JPH10228004A - 樹脂製眼鏡レンズ - Google Patents

樹脂製眼鏡レンズ

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JPH10228004A
JPH10228004A JP2877297A JP2877297A JPH10228004A JP H10228004 A JPH10228004 A JP H10228004A JP 2877297 A JP2877297 A JP 2877297A JP 2877297 A JP2877297 A JP 2877297A JP H10228004 A JPH10228004 A JP H10228004A
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JP
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monomer
copolymer
mass
spectacle lens
parts
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JP2877297A
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Inventor
Katsuichi Machida
克一 町田
Takeo Ogiwara
武男 荻原
Masuhiro Shoji
益宏 庄司
Yoshinobu Ito
嘉信 伊藤
Hiroki Katono
浩樹 上遠野
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近赤外線領域の光を高い割合でカットするこ
とができる眼の保護機能に優れた樹脂製眼鏡レンズを提
供すること。 【解決手段】 下記式(I)で表されるリン酸基含有単
量体2〜60質量%と、これと共重合可能な単量体98
〜40質量%とからなる混合単量体を共重合して得られ
る共重合体100質量部中に、銅イオンを主成分とする
イオン性金属成分1.0〜50質量部が分散含有されて
なる。また、紫外線吸収剤が共重合体中に分散含有され
ていることが好ましい。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂製眼鏡レンズ
に関し、更に詳しくは、近赤外線領域の波長光を効率的
に吸収することができる樹脂製眼鏡レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】雪盲、電気性眼炎、白内障等の視覚障害
の原因となる紫外線から眼を保護するために、紫外線領
域の光(400nmよりも短波長)をカットする眼鏡レ
ンズが実用化されている。一方、近赤外線領域の光に眼
を曝露することによっても白内障などの視覚障害を生じ
ることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような紫外線領域の光をカットする眼鏡レンズを含め、
従来の眼鏡レンズは、近赤外線領域の光を十分にカット
するものではなかった。本発明は、このような事情に基
いてなされたものであって、本発明の目的は、近赤外線
領域(700〜1000nm)の光を高い割合でカット
することができる眼の保護機能に優れた樹脂製眼鏡レン
ズを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂製眼鏡レン
ズは、下記式(I)で表されるリン酸基含有単量体(以
下、「特定のリン酸基含有単量体」という。)2〜60
質量%と、これと共重合可能な単量体(以下、「共重合
性単量体」ともいう。)98〜40質量%とからなる混
合単量体を共重合して得られる共重合体100質量部中
に、銅イオンを主成分とするイオン性金属成分1.0〜
50質量部が分散含有されてなることを特徴とする。
【0005】
【化2】
【0006】本発明の樹脂製眼鏡レンズにおいては、紫
外線吸収剤が共重合体中に分散含有されていることが好
ましい。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の眼鏡レンズは、特定のリン酸基含有単量
体と共重合性単量体とからなる混合単量体を共重合して
得られる共重合体中に、銅イオンを主成分とするイオン
性金属成分が分散含有されてなる合成樹脂製の眼鏡レン
ズである。
【0008】この明細書において、「リン酸基」とは、
PO(OH)n −〔nは1または2である。〕で表され
る基を意味するものとする。また、この明細書におい
て、「眼鏡レンズ」には、視力を調整するための矯正レ
ンズおよび遮光を目的とするサングラスレンズが含まれ
るものとする。
【0009】本発明の眼鏡レンズを構成する共重合体を
得るための混合単量体には、特定のリン酸基含有単量体
と共重合性単量体とが特定の割合で含有されている。
【0010】<特定のリン酸基含有単量体>上記式
(I)に示すように、特定のリン酸基含有単量体は、銅
イオンを主成分とするイオン性金属成分と結合(イオン
結合または配位結合)することが可能なリン酸基を分子
構造中に有している。そして、このリン酸基を介して銅
イオンを保持してなる共重合体は、近赤外線領域に特徴
ある光吸収特性を示すものとなる。また、共重合体の高
分子骨格構造中に形成されるリン酸基にイオン性金属成
分が結合されることにより、当該イオン性金属成分は、
共重合体中に均一に分散された状態で含有される。
【0011】特定のリン酸基含有単量体の分子構造を示
す式(I)において、Rで表される基は、エチレンオキ
サイド基が結合された(mが1〜5の場合)またはエチ
レンオキサイド基が結合されていない(mが0の場合)
アクリロイルオキシ基(Xが水素原子の場合)またはメ
タクリロイルオキシ基(Xがメチル基の場合)である。
【0012】このように、特定のリン酸基含有単量体の
分子構造中において、ラジカル重合性の官能基であるア
クリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有
することにより、当該特定のリン酸基含有単量体は極め
て共重合性に富み、種々の単量体との共重合を行うこと
ができる。ここで、エチレンオキサイド基の繰り返し数
mは0〜5の整数とされる。このmの値が5を超える場
合には、得られる共重合体の硬度が大幅に低下し、眼鏡
レンズとしての実用性に欠けたものとなる。
【0013】また、式(I)において水酸基の数nは1
または2である。nの値が1である特定のリン酸基含有
単量体(リン原子に結合したラジカル重合性の官能基の
数が2である単量体)は架橋重合性を有するものとな
る。一方、nの値が2である特定のリン酸基含有単量体
(リン原子に結合したラジカル重合性の官能基の数が1
である単量体)は、イオン性金属成分との結合性に優れ
たものとなる。
【0014】そして、本発明においては、nの値が1で
ある特定のリン酸基含有単量体およびnの値が2である
特定のリン酸基含有単量体の何れか一方または両方を用
いることができ、両方を用いる場合にはその混合割合を
適宜選択することができる。例えば、注型重合法によっ
て眼鏡レンズを成形する場合には、nの値が1である特
定のリン酸基含有単量体の割合を大きくすることが好ま
しく、射出成形法によって眼鏡レンズを成形する場合に
は、nの値が2である特定のリン酸基含有単量体の割合
を大きくすることが好ましい。また、nの値が1である
特定のリン酸基含有単量体と、nの値が2である特定の
リン酸基含有単量体とを、それぞれがほぼ等モル量とな
る割合で用いる場合には、当該混合単量体に対して後述
する金属化合物の溶解性が向上するので好ましい。
【0015】<共重合性単量体>共重合体を得るための
混合単量体には、前記特定のリン酸基含有単量体ととも
に、共重合性単量体が含有されている。特定のリン酸基
含有単量体と共重合性単量体との共重合によって得られ
る共重合体は、特定のリン酸基含有単量体の単独重合体
と比較して、吸湿性が小さく、耐衝撃性や耐熱性等の諸
特性にも優れている。従って、このような共重合体によ
れば、眼鏡レンズとしての性能の向上を図ることができ
る。
【0016】かかる共重合性単量体は、(1)特定のリ
ン酸基含有単量体と均一に溶解混合されること、(2)
特定のリン酸基含有単量体とのラジカル共重合性が良好
であること、(3)光学的に透明な共重合体が得られる
こと、等を満足するものであれば特に限定されるもので
はない。
【0017】共重合性単量体の具体例としては、メチル
アクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレ
ート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、n−プロピルメタクリレート等のアルキル基の炭素
数が1〜8である低級アルキル(メタ)アクリレート、
メトキシエチルアクリレート、メトキシエチルメタクリ
レート、エトキシエチルアクリレート、エトキシエチル
メタクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキ
シエチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノア
クリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート
等のエチレンオキサイド基を介して低級アルキル基を有
する低級アルキル(メタ)アクリレート、グリシジルア
クリレート、グリシジルメタクリレート等のグリシジル
基によりアルキル基が置換された変性アルキル(メタ)
アクリレートなどに代表される単官能(メタ)アクリレ
ート類;エチレングリコールジアクリレート、エチレン
グリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチ
レングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタク
リレート、1,9−ノナンジアクリレート、1,9−ノ
ナンジメタクリレート、2,2−ビス〔4−アクリロキ
シエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−メ
タクリロキシエトキシフェニル〕プロパン、2,2−ビ
ス〔3,5−ジブロモ−4−アクリロキシエトキシフェ
ニル〕プロパン、2,2−ビス〔3,5−ジブロモ−4
−メタクリロキシエトキシフェニル〕プロパン、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ
メタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレートなど
に代表される多官能(メタ)アクリレート類;スチレ
ン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、2,4−
ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンなどの芳香族系
の単量体を例示することができる。
【0018】<特定のリン酸基含有単量体の使用割合>
本発明の眼鏡レンズを構成する共重合体を得るための混
合単量体中において、特定のリン酸基含有単量体と共重
合性単量体との使用割合は、「特定のリン酸基含有単量
体:共重合性単量体(質量)」が2:98〜60:40
の範囲とされ、好ましくは5:95〜50:50の範囲
とされる。特定のリン酸基含有単量体の割合が2質量%
未満であると、イオン性金属成分を均一に分散させるた
めに必要なリン酸基を共重合体中に導入することができ
ず、最終的に得られる眼鏡レンズが所期の近赤外線吸収
特性を有するものとならない。一方、この割合が60質
量%を超えるときには、得られる共重合体の吸湿性が大
きく、眼鏡レンズに要求される耐衝撃性などを満足する
ことができない。
【0019】本発明の光学フィルターを構成する共重合
体は、上記の割合の特定のリン酸基含有単量体と共重合
性単量体とよりなる混合単量体をラジカル重合させて得
られる。ここに、ラジカル重合方法としては特に限定さ
れるものではなく、通常のラジカル重合開始剤を用い
る、注型(キャスト)重合法、懸濁重合法、乳化重合
法、溶液重合法等の公知の方法を採用することができ
る。
【0020】ここに、ラジカル重合開始剤としては、特
に限定されるものではなく、例えばtert−ブチルパ
ーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキ
シピバレート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシラウレ
ート等の非芳香族系のパーオキシエステル;ラウロイル
パーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイル
パーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;2,2’
−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−ア
ゾビス(シクロヘキサン−2−カルボニトリル)等のア
ゾ系ラジカル重合開始剤などを挙げることができる。
【0021】<イオン性金属成分>本発明の眼鏡レンズ
は、混合単量体を共重合して得られる上記の共重合体中
に、銅イオンを主成分とするイオン性金属成分が分散含
有されてなるものである。このイオン性金属成分は、銅
イオンを主成分とすることにより、前記共重合体中に含
有されたリン酸基との相互作用により近赤外領域の波長
光を効率よく吸収する作用を有するものである。ここ
で、「銅イオンを主成分とする」とは、全てのイオン性
金属成分に対して銅イオンの占める割合が50質量%以
上であることを意味する。具体的には、2価の銅イオン
と、他の金属イオンとが、前記割合を満足する条件で含
有されてなるイオン性金属成分である。銅イオンの割合
が50質量%未満である場合には、得られる光学フィル
ターが近赤外領域の波長光を効率よく吸収するものとな
らない。
【0022】本発明の眼鏡レンズを構成するイオン性金
属成分は、銅化合物を主成分とする金属化合物を、上記
の共重合体に添加して混合することにより、または上記
の共重合体を得るための混合単量体に添加して共重合さ
せることによって、共重合体中に分散含有させることが
できる。
【0023】眼鏡レンズに銅イオンを導入するための銅
化合物としては、例えば酸化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ
化銅、硝酸銅、硫酸銅、水酸化銅、リン酸銅、ギ酸銅、
酢酸銅、エチルアセト酢酸銅、シュウ酸銅、フタル酸
銅、オレイン酸銅、安息香酸銅、ステアリン酸銅、ピロ
リン酸銅、ナフテン酸銅、クエン酸銅などを例示するこ
とができ、これらのうち、共重合体との相溶性の観点か
ら有機酸銅が好ましい。
【0024】また、銅イオン以外のイオン性金属成分と
しては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウ
ムイオン、鉄イオン、マンガンイオン、コバルトイオ
ン、ニッケルイオン等を挙げることができる。このよう
な金属イオンを共重合体中に含有させるために、銅イオ
ンと同様にして、これらの金属イオンによる金属化合物
を用いることができる。
【0025】本発明の眼鏡レンズにおいて、イオン性金
属成分の含有割合としては、上記の共重合体100質量
部に対して、通常1.0〜50質量部とされ、好ましく
は1.5〜30質量部とされる。イオン性金属成分の含
有割合が1.0質量部未満である場合には、得られる眼
鏡レンズが近赤外領域の波長光を効率よく吸収するもの
とならない。一方、この割合が50質量部を超える場合
には、当該イオン性金属成分が共重合体中に均一に分散
されにくくなり、この結果、得られる単量体組成物が重
合前にゲル化してしまったり、成形物(眼鏡レンズ)の
透明性が低下し、光散乱、白濁が生じやすくなったりす
る。
【0026】<紫外線吸収剤>本発明の眼鏡レンズに
は、任意成分として、紫外線吸収剤が含有されていても
よい。かかる紫外線吸収剤としては、p−tert−ブ
チルフェニルサリシレート等のサリシレート系化合物、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化
合物、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチ
ル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−オクチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系化
合物、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリ
レート等のシアノアクリレート系化合物などを例示する
ことができる。これらの紫外線吸収剤は、通常、混合単
量体を含有する反応系に添加することにより、共重合体
(眼鏡レンズ)中に含有させることができる。また、加
熱されて液状を呈している紫外線吸収剤に、混合単量体
から得られた共重合体を浸漬することにより、当該共重
合体中に紫外線吸収剤を拡散させることもできる。
【0027】<着色剤>また、本発明の眼鏡レンズに
は、任意成分として、着色剤が含有されていてもよい。
かかる着色剤としては、銅錯体に起因する青色乃至青緑
色(得られるレンズ材料が呈する色)に対して補色とな
るような染料物質を挙げることができる。これらの染料
物質は、通常、混合単量体を含有する反応系に添加する
ことにより、共重合体(眼鏡レンズ)中に含有させるこ
とができる。また、加熱されて液状を呈している染料物
質に、混合単量体から得られた共重合体を浸漬すること
により、当該共重合体中に染料物質を拡散させることも
できる。
【0028】リン酸基含有単量体と共重合性単量体との
混合単量体から得られる共重合体に、イオン性金属成分
を含有させる方法としては、例えば、(1)混合単量体
を含有する反応系に前記金属化合物を添加し、当該金属
化合物(金属イオン)の存在下に、混合単量体をラジカ
ル重合させる方法、(2)混合単量体から得られる共重
合体を加熱溶融させ、これに前記金属化合物を添加混合
する方法、(3)混合単量体から得られる共重合体を有
機溶剤などに溶解し、得られる溶液に前記金属化合物を
添加混合する方法などを採用することができる。
【0029】上記(1)〜(3)のような方法により、
銅イオンを主成分とするイオン性金属成分が分散含有さ
れた共重合体(眼鏡レンズ材料)を得ることができる。
この眼鏡レンズ材料は、そのままで、または、後処理
(成形加工・研磨など)が施されることにより、本発明
の眼鏡レンズとなる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例で説明するが、本発明
がこれらによって限定されるものではない。なお、以下
において、「部」は「質量部」を意味する。
【0031】<実施例1>表1に示す処方に従って、下
記式(1)で示される特定のリン酸基含有単量体(以
下、「単量体(1)」という。)8.82部と、下記式
(2)で示される特定のリン酸基含有単量体(以下、
「単量体(2)」という。)5.18部と、メチルメタ
クリレート18.0部と、2,2−ビス〔4−メタクリ
ロキシエトキシフェニル〕プロパン43.0部と、フェ
ノキシエチルメタクリレート19.0部と、2,4−ジ
フェニル−4−メチル−1−ペンテン0.3部とを十分
に混合して混合単量体を得た。
【0032】次いで、得られた混合単量体に、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−オクチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール(紫外線吸収剤)0.1部と、安息香酸銅
6.0部(銅イオンの含有量が1.26部)とを添加
し、この系を攪拌混合することにより、紫外線吸収剤お
よび銅イオンが混合単量体に溶解されてなる単量体組成
物を得た。
【0033】以上のようにして調製された単量体組成物
に、t−ブチルパーオキシネオデカネート(ラジカル重
合開始剤)1.0部を添加混合し、この系を脱気するこ
とによって重合性組成物を得た。次いで、得られた重合
性組成物をレンズ成型用ガラス型に注入し、40℃で7
時間、40℃から60℃まで4時間、60℃から100
℃までを2時間、100℃で1時間と、順次異なる温度
で加熱して注型重合を行うことにより、青色を呈し、厚
みが2mmの本発明の眼鏡レンズを得た。
【0034】
【化3】
【0035】
【化4】
【0036】<実施例2>表1に示す処方に従って、単
量体(1)8.82部と、単量体(2)5.18部と、
メチルメタクリレート18.0部と、2,2−ビス(4
−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン40.0
部と、フェノキシエチルメタクリレート27.0部と、
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン0.3
部とを十分に混合して混合単量体を得た。次いで、得ら
れた混合単量体に、2−(2’−ヒドロキシ−5’−オ
クチルフェニル)ベンゾトリアゾール(紫外線吸収剤)
0.1部と、安息香酸銅6.0部(銅イオンの含有量が
1.26部)と、赤色染料「スミプラスト3HG」〔住
友化学(株)製〕0.001部とを添加し、この系を攪
拌混合することにより、紫外線吸収剤、銅イオンおよび
赤色染料が混合単量体に溶解されてなる単量体組成物を
得た。以上のようにして調製された単量体組成物に、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)(ラジカル重合開始剤)1.4部を添加混合し、こ
の系を脱気することによって重合性組成物を得た。次い
で、得られた重合性組成物をレンズ成型用ガラス型に注
入し、40℃で7時間、40℃から60℃まで4時間、
60℃から100℃までを2時間、100℃で1時間
と、順次異なる温度で加熱して注型重合を行うことによ
り、サングラスレンズとして好ましい灰色を呈し、厚み
が2mmの本発明の眼鏡レンズを得た。
【0037】<実施例3>表1に示す処方に従って、安
息香酸銅の添加量を3.0部(銅イオンの含有量が0.
63部)に変更したこと以外は、実施例1と同様にし
て、紫外線吸収剤および銅イオンが混合単量体に溶解さ
れてなる単量体組成物を調製し、当該単量体組成物を用
いて重合性組成物を調製したこと以外は実施例1と同様
にして注型重合を行うことにより、薄青色を呈し、厚み
が2mmの本発明の眼鏡レンズを得た。
【0038】<実施例4>表1に示す処方に従って、単
量体(1)17.64部と、単量体(2)10.36部
と、メチルメタクリレート18.0部と、2,2−ビス
(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン2
5.0部と、フェノキシエチルメタクリレート19.0
部と、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン
0.3部とを十分に混合して混合単量体を得た。次い
で、得られた混合単量体に、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(紫外線
吸収剤)0.1部と、安息香酸銅12.0部(銅イオン
の含有量が2.52部)とを添加し、この系を攪拌混合
することにより、紫外線吸収剤および銅イオンが混合単
量体に溶解されてなる単量体組成物を得た。以上のよう
にして調製された単量体組成物を用いて重合性組成物を
調製したこと以外は実施例1と同様にして注型重合を行
うことにより、青色を呈し、厚みが2mmの本発明の眼
鏡レンズを得た。
【0039】<比較例1>表1に示す処方に従って、特
定のリン酸基含有単量体を含有しない単量体組成物の調
製を試みたところ、混合単量体に添加した安息香酸銅が
攪拌操作によっても溶解されなかった。
【0040】<比較例2>表1に示す処方に従って、共
重合性単量体を含有しない単量体組成物を調製し、当該
単量体組成物を用いて重合性組成物を調製したこと以外
は実施例1と同様にして注型重合を行うことにより、青
色を呈し、厚みが2mmの比較用の眼鏡レンズを得た。
【0041】<比較例3>表1に示す処方に従って、安
息香酸銅を含有しない単量体組成物を調製し、当該単量
体組成物を用いて重合性組成物を調製したこと以外は実
施例1と同様にして注型重合を行うことにより、無色透
明で、厚みが2mmの比較用の眼鏡レンズを得た。
【0042】
【表1】
【0043】* 表1中、数値の単位は「質量部」であ
る。
【0044】<眼鏡レンズの評価>実施例1〜4および
比較例2〜3で得られた眼鏡レンズの各々について、下
記のようにして分光透過率および吸水率を測定し、眼鏡
レンズの光吸収特性および吸湿性を評価した。
【0045】(1)分光透過率の測定:眼鏡レンズの各
々について、250〜1200nmの波長域における分
光透過率を分光光度計「U−4000」〔(株)日立製
作所製〕を用いて測定した。なお、波長250nm、4
00nm、600nm、800nm、900nm、10
00nmおよび1200nmにおける光透過率を表2に
示す。また、実施例1で得られた眼鏡レンズについての
分光透過率曲線を図1に示し、実施例4で得られた眼鏡
レンズについての分光透過率曲線を図2に示す。
【0046】(2)吸水率:眼鏡レンズの各々につい
て、80℃で5時間乾燥した後、25℃の水中に24時
間浸漬し、浸漬前における質量w1 (g)および浸漬後
における質量w2 (g)から、次式により吸水率W
(%)を求めた。結果を表2に示す。
【0047】
【数1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明の眼鏡レンズは、
特定の割合の特定のリン酸基含有単量体と共重合性単量
体とよりなる混合単量体の共重合体と、この共重合体中
に含有された銅イオンを主成分とするイオン性金属成分
とを含有しているので、近赤外線領域(700〜100
0nm)の光を高い割合でカットすることができ、眼の
保護機能に極めて優れている。また、吸湿性が小さくて
経時的に失透することもない。さらに、紫外線吸収剤が
共重合体中に分散含有されている本発明の眼鏡レンズ
は、紫外線領域および赤外線領域の波長光を効率よくカ
ットすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1により得られた眼鏡レンズについての
分光透過率曲線である。
【図2】実施例4により得られた眼鏡レンズについての
分光透過率曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 嘉信 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社錦工場内 (72)発明者 上遠野 浩樹 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社錦工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)で表されるリン酸基含有単
    量体2〜60質量%と、このリン酸基含有単量体と共重
    合可能な単量体98〜40質量%とからなる混合単量体
    を共重合して得られる共重合体100質量部中に、 銅イオンを主成分とするイオン性金属成分1.0〜50
    質量部が分散含有されてなることを特徴とする樹脂製眼
    鏡レンズ。 【化1】
  2. 【請求項2】 紫外線吸収剤が共重合体中に分散含有さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の樹脂製眼鏡レ
    ンズ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003301014A (ja) * 2002-04-11 2003-10-21 Seed Co Ltd イオン性眼用レンズ及びそれを用いた薬物徐放性眼用レンズ
JP2004309625A (ja) * 2003-04-03 2004-11-04 Seed Co Ltd イオン性眼用レンズ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003301014A (ja) * 2002-04-11 2003-10-21 Seed Co Ltd イオン性眼用レンズ及びそれを用いた薬物徐放性眼用レンズ
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