JPH06345820A - 光学フィルター用合成樹脂の製造法 - Google Patents

光学フィルター用合成樹脂の製造法

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JPH06345820A
JPH06345820A JP16398793A JP16398793A JPH06345820A JP H06345820 A JPH06345820 A JP H06345820A JP 16398793 A JP16398793 A JP 16398793A JP 16398793 A JP16398793 A JP 16398793A JP H06345820 A JPH06345820 A JP H06345820A
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浩樹 上遠野
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武男 荻原
Teruo Sakagami
輝夫 阪上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 近赤外線カット用光学フィルターに用いるリ
ン酸基含有単量体からの共重合体の製造において、単量
体組成物のポットライフを延長し、重合速度の制御を容
易にするラジカル重合法を提供する。 【構成】 下記化1で表される単量体A20〜80重量
%と、下記化2及び/又は下記化3で表される単量体B
10〜60重量%とからなる単量体組成物をラジカル重
合する。 【化1】PO(OH)n(R13-n (A) 〔但し、R1は CH2=CX0COO(C24O)m
(XOは水素原子またはメチル基を示し、mは1〜5の
整数である。)を示し、nは1または2である。〕 【化2】 CH2=CX1COOY (B1) 【化3】 CH2=CX2COO(R2)OOCX3C=CH2 (B2) 〔但し、X1,X2,X3は水素原子またはメチル基を示
し、YはX1が水素原子のときは炭素数が1〜8のアル
キル基、X1がメチル基のときは炭素数が3〜8のアル
キル基を示し、R2は ー(CH2pを示し、pは4〜9の整数であり、q1,q2は0〜5の
整数で、かつq1+q2が2〜5であり、Phはフェニル
基を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学フィルター用合成樹
脂の製造法に関し、更に詳細には、近赤外領域の波長光
を効率よくカットし、視感度補正に好適な光吸収特性を
有する光学フィルター用合成樹脂の製造法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、カメラの測光用フィルターや視感度
補正用フィルターとして、特殊なリン酸系ガラスに銅イ
オンが含有されたガラス製の光学フィルターが用いられ
てきた。しかし、これらのガラス製の光学フィルター
は、重く、吸湿性が大きくて経時的に失透しやすく、ま
た、光学フィルターの製造に当たって、成形、切削、研
磨等の加工が難しいなど、多くの問題を有している。こ
のため、軽くて、吸湿性が小さく、加工の容易な光学フ
ィルターの出現が強く望まれていた。これらの課題を解
決すべく、本発明者らは既に特願平4ー242585号
において、合成樹脂製の光学フィルターを提案してい
る。この合成樹脂製の光学フィルターは前記の諸問題を
解決する画期的なものであるが、単量体組成物のポット
ライフが短く、重合速度を制御することが困難であると
いう製造上の問題点が残されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に基づいてなされたものであって、その目的は、合
成樹脂製の近赤外カットフィルターを製造する上で、そ
の単量体組成物のポットライフを長くし、重合反応の暴
走を抑え、重合速度の制御をより容易にすることにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の光学フィルター
用合成樹脂の製造法は、下記化4で表される単量体A
(以下、「特定のリン酸基含有単量体」ともいう。)と
共重合可能な単量体からなる単量体組成物をラジカル重
合して得られる合成樹脂と、銅塩を主成分とする金属塩
とよりなる光学フィルターに用いられる合成樹脂の製造
において、該単量体組成物中に下記化5(単量体B1
及び/又は下記化6(単量体B2)で示される単量体B
(以下、「柔軟性を与える単量体」ともいう。)を10
〜60重量%含有させることを特徴とする。
【0005】
【化4】 PO(OH)n(R13-n (A) 〔但し、R1はCH2=CX0COO(C24O)m− (X0は水素原子またはメチル基を示し、mは1〜5の
整数である。)を示し、nは1または2である。〕
【0006】
【化5】 CH2=CX1COOY (B1) (但し、X1は水素原子またはメチル基を示し、YはX1
が水素原子のときは炭素数が1〜8のアルキル基、X1
がメチル基のときは炭素数が3〜8のアルキル基を示
す。)
【0007】
【化6】 CH2=CX2COO(R2)OOCX3C=CH2 (B2) 〔但し、X2,X3は水素原子またはメチル基を示し、R
2は ー(CH2pを示し、pは4〜9の整数であり、q1,q2は0〜5の
整数で、かつq1+q2が2〜5であり、Phはフェニレ
ン基を示す。〕
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の光学フィルター用合成樹脂の製造法は、特定のリ
ン酸基含有単量体と柔軟性を与える単量体および共重合
性単量体よりなる単量体組成物をラジカル重合すること
からなる。
【0009】本発明の製造法によって得られる光学フィ
ルター用合成樹脂の必須成分は上記化4で表される単量
体Aであり、後述する銅化合物と結合可能なリン酸基を
分子構造中に有している。そして、リン酸基を介して銅
化合物を保持することにより、近赤外領域に特徴ある光
吸収特性を示すものとなる。更に、単量体Aは分子鎖中
に、エチレンオキサイド基を介して、ラジカル重合性の
官能基であるアクリロイルオキシ基またはメタクリロイ
ルオキシ基が結合されているため、当該単量体Aは極め
て共重合性に富み、種々の単量体との共重合を行うこと
が可能である。
【0010】この単量体Aの分子構造を表す上記化4に
おいて、R1は、エチレンオキサイド基が結合したアク
リロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であ
る。ここで、エチレンオキサイド基の繰り返し数mは1
〜5の整数とされる。このmの値が5を越えると、得ら
れる共重合体の硬度が大幅に低下し、光学フィルターと
しての実用性に欠けたものとなる。
【0011】また、水酸基の数nは、光学フィルターの
成形法や使用目的に応じて1または2のいずれかの値を
選択すればよい。nの値が2であるとき、すなわち、リ
ン原子に結合したラジカル重合性の官能基数が1である
単量体Aは、銅化合物との結合性が大きいものとなる。
一方、nの値が1である単量体A、すなわち、前記官能
基の数が2である単量体Aは架橋重合性を有するものと
なる。従って、nが2である単量体Aを用いた共重合体
である樹脂成分は、一般的な成形加工法である射出成形
法或いは押出成形法により容易に光学フィルターに成形
加工することが可能となる。ただし、光学フィルターの
成形加工法はこれらに限定されるものではない。このよ
うに、光学フィルターの性能、成形法、および目的に応
じてnの値を選択することが出来るが、nが1である単
量体Aと、nが2である単量体Aとを併用することが銅
化合物の溶解性を高めることができるので好ましい。
【0012】本発明においては、単量体組成物の重合反
応性を調節するため、前記単量体Aと共重合可能な特定
な単量体Bを特定量用いることをもう一方の重要な要件
としている。かかる特定な共重合性単量体Bは、単量体
Aとの共重合体に柔軟性を付与することのできる単量体
で、上記化5或いは化6で示され、しかも、単量体Aと
1)均一に溶解混合し、2)ラジカル共重合性が良好で
あり、3)光学的に透明な共重合体となること、等を満
足するものである。
【0013】これら単量体B1及び単量体B2から選ばれ
る単量体Bは単量体組成物のポットライフを重合操作上
好ましい長さに延ばすことができ、かつ重合過程におけ
る重合の急激な進行を抑えることを可能とする働きがあ
る。また、この単量体Bは単量体B1及びB2それぞれの
混合物でも、両単量体の併用物であってもよい。この単
量体Bの作用機構の詳細は不明であるが、単量体B1
単官能性単量体では、分子鎖中のアルキル基の占める容
積が、単量体B2の二官能性単量体では、二つの官能基
をつなぐ分子鎖の大きさが、単量体組成物の急激な反応
を抑える働きに関与しているものと思われる。
【0014】単官能性単量体である単量体B1では、ア
ルキル基の炭素数が8以上になると単量体Aとの相溶性
が低下するので好ましくないが、X1が水素原子である
アクリレート系ではアルキル基の炭素数が1以上であれ
ばよく、また、X1がメチル基であるメタクリレート系
ではアルキル基の炭素数が3以上であれば反応の抑制効
果が得られる。
【0015】一方、二官能性単量体である単量体B2
は、二つの官能基をつなぐ分子鎖として炭素数が4乃至
9の直鎖状のポリメチレン基、又はビスフェノールAの
両末端の水酸基にエチレンオキサイド基もしくはプロピ
レンオキサイド基が付加したもので、そのエチレンオキ
サイド基もしくはプロピレンオキサイド基の合計数は2
乃至5である。ポリメチレン基では炭素数が3以下およ
び10以上になると、単量体組成物のポットライフが短
くなる。特に3以下では急激な反応が生じる。一方、ビ
スフェノールAに付加しているエチレンオキサイド基も
しくはプロピレンオキサイド基の合計数が2以下及び5
以上になると、やはり単量体組成物のポットライフが短
くなる。特に2以下では急激な反応が生じる。
【0016】これら単量体の具体例を以下に挙げる。単
官能性単量体である単量体B1としては、メチルアクリ
レート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレ
ート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレ
ート、n−ヘキシルアクリレートおよびn−ヘキシルメ
タクリレート等のアクリレートならびにメタクリレート
がある。
【0017】二官能性単量体である単量体B2として
は、1,4ーブタンジオールジアクリレートや1,4ー
ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、1,6ーヘキサンジオールジメ
タクリレート、1,8ーオクタンジオールジアクリレー
ト、1,8ーオクタンジオールジメタクリレート、1,
9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジ
オールジメタクリレート、2,2ービス[4ー(メタク
リロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス
[4ー(メタクリロキシジエトキシ)フェニル]プロパ
ン、2,2−ビス[4ー(メタクリロキシプロピオキ
シ)フェニル]プロパン等が挙げられる。
【0018】これらの単量体B1及び/又はB2を用いる
ことで重合速度の調節が可能となり、注型重合による重
合体の型離れ性も極めて容易になり、離型時の重合体の
破損が減少し、重合体の表面に脈理が生じることもな
く、良好な面精度が得られ、生産性の大幅な向上が達成
された。また、特願平5ー82527号で提案している
生成有機酸の抽出効率が大きく向上することも判明し
た。
【0019】更に、本発明においては、これら単量体
A、B1及びB2等と共重合可能なその他の単量体を用い
ることができる。このその他の単量体はこれら単量体A
及びBと、均一に混合することができ、ラジカル共重合
性に優れ、かつ光学的透明性に優れた共重合体が得られ
るものであれば、特に限定されるものではない。以下に
これらその他の単量体の具体例を示す。単官能性単量体
としては、前記単量体B1以外の低級アルキルメタクリ
レートであるメチルメタクリレートやエチルメタクリレ
ート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレ
ート、2ーヒドロキシエチルアクリレート、2ーヒドロ
キシエチルメタクリレート、2ーヒドロキシプロピルア
クリレート、2ーヒドロキシプロピルメタクリレート、
2ーヒドロキシブチルアクリレートや2ーヒドロキシブ
チルメタクリレート等の変性アルキルアクリレート及び
変性アルキルメタクリレート類、アクリル酸、メタクリ
ル酸、2ーメタクリロイルオキシエチルコハク酸、2ー
メタクリロイルオキシエチルフタル酸等のカルボン酸、
スチレン、αーメチルスチレン、クロロスチレン、ジブ
ロムスチレン、メトキシスチレン、ビニル安息香酸、ヒ
ドロキシメチルスチレン等の芳香族ビニル化合物等が挙
げられる。
【0020】多官能性単量体としては、上記単量体B2
以外の単量体で、エチレングリコールジアクリレート、
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリ
コールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポ
リエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレ
ングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジア
クリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジメタクリレート、2ーヒドロキシ
1,3ージメタクリルオキシプロパン、2ーヒドロキシ
1ーアクリルオキシ3ーメタクリルオキシプロパン、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリットト
リアクリレート、ペンタエリトリットトリメタクリレー
ト、ペンタエリトリットテトラアクリレート、ペンタエ
リトリットテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、
トリビニルベンゼン等を挙げることができる。これらの
単量体は単独で、或いは2種以上混合して用いることも
できる。
【0021】本発明の光学フィルター用合成樹脂の製造
法における単量体混合物中のこれら単量体の混合比率
は、化4で表される単量体Aが20〜80重量%、好ま
しくは30〜60重量%であり、化5及び化6で表され
る単量体B1及び/又はB2から選ばれる単量体Bが10
〜60重量%、好ましくは10〜50重量%である。ま
た、その他の共重合可能な単量体は最大70重量%まで
用いることができる。 単量体Bの割合が10重量%未
満では単量体混合物のポットライフが短く、重合反応速
度が早すぎて、反応速度の調節ができなくなり、重合反
応の均一性が失われ、得られる共重合体の光学フィルタ
ーとしての諸性能の低下が生じる。一方、この割合が6
0重量%を超えると成形性の低下が生じる。尚、単量体
Aの割合が20重量%未満或いは80重量%を超える
と、好適な光吸収特性が得られず、吸湿性も大きくなり
光学フィルター用重合体としては適性が失われる。
【0022】本発明の光学フィルター用合成樹脂の製造
法に用いる単量体組成物には、銅化合物を主成分とする
金属化合物を含有させることができる。この金属化合物
は、該合成樹脂中に含有されているリン酸基との相互作
用により近赤外領域の波長を有する光を効率よく吸収す
る作用を有するものである。ここで、「銅化合物を主成
分とする」とは、前記金属化合物に含まれる全ての金属
に対して銅の占める割合が80重量%以上であることを
意味する。銅の割合が80重量%未満では、得られる光
学フィルターの近赤外領域の波長を有する光の吸収が不
十分なものとなる。
【0023】上記の金属化合物を構成する銅化合物とし
ては、種々の化合物を用いることができ、その一例を示
せば、酢酸銅、塩化銅、蟻酸銅、ステアリン酸銅、安息
香酸銅、エチルアセト酢酸銅、ピロリン酸銅、ナフテン
酸銅、クエン酸銅等の無水物や水和物を挙げることがで
きる。また、この金属化合物に含むことのできる、他の
金属化合物としては、ナトリウム、カリウム、カルシウ
ム、鉄、マンガン、コバルト、マグネシウム、ニッケル
等を金属成分とする化合物がある。
【0024】この銅化合物を主成分とする金属化合物の
含有量は単量体組成物100重量部に対して5〜50重
量部、好ましくは10〜40重量部である。この量が5
重量部未満では、近赤外領域の波長を有する光を効率よ
く吸収する共重合体が得られず、一方、50重量部を越
えると当該金属化合物が均一に分散した共重合体を得る
ことが難しくなる。また、銅の含有量としては単量体組
成物100重量部に対して1〜20重量部であるのが好
ましい。
【0025】本発明における単量体組成物の重合は、通
常のラジカル重合法で行うことができる。即ち、一般的
なラジカル重合開始剤を用いた塊状(キャスト)重合
法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法等の公知の方
法を用いることができる。また、この単量体組成物に
は、得られる重合体の用途に応じて重合調整剤、帯電防
止剤、着色剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤、
離型剤、その他の補助資材を添加することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明するが、
本発明がこれらによって限定されるものではない。尚、
以下において、「部」は「重量部」を意味する。
【0027】〔実施例1〕下記化7で表される特定のリ
ン酸基含有単量体(単量体A)27部と、下記化8で表
される特定のリン酸基含有単量体(単量体A)13部
と、1,6ーヘキサンジオールジメタクリレート(単量
体B2)30部と、メチルメタクリレート29部と、α
ーメチルスチレン1部とを良く混合して単量体成分を調
整した。この単量体成分に無水安息香酸銅17部(混合
単量体100部に対する銅の含有量が3.5部)を添加
し、55℃で攪拌混合することによって十分に溶解さ
せ、無水安息香酸銅が混合単量体中に溶解されてなる単
量体組成物を得た。
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】以上のようにして調整された単量体組成物
に、t−ブチルパーオキシ(2ーエチルヘキサノエー
ト)2.0部を添加し、55℃で16時間、60℃で8
時間、90℃で3時間と順次異なる温度で加熱してガラ
スモールド中で注型重合を行い銅化合物を含有した架橋
重合体を得た。該単量体組成物は、重合開始剤を添加し
ても室温では、重合の開始は見られず、取扱い上好まし
いポットライフを有していた。
【0031】得られた重合体の表面は平滑で、脈理もな
く外観特性に優れたもので光学フィルターとして十分良
好なものであった。また、この光学フィルター(厚み;
1mm)の分光光度計による分光透過率曲線を測定した
ところ、近赤外領域(700〜1000nm)の光を効
率よく吸収することが分かった(図1の曲線1参照)。
【0032】〔比較例1〕上記実施例1における1,6
ーヘキサンジオールジメタクリレート(単量体B2)3
0部の代わりに、その他の単量体としてジエチレングリ
コールジメタクリレート30部を用いた以外は実施例1
と同様にして注型重合を行ったところ、加熱開始後2.
5時間に急激な発熱反応が生じ、重合速度の調節ができ
なくなった。
【0033】〔実施例2〕上記化7で表される特定のリ
ン酸基含有単量体(単量体A)30部と、上記化8で表
される特定のリン酸基含有単量体(単量体A)15部
と、1,9ーノナンジオールジメタクリレート(単量体
2)20部と、メチルメタクリレート34部と、αー
メチルスチレン1部とを良く混合して単量体成分を調整
した。この単量体成分に無水安息香酸銅28部(単量体
成分100部に対する銅の含有量は5.8部)を添加
し、55℃で十分に攪拌して、金属化合物が均一に溶解
混合した単量体組成物を得た。
【0034】このようにして調整した単量体組成物を用
いて、実施例1と同様にして注型重合を行った。単量体
組成物100部に重合開始剤であるtーブチルパーオキ
シ(2ーエチルヘキサノエート)を2.0部を55℃で
添加混合しても、直ちに重合を開始することはなく重合
操作性に優れたポットライフを有していた。得られた重
合体は脈理もなく外観特性に優れたものであった。
【0035】〔実施例3〕上記化7で表される特定のリ
ン酸基含有単量体(単量体A)20部と、上記化8で表
される特定のリン酸基含有単量体(単量体A)10部
と、n−ブチルメタクリレート(単量体B1)20部
と、メチルメタクリレート34部 と、ジエチレングリ
コールジメタクリレート15部と、αーメチルスチレン
1部とを良く混合して単量体成分を調整した。この単量
体成分に無水安息香酸銅17部(単量体成分100部に
対する銅の含有量が3.5部)を添加し、55℃で攪拌
混合することによって、無水安息香酸銅が単量体成分中
に溶解されてなる単量体組成物を調整した。
【0036】この単量体組成物にtーブチルパーオキシ
(2ーエチルヘキサノエート)2.0部を添加混合した
が、室温では重合の開始は見られず、取扱い上好ましい
ポットライフを有していた。 この重合開始剤を添加混
合した単量体組成物を55℃で16時間、60℃で8時
間、90℃で3時間と順次異なる温度で加熱して注型重
合を行った。
【0037】得られた重合体について実施例1と同様に
して分光透過率曲線を測定したところ、近赤外領域の光
を効率よくカットすることが分かった(図1の曲線3を
参照)。尚、この注型重合体は重合型からの離型性がよ
く、重合体の表面平滑性が優れ、かつ脈理もなく光学フ
ィルターとして十分な性能を有していることが分かっ
た。
【0038】〔比較例2〕n−ブチルメタクリレート
(単量体B1)20部とメチルメタクリレート34部と
を、メチルメタクリレートのみの54部に変更した以外
は実施例3と同様にして単量体組成物の注型重合を行っ
たところ、加熱開始後2.5時間で急激な発熱が生じ、
重合速度の調節ができなかった。
【0039】〔実施例4〕上記化7で表される特定のリ
ン酸基含有単量体(単量体A)30部と、上記化8で表
される特定のリン酸基含有単量体(単量体A)15部
と、エチルアクリレート(単量体B1)34部と、その
他の単量体としてジエチレングリコールメタクリレート
20部と、αーメチルスチレン1部とを良く混合して単
量体成分を調整した。この単量体成分に、無水安息香酸
銅28部(単量体成分100部に対する銅の含有量が
5.8部)と蓚酸鉄(II)2水和物(FeC24・2
2O)1部(全金属量に対する鉄の割合は5.0重量
%)を添加し、55℃で攪拌混合することによって十分
に溶解させ、単量体組成物を得た。
【0040】以上のようにして調整された単量体組成物
を用い、実施例1と同様にして注型重合を行った。得ら
れた注型重合体には脈理はなく、表面の平滑性も優れ、
光学フィルターとして良好な性能を有していた。尚、こ
の単量体組成物に重合開始剤としてt−ブチルパーオキ
シ(2ーエチルヘキサノエート)2.0部を添加し、5
5℃で4時間保管していてもゲル化することはなく、十
分なポットライフを有していることも確認された。
【0041】〔実施例5〕上記化7で表される特定のリ
ン酸基含有単量体(単量体A)40部と、上記化8で表
される特定のリン酸基含有単量体(単量体A)20部
と、2,2−ビス〔4ー(メタクリロキシジエトキシ)
フェニル〕プロパン(単量体B2)40部とを良く混合
して単量体成分を調整した。この単量体成分に酢酸銅1
水和物18部(単量体成分100部に対する銅の含有量
は5.7部)を添加し、55℃で攪拌混合することによ
って十分に溶解させ、単量体組成物を得た。
【0042】以上のようにして調整された単量体組成物
を用いて、実施例1と同様にして注型重合を行った。得
られた重合体の表面は平滑で、脈理もなく光学フィルタ
ーに好適な性能を有していた。尚、この単量体組成物に
重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ(2ーエチルヘ
キサノエート)を2.0部添加し、55℃で4時間保持
してもゲルの発生は見られず十分なポットライフを有し
ていることも確認された。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明の光学フィルター
用合成樹脂の製造法は、特定のリン酸基含有単量体と特
定のアクリレート系及び/又はメタクリレート系単量体
からなる単量体組成物をラジカル共重合を行うものであ
り、該単量体組成物のポットライフが取扱い性に優れた
ものとなり、重合速度の調整も可能となり、得られる注
型共重合体の光線透過性のゆらぎがなく、表面平滑性に
も優れ、かつ近赤外領域の波長の光を効率よくカットす
ることができる架橋共重合体を生産性よく提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1および実施例3の架橋共重合体の分光
透過率曲線である。
【符号の説明】
1 実施例1の架橋共重合体の分光透過率曲線 3 実施例3の架橋共重合体の分光透過率曲線

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記化1で表される単量体Aと共重合可能
    な単量体からなる単量体組成物をラジカル重合して得ら
    れる合成樹脂と、銅塩を主成分とする金属塩とよりなる
    光学フィルターに用いられる合成樹脂の製造において、
    該単量体組成物中に下記化2(単量体B1)及び/又は
    下記化3(単量体B2)で示される単量体Bを10〜6
    0重量%含有させることを特徴とする光学フィルター用
    合成樹脂の製造法。 【化1】 PO(OH)n(R13-n (A) 〔但し、R1はCH2=CX0COO(C24O)m− (X0は水素原子またはメチル基を示し、mは1〜5の
    整数である。)を示し、nは1または2である。〕 【化2】 CH2=CX1COOY (B1) (但し、X1は水素原子またはメチル基を示し、YはX1
    が水素原子のときは炭素数が1〜8のアルキル基、X1
    がメチル基のときは炭素数が3〜8のアルキル基を示
    す。) 【化3】 CH2=CX2COO(R2)OOCX3C=CH2 (B2) 〔但し、X2,X3は水素原子またはメチル基を示し、R
    2は ー(CH2pを示し、pは4〜9の整数であり、q1,q2は0〜5の
    整数で、かつq1+q2が2〜5であり、Phはフェニレ
    ン基を示す。〕
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