JPH06345835A - 架橋硬化樹脂 - Google Patents

架橋硬化樹脂

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JPH06345835A
JPH06345835A JP13759493A JP13759493A JPH06345835A JP H06345835 A JPH06345835 A JP H06345835A JP 13759493 A JP13759493 A JP 13759493A JP 13759493 A JP13759493 A JP 13759493A JP H06345835 A JPH06345835 A JP H06345835A
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JP
Japan
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meth
weight
acrylate
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cross
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Application number
JP13759493A
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English (en)
Inventor
Kenji Kushi
憲治 串
Masaharu Oda
雅春 小田
Juichi Fujimoto
寿一 藤本
Haruichi Nomi
晴一 乃美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルカリ現像可能で、且つ、硬化被膜の各種
性能、特に耐無電解金めっき性が優れたソルダーレジス
トとして好適な架橋硬化樹脂を提供する。 【構成】 (1)(a)特定の多価アルコールに、プロ
ピレンオキサイドを特定量付加した反応生成物に、(メ
タ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸クロライドを
反応させて得られる化合物を7〜36重量%、(b)特
定のウレタンジ(メタ)アクリレート化合物を7〜50
重量%、及び(c)1分子中に2個以上の(メタ)アク
リロイルオキシ基を有する上記(a)及び(b)以外の
ビニル基を2個以上有する不飽和単量体を35〜75重
量%、からなる架橋性単量体混合物、30〜60重量
部、(2)特定のカルボキシル基含有バインダー用重合
体、40〜70重量部、及び(3)光重合開始剤、0.
01〜10重量部からなる感光性樹脂組成物を硬化して
得られる鉛筆硬度H以上の架橋硬化樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、保護被膜、構造材料等
に有用な架橋硬化樹脂に関し、特に配線パターンを形成
したプリント配線板上に用いられるソルダーレジストと
して好適な架橋硬化樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印刷配線板製造業界において、印
刷配線板の永久保護被膜として、ソルダーレジストが広
く用いられている。
【0003】ソルダーレジストは、半田付け時の半田ブ
リッジの防止及び使用時の導体部の腐食防止と電気絶縁
性の保持を目的として利用されている。この使用目的か
らも明白なように、ソルダーレジストは過酷な条件下で
使用されるため、通常、下記の様な性能が要求される。
【0004】(イ)半田浸漬時(240〜280℃)の
基板に対する密着性の保持 (ロ)溶剤、薬品等に対する優れた耐性 (ハ)高湿度条件下での高い電気絶縁性の保持 これらの要求を満たすため、従来、熱硬化性インクある
いは光硬化性インクを基板上にスクリーン印刷し、硬化
することによりソルダーレジストを形成する方法が広く
用いられてきた。
【0005】しかしながら、近年、プリント配線板の高
密度化に伴い、スクリーン印刷方式のソルダーレジスト
形成法では、精度上の問題があり、対応しきれなくなっ
てきている現状にある。
【0006】この為、近年では、スクリーン印刷法に代
わり、高精度でパターン形成可能な感光性樹脂を用いた
方法が広く採用されつつある。
【0007】感光性樹脂を用いた方法に関しては、特開
昭51−15733号公報に見られるように、感光性樹
脂の有機溶剤溶液を基板上に塗布した後、熱により溶剤
を乾燥させて感光層を形成する方法が開示されている。
【0008】しかしながら、この方法では、部品の半田
付けをしない小径のスルーホールにテンティングができ
ないことや、パターン上の膜厚を十分に確保できないと
いった問題点があった。
【0009】このため、特開昭54−1018号公報に
提案されているようなドライフィルムレジストを用い、
特開昭52−52703号公報で提案されているような
減圧下での加熱圧着を行うことが好ましい方法と考えら
れていた。
【0010】しかしながら、パターン形成段階でアルカ
リ性現像液で現像でき、かつ最終硬化物がソルダーレジ
ストとしての必要性能、例えば密着性、表面硬度、耐熱
性を十分に満足させる架橋硬化樹脂は未だ得られていな
いのが現状である。
【0011】また、近年、電子機器の高密度化に伴い、
電子部品のプリント配線板への接続を、部品穴によら
ず、表面の接続パターンに、リード線なしで半田付けに
より直接接続する、いわゆる表面実装方式の採用が急速
に進んでおり、電気的に孤立したボンディングパッドを
持つプリント配線板が多くなりつつある。
【0012】これら孤立パッドの表面処理方法として
は、従来は240℃程度の溶融半田にプリント配線板を
浸漬後、高温の空気を吹き付けながら引き上げるいわゆ
るホットエアーレベリング法による溶融半田コートが主
流であったが、パッド間ピッチの狭小化が進むにつれ、
ホットエアーレベリング法をもってしても、半田膜厚に
斑ができたり、半田ブリッジを発生するようになってき
た。
【0013】そこで、最近は、均一な膜厚の得られる貴
金属の無電解めっきが注目されるようになっており、中
でも金は導電性、耐食性に優れていることから、高密度
基板の表面処理方法として無電解金めっき処理が行われ
ることが多くなってきた。
【0014】そこで、ソルダーレジストに要求される性
能として、前述した(イ)〜(ハ)に加えて、耐無電解
金めっき性が必要になってきた。
【0015】しかしながら、従来のソルダーレジスト形
成用アルカリ現像型ドライフィルムレジストでは高温、
酸性下の無電解金めっきの条件に十分耐え得るものは得
られておらず、めっき時に硬化レジストが剥離し、硬化
レジストと銅面間にめっき液が滲み込み、必要部以外に
もめっきされるいわゆるめっきもぐり現象がしばしば発
生していた。
【0016】そのため、配線パターンの全面に無電解金
めっき処理を施してからソルダーレジストを形成しなく
てはならず、本来ならば無電解金めっきを必要としない
銅回路部や、スルーホール部にまでも高価な金めっきを
付着させてしまうという問題点を有していた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、アルカリ現像可能で、且つ、硬化被膜の各種性
能、特に耐無電解金めっき性が優れたソルダーレジスト
として好適な架橋硬化樹脂を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、 (1)(a)1分子中にOH基を3個以上有する多価ア
ルコールに、プロピレンオキサイドを、該多価アルコー
ルのOH基1モル当たり5〜12モルの範囲で付加した
反応生成物に、(メタ)アクリル酸または(メタ)アク
リル酸クロライドを反応させて得られる化合物の少なく
とも1種を7〜36重量%、(b)ジイソシアネートに
ポリアルキレングリコールを反応させた後、水酸基含有
(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるウレ
タンジ(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種を
7〜50重量%、及び(c)1分子中に2個以上の(メ
タ)アクリロイルオキシ基を有する上記(a)及び
(b)以外のビニル基を2個以上有する不飽和単量体の
少なくとも1種を35〜75重量%、からなる架橋性単
量体混合物、30〜60重量部、 (2)α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体の少な
くとも1種を15〜30重量%なる範囲で他の共重合可
能な単量体85〜70重量%と共重合して得られるバイ
ンダー用重合体、40〜70重量部、及び (3)光重合開始剤、0.01〜10重量部 なる範囲で、前記(1)〜(3)成分の合計が100重
量部となるように配合されてなる感光性樹脂組成物を硬
化して得られる鉛筆硬度H以上の架橋硬化樹脂にある。
【0019】以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0020】本発明に使用する架橋性単量体混合物
(1)は、1分子中にOH基を3個以上有する多価アル
コールに、プロピレンオキサイドを、該多価アルコール
のOH基1モル当たり5〜12モルの範囲で付加した反
応生成物に、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリ
ル酸クロライドを反応させて得られる化合物(a)の少
なくとも1種を7〜36重量%、(b)ジイソシアネー
トにポリアルキレングリコールを反応させた後、水酸基
含有(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られる
ウレタンジ(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1
種を7〜50重量%、及び(c)1分子中に2個以上の
(メタ)アクリロイルオキシ基を有する上記(a)及び
(b)以外のビニル基を2個以上有する不飽和単量体の
少なくとも1種を35〜75重量%からなるものであ
る。
【0021】化合物(a)を得るために使用される多価
アルコールは、1分子内にOH基を3個以上有している
物であり、例えば、グリセリン、トリメチロールメタ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール等が挙げられ、これらが数モル縮
合した化合物、例えばトリメチロールエタンの2量体等
も使用可能である。
【0022】また、これらの多価アルコールは、分子内
のOH基のうち3個以上がOH基として存在していれ
ば、他のOH基はアルコキシ基、アシルオキシ基等のよ
うに置換されていてもよい。
【0023】上記多価アルコールと反応させるプロピレ
ンオキサイドの添加モル数は、多価アルコールのOH基
1モル当たり5〜12モルである。プロピレンオキサイ
ドは、反応させる多価アルコールのOH基1モル当たり
5〜12モルの量を添加して反応させればよく、OH基
1個に対するプロピレンオキサイドの付加個数が、該多
価アルコール中のOH基の間で異なっていても良い。
【0024】該プロピレンオキサイドの添加モル数が、
OH基1モル当たり5モル未満であるような(メタ)ア
クリレート化合物を用いて得た架橋硬化樹脂では優れた
耐無電解金めっき性は得られない。一方、プロピレンオ
キサイドの添加モル数がOH基1モル当たり12モルを
越えるような(メタ)アクリレート化合物を用いて得た
感光性樹脂組成物を硬化して得られる架橋硬化樹脂で
は、硬化物の架橋密度が低くなりすぎて、耐薬品性が低
下したり、溶融半田浸漬時に十分な密着性(以下、半田
耐熱性と略す)を保持できなくなったりする。
【0025】本発明においては、架橋性単量体混合物
(1)として、上記化合物(a)に更にウレタンジ(メ
タ)アクリレート化合物(b)と、1分子中に2個以上
の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する架橋性単量体
(c)を特定の割合で配合することが必要不可欠であっ
て、このことにより従来技術では達成できなかった優れ
た半田耐熱性、耐溶剤性、電気絶縁性、アルカリ現像
性、耐無電解金めっき性を同時に満足させることができ
る架橋硬化樹脂を得ることができる。
【0026】その詳細な機構は十分には解明できていな
いが、本発明の架橋硬化樹脂は、化合物(a)を特定量
使用することによって、感光性樹脂組成物が適度にゆる
やかな架橋密度でかつ均一に硬化するために、得られる
架橋硬化樹脂中の残留応力が少なくなり、且つ得られる
架橋硬化樹脂が適度に柔軟になり、めっき析出反応中に
めっきレジストに加わる種々の応力に耐えられるように
なり、耐めっき性が向上したものと考えられる。
【0027】本発明において使用する化合物(a)は、
架橋性単量体混合物(1)中に7〜36重量%含有され
る。化合物(a)の含有量が7重量%未満の場合には、
本発明の目的とする優れた耐無電解金めっき性を有する
架橋硬化樹脂は得られない。一方、化合物(a)の含有
量が36重量%を越える場合は、硬化物の架橋密度が低
くなりすぎて、架橋硬化樹脂の耐薬品性、半田耐熱性、
高湿度下での電気絶縁性が大幅に低下する。
【0028】本発明に使用されるウレタンジ(メタ)ア
クリレート化合物(b)を得るために使用されるジイソ
シアネートとしては、トリレンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、4,4−ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジ
イソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネ
ート等の少なくとも1種が使用可能であるが、架橋硬化
樹脂の柔軟性及び耐無電解金めっき性の点で脂肪族又は
脂環式であることが好ましい。
【0029】また、ポリアルキレングリコールとして
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等が使用可能であ
り、これらを2種以上組み合わせてもよいし、アルキレ
ン部が2種以上のアルキレン基でできているポリアルキ
レングリコールを使用しても良い。
【0030】該ポリアルキレングリコールのアルキレン
基の炭素数は平均して3個以上であることが好ましい。
アルキレン基の炭素数が平均して3個未満の場合、得ら
れるウレタンジアクリレート化合物の親水性が上がるた
め、該化合物を配合した感光性樹脂組成物のアルカリ現
像性は向上するが、それらの感光性樹脂を硬化させて得
られる架橋硬化樹脂の電気絶縁性は低下する傾向にあ
る。
【0031】また、水酸基含有(メタ)アクリレート化
合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等
が挙げられる。
【0032】ウレタンジ(メタ)アクリレート化合物
(b)は架橋性単量体混合物(1)中に7〜50重量%
含有される。ウレタンジ(メタ)アクリレート化合物
(b)の含有量が7重量%未満の場合には、得られる架
橋硬化樹脂では本発明の目的とする優れた耐無電解金め
っき性は得られない。一方、該化合物(b)の含有量が
50重量%を越える場合には、得られる架橋硬化樹脂で
は硬化物の架橋密度が低くなりすぎて、耐薬品性、半田
耐熱性、高湿度下での電気絶縁性が大幅に低下する。
【0033】ウレタンジ(メタ)アクリレート化合物
(b)の効果についての詳細な機構は十分には解明でき
ていないが、該化合物(b)を特定量使用することによ
って、得られる架橋硬化樹脂に強靱性が発現し、更に化
合物(a)と単量体(c)とのバランスをとらせること
によって、無電解金めっき析出の際に加わる種々の応力
に耐える十分な可撓性及び強靱性を発現し得るようにな
ったものと考えられる。
【0034】本発明に用いられるビニル基を2個以上有
する不飽和単量体(c)の具体例としては、1,3−ブ
タンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタ)
アクリロイルオキシポリエトキシフェニル]プロパン、
2,2−ビス[4−(メタ)アクリロイルオキシポリプ
ロピレンオキシフェニル]プロパン、ヒドロキシピバリ
ン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリス[エトキシ(メ
タ)アクリレート]、トリメチロールプロパントリス
[ジエトキシ(メタ)アクリレート]、トリメチロール
プロパントリス[トリエトキシ(メタ)アクリレー
ト]、イソシアヌル酸トリエチロールジ(メタ)アクリ
レート、イソシアヌル酸トリエチロールトリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレー
ト、及びエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げら
れ、これらは1種または2種以上を混合して使用するこ
とができる。
【0035】該不飽和単量体(c)は、架橋性単量体混
合物(1)中に35〜75重量%含有される。不飽和単
量体(c)の含有量が35重量%未満の場合には、得ら
れる架橋硬化樹脂の架橋密度が低くなりすぎて、耐薬品
性、半田耐熱性、高湿度下での電気絶縁性が大幅に低下
する。一方、不飽和単量体(c)の含有量が75重量%
を越える場合には、得られる架橋硬化樹脂の架橋密度が
高くなりすぎて、重合収縮による歪が残り、めっき析出
時の応力に耐えられなくなり、耐無電解金めっき性が大
幅に低下する。
【0036】本発明において使用する架橋性単量体混合
物(1)は、本発明に使用する感光性樹脂組成物100
重量部中に30〜60重量部含有される。架橋性単量体
混合物(1)の含有量が30重量部未満では、架橋硬化
樹脂の架橋密度が低くなりすぎて耐溶剤性が低下する。
一方、架橋性単量体混合物(1)の含有量が60重量部
を越える場合には、ドライフィルムレジストとしたとき
にコールドフローが発生しやすくなったり、架橋硬化樹
脂の架橋密度が高くなりすぎて、硬化物の歪が大きくな
り、耐無電解金めっき性、半田耐熱性等が低下する。
【0037】本発明に使用する感光性樹脂組成物を構成
するバインダー用重合体(2)は、炭酸ナトリウム等の
アルカリ希薄水溶液で現像できるよう、α,β−不飽和
カルボキシル基含有単量体の少なくとも1種を共重合体
成分として15〜30重量%なる範囲で共重合させるこ
とが必要である。
【0038】該単量体の具体例としては、例えば(メ
タ)アクリル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、ソルビン酸、
イタコン酸、プロピオール酸、マレイン酸、フマル酸等
が挙げられ、また、これらの半エステル類または無水物
も使用可能である。
【0039】これらのうち最も好ましい化合物はアクリ
ル酸およびメタクリル酸である。
【0040】バインダー用重合体(2)中の該単量体の
含有量としては、15〜30重量%の範囲となるように
用いることが必要である。15重量%未満ではアルカリ
水溶液によって現像ができないか、又は現像時間が長く
なりすぎて解像度の低下を引き起こし、好ましくない。
一方、30重量%を越えた場合には、硬化後の架橋硬化
樹脂の吸水率が大きくなり、高湿度条件下での電気絶縁
性が大幅に低下する。
【0041】バインダー用重合体(2)の別の構成成分
である上記単量体以外の共重合可能な単量体としては、
特に限定されるものではなく、目的に応じて任意に選択
することが出来るが、具体的な例として、例えば、アル
キル基が1〜8個の炭素原子を有するアルキルアクリレ
ート及びヒドロキシアルキル基が2〜8個の炭素原子を
有するヒドロキシアルキルアクリレートより成る群から
選ばれる一種以上の化合物から成る第2重合性化合物1
0〜40重量%と、アルキル基が1〜8個の炭素原子を
有するアルキルメタクリレート及びヒドロキシアルキル
基が2〜8個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルメ
タクリレートより成る群から選ばれる1種以上の化合物
から成る第3重合性化合物30〜70重量%からなるも
のが挙げられる。
【0042】上記構成において使用される第2重合性化
合物の具体例としては、メチルアクリレート、エチルア
クリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピル
アクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチ
ルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げら
れる。これらの化合物のうち最も好ましい化合物は、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルア
クリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートであ
る。
【0043】これらアクリレート型成分は、本発明にお
ける感光性樹脂組成物に適度な柔軟性を付与するため、
バインダー用熱可塑性重合体に10〜40重量%の範囲
となるように共重合させることが望ましく、さらに好ま
しい範囲は15〜35重量%である。アクリレート型成
分の含有量が10重量%未満のものでは十分に柔軟性の
あるドライフィルムレジストが得られにくく、基材への
密着性、基材表面の凹凸へのレジスト樹脂の埋まり込み
性が不十分で、レジストの耐めっき性や耐熱性が低下す
る傾向がある。一方、前記第2の重合性化合物の共重合
量が40重量%を越えたものは、逆にレジスト樹脂が柔
らかくなり過ぎ易く、得られるドライフィルムレジスト
をロールに巻いて保存する際にレジスト樹脂が支持フィ
ルムの間から経時的に滲み出る、いわゆるコールドフロ
ー現象の原因となり易く、また、硬化後の架橋硬化樹脂
の耐溶剤性の低下を引き起こし易い。
【0044】また、上記の第3重合性化合物は、アルキ
ルアクリレートまたはヒドロキシアルキルアクリレート
と相まってバインダー用熱可塑性重合体に適度なTg
(ガラス転移温度)を与えるために使用される。これら
の化合物の例としては、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプ
ロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、s
ec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタ
クリレート等が挙げられる。これらの化合物のうち最も
好ましい化合物はメチルメタクリレートである。これら
メタクリレート成分は、バインダー用熱可塑性共重合体
中30〜70重量%の範囲となるように共重合させるこ
とが望ましく、さらに好ましい範囲は35〜65重量%
である。
【0045】本発明においては、硬化後の架橋硬化樹脂
に耐溶剤性および高湿度下での高い電気絶縁性を付与す
る目的で、下記一般式で示される化合物及びその環置換
誘導体より成る群から選ばれる1種以上の化合物から成
る単量体をバインダー用重合体(2)に共重合させても
良い。
【0046】
【化1】
【0047】(式中、R1 は水素、1〜6個の炭素原子
を有するアルキル基を表わす) 上記一般式で示される化合物のベンゼン環の置換基とし
ては、ニトロ基、アルコキシ基、アシル基、カルボキシ
ル基、スルホン基、ヒドロキシル基、ハロゲン等が挙げ
られ、置換基の数は5個までのいずれであってもよい。
好ましい置換基は、メチル基、t−ブチル基等の単一の
アルキル基である。また、一般式で示される化合物とし
て最も好ましいのはスチレンである。
【0048】更に、バインダー用重合体(2)を架橋硬
化樹脂の架橋構造に組み込み、より高度な耐溶剤性、耐
熱性、及び高い電気絶縁性を付与する目的で、熱架橋成
分としてグリシジルメタクリレート、メチロールアクリ
ルアミド、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド等の単量体をバインダー用重合体(2)に共重合させ
ても良い。
【0049】バインダー用重合体(2)は、重量平均分
子量が50,000〜200, 000の範囲のものが好
ましい。重量平均分子量が50, 000未満のものは、
ドライフィルムレジストとした際にコールドフロー現象
を起こしやすく、また、重量平均分子量が200, 00
0を超えるものでは未露光部のアルカリ現像液に対する
溶解性が不足し、その現像性が劣り、現像時間が極めて
長くかかりすぎ、解像度の低下を引き起こしがちであ
る。
【0050】本発明において使用するバインダー用重合
体(2)は、感光性樹脂組成物100重量部中に40〜
70重量部含有される。バインダー用重合体(2)の含
有量が40重量部未満の感光性樹脂組成物では、得られ
るドライフィルムレジストの感光層のフィルム形成性が
損われ、十分な膜強度が得られず、コールドフローが発
生し易い。一方、バインダー用重合体(2)の含有量が
70重量部を超えた場合には、耐溶剤性が低下する。
【0051】本発明に使用する感光性樹脂組成物を光重
合させるための光重合開始剤(3)としては、紫外線、
可視光線等の光源に合わせて従来公知のものが使用でき
る。
【0052】紫外線用開始剤の具体例としては、ベンゾ
フェノン、ミヒラーズケトン、4,4−ビス(ジエチル
アミノ)ベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、
2−エチルアントラキノン、チオキサントン類、ベンゾ
インアルキルエーテル類、ベンジルジメチルケタール類
等公知のものを用いることができ、これらは2種以上を
併用してもよい。
【0053】光重合開始剤(3)は、本発明に使用する
感光性樹脂組成物100重量部中に0.01〜10重量
部含有される。0.01重量部未満の場合には、十分に
光硬化せず、一方10重量部を越える場合には熱的に不
安定になる。
【0054】本発明に使用する感光性樹脂組成物は、特
に銅等の金属との密着性が必要とされる場合、その他の
成分として密着促進剤を、感光性樹脂組成物100重量
部に対して添加することができる。
【0055】密着促進剤の具体例としては、ベンゾトリ
アゾール、トリルトリアゾール、カルボキシベンゾトリ
アゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ロ
ーダニン、5−フェニル−1H−テトラゾール、1−フ
ェニル−5−メルカプトテトラゾール、1−メチル−5
−メルカプトテトラゾール、5−メルカプトテトラゾー
ル、5−アミノテトラゾール等を挙げることができる
が、5−アミノテトラゾールを主成分とする密着促進剤
が基板に対する密着性向上の点で好ましい。
【0056】5−アミノテトラゾールに併用できる化合
物としては、例えば5−アミノテトラゾール以外のテト
ラゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘
導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体等、金
属と配位結合を形成しやすい元素を含有する複素環式化
合物を用いることができる。
【0057】密着促進剤の添加量としては、耐無電解金
めっき性及び半田耐熱性の点から0.005重量部以上
が好ましい。また、溶解性及びコストの点から5重量部
以下が好ましい。
【0058】尚、本発明における感光性樹脂組成物をプ
ラスチック成形品、ガラス基板等の保護膜として用いる
場合や、光学部品のスペーサー等の構造材料として用い
る場合には上記の密着促進剤は不要である。
【0059】本発明に使用する感光性樹脂組成物には、
必要に応じて熱重合禁止剤、染料、難燃剤、可塑剤及び
充填剤等の各種添加剤を添加することもできる。
【0060】本発明の目的とする架橋硬化樹脂を得るた
めには、前記特定の感光性樹脂組成物を使用し、鉛筆硬
度H以上の性能を与えるように硬化を充分に進めること
が必要である。すなわち、硬化を十分に進行させて初め
て架橋硬化樹脂として、そしてソルダーレジストとして
必要とされる基材への密着性、半田耐熱性、耐溶剤性、
耐無電解金めっき性等が確保できる。一方、鉛筆硬度H
未満での硬化状態では、前記感光性樹脂組成物を使用し
てもソルダーレジストとして要求される各種性能を満足
させることはできない。
【0061】ここで鉛筆硬度とは、JIS K5400
の6.14に記載の方法に従って測定された値である。
【0062】鉛筆硬度がH以上となるように硬化を充分
に進めるための方法としては、従来、塗料等の分野で、
公知である各種の方法を用いることができる。使用でき
る方法の例としては、高圧水銀灯等による紫外線照射、
アルゴンレーザー等による可視光線照射等が挙げられる
が、目的に応じて加熱処理と組み合わせてもよい。
【0063】尚、紫外線照射の場合の紫外線照射エネル
ギーとしては、0.5J/cm2 〜10J/cm2 の範
囲で使用することが好ましいが、紫外線照射により基材
やソルダーレジストの温度が過度に上昇する場合には、
数回に分けて照射することが好ましい。
【0064】更に、紫外線照射処理と併用される加熱処
理は、重合収縮による歪の緩和等に効果がある。加熱方
法としては、例えば、遠赤外線加熱や加熱炉等が使用で
きるが、加熱炉を用いる場合には、100℃〜180℃
の範囲で、2時間以下の範囲で実施することが好まし
い。
【0065】本発明に使用する感光性樹脂組成物を用い
て、ソルダーレジスト等用の架橋硬化樹脂を形成するに
は、先ず、基体上に感光性樹脂組成物からなる感光層を
形成する。
【0066】感光層の形成方法としては、上述したよう
に感光性樹脂組成物の有機溶剤溶液を塗布した後に溶剤
を揮散させる方法、又は、感光性樹脂組成物を2枚のフ
ィルムの間に挟んだ構造のドライフィルムレジストと
し、一方のフィルムを剥離した後、基板に熱的に圧着さ
せる方法の2種があるが、ドライフィルムレジストを用
いる方法が工業的には好ましい。
【0067】また、このドライフィルムレジストの熱圧
着の際、配線パターンによる凹凸のある面への追従性を
より向上させるため、減圧条件下での熱圧着を行なうこ
とが好ましい。
【0068】次に、パターンを形成させるために感光層
の露光を行なう。露光の方法としては、既に公知である
各種の方法を用いることができるが、例えば、紫外線露
光法、可視光露光法を用いることができる。また、露光
を選択的に行なう方法としては、フォトマスクを使用す
る方法や走査露光方法等を用い得る。
【0069】次にアルカリ現像液を用いて未硬化部分
(未露光部分)の除去を行なう。アルカリ現像液として
は、例えば炭酸ナトリウム水溶液、リン酸ナトリウム水
溶液、炭酸カリウム水溶液を用いることができ、これら
の水溶液に少量の消泡剤や界面活性剤を添加することも
可能である。また、除去方法として、最も一般的にはス
プレー法が使用されるが、その一部を浸漬法で代替させ
ることも可能である。
【0070】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳しく説明
する。
【0071】〔化合物(a)(A−1〜A−6)の合
成〕 <合成例1>攪拌機、Dean−Stark水分離器、
空気吹き込み管及び温度計を備えた3lの3つ口フラス
コに、トルエン950g、P−メトキシフェノール0.
4g、アクリル酸200g、トリメチロールプロパンの
プロピレンオキサイド25モル反応物1220g、及び
P−トルエンスルホン酸一水塩94gを入れた。
【0072】次に空気を少量ずつ吹き込みながら、フラ
スコ内の圧力を300Torrとし、攪拌しながら油浴
の温度を110℃に上げると、還流が始まり、共沸され
た水がDean−Stark水分離器に溜まり始めた。
そして新たな水の留出がなくなるまでそのままの状態で
13時間反応させた。
【0073】その後、フラスコ内温度を室温まで降温
し、反応混合物にヘキサン4700gを加え、10重量
%水酸化ナトリウム水溶液、続いて水で洗浄した後、低
沸点成分を蒸留して除去し、トリメチロールプロパンの
プロピレンオキサイド25モル反応物のアクリレート
(A−1)を得た。収率は86%であった。
【0074】<合成例2〜6>合成例1と同様の方法
で、表1に示す割合で多価アルコールとアクリル酸を反
応させて、表2に示す化合物(a)(A−2〜A−6)
を得た。
【0075】〔ウレタンジアクリレート化合物(b)
(UA−1〜UA−4)の合成〕 <合成例7〜10>表3に示す量のジイソシアネート成
分と、ジイソシアネート1モルに対して100gのメチ
ルエチルケトンとの混合溶液に、ジイソシアネート成
分、ジオール成分、アクリレート成分の合計量100重
量部当たり0.02重量部となる量のジブチル錫ジラウ
レートを添加し、40℃に保ちつつ、表3に示す量のジ
オール成分を滴下し、充分な時間反応させた後、ジイソ
シアネート成分、ジオール成分、アクリレート成分の合
計量100重量部当たり0.1重量部となる量のハイド
ロキノンを溶解させた、表3に示す量のアクリレート成
分を適下して、更に充分な時間、75℃で加熱攪拌を続
け、ウレタンアクリレート溶液(UA−1〜UA−4)
を得た。
【0076】〔バインダー用重合体(2)(P−1〜P
−5)の合成〕 <合成例11〜15>窒素導入口、攪拌機、コンデンサ
ー及び温度計を備えた1000mlの4つ口フラスコ
に、窒素雰囲気下で、イソプロピルアルコール100
g、メチルエチルケトン100g及び表4に記載した重
量比の単量体混合物200gを添加し、攪拌しながら湯
浴の温度を80℃に上げた。
【0077】次いで、アゾビスイソブチロニトリル1.
0gを10gのイソプロピルアルコールに溶解して添加
し、4時間重合した。
【0078】次いで、1.0gのアゾビスイソブチロニ
トリルを10gのイソプロピルアルコールに溶解したも
のを30分おきに5回に分けて添加した後、フラスコ内
の温度を溶剤の沸点まで上昇させ、その温度で2時間重
合させた。
【0079】重合終了後、イソプロピルアルコール10
0gを添加して、重合反応物をフラスコより取り出し、
バインダー用重合体溶液を調整した。
【0080】尚、各組成における単量体混合物の重合率
はいずれも99.5%以上であった。また、バインダー
用重合体溶液中の固形分量はいずれも38.7%であっ
た。
【0081】〔アルカリ現像型ドライフィルムレジスト
の作製〕合成例で得た化合物(a)(A−1〜A−
6)、化合物(b)(UA−1〜UA−4)を含有した
架橋性単量体混合物、バインダー用重合体(2)溶液
(P−1〜P−5)、ベンジルジメチルケタール、5−
アミノテトラゾール、及びその他の成分を配合させて、
表5及び表6に示すような感光性樹脂組成物溶液を得
た。
【0082】次いで、この感光性樹脂組成物溶液を、厚
み25μmのポリエステル上に乾燥後の厚みが75μm
となるように塗工し、トンネル型乾燥炉(40℃×3
m、60℃×3m、90℃×3m)の中を1m/min
の速度で通して溶剤を乾燥させ、更にその上に30μm
のポリエチレンフィルムを重ねた後、両端をスリット
し、幅300mm、長さ100mをロールに巻きとり、
ドライフィルムレジストを作製した。
【0083】[実施例1〜9および比較例1〜13]前
述の方法で作製した各種アルカリ現像性ドライフィルム
レジストを用いて、下記の方法にて架橋硬化樹脂を形成
し、その性能について下記の評価を行なった。
【0084】使用したドライフィルムレジスト、後硬化
方法、鉛筆硬度及び性能評価結果を表6及び表7に示し
た。
【0085】〔テスト用プリント配線基板〕ソルダーレ
ジストとしての性能評価用として、下記のプリント配線
基板を用いた。 ・銅スルーホール両面基板 ・基材:1.6mmガラスエポキシ基材 ・銅パターンの高さ、55μm ・配線密度、ピン間2本通し ・5cm×5cm以上の銅ベタ部分のあるもの 〔架橋硬化樹脂の形成方法〕 (1)ラミネート 真空ラミネータHLM−V570(日立コンデンサー
(株)製)を用い、上記のプリント配線板上にドライフ
ィルムレジストを、下記のラミネート条件下でラミネー
トした。
【0086】基板予熱ローラー温度 120℃ ヒートシュー温度 100℃ ラミネート圧力(シリンダー圧) 5kgf/cm2 真空チャンバー内の圧力 10mmHg ラミネート速度 0.8m/min (2)露光 ドライフィルムレジストをラミネートした基板の両面に
ソルダーレジスト用フォトマスクを重ね、ドライフィル
ムレジスト用露光機HTE−106((株)ハイテック
製)を用い、25段ステップタブレット(三菱レイヨン
(株)製)で、15段残りとなるように露光した。
【0087】(3)現像 露光後の基板から支持フィルムを剥離し、コンベア式現
像機にて、30℃、1%炭酸ナトリウム水溶液でスプレ
ー現像を行なった。
【0088】この際の未露光部分が完全に現像除去でき
る時間を「最少現像時間」として、その後の処理及び評
価は最少現像時間の2倍の時間現像したものを用いた。
【0089】(4)水洗・乾燥 現像後の基板に、室温で、市水を1分間スプレーした
後、エアーナイフで基板上の水を除去し、更に70℃で
5分間乾燥した。
【0090】(5)後硬化 下記(イ)〜(ロ)のいずれかの方法により、後硬化を
行なった。尚、表7及び表8中の後硬化方法の欄の
(イ)〜(ロ)の表示は下記(イ)〜(ロ)の表示に対
応している。
【0091】(イ)高圧水銀ランプによる紫外線照射、
1J/cm2 ×3回の後、150℃1時間の熱処理。 (ロ)なし。 〔評価方法〕 (1)鉛筆硬度の測定 JIS K5400の6.14に記載の方法に従い、鉛
筆硬度を測定した。
【0092】(2)コールドフロー性 幅300mm、長さ100mのロールに巻き取ったドラ
イフィルムレジストを、23℃、60%RHの暗所に5
日間放置した後、端面からの樹脂の滲み出し(コールド
フロー)の有無を目視で調べた。 ○…コールドフローなし ×…コールドフローあり (3)うまり込み性 架橋硬化樹脂形成後の基板を実体顕微鏡にて観察し、架
橋硬化樹脂と基板との間の空気だまりの有無を調べた。 ○…空気だまりなし ×…空気だまりあり (4)密着性 銅上に形成されたソルダーレジストに、カッターナイフ
にて2mm角のごばん目100個(10×10)を作
り、積水化学製セロハン粘着テープを完全に密着させた
後、テープの一端を基板面に直角に保ち、瞬間的に引き
離した後、銅上に残留したソルダーレジスト面積を調べ
た。 ◎…95%以上残留 ○…90%以上、95%未満残留 ×…残留90%未満 (5)半田耐熱性 融点が共晶点となるSn−Pb比である半田の260℃
融液中に、ソルダーレジストを形成させた基板を10秒
間浸漬し、ソルダーレジストの「ふくれ」「はがれ」の
有無を調べた。 ○…ふくれ・はがれ なし ×…ふくれ・はがれ あり (6)耐溶剤性 ソルダーレジストを形成した基板を室温にて塩化メチレ
ン中に浸漬し、ソルダーレジストの「ふくれ」「はが
れ」の有無を調べた。 ◎…10分浸漬 ふくれ・はがれ なし ○…5分浸漬 ふくれ・はがれ なし ×…5分浸漬 ふくれ・はがれ あり (7)高湿度条件下の電気絶縁性 IPC−SM840B記載のIPC−B−25多目的用
テストパターンに、ソルダーレジストを形成させた後、
くし型パターンBに配線を行なって、下記クラス3の条
件下、7日間100V直流を通じた後、電気絶縁計にて
印加電圧500VDCにて1分後の絶縁抵抗値の測定を
行なった。
【0093】<クラス3条件> ・8時間サイクル全期間湿度90%以上 ・1時間45分かけて25℃から65℃に昇温 ・4時間30分、65℃で一定 ・1時間45分かけて、65℃から25℃に降温 ◎…5×109 Ω以上 ○…5×108 〜5×109 Ω ×…5×108 Ω未満 (8)現像必要時間 前記アルカリ現像液による現像工程において、必要とさ
れる秒数から求めた。 ◎90秒未満 ○90秒〜120秒 ×120秒以上 (9)耐無電解金めっき性 銅張積層板上にソルダーレジストを形成させた後、下記
(i)〜(viii)に示す無電解金めっきプロセスに
て銅上に無電解金めっきを実施し、テープ剥離テストに
より耐無電解金めっき性を評価した。
【0094】(i)10体積%のICPクリーン91
(奥野製薬工業(株)製脱脂液商品名)水溶液に、34
℃で1分間浸漬した後、水洗を1分間行った。
【0095】(ii)15重量%過硫酸アンモニウム水
溶液に30℃で1分間浸漬した後、水洗を1分間行っ
た。
【0096】(iii)10体積%の硫酸水溶液に30
℃で1分間浸漬した後、水洗を1分間行った。
【0097】(iv)3.5重量%の塩酸水溶液に30
℃で1分間浸漬した後、水洗を1分間行った。
【0098】(v)20体積%のICPアクセラ(奥野
製薬工業(株)製活性化液商品名)水溶液に30℃で1
分間浸漬した後、水洗を1分間行った。
【0099】(vi)奥野製薬工業(株)製無電解ニッ
ケルめっき液「ICPニコロンUSD」に85℃で15
分間浸漬し、銅上に無電解ニッケルめっきを約3μm析
出させた後、水洗を1分間行った。
【0100】(vii)5重量%の塩酸水溶液に34℃
で1分間浸漬した後、水洗を1分間行った。
【0101】(viii)奥野製薬工業(株)製無電解
金めっき液「OPCムデンゴールド」の10体積%水溶
液に85℃で4分間浸漬し、無電解ニッケルめっき上に
無電解金めっきを約0.03μm析出させた後、水洗を
1分間行った。
【0102】その後、顕微鏡を用いてめっきもぐりの有
無を観察し、ソルダーレジストと無電解金めっきパター
ンの境界に、積水化学製セロハン粘着テープを完全に密
着させた後、テープの一端を基板面に直角に保ち、瞬間
的に引き離した後、剥離したソルダーレジストの有無を
調べた。
【0103】◎…めっきもぐりもレジスト剥離もなし ○…めっきもぐりはあるがレジスト剥離がない ×…めっきもぐりもレジスト剥離もあり
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
【表3】
【0107】
【表4】
【0108】
【表5】
【0109】
【表6】
【0110】
【表7】
【0111】
【表8】
【0112】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明で得られる
架橋硬化樹脂は、アルカリ現像可能で、且つ、硬化被膜
の各種性能、特に耐無電解金めっき性が優れていること
から、特に、ソルダーレジストとして好適であり、プリ
ント配線板等の電子分野において各種の新規なプロセス
開発の大きな武器となり得るものであり、その効果は極
めて大きいものである。
フロントページの続き (72)発明者 乃美 晴一 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)(a)1分子中にOH基を3個以上
    有する多価アルコールに、プロピレンオキサイドを、該
    多価アルコールのOH基1モル当たり5〜12モルの範
    囲で付加した反応生成物に、(メタ)アクリル酸または
    (メタ)アクリル酸クロライドを反応させて得られる化
    合物の少なくとも1種を7〜36重量%、(b)ジイソ
    シアネートにポリアルキレングリコールを反応させた
    後、水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させ
    て得られるウレタンジ(メタ)アクリレート化合物の少
    なくとも1種を7〜50重量%、及び(c)1分子中に
    2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する上記
    (a)及び(b)以外のビニル基を2個以上有する不飽
    和単量体の少なくとも1種を35〜75重量%、 からなる架橋性単量体混合物、30〜60重量部、 (2)α,β−不飽和カルボキシル基含有単量体の少な
    くとも1種を15〜30重量%なる範囲で他の共重合可
    能な単量体85〜70重量%と共重合して得られるバイ
    ンダー用重合体、40〜70重量部、及び (3)光重合開始剤、0.01〜10重量部 なる範囲で、前記(1)〜(3)成分の合計が100重
    量部となるように配合されてなる感光性樹脂組成物を硬
    化して得られる鉛筆硬度H以上の架橋硬化樹脂。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006193596A (ja) * 2005-01-13 2006-07-27 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 樹脂成形体、その製造方法、及びその用途
JP2007249005A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Jsr Corp 感放射線性樹脂組成物、液晶表示パネル用スペーサー、液晶表示パネル用スペーサーの形成方法、および液晶表示パネル

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