JPH0634820B2 - 医療用具 - Google Patents

医療用具

Info

Publication number
JPH0634820B2
JPH0634820B2 JP60099637A JP9963785A JPH0634820B2 JP H0634820 B2 JPH0634820 B2 JP H0634820B2 JP 60099637 A JP60099637 A JP 60099637A JP 9963785 A JP9963785 A JP 9963785A JP H0634820 B2 JPH0634820 B2 JP H0634820B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood
medical device
resin
vitamin
platelets
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60099637A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61257658A (ja
Inventor
矯 高須
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHINSOZAI SOGO KENKYUSHO KK
Original Assignee
SHINSOZAI SOGO KENKYUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHINSOZAI SOGO KENKYUSHO KK filed Critical SHINSOZAI SOGO KENKYUSHO KK
Priority to JP60099637A priority Critical patent/JPH0634820B2/ja
Publication of JPS61257658A publication Critical patent/JPS61257658A/ja
Publication of JPH0634820B2 publication Critical patent/JPH0634820B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、血液を保存、保管、輸送することを目的とす
る血液バッグ等の医療用具に関するものであり、特に、
該血液バッグ中における血小板の形状変化や破壊が少な
く、血小板の保存性を高く維持できる医療用具に関す
る。
[従来の技術] 近年、血液成分療法が活発に行なわれ、特に血小板成分
輸血は最も重要な方法の一つであり、例えば血小板減少
による出血の際には、濃縮血小板血漿(platelet conce
ntrate:PC)が繁用され、劇的な止血効果をもたらして
いる。
このような血液成分療法の発達に伴い、近年従来のシリ
コーン樹脂コートガラスビンにかわり血液の採血、分
離、保存、輸血に至るプロセスが全てクローズト・シス
テムで行なえるため、またさらにその軽量性および耐衝
撃性等の性能により、プラスチック製血液バッグが急速
に普及した。
一般に、血小板成分は健常人の採取血液中にも微量しか
含まれておらず、またその機能も生体外へ取り出される
と経時的に低下してしまうため、一度に多量の血小板を
必要とする血小板成分輸血法を行なうためには、多数の
健常人から、輸血直前に採血する必要があった。さら
に、上記のごときプラスチック製血液バッグを用いて採
血、分離、保存を行なった場合経時的に浮遊血小板細胞
数および凝集能が著しく低下し、上記のごとき問題はさ
らに顕著なものとなっていた。これは、上記のごときプ
ラスチック製血液バッグ内において該バックの内表面に
血小板が偽足を出しながら粘着し、さらには多数個の血
小板が凝集し、放出反応を来たして血小板が破壊されて
しまっているために起こっていることが判明しており、
血小板に対して刺激を与えない血液バッグ、いわゆるの
高いバッグの開発が望まれている。
血液バッグのを高める方法としては、従来より種々の方
法があり、大きく分けて血液バッグの素材そのものの変
更と、生体親和性の高い物質の内表面へのコーティン
グ、あるいはグラフト重合またはプラズマ重合等による
血液バッグの内表面の改質とがあるが、バッグ自体の機
械的強度、耐熱性等の性能を損なう恐れのない後者が一
般的である。このような方法としては例えば塩化ビニル
シートの低温プラズマ処理による表層架橋、生体親和性
の高い物質とされるシリコーン樹脂、親水性ヒドロゲル
等の塗布などが知られている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記のごとき方法により、内表面の改質
を行なっても(塩化ビニルシートの表面が疎水性である
ため、均一コートは不可能であり)血液バッグのはある
程度改善されるものの充分な効果は生まれなかった。す
なわち、軟質塩化ビニル樹脂の表面を低温プラズマ処理
により架橋しても可塑剤等の溶出は阻止でき、血小板の
保存性はある程度改善されるが、経時的に表面が変質し
血液バッグ内表面への粘着血小板数は増加し、粘着した
血小板は偽足が突出して変形したものとなった。またシ
リコン樹脂や親水性ヒドロゲル等を内表面に塗布するこ
とで、内表面への粘着血小板の減少効果は生まれるもの
の、該バッグ保存後の血小板の凝集能の低下に対する効
果はほとんど見られなかった。
一方、特開昭59−64056号、特開昭59−64057号および特
開昭59−64058号公報には、ビタミンEを溶媒に溶解
し、これを人工蔵器の血液循環経路に塗布したのち、溶
媒を揮散させて、前記循環経路内壁、つまり血液と直接
接触する面にビタミンEの被膜を形成して人工蔵器使用
患者の副作用を防止する技術が開示されているが、ビタ
ミンEの塗布またはコーティングの条件が複雑であると
共に、場合によっては生体に対する安全を保証できない
ことがある。
本発明は、人工蔵器を対象とするものではなく、上記の
ごとき血液バッグのごとき医療用具における血小板の破
壊による血小板の損失を防ごうとするものであり、また
血小板の長期間保存を可能としようとするものである。
すなわち、本発明は、血小板の形状変化や破壊が少ない
適合性医療用具、特に血液バッグを提供とすることを目
的とする。本発明ははさらに、血液バッグ内保存による
血小板の損失が少なくかつ血液の血小板の生存活性が延
長され得る血液バッグを提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] これらの目的を達成するため、本発明者は鋭意検討を行
なった結果、本体シート材料にビタミンEを混練して成
る血液バッグを用いて採血し、遠心分離を行なって濃縮
血小板血漿を得たところ、従来と比較して多くの血小板
成分が健全な状態で含有されており、しかも長時間保存
しても成分輸血の際における血小板の機能低下が非常に
少ないことを見出し、本発明に達したものである。
すなわち、本発明は血液を保管、保存、輸送する医療用
具であって、該用具本体を構成する部材のうち、血液と
直接接触する部材の少なくとも1部が、ビタミンEを含
有してなる医療用具である。
[作用] ビタミンEには、生体膜脂質の過酸化を抑制する作用が
あり、また一方過酸化脂質は血小板の放出反応を促進し
血小板凝集をもたらす。従ってビタミンEが存在すると
血小板の凝集機能があたかも停止した状態となる。この
ようにビタミンEには優れた血小板凝集阻止作用がある
にもかかわらずビタミンEが難水溶性であるために直接
血液中に導入することができず、また界面活性剤等を用
いて保存液中に含ませることも可能であるが、このよう
にして血液バッグのごとき医療用具内における血小板凝
集を阻止させると、相当量のビタミンEが血液中ないし
は濃縮血小板血漿中に含まれてしまうために、輸血を行
なった際にもビタミンEによる血小板凝集阻止作用が働
き、輸血を受けた患者においても血小板の機能が停止し
た状態が働き、治療効果を低下させてしまう恐れがあっ
た。驚くべきことに、本発明の血液バッグのごとく、血
液バッグの内表面を構成する部材に単にビタミンEを含
有させるだけで、血液バッグ内表面への血小板の付着量
は少なくなり、しかも付着血小板の変形、破壊も起ら
ず、また血液バック内における血小板の凝集は阻止され
保存性が向上し、しかも輸血を行なった際には血小板の
凝集機能が極めて活発に働くことが認められた。なお、
ビタミンEは必らずしもすべての部材に含有させること
を要しない。例えば該血液バッグの本体シートのみであ
っても良く、さらに該シートを多層にして、血液と直接
接触する面を形成する層のみであっても良い。また、本
発明の血液バッグ用部材を形成するためには、該部材を
形成する樹脂中にあらかじめ添加しておくだけで良い。
従って該血液バッグの製造工程は極めて単純である。
なお、前述の特開昭59−64056号、特開昭59−64057号、
特開昭57−64058号公報は、本発明と同様にビタミンE
を使用したものであるが、人工蔵器使用患者に副作用と
して発症する一過性白血球減少症を防止することである
から、本発明と目的そのものが異なり、当然のことなが
ら本発明の期待する効果とは異なる。すなわち、前記特
開公報の各発明は、人工蔵器に使用されるものであり、
体外を短時間のうちに循環した血液の影響により、体内
の一部(例えば肺)に白血球が貯留することを防止する
ことを目的としているのに対し、本発明は血液保存用等
容器に使用されるものであって、体外に長時間保存され
た血液中の血小板が、保存中に該容器内壁に付着あるい
は接触して血小板数の損失および本来血小板が有する機
能を失ってしまうことを防止するものである。
さらに前記特開公報に示される各発明は、ビタミンEの
被膜形成条件が複雑であるとともに、場合によっては、
生体に対する安全性を保証出来ないことがある。例え
ば、前者については、第1に塗布の均一性を維持するこ
とが困難であり、これを全とうしようとすれば、製造条
件の範囲が狭くなり、その結果精度の高い、高価な塗布
設備を新たに設置する必要が生じる。しかもたとえ塗布
の均一性を要求しない場合であっても、たとえば該発明
の実施例に紹介されているように、ビタミンEを溶媒に
溶解した溶液を、血液の循環経路に通した後、これを排
除する塗布方法であっても、これを生産する立場から見
ると複雑な工程であり、それなりの設備を必要とするこ
とになる。また、第2に溶媒を十分に揮散することが困
難であり、これを全とうしようとすれば、やはり工程は
複雑となり、高価な乾燥設備を設置する必要が生じる。
また後者、すなわち安全性については、前記で説明した
ように工程上、塗布の不均一性および乾燥不十分による
溶媒の残留が発生し易く、さらには、ビタミンEの被膜
が該血液循環経路内壁表面に付着しているのみであるた
め、該ビタミンE被膜が剥離し、血液中に溶け込むか、
油滴状で分散する恐れがあったし、残留溶媒が血液中に
溶け込む恐れもあった。残留溶媒が、患者の体内に入る
ことが、患者に悪影響を与えることは言うまでもない。
その症状が重篤であればあるほど、その影響は大きく、
場合によっては患者の生命を脅かすこともある。
またビタミンEが体内に入ることは、一般にそれが生体
に対し、良好な効果を持たらすものであっても、特に各
種症状を有する患者にとっては余分な物質が必要外の場
所に、しかも生体に対し、問題のある形態で例えばビタ
ミンEが油滴状で血管内に注入されることは、かえって
生体に悪影響を与え治療効果を損なう恐れがある。これ
に対し、本発明は血液と接触する面を構成する層を形成
する樹脂に、あらかじめすなわち、成形する前にビタミ
ンEを練り込んでおくだけで良く単純な工程を追加する
か、あるいは該樹脂が塩化ビニル樹脂のように、配合工
程等他の樹脂練り工程を有する場合には、他の添加剤等
と同時に、ビタミンEを添加するだけで樹脂中に均一に
分散させることが出来るため、製造工程は非常に単純な
ものとなる。また、本発明は溶剤を使用することがない
ので、残留溶媒の心配は全くなく、しかもビタミンEは
樹脂中に練り込まれているため、これが血液中に溶解す
る量は生体に対して無視出来るレベルであり、生体に対
する安全性の高い医療用具が得られる。
(構成の具体的説明) 次に、本発明を図面を参照しながらさらに詳細に説明す
る。以下の実施例は本発明の医療用具を血液バッグに適
用した場合を示す。
第1図に示すように、本発明の血液バッグ1は、その周
縁部2を高周波加熱等の加熱手段により融着してなるも
のであり、上部には複数個の開口3a、3bおよびチュ
ーブ3cを有している。しかして、該血液バッグ1の本
体シートを構成する樹脂層4はビタミンEを含有してい
る。
本発明において用いられるビタミンEとしては、α−ト
コフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロー
ル、δ−トコフェロール等のトロフェロール類、α−ト
コトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリ
エノール、δ−トコトリエノール等のトコトリエノール
類などがあるが、α−トコフェロールが最も好ましい。
またこれらのトコフェロールまたはトコトリエノールは
エステルの形態、例えば酢酸エステルとして用いてもよ
い。
一方、本発明の血液バッグを構成する基材の樹脂として
は、軟質塩化ビニル樹脂の他、ウレタン樹脂、塩素化ポ
リエチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル・塩化ビニルグラ
ト共重合体樹脂等およびこれらを主成分とするコポリマ
ーならびにこれらをブレンドしたもの等が使用出来、好
ましくは軟質塩化ビニル樹脂である。塩化ビニル樹脂と
しては塩化ビニル樹脂ホモポリマーおよび塩化ビニル樹
脂を主成分とする他のモノマー、例えば塩化ビニリデ
ン、酢酸ビニル、エチレン等のコポリマーがあり、その
平均重合度は一般の成形品、例えば押出し成形品およ
び、射出成形品、については、400〜3000、好ましくは7
00〜2500であるが、押出成形品、例えば本体シート、採
血用チューブに限定すれば700〜3000、好ましくは1000
〜2500である。
また可塑剤としては、ジヘキシルフタレート(DH
P)、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、
ジ−n−オクチルフタレート(DnOP)、ジイソオク
チルフタレート(DIOP)、ジデシルフタレート(D
DP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ブチル
ベンジルフタレート(BBP)等のフタル酸エステル
類、ジオクチルアジペート(DOA)、ジオクチルアゼ
レート(DOZ)、ジオクチルセバケート(DOS)等
の脂肪族多塩基酸エステル類、トリブチルトリメリテー
ト、トリオクチルトリメリテート等のトリメリット酸エ
ステル類、トリブチルアセチルシトレート、トリオクチ
ルアセチルシトレート、トリブチルシトレート等のクエ
ン酸エステルおよびブチルフタリルブチルグリコレート
(BPBG)などがあり、好ましくはジ−2−エチルヘ
キシルフタレートである。これらの可塑剤は一般の成形
品、例えば押出成形品および射出成形品については、上
記塩化ビニル樹脂100重量部に対し5〜100重量部、好ま
しくは、10〜80重量部、特に本体シートおよび採血用の
チューブに限定すれば40〜80重量部、好ましくは50〜70
重量部配合される。
この他前記軟質塩化ビニル樹脂組成物中には、必要によ
り例えばカルシウム、亜鉛等とステアリン酸、ラウリン
酸、リシノール酸、ナフテン酸等との金属せっけん類を
安定剤として、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油
等のエポキシ化植物油を安定助剤として、その他滑剤、
酸化防止剤等を含有することができる。しかして、この
ような軟質塩化ビニル樹脂は、昭和40年厚生省告示第44
8号塩化ビニル樹脂製血液セット基準(厚生省基準)ま
たは日本薬局方第10改正一般試験法42「輸液用プラスチ
ック容器試験法(局方基準)」に合格するものであれば
特に限定されるものではない。
また前記塩化ビニル樹脂以外の樹脂については、その物
性が塩化ビニル樹脂の場合と同様に血液バッグ用部材の
要求する物性を満足し、かつその安全性が上記塩化ビニ
ル樹脂製血液セット基準または輸液用プラスチック容器
試験法に合格するものであれば良い。
また前記部材を血液バッグの本体シートに限定すれば、
その肉厚は、0.1〜1mm、好ましくは0.2〜0.8mmの範囲
にあれば良い。その理由は、この範囲外では、バッグの
操作性が著しく悪くなるからである。
また前記ビタミンEを含有する樹脂を形成するには、前
記基材の樹脂に対し、あるいは基材の樹脂の前加工段
階、例えば塩化ビニル樹脂の場合であれば配合する時
に、他の添加剤と同時に添加しタンブラーあるいはヘン
シルミキサー等で練り加工し、ペレット化しても良い。
しかしてビタミンEを添加された樹脂等は基材の樹脂と
同一の方法で、シートあるいはチューブ等の血液バッグ
用部材に形成することが出来る。
この時、ビタミンEの基材樹脂に対する添加量は、前記
部材の用途によっても異なるが、基材の樹脂100重量部
に対し、ビタミンE、例えばα−トコフェロールを0.5
〜50重量部、特に該部材を血液バッグ本体シートに限定
した場合は、0.5〜30重量部、好ましくは前者は2〜30
重量部、後者は2〜20重量部の範囲にあれば良い。その
理由はビタミンEの基材に対する添加量が0.5重量部以
下であれば、本発明の目的はほとんど達成されず、また
50重量部本体シートに限定すれば20重量部を越えると血
液バッグとして要求される他の物性、つまり、強度への
影響が大きく血液バッグとしての実用性に欠けてしまう
とともに、コスト的にもやはり実用性に欠けることにな
る。また2重量部以下であっては、その効果は若干見ら
れるものの、未だ本発明の目的を十分には達し得ない
し、20重量部、本体シートに限定すれば10重量部以上で
あれば、血液バッグとして実用化出来る可能性はあるも
のの、物性において品質レベルの高い血液バックとは言
えないものになってしまう。
このようにして得られる本発明の血液バッグは、例えば
第3図に示すようにチューブ5によって3つの血液バッ
グを密封系として接続して使用する。健康人の静脈にチ
ューブ5の先端に取付けられた採血針6を穿刺して、静
脈200mlをCPD液のはいった第1血液バッグ1aに採
血する。採血した静脈血は直ちに遠心分離(例えば1500
rpmで10分間)にかけられ、上層の血漿部分を第2血液
バッグ1bに圧出し多血小板血漿(PRP)を得る。こ
れを更に遠心分離(例えば3000rpm)で10分間)にかけ
て血小板沈層に上層の乏血小板血漿(PPP)50mlを残
し、余ったPPPを第3血液バッグ1cに圧出する。血
小板沈層とPPP50mlを入れた第2血液バッグ1bをひ
きつづきアジテーターにとりつけ攪拌(例えば15rpmで1
5分間)しつつ再浮遊して濃縮血小板血漿(PC)と
し、成分輸血までの間、第2血液バッグ1b内にPCを
入れ保存する。
[実施例] 実施例に使用した試料は、下記のようにして作製した。
塩化ビニル樹脂にあっては、表Iに示す配合のコンパウ
ンドをヘンシェル(20l)を用い、1500rpm×30分、最高
温度90℃の条件で作製し、これをペレタイザーにより、
成形温度140℃の条件でペレット化した。また、塩化ビ
ニル樹脂以外の樹脂にあっては押出グレードの樹脂を選
定し、表面IIに示す割合でビタミンEを添加し、これを
タンブラーで20分攪拌して、ビタミンEを該樹脂のペレ
ットの外面に均一に分散させた。
樹脂の評価1(成形性) 表Iより、実施例4、9、10、12および比較例1の樹脂
で、射出成形機により図4に示すテストピースを成温度
温170〜190℃金型温度50℃の条件で成形した。その結
果、実施例9、10および比較例1については容易にかつ
良好な成形品が得られたのに対し、実施例12は樹脂の充
填不足を防ぐため成形温度を上げる必要が生じ、その結
果、短時間で焼けの発生が見られた。また実施例9は、
樹脂の充填不足および焼けの発生は見られなかったもの
の、寸法安定性が悪く、テストピースがゆがんだ形状に
なった。
また実施例4、9、10、11、12、13、14および比較例1の樹
脂で押出成形機により、幅400mm、肉厚0.4mmのシート
を、成形温度170℃〜200℃、成形スピード8m/min、
ロール温度40℃の条件で成形した。その結果、実施例
4、11、12および比較例1については成形条件が比較的
狭いものもあったが、良好なシートが得られたのに対し
実施例9、10についてはドローダウンが発生し、特に実
施例9については、目的のシートが得られなかった。ま
た実施例13、14については、樹脂の流れを改善するため
に成形温度を上げる必要があり、その結果焼けが発生易
く、特に実施例14については目的のシートが得られなか
った。また13については目的のシートを得ることは出来
たが、熱収縮の大きなシートであった。
樹脂の評価2(強度) 表Iより実施例4〜8および比較例1の樹脂で肉厚0.4m
mのシートをプレスにより、プレス温度170℃プレス圧10
0kg/cm2プレス時間4分の条件で作製した。前記の条件
で作製したシートをJIS 4号ダンベルで打抜いた
後、ストログラフ(島津製)により室温中で引張スピー
ド200mm/minの条件で引張度を測定した結果、グラフ1
に示す通りであった。なお検体数は10検体とし、その平
均値を採った。一方、市販の医療用具およびこれまでの
試作品に関する同試験データにより、シートおよびチュ
ーブまたは射出成形品の必要強度を検討した。その結
果、必要強度を有するビタミンE量は、シートおよびチ
ューブ等押出成形品については、30重量部以下好ましく
は、20重量部以下であり、射出成形品については50重量
部以下、好ましくは、30重量部以下であった。
血液適合検査−1 表Iより、実施例1、2、3、4、6、8、13、および
比較例1、ならびに実施例または表II21、22、23および比
較例2の樹脂で肉厚1mmのシートをプレスにより、プレ
ス温度170℃プレス圧100kg/cm2、プレス時間4分の条件
で作製した。このようにして作製されたシートについて
血小板拡張能評価を行なったところ第4図に示すとおり
の結果が得られた。
血小板拡張能試験は、次の方法によって行なった。すな
わち、健常人の静脈血4.5mlを3.8%クエン酸ナトリウム
を0.5ml収納したポリプロピレン製のシリンジで採血
し、これをポリプロピレン製の試験管に移し、800r.p.m
で5分間延伸し、得られたPRPに稀釈液(生食:3.8%ク
エン酸ナトリウム=9:1)を加えて、血小板浮遊液を
作った。この液を試料に滴下して一定時間放置して一定
時間放置して血小板を付着・拡張させた。これを2%グ
リタルアルデヒドで固定し、エタノール系列で段階脱水
し、乾燥後顕微鏡で観察した。評価方法は、0.11mm2
付着した血小板数とのその形態変化を調べた。形態変化
は、下記の3種に分類した。
1型:付着した血小板の形は、球形あるいは偽足の数が
1〜2本のもの 2型 け数本の偽足が出ているもの、あるいは偽足が1
〜2本で血小板がつぶれて偽足間に膜ができているもの 3型:血小板が拡張していて、平板状になっているもの 上記シートについての血小板付着数を第5A図、第5B
図に示し、形態変化を第6A、第6B図に示す。これら
の図より明らかな通り、比較例に比べて、実施例3、
4、6、8、13、21、22、23は、明らかに該シートへの血
小板の付着数は少なく、しかも付着した血小板の形態変
化も少なかった。また実施例2は、若干の効果は見られ
たものの、実施例1では効果が見られなかった。
血液滴合検査−2 表I中、実施例3、6および比較例1また表II中、実施
例21、23および比較例2の樹脂の樹脂を押出成形機によ
り、成形温度170℃〜185℃、成形スピード8m/min、
ロール温度40℃の条件で幅400mm、肉厚0.4mmのシートを
形成し、これに注入口あるいは排出口用部材を、該シー
トを高周波加熱でシールすると同時にシール接合し、血
液バッグ(空バッグ)を形成した。このようにして得ら
れた血液バッグを第3図に示すようにチューブ5によっ
て3つの血液バッグ系として接続し、血液バッグ1aに
CPD液を28ml注入後、高圧蒸気滅菌(120℃1.5kg/cm
2[ゲージ圧]で20分間)を施し、を調べた。上記で作
製した血液バッグに健常人より200mlの血液を採血し、
これを遠心分離(1500rpm、10分間)してPRPを得、さら
に該PRPを遠心分離(300rpm、10分間)し、PCを得た。
該PCを実施例3、6および比較例1また同様にして作製
したPCを実施例21、23および比較例2の血液バッグを、
それぞれ10mlずつ無菌状態で注入し保存した。24時間、
48時間、72時間保存後の各バッグ内のPCの一部を取り出
し、以下の評価を行なった。第一に、コールターカウン
ター2BIを用い、浮遊血小板数を測定した。各保存時
間後の血小板数のPCのバッグ注入時(保存前)の血小板
数に対する百分率を指標とした。その結果を第7A図お
よびだい7B図に示した。なお、検体数は、5個とし、
その平均値を採った。
次に血小板凝集能力を知るためにアグレゴメータを用い
ADP凝集を測定した。各保存時間後の最大凝集率の保存
前の最大凝集率に対する百分率を指標とした。その結果
を第8A図および第8B図に示した。
[発明の効果] 以上に述べたように、本発明による医療用部材は、血小
板の凝集を阻止する効果を有しており、これを部材とし
て組立てられた血液バッグ中においては、血小板成分は
凝集機能を働かせることなく、しかも血液バッグ内表面
に付着しても形状変化や破壊を起さずに保存されるた
め、該血液バッグ内保存による血小板の損失が少なく、
かつ長期間保存しても血小板の生存活性が阻害されず、
すなわち、体内に再注入された時には、血小板の能力が
十分に発揮され、輸血に対して効果的な治療を行なうこ
とができるものであり、極めての高い医療用具である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明医療用具を血液バッグに適用した場合の
正面図、第2図は断面図、第3図は血液バッグの使用態
様例を示す概略図、第4図は本発明におけるシートの引
張強度とビタミンE含有量との関係を示す線図、第5A
図、第5B図は血小板付着数とビタミンE含有量との関
係を示す線図、第6A図、第6B図は血小板の形態変化
を示す線図、第7A図、第7B図は血小板減少率を示す
線図、第8A図、第8B図は保存前・後のADP凝集率を
示す線図である。 1、1a、1b、1c…血液バッグ、2…縁部、4…ビ
タミンE含有樹脂。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】血液を保管、保存、輸送する医療用具であ
    って、該用具本体を構成する部材のうち、血液と直接接
    触する部材の少なくとも1部が、ビタミンEを含有して
    いることを特徴とする医療用具。
  2. 【請求項2】用具本体が血液バッグである特許請求の範
    囲第1項記載の医療用具。
  3. 【請求項3】用具本体が血液輸送回路に用いるチューブ
    である特許請求の範囲第1項記載の医療用具。
  4. 【請求項4】血液と直接接触する部材がプラスチックシ
    ートであり、シートを形成する樹脂中にビタミンEを含
    有している特許請求の範囲第1項記載の医療用具。
  5. 【請求項5】血液と直接接触する部材が他の医療用具と
    接続するチューブである特許請求の範囲第1項記載の医
    療用具。
  6. 【請求項6】ビタミンEの含有量は基材の樹脂100重量
    部に対し、0.5〜50重量部である特許請求の範囲第4項
    記載の医療用具。
  7. 【請求項7】シートは平均肉厚が0.1〜1.0mmである特許
    請求の範囲第4項記載の医療用具。
  8. 【請求項8】シートを形成する樹脂は、実質的に塩化ビ
    ニル樹脂である特許請求の範囲第4項記載の医療用具。
  9. 【請求項9】塩化ビニル樹脂は、平均重合度400〜3000
    である特許請求の範囲第7項記載の医療用具。
  10. 【請求項10】シートを形成する樹脂は、平均重合度700
    〜3000の塩化ビニル樹脂100重量部に対し、可塑剤40〜8
    0重量部を含有している特許請求の範囲第7項または第
    8項記載の医療用具。
JP60099637A 1985-05-13 1985-05-13 医療用具 Expired - Lifetime JPH0634820B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60099637A JPH0634820B2 (ja) 1985-05-13 1985-05-13 医療用具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60099637A JPH0634820B2 (ja) 1985-05-13 1985-05-13 医療用具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61257658A JPS61257658A (ja) 1986-11-15
JPH0634820B2 true JPH0634820B2 (ja) 1994-05-11

Family

ID=14252577

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60099637A Expired - Lifetime JPH0634820B2 (ja) 1985-05-13 1985-05-13 医療用具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0634820B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01151459A (ja) * 1987-12-10 1989-06-14 Terumo Corp 医療器具用組成物及びこれを用いた医療器具
JPH0236875A (ja) * 1988-07-27 1990-02-06 Terumo Corp 樹脂組成物及びこれを用いた器具
US5037419A (en) * 1989-09-21 1991-08-06 Eastman Kodak Company Blood bag system containing vitamin E

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61257658A (ja) 1986-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0568451B1 (en) Thermoplastic polymer composition and medical devices made of the same
US5026347A (en) Plastic composition with anti-hemolytic effect
EP0537863B1 (en) Use of a triglyceride compound as a hemolysis depressant
US5167657A (en) Plastic composition with anti-hemolytic effect
KR20160125389A (ko) 적혈구 제품, 혈장 및 혈소판의 보관을 위한 비-dehp 가소제를 갖는 의료용 컨테이너 및 시스템 구성요소
US5248531A (en) Hemolysis depressant and plasticizer
DK163956B (da) Polyvinylchloridbeholder til blod og blodprodukter
JPH0634820B2 (ja) 医療用具
EP0996677B1 (en) Plastic compositions for medical containers and methods for providing such containers and for storing red blood cells
CA1154342A (en) Medical apparatus for parenteral liquids
AU742109B2 (en) Plastic compositions including vitamin e for medical containers and methods for providing such compositions and containers
EP0704223A1 (en) Method of inhibiting blood coagulation during extracorporeal blood circulation and device for releasing antithrombotic drug used therein
Zhao et al. Update on medical plasticised PVC
EP0334956A1 (en) Hemolysis inhibitor and medical resin composition, medical implement, and blood-preserving fluid containing the same
CN104403122B (zh) 一种血液稳定剂、血袋及其制备方法
EP0235482A1 (en) Antithrombotic medical material and intravascular catheter made of said material
JPS5967959A (ja) 軟質医療用器具
JPS61259671A (ja) 医療用具
JPS6158192B2 (ja)
CA1306698C (en) Hemolysis depressant, and medical resin composition, medical implement and blood preserving liquid using the hemolysis depressant
JPS63120254A (ja) 血液保存容器
JPS5814460B2 (ja) 医療器材構成用樹脂組成物
JPH0242507B2 (ja)
JP3677338B2 (ja) 医療用材料およびその製造方法
JPS5967960A (ja) 血液保存容器用材料の製造方法