそれらの複数の基準マーク同士の間隔を基準と
して結像特性を測定してもよい。次に、本発明を一括露
光型の投影露光装置に適用した第5実施例について図7
を参照して説明する。
【0084】図7は、本例の投影露光装置のレチクルス
テージ周辺の要部の構成を示し、この図7において、レ
チクルホルダ601に載置されたレチクルRの左端側
(+X方向側)の上方でレチクルRと共役な位置に基準
マーク803Aが形成された基準板801Aがレチクル
Rと平行に配置されている。基準板801A及び基準板
801Aの下方に配置されたレンズ802Aは不図示の
駆動系により露光照明領域内に出入り自在に設けられて
おり、露光時は露光光の照明領域外に待避できるように
なっている。
【0085】また、同様にレチクルRの右端側(−X方
向側)の上方でレチクルRと共役な位置に基準マーク8
03Bが形成された基準板801BがレチクルRと平行
に配置され、基準板801Bの下部にレンズ802Bが
配置されている。結像特性の測定時には基準板801A
の基準マーク803A又は基準板801Bの基準マーク
803Bを露光用の照明光で照明し、レンズ802A又
はレンズ802Bを介してレチクルR上に基準マーク8
03A又は803Bの1次像を投影する。これらの基準
マーク803A,803Bの1次像の投影位置は予め正
確に測定されており、上述実施例同様に基準マーク80
3A又は803Bの1次像の投影光学系PLを介した投
影像(2次像)を光電検出系で検出し、第1実施例同様
に結像特性を測定する。
【0086】なお、本例では基準板及びレンズからなる
基準測定系を2系列設けたが、基準測定計を1系列だけ
設け、それを所定の範囲内で移動することによりレチク
ルR上の投影位置を移動させ、その投影位置同士の間の
間隔を精密に測定することによりレチクルR上の基準の
長さとすることができる。また、第4実施例と同様に図
8の基準板901を使用して結像特性を測定してもよ
い。
【0087】本例では、基準板801A,801Bを照
明光学系内部のレチクルRと光学的に共役な面に出入自
在に配置しているので、基準マーク803A,803B
の照明系と本来の露光用の照明系とは共通になる。な
お、第4実施例と同様に上記2つの照明系の条件を一致
させれば別照明でもよい。なお、本例の方法では、レン
ズ802の特性が投影光学系PLの結像特性に影響する
ので、その点の配慮が必要である。
【0088】以上、第2実施例を除き、上述の実施例に
おける空間像の計測はいずれもウエハステージ側に受光
センサを設けたが、レチクルの前面側に受光センサを配
置し、ウエハステージ側で発光してレチクルを介して受
光するようにしてもよい。これを、例えば第1実施例に
適用した場合、ウエハステージWST側からスリット状
の照明を行い、レチクルRの基準マーク205をスリッ
トがスキャンするようにウエハステージWSTをスキャ
ンする。基準マーク205とスリットの位置が一致した
ときレチクルRの上方へ光線が通過するので、これを受
光してスリットのレチクルRへの逆結像位置を知ること
ができる。しかし、この方法は実際のレチクルRの照明
系を使用しないため、照明条件の変更等には対応できな
い点に配慮する必要がある。
【0089】このように本発明は上述実施例に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り
得る。
【0090】
【発明の効果】斯かる本発明の第1の投影露光装置によ
れば、例えば従来のようにマスク上に描かれた基準パタ
ーンを使用することなく、マスクとは別の基準マーク部
材を設け、基準マーク部材に形成された複数個の基準マ
ークにより結像特性の測定ができるため、マスク上の描
画誤差の影響を受けることなく結像特性の正確な測定及
び補正ができる。また、これにより、特定のマスクの基
準パターンの描画誤差の測定を行ったテスト用のマスク
だけでなく、製造用に使われるどのマスクを使用してい
ても正確に測定できるため、露光動作中でも頻繁に結像
特性の測定及び補正ができるため、結像性能を常に高度
に保つことができる。
【0091】また、本発明の第2の投影露光装置によれ
ば、走査露光方式の投影露光装置の特徴を利用して、本
発明の第1の投影露光装置と同様にマスク上の描画誤差
の影響を受けることなく投影光学系の結像特性を測定
し、その結果に基づき補正手段を介して結像性能を常に
高度に保つことができる。更に、マスクステージ上に基
準マーク部材をマスクに対して走査方向に配置している
ので、例えばマスクステージを移動して、基準マーク部
材をマスクの露光位置に迅速に配置することができる。
また、基準マーク部材の基準マークを露光用の照明光と
同じ波長域の照明光により照明するため、例えば露光用
の照明光と異なる波長域の照明光により基準マークを照
明する場合と異なり、照明光の違いによる結像特性の誤
差が少なくなる利点がある。
【0092】また、本発明の第2の投影露光装置におい
て、基準マーク部材がマスクステージ上で走査露光時の
加速又は減速中に露光用の照明光が照射される助走区間
内に配置される場合には、基準マーク部材を別に設ける
場所を必要としない。また、露光用の照明光を基準マー
クを照明する照明光に用いることができるため、照明光
の違いによる結像特性の測定誤差が生じない。
【0093】また、本発明の第1及び第2の投影露光装
置において、像位置検出手段の検出対象が、検査用の感
光基板又は検査用の感熱基板上に投影光学系を介して投
影された投影像である場合には、実露光時と同じ状態で
投影光学系の結像特性が正確に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投影露光装置の第1実施例の概略
構成を示す一部を切り欠いた構成図である。
【図2】図1の投影光学系の検査方法を具体的に説明す
るための図である。
【図3】図1のパターン板21の変形例の説明に供する
図である。
【図4】(a)は本発明による投影露光装置の第2実施
例を説明するための投影露光装置の要部を示す構成図、
(b)は第2実施例で露光により形成されたレジスト像
を示す図である。
【図5】本発明による投影露光装置の第3実施例を説明
するためのレチクルステージ周辺の構成を説明するため
の図である。
【図6】本発明による投影露光装置の第4実施例を説明
するためのレチクルステージ周辺の構成を説明するため
の図である。
【図7】本発明による投影露光装置の第5実施例を説明
するためのレチクルステージ周辺の構成を説明するため
の図である。
【図8】本発明による投影露光装置の第4及び第5実施
例で使用される基準板の変形例の説明に供する図であ
る。
【図9】従来の投影光学系の検査方法を説明するための
図である。
【符号の説明】
1 光源 2 照明光学系 IL 照明光 R レチクル 4A レチクルステージ 8 レーザ干渉計(レチクル用) 10 レーザ干渉計(ウエハ用) 23 基準板 205a〜205i 基準マーク 11a,11b 駆動素子 PL 投影光学系 12 レンズ 14a,14b 駆動素子 W 感光基板 WST ウエハステージ 16 制御系 17 結像特性制御系 20 光電センサ 21 パターン板 25 助走区間 602A〜602F 基準板 701A,701B,801A,801B 基準板 605A〜605F 基準マーク 702A,702B,802A,802B 基準マーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−251303(JP,A) 特開 平4−192317(JP,A) 特開 平6−117831(JP,A) 特開 平6−349708(JP,A) 特開 平6−291013(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/20 521 G03F 7/207 G03F 9/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光用の照明光でマスクステージ上のマ
    スクを照明し、前記マスク上のパターンを投影光学系を
    介して感光基板上に投影する投影露光装置において、 前記マスクステージ上又は前記パターンと光学的にほぼ
    共役な位置に設けられ、複数個の基準マークが形成され
    た基準マーク部材と、 前記露光用の照明光と同じ波長域の照明光のもとで、前
    記複数個の基準マークの内の少なくとも1つの基準マー
    クの投影像の位置を検出する像位置検出手段と、 該像位置検出手段の検出結果に基づいて前記投影光学系
    の結像特性を求める演算手段と、 該演算手段により求められた結像特性に基づいて前記投
    影光学系の結像特性を補正する補正手段と、を設けたこ
    とを特徴とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】 転写用のパターンが形成されたマスクを
    露光用の照明光で照明し、マスクステージを介して前記
    マスクを所定の走査方向に走査するのと同期して、感光
    基板を前記所定の走査方向に対応する方向に走査して、
    前記マスクのパターンを投影光学系を介して前記感光基
    板上に投影する投影露光装置において、 前記マスクステージ上で前記マスクに対して走査方向に
    隣接して配置され、複数個の基準マークが形成された基
    準マーク部材と、 前記露光用の照明光と同じ波長域の照明光のもとで、前
    記複数個の基準マークの内の少なくとも1つの基準マー
    クの前記投影光学系を介した投影像の位置を検出する像
    位置検出手段と、 該像位置検出手段の検出結果に基づいて前記投影光学系
    の結像特性を求める演算手段と、 該演算手段により求められた結像特性に基づいて前記投
    影光学系の結像特性を補正する補正手段と、を設けたこ
    とを特徴とする投影露光装置。
  3. 【請求項3】 前記基準マーク部材は前記マスクステー
    ジ上で走査露光時の加速又は減速中に前記露光用の照明
    光が照射される助走区間内に配置されることを特徴とす
    る請求項2記載の投影露光装置。
  4. 【請求項4】 前記像位置検出手段の検出対象は、検査
    用の感光基板又は検査用の感熱基板上に前記投影光学系
    を介して投影された投影像であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の投影露光装置。
  5. 【請求項5】 前記複数個の基準マークは、前記走査方
    向に対して垂直な方向に配列されていることを特徴とす
    る請求項2、3、又は4に記載の投影露光装置。
  6. 【請求項6】 前記複数個の基準マークは、前記走査方
    向に配列されていることを特徴とする請求項2〜5の何
    れか一項に記載の投影露光装置。
  7. 【請求項7】 前記露光用の照明光でマスクを照明する
    照明系をさらに有し、前記像位置検出手段は、前記照明
    系からの露光用の照明光のもとで前記基準マークの前記
    投影光学系を介した像を検出することを特徴とする請求
    項1〜6の何れか一項に記載の投影露光装置。
  8. 【請求項8】 前記像位置検出手段は、前記マスクに設
    けられた複数のマークを前記投影光学系を介して検出す
    るとともに、前記マスクの熱膨張を含んだ前記投影光学
    系の像歪を検出することを特徴とする請求項1〜7の何
    れか一項に記載の投影露光装置。
  9. 【請求項9】 前記像位置検出手段は、CCDセンサを
    含むことを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載
    の投影露光装置。
  10. 【請求項10】 前記投影光学系の結像特性は、前記投
    影光学系のコマ収差を含むことを特徴とする請求項1〜
    9の何れか一項に記載の投影露光装置。
  11. 【請求項11】 前記投影光学系の結像特性は、前記投
    影光学系の焦点位置を含むことを特徴とする請求項1〜
    9の何れか一項に記載の投影露光装置。
  12. 【請求項12】 大気圧等の環境変化、前記投影光学系
    の前記照明光の吸収、あるいは照明条件の変更に伴う前
    記投影光学系の結像特性の変化量を計算するとともに、
    前記結像特性がある一定値変化したときに前記投影光学
    系の結像特性を求めるように前記像位置検出手段及び前
    記演算手段を制御する制御手段をさらに有することを特
    徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の投影露光
    装置。
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