JPH0634950A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JPH0634950A
JPH0634950A JP21209092A JP21209092A JPH0634950A JP H0634950 A JPH0634950 A JP H0634950A JP 21209092 A JP21209092 A JP 21209092A JP 21209092 A JP21209092 A JP 21209092A JP H0634950 A JPH0634950 A JP H0634950A
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JP21209092A
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Yasuyuki Takiguchi
康之 滝口
Akihiko Kanemoto
明彦 金本
Hiroyuki Takahashi
裕幸 高橋
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、高分子分散型液晶表示素子
にみられる電気光学特性、特に電圧−透過率特性の温度
変化が改良された液晶表示素子を提供することにある。 【構成】 内面に液晶駆動電極を有する一対の基板と、
両基板間に液晶部および該液晶部を微細領域に分割する
支持体から構成される液晶分散層を有する液晶表示素子
において、液晶部が実質的にネマティック液晶と光学活
性物質の組成物から構成され、かつ該液晶組成物の自然
ピッチが温度上昇とともに短くなるものであることを特
徴とする液晶素示素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は液晶表示素子、特にポリマー等に
よる3次元微細構造と液晶とから形成される液晶分散層
を有するいわゆる高分子分散型の液晶表示素子に関す
る。
【0002】
【従来技術】液晶表示装置における表示方式の一つに、
樹脂等の支持体により液晶を液滴状に分散させたり、液
晶中に樹脂の網目構造を形成した液晶分散膜を電極付基
板で挟持したいわゆる高分子分散型の液晶表示素子があ
る。この方式では、一般に電圧を印加していない状態で
は、支持体によって液晶の配向が乱された状態にあり、
微少な屈折率のゆらぎのために光を散乱する。本素子に
電圧を印加すると、液晶が正の誘電異方性を有する場合
には液晶分子は電界方向に配列し、屈折率のゆらぎが低
減するために透明状態となる。液晶に二色性色素を添加
した場合には、電圧無印加状態は色素の配列はほぼラン
ダムであり光を吸収するのに対し、電圧を印加すると色
素は基板に垂直に配向し透明状態となる。いずれの場合
にも、本表示方式はツイステッドネマテイックモードの
ような偏光板を必要としないため、偏光板による光の損
失(吸収)を伴わず、より明るい表示が可能となるとい
う特徴を有している。加えて、応答速度が速いという利
点を併せ持っている。このような、分散構造を形成させ
る方法としていくつかの方法が報告されている。例え
ば、ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマーの水溶液
と液晶との乳化液を塗布乾燥させる方法(エマルジョン
法)、可溶性ポリマーと液晶を溶媒に溶解させて均一溶
液を調製し、該溶液を塗布乾燥させ乾燥時にポリマーと
液晶を相分離させる方法(溶媒蒸発法)、アクリルモノ
マー等の光重合性物質と液晶と光重合開始剤とを上下基
板間の空隙に封入し、紫外線を照射して光重合性物質を
重合させ、相分離させる方法(光重合法)、熱重合性物
質−例えばエポキシ化合物とその硬化剤−と液晶の混合
物を上下基板間に封入後、加熱により重合させ、相分離
させる方法(熱重合法)などである。しかしながら、こ
のような高分子分散型液晶表示素子は、温度による動作
電圧の変動が、通常のツイステッドネマテック型のよう
な分散構造を持たない表示方式に較べてきわめて大きい
という問題を有している。一般に液晶表示素子の表示特
性は温度に依存するが、中でも動作電圧の変動は重要で
ある。素子に電圧を印加した際に、透過率の飽和値の9
0%になる電圧を飽和電圧(Vsat)と定義し、動作
電圧の尺度とすると、従来の高分子分散型液晶表示素子
の飽和電圧は、温度上昇にともない大きく低電圧側にシ
フトする。例えば、1℃当りの飽和電圧の変化量はツイ
ステッドネマテック型の数倍にも及ぶ。このため、外界
の温度変化に対して表示品質が大きく変わってしまう。
仮に室温(20℃前後)で電圧−透過率特性が飽和する
ような電圧で動作させたとすると、外界の温度低下によ
りこの電圧では十分な透過率変化が得られなくなり、コ
ントラストの低下を引き起こす。外界の温度上昇または
低下に対応するには、印加電圧の広い範囲の調整回路が
必要となり、コスト上昇をもたらしてしまう。この問題
は特に屋外使用やバックライトからの放熱を受ける場合
には深刻な問題となる。
【0003】
【目的】本発明は以上の従来技術の問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、高分子分散型液晶表示素
子にみられる電気光学特性、特に電圧−透過率特性の温
度変化が改良された液晶表示素子を提供することにあ
る。
【0004】
【構成】本発明によれば、内面に画素電極を有する一対
の基板と、両基板間に配置された液晶部および該液晶部
を微細領域に分割するよう構成された支持体とから構成
される液晶分散層を有する液晶表示素子において、液晶
が実質的にネマテイック液晶と光学活性物質の混合組成
物から構成され、かつ、光学活性物質によって誘起され
る液晶組成物の自然ピッチが温度上昇とともに短くなる
ことを特徴とする液晶表示素子が提供される。図2は高
分子分散型の液晶表示素子における液晶の自然ピッチ
(P)と飽和電圧の関係の測定例を図示したものであ
る。この図において、縦軸はP=∞すなわち光学活性物
質を添加しない場合の飽和電圧で各条件の飽和電圧を規
格化して示してある。自然ピッチが短くなるにつれて飽
和電圧は高電圧側にシフトする。ところで、光学活性物
質のピッチは温度に大きく依存することが知られてい
る。本発明はこの現象を利用し、前記したような外界の
温度変化等に伴う高分子分散型液晶表示素子の飽和電圧
の変化を、液晶組成物に含有させた光学活性物質の自然
ピッチの温度変化によって相殺し、前記飽和電圧の温度
変化を低減することを特徴とする。したがって、高分子
分散型液晶表示素子の飽和電圧が温度上昇にともない低
電圧側にシフトする現象に対して温度補償を行うために
は、光学活性物質を含有させた液晶組成物の自然ピッチ
の温度変化が、温度上昇に伴って自然ピッチが減少する
よう構成する必要がある。(以後、このような温度依存
性を負の温度依存性と称する。)なお、本発明でいう自
然ピッチとは該液晶組成物になんら外的な場、界面効果
のような配向規制力を加えない場合のピッチであり、一
般的にはよく知られたCanoのくさびの方法等によっ
て比較的簡単に測定することが可能である。
【0005】本発明で用いる負のピッチの温度依存性を
有する液晶組成物はネマテイック液晶と該ネマテイック
液晶に添加した際に負のピッチの温度依存性を示す光学
活性物質とから構成される。光学活性物質の中でも液晶
との相溶性および組成物の液晶温度範囲の観点から光学
活性な液晶性物質を好ましく用いる。すなわち光学活性
物質が液晶性でない場合には液晶に溶解しなかったり、
必要なピッチを誘起させるのに必要な濃度まで溶解させ
ることができなかったりする恐れがある。また、液晶性
を呈さない液体の光学活性物質の場合には組成物のネマ
テイック−等方相転移温度の低下が、液晶性を呈さず結
晶性の光学活性物質の場合には組成物の結晶−ネマテイ
ック相転移温度の上昇がそれぞれ顕著となる。
【0006】(1)ネマテイック液晶に添加した際に、
単一成分で自然ピッチが温度上昇と共に短くなる光学活
性物質、および(2)一方の光学活性物質を単独でネマ
テイック液晶に添加した際のピッチの逆数(1/P)の
温度係数(単位温度変化に対する1/pの変化量)をK
a、常用温度範囲の下限における1/Pを(1/P)aL
とし、他方の光学活性物質を単独でネマテイック液晶に
添加した際の1/Pの温度係数をkb、使用温度範囲の
下限における1/Pを(1/P)bLとしたときに、下
記a)、b)いずれかを満足する混合光学活性物質を好
ましく用いる。ここで1/Pの符号、ねじれの向きを表
し、たとえば−1/Pと1/Pはピッチが等しく、ねじ
れの向きが逆の場合の逆数を表している。なお、本発明
において、単にピッチの温度変化の正負を言う場合には
ピッチの絶対値の増減に関する。 a)kb>−kaであり、かつ(1/P)bL>−(1/
P)aL b)kb<−kaであり、かつ(1/P)bL<−(1/
P)aL なお、ここでいうピッチの温度依存性の正負は、素子の
常用温度範囲(代表的には、0℃〜40℃前後)におい
て定義されるものであり、それ以外の温度範囲では正負
が逆転していても構わない。(1)の光学活性液晶とし
ては、チッソ社から市販されているCM21,CM22
などを好ましい材料として例示することができる。ま
た、ピッチの温度変化の大きさを調製するために他の光
学活性液晶等の光学活性物質を併せて用いることもでき
る。(2)の光学活性物質としては、共に負の温度依
存性を有し、ねじれの向きの等しい光学活性物質の組合
せ、共に正の温度依存性を有し、ねじれの向きの異な
る光学活性物質の組合せ、正の温度依存性を示す光学
活性物質と、ねじれの向きが異なり負の温度依存性を示
す光学活性物質の組合せ、正の温度依存性を示す光学
活性物質と、ねじれの向きが等しく負の温度依存性を示
す光学活性物質の組合せ、などが代表的である。いずれ
の場合にもa)またはb)の関係を満足することが必要
である。の例について説明する。この例ではa)、
b)二種の混合系であり、使用温度範囲の上限と下限は
それぞれ0℃、40℃である。またkは両温度間での1
/Pの変化率である。この系のk、(1/P)L は図4
に示す様に以下のような値となり、a)の条件を満足す
る。 ka=2.6×10-3μm-1/℃ kb=−5.8×
10-4μm-1/℃ (1/P)aL=−0.94μm-1 (1/P)bL=
0.96μm-1 この場合、図3に示すように、ピッチの温度依存性(P
a,Pb)は互いに相殺しあうため、負の温度依存性と
なるように調製することが可能である。ここで、混合系
のねじれの向きは両種のねじれの向きのうちピッチの短
い方の向きと一致する。本方式によれば、混合組成によ
り、(1)より大きなピッチの温度変化が得られ、特に
動作電圧の温度変化が大きな高分子分散型の液晶表示素
子であっても良好な温度補償を行わせることができる。
図3ではピッチの温度変化が正の光学活性物質のみの混
合系であったが、のように正のピッチの温度変化を示
す光学活性物質と負のピッチの温度変化を示す光学活性
物質を混合した場合にはさらに大きな負のピッチの温度
変化を得ることができる。
【0007】光学活性物質によって誘起される自然ピッ
チは常用温度(一般的には20℃前後)で2μmから6
0μmの範囲が好ましく、5μmから30μmの範囲が
より好ましい。長すぎる場合には動作電圧の補償が十分
でなくなり、短すぎる場合には補償の不十分さに加えて
飽和電圧が高くなり過ぎたり、コントラストが低下して
しまうため好ましくない。このようなピッチを誘起させ
るために必要な光学活性物質の添加量は、用いる液晶材
料、分散層の微細構造の大きさ、および光学活性物質の
種類に依存する。特に、光学活性物質により差異は大き
いが、概ね0.1wt%から30wt%の範囲である。
添加量が少なすぎる場合には所望のピッチが得られなく
なり、逆に大きすぎる場合には液晶性を呈する温度範囲
が大きく変化してしまったり、相が変化したり、誘電率
異方性の減少に起因する動作電圧の上昇等の問題を生ず
る恐れがある。自然ピッチの単位温度当りの温度変化
は、分散層の構造等に依存するが、ピッチの逆数の変化
が0.0005μm-1/℃〜0.01μm-1/℃の範囲
とすることが好ましく、0.0008μm-1/℃〜0.
008μm-1/℃の範囲がより好ましい。この範囲以下
であると、逆にピッチの温度変化による動作電圧の変化
を生じ、大きすぎる場合には、補償が十分でなくなる。
【0008】光学活性物質を導入して高分子分散型の液
晶表示素子を作製するには、従来公知の作製法におい
て、ネマテック液晶の代わりにネマテック液晶と上述し
た光学活性物質の混合組成物を用いるだけでよい。ま
た、液晶には必要に応じて2色性色素を添加して、素子
をゲストホスト型として用いることもできる。ネマテイ
ック液晶としては、誘電異方性が正のネマテイック液晶
が特に好適である。本発明の液晶表示素子の構成例を図
1に示すが、図1の記載から明らかなように本発明にな
る液晶表示素子の基本的な構造は、従来公知の高分子分
散型の液晶表示素子と同一である。電極12,22を有
する一対の基板11,21が離間対向して配置され、基
板間の微小空隙に前記光学活性物質を含有する液晶部3
1と、該液晶部を微細領域に分割するように形成された
支持体32とから構成された液晶分散層30が形成され
ている。液晶分散層30の内部構造は、エマルジョン法
等で作製された分散層に代表される液晶部31がほぼ球
形の液滴として支持体中に分散されたドロップレット構
造(図1)や、光重合法において形成されやすく、支持
体32が網目状構造を形成し、網目中の液晶部31が互
いに連通したネットワーク構造等に代表されるように、
支持体32がなんらかの形で液晶部31を微細領域に分
割した構造となっている。ここでいう微細とは、概ね
0.2μmから20μmの範囲の大きさをいう。液晶分
散層30の厚さは、従来公知の高分子分散型の液晶表示
素子と同様でよく、3μmから30μmの範囲が一般的
である。また、液晶部31と支持体32の割合も従来公
知の高分子分散型の表示素子と同様でよく、層全体に対
して液晶が40%から90%の範囲が一般的である。支
持体としては高分子化合物が一般的であり、例えば、シ
アノエチルセルロース、シアノエチルヒドロキシセルロ
ース、シアノエチルスターチ、シアノエチルプルラン、
シアノエチルグリセロールプルラン、シアノエチルポリ
ビニルアルコール、2−シアノエチルアクリレート、4
−シアノブチルアクリレート、シアノメチルアクリレー
ト、2−シアノエチルメタクリレート、4−シアノブチ
ルメタクリレート、シアノメチルメタクリレート、ポリ
ビニルアルコール、シアン化ビニリデン−酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、ナイロン1,1、ポリメチルメタクリレート等
のアクリ系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリスルフォン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロ
ニトリル、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポ
リビニルホルマール、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化
ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、シリコー
ン樹脂、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、エポキシ
樹脂などを例示することができる。以下、実施例により
本発明をさらに詳細に説明する。
【0009】
【実施例】
実施例1 日本化薬社製のプレポリマーKAYARAD HX62
0にメルク社製の光重合開始剤Darocurll73
を1重量%添加して、光硬化性樹脂を調製した。メルク
社製の液晶組成物BL007にチッソ社製の液晶性光学
活性物質CM−21を6.5重量%添加して液晶組成物
(液晶組成物1)を調製した。本液晶組成物の自然ピッ
チはCanoのくさびの方法で測定したところ20℃に
おいて12μmであった。また自然ピッチの逆数の温度
変化は0.001μm-1/℃であった。透明導電層を有
するガラス基板を6μmのスペーサを介して重ね合わ
せ、セルギャップが6μmの液晶セルを作製した。光硬
化性樹脂と液晶組成物を液晶組成物の割合が20重量%
となるように混合し、液が、均一となる温度まで加熱し
て液晶セル中に注入した。これに、高圧水銀灯によって
光照射してプレポリマー重合させることにより液晶とポ
リマーを相分離させて高分子分散型の液晶表示素子を作
製した。本素子の電圧−透過率特性を64Hzの矩形波
を印加して測定したところ、20℃において14.3V
で透過率が飽和する特性を示した。また温度を変化させ
て電圧透過率特性を測定したところ0℃では飽和電圧が
18V(20℃に対して25%増)、40℃では飽和電
圧が12.5V(20℃に対して13%減)であった。
一方、液晶組成物に光学活性物質を添加せずに作製した
高分子分散型の液晶表示素子では20℃での飽和電圧は
11.3Vと添加した系よりわずかに低かったが、0℃
では15.8V(20℃に対して40%増)、40℃で
は9.0V(20℃に対して20%減)となり、本発明
の液晶表示素子の動作電圧の温度依存性が優れているこ
とが確認された。
【0010】実施例2 BL007にメルク社製の液晶性光学活性物質でネマテ
イック液晶に右回りのねじれ構造を誘起するCB15
(光学活性物質a)を12.2重量%、メルク社製の液
晶性光学活性物質でネマテイック液晶に左回りのねじれ
構造を誘起するS811(光学活性物質b)を9.1重
量%添加した液晶組成物を調製した(液晶組成物2)。
この系においてka、kb、(1/P)aL、(1/P)bL
は以下のような値であった。 ka=2.6×10-3μm-1/℃ kb=−5.8×
10-4μm-1/℃ (1/P)aL=−0.94μm-1 (1/P)bL=
0.96μm-1 本液晶組成物のピッチは0℃において65μm、20℃
において20μm、40℃において10μmであり、ピ
ッチの逆数の温度変化はこの温度範囲で0.0017μ
-1/℃から0.0025μm-1/℃の範囲であった。
実施例1において液晶組成物1の代わりに液晶組成物2
を用いたほかは、実施例1と同様にして液晶表示素子を
作製した。本素子の電圧−透過率特性を64Hzの矩形
波を印加して測定したところ、20℃において13.5
Vで透過率が飽和する特性を示した。また温度を変化さ
せて電圧透過率特性を測定したところ0℃では飽和電圧
が16.0V(20℃に対して15%増)、40℃では
飽和電圧が12.7V(20℃に対して8%減)であ
り、光学活性物質を添加しない系に較べて温度依存性が
大きく改善されたことを確認した。
【0011】実施例3 BL007にメルク社製の液晶性光学活性物質でネマテ
イック液晶に右回りのねじれ構造を誘起するCB15
(光学活性物質a)を1.7重量%、チッソ社製の液晶
性光学活性物質でネマテイック液晶に左回りのねじれ構
造を誘起し、しかもピッチの温度依存性が負であるCM
21(光学活性物質b)を15.5重量%添加した液晶
組成物を調製した(液晶組成物3)。この系においてk
a、kb、(1/P)aL、(1/P)bL は以下のような
値であった。 ka=3.75×10-4μm-1/℃ kb=−2.4
×10-3μm-1/℃ (1/P)aL=−0.132μm-1 (1/P)bL=
0.15μm-1 本液晶組成物のピッチは0℃において250μm、20
℃において14μm、40℃において6μmであった。
(ピッチの逆数の温度変化は0.003μm-1/℃から
0.005μm-1/℃の範囲)実施例1において液晶組
成物1の代わりに液晶組成物3を用いたほかは、実施例
1と同様にして液晶表示素子を作製した。本素子の電圧
−透過率特性を64Hzの矩形波を印加して測定したと
ころ、20℃において14.1Vで透過率が飽和する特
性を示した。また温度を変化させて電圧−透過率特性を
測定したところ0℃では飽和電圧が15.8V(20℃
に対して12%増)、40℃では飽和電圧が14.5V
(20℃に対して3%増)であり、光学活性物質を添加
しない系に較べて温度依存性が大きく改善されたことを
確認した。
【0012】比較例1 実施例1において液晶組成物に光学活性物質を添加せず
に作製した高分子分散型の液晶表示素子では20℃での
飽和電圧は11.3Vと添加した系よりわずかに低かっ
たが、0℃では15.8V(20℃に対して40%
増)、40℃では9.0V(20℃に対して20%減)
となり、温度依存性がきわめて大きかった。なお、前記
実施例および比較例1で使用した材料の化学構造式を以
下に示す。HX620は、次式(1)で示される。
【化1】 CH2=CHC(=O)(OCH2CH2CH2CH2CH2C(=O))m− OCH2C(CH32C(=O)OCH2C(CH32CH2O(C(= O)−CH2CH2CH2CH2CH2O)nC(=O)CH=CH2…(1) Darocure 1173は、次式(2)で示される
【化2】 CM21は、次式(3)で示される。
【化3】 CB15は、次式(4)で示される。
【化4】 S811は、次式(5)で示される。
【化5】 BL007 シアノビフェニルを中心とした混合液晶組成物。
【0013】
【効果】以上のように、本発明の高分子分散型の液晶表
示素子は、液晶として温度上昇にともないピッチが減少
するような液晶組成物を使用することにより、単にネマ
テック液晶を用いた場合に起こる温度上昇による動作電
圧の降下を、温度上昇にともなうピッチの減少に起因す
る動作電圧の上昇で相殺し、広い温度範囲にわたり動作
電圧の変動を抑制することができる。そのため、戸外の
様な温度変化の激しい環境での使用や、背景照明の発熱
などの動作環境の変化においても駆動電圧の変更をせず
に、または僅かの電圧変更により優れた表示品質を保つ
ことができる。また、温度補償回路のような余分な回路
を省略できたり、同回路を簡略化できるため、素子のコ
ストを低下させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の断面構成を模式的に示
す図である。
【図2】高分子分散型の液晶表示素子における液晶の自
然ピッチ(P)と飽和電圧の関係の1測定例を図示した
ものである。
【図3】正のピッチの温度依存性を示す光学活性液晶の
混合物の自然ピッチの変化を示す図である。
【図4】ともに正の温度依存性を有し、ねじれの向きの
異なる光学活性物質を組合わせた場合の自然ピッチの逆
数の変化を示す図である。 図中;aは ka=2.6×10-3μm-1/℃ bは kb=−5.8×10-4μm-1/℃ cは 混合系 を示す
【符号の説明】
11 基板 12 電極 21 基板 22 電極 30 液晶分散層 31 液晶部 32 高分子支持体 Pa 右回りのねじれ構造を誘起する液晶 Pb 左回りのねじれ構造を誘起する液晶 Pc 左回りのねじれ構造を誘起するPaとPb液晶混
合物

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に液晶駆動電極を有する一対の基板
    と、両基板間に液晶部および該液晶部を微細領域に分割
    する支持体から構成される液晶分散層を有する液晶表示
    素子において、液晶部が実質的にネマティック液晶と光
    学活性物質の組成物から構成され、かつ該液晶組成物の
    自然ピッチが温度上昇とともに短くなるものであること
    を特徴とする液晶素示素子。
  2. 【請求項2】 前記光学活性物質およびその添加量が、
    下記(A)および(B)よりなる群から選ばれたもので
    ある請求項1記載の液晶表示素子。 (A)ネマテイック液晶に添加した際に、単一成分で自
    然ピッチが温度上昇と共に短くなる光学活性物質 (B)一方の光学活性物質を単独でネマテイック液晶に
    添加した際のピッチの逆数(1/P)の温度係数(単位
    温度変化に対する1/pの変化量)をKa、常用温度範
    囲の下限における1/Pを(1/P)aLとし、他方の光
    学活性物質を単独でネマテイック液晶に添加した際の1
    /Pの温度係数をkb、使用温度範囲の下限における1
    /Pを(1/P)bLとしたときに、下記a)、b)い
    ずれかを満足する混合光学活性物質 a)kb>−kaであり、かつ(1/P)bL>−(1/
    P)aL b)kb<−kaであり、かつ(1/P)bL<−(1/
    P)aL
  3. 【請求項3】 前記各光学活性物質によって誘起される
    常温における自然ピッチが5μmから60μmの範囲に
    あり、かつ1℃あたりのピッチの逆数の変化量が0.0
    005μm-1/℃から0.01μm-1/℃の範囲である
    請求項1または2記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 前記各光学活性物質が、液晶性を示す光
    学活性物質である請求項1,2または3記載の液晶表示
    素子。
JP21209092A 1992-07-16 1992-07-16 液晶表示素子 Pending JPH0634950A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008076514A (ja) * 2006-09-19 2008-04-03 Fuji Xerox Co Ltd 液晶含有組成物、及び液晶表示素子
US11878321B2 (en) 2020-08-11 2024-01-23 Graco Minnesota Inc. Battery powered fluid sprayer
US11964291B2 (en) 2020-08-11 2024-04-23 Graco Minnesota Inc. Power control for a fluid sprayer with battery power

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US11878321B2 (en) 2020-08-11 2024-01-23 Graco Minnesota Inc. Battery powered fluid sprayer
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