JPH06347612A - 貼り合わせ非球面レンズ - Google Patents
貼り合わせ非球面レンズInfo
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- JPH06347612A JPH06347612A JP5140979A JP14097993A JPH06347612A JP H06347612 A JPH06347612 A JP H06347612A JP 5140979 A JP5140979 A JP 5140979A JP 14097993 A JP14097993 A JP 14097993A JP H06347612 A JPH06347612 A JP H06347612A
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- JP
- Japan
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- aspherical
- lens
- aspherical lens
- axis
- spherical
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 互いの非球面軸が一致した状態での各非球面
レンズの貼り合わせを容易に行えるようにする。 【構成】 第1の非球面部11aが表面に形成された第
1の非球面レンズ10、および第2の非球面部21aが
表面に形成された第2の非球面レンズ21の裏面同士を
貼り合わせて成る貼り合わせ非球面レンズにおいて、第
1の非球面レンズ10の表面に第1の非球面部11aの
非球面軸L1と直交する方向の平面部12aを形成する
とともに、第2の非球面レンズ20の表面に第2の非球
面部21aの非球面軸L2と直交する方向の平面部22
aを形成する。
レンズの貼り合わせを容易に行えるようにする。 【構成】 第1の非球面部11aが表面に形成された第
1の非球面レンズ10、および第2の非球面部21aが
表面に形成された第2の非球面レンズ21の裏面同士を
貼り合わせて成る貼り合わせ非球面レンズにおいて、第
1の非球面レンズ10の表面に第1の非球面部11aの
非球面軸L1と直交する方向の平面部12aを形成する
とともに、第2の非球面レンズ20の表面に第2の非球
面部21aの非球面軸L2と直交する方向の平面部22
aを形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば光磁気ディスク
ドライブ装置のピット情報の読取部などに用いられるピ
ックアップレンズとして好適な貼り合わせ非球面レンズ
に関する。
ドライブ装置のピット情報の読取部などに用いられるピ
ックアップレンズとして好適な貼り合わせ非球面レンズ
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の光磁気記録装置の進歩にはめざま
しいものがあり、その記録密度をより一層向上させるた
めに、記録媒体,記録再生用レーザー,読取り用光学素
子の開発が盛んに行われている。ここで、上記読取り用
光学素子であるピックアップレンズに関しては、球面収
差やコマ収差の補正が必要不可欠であり、このため球面
レンズを複数枚組み合わて成るものが以前から用いられ
てきたが、最近では、より軽量化かつ小型化のために両
面を非球面化した単体のレンズが多用されている。
しいものがあり、その記録密度をより一層向上させるた
めに、記録媒体,記録再生用レーザー,読取り用光学素
子の開発が盛んに行われている。ここで、上記読取り用
光学素子であるピックアップレンズに関しては、球面収
差やコマ収差の補正が必要不可欠であり、このため球面
レンズを複数枚組み合わて成るものが以前から用いられ
てきたが、最近では、より軽量化かつ小型化のために両
面を非球面化した単体のレンズが多用されている。
【0003】しかし、上記従来の両面非球面レンズにお
いては、球面収差やコマ収差は補正されるものの色収差
が補正できないという不具合がある。この色収差を補正
するには、従来から知られているように貼り合わせ非球
面レンズを用いるしか方法がない。この貼り合わせ非球
面レンズは、屈折率と分散が異なり且つ色消し条件を満
足するような曲率に互いの面を形成した2種類のレンズ
を貼り合わせて成るものである。
いては、球面収差やコマ収差は補正されるものの色収差
が補正できないという不具合がある。この色収差を補正
するには、従来から知られているように貼り合わせ非球
面レンズを用いるしか方法がない。この貼り合わせ非球
面レンズは、屈折率と分散が異なり且つ色消し条件を満
足するような曲率に互いの面を形成した2種類のレンズ
を貼り合わせて成るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、2種類のレ
ンズを貼り合わせるにあたっては、球面レンズ同士の貼
り合わせであれば、各々のレンズの球面の中心を通る軸
を光学的に見出し、同じく光学的方法によってその軸と
軸とが合致されるように貼り合わせばよく、これは偏心
顕微鏡を用いて光源のフレを観察することにより容易に
実現できる。現にこのような方法により形成された各種
の貼り合わせレンズが実用に供されている。
ンズを貼り合わせるにあたっては、球面レンズ同士の貼
り合わせであれば、各々のレンズの球面の中心を通る軸
を光学的に見出し、同じく光学的方法によってその軸と
軸とが合致されるように貼り合わせばよく、これは偏心
顕微鏡を用いて光源のフレを観察することにより容易に
実現できる。現にこのような方法により形成された各種
の貼り合わせレンズが実用に供されている。
【0005】しかしながら、非球面レンズ同士の貼り合
わせにおいては、以下に示す理由から上記従来の方法を
用いることができず、このため実用化には至っていない
のが実情である。例えば図7に示すように、表面51a
が非球面で裏面51bが球面とされた片面非球面レンズ
51においては、球面側の球心52が非球面側の非球面
軸53に対してsだけずれ(球心偏差)をもっているの
が一般的である。このずれ量sが極僅かな値であれば、
球心偏差そのものがレンズの光学性能に大きな影響を与
えることはないが、球心偏差を持つレンズの光軸を従来
の方法によって光学的に求めようとすると、非球面51
aの頂点曲率の中心54と球面51bの球心52とを結
ぶ軸55が光軸であるかのごとく検出されてしまう。こ
のため、2枚の片面非球面レンズ51,61をその検出
された光軸が一致するように貼り合わせると、図8に示
すように、実際の非球面軸53,63が著しく傾きをも
った状態で貼り合わされてしまい、完成されたレンズは
所望の光学性能を発揮できなくなる。
わせにおいては、以下に示す理由から上記従来の方法を
用いることができず、このため実用化には至っていない
のが実情である。例えば図7に示すように、表面51a
が非球面で裏面51bが球面とされた片面非球面レンズ
51においては、球面側の球心52が非球面側の非球面
軸53に対してsだけずれ(球心偏差)をもっているの
が一般的である。このずれ量sが極僅かな値であれば、
球心偏差そのものがレンズの光学性能に大きな影響を与
えることはないが、球心偏差を持つレンズの光軸を従来
の方法によって光学的に求めようとすると、非球面51
aの頂点曲率の中心54と球面51bの球心52とを結
ぶ軸55が光軸であるかのごとく検出されてしまう。こ
のため、2枚の片面非球面レンズ51,61をその検出
された光軸が一致するように貼り合わせると、図8に示
すように、実際の非球面軸53,63が著しく傾きをも
った状態で貼り合わされてしまい、完成されたレンズは
所望の光学性能を発揮できなくなる。
【0006】本発明の目的は、互いの非球面軸が一致し
た状態での各非球面レンズの貼り合わせを容易に行える
ようにした貼り合わせ非球面レンズを提供することにあ
る。
た状態での各非球面レンズの貼り合わせを容易に行える
ようにした貼り合わせ非球面レンズを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図1に対
応付けて説明すると、本発明は、第1の非球面部11a
が表面に形成された第1の非球面レンズ10、および第
2の非球面部21aが表面に形成された第2の非球面レ
ンズ21の裏面同士を貼り合わせて成る貼り合わせ非球
面レンズに適用される。そして、第1の非球面レンズ1
0の表面に第1の非球面部11aの非球面軸L1と直交
する方向の平面部12aを形成するとともに、第2の非
球面レンズ20の表面に第2の非球面部21aの非球面
軸L2と直交する方向の平面部22aを形成し、これに
より上記問題点を解決する。
応付けて説明すると、本発明は、第1の非球面部11a
が表面に形成された第1の非球面レンズ10、および第
2の非球面部21aが表面に形成された第2の非球面レ
ンズ21の裏面同士を貼り合わせて成る貼り合わせ非球
面レンズに適用される。そして、第1の非球面レンズ1
0の表面に第1の非球面部11aの非球面軸L1と直交
する方向の平面部12aを形成するとともに、第2の非
球面レンズ20の表面に第2の非球面部21aの非球面
軸L2と直交する方向の平面部22aを形成し、これに
より上記問題点を解決する。
【0008】
【作用】第1,第2の非球面レンズ10,20の表面に
それぞれの非球面軸L1,L2と直交する方向の平面部
12a,22aを形成したので、例えば図6に示すよう
な貼り合わせ装置を用いることにより、各非球面軸L
1,L2が正確に一致した高性能の貼り合わせ非球面レ
ンズを容易に作成することができる。
それぞれの非球面軸L1,L2と直交する方向の平面部
12a,22aを形成したので、例えば図6に示すよう
な貼り合わせ装置を用いることにより、各非球面軸L
1,L2が正確に一致した高性能の貼り合わせ非球面レ
ンズを容易に作成することができる。
【0009】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
解決するための手段と作用の項では、本発明を分かり易
くするために実施例の図を用いたが、これにより本発明
が実施例に限定されるものではない。
【0010】
【実施例】図1〜図6により本発明の一実施例を説明す
る。本実施例における貼り合わせ非球面レンズは、図1
に示すように、2枚のガラス製非球面レンズ10,20
を互いに貼り合わせて構成される。一方の非球面レンズ
(第1の非球面レンズ)10は、図2に示すようにレン
ズ部11とその外周部に全周に渡って張り出された鍔部
12とから成る外径約6mm、中心厚2.8mmの両凸
レンズであり、硝種はLADF102とされる。レンズ
部11は、その表面11aが非球面、裏面11bが球面
とされる。また鍔部12の幅は0.5mmとされ、その
表面側は非球面11aの非球面軸L1と直交する平面1
2aとされる。
る。本実施例における貼り合わせ非球面レンズは、図1
に示すように、2枚のガラス製非球面レンズ10,20
を互いに貼り合わせて構成される。一方の非球面レンズ
(第1の非球面レンズ)10は、図2に示すようにレン
ズ部11とその外周部に全周に渡って張り出された鍔部
12とから成る外径約6mm、中心厚2.8mmの両凸
レンズであり、硝種はLADF102とされる。レンズ
部11は、その表面11aが非球面、裏面11bが球面
とされる。また鍔部12の幅は0.5mmとされ、その
表面側は非球面11aの非球面軸L1と直交する平面1
2aとされる。
【0011】このような鍔付きのレンズは、通常の砂か
け、研磨の工程で製作するのは困難であり、そこで本出
願人は、図3に示すような上下の型1,2を用いてレン
ズ10を成形した。すなわち、所望の非球面および球面
状にそれぞれ形成したセラミックス製の上型1と下型2
の間にレンズ素材を挾んでスリーブ3の中に設置し、約
750℃に加熱し軟化させた後、150kgfの荷重を
加えて成形した。
け、研磨の工程で製作するのは困難であり、そこで本出
願人は、図3に示すような上下の型1,2を用いてレン
ズ10を成形した。すなわち、所望の非球面および球面
状にそれぞれ形成したセラミックス製の上型1と下型2
の間にレンズ素材を挾んでスリーブ3の中に設置し、約
750℃に加熱し軟化させた後、150kgfの荷重を
加えて成形した。
【0012】上型1には、レンズ10への光学面の転写
面と同時加工によって、非球面軸と直交するように平面
部1aを形成してあり、このため成形されたレンズ1の
鍔部12にも表面側に非球面軸L1と直交する平面部1
2aが形成される。ただし、図3に示す型1,2とスリ
ーブ3との間には必ず隙間が存在するから、成形された
レンズ10においては、上述したように球面側の球心が
非球面軸からずれる可能性がある。そのずれ量は大きい
もので2μm程度であり、後述する他方のレンズとの貼
り合わせが適正に行われれば、この程度のずれは光学性
能上問題にならない。
面と同時加工によって、非球面軸と直交するように平面
部1aを形成してあり、このため成形されたレンズ1の
鍔部12にも表面側に非球面軸L1と直交する平面部1
2aが形成される。ただし、図3に示す型1,2とスリ
ーブ3との間には必ず隙間が存在するから、成形された
レンズ10においては、上述したように球面側の球心が
非球面軸からずれる可能性がある。そのずれ量は大きい
もので2μm程度であり、後述する他方のレンズとの貼
り合わせが適正に行われれば、この程度のずれは光学性
能上問題にならない。
【0013】図4は貼り合わせ非球面レンズを構成する
他方の非球面レンズ(第2の非球面レンズ)20を示
し、このレンズ20は、レンズ部21とその外周部に全
周に渡って張り出された鍔部22とから成る外径5m
m、中心厚1.5mmの凹のメニスカスレンズであり、
硝種はSFLD20とされる。レンズ部21は、表面2
1aが非球面、裏面21bが上記レンズ10の裏面側と
同じ曲率の凹球面とされる。また鍔部22は、上述と同
様に幅が0.5mmとされ、その表面側は非球面21a
の非球面軸L2と直交するように形成された平面22a
とされる。このレンズ20は、図5に示すような上下型
31,32およびスリーブ33を用いて上述と同様に作
成されるが、この場合の加熱温度は630℃、また負荷
荷重は120kgfとした。このレンズ20も同様に非
球面軸に対する球面側の球心のずれが最大で2μm程度
存在する。ここで、上記各レンズ10,20は、上述し
た球面収差,コマ収差および色収差が共に補正できるよ
うにその非球面の曲率や色消し条件等が設定されてい
る。
他方の非球面レンズ(第2の非球面レンズ)20を示
し、このレンズ20は、レンズ部21とその外周部に全
周に渡って張り出された鍔部22とから成る外径5m
m、中心厚1.5mmの凹のメニスカスレンズであり、
硝種はSFLD20とされる。レンズ部21は、表面2
1aが非球面、裏面21bが上記レンズ10の裏面側と
同じ曲率の凹球面とされる。また鍔部22は、上述と同
様に幅が0.5mmとされ、その表面側は非球面21a
の非球面軸L2と直交するように形成された平面22a
とされる。このレンズ20は、図5に示すような上下型
31,32およびスリーブ33を用いて上述と同様に作
成されるが、この場合の加熱温度は630℃、また負荷
荷重は120kgfとした。このレンズ20も同様に非
球面軸に対する球面側の球心のずれが最大で2μm程度
存在する。ここで、上記各レンズ10,20は、上述し
た球面収差,コマ収差および色収差が共に補正できるよ
うにその非球面の曲率や色消し条件等が設定されてい
る。
【0014】以上のようにして作成された2枚の非球面
レンズ10,20は、図6に示すような貼り合わせ装置
を用いて貼り合わせられる。図6において、昇降台41
は、基台42に立設された一対のガイド軸43に案内さ
れて昇降可能とされ、基台42の上面と昇降台41の下
面には、貫通孔44a,45aがそれぞれ形成された板
状工具44,45がそれぞれ対向して固着されている。
工具44の上面44bおよび,工具45の下面45bは
共に平面とされ、これらの面44b,45bの平行度が
0.5μm以下になるように各部の寸法が規定されてい
る。
レンズ10,20は、図6に示すような貼り合わせ装置
を用いて貼り合わせられる。図6において、昇降台41
は、基台42に立設された一対のガイド軸43に案内さ
れて昇降可能とされ、基台42の上面と昇降台41の下
面には、貫通孔44a,45aがそれぞれ形成された板
状工具44,45がそれぞれ対向して固着されている。
工具44の上面44bおよび,工具45の下面45bは
共に平面とされ、これらの面44b,45bの平行度が
0.5μm以下になるように各部の寸法が規定されてい
る。
【0015】レンズの貼り合わせを行うにあたり、まず
工具44の孔44aに非球面レンズ10の非球面11a
側が挿通されるように鍔部12を工具44に支持させ
る。このとき、鍔部12の平面12aが工具44の上面
44bと面接触することになる。この状態でレンズ10
の球面11bに接着剤としてエポキシ樹脂を微小量滴下
した後、球面11b上に非球面レンズ20の球面21b
が当接するようにレンズ20を載置する。次いで、昇降
台41を下降させ、工具45の平面45bによってレン
ズ20の平面22aを下方に押圧する。ここで、上述し
たように工具44,45の面44bと面45bとの平行
度が保証されているので、上記押圧動作によりレンズ1
0,20側の平面12a,22aが互いに平行な状態に
保持され、これにより両レンズ10,20の非球面軸L
1,L2が互いに一致する。この状態を保持しつつ接着
剤が乾燥するまで放置することにより、図1に示す貼り
合わせ非球面レンズが作成される。
工具44の孔44aに非球面レンズ10の非球面11a
側が挿通されるように鍔部12を工具44に支持させ
る。このとき、鍔部12の平面12aが工具44の上面
44bと面接触することになる。この状態でレンズ10
の球面11bに接着剤としてエポキシ樹脂を微小量滴下
した後、球面11b上に非球面レンズ20の球面21b
が当接するようにレンズ20を載置する。次いで、昇降
台41を下降させ、工具45の平面45bによってレン
ズ20の平面22aを下方に押圧する。ここで、上述し
たように工具44,45の面44bと面45bとの平行
度が保証されているので、上記押圧動作によりレンズ1
0,20側の平面12a,22aが互いに平行な状態に
保持され、これにより両レンズ10,20の非球面軸L
1,L2が互いに一致する。この状態を保持しつつ接着
剤が乾燥するまで放置することにより、図1に示す貼り
合わせ非球面レンズが作成される。
【0016】本出願人は、以上のようにして作成された
貼り合わせ非球面レンズの透過波面収差をフィゾー干渉
計により測定した。その結果、RMS値で0.01〜
0.03λという値が確認され、所望の高い光学性能を
もつレンズであることが実証された。なお比較のため
に、偏心顕微鏡でフレを観察しながら光学的心出し方法
によって片面非球面レンズ10,20を貼り合わせ、こ
れにより作成されたいくつかの貼り合わせ非球面レンズ
の透過波面収差を上述と同様に測定してみた。その結
果、いずれのレンズにおいても観察された光源のフレの
量は1’以内であったが、透過波面収差はそのRMS値
で0.1〜0.4λという悪い値であった。そこで、そ
の原因を探るため各レンズ10,20平面12a,22
aの平行度を測定したところ、いずれも傾きで10’〜
30’という値が検出され、さらにこの値を非球面軸の
倒れに置き換え、光学的にシミュレーションを行って波
面収差のRMS値を計算したところ、先に実測されたR
MS値と著しい相関関係がみられた。すなわち、各レン
ズの非球面軸の倒れが光学性能に悪影響を与えているこ
とが実証された。
貼り合わせ非球面レンズの透過波面収差をフィゾー干渉
計により測定した。その結果、RMS値で0.01〜
0.03λという値が確認され、所望の高い光学性能を
もつレンズであることが実証された。なお比較のため
に、偏心顕微鏡でフレを観察しながら光学的心出し方法
によって片面非球面レンズ10,20を貼り合わせ、こ
れにより作成されたいくつかの貼り合わせ非球面レンズ
の透過波面収差を上述と同様に測定してみた。その結
果、いずれのレンズにおいても観察された光源のフレの
量は1’以内であったが、透過波面収差はそのRMS値
で0.1〜0.4λという悪い値であった。そこで、そ
の原因を探るため各レンズ10,20平面12a,22
aの平行度を測定したところ、いずれも傾きで10’〜
30’という値が検出され、さらにこの値を非球面軸の
倒れに置き換え、光学的にシミュレーションを行って波
面収差のRMS値を計算したところ、先に実測されたR
MS値と著しい相関関係がみられた。すなわち、各レン
ズの非球面軸の倒れが光学性能に悪影響を与えているこ
とが実証された。
【0017】なお以上では、2つの片側非球面レンズ1
0,20のみから成る非球面レンズを示したが、両レン
ズ10,20の間に他のレンズを介在させてもよい。ま
た、非球面軸と直交する方向の平面をもつ鍔部をレンズ
部の全周にわたって形成したが、レンズ部周縁の所定部
分にのみ形成するようにしてもよい。さらに、個々のレ
ンズの作成型の構成は図3,図5のものに限定されず、
非球面軸と直交する方向の平面を形成できるものであれ
ば他の構成でもよい。さらにまた、貼り合わせ装置も図
6の構成に限定されず、両レンズに形成された上記平面
が平行となるように貼り合わせが可能なものでれば他の
構成でもよい。また以上では、ガラス製の貼り合わせ非
球面レンズにて説明したが、樹脂製のものにも本発明を
適用できる。
0,20のみから成る非球面レンズを示したが、両レン
ズ10,20の間に他のレンズを介在させてもよい。ま
た、非球面軸と直交する方向の平面をもつ鍔部をレンズ
部の全周にわたって形成したが、レンズ部周縁の所定部
分にのみ形成するようにしてもよい。さらに、個々のレ
ンズの作成型の構成は図3,図5のものに限定されず、
非球面軸と直交する方向の平面を形成できるものであれ
ば他の構成でもよい。さらにまた、貼り合わせ装置も図
6の構成に限定されず、両レンズに形成された上記平面
が平行となるように貼り合わせが可能なものでれば他の
構成でもよい。また以上では、ガラス製の貼り合わせ非
球面レンズにて説明したが、樹脂製のものにも本発明を
適用できる。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、第1,第2の非球面レ
ンズの表面に、それぞれの非球面軸と直交する方向の平
面部を形成したので、例えば図6に示すような貼り合わ
せ装置を用いることにより、各非球面軸が正確に一致し
た高性能の貼り合わせ非球面レンズを作成することが可
能となる。また、従来のように光学的に光軸を求めて貼
り合わせる場合には、機械的な工具の他に所定の光学装
置や検出装置が必要であったが、本発明によればこれら
の光学装置や検出装置は不要であり、容易に貼り合わせ
が行えるのに加えてコストダウンが図れる。特に実施例
のように両レンズをガラス製とすれば、温度や湿度の変
化に対する安定製の優れたより高性能な貼り合わせ非球
面レンズを提供できる。
ンズの表面に、それぞれの非球面軸と直交する方向の平
面部を形成したので、例えば図6に示すような貼り合わ
せ装置を用いることにより、各非球面軸が正確に一致し
た高性能の貼り合わせ非球面レンズを作成することが可
能となる。また、従来のように光学的に光軸を求めて貼
り合わせる場合には、機械的な工具の他に所定の光学装
置や検出装置が必要であったが、本発明によればこれら
の光学装置や検出装置は不要であり、容易に貼り合わせ
が行えるのに加えてコストダウンが図れる。特に実施例
のように両レンズをガラス製とすれば、温度や湿度の変
化に対する安定製の優れたより高性能な貼り合わせ非球
面レンズを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る貼り合わせ非球面レンズの一実施
例を示す断面図。
例を示す断面図。
【図2】貼り合わせ非球面レンズを構成する第1の非球
面レンズの断面図。
面レンズの断面図。
【図3】第1の非球面レンズの作成方法を説明する図。
【図4】貼り合わせ非球面レンズを構成する第2の非球
面レンズの断面図。
面レンズの断面図。
【図5】第2の非球面レンズの作成方法を説明する図。
【図6】貼り合わせ装置の一例を示す図。
【図7】従来の貼り合わせ非球面レンズを構成する非球
面レンズの断面図である。
面レンズの断面図である。
【図8】従来の問題点を説明する図。
10 第1の非球面レンズ 11,21 レンズ部 11a,21a 非球面 11b,21b 球面 12,22 鍔部 12a,22a 平面 20 第2の非球面レンズ
フロントページの続き (72)発明者 間辺 雄二 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内
Claims (2)
- 【請求項1】 第1の非球面部が表面に形成された第1
の非球面レンズ、および第2の非球面部が表面に形成さ
れた第2の非球面レンズの裏面同士を直接、あるいは他
のレンズを介して貼り合わせて成る貼り合わせ非球面レ
ンズにおいて、 前記第1の非球面レンズの表面には、前記第1の非球面
部の非球面軸と直交する方向の平面部が形成されるとと
もに、前記第2の非球面レンズの表面には、前記第2の
非球面部の非球面軸と直交する方向の平面部が形成され
ていることを特徴とする貼り合わせ非球面レンズ。 - 【請求項2】 前記第1および第2の非球面レンズが共
にガラス製であることを特徴とする請求項1に記載の貼
り合わせ非球面レンズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5140979A JPH06347612A (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 貼り合わせ非球面レンズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5140979A JPH06347612A (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 貼り合わせ非球面レンズ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06347612A true JPH06347612A (ja) | 1994-12-22 |
Family
ID=15281309
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5140979A Pending JPH06347612A (ja) | 1993-06-11 | 1993-06-11 | 貼り合わせ非球面レンズ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06347612A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11215908B2 (en) | 2019-12-19 | 2022-01-04 | Seiko Epson Corporation | Lens unit, projection optical system, and projector |
US11940664B2 (en) | 2019-12-19 | 2024-03-26 | Seiko Epson Corporation | Lens unit, projection optical system, and projector that accurately keep a thickness of a jointed lens at a desired value |
-
1993
- 1993-06-11 JP JP5140979A patent/JPH06347612A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11215908B2 (en) | 2019-12-19 | 2022-01-04 | Seiko Epson Corporation | Lens unit, projection optical system, and projector |
US11940664B2 (en) | 2019-12-19 | 2024-03-26 | Seiko Epson Corporation | Lens unit, projection optical system, and projector that accurately keep a thickness of a jointed lens at a desired value |
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