JPH10261563A - 投影露光方法及び装置 - Google Patents

投影露光方法及び装置

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JPH10261563A
JPH10261563A JP9064777A JP6477797A JPH10261563A JP H10261563 A JPH10261563 A JP H10261563A JP 9064777 A JP9064777 A JP 9064777A JP 6477797 A JP6477797 A JP 6477797A JP H10261563 A JPH10261563 A JP H10261563A
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imaging
projection
optical system
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JP9064777A
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Inventor
Yuji Imai
裕二 今井
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/708Construction of apparatus, e.g. environment aspects, hygiene aspects or materials
    • G03F7/70858Environment aspects, e.g. pressure of beam-path gas, temperature
    • G03F7/70883Environment aspects, e.g. pressure of beam-path gas, temperature of optical system

Abstract

(57)【要約】 【課題】 投影像の結像特性を補正する場合に、予め定
めてある制御特性に誤差がある場合でも、正確に結像特
性を補正すると共に、その結像特性の補正によって発生
する他の結像特性の変化を正確に補正する。 【解決手段】 結像特性制御系17で密閉空間19の内
圧を制御することで投影光学系PLの投影倍率を制御す
る。この際の内圧と倍率との関係(制御特性)を求める
ため、基準マーク部材44上の所定の基準マークの像と
レチクルR上のアライメントマークとの位置ずれ量をレ
チクルアライメント系41A,41Bを介して検出し、
内圧に対する実際の投影倍率を計測する。その倍率の制
御に伴うデフォーカス量の計測のため、基準マーク部材
44上の開口パターン45の像を投影光学系PLを介し
て基準マーク部材44上に再結像し、開口パターン45
を通過した光量を検出する光電検出器55の検出信号よ
り像面を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体素
子、撮像素子(CCD等)、液晶表示素子、又は薄膜磁
気ヘッド等を製造するためのフォトリソグラフィ工程で
マスクパターンを感光基板上に転写するために使用され
る投影露光方法及び装置に関し、特に結像特性の補正機
構を備えた投影露光装置に使用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より半導体素子等を製造する際に、
マスクとしてのレチクルのパターンを投影光学系を介し
て感光基板としてのウエハ(又はガラスプレート等)上
に転写するためのステッパー等の投影露光装置が使用さ
れている。半導体素子等を目標とする形状に形成するた
めに、これらの投影露光装置では、レチクル上のパター
ンを常に良好な結像特性(投影倍率、ディストーショ
ン、合焦状態等)でウエハの各ショット領域に転写する
ことが求められている。
【0003】ところが、露光光の継続した照射による投
影光学系のレンズ系の熱変形や大気圧変化等によって、
投影光学系の結像特性が変化してしまい、そのままでは
所望の結像特性が維持できなくなる。そこで、従来より
投影露光装置には、投影光学系の投影倍率を補正するた
めの倍率制御部材や、ウエハの表面を投影光学系の像面
に合わせ込むためのオートフォーカス機構等が備えられ
ている。そして、例えば投影倍率を補正するためには、
予め実測によって露光光の照射量E及び大気圧Patmo
に応じた投影光学系の投影倍率の変化量Δβ(E,P
atmo,…)を求めておき、この変化量を相殺するように
倍率制御部材を介してその投影倍率を補正していた。
【0004】この場合、その倍率制御部材における駆動
量と投影倍率の変化量との比例係数である倍率可変レー
ト(制御特性)も、予め設計値を実測値で修正すること
によって求められて、装置定数として記憶されており、
その倍率可変レートに基づいて倍率の補正が行われる。
また、通常はその倍率制御部材を介して投影倍率を補正
すると、投影光学系の像面の位置(ベストフォーカス位
置)も変化するため、その倍率制御部材における駆動量
とそのベストフォーカス位置との関係も装置定数として
記憶されている。そして、その倍率制御部材を駆動した
際には、その駆動量に応じたオフセットをオートフォー
カス機構で設定するウエハの高さに加えることによっ
て、デフォーカスの発生を防止していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き従来の投影
露光装置では、結像特性の内の例えば投影倍率に関して
は、露光光の照射量等に応じて倍率可変レートに基づい
て倍率制御部材を駆動することで、補正が行われてい
た。ところが、その装置定数としての倍率可変レートの
初期設定値に、計測誤差又は組立調整時から実際の稼働
開始までの経時変化等に起因する誤差が含まれている
と、投影倍率の補正が正確に行えなくなる。この場合の
投影倍率の誤差は極めて小さいものであり、単一のレイ
ヤでの回路パターンの特性には殆ど影響は無い。しかし
ながら、例えば前のレイヤのパターン上に重ね合わせ露
光を行うような場合には、僅かな倍率誤差が有っても重
ね合わせ誤差が生ずるため、最終的に製造される半導体
素子等の歩留りが低下するという不都合がある。
【0006】また、その倍率制御部材の駆動量に応じ
て、上記の装置定数に基づいてオートフォーカス機構で
はウエハの高さを補正しているが、その装置定数に誤差
があるとウエハはデフォーカス状態で露光されることに
なる。このようなデフォーカス量が焦点深度の幅を超え
ると、ウエハ上に転写される回路パターン像の解像度が
劣化することになる。
【0007】また、投影光学系の結像特性制御部材とし
ては、倍率制御部材の他に所定のディストーションを補
正するためのディストーション制御部材等も使用される
ことがあるが、この際にもそのディストーション制御部
材等を駆動するための制御特性の初期設定値に誤差があ
ると、重ね合わせ誤差等が発生することになる。本発明
は斯かる点に鑑み、倍率制御部材のような結像特性制御
部材を介して投影像の結像特性を補正する場合に、予め
定めてある倍率可変レートのような制御特性の初期設定
値に誤差がある場合でも、正確に結像特性を補正できる
と共に、その結像特性制御部材を駆動した場合の他の結
像特性の変化を正確に補正できる投影露光方法を提供す
ることを目的とする。更に、本発明はその投影露光方法
を実施できる投影露光装置を提供することをも目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による投影露光方
法は、予め定められた制御特性に基づいて所定の結像特
性を補正できる投影光学系(PL)を介して、所定の照
明光のもとでマスクパターン(R)の像を感光基板
(W)上に露光する投影露光方法において、そのマスク
パターンの露光前に、その制御特性に基づいて投影光学
系(PL)のその所定の結像特性を調整したときに、投
影光学系(PL)のその所定の結像特性及び他の結像特
性の実際の変化量を計測し、この計測結果に基づいてそ
の制御特性を補正しておき、そのマスクパターンの露光
時に、その補正された制御特性に基づいて投影光学系
(PL)のその所定の結像特性を調整すると共に、その
他の結像特性の変化を相殺するように調整を行うもので
ある。
【0009】斯かる本発明によれば、実際のマスクパタ
ーンの露光を行う前に、投影光学系(PL)の結像特性
制御部材の駆動量と結像特性の実際の変化量との関係
(制御特性)を計測して、予め定めてある制御特性の初
期設定値を補正すると共に、その結像特性制御部材の駆
動量と他の結像特性の実際の変化量との関係(制御特
性)も計測しておく。これによって、その制御特性の初
期設定時の誤差が補正されて、正確に結像特性を補正で
きると共に、その他の結像特性の変化も正確に相殺(補
正)できる。
【0010】また、本発明による投影露光装置は、第1
面のパターンの像を第2面上に投影する投影光学系(P
L)と、予め定められた制御特性に基づいて投影光学系
(PL)の所定の結像特性を調整する結像特性制御部材
(17〜19)とを用い、この結像特性制御部材を介し
て投影光学系(PL)の結像特性を所定の状態に維持し
て、所定の照明光のもとでマスク(R)に形成されたパ
ターンの像を投影光学系(PL)を介して感光基板
(W)上に投影する投影露光装置において、その制御特
性に基づいてその結像特性制御部材を介して投影光学系
(PL)のその所定の結像特性を調整したときに、投影
光学系(PL)のその所定の結像特性及び他の結像特性
の実際の変化量を計測する結像特性計測系(41A,4
1B,44,52b,53,54;44,52a,5
3,54,55)と、投影光学系(PL)のその他の結
像特性に対応する露光条件を制御する露光条件制御系
(22,26)と、その結像特性計測系の計測結果に基
づいてその制御特性を補正すると共に、その露光条件制
御系を介してその他の結像特性の変化を相殺する演算制
御系(20)と、を有するものである。
【0011】斯かる本発明の投影露光装置によれば、本
発明の投影露光方法が実施できる。この場合、その所定
の結像特性の一例は、投影倍率、像面湾曲、及びディス
トーションよりなる結像特性群中の少なくとも1つの結
像特性であり、その他の結像特性の一例は、その結像特
性群から選択されなかった結像特性、又はデフォーカス
である。
【0012】また、その結像特性計測系は、投影光学系
(PL)のその所定の結像特性及び他の結像特性の実際
の変化量の目標値からのずれ量を計測し、その演算制御
系はそのように計測された結像特性の目標値からのずれ
量に基づいて、その制御特性の補正、及びその露光条件
制御系を介したその他の結像特性の変化の相殺を行うこ
とが望ましい。結像特性の目標値からのずれ量を計測す
ることによって、その制御特性の初期設定値の誤差分を
正確に求めることができるため、より正確に結像特性を
制御できる。
【0013】また、マスク(R)に対するその照明光の
照明条件を変更する照明条件変更部材(6,7)を設
け、この照明条件変更部材を介して照明条件を変更する
際に、その制御特性の補正を行うことが望ましい。これ
によって、照明条件によってその制御特性が微妙に変化
するような場合でも、所望の結像特性が維持できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
につき、図面を参照して説明する。本例は、ステッパー
型の投影露光装置において、投影像の投影倍率やディス
トーションを制御する場合に本発明を適用したものであ
る。図1は本例の投影露光装置の概略的な構成を示し、
この図1において、水銀ランプ及び楕円鏡等を含む露光
光源1から発生したi線等の露光光はシャッタ2に至
る。シャッタ2はモータ3によって開閉でき、露光時で
シャッタ2が開状態のときには点線の光路で示すよう
に、露光光はインプットレンズ4を介して露光光IL1
として照度分布均一化用のフライアイレンズ5に入射す
る。なお、露光光としては水銀ランプ等の輝線の他に、
KrFエキシマレーザやArFエキシマレーザ等のエキ
シマレーザ光等も使用できる。
【0015】図1において、フライアイレンズ5の射出
面には開口絞り板6が回転自在に配置され、開口絞り板
6には回転軸の周りに通常の円形絞り6a、輪帯照明用
の輪帯絞り6b、複数開口よりなる所謂変形照明用の絞
り(不図示)、及び小さいコヒーレンスファクタ用の小
開口絞り(不図示)等の開口絞り(σ絞り)が形成され
ている。本例では、装置全体の動作を統轄制御する主制
御系20が、モータ7を介して開口絞り板6を回転して
フライアイレンズ5の射出面の開口絞りの種類を変更す
ることで、所望の照明条件に設定できる。フライアイレ
ンズ5の射出面の開口絞りを通過した露光光IL1は、
ミラー8、第1リレーレンズ9A、可変視野絞り(レチ
クルブラインド)10及び第2リレーレンズ9Bを通過
してミラー11に至る。そして、ミラー11で下方に反
射された露光光IL1は、コンデンサーレンズ12を介
してレチクルRのパターン領域13をほぼ均一な照度分
布で照明する。
【0016】露光時に、レチクルRのパターン領域13
を通過した露光光ILは、両側(又はウエハ側に片側)
テレセントリックな投影光学系PLに入射し、投影光学
系PLにより投影倍率β(βは例えば1/4,1/5
等)で縮小されたレチクルRのパターン像が、表面にフ
ォトレジスト層が塗布され、その表面が投影光学系PL
の像面とほぼ一致するように保持されたウエハW上の1
つのショット領域に投影露光される。なお、図1ではウ
エハWの表面が投影光学系PLの露光フィールドから外
れた状態が示されている。また、本例では投影光学系P
Lの上部にスペーサ14、及び3個の伸縮自在のピエゾ
素子等の駆動素子15A〜15Cを介して、結像特性補
正用の平板ガラスよりなる補正板16が配置され、結像
特性制御系17がそれらの駆動素子15A〜15Cの伸
縮量を調整して、補正板16の傾斜角及び位置を制御す
ることで、例えば台形状のディストーション等を補正で
きるように構成されている。即ち、結像特性制御系1
7、駆動素子15A〜15C、及び補正板16より「デ
ィストーション制御部材」が構成されている。所望のデ
ィストーションの補正量ΔDを得るための駆動素子15
A〜15Cの伸縮量ΔzA〜ΔzCの値を示す関数f1
A(ΔD)〜f1C(ΔD)は、予め設計値を実測値で
修正することによって求められて、制御特性を示す装置
定数として結像特性制御系17内の記憶部に記憶されて
いる。
【0017】更に、本例の投影光学系PL内には、所定
のレンズ間に密閉空間19が設けられ、この密閉空間1
9に配管18を介して結像特性制御系17から圧力可変
の気体が供給されている。そして、密閉空間19内の気
体圧力(内圧)Pを制御することで、投影倍率βを所定
範囲内で制御できるように構成されている。即ち、結像
特性制御系17、配管18、及び密閉空間19より「倍
率制御部材」が構成され、投影倍率βの補正量Δβを、
内圧Pの基準圧力PAからの変化量ΔPで除して得られ
る値Δβ/ΔP、即ち倍率可変レートf2も予め求めら
れて、制御特性を示す装置定数として結像特性制御系1
7内の記憶部に記憶されている。但し、その倍率制御部
材を駆動すると、その投影倍率βの補正量Δβに応じて
投影光学系PLの像面の位置(ベストフォーカス位置)
も変化してしまう。そこで、その投影倍率の補正量Δβ
に対するその像面の位置の変化量(デフォーカス量)Δ
Fの比の値ΔF/Δβであるフォーカス位置変化レート
f3も予め求められて、装置定数として主制御系20内
のオートフォーカス制御系20aに記憶されている。同
様に、ディストーション制御部材を駆動すると、像面湾
曲が変化することがあり、ディストーションの補正量Δ
Dに対する像面湾曲の変化量ΔCの値を示す関数f4
(ΔD)も、予め装置定数として主制御系20内の記憶
部に記憶されている。
【0018】また、不図示であるが主制御系20には、
大気圧を計測するための環境センサや、ウエハWに対す
る露光量(投影光学系PLを通過する照射エネルギー)
を計測するためのセンサが接続されており、これらのセ
ンサの計測結果及び所定の演算式より、主制御系20は
投影光学系PLの投影倍率βの変化量(これを−Δβと
する)を算出できる。そこで、主制御系20は結像特性
制御系17に投影倍率の補正量Δβを指定すると共に、
フォーカス位置変化レートf3×ΔβだけウエハWのフ
ォーカス位置を補正する。これに応じて結像特性制御系
17は投影倍率を補正する。また、ウエハWのアライメ
ントによって、ウエハW上の前のレイヤの各ショット領
域内のパターンに所定のディストーションΔDがあるこ
とが分かる場合がある。このような場合、主制御系20
は結像特性制御系17にそのディストーションの補正量
ΔDを指定すると共に、補正量ΔDに対応する像面湾曲
の変化量ΔCを求め、これに応じてウエハWの表面の傾
斜角等を補正する。また、結像特性制御系17はディス
トーションを補正する。
【0019】次に、本例の投影露光装置のステージ系、
オートフォーカス機構、及び結像特性計測系等につき説
明するが、説明の便宜上、投影光学系PLの光軸AXに
平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に
平行にX軸を、図1の紙面に垂直にY軸を取っておく。
このとき、レチクルRは、光軸AXに垂直な平面内で2
次元移動、及び回転自在なレチクルステージ21上に載
置され、主制御系20によりレチクルステージ21の位
置決め動作が制御される。
【0020】一方、ウエハWは、ウエハホルダ(不図
示)を介してZチルトステージ22上に保持され、Zチ
ルトステージ22はXYステージ23上に固定されてい
る。Zチルトステージ22は、ウエハWのZ方向の位置
(フォーカス位置)を制御すると共に、所定範囲内でウ
エハWの傾斜角を補正し、XYステージ23はX方向、
Y方向へウエハWの位置決めを行う。Zチルトステージ
22の上端の移動鏡24m及びレーザ干渉計24によっ
てZチルトステージ22(ウエハW)のX座標、Y座
標、及び回転角が高精度に計測され、計測結果が主制御
系20に供給され、主制御系20はその計測結果に基づ
いて駆動装置25を介してXYステージ23の位置決め
を行う。
【0021】また、投影光学系PLの側面部には、ウエ
ハWの表面、又は後述の基準マーク部材44の表面のフ
ォーカス位置を検出するための斜入射方式のフォーカス
位置検出系(以下、「AFセンサ」と呼ぶ)26が配置
されている。AFセンサ26において、光源27から射
出されたフォトレジストに対して非感光性の照明光AL
は、ミラー28及び集光レンズ29を介して被検面(図
1では基準マーク部材44の表面)にスリット像を形成
する。そして、その被検面で反射された照明光ALは、
結像レンズ30、振動ミラー31、平行平板ガラス(プ
レーンパラレル)32を介して光電検出器33内の受光
素子の表面に振動するスリット像を再結像する。その受
光素子の受光面には受光用のスリットが形成され、その
受光素子の光電変換信号を振動ミラー31の駆動信号で
同期整流することによって、図5(b)に示すように、
被検面のフォーカス位置(Z方向の位置)Zに対応して
所定範囲内でほぼ線形に変化するフォーカス信号SFが
得られる。
【0022】図1において、フォーカス信号SFは主制
御系20内のオートフォーカス制御系20aに供給され
る。例えば投影露光装置の組立調整時に、被検面の表面
が像面に合焦している状態でそのフォーカス信号SFが
0となるように調整が行われ、オートフォーカス制御系
20aは、そのフォーカス信号SFが0に維持されるよ
うに、駆動装置25を介してZチルトステージ22のZ
方向の位置を制御する。これにより、オートフォーカス
方式でウエハW、又は基準マーク部材44の表面が常に
結像面に合焦される。本例ではAFセンサ26及びZチ
ルトステージ22より露光条件制御部材が構成されてい
る。また、AFセンサ26内の平行平板ガラス32の傾
斜角はオートフォーカス制御系20aによって制御でき
るように構成され、例えば結像特性制御系17を介して
密閉空間19の内圧Pを制御して投影倍率βをΔβだけ
補正する場合には、その平行平板ガラス32の角度を変
えることにより、そのフォーカス信号SFに上述のフォ
ーカス位置変化レートf3×Δβで定まるオフセットを
付与できるようになっている。但し、そのフォーカス位
置変化レートf3に誤差が含まれていると、デフォーカ
スが発生することになるため、本例では後述のようにそ
のフォーカス位置変化レートf3のキャリブレーション
を行う。
【0023】そして、ウエハWへの露光時にはそのよう
にオートフォーカス制御を行った状態で、ウエハW上の
1つのショット領域に対するレチクルRのパターン像の
転写が終了すると、XYステージ23のステッピングに
よってウエハW上の次のショット領域が露光フィールド
に設定され、ステップ・アンド・リピート方式で露光が
繰り返される。
【0024】次に、本例の結像特性計測系につき説明す
る。先ず、Zチルトステージ22上のウエハWの近傍に
石英等の低膨張ガラスよりなる基準マーク部材44が固
定され、基準マーク部材44上に種々の基準マーク等が
形成されている。図6(a)は基準マーク部材44を示
す平面図であり、この図6(a)において、基準マーク
部材44の表面のクロム膜等の遮光膜中にスリット状の
開口パターン45が形成されている。また、開口パター
ン45の上方で、X軸及びY軸に平行な辺で囲まれた正
方形の頂点の位置に4個の十字型の遮光膜よりなる基準
マーク46A〜46Dが形成されている。そして、基準
マーク46A〜46Dの配置を投影光学系PLのウエハ
からレチクルへの投影倍率(1/β)の設計値で拡大し
た配置で、図6(b)に示すように、レチクルRのパタ
ーン領域13内に4個の十字型の遮光膜よりなるアライ
メントマーク47A〜47Dが形成されている。
【0025】図1に戻り、基準マーク部材44の底面の
Zチルトステージ22内に光ファイバを介して露光波長
の照明光が導かれている。即ち、本例では露光光源1の
直前に配置されているシャッタ2が閉じている状態で、
シャッタ2で反射された露光光よりなる照明光IL2
が、ミラー48、レンズ49、ハーフミラー50、レン
ズ51を介して光ファイバ52の端部に集光されてい
る。光ファイバ52は途中で第1及び第2の光ファイバ
52a,52bに分岐し、これらの光ファイバ52a,
52bの端部がZチルトステージ22内に導かれてい
る。そして、第1の光ファイバ52aから射出された照
明光IL2は、集光レンズ53、及びミラー54を介し
て基準マーク部材44の底部からスリット状の開口パタ
ーン45を照明している。
【0026】図1に示すように、開口パターン45が投
影光学系PLの露光フィールド内にある状態では、開口
パターン45を通過した照明光IL2は、投影光学系P
L及び補正板16を介してレチクルRのパターン面に開
口パターン45の像を形成する。そして、そのパターン
面で反射された照明光IL2は、補正板16、及び投影
光学系PLを介して基準マーク部材44の開口パターン
45上に、この開口パターン45の像を再結像し、開口
パターン45を通過した照明光IL2が、ミラー54、
集光レンズ53、第1の光ファイバ52a、光ファイバ
52、及びレンズ51を経てハーフミラー50に戻る。
このハーフミラー50で反射された照明光IL2が光電
検出器55に入射し、光電検出器55からの光電変換信
号よりなる合焦点検出信号SCが主制御系20内の結像
特性演算系20aに供給されている。結像特性演算系2
0aにはフォーカス信号SFも供給されている。
【0027】この場合、基準マーク部材44の表面が投
影光学系PLの像面の位置(ベストフォーカス位置)に
合焦しているときには、レチクルRからの反射光によっ
て基準マーク部材44上に再結像される開口パターン4
5の像が最も開口パターン45の大きさに近づき、基準
マーク部材44がデフォーカスすると、その開口パター
ン45の像はぼけて大きくなる。従って、図5(a)に
示すように、基準マーク部材44の表面のZ座標を横軸
に、合焦点検出信号SCを縦軸に取ると、合焦点検出信
号SCは基準マーク部材44の表面がベストフォーカス
位置Z1にあるときに最大となり、それ以外では次第に
小さくなるように山型に変化する。結像特性演算系20
aでは、合焦点検出信号SC及びフォーカス信号SFよ
り像面のベストフォーカス位置の目標値からのずれ量を
検出する。
【0028】また、図1において、レチクルRの斜め上
方に撮像方式のレチクルアライメント系41A,41B
が配置され、投影光学系PL側からレチクルRを通過し
た照明光をレチクルアライメント系41A,41Bに導
くためのミラー42A,42Bが、露光光IL1の光路
に退避自在に配置されている。レチクルアライメント系
41A,41Bはそれぞれ図6(b)のアライメントマ
ーク47A,47Bに対応して配置され、不図示である
が他のアライメントマーク47C,47Dに対応したレ
チクルアライメント系も配置されている。これらの4軸
のレチクルアライメント系は、投影光学系PLの投影倍
率βの誤差の計測、及びディストーションの計測に使用
される。更に、レチクルアライメント系41A,41B
は、レチクルRを例えば基準マーク部材44上の所定の
基準マークに対して位置合わせ(レチクルアライメン
ト)する場合にも使用される。
【0029】図2は、投影倍率βの誤差及びディストー
ションの計測時の配置を示し、この図2において、投影
光学系PLの露光フィールド内に基準マーク部材44上
の基準マーク46A〜46D(図6(a)参照)が設定
され、基準マーク46A〜46Dと投影光学系PLに関
してほぼ共役な位置にレチクルR上のアライメントマー
ク47A〜47D(図6(b)参照)が設定されてい
る。そして、第2の光ファイバ52bを介してZチルト
ステージ22内に導かれた露光波長の照明光IL2が、
集光レンズ56、ハーフミラー57B及びミラー57A
を介してそれぞれ基準マーク部材44の底面側から基準
マーク46A,46Bを照明し、他の基準マーク46
C,46D(図6(a)参照)も照明光IL2で照明さ
れている。また、レチクルアライメント系41A,41
B用のミラー42A,42Bはそれぞれアライメントマ
ーク47A,47B上に設定され、他のレチクルアライ
メント系のミラーもアライメントマーク47C,47D
(図6(b)参照)上に設定されている。
【0030】この場合、基準マーク部材44上の基準マ
ーク46A,46Bの周囲を透過した照明光IL2は、
投影光学系PL及び補正板16を介してレチクルRのア
ライメントマーク47A,47Bの近傍に基準マーク4
6A,46Bの像を形成し、レチクルRを透過した照明
光IL2はミラー42A,42Bを経てレチクルアライ
メント系41A,41Bに入射する。レチクルアライメ
ント系41A内の撮像素子上には、基準マーク46A及
びアライメントマーク47Aの像が重なって形成され、
レチクルアライメント系41B内の撮像素子上には、基
準マーク46B及びアライメントマーク47Bの像が重
なって形成され、他のレチクルアライメント系内の撮像
素子上にも対応する基準マーク46C,46D及びアラ
イメントマーク47C,47Dの像が形成される。レチ
クルアライメント系41A,41Bを含む4軸のレチク
ルアライメント系の撮像信号はアライメント信号処理系
43に供給され、アライメント信号処理系43ではそれ
らの撮像信号を画像処理して、それぞれアライメントマ
ーク47A〜47Dに対する基準マーク46A〜46D
の像のX方向、Y方向への位置ずれ量を検出し、検出結
果を主制御系20に供給する。主制御系20内の結像特
性演算系20bでは、それらの位置ずれ量より投影倍率
βの設計値からの誤差(変化量)、又はディストーショ
ンの量を算出する。
【0031】さて、本例では上述のように倍率制御部
材、及びディストーション制御部材を介して投影像の投
影倍率及びディストーションを補正できるが、その際の
制御特性(倍率可変レートf2等)の初期設定値に誤差
があると、正確な結像特性の補正ができなくなる。従っ
て、本例では投影露光装置の稼働開始前に、更に或る期
間稼働を行った後に、その制御特性のキャリブレーショ
ンを行う。更に、本例では開口絞り板6内の開口絞り
(σ絞り)の選択によって、照明条件を通常の照明方
法、輪帯照明、及び変形照明等に切り換えることができ
るが、これらの照明条件によってもその制御特性が僅か
に異なることが予想される。従って、各照明条件毎にそ
の制御特性のキャリブレーションを行う。そこで、以下
ではその制御特性のキャリブレーションを行う場合の動
作の一例につき説明する。
【0032】先ず、図1の投影光学系PL内の密閉空間
19の内圧を制御する倍率制御部材の制御特性のキャリ
ブレーションを行う場合につき説明する。以下では照明
条件は通常の照明条件とする。図3及び図4はその倍率
制御部材の制御特性を示し、図3の実線の直線61Aの
傾きは、密閉空間19の内圧P(横軸)の基準圧PAか
らのずれ量ΔPと、投影倍率βの設計値β0 からの変化
量Δβ(縦軸)との間の倍率可変レートf2(=Δβ/
ΔP)の初期設定値を示す。この図3において、初期状
態では内圧Pが所定の基準圧PAのときに投影倍率βは
設計値β0 となり、倍率変化量Δβは0である。
【0033】その倍率可変レートf2のキャリブレーシ
ョンを行うために、本例では図2に示すように、基準マ
ーク部材44の基準マーク46A,46Bを投影光学系
PLの露光フィールド内に設定し、基準マーク部材44
の表面を投影光学系PLのベストフォーカス位置に設定
した状態で、結像特性制御系17を介して密閉空間19
の内圧Pを基準圧PAの前後に所定の圧力差で複数段階
に設定する。そして、内圧Pを或る値に設定する毎に、
それぞれレチクルアライメント系41A,41Bを介し
てアライメントマーク47A,47Bに対する基準マー
ク46A,46Bの像の位置ずれ量を検出し、検出結果
を主制御系20内の結像特性演算系20bに供給する。
そして、結像特性演算系20bではその位置ずれ量から
アライメントマーク47A,47Bの間隔を基準とし
て、投影光学系PLのレチクルからウエハへの実際の投
影倍率βを算出し、更にその投影倍率βの設計値β0
らの変化量Δβを求め、この変化量Δβを密閉空間19
の内圧Pに対してプロットする。
【0034】図3の一連のドット列61Cは、そのよう
にプロットされた計測データの一例を示し、結像特性演
算系20bでは、例えば最小自乗法によってそのドット
列61Cを近似する点線の直線61Bの傾き、及びオフ
セットを決定する。そのオフセットを0とすると、その
直線61Bの傾きが、倍率可変レートf2(=Δβ/Δ
P)のキャリブレーション後の値f2’となり、この値
f2’が結像特性制御系17に設定される。従って、そ
の後の露光時に倍率制御部材を介して投影倍率βをΔβ
1だけ補正する場合には、Δβ1/f2’で定まる圧力
変化量ΔPを基準圧PAに加算して得られる内圧P2を
設定することによって、正確に投影倍率βを補正でき
る。これに対して、直線61Aで示す初期設定値を用い
て設定する内圧はP1となり、設定される投影倍率に誤
差が残存する。
【0035】一方、図4の実線の直線62Aの傾きは、
密閉空間19の内圧P(横軸)のずれ量ΔPと像面のZ
方向へのデフォーカス量ΔF(縦軸)との比の値k(=
ΔF/ΔP)の初期設定値を示し、この図4において、
初期状態では内圧Pが基準圧PAのときにデフォーカス
量ΔFは0である。その傾きkは、フォーカス位置変化
レートf3(=ΔF/Δβ)に、図3の倍率可変レート
f2(=Δβ/ΔP)を乗じた値でもある。
【0036】そのフォーカス位置変化レートf3のキャ
リブレーションを行うために、本例では図1に示すよう
に、基準マーク部材44の開口パターン45を投影光学
系PLの露光フィールド内に設定した状態で、結像特性
制御系17を介して密閉空間19の内圧Pを基準圧PA
の前後に所定の圧力差で複数段階に設定する。そして、
内圧Pを或る値に設定する毎に、それぞれZチルトステ
ージ22を駆動して基準マーク部材44のZ方向の位置
を連続的に変化させて、AFセンサ28で検出されるフ
ォーカス信号SF及び光電検出器55から出力される合
焦点検出信号SCを結像特性演算系20bに取り込む。
この結果、基準マーク部材44のZ方向の位置に対し
て、合焦点信号SC及びフォーカス信号SFはそれぞれ
図5(a)及び(b)に示すように変化する。
【0037】この場合、合焦点信号SCがピークとなる
位置Z1として求められるベストフォーカス位置は、露
光波長の照明光のもとで投影光学系PLを介して検出さ
れる実際のベストフォーカス位置である。一方、フォー
カス信号SFが0となる位置Z2として求められるベス
トフォーカス位置は、ベストフォーカス位置の初期値
に、図4の直線62Aで定まるデフォーカス量ΔFの補
正を行った位置であり、位置Z1と位置Z2とのずれ量
δZ(=Z1−Z2)が、AFセンサ28で検出される
ベストフォーカス位置のずれ量となる。このフォーカス
位置のずれ量δZが内圧Pの各設定点で計測される。結
像特性演算系20bでは密閉空間19の内圧Pに対し
て、図4の実線の直線62Aにその位置ずれ量δZを加
算した結果をプロットする。
【0038】図4の一連のドット列62Cは、そのよう
にしてプロットされた計測データの一例を示し、結像特
性演算系20bでは、例えば最小自乗法によってそのド
ット列62Cを近似する点線の直線62Bの傾き、及び
オフセットを決定する。ここではオフセットを0とする
と、その直線62Bの傾きが、内圧Pのずれ量ΔPとデ
フォーカス量ΔFとの比の値k(=ΔF/ΔP)の実測
値k’となる。そこで、この実測値k’を上述の倍率可
変レートf2(=Δβ/ΔP)のキャリブレーション後
の値f2’で除算した値が、フォーカス位置変化レート
f3(=ΔF/Δβ)のキャリブレーション後の値f
3’となり、この値f3’がオートフォーカス制御系2
0aに設定される。従って、その後の露光時に倍率制御
部材を介して投影倍率βをΔβ1だけ補正する場合に
は、Δβ1・f3’で定まる量だけウエハWのフォーカ
ス位置を補正することによって、ウエハWの表面は像面
に正確に合焦される。
【0039】また、上述のキャリブレーションは、照明
条件を輪帯照明や変形照明等に切り換えた状態でも実行
され、各照明条件で倍率可変レートf2及びフォーカス
位置変化レートf3の値が求められて記憶される。これ
によって、照明条件を変更した場合でも、倍率補正が高
精度に行われ、且つデフォーカスが発生しない。次に、
図1の補正板16の位置及び傾斜角を制御するディスト
ーション制御部材の制御特性のキャリブレーションを行
う場合につき説明する。以下では照明条件は通常の照明
条件として、図7(a)に示すように、補正前の正方形
の投影像63を台形状の投影像63Aに歪ませるものと
する。この場合の制御特性は、台形状のディストーショ
ンΔDを発生させるための駆動素子15A〜15Cの伸
縮量ΔzA〜ΔzCを規定する関数f1A(ΔD)〜f
1C(ΔD)、及びそのディストーションΔDに対応し
て発生する像面湾曲ΔCを規定する関数f4(ΔD)で
ある。
【0040】その関数f1A(ΔD)〜f1C(ΔD)
のキャリブレーションを行うために、本例では図2に示
すように、基準マーク部材44の基準マーク46A〜4
6D(図6(a)参照)を投影光学系PLの露光フィー
ルド内に設定し、基準マーク部材44の表面を投影光学
系PLのベストフォーカス位置に設定した状態で、その
ディストーションΔDを段階的に変化させて、それぞれ
関数f1A(D)〜f1C(ΔD)の初期設定値に応じ
て駆動素子15A〜15Cの伸縮量を設定する。そし
て、ディストーションΔDを或る値に設定する毎に、そ
れぞれレチクルアライメント系41A,41B等を介し
て図7(b)に示すように、レチクルR上のアライメン
トマーク47A〜47Dに対する基準マーク46A〜4
6Dの像46AR〜46DRの目標位置からの位置ずれ
量を検出し、検出結果を主制御系20内の結像特性演算
系20bに供給する。結像特性演算系20bではそれら
の位置ずれ量からアライメントマーク47A〜47Dの
配置を基準として、投影光学系PLのレチクルからウエ
ハへの実際の投影像のディストーションΔD’を算出
し、一連のディストーションΔD’の値より関数f1A
(ΔD)〜f1C(ΔD)の補正を行う。
【0041】また、ディストーションΔDに対応して発
生する像面湾曲ΔCを規定する関数f4(ΔD)のキャ
リブレーションを行うために、図1に示すように、基準
マーク部材44の開口パターン45を投影光学系PLの
露光フィールド内に設定する。そして、そのディストー
ションΔDを段階的に変化させる毎に、それぞれZチル
トステージ22を駆動して基準マーク部材44をZ方向
に移動させて、光電検出器55からの合焦点検出信号S
Cを用いて像面のベストフォーカス位置を検出する。こ
の際に、図7(c)に示すように、投影光学系PLの露
光フィールド64内の5個の計測点65A〜65Eでそ
れぞれベストフォーカス位置を検出することによって、
像面湾曲の実際の量ΔC’を実測する。その後、ディス
トーションΔDの各設定値に対する像面湾曲の実際の量
ΔC’に基づいて、像面湾曲ΔCを規定する関数f4
(ΔD)を補正する。この場合にも、各照明条件毎に関
数f4(ΔD)等のキャリブレーションが行われる。そ
の後、実際の露光時には、キャリブレーションされた関
数f1A(ΔD)〜f1C(ΔD)を用いてディストー
ション制御部材を駆動することで、ディストーションの
補正を正確に行うことができる。更に、関数f4(Δ
D)を用いてウエハWの表面の傾斜角等を補正すること
で、ウエハWの各ショット領域にレチクルRのパターン
像が高い解像度で転写される。
【0042】上述のように本例によれば、投影光学系P
Lの投影倍率β及び所定のディストーションを正確に補
正できる。従って、異なる投影露光装置間での投影倍率
β、及びディストーションの設定値の差(機差)が小さ
くなり、ミックス・アンド・マッチ方式で露光を行う場
合の重ね合わせ誤差が小さくなる。更に、本例の制御特
性のキャリブレーションを定期的に実施してもよい。こ
れによって、倍率制御部材及びディストーション制御部
材の経時変化の影響も抑制される。
【0043】また、上述の制御特性のキャリブレーショ
ンは、図1のレチクルRを交換する毎に実施するように
してもよい。これによって、レチクルの製造誤差も合わ
せて投影倍率βを補正できる利点もある。なお、上述の
実施の形態では投影光学系PLの結像特性を計測するた
めにレチクルアライメント系41A,41B等が使用さ
れている。それ以外に、図8に示すようなウエハ側のZ
チルトステージ22内に設置されたエッジセンサを使用
してもよい。図8において、Zチルトステージ22上の
基準マーク部材44の表面にほぼ正方形の開口パターン
66が形成され、開口パターン66の底部に光電検出器
67が配置され、この光電検出器67の検出信号SEが
不図示の信号処理系に供給されている。この場合、図1
において、シャッタ2を開状態として露光光IL1のも
とで、図6(b)に示すレチクルR上のアライメントマ
ーク47A〜47Dの像を投影光学系PLを介してウエ
ハ側のステージ上に投影する。この状態でXYステージ
23を駆動して、図8の開口パターン66でそれらの投
影像を走査し、光電検出器67からの検出信号SEを取
り込み、例えばこの検出信号SEの微分信号を求めるこ
とで、アライメントマーク47A〜47Dの像の位置が
検出でき、これらの位置より投影倍率βの誤差、及びデ
ィストーションが求められる。
【0044】また、本発明はステッパー型の投影露光装
置のみならず、レチクル及びウエハを投影光学系に対し
て同期走査して露光を行うステップ・アンド・スキャン
方式のような走査露光型の投影露光装置にも適用できる
ことは明らかである。このように、本発明は上述の実施
の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々の構成を取り得る。
【0045】
【発明の効果】本発明の投影露光方法によれば、予め定
めてある制御特性(倍率可変レート等)をマスクパター
ンの露光前に補正すると共に、補正対象の他の結像特性
の実際の変化量も計測しているため、結像特性制御部材
を介して投影像の結像特性を補正する場合に、その制御
特性の初期設定値に誤差がある場合でも、正確に結像特
性を補正できると共に、その結像特性制御部材を駆動し
たことによる他の結像特性の変化を正確に補正できる利
点がある。
【0046】また、本発明の投影露光装置によれば、そ
の投影露光方法を実施できる。これによって、異なる投
影露光装置間での投影倍率等の結像特性の差が小さくな
る。また、その制御特性を定期的に補正することによっ
て、結像特性制御部材の経時変化等の影響も抑制でき
る。また、補正対象の結像特性は、投影倍率、像面湾
曲、及びディストーションよりなる結像特性群中の少な
くとも1つの結像特性であり、その他の結像特性は、そ
の結像特性群から選択されなかった結像特性、又はデフ
ォーカスである場合には、例えば投影倍率の補正に伴う
デフォーカスの発生を防止できる利点がある。
【0047】また、結像特性計測系は、投影光学系の所
定の結像特性及び他の結像特性の実際の変化量の目標値
からのずれ量を計測し、演算制御系はその計測された結
像特性の目標値からのずれ量に基づいて、その制御特性
の補正、及び露光条件制御系を介したその他の結像特性
の変化の相殺を行う場合には、結像特性をより高精度に
補正できる利点がある。
【0048】また、マスクに対する照明光の照明条件を
変更する照明条件変更部材を設け、この照明条件変更部
材を介して照明条件を変更する際に、その制御特性の補
正を行う場合には、照明条件が変更されても結像特性を
高精度に補正できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例で使用される投影露
光装置を示す一部を切り欠いた概略構成図である。
【図2】その実施の形態の投影露光装置の投影倍率及び
ディストーションの計測系を示す一部を切り欠いた構成
図である。
【図3】図1の投影露光装置の倍率制御部材における密
閉空間の内圧Pと投影倍率の変化量Δβとの関係を示す
図である。
【図4】その倍率制御部材における密閉空間の内圧Pと
デフォーカス量ΔFとの関係を示す図である。
【図5】図1の合焦点検出信号SC及びフォーカス信号
SFを示す図である。
【図6】(a)は図1の基準マーク部材44上の基準マ
ーク等を示す平面図、(b)は図1のレチクルR上のア
ライメントマークの配置を示す平面図である。
【図7】その実施の形態におけるディストーション及び
像面湾曲の計測方法の説明に供する図である。
【図8】その実施の形態における結像特性の計測系の他
の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 露光光源 6 開口絞り板 R レチクル PL 投影光学系 W ウエハ 15A〜15C 駆動素子 16 補正板 17 結像特性制御系 19 密閉空間 20 主制御系 20a オートフォーカス制御系 20b 結像特性演算系 22 Zチルトステージ 23 XYステージ 26 AFセンサ 41A,41B レチクルアライメント系 44 基準マーク部材 45 開口パターン 46A〜46D 基準マーク 47A〜47D アライメントマーク 55 光電検出器

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め定められた制御特性に基づいて所定
    の結像特性を補正できる投影光学系を介して、所定の照
    明光のもとでマスクパターンの像を感光基板上に露光す
    る投影露光方法において、 前記マスクパターンの露光前に、前記制御特性に基づい
    て前記投影光学系の前記所定の結像特性を調整したとき
    に、前記投影光学系の前記所定の結像特性及び他の結像
    特性の実際の変化量を計測し、該計測結果に基づいて前
    記制御特性を補正しておき、 前記マスクパターンの露光時に、前記補正された制御特
    性に基づいて前記投影光学系の前記所定の結像特性を調
    整すると共に、前記他の結像特性の変化を相殺するよう
    に調整を行うことを特徴とする投影露光方法。
  2. 【請求項2】 第1面のパターンの像を第2面上に投影
    する投影光学系と、予め定められた制御特性に基づいて
    前記投影光学系の所定の結像特性を調整する結像特性制
    御部材とを用い、該結像特性制御部材を介して前記投影
    光学系の結像特性を所定の状態に維持して、所定の照明
    光のもとでマスクに形成されたパターンの像を前記投影
    光学系を介して感光基板上に投影する投影露光装置にお
    いて、 前記制御特性に基づいて前記結像特性制御部材を介して
    前記投影光学系の前記所定の結像特性を調整したとき
    に、前記投影光学系の前記所定の結像特性及び他の結像
    特性の実際の変化量を計測する結像特性計測系と、 前記投影光学系の前記他の結像特性に対応する露光条件
    を制御する露光条件制御系と、 前記結像特性計測系の計測結果に基づいて前記制御特性
    を補正すると共に、前記露光条件制御系を介して前記他
    の結像特性の変化を相殺する演算制御系と、を有するこ
    とを特徴とする投影露光装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の投影露光装置であって、 前記所定の結像特性は、投影倍率、像面湾曲、及びディ
    ストーションよりなる結像特性群中の少なくとも1つの
    結像特性であり、 前記他の結像特性は、前記結像特性群から選択されなか
    った結像特性、又はデフォーカスであることを特徴とす
    る投影露光装置。
  4. 【請求項4】 請求項2、又は3記載の投影露光装置で
    あって、 前記結像特性計測系は、前記投影光学系の前記所定の結
    像特性及び他の結像特性の実際の変化量の目標値からの
    ずれ量を計測し、 前記演算制御系は前記計測された結像特性の目標値から
    のずれ量に基づいて、前記制御特性の補正、及び前記露
    光条件制御系を介した前記他の結像特性の変化の相殺を
    行うことを特徴とする投影露光装置。
  5. 【請求項5】 請求項2、3、又は4記載の投影露光装
    置であって、 前記マスクに対する前記照明光の照明条件を変更する照
    明条件変更部材を設け、 該照明条件変更部材を介して照明条件を変更する際に、
    前記制御特性の補正を行うことを特徴とする投影露光装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002025711A1 (fr) * 2000-09-21 2002-03-28 Nikon Corporation Procede de mesure des caracteristiques d'une image, et procede d'exposition
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CN113050393A (zh) * 2019-12-27 2021-06-29 上海微电子装备(集团)股份有限公司 光刻设备中运动台水平向位置的校准方法
CN114441142A (zh) * 2021-12-30 2022-05-06 歌尔光学科技有限公司 Ar成像系统的校正参数获取方法及装置

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