JPH06346252A - 銅及び銅合金の表面処理剤 - Google Patents

銅及び銅合金の表面処理剤

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JPH06346252A
JPH06346252A JP16018293A JP16018293A JPH06346252A JP H06346252 A JPH06346252 A JP H06346252A JP 16018293 A JP16018293 A JP 16018293A JP 16018293 A JP16018293 A JP 16018293A JP H06346252 A JPH06346252 A JP H06346252A
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Japan
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acid
copper
phenyl
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halogen
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JP16018293A
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English (en)
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Yoshimasa Kikukawa
芳昌 菊川
Hirohiko Hirao
浩彦 平尾
Rie Nakayama
理恵 中山
Seiji Sogabe
誠司 曽我部
Miya Tanioka
みや 谷岡
Takayuki Murai
孝行 村井
Toshihiro Okamoto
俊宏 岡本
Takashi Yoshioka
隆 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shikoku Chemicals Corp
Original Assignee
Shikoku Chemicals Corp
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/22Secondary treatment of printed circuits
    • H05K3/28Applying non-metallic protective coatings

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  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、硬質プリント配線板及びフレキシ
ブルプリント配線板の銅回路部に対する水溶液系プレフ
ラックス処理剤を提供する。特に表面実装法に適し、長
期保存安定性及び耐熱性に優れた化成被膜を形成する水
溶液系の処理剤に関する。 【構成】 下記の一般式で示される2−フェニル−4−
(アリールメチル)イミダゾール化合物及びハロゲン置
換カルボン酸を有効成分として含有する水溶液系表面処
理剤。 (式中、R1 及びR2 は同一あるいは異なって水素原
子、低級アルキル基又はハロゲン原子、R3 は水素原子
又はメチル基を表す。但し、R1 、R2 及びR3 が全て
水素原子となる場合を除く。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銅及び銅合金の表面に
化成被膜を形成する水溶液系表面処理剤に関するもので
あり、特に硬質プリント配線板及びフレキシブルプリン
ト配線板における銅回路部のプレフラックス処理剤とし
て好適なものである。
【0002】
【従来の技術】銅あるいは銅合金の表面に、2位長鎖ア
ルキルイミダゾール化合物の被膜を形成する表面処理方
法としては、特公昭46-17046号、同48-11454号、同48-2
5621号、同49- 1983号、同49-26183号、同58-22545号、
同61-41988号及び特開昭61-90492号公報に記載されてい
る。また銅あるいは銅合金の表面に、2位アリール基置
換イミダゾール化合物の被膜を形成する処理方法として
は、特開平4-202780号及び同4-206681号公報に記載され
ている。
【0003】他に銅あるいは銅合金の表面にベンズイミ
ダゾール系化合物の化成被膜を形成する方法としては、
5−メチルベンズイミダゾールを用いる処理方法が特開
昭58-501281 号公報に、2−アルキルベンズイミダゾー
ル類を用いる処理方法が特開平4-72072 号、同4-80375
号、同4-99285 号、同4-157174号、同4-165083号、同4-
173983号、同4-202780号及び同4-218679号公報に記載さ
れている。他に、2−メルカプトベンズイミダゾールを
用いる銅又は銅合金の防錆方法が、特開昭55-83157号、
同62-77600号及び同63-118598 号公報に開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近時プリント配線板に
対する電子部品の接合方法として、表面実装法が多く採
用されるようになり、チップ部品の仮止め、部品装置の
両面装着あるいはチップ部品とディスクリート部品の混
載などにより、プリント配線板が高温下に曝されるよう
になった。
【0005】従来知られている2位長鎖アルキルイミダ
ゾール化合物を用いてプリント配線板の表面処理を行な
った場合、高温に曝されると表面処理された銅面が変色
し、その後のはんだ付けに際して支障を生じるおそれが
あった。特開昭58−501281号公報に記載の5−メチルベ
ンズイミダゾールを用いる処理方法では、この化合物が
水に比較的溶け易いため、好ましい膜厚と認められる0.
08μm 以上の化成被膜を形成することができず、高温下
において下地銅を保護し難く、酸化銅が発生する欠点が
あった。
【0006】また特開昭55-83157号及び同62-77600号公
報に記載の2−メルカプトベンズイミダゾールを用いた
防錆方法は、2−メルカプトベンズイミダゾールをメタ
ノール等の有機溶剤に溶かして、基材に塗布し乾燥する
方法であり、有機溶剤を使用するため人体に対する悪影
響や工場の保安面で問題があった。特開昭63-118598号
公報に記載の方法については2−メルカプトベンズイミ
ダゾールの薄膜を形成するのに、約3時間の浸漬処理を
必要としており、高生産性、高速処理を要求されるプリ
ント配線板業界の実情に適合しないものであった。
【0007】一方、特開平4- 72072号、同4- 80375号、
同4-157174号、同4-165083号、同4-202780号及び同4-21
8679号公報に記載の2−アルキルベンズイミダゾールを
用いた防錆方法は耐熱性に優れ、充分実用に供するもの
であるが、さらに耐熱性の改善が求められていた。
【0008】特開平4-206681号公報には、2位アリール
基置換イミダゾール化合物及び高級脂肪酸類化合物を含
む水性液を用いたプリント配線板の表面処理方法が記載
されている。この方法において用いられる2位アリール
基置換イミダゾール化合物としては、2位アリール基が
フェニル基もしくはトリル基、4及び5位置換基が水素
原子、メチル基もしくはフェニル基のものが挙げられ、
その代表的な化合物としては、2−フェニルイミダゾー
ル、2−トルイルイミダゾール、2−フェニル−4−メ
チルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジルイミダ
ゾール及び2,4,5−トリフェニルイミダゾール等が開示
されている。
【0009】しかしながら、特開平4-206681号公報に記
載の具体的な実施例においては、2位アリール基置換イ
ミダゾール化合物として、2−フェニルイミダゾール及
び2−フェニル−4−メチルイミダゾールしか記載され
ておらず、その他の化合物については、具体的な処理法
等が全く開示されてないものであった。しかも、この方
法においては、高級脂肪酸類化合物を必須成分として用
いなければならない欠点があった。
【0010】このようにプリント配線板の表面実装法に
対応しうる、耐熱性が高く且つ作業環境を悪化させない
プレフラックス、即ち高温に曝されたのちもはんだ付け
性に優れた水溶液系のプレフラックスが望まれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な事情に鑑み鋭意研究を行なった結果、銅あるいは銅合
金の表面に、化2で示される2−フェニル−4−(アリ
ールメチル)イミダゾール化合物及びハロゲン置換カル
ボン酸を有効成分として含有する水溶液系表面処理剤を
接触させることにより、防錆性・耐熱性に優れた化成被
膜が形成されることを見い出し、本発明を完遂するに至
った。
【0012】
【化2】
【0013】(式中R1 及びR2 は同一又は異なって水
素原子、低級アルキル基又はハロゲン原子、R3 は水素
原子又はメチル基を表す。但し、R1 、R2 及びR3
全て水素原子になる場合は除く。)
【0014】本発明の実施に適する2−フェニル−4−
(アリールメチル)イミダゾール化合物の代表的なもの
としては、2−フェニル−4−ベンジル−5−メチルイ
ミダゾール、2−フェニル−4−(4−クロロフェニル
メチル)−5−メチルイミダゾール、2−フェニル−4
−(2−クロロフェニルメチル)−5−メチルイミダゾ
ール、2−フェニル−4−(4−ブロモフェニルメチ
ル)−5−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−
(2,4−ジクロロフェニルメチル)−5−メチルイミ
ダゾール、2−フェニル−4−(3,4−ジクロロフェ
ニルメチル)−5−メチルイミダゾール、2−フェニル
−4−(トリルメチル)−5−メチルイミダゾール、2
−フェニル−4−(4−クロロフェニルメチル)イミダ
ゾール、2−フェニル−4−(2−クロロフェニルメチ
ル)イミダゾール、2−フェニル−4−(4−ブロモフ
ェニルメチル)イミダゾール、2−フェニル−4−
(2,4−ジクロロフェニルメチル)イミダゾール及び
2−フェニル−4−(3,4−ジクロロフェニルメチ
ル)イミダゾール等であり、特に2−フェニル−4−ベ
ンジル−5−メチルイミダゾールが好適である。
【0015】これらの2−フェニル−4−(アリールメ
チル)イミダゾール化合物は公知の方法で合成すること
ができる。即ち、2−フェニルイミダゾール化合物と塩
化ベンジル化合物を加熱下に反応させることにより得る
ことができる。これを反応式で表せば、化3に示すとお
りである。
【0016】
【化3】
【0017】(式中、R1 、R2 及びR3 は前記と同
じ。) また本発明の実施に適するハロゲン置換カルボン酸の代
表的なものとしては、ペンタフルオロプロピオン酸、ヘ
プタフルオロプロピオン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ
酢酸、トリクロロ酢酸、2−クロロプロピオン酸、3−
クロロプロピオン酸、2,2−ジクロロプロピオン酸、
2,3−ジクロロプロピオン酸、3,3−ジクロロプロ
ピオン酸、2−クロロ−2−メチルプロピオン酸、2−
クロロ酪酸、3−クロロ酪酸、4−クロロ酪酸、2,3
−ジクロロイソ酪酸、2−クロロ−2−メチル酪酸、ブ
ロモ酢酸、2−ブロモプロピオン酸、3−ブロモプロピ
オン酸、2,2−ジブロモプロピオン酸、2,3−ジブ
ロモプロピオン酸、3,3−ジブロモプロピオン酸、2
−ブロモ酪酸、3−ブロモ酪酸、4−ブロモ酪酸、2−
ブロモイソ酪酸、3−ブロモイソ酪酸、2,2−ジブロ
モ酪酸、2,3−ジブロモ酪酸、3,4−ジブロモ酪
酸、2,3−ジブロモ−2−メチル酪酸、2−ブロモ吉
草酸、3−ブロモ吉草酸、2,3−ジブロモ吉草酸、2
−ブロモヘキサン酸、3−ブロモヘキサン酸、2−ブロ
モ−2−メチル酪酸、2,3−ジブロモヘキサン酸、2
−ブロモヘプタン酸、2−ブロモコハク酸、3−ブロモ
リンゴ酸、3−ブロモグルタン酸、2,3−ジブロモコ
ハク酸、2,2−ジブロモアジピン酸、2,3−ジブロ
モアジピン酸、2−ヨードプロピオン酸、3−ヨードプ
ロピオン酸、2−ヨード酪酸、3−ヨード酪酸、4−ヨ
ード酪酸及び3−ヨードイソ酪酸等のハロゲン置換脂肪
族カルボン酸、2−クロロアクリル酸、3−クロロアク
リル酸、3,3−ジクロロアクリル酸、2,3−ジクロ
ロアクリル酸、2−ブロモアクリル酸、3−ブロモ−3
−クロロアクリル酸、3,3−ジブロモアクリル酸、
2,3−ジブロモアクリル酸、トリブロモアクリル酸、
2−ヨードアクリル酸、2−クロロクロトン酸、3−ク
ロロクロトン酸、2−クロロイソクロトン酸、3−クロ
ロイソクロトン酸、2−ブロモクロトン酸、3−ブロモ
クロトン酸、2−ブロモイソクロトン酸、3−ブロモイ
ソクロトン酸、2,3−ジブロモクロトン酸、2,3−
ジブロモイソクロトン酸、3−クロロメタクリル酸、3
−ブロモメタクリル酸、α−クロロケイ皮酸、β−クロ
ロケイ皮酸、α,β−ジクロロケイ皮酸、α−ブロモケ
イ皮酸、β−ブロモケイ皮酸、α,β−ジブロモケイ皮
酸、クロロフマール酸、クロロマレイン酸、ブロモフマ
ール酸及びブロモマレイン酸等のハロゲン置換不飽和カ
ルボン酸並びにo−フルオロ安息香酸、o−クロロ安息
香酸、p−クロロ安息香酸、o−ブロモ安息香酸、p−
ブロモ安息香酸、2,4−ジクロロ安息香酸等のハロゲ
ン置換芳香族カルボン酸である。
【0018】本発明の実施においては、有効成分として
2−フェニル−4−(アリールメチル)イミダゾール化
合物を0.01〜10重量%の割合、好ましくは0.1
〜5重量%の割合で、またハロゲン置換カルボン酸を
0.001〜1重量%の割合、好ましくは0.01〜
0.1重量%の割合で含有する水溶液系の表面処理剤を
使用する。
【0019】2−フェニル−4−(アリールメチル)イ
ミダゾール化合物及びハロゲン置換カルボン酸の含有割
合では、2−フェニル−4−(アリールメチル)イミダ
ゾール化合物が溶解しないので、さらに別の有機酸また
は無機酸を加えて水溶液化させる。また、水と混和する
ことができる有機溶媒を有機酸または無機酸と併用し
て、2−フェニル−4−(アリールメチル)イミダゾー
ル化合物を水溶液化しても良い。
【0020】この際に用いられる有機酸としては、ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘプタン酸、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリル酸、グリコール酸、乳酸、ア
クリル酸、安息香酸、パラニトロ安息香酸、パラトルエ
ンスルホン酸、サリチル酸、ピクリン酸、シュウ酸、コ
ハク酸、マレイン酸、フマール酸、酒石酸、アジピン酸
等であり、無機酸としては、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸
等である。これらの酸は、水溶液に対し0.01〜40
重量%の割合、好ましくは0.2〜20重量%の割合に
なるように添加すれば良い。
【0021】また、この際に用いられる有機溶媒として
は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
などの低級アルコール類や、アセトン、N,N−ジメチ
ルホルムアミドなどの水と混和させることのできるもの
である。
【0022】本発明の表面処理剤で銅あるいは銅合金の
表面を処理する条件としては、処理剤の液温を約20℃
〜60℃、接触時間を1秒ないし10分間の範囲が適当
である。接触方法は、浸漬、噴霧、塗布などである。
【0023】本発明の表面処理剤を使用するに当たって
は、金属表面における化成被膜の形成速度を高めるため
に銅化合物を添加してもよく、また形成された化成被膜
の耐熱性をさらに向上させるために亜鉛化合物を添加し
てもよい。
【0024】本発明の表面処理剤に添加しうる銅化合物
の代表的なものとしては、塩化第一銅、塩化第二銅、水
酸化銅、リン酸銅、酢酸銅、硫酸銅、硝酸銅、臭化銅等
であり、また亜鉛化合物の代表的なものとしては、酸化
亜鉛、蟻酸亜鉛、酢酸亜鉛、蓚酸亜鉛、乳酸亜鉛、クエ
ン酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、リン酸亜鉛等であり、
いずれも水溶液に対して0.01〜10重量%の割合、好
ましくは0.02〜5重量%の割合で添加すれば良い。
【0025】このように、銅化合物あるいは亜鉛化合物
を用いる場合には、有機酸あるいは無機酸の他にアンモ
ニアあるいはアミン類等の緩衝作用を有する物質を添加
して溶液のpHを安定にすることが望ましい。また本発
明表面処理剤を使用する際には、化成被膜上に熱可塑性
樹脂の二重構造を形成し、耐熱性を向上させることも可
能である。
【0026】即ち銅あるいは銅合金の表面に2−フェニ
ル−4−(アリールメチル)イミダゾール化合物の化成
被膜を形成したのち、ロジン、ロジンエステル等のロジ
ン誘導体、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等の
テルペン樹脂誘導体または芳香族炭化水素樹脂、脂肪族
炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂等の炭化水素樹脂あ
るいはこれらの混合物等からなる耐熱性に優れた熱可塑
性樹脂をトルエン、酢酸エチル、IPA等の溶媒に溶解
し、ロールコーター法等により化成被膜上に膜厚1〜30
μmの厚みになるように均一に塗布して化成被膜と熱可
塑性樹脂の二層構造を形成すれば良い。
【0027】
【作用】銅あるいは銅合金の表面に有効成分として2−
フェニル−4−(アリールメチル)イミダゾール化合物
及びハロゲン置換カルボン酸を含有する水溶液系表面処
理剤を接触させると、2−フェニル−4−(アリールメ
チル)イミダゾール化合物と銅との錯体形成反応及び2
−フェニル−4−(アリールメチル)イミダゾール化合
物間の水素結合とファンデルワールス力の両作用によ
り、局部的に銅錯体となった2−フェニル−4−(アリ
ールメチル)イミダゾール化合物の化成被膜が銅あるい
は銅合金表面上に形成される。そして、この化成被膜の
構造中には、共存するハロゲン置換カルボン酸が取り込
まれる。
【0028】前記の化成被膜を放置あるいは加熱するこ
とにより銅表面から銅の移行が起こり、2−フェニル−
4−(アリールメチル)イミダゾール化合物の大部分は
2−フェニル−4−(アリールメチル)イミダゾール化
合物の銅錯体になる。前記の銅錯体からなる化成被膜
は、熱的にもまた化学的にも安定であり、下地の銅ある
いは銅合金を高温に曝すことによる酸化、また長期放置
による錆の発生から保護しうるものである。
【0029】化成被膜中に取り込まれたハロゲン置換カ
ルボン酸は、はんだ付け時に活性剤として働くため、ハ
ロゲン置換カルボン酸を加えない処理剤を用いる場合よ
りも良好なはんだ付け性を示す。
【0030】また、2−フェニル−4−(アリールメチ
ル)イミダゾール化合物及びハロゲン置換カルボン酸を
含有する水溶液系表面処理剤を用いて表面処理した銅板
あるいは銅合金板は、2−アルキルイミダゾール化合
物、2−アリールイミダゾール化合物又は2−アルキル
ベンズイミダゾール化合物を含有する表面処理剤を用い
て表面処理した場合と比べて、クリームはんだの広がり
性が良い。
【0031】特に2−フェニル−4−(アリールメチ
ル)イミダゾール化合物のなかでも、2−フェニル−4
−ベンジル−5−メチルイミダゾールが、ハロゲン置換
カルボン酸のなかでも2−ブロモアクリル酸または2,
3−ジブロモアクリル酸が、耐湿雰囲気下において良好
な防錆能力を示し、且つ高温に曝されたのちも良好なは
んだ付け性を示した。
【0032】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって、本発明を
具体的に説明する。なお、これらの試験において金属表
面における化成被膜の厚さは、実際にプリント配線板と
して用いられている硬質銅張積層板を所定の大きさに切
断した試験片を用いて所定の浸漬処理を行い、金属表面
に化成被膜を形成したのち、0.5%の塩酸水溶液に浸漬
して、2−フェニル−4−(アリールメチル)イミダゾ
ール化合物を抽出し、紫外分光光度計を用いて、この抽
出液中に含まれる2−フェニル−4−(アリールメチ
ル)イミダゾール化合物の濃度を測定し、化成被膜の厚
さに換算したものである。
【0033】はんだ濡れ性の測定は次のようにして行っ
た。試験片として5mm×50mm×0.3mmの大きさの銅板ま
たは真鍮板を用い、これらの試験片を脱脂、ソフトエッ
チング及び水洗を行ったのち、所定の液温に保持した各
実施例あるいは比較例に記載の組成からなる表面処理剤
に夫々所定時間浸漬し、次いで水洗、乾燥して試験片表
面に厚さ約0.25μmの化成被膜を夫々形成させた。
【0034】被膜形成処理がなされた前記試験片を表1
に示す条件で放置し、さらに120℃の熱風オーブン中
で5分間加熱したのち、215℃の蒸気相(製品名:フ
ロリナートFC−70、スリーエム社製)中で5分間加
熱する操作を3サイクル繰り返して加熱処理を行った。
次いで、この試験片にポストフラックス(商品名:JS
−64、(株)弘輝製)を浸漬付着させ、はんだ濡れ時
間を測定した。測定に当たっては、半田濡れ性試験器
(製品名:WET−3000、(株)レスカ製)を用
い、その測定条件は半田温度250℃、浸漬深さ2mm、
浸漬スピード16mm/秒とした。
【0035】またクリームはんだ広がり性の試験は次の
ようにして行った。試験片としては絶縁抵抗試験に用い
られるくし形電極I形〔JIS Z−3197 6.8〕を
用い、これらの試験片を脱脂、ソフトエッチング及び水
洗を行ったのち、前記はんだ濡れ性の測定と同様にして
表面処理剤に浸漬し、水洗、乾燥して試験片表面に厚さ
約0.25μmの化成被膜を夫々形成させたのち、室温で1
0日間放置した。
【0036】被膜形成処理がなされた前記試験片にクリ
ームはんだ(商品名:AE−53HGI、四国化成工業
(株)製)を印刷幅3mmで一文字印刷し、赤外線リフロ
ー装置(製品名:MULTI−PRO−306、ヴィト
ロニクス社製)を用いて4分間リフロー加熱(ピーク温
度230℃/4秒)を行い、広がったはんだの広がり長
さを測定した。
【0037】(実施例1)はんだ濡れ性及びクリームは
んだ広がり性測定用試験片を、表面処理剤が2−フェニ
ル−4−ベンジル−5−メチルイミダゾール0.30重
量%、2−ブロモアクリル酸0.03重量%、酢酸2.
0重量%、酢酸第二銅0.09重量%及び臭化アンモニ
ウム0.04重量%からなる水溶液に、液温50℃で3
0秒間浸漬したのち、水洗、乾燥した。
【0038】はんだ濡れ性測定用試験片を表1に示す条
件で放置し、加熱処理を行なった結果、はんだ濡れ性の
測定結果は表1に示すとおりであった。また、クリーム
はんだ広がり性測定用試験片を10日間室温で放置した
のちのクリームはんだ広がり性測定結果は表1に示すと
おりであった。
【0039】(実施例2)試験片を表面処理剤が2−フ
ェニル−4−ベンジル−5−メチルイミダゾール0.3
0重量%、2,3−ジブロモプロピオン酸0.03重量
%、酢酸2.0重量%及び臭化第二銅0.03重量%か
らなる水溶液に、液温50℃で30秒間浸漬した後、取
り出し水洗、乾燥した。実施例1と同様にはんだ濡れ性
試験及びクリームはんだ広がり性試験を行ったところ、
その測定結果は表1に示すとおりであった。
【0040】(実施例3)試験片を表面処理剤が2−フ
ェニル−4−(4−クロロフェニルメチル)イミダゾー
ル0.15重量%、2,3−ジブロモアクリル酸0.0
3重量%、酢酸4.0重量%及び塩化亜鉛0.04重量
%からなる水溶液に、液温50℃で80秒間浸漬した
後、取り出し水洗、乾燥した。実施例1と同様にはんだ
濡れ性試験及びクリームはんだ広がり性試験を行ったと
ころ、その測定結果は表1に示すとおりであった。
【0041】(実施例4)試験片を表面処理剤が2−フ
ェニル−4−(4−メチルフェニルメチル)イミダゾー
ル0.20重量%、2,2−ジクロロプロピオン酸0.
03重量%、ギ酸3.0重量%及び塩化第二銅0.09
重量%からなる水溶液に、液温50℃で50秒間浸漬し
た後、取り出し水洗、乾燥した。実施例1と同様にはん
だ濡れ性試験及びクリームはんだ広がり性試験を行った
ところ、その測定結果は表1に示すとおりであった。
【0042】(比較例1)試験片を表面処理剤が2−ウ
ンデシルイミダゾール1.0重量%及び酢酸1.6重量
%から成る水溶液に、液温50℃で25秒間浸漬した
後、取り出し水洗、乾燥した。その後実施例1と同様に
はんだ濡れ性試験を行ったところ、その測定結果は表1
に示すとおりであった。
【0043】(比較例2)試験片を表面処理剤が2−フ
ェニルイミダゾール1.0重量%、酢酸2.0重量%及
び臭化第二銅0.05重量%からなる水溶液に、液温4
0℃で21秒間浸漬した後、取り出し水洗、乾燥した。
その後実施例1と同様にはんだ濡れ性試験及びクリーム
はんだ広がり性試験を行ったところ、その測定結果は表
1に示すとおりであった。
【0044】(比較例3)試験片を表面処理剤が2−フ
ェニル−4−メチルイミダゾール1.0重量%、酢酸
2.0重量%及び臭化第二銅0.05重量%からなる水
溶液に、液温50℃で18秒間浸漬した後、取り出し水
洗、乾燥した。その後実施例1と同様にはんだ濡れ性試
験及びクリームはんだ広がり性試験を行ったところ、そ
の測定結果は表1に示すとおりであった。
【0045】(比較例4)試験片を表面処理剤が2−ノ
ニルベンズイミダゾール0.2重量%、酢酸5.0重量
%及び塩化第二銅0.035重量%からなる水溶液に、
液温40℃で30秒間浸漬した後、取り出し水洗、乾燥
した。その後実施例1と同様にはんだ濡れ性試験及びク
リームはんだ広がり性試験を行ったところ、その測定結
果は表1に示すとおりであった。
【0046】(比較例5)試験片を表面処理剤が2−
(4−クロロフェニルメチル)ベンズイミダゾール0.
5重量%、ギ酸3.0重量%及び塩化第二銅0.09重
量%からなる水溶液に、液温50℃で48秒間浸漬した
後、取り出し水洗、乾燥した。その後実施例1と同様に
はんだ濡れ性試験及びクリームはんだ広がり性試験を行
ったところ、その測定結果は表1に示すとおりであっ
た。
【0047】
【表1】
【0048】(実施例6)真鍮製の試験片を脱脂、ソフ
トエッチング及び水洗し、実施例1と同じ処理剤を用い
て同様の条件で浸漬し、水洗及び乾燥をしたところ、厚
さ0.24μmの化成被膜が形成された。
【0049】
【発明の効果】銅あるいは銅合金を2−フェニル−4−
(アリールメチル)イミダゾール化合物及びハロゲン置
換カルボン酸を有効成分とする水溶液に浸漬処理するこ
とにより、その表面に撥水性に優れ、長期保存安定性に
富み、且つ耐湿性及び耐熱性に優れた化成被膜を形成す
ることができるので、プリント配線板の表面実装法にお
けるはんだ付け性を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村井 孝行 香川県仲多度郡多度津町大字東白方498番 地 (72)発明者 岡本 俊宏 香川県丸亀市山北町676番地1 (72)発明者 吉岡 隆 香川県丸亀市北平山町2丁目8−15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化1で示される2−フェニル−4−(ア
    リールメチル)イミダゾール化合物及びハロゲン置換カ
    ルボン酸を有効成分として含有することを特徴とする銅
    及び銅合金の表面処理剤。 【化1】 (式中R1 及びR2 は同一又は異なって水素原子、低級
    アルキル基又はハロゲン原子、R3 は水素原子又はメチ
    ル基を表す。但し、R1 、R2 及びR3 が全て水素原子
    になる場合は除く。)
  2. 【請求項2】 2−フェニル−4−ベンジル−5−メチ
    ルイミダゾールと2−ブロモアクリル酸または2,3−
    ジブロモアクリル酸を有効成分として含有することを特
    徴とする銅及び銅合金の表面処理剤。
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