JPH06345857A - ラクトン系ポリエステルポリオールの製造方法 - Google Patents
ラクトン系ポリエステルポリオールの製造方法Info
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- JPH06345857A JPH06345857A JP5156184A JP15618493A JPH06345857A JP H06345857 A JPH06345857 A JP H06345857A JP 5156184 A JP5156184 A JP 5156184A JP 15618493 A JP15618493 A JP 15618493A JP H06345857 A JPH06345857 A JP H06345857A
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- polyester polyol
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 pKa値が11以上で、かつ分子内に活性水
素を有しない第3級アミン化合物の存在下、一般式
(1) HO−R1 −OH (1) (式中、R1 は低級アルキル基で置換されていてもよい
主鎖の炭素数が2〜10の炭化水素基を表す。)で示さ
れるグリコールに置換もしくは非置換のδ−バレロラク
トンを開環付加重合させることによりラクトン系ポリエ
ステルポリオールを製造する。 【効果】 工業的に満足しうる反応速度を達成すること
ができ、さらに触媒成分を重合物であるラクトン系ポリ
エステルポリオールから蒸留により容易に除去できるの
で、該ラクトン系ポリエステルポリオールの保存中にそ
の安定性が低下し、あるいはその後の重合反応により高
分子物質を製造する際に望ましくない副反応を引き起こ
したりするのを防止することができる。
素を有しない第3級アミン化合物の存在下、一般式
(1) HO−R1 −OH (1) (式中、R1 は低級アルキル基で置換されていてもよい
主鎖の炭素数が2〜10の炭化水素基を表す。)で示さ
れるグリコールに置換もしくは非置換のδ−バレロラク
トンを開環付加重合させることによりラクトン系ポリエ
ステルポリオールを製造する。 【効果】 工業的に満足しうる反応速度を達成すること
ができ、さらに触媒成分を重合物であるラクトン系ポリ
エステルポリオールから蒸留により容易に除去できるの
で、該ラクトン系ポリエステルポリオールの保存中にそ
の安定性が低下し、あるいはその後の重合反応により高
分子物質を製造する際に望ましくない副反応を引き起こ
したりするのを防止することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラクトンの開環重合によ
るポリエステルポリオールの製造方法に関する。さらに
詳しくは、本発明は、エチレングリコールやブタンジオ
ールなどの活性水素原子を二個有する化合物を開始剤と
して使用する、置換基を有していてもよいδ−バレロラ
クトンの開環重合によるポリエステルポリオールの製造
方法に関するものである。
るポリエステルポリオールの製造方法に関する。さらに
詳しくは、本発明は、エチレングリコールやブタンジオ
ールなどの活性水素原子を二個有する化合物を開始剤と
して使用する、置換基を有していてもよいδ−バレロラ
クトンの開環重合によるポリエステルポリオールの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】活性水素原子を二個有する化合物を開始
剤として、置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンを
開環重合することにより得られる両末端にヒドロキシル
基を有するポリエステルポリオールは、ε−カプロラク
トンの開環重合により得られるポリカプロラクトンや、
ジカルボン酸とジオールとの縮重合により得られるポリ
エステルポリオールと同様に、ポリウレタンやポリエス
テルエラストマー等の原料として有用な化合物である。
剤として、置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンを
開環重合することにより得られる両末端にヒドロキシル
基を有するポリエステルポリオールは、ε−カプロラク
トンの開環重合により得られるポリカプロラクトンや、
ジカルボン酸とジオールとの縮重合により得られるポリ
エステルポリオールと同様に、ポリウレタンやポリエス
テルエラストマー等の原料として有用な化合物である。
【0003】その中でも、β−メチル−δ−バレロラク
トンの開環重合により得られるポリ(β−メチル−δ−
バレロラクトン)ポリオール(以下、PMVLと略記す
る)は、常温で流動性を持った液状であり、その取り扱
い易さの面でその他のポリエステルポリオールに比べて
はるかに優れている。また、柔らかく、耐加水分解性に
優れたポリウレタンやポリエステルエラストマーを提供
する原料として有用であり、工業的規模で生産されてい
る。
トンの開環重合により得られるポリ(β−メチル−δ−
バレロラクトン)ポリオール(以下、PMVLと略記す
る)は、常温で流動性を持った液状であり、その取り扱
い易さの面でその他のポリエステルポリオールに比べて
はるかに優れている。また、柔らかく、耐加水分解性に
優れたポリウレタンやポリエステルエラストマーを提供
する原料として有用であり、工業的規模で生産されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】エチレングリコールや
ブタンジオールなどの活性水素原子を二個有する化合物
に、置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンを開環付
加させることによりポリエステルポリオールを得る反応
は、通常、硫酸、燐酸等の鉱酸、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属、水酸化ナトリウム、炭
酸カリウム、酸化カルシウム等のアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩および重炭酸塩、n
−ブチルリチウム等のアルキル金属化合物、p−トルエ
ンスルホン酸等の有機酸、酸性イオン交換樹脂、活性白
土等の固体酸、テトライソプロピルチタネート、テトラ
ブチルチタネート、テトラフェニル錫、テトラオクチル
錫、ジフェニル錫ジラウレート等の有機金属等の触媒の
存在下にて行われる。(特開昭60−55026号公
報、特開昭64−85968号公報) 一般に、生成した重合物が熱的に安定な場合には、反応
の際に使用した触媒が残存していても問題ない。しかし
ながら、上記公知の方法にしたがって得られるポリエス
テルポリオールは分子内に置換もしくは非置換のδ−バ
レロラクトンを含むために比較的熱力学的に不安定であ
り、そのために、反応の際に使用した触媒が残存してい
ると、保存中に安定性が損なわれたり、あるいはその後
該ポリエステルポリオールを用いて高分子物質を製造す
る際に望ましくない副反応を引き起こしたりする。これ
を防止するためには、得られたポリエステルポリオール
を水で洗浄するなどして触媒物質を除去することが考え
られるが、触媒成分を除くことは容易ではない。
ブタンジオールなどの活性水素原子を二個有する化合物
に、置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンを開環付
加させることによりポリエステルポリオールを得る反応
は、通常、硫酸、燐酸等の鉱酸、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属、水酸化ナトリウム、炭
酸カリウム、酸化カルシウム等のアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩および重炭酸塩、n
−ブチルリチウム等のアルキル金属化合物、p−トルエ
ンスルホン酸等の有機酸、酸性イオン交換樹脂、活性白
土等の固体酸、テトライソプロピルチタネート、テトラ
ブチルチタネート、テトラフェニル錫、テトラオクチル
錫、ジフェニル錫ジラウレート等の有機金属等の触媒の
存在下にて行われる。(特開昭60−55026号公
報、特開昭64−85968号公報) 一般に、生成した重合物が熱的に安定な場合には、反応
の際に使用した触媒が残存していても問題ない。しかし
ながら、上記公知の方法にしたがって得られるポリエス
テルポリオールは分子内に置換もしくは非置換のδ−バ
レロラクトンを含むために比較的熱力学的に不安定であ
り、そのために、反応の際に使用した触媒が残存してい
ると、保存中に安定性が損なわれたり、あるいはその後
該ポリエステルポリオールを用いて高分子物質を製造す
る際に望ましくない副反応を引き起こしたりする。これ
を防止するためには、得られたポリエステルポリオール
を水で洗浄するなどして触媒物質を除去することが考え
られるが、触媒成分を除くことは容易ではない。
【0005】酸性イオン交換樹脂、活性白土等の固体酸
触媒を用いてポリエステルポリオールを製造した場合に
は、濾過により簡便に触媒を除去することができるが、
微量の不純物の溶出を避けることが困難なため、やはり
保存中にポリエステルポリオールの安定性が損なわれた
り、あるいはその後の重合反応により高分子物質を製造
する際に望ましくない副反応を引き起こしたりする。
触媒を用いてポリエステルポリオールを製造した場合に
は、濾過により簡便に触媒を除去することができるが、
微量の不純物の溶出を避けることが困難なため、やはり
保存中にポリエステルポリオールの安定性が損なわれた
り、あるいはその後の重合反応により高分子物質を製造
する際に望ましくない副反応を引き起こしたりする。
【0006】そのため、例えば特開昭60−55026
号公報および特開昭64−85968号公報等に記載さ
れている触媒を用いてPMVLを製造する場合には、P
MVLを溶解し、かつ水と混和しない溶媒を用いて反応
を行ったのち、反応液を水で数回洗浄し、あるいは溶媒
の不存在下に反応を行い、反応液に溶媒を加えたのち水
で数回洗浄し、その後分液し、望ましくは減圧下で溶媒
および水を除去するという方法が採用されている。
号公報および特開昭64−85968号公報等に記載さ
れている触媒を用いてPMVLを製造する場合には、P
MVLを溶解し、かつ水と混和しない溶媒を用いて反応
を行ったのち、反応液を水で数回洗浄し、あるいは溶媒
の不存在下に反応を行い、反応液に溶媒を加えたのち水
で数回洗浄し、その後分液し、望ましくは減圧下で溶媒
および水を除去するという方法が採用されている。
【0007】しかし、この方法は触媒物質を除くための
専用設備を必要とし、あるいは該触媒物質を除去する際
に膨大な量の、しかも高いCOD値を示す排水を処理す
る必要があるなどの欠点を有している。しかも、この方
法は、使用する溶媒を回収、精製および貯蔵する設備を
必要とする。
専用設備を必要とし、あるいは該触媒物質を除去する際
に膨大な量の、しかも高いCOD値を示す排水を処理す
る必要があるなどの欠点を有している。しかも、この方
法は、使用する溶媒を回収、精製および貯蔵する設備を
必要とする。
【0008】開環付加重合物の利点としては、重縮合物
と異なり、製造中に水を副生しないために製品中に含有
される水の量が少なく、使用時の脱水操作が不要になる
点が挙げられるが、製品を水で洗浄すると、この利点も
なくなる。
と異なり、製造中に水を副生しないために製品中に含有
される水の量が少なく、使用時の脱水操作が不要になる
点が挙げられるが、製品を水で洗浄すると、この利点も
なくなる。
【0009】本発明の目的は、これらの問題点を解消し
て、置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンから重合
体を工業的に有利に製造する方法を提供することにあ
る。
て、置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンから重合
体を工業的に有利に製造する方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】従来、ピリジン、キノリ
ンなどの第3級アミン化合物系触媒を用いて置換もしく
は非置換のδ−バレロラクトンの開環付加反応を行った
場合には、該反応は起こらないとされていた。(講座重
合反応論7、三枝武夫著) 本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、pKa値が11以
上で、かつ分子内に活性水素を有しない第3級アミン化
合物を用いた場合には、工業的に満足しうる反応速度で
置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンの開環付加反
応が進行するだけでなく、置換もしくは非置換のδ−バ
レロラクトンを一成分として含む重合物中から蒸留によ
り容易に触媒成分を除去できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
ンなどの第3級アミン化合物系触媒を用いて置換もしく
は非置換のδ−バレロラクトンの開環付加反応を行った
場合には、該反応は起こらないとされていた。(講座重
合反応論7、三枝武夫著) 本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、pKa値が11以
上で、かつ分子内に活性水素を有しない第3級アミン化
合物を用いた場合には、工業的に満足しうる反応速度で
置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンの開環付加反
応が進行するだけでなく、置換もしくは非置換のδ−バ
レロラクトンを一成分として含む重合物中から蒸留によ
り容易に触媒成分を除去できることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、pKa値が11以上
で、かつ分子内に活性水素を有しない第3級アミン化合
物の存在下、一般式(1) HO−R1 −OH (1) (式中、R1 は低級アルキル基で置換されていてもよい
主鎖の炭素数が2〜10の炭化水素基を表す。)で示さ
れるグリコールに置換もしくは非置換のδ−バレロラク
トンを開環付加重合させることを特徴とするラクトン系
ポリエステルポリオールの製造方法を提供する。
で、かつ分子内に活性水素を有しない第3級アミン化合
物の存在下、一般式(1) HO−R1 −OH (1) (式中、R1 は低級アルキル基で置換されていてもよい
主鎖の炭素数が2〜10の炭化水素基を表す。)で示さ
れるグリコールに置換もしくは非置換のδ−バレロラク
トンを開環付加重合させることを特徴とするラクトン系
ポリエステルポリオールの製造方法を提供する。
【0012】本発明において用いられる上記第3級アミ
ン化合物の具体例としては、1,8−ジアザビシクロ
(5.4.0)ウンデセン−7(以下DBUと略記す
る)が挙げられる。第3級アミン化合物の好ましい使用
量は、置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンの重量
を基準にして0.001〜10重量%、好適には0.0
1〜2重量%である。
ン化合物の具体例としては、1,8−ジアザビシクロ
(5.4.0)ウンデセン−7(以下DBUと略記す
る)が挙げられる。第3級アミン化合物の好ましい使用
量は、置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンの重量
を基準にして0.001〜10重量%、好適には0.0
1〜2重量%である。
【0013】本発明において、前記一般式(1)で表さ
れるグリコールとしては数多くのものがあるが、具体的
にはエチレングリコール、プロピレングリコール、2−
メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2
−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナン
ジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグ
リコール等が挙げられる。
れるグリコールとしては数多くのものがあるが、具体的
にはエチレングリコール、プロピレングリコール、2−
メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2
−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナン
ジオール、1,10−デカンジオール、ネオペンチルグ
リコール等が挙げられる。
【0014】本発明において用いられるδ−バレロラク
トンは置換されていてもよく、その場合の置換基の例は
メチル基、エチル基等の低級アルキル基である。これら
の置換基を有するδ−バレロラクトンの具体例を挙げる
ならばβ−メチル−δ−バレロラクトン、β−エチル−
δ−バレロラクトン、γ,γ−ジメチル−δ−バレロラ
クトン等である。
トンは置換されていてもよく、その場合の置換基の例は
メチル基、エチル基等の低級アルキル基である。これら
の置換基を有するδ−バレロラクトンの具体例を挙げる
ならばβ−メチル−δ−バレロラクトン、β−エチル−
δ−バレロラクトン、γ,γ−ジメチル−δ−バレロラ
クトン等である。
【0015】本発明方法において、得られる重合物の分
子量は、置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンと前
記一般式(1)で表されるグリコールとのモル比を調節
することにより任意に調節することが可能である。
子量は、置換もしくは非置換のδ−バレロラクトンと前
記一般式(1)で表されるグリコールとのモル比を調節
することにより任意に調節することが可能である。
【0016】また、本発明にしたがう反応は、通常、窒
素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行わ
れる。この反応を行うにあたり、置換もしくは非置換の
δ−バレロラクトンおよびグリコールは、できる限り水
分含有量を低下させておくことが望ましい。また第3級
アミン化合物についても同様に水分含有量をできる限り
低くしておくことが望ましい。
素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行わ
れる。この反応を行うにあたり、置換もしくは非置換の
δ−バレロラクトンおよびグリコールは、できる限り水
分含有量を低下させておくことが望ましい。また第3級
アミン化合物についても同様に水分含有量をできる限り
低くしておくことが望ましい。
【0017】本反応は、通常、溶媒の存在下または不存
在下に、−20℃以上の温度で行われるが、ポリーδ−
バレロラクトンが熱的に必ずしも安定とは言えないた
め、200℃を越えない温度条件を選択するのがよく、
さらに好ましい温度条件は20℃〜80℃である。
在下に、−20℃以上の温度で行われるが、ポリーδ−
バレロラクトンが熱的に必ずしも安定とは言えないた
め、200℃を越えない温度条件を選択するのがよく、
さらに好ましい温度条件は20℃〜80℃である。
【0018】本反応は、通常、溶媒を用いないで実施さ
れるが、溶媒を用いて実施することもできる。この目的
に使用しうる溶媒は活性水素を保有しない有機溶媒であ
り、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。これらの
溶媒も使用する場合には、その使用に先立ってできる限
り水分含有量を低下させておくことが望ましい。
れるが、溶媒を用いて実施することもできる。この目的
に使用しうる溶媒は活性水素を保有しない有機溶媒であ
り、具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。これらの
溶媒も使用する場合には、その使用に先立ってできる限
り水分含有量を低下させておくことが望ましい。
【0019】本発明において、反応で得られる反応混合
物はそのまま次の反応の原料として使用することもでき
るが、触媒および未反応の置換もしくは非置換のδ−バ
レロラクトンを除去して、グリコールと置換もしくは非
置換のδ−バレロラクトンの付加物を精製して使用する
ことが望ましい。この反応混合物の処理は、例えば、該
反応混合物をそのまま薄膜蒸発装置を用いて減圧条件下
に処理することによりなしうる。その処理の際に回収さ
れた未反応の置換もしくは非置換のδ−バレロラクトン
および第3級アミン化合物はそのまま次の重合系に投入
することも可能である。
物はそのまま次の反応の原料として使用することもでき
るが、触媒および未反応の置換もしくは非置換のδ−バ
レロラクトンを除去して、グリコールと置換もしくは非
置換のδ−バレロラクトンの付加物を精製して使用する
ことが望ましい。この反応混合物の処理は、例えば、該
反応混合物をそのまま薄膜蒸発装置を用いて減圧条件下
に処理することによりなしうる。その処理の際に回収さ
れた未反応の置換もしくは非置換のδ−バレロラクトン
および第3級アミン化合物はそのまま次の重合系に投入
することも可能である。
【0020】本発明によるラクトン系ポリエステルポリ
オールの製造方法は、開始剤がグリコール類である場合
のみならずモノアルコール類やトリオール類などの水酸
基を有する化合物の場合にも広く適応できる。
オールの製造方法は、開始剤がグリコール類である場合
のみならずモノアルコール類やトリオール類などの水酸
基を有する化合物の場合にも広く適応できる。
【0021】以下、実施例により本発明を具体的に説明
する。 実施例1 温度計、滴下ロート、撹拌機、およびガス出入り口を備
えた内容500mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒
素ガスで充分置換した後、該フラスコにあらかじめ脱水
したエチレングリコール10.4gおよびあらかじめ脱
水したβ−メチル−δ−バレロラクトン400gを仕込
み、窒素雰囲気下撹拌しながら30℃のバスに浸した。
しかる後に、滴下ロートよりあらかじめ脱水した8gの
1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7
(サンアプロ社製)を速やかに加えた。滴下終了後、さ
らに30℃〜35℃で24時間撹拌を続けた。反応混合
物は粘調な液体となり、この重合物中のβ−メチル−δ
−バレロラクトンを液体クロマトグラフィーで分析した
ところ52.8gであった。
する。 実施例1 温度計、滴下ロート、撹拌機、およびガス出入り口を備
えた内容500mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒
素ガスで充分置換した後、該フラスコにあらかじめ脱水
したエチレングリコール10.4gおよびあらかじめ脱
水したβ−メチル−δ−バレロラクトン400gを仕込
み、窒素雰囲気下撹拌しながら30℃のバスに浸した。
しかる後に、滴下ロートよりあらかじめ脱水した8gの
1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7
(サンアプロ社製)を速やかに加えた。滴下終了後、さ
らに30℃〜35℃で24時間撹拌を続けた。反応混合
物は粘調な液体となり、この重合物中のβ−メチル−δ
−バレロラクトンを液体クロマトグラフィーで分析した
ところ52.8gであった。
【0022】得られた重合物をワイパー式薄膜蒸留装置
を用いて、180℃、1torr以下の条件下で処理し
て、無色透明の粘性のある液体335gを得た。
を用いて、180℃、1torr以下の条件下で処理し
て、無色透明の粘性のある液体335gを得た。
【0023】1H−NMRにより測定したところ、その
ケミカルシフトより、この液体はエチレングリコールに
β−メチル−δ−バレロラクトンが開環付加重合したポ
リエステルポリオールであることが確認された。
ケミカルシフトより、この液体はエチレングリコールに
β−メチル−δ−バレロラクトンが開環付加重合したポ
リエステルポリオールであることが確認された。
【0024】このものは、水酸基価56.3mgKOH
/g、酸価0.5mgKOH/gであることより分子量
は1975であった。
/g、酸価0.5mgKOH/gであることより分子量
は1975であった。
【0025】さらに、元素分析結果から残存N分は0.
02%であった。 実施例2 温度計、滴下ロート、撹拌機、およびガス出入り口を備
えた内容500mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒
素ガスで充分置換した後、該フラスコにあらかじめ脱水
した1,4−ブタンジオール15gおよびあらかじめ脱
水したδ−バレロラクトン400gを仕込み、窒素雰囲
気下撹拌しながら60℃のバスに浸した。しかる後に、
滴下ロートよりあらかじめ脱水した4gの1,8−ジア
ザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7(サンアプロ
社製)を速やかに加えた。滴下終了後、さらに60℃〜
65℃で24時間撹拌を続けた。反応混合物は粘調な液
体となり、この重合物中のβ−メチル−δ−バレロラク
トンを液体クロマトグラフィーで分析したところ79.
6gであった。
02%であった。 実施例2 温度計、滴下ロート、撹拌機、およびガス出入り口を備
えた内容500mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒
素ガスで充分置換した後、該フラスコにあらかじめ脱水
した1,4−ブタンジオール15gおよびあらかじめ脱
水したδ−バレロラクトン400gを仕込み、窒素雰囲
気下撹拌しながら60℃のバスに浸した。しかる後に、
滴下ロートよりあらかじめ脱水した4gの1,8−ジア
ザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7(サンアプロ
社製)を速やかに加えた。滴下終了後、さらに60℃〜
65℃で24時間撹拌を続けた。反応混合物は粘調な液
体となり、この重合物中のβ−メチル−δ−バレロラク
トンを液体クロマトグラフィーで分析したところ79.
6gであった。
【0026】得られた重合物をワイパー式薄膜蒸留装置
を用いて、180℃、1torr以下の条件下で処理し
て、無色透明の粘性のある液体314gを得た。
を用いて、180℃、1torr以下の条件下で処理し
て、無色透明の粘性のある液体314gを得た。
【0027】1H−NMRにより測定したところ、その
ケミカルシフトより、この液体は1,4−ブタンジオー
ルにδ−バレロラクトンが開環付加重合したポリエステ
ルポリオールであることが確認された。
ケミカルシフトより、この液体は1,4−ブタンジオー
ルにδ−バレロラクトンが開環付加重合したポリエステ
ルポリオールであることが確認された。
【0028】このものは、水酸基価56.5mgKOH
/g、酸価0.5mgKOH/gであることより分子量
は1970であった。
/g、酸価0.5mgKOH/gであることより分子量
は1970であった。
【0029】さらに、元素分析結果から残存N分は0.
02%であった。 比較例 温度計、滴下ロート、撹拌機、およびガス出入り口を備
えた内容500mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒
素ガスで充分置換した後、該フラスコにあらかじめ脱水
したエチレングリコール11gおよびあらかじめ脱水し
たβ−メチル−δ−バレロラクトン425gを仕込み、
窒素雰囲気下撹拌しながら60℃のバスに浸した。しか
る後に、滴下ロートより1mlの25%n−ブチルリチ
ウムのヘキサン溶液(日本アルキルアルミ社製)を速や
かに加えた。滴下終了後、発熱が認められたが、内温が
60℃〜65℃になってからさらに2時間撹拌を続け
た。
02%であった。 比較例 温度計、滴下ロート、撹拌機、およびガス出入り口を備
えた内容500mlのセパラブルフラスコを乾燥した窒
素ガスで充分置換した後、該フラスコにあらかじめ脱水
したエチレングリコール11gおよびあらかじめ脱水し
たβ−メチル−δ−バレロラクトン425gを仕込み、
窒素雰囲気下撹拌しながら60℃のバスに浸した。しか
る後に、滴下ロートより1mlの25%n−ブチルリチ
ウムのヘキサン溶液(日本アルキルアルミ社製)を速や
かに加えた。滴下終了後、発熱が認められたが、内温が
60℃〜65℃になってからさらに2時間撹拌を続け
た。
【0030】反応混合物は粘調な液体となり、この重合
物中のβ−メチル−δ−バレロラクトンを液体クロマト
グラフィーで分析したところ78.6gであった。得ら
れた重合液にトルエン500mlを加え、水250ml
で3回洗浄した。この操作時に生じた廃水はCODが1
880ppmと高いために焼却処分した。
物中のβ−メチル−δ−バレロラクトンを液体クロマト
グラフィーで分析したところ78.6gであった。得ら
れた重合液にトルエン500mlを加え、水250ml
で3回洗浄した。この操作時に生じた廃水はCODが1
880ppmと高いために焼却処分した。
【0031】水洗後の液はロータリーエバポレーターに
てトルエンを留去した後、ワイパー式薄膜蒸留装置を用
いて、180℃、1torr以下の条件下で処理して、
無色透明の粘性のある液体321gを得た。回収したト
ルエンは、酸価が0.5KOHmg/gと高くなったた
めに焼却処分した。
てトルエンを留去した後、ワイパー式薄膜蒸留装置を用
いて、180℃、1torr以下の条件下で処理して、
無色透明の粘性のある液体321gを得た。回収したト
ルエンは、酸価が0.5KOHmg/gと高くなったた
めに焼却処分した。
【0032】1H−NMRにより測定したところ、その
ケミカルシフトより、この液体はエチレングリコールに
β−メチル−δ−バレロラクトンが開環付加重合したポ
リエステルポリオールであることが確認された。
ケミカルシフトより、この液体はエチレングリコールに
β−メチル−δ−バレロラクトンが開環付加重合したポ
リエステルポリオールであることが確認された。
【0033】このものは、水酸基値56.0mgKOH
/g、酸価0.3mgKOH/gであることより分子量
は1993であった。さらに、原子吸光法によりLi含
有量は0.1ppm以下であった。
/g、酸価0.3mgKOH/gであることより分子量
は1993であった。さらに、原子吸光法によりLi含
有量は0.1ppm以下であった。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、グリコールに置換もし
くは非置換のδ−バレロラクトンを開環付加重合させる
反応を特定の第3級アミン化合物の存在下に実施するこ
とにより、工業的に満足しうる反応速度を達成すること
ができ、さらに触媒成分は重合物であるラクトン系ポリ
エステルポリオールから蒸留により容易に除去できるの
で、該ラクトン系ポリエステルポリオールの保存中にそ
の安定性が低下し、あるいはその後の重合反応により高
分子物質を製造する際に望ましくない副反応を引き起こ
したりするのを防止することができる。
くは非置換のδ−バレロラクトンを開環付加重合させる
反応を特定の第3級アミン化合物の存在下に実施するこ
とにより、工業的に満足しうる反応速度を達成すること
ができ、さらに触媒成分は重合物であるラクトン系ポリ
エステルポリオールから蒸留により容易に除去できるの
で、該ラクトン系ポリエステルポリオールの保存中にそ
の安定性が低下し、あるいはその後の重合反応により高
分子物質を製造する際に望ましくない副反応を引き起こ
したりするのを防止することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 pKa値が11以上で、かつ分子内に活
性水素を有しない第3級アミン化合物の存在下、一般式
(1) HO−R1 −OH (1) (式中、R1 は低級アルキル基で置換されていてもよい
主鎖の炭素数が2〜10の炭化水素基を表す。)で示さ
れるグリコールに置換もしくは非置換のδ−バレロラク
トンを開環付加重合させることを特徴とするラクトン系
ポリエステルポリオールの製造方法。 - 【請求項2】 置換もしくは非置換のδ−バレロラクト
ンがβ−メチル−δ−バレロラクトンである請求項1記
載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15618493A JP3235909B2 (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | ラクトン系ポリエステルポリオールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15618493A JP3235909B2 (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | ラクトン系ポリエステルポリオールの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06345857A true JPH06345857A (ja) | 1994-12-20 |
JP3235909B2 JP3235909B2 (ja) | 2001-12-04 |
Family
ID=15622203
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15618493A Expired - Fee Related JP3235909B2 (ja) | 1993-06-02 | 1993-06-02 | ラクトン系ポリエステルポリオールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3235909B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190073117A (ko) * | 2017-12-18 | 2019-06-26 | 한국생산기술연구원 | 개환반응을 통한 락톤계 중합체 및 그의 제조방법 |
WO2023068348A1 (ja) * | 2021-10-22 | 2023-04-27 | 株式会社クラレ | 樹脂組成物 |
-
1993
- 1993-06-02 JP JP15618493A patent/JP3235909B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190073117A (ko) * | 2017-12-18 | 2019-06-26 | 한국생산기술연구원 | 개환반응을 통한 락톤계 중합체 및 그의 제조방법 |
WO2023068348A1 (ja) * | 2021-10-22 | 2023-04-27 | 株式会社クラレ | 樹脂組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3235909B2 (ja) | 2001-12-04 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |