JPH06345932A - メタクリル酸メチル−α− メチルスチレン共重合樹脂組成物及びその製造法 - Google Patents
メタクリル酸メチル−α− メチルスチレン共重合樹脂組成物及びその製造法Info
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- JPH06345932A JPH06345932A JP15621493A JP15621493A JPH06345932A JP H06345932 A JPH06345932 A JP H06345932A JP 15621493 A JP15621493 A JP 15621493A JP 15621493 A JP15621493 A JP 15621493A JP H06345932 A JPH06345932 A JP H06345932A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 メタクリル酸メチル−α- メチルスチレン共
重合樹脂の優れた耐熱性を保持し、なおかつ成形加工時
における耐熱分解性の著しく改良されたメタクリル酸メ
チル−α- メチルスチレン共重合樹脂組成物ならびに該
組成物の製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 メタクリル酸メチル−α- メチルスチレン共
重合樹脂100重量部に対し、フェノール−アクリレー
ト二官能性化合物を0.01〜5.0重量部及びヒンダ
ードフェノール系化合物を0〜3.0重量部添加し、二
軸押出機を用いてメタクリル酸メチル−α- メチルスチ
レン共重合樹脂の脱揮又は成型を行い、メタクリル酸メ
チル−α- メチルスチレン共重合樹脂組成物又はその成
型品を得る。
重合樹脂の優れた耐熱性を保持し、なおかつ成形加工時
における耐熱分解性の著しく改良されたメタクリル酸メ
チル−α- メチルスチレン共重合樹脂組成物ならびに該
組成物の製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 メタクリル酸メチル−α- メチルスチレン共
重合樹脂100重量部に対し、フェノール−アクリレー
ト二官能性化合物を0.01〜5.0重量部及びヒンダ
ードフェノール系化合物を0〜3.0重量部添加し、二
軸押出機を用いてメタクリル酸メチル−α- メチルスチ
レン共重合樹脂の脱揮又は成型を行い、メタクリル酸メ
チル−α- メチルスチレン共重合樹脂組成物又はその成
型品を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車分野やOA・家
電機器分野などにおける各部品の材料として好適な、耐
熱性、透明性及び耐候性に優れる、メタクリル酸メチル
−α- メチルスチレン共重合樹脂組成物に関するもので
ある。
電機器分野などにおける各部品の材料として好適な、耐
熱性、透明性及び耐候性に優れる、メタクリル酸メチル
−α- メチルスチレン共重合樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、メタクリル酸メチルを主成分
とするメタクリル樹脂は、汎用樹脂として知られてい
る。メタクリル樹脂は透明性、耐候性に極めて優れてお
り、また成形加工性、熱的性質においても比較的良好な
性能を有していることより、それらの特性を生かして、
自動車分野、OA・家電機器分野及びその他多くの分野
で成形材料として広く使用されている。しかしながら、
メタクリル樹脂の荷重たわみ温度は100 ℃弱であり、耐
熱性に関して充分な性能を有してはいない。そのためそ
の用途展開には、耐熱性の向上が最も望まれている課題
である(プラスチックエージ社、PLASTICS ENCYCLOPED
IA 進歩編 1989 年版 139頁) 。
とするメタクリル樹脂は、汎用樹脂として知られてい
る。メタクリル樹脂は透明性、耐候性に極めて優れてお
り、また成形加工性、熱的性質においても比較的良好な
性能を有していることより、それらの特性を生かして、
自動車分野、OA・家電機器分野及びその他多くの分野
で成形材料として広く使用されている。しかしながら、
メタクリル樹脂の荷重たわみ温度は100 ℃弱であり、耐
熱性に関して充分な性能を有してはいない。そのためそ
の用途展開には、耐熱性の向上が最も望まれている課題
である(プラスチックエージ社、PLASTICS ENCYCLOPED
IA 進歩編 1989 年版 139頁) 。
【0003】メタクリル樹脂の耐熱性を改善する方法の
一つとして、メタクリル酸メチルとα- メチルスチレン
とを共重合させる方法が提案されている(米国特許 US
3135723)。しかしながら、メタクリル酸メチルとα- メ
チルスチレンとの共重合樹脂は荷重たわみ温度は高いも
のの、熱分解温度が低く、成形温度を高くすると容易に
熱分解を起こすため、他の汎用樹脂に比較して成形加工
の面で劣るという欠点を有している。
一つとして、メタクリル酸メチルとα- メチルスチレン
とを共重合させる方法が提案されている(米国特許 US
3135723)。しかしながら、メタクリル酸メチルとα- メ
チルスチレンとの共重合樹脂は荷重たわみ温度は高いも
のの、熱分解温度が低く、成形温度を高くすると容易に
熱分解を起こすため、他の汎用樹脂に比較して成形加工
の面で劣るという欠点を有している。
【0004】このような熱分解を防止する目的で、各種
のヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系などの酸
化防止剤が単独であるいは併用してメタクリル酸メチル
−α- メチルスチレン共重合体に添加され、耐熱分解性
の向上が報告されている。例えば、特開平3-281648号公
報によればオクタデシル-3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒド
ロキシフェニル) プロピオネート又はペンタエリスリト
ール- テトラキス[3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシ
フェニル) プロピオネート] などのヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤を単独で用いたり、これらのヒンダード
フェノール系酸化防止剤と、トリス(2,4- ジ-t- ブチル
フェニル) ホスファイト、ペンタエリスリトール- ビス
オクタデシルホスファイトなどのリン系酸化防止剤とを
併用したり、あるいは前記のヒンダードフェノール系酸
化防止剤とテトラキス[ メチレン-3-(ドデシルチオ) プ
ロピオネート] メタン等のイオウ系酸化防止剤とを併用
する方法などが知られている。
のヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系などの酸
化防止剤が単独であるいは併用してメタクリル酸メチル
−α- メチルスチレン共重合体に添加され、耐熱分解性
の向上が報告されている。例えば、特開平3-281648号公
報によればオクタデシル-3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒド
ロキシフェニル) プロピオネート又はペンタエリスリト
ール- テトラキス[3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシ
フェニル) プロピオネート] などのヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤を単独で用いたり、これらのヒンダード
フェノール系酸化防止剤と、トリス(2,4- ジ-t- ブチル
フェニル) ホスファイト、ペンタエリスリトール- ビス
オクタデシルホスファイトなどのリン系酸化防止剤とを
併用したり、あるいは前記のヒンダードフェノール系酸
化防止剤とテトラキス[ メチレン-3-(ドデシルチオ) プ
ロピオネート] メタン等のイオウ系酸化防止剤とを併用
する方法などが知られている。
【0005】しかしこれらの方法はメタクリル酸メチル
−α- メチルスチレン共重合体の脱揮や成形加工工程時
における耐熱分解性の点でまだ十分満足すべきものでは
ない。
−α- メチルスチレン共重合体の脱揮や成形加工工程時
における耐熱分解性の点でまだ十分満足すべきものでは
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、メタクリル酸メチル−α- メチルスチレ
ン共重合樹脂の優れた耐熱性を保持し、なおかつ成形加
工時における耐熱分解性の著しく改良されたメタクリル
酸メチル−α- メチルスチレン共重合樹脂組成物を提供
することを目的としてなされたものである。
事情のもとで、メタクリル酸メチル−α- メチルスチレ
ン共重合樹脂の優れた耐熱性を保持し、なおかつ成形加
工時における耐熱分解性の著しく改良されたメタクリル
酸メチル−α- メチルスチレン共重合樹脂組成物を提供
することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の優
れた特性を有するメタクリル酸メチル−α- メチルスチ
レン共重合樹脂組成物を開発するために鋭意検討を重ね
た結果、メタクリル酸メチル−α- メチルスチレン共重
合体にフェノール−アクリレート二官能性化合物及びヒ
ンダードフェノール系化合物の混合物を所定量添加する
ことで、成形加工時の熱分解を大幅に抑えることができ
ることを見出し、本発明を完成した。
れた特性を有するメタクリル酸メチル−α- メチルスチ
レン共重合樹脂組成物を開発するために鋭意検討を重ね
た結果、メタクリル酸メチル−α- メチルスチレン共重
合体にフェノール−アクリレート二官能性化合物及びヒ
ンダードフェノール系化合物の混合物を所定量添加する
ことで、成形加工時の熱分解を大幅に抑えることができ
ることを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち本発明は、(A)メタクリル酸メ
チル−α- メチルスチレン共重合樹脂100重量部に対
し、(B)フェノール−アクリレート二官能性化合物を
0.01〜5.0 重量部及び(C)ヒンダードフェノール系化
合物を0 〜3.0 重量部の割合で配合してなるメタクリル
酸メチル−α- メチルスチレン共重合樹脂組成物、並び
にモノマー等の揮発分を含む樹脂に(B)フェノール−
アクリレート二官能性化合物を0.01〜5.0 重量部及び
(C)ヒンダードフェノール系化合物を0 〜3.0重量部
の割合で配合し、加熱・減圧下において脱揮を行うこと
を特徴とするメタクリル酸メチル−α- メチルスチレン
共重合樹脂組成物の製造法である。
チル−α- メチルスチレン共重合樹脂100重量部に対
し、(B)フェノール−アクリレート二官能性化合物を
0.01〜5.0 重量部及び(C)ヒンダードフェノール系化
合物を0 〜3.0 重量部の割合で配合してなるメタクリル
酸メチル−α- メチルスチレン共重合樹脂組成物、並び
にモノマー等の揮発分を含む樹脂に(B)フェノール−
アクリレート二官能性化合物を0.01〜5.0 重量部及び
(C)ヒンダードフェノール系化合物を0 〜3.0重量部
の割合で配合し、加熱・減圧下において脱揮を行うこと
を特徴とするメタクリル酸メチル−α- メチルスチレン
共重合樹脂組成物の製造法である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられる(A)成分のメタクリル酸メチル−α- メチ
ルスチレン共重合体は、塊状重合、溶液重合、乳化重合
あるいは懸濁重合のいずれの方法で重合したものでもよ
いが、好ましくは共重合体中に不純物が混入しない塊状
重合が用いられる。また重合時に有機過酸化物、アゾ化
合物を重合開始剤として使用する開始剤重合、開始剤を
用いない熱重合のいずれで重合したものでもよく、分子
量を調節するためにアルキルメルカプタンのような連鎖
移動剤を適量添加することも可能である。また、共重合
体の粘度が高い場合には粘度を低下させるため少量の溶
媒を添加して重合を行うことも可能である。この場合、
溶媒としては通常のラジカル重合で使用されている不活
性溶媒が好ましく、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼ
ン等が用いられる。
用いられる(A)成分のメタクリル酸メチル−α- メチ
ルスチレン共重合体は、塊状重合、溶液重合、乳化重合
あるいは懸濁重合のいずれの方法で重合したものでもよ
いが、好ましくは共重合体中に不純物が混入しない塊状
重合が用いられる。また重合時に有機過酸化物、アゾ化
合物を重合開始剤として使用する開始剤重合、開始剤を
用いない熱重合のいずれで重合したものでもよく、分子
量を調節するためにアルキルメルカプタンのような連鎖
移動剤を適量添加することも可能である。また、共重合
体の粘度が高い場合には粘度を低下させるため少量の溶
媒を添加して重合を行うことも可能である。この場合、
溶媒としては通常のラジカル重合で使用されている不活
性溶媒が好ましく、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼ
ン等が用いられる。
【0010】この共重合樹脂(A)としては、重量平均
分子量が 3万〜20万のものを使用することができるが、
好ましくは 5万〜15万のものがよい。この重量平均分子
量が3万より小さいと、機械的強度が発現せず、反対に2
0万を越えると成形加工時の流動性に劣るだけでなく熱
分解が起こりやすくなる。また、この共重合樹脂(A)
の組成は、α- メチルスチレン単位が10〜40 mol%、メ
タクリル酸メチル単位が60〜90 mol%であるのが好まし
く、より好ましくはα- メチルスチレン単位が15〜25 m
ol%、メタクリル酸メチル単位が75〜85 mol%であるの
がよい。α- メチルスチレン単位が10 mol%未満である
と充分な耐熱性が得られず、40 mol%を越えると成形加
工時に熱分解を起こしやすくなる。
分子量が 3万〜20万のものを使用することができるが、
好ましくは 5万〜15万のものがよい。この重量平均分子
量が3万より小さいと、機械的強度が発現せず、反対に2
0万を越えると成形加工時の流動性に劣るだけでなく熱
分解が起こりやすくなる。また、この共重合樹脂(A)
の組成は、α- メチルスチレン単位が10〜40 mol%、メ
タクリル酸メチル単位が60〜90 mol%であるのが好まし
く、より好ましくはα- メチルスチレン単位が15〜25 m
ol%、メタクリル酸メチル単位が75〜85 mol%であるの
がよい。α- メチルスチレン単位が10 mol%未満である
と充分な耐熱性が得られず、40 mol%を越えると成形加
工時に熱分解を起こしやすくなる。
【0011】なお、共重合樹脂(A)には、その性質を
保持する限りにおいて、その構成単位として少量の第三
成分、例えばスチレン、無水マレイン酸、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、N−フェニルマレイミド、
N−フェニルメタクリルアミド、メタクリル酸、アクリ
ル酸、アクリル酸エステル類であるアクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n-
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t-ブチル、
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、メタ
クリル酸エステルであるメタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イ
ソブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸ベンジル等が入ってもよい。こ
の共重合樹脂は、重合行程で生じた重合物であって、揮
発分を未だ含有するものであってもよいし、脱揮された
のちの樹脂であってもよいが、前者であれば成型加工時
のみならず、脱揮時の熱安定性も向上させる。
保持する限りにおいて、その構成単位として少量の第三
成分、例えばスチレン、無水マレイン酸、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、N−フェニルマレイミド、
N−フェニルメタクリルアミド、メタクリル酸、アクリ
ル酸、アクリル酸エステル類であるアクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n-
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t-ブチル、
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、メタ
クリル酸エステルであるメタクリル酸エチル、メタクリ
ル酸プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イ
ソブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸ベンジル等が入ってもよい。こ
の共重合樹脂は、重合行程で生じた重合物であって、揮
発分を未だ含有するものであってもよいし、脱揮された
のちの樹脂であってもよいが、前者であれば成型加工時
のみならず、脱揮時の熱安定性も向上させる。
【0012】本発明で使用する(B)成分のフェノール
−アクリレート二官能性化合物はフェノール性OHとビ
ニル基を官能基として有しており、ポリマーの分解初期
に発生するポリマーアルキルラジカルをアクリレート基
により効率的に捕捉し、分子内水素結合を介してフェノ
ール基から速やかに水素原子を移動し安定化することに
よってポリマーの熱劣化を防止する。このフェノールア
クリレート二官能性化合物は、(A)成分のメタクリル
酸メチル−α−メチルスチレン共重合樹脂 100重量部に
対して0.01〜5.0 重量部、好ましくは0.1 〜3.0 重量部
の割合で配合することが必要である。フェノール−アク
リレート二官能性化合物の添加量が0.01重量部より少な
いと成形加工時の耐熱分解性が改良されず、反対に5.0
重量部より多いと熱的及び機械的強度が低下する。この
ようなフェノール−アクリレート二官能性化合物は、下
記の一般式(I)(式中、R1 、R2 、R3 はアルキル
基またはフェニル基を示し、R4 は水素原子またはメチ
ル基を示す。)で示される化合物であり、具体的には2-
t-ブチル-6-(3-t-ブチル-2- ヒドロキシ-5- メチルベン
ジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2-[1-(2-ヒドロ
キシ-3,5- ジ-t- ペンチルフェニル) エチル]-4,6-ジ-t
- ペンチルフェニルアクリレートなどが挙げられる。
−アクリレート二官能性化合物はフェノール性OHとビ
ニル基を官能基として有しており、ポリマーの分解初期
に発生するポリマーアルキルラジカルをアクリレート基
により効率的に捕捉し、分子内水素結合を介してフェノ
ール基から速やかに水素原子を移動し安定化することに
よってポリマーの熱劣化を防止する。このフェノールア
クリレート二官能性化合物は、(A)成分のメタクリル
酸メチル−α−メチルスチレン共重合樹脂 100重量部に
対して0.01〜5.0 重量部、好ましくは0.1 〜3.0 重量部
の割合で配合することが必要である。フェノール−アク
リレート二官能性化合物の添加量が0.01重量部より少な
いと成形加工時の耐熱分解性が改良されず、反対に5.0
重量部より多いと熱的及び機械的強度が低下する。この
ようなフェノール−アクリレート二官能性化合物は、下
記の一般式(I)(式中、R1 、R2 、R3 はアルキル
基またはフェニル基を示し、R4 は水素原子またはメチ
ル基を示す。)で示される化合物であり、具体的には2-
t-ブチル-6-(3-t-ブチル-2- ヒドロキシ-5- メチルベン
ジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2-[1-(2-ヒドロ
キシ-3,5- ジ-t- ペンチルフェニル) エチル]-4,6-ジ-t
- ペンチルフェニルアクリレートなどが挙げられる。
【0014】
【化2】
【0015】本発明で使用する(C)成分のヒンダード
フェノール系化合物は(A)成分のメタクリル酸メチル
−α- メチルスチレン共重合樹脂100 重量部に対し、0
〜3.0 重量部、好ましくは0.1 〜2.0 重量部の割合で用
いることが必要である。ヒンダードフェノール系化合物
はメタクリル酸メチル−α- メチルスチレン共重合樹脂
に対して単独で用いたよりも、フェノール- アクリレー
ト二官能性化合物と併用することにより、メタクリル酸
メチル−α- メチルスチレン共重合樹脂の耐熱分解性を
著しく向上させるものである。このようなヒンダードフ
ェノール系化合物としては、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t
- ブチル-4- ヒドロキシフェニル) プロピオネート、ペ
ンタエリスリトール- テトラキス[3-(3,5-ジ-t- ブチル
-4- ヒドロキシフェニルプロピオネート] 、1,1,3-トリ
ス[5-t- ブチル-4- ヒドロキシ-2- メチルフェニル] ブ
タンなどが挙げられる。
フェノール系化合物は(A)成分のメタクリル酸メチル
−α- メチルスチレン共重合樹脂100 重量部に対し、0
〜3.0 重量部、好ましくは0.1 〜2.0 重量部の割合で用
いることが必要である。ヒンダードフェノール系化合物
はメタクリル酸メチル−α- メチルスチレン共重合樹脂
に対して単独で用いたよりも、フェノール- アクリレー
ト二官能性化合物と併用することにより、メタクリル酸
メチル−α- メチルスチレン共重合樹脂の耐熱分解性を
著しく向上させるものである。このようなヒンダードフ
ェノール系化合物としては、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t
- ブチル-4- ヒドロキシフェニル) プロピオネート、ペ
ンタエリスリトール- テトラキス[3-(3,5-ジ-t- ブチル
-4- ヒドロキシフェニルプロピオネート] 、1,1,3-トリ
ス[5-t- ブチル-4- ヒドロキシ-2- メチルフェニル] ブ
タンなどが挙げられる。
【0016】本発明における抗酸化機能を有するフェノ
ール−アクリレート二官能性化合物及びヒンダードフェ
ノール系化合物のメタクリル酸メチル−α- メチルスチ
レン共重合樹脂への添加は、共重合樹脂又はメタクリル
酸メチルとα- メチルスチレンとの共重合によって生成
した半重合物と、粉末状または溶液状の上記の酸化防止
機能を有する化合物とを押出機やスタテックミキサー等
を用いて混合する方法等が用いられ、特に制限はない。
また、その際に、他の酸化防止剤としてリン系及びイオ
ウ系化合物、耐光安定剤として作用するベンゾトリアゾ
ール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、難燃化剤と
して作用するハロゲン系化合物及び帯電防止剤も必要に
応じて同時に併用する事ができる。また、各種改良剤、
離型剤及び染料や顔料等も添加可能である。
ール−アクリレート二官能性化合物及びヒンダードフェ
ノール系化合物のメタクリル酸メチル−α- メチルスチ
レン共重合樹脂への添加は、共重合樹脂又はメタクリル
酸メチルとα- メチルスチレンとの共重合によって生成
した半重合物と、粉末状または溶液状の上記の酸化防止
機能を有する化合物とを押出機やスタテックミキサー等
を用いて混合する方法等が用いられ、特に制限はない。
また、その際に、他の酸化防止剤としてリン系及びイオ
ウ系化合物、耐光安定剤として作用するベンゾトリアゾ
ール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、難燃化剤と
して作用するハロゲン系化合物及び帯電防止剤も必要に
応じて同時に併用する事ができる。また、各種改良剤、
離型剤及び染料や顔料等も添加可能である。
【0017】
【実施例】以下に実施例及び比較例に基づいて本発明を
具体的に説明する。なお本発明は実施例、比較例により
限定されるものではない。
具体的に説明する。なお本発明は実施例、比較例により
限定されるものではない。
【0018】実施例、比較例で用いたフェノール−アク
リレート二官能性化合物としては、一般式(I)におい
て、R1 がメチル基、R2 とR3 がネオペンチル基、R
4 が水素である住友化学工業 (株) 製、Sumilizer GS
を、ヒンダードフェノール系化合物としてはオクタデシ
ル-3-(3,5-ジ-t- ブチル4-ヒドロキシフェニル) プロピ
オネートである、旭電化工業 (株) 製、MARK AO-50をそ
れぞれ用いた。メタクリル酸メチル−α- メチルスチレ
ン共重合樹脂の脱揮は、 (株) 日本製鋼所製、二軸スク
リュ式押出機 TEXシリーズを用いて行った。脱揮前後の
メタクリル酸メチル−α- メチルスチレン共重合樹脂組
成物の平均分子量(ポリスチレン換算)及び全揮発分
(以後TVMと表現する)は、それぞれ東ソー (株) 製
のGPC、 (株) 島津製作所製のGC9Aを用いて測定し
た。
リレート二官能性化合物としては、一般式(I)におい
て、R1 がメチル基、R2 とR3 がネオペンチル基、R
4 が水素である住友化学工業 (株) 製、Sumilizer GS
を、ヒンダードフェノール系化合物としてはオクタデシ
ル-3-(3,5-ジ-t- ブチル4-ヒドロキシフェニル) プロピ
オネートである、旭電化工業 (株) 製、MARK AO-50をそ
れぞれ用いた。メタクリル酸メチル−α- メチルスチレ
ン共重合樹脂の脱揮は、 (株) 日本製鋼所製、二軸スク
リュ式押出機 TEXシリーズを用いて行った。脱揮前後の
メタクリル酸メチル−α- メチルスチレン共重合樹脂組
成物の平均分子量(ポリスチレン換算)及び全揮発分
(以後TVMと表現する)は、それぞれ東ソー (株) 製
のGPC、 (株) 島津製作所製のGC9Aを用いて測定し
た。
【0019】(実施例1〜4)メタクリル酸メチル−α
- メチルスチレン共重合樹脂の脱揮不完全ペレット100
重量部に対し、フェノール−アクリレート二官能性化合
物及びヒンダードフェノール系化合物を所定量添加し、
二軸押出機を用いてメタクリル酸メチル−α-メチルス
チレン共重合樹脂の脱揮を行った。
- メチルスチレン共重合樹脂の脱揮不完全ペレット100
重量部に対し、フェノール−アクリレート二官能性化合
物及びヒンダードフェノール系化合物を所定量添加し、
二軸押出機を用いてメタクリル酸メチル−α-メチルス
チレン共重合樹脂の脱揮を行った。
【0020】(比較例1)メタクリル酸メチル−α−メ
チルスチレン共重合樹脂の脱揮不完全ペレットを酸化防
止剤の添加なしに、二軸押出機を用いてメタクリル酸メ
チル−α- メチルスチレン共重合樹脂の脱揮を行った。
チルスチレン共重合樹脂の脱揮不完全ペレットを酸化防
止剤の添加なしに、二軸押出機を用いてメタクリル酸メ
チル−α- メチルスチレン共重合樹脂の脱揮を行った。
【0021】(比較例2、3)メタクリル酸メチル−α
- メチルスチレン共重合樹脂の脱揮不完全ペレット100
重量部に対し、ヒンダードフェノール系化合物を所定量
添加し、二軸押出機を用いてメタクリル酸メチル−α-
メチルスチレン共重合樹脂の脱揮を行った。これらの結
果を下記の表1に表す。
- メチルスチレン共重合樹脂の脱揮不完全ペレット100
重量部に対し、ヒンダードフェノール系化合物を所定量
添加し、二軸押出機を用いてメタクリル酸メチル−α-
メチルスチレン共重合樹脂の脱揮を行った。これらの結
果を下記の表1に表す。
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のメタクリル
酸メチル−α- メチルスチレン共重合樹脂組成物は耐熱
性、透明性、耐候性に極めて優れており、かつ、ポリマ
ーの脱揮などの成形加工工程において、分子量の低下を
防ぎ、あるいはTVMを低減できることから、自動車部
品、電気部品等の幅広い成形材料として非常に有用であ
る。
酸メチル−α- メチルスチレン共重合樹脂組成物は耐熱
性、透明性、耐候性に極めて優れており、かつ、ポリマ
ーの脱揮などの成形加工工程において、分子量の低下を
防ぎ、あるいはTVMを低減できることから、自動車部
品、電気部品等の幅広い成形材料として非常に有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山岡 育郎 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 木村 正生 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 (A)メタクリル酸メチル−α- メチル
スチレン共重合樹脂100重量部に対し、(B)フェノ
ール−アクリレート二官能性化合物を0.01〜5.0 重量部
及び(C)ヒンダードフェノール系化合物を0 〜3.0 重
量部の割合で配合してなるメタクリル酸メチル−α- メ
チルスチレン共重合樹脂組成物。 - 【請求項2】 (B)フェノール−アクリレート二官能
性化合物が下記の一般式(I)(式中、R1 、R2 、R
3 はアルキル基またはフェニル基を示し、R4は水素原
子またはメチル基を示す。)で示される化合物である請
求項1記載のメタクリル酸メチル−α- メチルスチレン
共重合樹脂組成物。 【化1】 - 【請求項3】 (C)ヒンダードフェノール系化合物が
オクタデシル-3-(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシフェ
ニル) プロピオネートである請求項1記載のメタクリル
酸メチル−α- メチルスチレン共重合樹脂組成物。 - 【請求項4】 モノマー等の揮発分を含むメタクリル酸
メチル−α- メチルスチレン共重合樹脂100 重量部に
(B)フェノール−アクリレート二官能性化合物を0.01
〜5.0 重量部及び(C)ヒンダードフェノール系化合物
を0 〜3.0 重量部の割合で配合し、加熱・減圧下におい
て脱揮を行うことを特徴とするメタクリル酸メチル−α
- メチルスチレン共重合樹脂組成物の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15621493A JPH06345932A (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | メタクリル酸メチル−α− メチルスチレン共重合樹脂組成物及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15621493A JPH06345932A (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | メタクリル酸メチル−α− メチルスチレン共重合樹脂組成物及びその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06345932A true JPH06345932A (ja) | 1994-12-20 |
Family
ID=15622861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15621493A Withdrawn JPH06345932A (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | メタクリル酸メチル−α− メチルスチレン共重合樹脂組成物及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06345932A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008047836A1 (fr) * | 2006-10-18 | 2008-04-24 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Composition de résine thermoplastique |
JP2011016916A (ja) * | 2009-07-08 | 2011-01-27 | Kuraray Co Ltd | 光学部材用メタクリル系樹脂組成物およびそれを用いた光学部材 |
TWI496797B (zh) * | 2012-12-28 | 2015-08-21 | Chi Mei Corp | 聚甲基丙烯酸酯組成物 |
-
1993
- 1993-06-02 JP JP15621493A patent/JPH06345932A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008047836A1 (fr) * | 2006-10-18 | 2008-04-24 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Composition de résine thermoplastique |
JPWO2008047836A1 (ja) * | 2006-10-18 | 2010-02-25 | 株式会社日本触媒 | 熱可塑性樹脂組成物 |
JP2011016916A (ja) * | 2009-07-08 | 2011-01-27 | Kuraray Co Ltd | 光学部材用メタクリル系樹脂組成物およびそれを用いた光学部材 |
TWI496797B (zh) * | 2012-12-28 | 2015-08-21 | Chi Mei Corp | 聚甲基丙烯酸酯組成物 |
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Legal Events
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