JPH06345752A - クマリン誘導体及びそれらの用途 - Google Patents

クマリン誘導体及びそれらの用途

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JPH06345752A
JPH06345752A JP18202893A JP18202893A JPH06345752A JP H06345752 A JPH06345752 A JP H06345752A JP 18202893 A JP18202893 A JP 18202893A JP 18202893 A JP18202893 A JP 18202893A JP H06345752 A JPH06345752 A JP H06345752A
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Shigehiro Mori
繁広 森
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 12−リポキシゲナーゼ阻害作用を有する化
合物、及び12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害する
医薬を提供する。 【構成】 新規なクマリン誘導体とこれらの化合物、及
びクマリン誘導体とこれらの化合物を有効成分として含
有する医薬。 【効果】 12−リポキシゲナーゼを強力、かつ高い選
択性をもって阻害することが可能であり、動脈硬化、血
管攣縮等の循環器系各種疾患の予防、治療、及びある種
の癌の転移の予防等を目的とした薬剤として有用であ
り、低毒性であり、かつ副作用が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、12−リポキシゲナー
ゼを選択的に阻害するクマリン誘導体、及びこれらの化
合物を有効成分として含有する医薬に関するものであ
り、更に詳しくは、本発明は、12−リポキシゲナーゼ
経路における12−リポキシゲナーゼの活性を選択的に
阻害する作用を有するクマリン誘導体、及び当該化合物
を有効成分として含有する動脈硬化、血管攣縮等の循環
器系各種疾患の予防、治療、ある種の癌(ルイス肺癌
等)の転移の予防等を目的とした薬剤として有用な12
−リポキシゲナーゼを選択的に阻害する医薬に関するも
のである。本明細書において、百分率の表示は、特に断
りのない限り、重量による値を意味するものである。
【0002】
【従来の技術】アラキドン酸カスケードには、5−リポ
キシゲナーゼ経路と呼ばれる代謝経路が存在し、アラキ
ドン酸は、5−リポキシゲナーゼの作用により5−ヒド
ロペルオキシエイコサテトラエン酸(以下5−HPET
Eと記載することがある)に変換されること等が知られ
ている(室田誠逸編,「プロスタグランディンと病
態」,東京化学同人,1984年)。
【0003】この化合物を中間体として、各種ロイコト
リエン類が生合成されることが知られており(室田誠逸
編,「プロスタグランディンと病態」,東京化学同人,
1984年)、それらのロイコトリエン類のうち、例え
ば、ロイコトリエンB4は、強力な白血球遊走作用を有
し、炎症のメディエーターであること、また、ロイコト
リエンC4及びD4は、喘息のメディエーターであるこ
と等が知られている(室田誠逸編,「プロスタグランデ
ィンと病態」,東京化学同人,1984年)。
【0004】従って、これらのロイコトリエン類の生合
成系の初発酵素である5−リポキシゲナーゼを有効に阻
害し得る薬剤があれば、ロイコトリエン類の過剰産生に
起因する種々の疾患(例えば、アレルギー性疾患、気管
支喘息、浮腫、各種炎症性疾患等)の予防、治療効果を
期待し得るとの観点から、5−リポキシゲナーゼに対し
て阻害作用を有する薬物の探索が広範に行われている。
【0005】一方、アラキドン酸カスケードには、12
−リポキシゲナーゼ経路と呼ばれる代謝経路が存在す
る。12−リポキシゲナーゼは、血小板等に多く存在す
る酵素であり、アラキドン酸に作用して12−ヒドロペ
ルオキシエイコサテトラエン酸(以下12−HPETE
と記載することがある)を生成させ、この化合物は、還
元されて12−ヒドロキシエイコサテトラエン酸(以下
12−HETEと記載することがある)となる。
【0006】この12−リポキシゲナーゼ経路における
代謝産物の生理的意義については、5−リポキシゲナー
ゼ経路におけるそれと比較して、従来、明確にされてい
なかったが、最近、その主要代謝産物である12−HP
ETE、及び12−HETEを中心として、当該代謝産
物の種々の生理活性が明らかにされている。
【0007】それらの生理活性を例示すれば、次のとお
りである。すなわち、12−リポキシゲナーゼの代謝産
物は、血小板の凝集、粘着等の機能調節、及び血管平滑
筋細胞の遊走を促進して動脈硬化に関与している可能性
が指摘されており(現代医療,第21巻,第11号,第
3109〜3113頁,1989年)、また、くも膜下
出血後の血管攣縮の発生に12−HPETEが何らかの
イニシエーターとなっている可能性が示唆されており
(現代医療,第21巻,第11号,第3127〜313
0頁,1989年)、更に、12−HETEがある種の
癌細胞の血管内皮細胞への粘着、転移を促進することが
示されている(現代医療,第22巻,増刊,第56〜5
7頁,1990年)。以上のような事実から、12−リ
ポキシゲナーゼを阻害する物質が、動脈硬化、血管攣縮
等の循環器系各種疾患の予防、治療、又はある種の癌の
転移の予防を目的とした薬物として有効に使用し得るも
のと期待されている。
【0008】12−リポキシゲナーゼに対して阻害作用
を有する物質としては、天然フラボノイドの1種である
バイカレンが知られている[バイオケミカル・アンド・
バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(B
iochemical and BiophysicalResearch Communication
s),第105巻,第3号,第1090〜1095頁,1
982年]。その他、ヒドロキサム酸誘導体(特開平1
−216961号公報、特開平2−752号公報、特開
平2−196767号公報等)、コーヒー酸誘導体(特
開平1−275552号公報、特開平2−235852
号公報等)等が知られている。
【0009】一方、クマリン誘導体に関しては、一般
に、当該化合物は、化学的に合成又は天然界から分離、
精製されているが、リポキシゲナーゼ阻害作用に言及し
た従来技術としては、例えば、次の1)の事項が知られ
ている。
【0010】1)エスクレチン(6,7−ジヒドロキシ
クマリン)[ビオキミカ・エト・ビオフィジカ・アクタ
(Biochimica et Biophysica Acta),第753巻,第1
号,第130〜132頁,1983年]に関する知見が
知られており、当該化合物は、肥満細胞腫細胞の5−リ
ポキシゲナーゼ、及び12−リポキシゲナーゼに対し、
各々4×10-6M及び2.5×10-6MのIC50値を示
したことが報告されている。
【0011】しかしながら、後述するように、当該化合
物の示すこのIC50値は、本発明化合物のそれに比べて
かなり大きい値であり、12−リポキシゲナーゼに対す
る選択性もあるとは言い難い。実際、本発明者らが行っ
た比較実験においても、エスクレチンの12−リポキシ
ゲナーゼ阻害作用は、本発明化合物に比べてかなり弱
く、また5−リポキシゲナーゼ阻害作用との選択性もみ
られないことが判明した。
【0012】また本発明の化合物に近似したクマリン誘
導体として、例えば、次の2)〜10)の化合物が知ら
れている。
【0013】2)6,7−ジヒドロキシ−3−フェニル
クマリン[ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソシエ
ティ・C・オーガニック・ケミストリー(Journal of t
he Chemical Society. C. Organic Chemistry),第1
6巻,第2069〜2070頁,1969年、及びツ
ァーナル・プリクラドノイ・スペクトロスコピイ(Zhur
nal Prikladnoi Spektroskopii),第8巻,第6号,第
1063〜1066頁,1968年]
【0014】3)7,8−ジヒドロキシ−3−フェニル
クマリン[カレント・サイエンス(Current Scienc
e),第35巻,第22号,第557〜559頁,19
66年、ツァーナル・プリクラドノイ・スペクトロス
コピイ(Zhurnal Prikladnoi Spektroskopii),第8
巻,第6号,第1063〜1066頁,1968年、
プロシーディングス・オブ・ザ・インディアン・アカデ
ミー・オブ・サイエンシズ・セクションA(Proceeding
s of the Indian Academy of Sciences. Section A),
第56巻、第71〜85頁,1962年、プロシーデ
ィングス・オブ・ザ・インディアン・アカデミー・オブ
・サイエンシズ・セクションA(Proceedingsof the In
dian Academy of Sciences. Section A),第59巻,
第3号,第185〜189頁,1964年、及びジャ
ーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal
of Organic Chemistry),第19巻,第1548〜15
52頁,1954年]
【0015】4)6,7−ジヒドロキシ−3−(フラン
−2−イル)クマリン、及び7,8−ジヒドロキシ−3
−(フラン−2−イル)クマリン[ツァーナル・プリク
ラドノイ・スペクトロスコピイ(Zhurnal Prikladnoi S
pektroskopii),第8巻,第6号,第1063〜106
6頁,1968年]
【0016】5)6,7−ジヒドロキシ−3−(3−ニ
トロフェニル)クマリン[ジャーナル・オブ・ザ・ケミ
カル・ソシエティ・C.・オーガニック・ケミストリー
(Journal of the Chemical Society. C. Organic Chem
istry),第16巻,第2069〜2070頁,196
9年]
【0017】6)7,8−ジヒドロキシ−4−メチル−
3−(4−ニトロフェニル)クマリン[アナレス・デ・
ラ・ソシエテ・サイエンティフィケ・デ・ブルクセレス
・シリーズ1(Annales de la Societe Scientifique d
e Bruxelles. Series 1 ),第84巻,第3号,第38
3〜388頁,1971年]
【0018】7)6,7−ジヒドロキシ−4−メチル−
3−フェニルクマリン[ファーマコ・イル・パヴィア
・エディツィオーネ・サイエンティフィカ(Farmaco,Il
(Pavia),Edizione Scientifica),第12巻,第691
〜694頁,1957年、及びアッティ・デラ・アカ
デミア・ナツィオナレ・デイ・リンセイ・レンディコン
ティ・クラッセ・ディ・サイエンツェ・フィッシェ・マ
テマティケ・エ・ナツラリ(Atti della accademia naz
ionale dei Lincei. Rendiconti, Classe di scienze f
isiche, matematiche e naturali ),第10巻,第2
30〜235頁,1951年]
【0019】8)6,7−ジヒドロキシ−3,4−ジフ
ェニルクマリン[パブリカツィオーニ・デル・セント
ロ・ディ・スツディオ・パー・ラ・シトゲネティカ・ベ
ゲタレ・デル・コンシグリオ・ナツィオナーレ・デレ・
リサーチ(Pubblicazioni delcentro di studio per la
citogenetica vegetale del consiglio nazionale del
le ricerche ),第182号,第350〜387頁,1
955年、及びアッティ・デラ・アカデミア・ナツィ
オナレ・デイ・リンセイ・レンディコンティ・クラッセ
・ディ・サイエンツェ・フィッシェ・マテマティケ・エ
・ナツラリ(Atti della accademia nazionale dei Lin
cei. Rendiconti, Classe di scienze fisiche, matema
tiche e naturali ),第16巻,第645〜649
頁、1954年]
【0020】9)6,7−ジヒドロキシ−3−(ピリジ
ン−3−イル)クマリン[ジャーナル・オブ・ザ・ケミ
カル・ソシエティ・C.・オーガニック・ケミストリー
(Journal of the Chemical Society. C. Organic Chem
istry),第16巻,第2069〜2070頁、196
9年]
【0021】10)7,8−ジヒドロキシ−4−フェニ
ルクマリン(米国特許第2,809,201号明細書)
【0022】しかしながら、これらの化合物が12−リ
ポキシゲナーゼ阻害活性を有することのみならず、5−
リポキシゲナーゼ阻害活性を有することは、従来全く知
られていない。
【0023】また、クマリン誘導体ではないが、本発明
の化合物に比較的近似しており、かつ12−リポキシゲ
ナーゼ又は5−リポキシゲナーゼ阻害活性に言及されて
いるものとして、前述のバイカレンを含めて次の11)
〜13)のような化合物が知られている。
【0024】11)バイカレン(5,6,7−トリヒド
ロキシフラボン)[バイオケミカル・アンド・バイオフ
ィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemic
al andBiophysical Research Communications) ,第1
05巻,第3号,第1090〜095頁,1982年]
【0025】12)4′,6,7−トリヒドロキシイソ
フラバン[プロスタグランジンズ(Prostaglandins),
第28巻,第6号,第783〜804頁,1984年]
【0026】13)4′,7,8−トリヒドロキシイソ
フラバン、及び6,7−ジヒドロキシ−3′,4′−ジ
メトキシイソフラバン[インターナショナル・ジャーナ
ル・オブ・ティッシュー・リアクションズ(Internatio
nal Journal of Tissue Reactions),第11巻,第3
号,第107〜112頁,1989年]
【0027】このうち、前記12)に記載の化合物につ
いては、当該化合物がヒト末梢血白血球において5−リ
ポキシゲナーゼ代謝産物の生成を10μMの濃度で完全
に抑制したが、一方血小板においては、12−リポキシ
ゲナーゼ代謝産物の生成を、同一濃度でわずかに25%
しか抑制しなかったことから、当該化合物は5−リポキ
シゲナーゼ選択的であることが知られている[プロスタ
グランジンズ(Prostaglandins)第28巻,第6号,第
783〜804頁,1984年]。又、前記13)記載
の化合物については、当該化合物のヒト腹膜マクロファ
ージにおける5−リポキシゲナーゼ阻害作用がIC50
で1〜2μMであったのに対し、当該化合物の12−リ
ポキシゲナーゼ阻害作用はIC50値で16〜20μMで
あったことが報告されている[インターナショナル・ジ
ャーナル・オブ・ティッシュー・リアクションズ(Inte
rnational Journal of Tissue Reactions),第11
巻,第3号,第107〜112頁,1989年]。
【0028】本発明の化合物は、後述するようにIC50
値で10-9乃至10-8Mオーダーと、極めて強力な12
−リポキシゲナーゼ阻害作用を有する。一方、5−リポ
キシゲナーゼに対するIC50値は12−リポキシゲナー
ゼに対するそれに比べて10〜60倍以上大きく、12
−リポキシゲナーゼ選択的な阻害作用を有している。本
発明の化合物がこのような作用を有していることは、従
来の知見からは到底想到し得ないことである。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】ところで、12−リポ
キシゲナーゼは、5−リポキシゲナーゼの近縁酵素であ
り、いずれかの酵素を阻害する物質は、他方も阻害する
可能性がある。事実、5−リポキシゲナーゼ阻害活性を
有することが報告されている物質であって、12−リポ
キシゲナーゼに対しても阻害活性を示すものが知られて
おり、大部分のヒドロキサム酸誘導体がその例である。
【0030】このような阻害活性の選択性に関しては、
その利用目的にもよるが、前記循環器系疾患、癌の転移
等のように主として12−リポキシゲナーゼ代謝産物に
起因すると考えられている疾病の予防、治療には、12
−リポキシゲナーゼを強力、かつ選択的に阻害する物質
が望ましい。
【0031】このような状況を踏まえ、本発明者らは、
天然フラボノイドの1種であるバイカレンが比較的強い
12−リポキシゲナーゼ阻害活性、及び比較的高い選択
性を有していることに着目し、この化合物を先導化合物
として使用し、その部分構造の改変、又は修飾を行うこ
とにより、強力、かつ高い選択性を有する12−リポキ
シゲナーゼ阻害化合物を創出することに成功し、本発明
を完成した。
【0032】本発明の目的は、12−リポキシゲナーゼ
を強力、かつ高い選択性をもって阻害し得る化合物を提
供することである。
【0033】本発明の他の目的は、12−リポキシゲナ
ーゼの代謝産物によってもたらされる動脈硬化、血管攣
縮等の循環器系各種疾患の予防、治療、及びある種の癌
の転移の予防等を目的とした薬剤として有用であり、ま
た、低毒性であり、かつ副作用の少ない12−リポキシ
ゲナーゼを選択的に阻害する医薬を提供することであ
る。
【0034】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第1の発明は、次の化9の一般式
【0035】
【化9】
【0036】[ただし、式中R1 は、水素原子又は低級
アルキル基を示し、R2 及びR3 は、水素原子又は水酸
基を示し(ただし、R2 とR3 が同時に水素原子である
ことはない)、Arは、次の化10、化11又は化12
の一般式
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】で示される基であり、式中R4 は、低級ア
ルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフル
オロメチル基又はシアノ基を示す。]で示されるクマリ
ン誘導体、である。
【0041】前記課題を解決する本発明の第2の発明
は、次の化13の一般式
【0042】
【化13】
【0043】[ただし、式中R1 は、水素原子又は低級
アルキル基を示し、R2 及びR3 は、水素原子又は水酸
基を示し(ただし、R2 とR3 が同時に水素原子である
ことはない)、Arは、次の化14、化15又は化16
の一般式
【0044】
【化14】
【0045】
【化15】
【0046】
【化16】
【0047】で示される基であり、式中R4 は、水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示
す。]で示されるクマリン誘導体からなる群より選択さ
れる化合物、又はそれらの混合物を有効成分として含有
する医薬、である。
【0048】次に本発明について詳述する。本発明の化
合物は、次の化17の一般式
【0049】
【化17】
【0050】で示されるクマリン誘導体であり、クマリ
ン環の6、7、及び8位に少なくとも2つのカテコール
型水酸基を有し、クマリン環の3位に芳香族置換基を有
することを特徴とするクマリン誘導体であり、その製造
方法を例示すれば次のとおりである。
【0051】次の化18の一般式
【0052】
【化18】
【0053】(前記化学式において、 3 及び 4 は、
水素原子又は水酸基を示し、Arは次の化19、化20
又は化21の一般式
【0054】
【化19】
【0055】
【化20】
【0056】
【化21】
【0057】で示される基であり、式中R4 は、水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示
す。以下Arについては、単にArと記載することがあ
る)で示される本発明の化合物は、次の化22、及び化
23の化学式に示される工程により合成することができ
る。
【0058】
【化22】
【0059】
【化23】
【0060】(前記化学式において、 1 及び 2 は、
水素原子又はアセトキシ基を示し、 3 及び 4 は、水
素原子又は水酸基を示す)。
【0061】アセチルサリチルアルデヒド誘導体(I
I)と所望のアリール酢酸(III)とを、パーキン反
応として知られている反応条件下にて縮合させる。すな
わち、無水酢酸中、トリエチルアミン等の塩基の存在下
に通常120℃前後で、1時間乃至数時間穏やかに加熱
還流させることにより、化合物(IV)を得ることがで
きる(工程I)。
【0062】アセチルサリチルアルデヒド誘導体(I
I)は、対応するサリチルアルデヒド誘導体(I)を、
無水酢酸、又は塩化アセチルなどのアセチル化剤を用い
てアセチル化することによって得ることができるが、サ
リチルアルデヒド誘導体(I)を氷冷、又は室温下に、
無水酢酸中にてトリエチルアミンなどの塩基存在下にア
セチル化し、生成したアセチルサリチルアルデヒド誘導
体(II)を単離することなく、そのまま上述のパーキ
ン反応条件へ移行させることにより、直接化合物(I)
から化合物(IV)へ導くこともできる。この場合、も
う一方の原料であるアリール酢酸(III)は、パーキ
ン反応条件への移行時に添加してもよいが、化合物
(I)のアセチル化の段階、すなわち最初から共存させ
ておいてもよい。また、前記の反応は、トリエチルアミ
ン等の塩基の代わりに、アリール酢酸のアルカリ金属塩
等を用いることもできる。
【0063】このようにして得た化合物(IV)は、酸
性条件下、又は塩基性条件下に加水分解(あるいはエス
テル交換)して、本発明化合物(V)へ導くことができ
る。まず、酸性条件下に脱アセチル化を行う場合は、例
えば、エタノールと塩酸との混合液中にて、30分間乃
至2時間加熱還流することにより目的が達成される(工
程II)。
【0064】一方、塩基性条件下に脱アセチル化を行う
場合は、エタノールと水との混合液などを溶媒として、
水酸化ナトリウム、又は水酸化リチウムなどの塩基とと
もに室温にて1時間乃至3時間反応させる。この際、ク
マリン環は開環しているものと考えられるが、塩酸など
を添加して酸性処理することにより再閉環させて目的物
(V)を得ることができる(工程III)。
【0065】また、前記の化18の一般式で示される本
発明化合物は、次の化24、及び化25の化学式に示さ
れる工程により合成することもできる。
【0066】
【化24】
【0067】(前記式中 5 及び 6 は水素原子又はメ
トキシ基を示す。)
【0068】
【化25】
【0069】(前記式中 5 及び 6 は水素原子又はメ
トキシ基を、 3 及び 4 は水素原子又は水酸基を示
す。)
【0070】サリチルアルデヒド誘導体のメチルエーテ
ル(VI)と、所望のアリールアセトニトリル(VI
I)とをクネーベナーゲル反応として知られる反応条件
下にて縮合させる。すなわち、例えばエタノール等を溶
媒として両者を加熱溶解し、触媒量の水酸化ナトリウ
ム、又はピペリジンのような塩基を添加して撹拌するこ
とにより、化合物(VIII)を得ることができる(工
程IV)。次に化合物(VIII)を例えば塩化ピリジ
ニウム等の脱メチル化剤と反応させ、中間に生じている
と考えられるイミン(IX)を塩酸等の酸で処理し、加
水分解することにより、本発明化合物(V)を得ること
ができる(工程V)。
【0071】また、前記の化18の一般式で示される本
発明化合物は、縮合反応に使用するアリールアセトニト
リル(VII)が比較的反応性に富む場合には、次の化
26の化学式
【0072】
【化26】
【0073】(前記式中、 3 及び 4 は、水素原子又
は水酸基を示す。)に示される工程により、サリチルア
ルデヒド誘導体(I)とクネーベナーゲル反応により縮
合させて、直接中間体(IX)を経て、本発明化合物
(V)を得ることができる(工程VI)。
【0074】更に、次の化27の一般式
【0075】
【化27】
【0076】(前記化学式において 1 は水素原子又は
低級アルキル基を示し、 2 及び 3は水素原子又は水
酸基を示す。)で示される化合物は、次の化28の化学
式に示される工程により合成することができる。
【0077】
【化28】
【0078】(前記化学式において 1 は水素原子又は
低級アルキル基を示し、 2 及び 3は水素原子又は水
酸基を示す。)
【0079】メアヴァインのアリール化反応により、ク
マリン誘導体(X)の3位にアリール基を導入する。す
なわち、塩酸酸性条件下に所望の芳香族アミンと亜硝酸
ナトリウムとから調製したジアゾニウム塩(XI)とク
マリン誘導体(X)とを、塩化第二銅共存下に反応させ
ることにより、本発明化合物(XII)を得ることがで
きる。
【0080】以上のようにして得られた本発明の化合物
を、再結晶、クロマトグラフィー等の公知の精製方法に
より精製することができる。
【0081】本発明の化合物は、12−リポキシゲナー
ゼ活性の選択的な阻害作用を有しているので、生体内に
おける12−HPETE、12−HETE等の12−リ
ポキシゲナーゼ代謝産物の生成を抑制する作用を有し、
当該化合物を有効成分として含有する本発明の12−リ
ポキシゲナーゼを選択的に阻害する医薬は、これらの代
謝産物に起因する動脈硬化、血管攣縮等の循環器系各種
疾患の治療薬、又は予防薬として、更に、ある種の癌
(ルイス肺癌等)の転移の予防等を目的とした薬剤とし
て有効に利用することができる。
【0082】本発明の化合物は、そのまま、又は薬学的
に許容される公知の担体、賦形剤等と混合し、錠剤、カ
プセル剤、注射剤、顆粒剤、坐剤等の適宜の形態の医薬
として用いることができる。
【0083】本発明の化合物を有効成分とする医薬は、
経口的に、又は注射、吸入、塗布等により非経口的に投
与することができる。
【0084】本発明の化合物を有効成分とする前記12
−リポキシゲナーゼを選択的に阻害する医薬の投与量
は、治療対象、症状、年齢、治療期間等により異なる
が、好適には、通常1回につき約0.1mgから50m
gを1日1〜3回程度投与する。
【0085】次に試験例を示して本発明を更に詳述す
る。 試験例1 この試験は、種々の化合物の12−リポキシゲナーゼ阻
害作用を調べるために行った。
【0086】1)酵素液の調製 エーテル麻酔下で、Sprague Dawley雄性
ラットの腹大動脈から、約10分の1容の3.8%クエ
ン酸ソーダ溶液の入った注射筒にて採血し、室温、18
0gで15分間遠心し、多血小板血漿を分離し、4℃、
1800gで10分間遠心し、得られた沈渣を洗浄用緩
衡液(154mM塩化ナトリウム、2mMEDTAを含
む50mMトリス塩酸バッファー:pH7.4)で洗浄
し、血小板を得た。得られた血小板を、採血量の20分
の1容の再浮遊緩衡液(154mM塩化ナトリウム、
5.5mMグルコースを含む50mMトリス塩酸バッフ
ァー:pH7.4)に懸濁し、超音波破砕し、100,
000gで30分間遠心し、上清を分離し、酵素液を調
製した。
【0087】2)酵素活性の測定方法 前記再浮遊緩衡液で酵素活性を約2mU/mlに調製し
た酵素液300μlに、3mMインドメタシンエタノー
ル溶液1μl、300mM還元型グルタチオン溶液1μ
l及び各種濃度の被検物質のエタノール溶液3μlを添
加し、37℃で5分間保持し、次いで2.5mMアラキ
ドン酸エタノール溶液3μlを添加し、37℃で5分間
保持して反応させた後、600μlのメタノールを添加
して反応を停止させた。反応液を10,000gで5分
間遠心し、上清の12−ヒドロキシエイコサテトラエン
酸をC−18カラムを用いた逆相高速液体クロマトグラ
フィーで分離し、ジエンを234nmの吸収で定量し、
酵素活性を測定した。
【0088】被検物質として、実施例4、実施例5及び
実施例8と同一の方法で製造した本発明の化合物、比較
例1〜5と同一の方法で製造した化合物、及び対照とし
て次の化29の化学式
【0089】
【化29】
【0090】で示される公知のエスクレチン(東京化成
社製)を用い、各種濃度で試験し、各被検物質の測定値
から、50%の12−リポキシゲナーゼ阻害率を示す濃
度(以下IC50値と記載することがある)を求めた。
【0091】3)試験結果 この試験の結果は表1に示すとおりである。表1は、本
発明の実施例4、5、及び8の化合物と、比較例3〜5
の化合物、比較のための公知化合物であるエスクレチン
(東京化成社製)の12−リポキシゲナーゼのIC
50値、及びIC50値が求められなかった比較例1及び2
の化合物についての12−リポキシゲナーゼ阻害率を示
した。
【0092】
【表1】
【0093】本発明の実施例4及び実施例8と同一の方
法により製造した化合物の12−リポキシゲナーゼ阻害
作用は、IC50値で各々7.6×10-9M及び7.0×
10-9Mであったのに対して、比較例1及び比較例2と
同一の方法により製造した化合物は、化学的構造が本発
明の化合物に類似しているにもかかわらず、その12−
リポキシゲナーゼ阻害作用は非常に弱いか、又は無く、
10-5Mの濃度においてさえもわずかに10%以下の阻
害率を示したにすぎなかった。
【0094】この結果は、本発明の化合物が強力な12
−リポキシゲナーゼ阻害作用を発現するために、クマリ
ン環の6〜8位に、少なくとも2つのカテコール型水酸
基を有することが必須であることを示唆している。ま
た、比較のために用いた公知の化合物であり、12−リ
ポキシゲナーゼ阻害作用に関して既に報告のあるエスク
レチンの12−リポキシゲナーゼ阻害作用は、IC50
で4.4×10-6Mであった。これに対し、本発明の実
施例4及び実施例8と同一の方法により製造した化合物
の12−リポキシゲナーゼ阻害作用は、いずれも10-9
MオーダーのIC50値を示し、極めて強力である。
【0095】本発明の化合物は、クマリン環の3位にア
リール基を有することを特徴としている。これに対し、
4位にアリール基を有する比較例3と同一の方法により
製造した化合物の12−リポキシゲナーゼ阻害作用は、
IC50値で2.6×10-7Mと比較的強いものではある
が、本発明の化合物の12−リポキシゲナーゼ阻害作用
の比ではない。
【0096】また、表1には示していないが、エスクレ
チン及び比較例3と同一の方法により製造した化合物の
5−リポキシゲナーゼ阻害作用は、IC50値で各々4.
3×10-7M及び6.4×10-7Mであり、12−リポ
キシゲナーゼと5−リポキシゲナーゼに対する阻害作用
に選択性が見られなかった。これに対し、本発明の化合
物は、後述するように12−リポキシゲナーゼを選択的
に阻害する。従って、本発明化合物が強力な12−リポ
キシゲナーゼ選択的阻害作用を発現するためには、クマ
リン環の3位にアリール基を有することが必須である。
【0097】次に、クマリン環の3位と4位のいずれの
位置にもアリール基を有する化合物の例として、比較例
4と同一の方法により製造した化合物の12−リポキシ
ゲナーゼ阻害作用は、IC50値で1.2×10-7Mであ
った。一方、実施例4及び実施例8と同一の方法により
製造した化合物に加えて、クマリン環の4位にメチル基
を有する実施例5の化合物の12−リポキシゲナーゼ阻
害作用も、IC50値で9.2×10-9Mと極めて強力な
値を示した。この結果は、本発明の化合物が強力な12
−リポキシゲナーゼ阻害作用を発現するためには、クマ
リン環の4位は無置換であるか、低級アルキル基の様な
立体的に小さな置換基が好ましいことを示唆している。
【0098】後述するように、本発明化合物のクマリン
環の3位のアリール基についての特徴として、当該アリ
ール基のパラ位又はメタ位に、ある程度のかさ高さを持
つ置換基を有しているものの方が、無置換のものに比較
して、より強力な12−リポキシゲナーゼ阻害作用を示
す傾向がみられた。中でも好ましい置換基については後
述するが、比較例5と同一の方法により製造した化合物
の例に示すように、当該アリール基のパラ位又はメタ位
の置換基が水酸基である場合には、その12−リポキシ
ゲナーゼ阻害作用は大幅に低下する。
【0099】試験例2 この試験は、本発明の化合物の12−リポキシゲナーゼ
阻害作用の選択性を調べるために行った。
【0100】1)酵素液の調製 5−リポキシゲナーゼ酵素液の調製 ラット好塩基性白血病細胞(Rat Basophil
ic Leukemia Cell:RBL−1.AT
CC CRL1378)を、10%牛新生仔血清を含む
ダルベッコ改変イーグル培地で常法により培養し、15
4mM塩化ナトリウムを含む50mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.4、以下TBSと記載する)で2回洗浄し、
細胞を1ml当たり4×107 個の割合で同一の緩衝液
に浮遊させ、超音波で細胞を破砕し、10,000gで
10分間遠心して上清を分離し、酵素液を調製した。 12−リポキシゲナーゼ酵素液の調製 試験例1と同一の方法により調製した。
【0101】2)酵素活性の測定方法 5−リポキシゲナーゼ酵素活性の測定方法 前記酵素液(40mU/ml相当)15μlに、TBS
185μl、2mMアデノシン三リン酸TBS50μ
l、12mM塩化カルシウムTBS50μl、3mMイ
ンドメタン1μl、300mM還元型グルタチオン水溶
液1μl及び各種濃度の被検物質のエタノール溶液3μ
lを添加し、37℃で5分間保持し、次いで2.5mM
アラキドン酸エタノール溶液3μlを添加し、37℃で
2分間保持して反応させた後、600μlのメタノール
を添加して反応を停止させた。反応液を10,000g
で5分間遠心し、上清の5−ヒドロキシエイコサテトラ
エン酸をC−18カラムを用いた逆相高速液体クロマト
グラフィーで分離し、234nmの吸収で定量し、酵素
活性を測定した。
【0102】被検物質として、実施例1〜実施例30、
実施例33〜実施例36と同一の方法で製造した本発明
の化合物、並びに対照として、次の化30の化学式
【0103】
【化30】
【0104】で示される公知のバイカレン(和光純薬工
業社製)を用い、各種濃度で試験し、IC50値を求め
た。
【0105】12−リポキシゲナーゼ酵素活性の測定
方法 前記5−リポキシゲナーゼ酵素活性の測定方法に使用し
たものと同一の被検物質を用いた以外は、試験例1と同
一の方法により測定し、5−リポキシゲナーゼ酵素活性
の測定方法と同様にIC50値を求めた。
【0106】3)試験結果 この試験の結果は、表2に示すとおりである。表2から
明らかなように、本発明の化合物は、12−リポキシゲ
ナーゼに対して極めて強力な阻害作用が認められ、IC
50値は、ほぼ10-9Mのオーダーであり、公知のバイカ
レンのそれに比して同等以上であった。一方、本発明の
化合物は、5−リポキシゲナーゼに対しても阻害作用を
有するが、そのIC50値は、12−リポキシゲナーゼに
対するそれよりも10〜60倍以上の値であった。従っ
て、本発明の化合物は、12−リポキシゲナーゼに対し
て選択的に阻害作用を有するものであることが判明し
た。
【0107】また本発明の化合物の中でも、クマリン環
の3位のアリール基上にある程度の大きさの置換基を有
する化合物の方が、より強力な12−リポキシゲナーゼ
阻害作用を示す傾向があり、置換基の位置としてはパラ
位又はメタ位が望ましく、置換基の種類としてはハロゲ
ン原子の場合はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、及び
ヨウ素原子のいずれもが、アルキル基の場合はメチル基
及びエチル基が、特に顕著な12−リポキシゲナーゼ阻
害作用を示した。
【0108】
【表2】
【0109】以下に示す参考例(本発明の化合物を製造
するための中間体の製造例)、比較例(本発明の化合物
と比較するための公知化合物の製造例)及び実施例にお
いて、比較例及び実施例で合成した化合物の核磁気共鳴
スペクトル、及び赤外線吸収スペクトルは、表3〜10
に一括して示した。尚、核磁気共鳴スペクトル[ 1H−
NMR(500MHz)]は、重DMSO溶媒中で、赤
外線吸収スペクトルは、KBr錠剤法で、それぞれ測定
した。
【0110】
【表3】
【0111】
【表4】
【0112】
【表5】
【0113】
【表6】
【0114】
【表7】
【0115】
【表8】
【0116】
【表9】
【0117】
【表10】
【0118】(参考例1)1.96g(10.0mmo
l)の2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(ラ
ンカスター社製)と1.96g(10.0mmol)の
4−ブロモフェニルアセトニトリル(東京化成社製)と
を、5mlのエタノール(国産化学社製)に加熱溶解さ
せ、撹拌下に20%水酸化ナトリウム水溶液を2滴加え
て、そのまま放冷下に一晩撹拌した。固化した反応物に
エタノールを添加してよく粉砕し、結晶を瀘別し、この
結晶をエタノールで2回、次いでヘキサンで2回洗浄後
乾燥して、3.58g(収率95.6%)のα−シアノ
−4−ブロモ−2′,4′,5′−トリメトキシスチル
ベン(黄色結晶)を得た。
【0119】(参考例2)771mg(5.0mmo
l)の2,3,4−トリヒドロキシベンズアルデヒド
(アルドリッチ社製)と、853mg(5.0mmo
l)の4−クロロフェニル酢酸(東京化成社製)との1
0ml無水酢酸(和光純薬社製)混合物に、氷冷下、5
mlのトリエチルアミン(国産化学社製)を添加して、
塩化カルシウム管保護下に1時間撹拌した後、予め12
0℃に加熱した油浴中で4時間加熱還流した。空冷後、
反応物を100mlの氷冷した10%塩酸中に添加して
激しく撹拌し、析出した結晶を瀘別し、水洗した。得ら
れた茶褐色結晶をエタノール中にてよく粉砕し、結晶を
瀘別してエタノールで洗浄した。得られた薄褐色の結晶
をクロロホルムとエタノールの混合溶液を用いて再結晶
し、1.17g(収率62.9%)の7,8−ジアセト
キシ−3−(4−クロロフェニル)クマリン(淡褐色結
晶)を得た。
【0120】(参考例3) [4−ヨードフェニルアセトニトリルの合成]4.36
g(20.0mmol)のp−ヨードトルエン(東京化
成社製)、3.92g(22.0mmol)のN−ブロ
モコハク酸イミド(東京化成社製)及び60mlの四塩
化炭素(和光純薬工業社製)の混合物を白熱灯照射下で
4時間加熱還流し、2.67g(収率45.0%)の4
−ヨードベンジルブロミド(白色結晶)を得た。次いで
予め50℃に加温した0.49g(10.0mmol)
のシアン化ナトリウム(国産化学社製)の10mlジメ
チルスルホキシド(アルドリッチ社製)溶液に、前記4
−ヨードベンジルブロミド1.48g(5.0mmo
l)を添加し、放冷下で3時間攪拌し、固化した反応生
成物を水に溶解し、ヘキサンで抽出し、ヘキサンを留去
し、4−ヨードフェニルアセトニトリルの白色結晶0.
84g(収率68.9%)を得た。
【0121】(参考例4) [4−エチルフェニルアセトニトリルの合成]2.72
g(20.0mmol)の4−エチルベンジルアルコー
ル(アルドリッチ社製)に、50mlの47%臭化水素
酸(和光純薬工業社製)を添加し、室温下で30分間激
しく攪拌した後、ヘキサンで抽出し、無色油状の4−エ
チルベンジルブロミド3.98gを得た。次いで予め5
0℃に加温した1.96g(40.0mmol)のシア
ン化ナトリウム(国産化学社製)の20mlジメチルス
ルホキシド(アルドリッチ社製)溶液に、前記の4−エ
チルベンジルブロミド3.98gを加え、放冷下で3時
間攪拌し、固化した反応生成物を水に溶解し、ヘキサン
で抽出し、ヘキサンを留去し、4−エチルフェニルアセ
トニトリルの淡黄色油状物2.70g(収率93.1
%)を得た。
【0122】(参考例5) [4−ブロモチオフェン−2−酢酸の合成]1.20g
(30mmol相当)の水素化ナトリウム(60%油
性、和光純薬工業社製)の12ml無水ジオキサン(ア
ルドリッチ社製)懸濁液に、9.94g(30.0mm
ol)のテトラエチルジメチルアミノメチレンジホスホ
ネート(ランカスター社製)の9ml無水ジオキサン溶
液を添加して室温にて10分間撹拌した。次いで5.7
3g(30.0mmol)の4−ブロモ−2−チオフェ
ンカルボキサアルデヒド(アルドリッチ社製)の9ml
無水ジオキサン溶液を添加して60℃にて1時間撹拌し
た。空冷後、反応混合物を100mlの水に添加し、エ
ーテルで3回抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、溶媒留去して黒色油状物14.85gを得た。
【0123】この油状物に15mlの濃塩酸を添加して
15分間加熱還流した後、反応混合物を100mlの冷
水に添加し、エーテルで3回抽出した。この抽出液より
2N水酸化ナトリウム溶液で2回逆抽出し、6N塩酸に
てpH1に調製した後、再びエーテルで3回抽出した。
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶
媒を留去して茶褐色油状物を得た。この油状物を、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液は酢酸エチ
ル:ヘキサンの比が1:1を用いた)により精製して4
−ブロモチオフェン−2−酢酸の黄白色結晶1.29g
(収率19.5%)を得た。
【0124】(参考例6) [5−メチルフラン−2−イルアセトニトリルの合成]
5−メチルフラン−2−カルボキサアルデヒド(和光純
薬工業社製)5.51g(50.0mmol)、ロダニ
ン(東京化成社製)6.66g(50.0mmol)、
無水酢酸ナトリウム(国産化学社製)12.3g(15
0mmol)及び酢酸(和光純薬工業社製)35mlの
混合物を30分間加熱還流し、空冷し、500mlの水
に添加し、析出した結晶を瀘取し、水、エタノール、エ
ーテルで順次洗浄した後、乾燥し、(5−メチルフルフ
リリデン)ロダニンの橙褐色結晶10.04g(収率8
9.1%)を得た。この全量を15%水酸化ナトリウム
水溶液65mlに懸濁し、100℃で30分間加熱し、
空冷した後、500mlの10%塩酸に添加し、析出し
た結晶を瀘取し、水洗し、乾燥し、3−(5−メチルフ
リル)−2−チオケトプロピオン酸の黄色結晶8.22
gを得た。
【0125】この全量にエタノール45ml及び塩酸ヒ
ドロキシルアミン(和光純薬工業社製)10.1g(1
46mmol)を添加し、更にナトリウムエトキシド
(アルドリッチ社製、21%変性エタノール溶液)55
ml(147mmol相当)を徐々に添加し、100℃
で1時間加熱し、空冷し、減圧下で濃縮した。残渣に5
%水酸化ナトリウム水溶液20mlを添加して懸濁し、
氷冷下で注意しながら10%塩酸20mlを添加し、エ
ーテルで3回抽出し、エーテル層を飽和食塩水洗浄し、
無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥した後、エーテルを
留去した。残渣を少量のエーテルに溶解し、白濁が生じ
るまでトルエンを徐々に添加し、静置し、析出した結晶
を回収し、トルエンで十分洗浄し、乾燥し、3−(5−
メチル−2−フリル)−2−ヒドロキシイミノプロピオ
ン酸の黄色結晶4.55g(収率53.3%)を得た。
【0126】この全量をベンゼン60mlに溶解し、
1,1′−カルボニルジイミダゾール(アルドリッチ社
製)3.97g(24.8mmol)を徐々に添加し、
70℃で1時間加熱し、空冷し、50mlの氷水に添加
し、ベンゼンで3回抽出し、ベンゼン層を重曹水、飽和
食塩水、1%塩酸、水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去し、油状物2.40g
を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出液は酢酸エチル:ヘキサンの比が1:4を用
いた)で精製し、5−メチルフラン−2−イルアセトニ
トリルの無色油状物2.00g(収率66.6%)を得
た。
【0127】(比較例1)実施例17と同一の方法によ
って得た化52の化学式に示す化合物150mg(0.
59mmol)と3mlのアセトン(関東化学社製)の
混合物に、予めよく粉砕した207mg(1.5mmo
l)の無水炭酸カリウム(和光純薬社製)を添加し、更
に0.14ml(1.5mmol相当)のジメチル硫酸
(東京化成社製)を添加して、窒素ガス雰囲気下にて2
時間加熱環流した。空冷後、反応物を20mlの予め氷
冷した希塩酸中に添加して、析出した結晶を瀘別した。
得られた瀘別物をよく水洗し、少量のエタノールで洗浄
し、乾燥して、次の化学式
【0128】
【化31】
【0129】で示される白色結晶の化合物130mg
(収率78.1%)を得た。得られた化合物の融点は、
147〜148℃であった。
【0130】(比較例2)2,3,4−トリヒドロキシ
ベンズアルデヒドの代わりに691mg(5.0mmo
l)の2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(東京化
成社製)を用いたことを除き、参考例2と同一の方法に
より、7−アセトキシ−3−(4−クロロフェニル)ク
マリンの白色結晶988mg(収率62.8%)を得
た。7,8−ジアセトキシ−3−(4−フルオロフェニ
ル)クマリンの代りに314mg(1.0mmol)の
前記7−アセトキシ−3−(4−クロロフェニル)クマ
リンを用いたことを除き、実施例2と同一の方法によ
り、次の化学式
【0131】
【化32】
【0132】で示される淡黄色結晶の化合物236mg
(収率86.5%)を得た。得られた化合物の融点は、
296〜297℃であった。
【0133】(比較例3)1.26g(10.0mmo
l)のピロガロール(東京化成社製)と1.92g(1
0.0mmol)のベンゾイル酢酸エチル(東京化成社
製),及び10mlの75%硫酸の混合物を、予め55
℃に加熱した油浴中で一晩加熱攪拌した。空冷後、反応
物に15mlの氷水を添加して攪拌し、固化した反応物
をよく粉砕して瀘別し、水洗した。得られた黄褐色粉末
状物を酢酸エチルに溶解し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。瀘液に活性炭を添加して加熱した後、減圧下にて
濃縮した。残渣を酢酸エチルに加熱溶解し、ヘキサンを
添加して放冷下にて攪拌した。析出した結晶を集めて乾
燥し、次の化学式
【0134】
【化33】
【0135】で示される褐色結晶の化合物916mg
(収率36%)を得た。得られた化合物の融点は、19
1.5〜192.5℃であった。
【0136】(比較例4)821mg(5.0mmo
l)のフェニル酢酸エチル(東京化成社製)の2mlエ
タノール(国産化学社製)溶液に、2mlの水に溶解し
た0.8gの水酸化ナトリウムの溶液を添加して、室温
にて2時間攪拌した。これに30mlの約10%塩酸を
添加してエーテルで3回抽出し、有機層を飽和食塩水で
洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に溶媒留
去した。残渣に1.15g(5.0mmol)の2,
3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン(東京化成社
製)と10mlの無水酢酸(和光純薬社製)とを添加
し、氷冷下にて攪拌しながら5mlのトリエチルアミン
(国産化学社製)を添加して、そのまま1時間攪拌し
た。次いで、この反応物を予め120℃に加熱した油浴
中にて2時間加熱環流した。空冷後、反応物を100m
lの予め氷冷した10%塩酸中に添加し、暫く攪拌した
後、塩化メチレンで3回抽出した。有機層を重曹水、次
いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、減圧下にて溶媒留去した。残渣の油状物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶出液は酢酸エチル:ヘ
キサンの比が1:2を用いた)により精製し、7,8−
ジアセトキシ−3,4−ジフェニルクマリンの白色結晶
823mg(収率39.8%)を得た。250mg
(0.6mmol)の前記7,8−ジアセトキシ−3,
4−ジフェニルクマリンに、8mlのエタノールと1m
lの水、及び1mlの濃塩酸を添加して、4時間加熱環
流した。空冷後、反応物を60mlの水中に添加し、析
出する結晶を瀘別し水洗した後、乾燥し、次の化学式
【0137】
【化34】
【0138】で示される白色結晶の化合物165mg
(収率82.8%)を得た。得られた化合物の融点は、
281〜282℃であった。
【0139】(比較例5)4−クロロフェニル酢酸の代
りに、761mg(5.0mmol)の4−ヒドロキシ
フェニル酢酸(東京化成社製)を用いたことを除き、参
考例2と同一の方法により、7,8−ジアセトキシ−3
−(4−アセトキシフェニル)クマリンの乳白色結晶
1.45g(収率73.0%)を得た。7,8−ジアセ
トキシ−3−(4−フルオロフェニル)クマリンの代り
に396mg(1.0mmol)の前記7,8−ジアセ
トキシ−3−(4−アセトキシフェニル)クマリンを用
いたことを除き、実施例2と同一の方法により、次の化
学式
【0140】
【化35】
【0141】で示される黄土色結晶の化合物189mg
(収率70.0%)を得た。得られた化合物の融点は、
295℃(分解)であった。
【0142】
【実施例】次に実施例を示して本発明を更に詳述する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 実施例1 参考例1と同一の方法によって得たα−シアノ−4−ブ
ロモ−2′,4′,5′−トリメトキシスチルベン74
8mg(2.0mmol)と、3.47g(30.0m
mol)の塩化ピリジニウム(アルドリッチ社製)の混
合物を、アルゴンガス雰囲気下で、予め210℃に加熱
した油浴上で溶融混合し、同温度で1時間撹拌した。次
いで空冷し、固化した反応物に20mlの2規定塩酸を
添加してよく粉砕し、30分間攪拌した後、析出物を瀘
別し、3回水洗して乾燥した。これをシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶出液は酢酸エチルを用いた)に
より精製し、次の化学式
【0143】
【化36】
【0144】で示される黄色結晶化合物551mg(収
率82.7%)を得た。得られた化合物の融点は、28
7〜288℃であった。
【0145】実施例2 4−クロロフェニル酢酸の代りに771mg(5.0m
mol)の4−フルオロフェニル酢酸(ランカスター社
製)を用いたことを除き、参考例2と同一の方法により
得た7,8−ジアセトキシ−3−(4−フルオロフェニ
ル)クマリン356mg(1.0mmol)と、8ml
のエタノール(国産化学社製)の混合物に2mlの6規
定塩酸を添加して1時間加熱還流した。空冷後、反応物
を60mlの水に添加して攪拌し、析出する結晶を瀘別
し、水洗した。乾燥後、酢酸エチルとヘキサンの混合溶
液を用いて再結晶し、次の化学式
【0146】
【化37】
【0147】で示される淡黄色結晶の化合物193mg
(収率70.9%)を得た。得られた化合物の融点は、
248〜249℃であった。
【0148】実施例3 4−クロロフェニル酢酸の代りに、751mg(5.0
mmol)の3−メチルフェニル酢酸(東京化成社製)
を用いたことを除き、参考例2と同一の方法により得た
7,8−ジアセトキシ−3−(3−メチルフェニル)ク
マリン352mg(1.0mmol)を、8mlのエタ
ノール(国産化学社製)に懸濁し、これに4mlの水に
溶解した168mg(4.0mmol)の水酸化リチウ
ム・一水和物(国産化学社製)の溶液を添加し、室温で
1時間撹拌した。次いでこの混合物に4mlの約10%
塩酸を添加して酸性とした後、減圧下に濃縮乾固した。
反応物に酢酸エチルと水を添加して有機層を分取し、こ
の有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥した。硫酸ナトリウムを瀘別した液をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶出液は酢酸エチルを用
いた)により精製し、次の化学式
【0149】
【化38】
【0150】で示される黄色結晶化合物203mg(収
率75.7%)を得た。得られた化合物の融点は、18
5.5〜186.5℃であった。
【0151】実施例4 771mg(5.0mmol)の2,3,4−トリヒド
ロキシベンズアルデヒド(アルドリッチ社製)と、75
8mg(5.0mmol)の4−クロロフェニルアセト
ニトリル(東京化成社製)の10mlエタノール(国産
化学社製)混合物に、0.54mlのピペリジン(和光
純薬社製)を添加して6時間加熱還流した。空冷後、反
応物を100mlの1規定塩酸に添加して撹拌し、析出
物を瀘別し、水洗した。得られた瀘別物を酢酸エチルに
溶解し、20%亜硫酸水素ナトリウム水溶液で2回、次
いで飽和食塩水で1回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、減圧下に溶媒留去して、黒褐色固形物約300m
gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出液は酢酸エチル:ヘキサンの比が1:5〜3:5
を用いた)により精製し、次の化学式
【0152】
【化39】
【0153】で示される淡黄色結晶化合物227mg
(収率15.7%)を得た。得られた化合物の融点は、
239〜241℃であった。
【0154】実施例5 25mlの濃塩酸と、15gの氷の混合液に、3.83
g(30.0mmol)のp−クロロアニリン(東京化
成社製)を添加し、これに7mlの30%亜硝酸ナトリ
ウム(和光純薬社製)水溶液を添加して、室温にて1時
間撹拌した。この混合物に酢酸ナトリウム(和光純薬社
製)の飽和水溶液を添加してpH4に調整し、不溶成分
を瀘別した。この瀘液を別途調製した5.77g(30
mmol)の4−メチルエスクレチン(東京化成社製)
の90mlアセトン懸濁液に添加し、更に、0.8gの
塩化第二銅・二水和物(関東化学社製)を添加して1時
間撹拌した。反応物を減圧下に濃縮して大半の溶媒を除
去した後、残渣に300mlの酢酸エチルを添加してよ
く混合した。不溶成分(未反応の4−メチルエスクレチ
ン)を瀘別した後、瀘液から有機層を分取し、水層を更
に酢酸エチルで2回抽出し、あわせた有機層を飽和食塩
水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。これを
減圧下に溶媒留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶出液は酢酸エチル:ヘキサンの比が
1:1を用いた)により精製し、目的物を含む流出液分
画を放置して析出する結晶を集めて乾燥し、次の化学式
【0155】
【化40】
【0156】で示される淡黄色結晶の化合物533mg
(収率5.9%)を得た。得られた化合物の融点は、1
74〜175℃であった。
【0157】実施例6 4−ブロモフェニルアセトニトリルの代りに586mg
(5.0mmol)のフェニルアセトニトリル(東京化
成社製)を用いたことを除き、参考例1と同一の方法に
より、α−シアノ−2′,4′,5′−トリメトキシス
チルベンを得た。α−シアノ−4−ブロモ−2′,
4′,5′−トリメトキシスチルベンの代りに591m
g(2.0mmol)の前記α−シアノ−2′,4′,
5′−トリメトキシスチルベンを用いたことを除き、実
施例1と同一の方法により、次の化学式
【0158】
【化41】
【0159】で示される黄褐色結晶の化合物444mg
(収率87.3%)を得た。得られた化合物の融点は、
251〜253℃であった。
【0160】実施例7 4−ブロモフェニルアセトニトリルの代りに1.35g
(10.0mmol)の4−フルオロフェニルアセトニ
トリル(東京化成社製)を用いたことを除き、参考例1
と同一の方法により、α−シアノ−4−フルオロ−
2′,4′,5′−トリメトキシスチルベンを得た。α
−シアノ−4−ブロモ−2′,4′,5′−トリメトキ
シスチルベンの代りに599mg(2.0mmol)の
前記α−シアノ−4−フルオロ−2′,4′,5′−ト
リメトキシスチルベンを用いたことを除き、実施例1と
同一の方法により、次の化学式
【0161】
【化42】
【0162】で示される黄褐色結晶の化合物364mg
(収率66.9%)を得た。得られた化合物の融点は、
287〜288℃であった。
【0163】実施例8 4−ブロモフェニルアセトニトリルの代りに1.52g
(10.0mmol)の4−クロロフェニルアセトニト
リル(東京化成社製)を用いたことを除き、参考例1と
同一の方法により、α−シアノ−4−クロロ−2′,
4′,5′−トリメトキシスチルベンを得た。α−シア
ノ−4−ブロモ−2′,4′,5′−トリメトキシスチ
ルベンの代りに660mg(2.0mmol)の前記α
−シアノ−4−クロロ−2′,4′,5′−トリメトキ
シスチルベンを用いたことを除き、実施例1と同一の方
法により、次の化学式
【0164】
【化43】
【0165】で示される黄色結晶の化合物435mg
(収率75.3%)を得た。得られた化合物の融点は、
289〜291℃であった。
【0166】実施例9 4−ブロモフェニルアセトニトリルの代りに1.52g
(10.0mmol)の3−クロロフェニルアセトニト
リル(東京化成社製)を用いたことを除き、参考例1と
同一の方法により、α−シアノ−3−クロロ−2′,
4′,5′−トリメトキシスチルベンを得た。α−シア
ノ−4−ブロモ−2′,4′,5′−トリメトキシスチ
ルベンの代りに660mg(2.0mmol)の前記α
−シアノ−3−クロロ−2′,4′,5′−トリメトキ
シスチルベンを用いたことを除き、実施例1と同一の方
法により、次の化学式
【0167】
【化44】
【0168】で示される淡黄色結晶の化合物290mg
(収率50.2%)を得た。得られた化合物の融点は、
279〜281℃であった。
【0169】実施例10 392mg(2.0mmol)の2,4,5−トリメト
キシベンズアルデヒド(ランカスター社製)を用い、4
−ブロモフェニルアセトニトリルの代りに、486mg
(2.0mmol)の参考例3の方法で得られた4−ヨ
ードフェニルアセトニトリルを用いたことを除き、参考
例1と同一の方法により、α−シアノ−4−ヨード−
2′,4′,5′−トリメトキシスチルベンを得た。α
−シアノ−4−ブロモ−2′,4′,5′−トリメトキ
シスチルベンの代りに421mg(1.0mmol)の
前記α−シアノ−4−ヨード−2′,4′,5′−トリ
メトキシスチルベンを用いたことを除き、実施例1と同
一の方法により、次の化学式
【0170】
【化45】
【0171】で示される黄色結晶の化合物566mg
(収率74.4%)を得た。得られた化合物の融点は、
273〜276℃であった。
【0172】実施例11 4−ブロモフェニルアセトニトリルの代りに1.31g
(10.0mmol)の4−メチルフェニルアセトニト
リル(東京化成社製)を用いたことを除き、参考例1と
同一の方法により、α−シアノ−4−メチル−2′,
4′,5′−トリメトキシスチルベンを得た。α−シア
ノ−4−ブロモ−2′,4′,5′−トリメトキシスチ
ルベンの代りに619mg(2.0mmol)の前記α
−シアノ−4−メチル−2′,4′,5′−トリメトキ
シスチルベンを用いたことを除き、実施例1と同一の方
法により、次の化学式
【0173】
【化46】
【0174】で示される黄色結晶の化合物435mg
(収率81.0%)を得た。得られた化合物の融点は、
252.5〜253℃であった。
【0175】実施例12 4−ブロモフェニルアセトニトリルの代りに1.31g
(10.0mmol)の3−メチルフェニルアセトニト
リル(アルドリッチ社製)を用いたことを除き、参考例
1と同一の方法により、α−シアノ−3−メチル−
2′,4′,5′−トリメトキシスチルベンを得た。α
−シアノ−4−ブロモ−2′,4′,5′−トリメトキ
シスチルベンの代りに619mg(2.0mmol)の
前記α−シアノ−3−メチル−2′,4′,5′−トリ
メトキシスチルベンを用いたことを除き、実施例1と同
一の方法により、次の化学式
【0176】
【化47】
【0177】で示される黄色結晶の化合物493mg
(収率91.8%)を得た。得られた化合物の融点は、
216〜218℃であった。
【0178】実施例13 628mg(3.20mmol)の2,4,5−トリメ
トキシベンズアルデヒド(ランカスター社製)を用い、
4−ブロモフェニルアセトニトリルの代りに465mg
(3.20mmol)の参考例4の方法で得られた4−
エチルフェニルアセトニトリルを用いたことを除き、参
考例1と同一の方法により、α−シアノ−4−エチル−
2′,4′,5′−トリメトキシスチルベンを得た。α
−シアノ−4−ブロモ−2′,4′,5′−トリメトキ
シスチルベンの代りに485mg(1.5mmol)の
前記α−シアノ−4−エチル−2′,4′,5′−トリ
メトキシスチルベンを用いたことを除き、実施例1と同
一の方法により、次の化学式
【0179】
【化48】
【0180】で示される黄色結晶の化合物493mg
(収率87.5%)を得た。得られた化合物の融点は、
232〜234℃であった。
【0181】実施例14 4−ブロモフェニルアセトニトリルの代りに1.85g
(10.0mmol)の4−トリフルオロメチルフェニ
ルアセトニトリル(アルドリッチ社製)を用いたことを
除き、参考例1と同一の方法により、α−シアノ−4−
トリフルオロメチル−2′,4′,5′−トリメトキシ
スチルベンを得た。α−シアノ−4−ブロモ−2′,
4′,5′−トリメトキシスチルベンの代りに727m
g(2.0mmol)の前記α−シアノ−4−トリフル
オロメチル−2′,4′,5′−トリメトキシスチルベ
ンを用いたことを除き、実施例1と同一の方法により、
次の化学式
【0182】
【化49】
【0183】で示される淡黄色結晶の化合物594mg
(収率92.2%)を得た。得られた化合物の融点は、
257〜258℃であった。
【0184】実施例15 4−ブロモフェニルアセトニトリルの代りに1.23g
(10.0mmol)のチオフェン−2−イルアセトニ
トリル(東京化成社製)を用いたことを除き、参考例1
と同一の方法により、α−(2,4,5−トリメトキシ
ベンジリデン)チオフェン−2−アセトニトリルを得
た。α−シアノ−4−ブロモ−2′,4′,5′−トリ
メトキシスチルベンの代りに603mg(2.0mmo
l)の前記α−(2,4,5−トリメトキシベンジリデ
ン)チオフェン−2−アセトニトリルを用いたことを除
き、実施例1と同一の方法により、次の化学式
【0185】
【化50】
【0186】で示される黄色結晶の化合物274mg
(収率52.6%)を得た。得られた化合物の融点は、
273℃(分解)であった。
【0187】実施例16 4−ブロモフェニルアセトニトリルの代りに1.23g
(10.0mmol)のチオフェン−3−イルアセトニ
トリル(東京化成社製)を用いたことを除き、参考例1
と同一の方法により、α−(2,4,5−トリメトキシ
ベンジリデン)チオフェン−3−アセトニトリルを得
た。α−シアノ−4−ブロモ−2′,4′,5′−トリ
メトキシスチルベンの代りに603mg(2.0mmo
l)の前記α−(2,4,5−トリメトキシベンジリデ
ン)チオフェン−3−アセトニトリルを用いたことを除
き、実施例1と同一の方法により、次の化学式
【0188】
【化51】
【0189】で示される黄色結晶の化合物315mg
(収率60.5%)を得た。得られた化合物の融点は、
249〜250℃であった。
【0190】実施例17 2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドの代りに
1.96g(10.0mmol)の2,3,4−トリメ
トキシベンズアルデヒド(東京化成社製)を用い、4−
ブロモフェニルアセトニトリルの代りに1.17g(1
0.0mmol)のフェニルアセトニトリル(東京化成
社製)を用いたことを除き、参考例1と同一の方法によ
り、α−シアノ−2′,3′,4′−トリメトキシスチ
ルベンを得た。α−シアノ−4−ブロモ−2′,4′,
5′−トリメトキシスチルベンの代りに591mg
(2.0mmol)の前記α−シアノ−2′,3′,
4′−トリメトキシスチルベンを用いたことを除き、実
施例1と同一の方法により、次の化学式
【0191】
【化52】
【0192】で示される黄色結晶の化合物474mg
(収率93.2%)を得た。得られた化合物の融点は、
209〜210℃であった。
【0193】実施例18 2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドの代りに
1.96g(10.0mmol)の2,3,4−トリメ
トキシベンズアルデヒド(東京化成社製)を用い、4−
ブロモフェニルアセトニトリルの代りに1.31g(1
0.0mmol)の4−メチルフェニルアセトニトリル
(東京化成社製)を用いたことを除き、参考例1と同一
の方法により、α−シアノ−4−メチル−2′,3′,
4′−トリメトキシスチルベンを得た。α−シアノ−4
−ブロモ−2′,4′,5′−トリメトキシスチルベン
の代りに619mg(2.0mmol)の前記α−シア
ノ−4−メチル−2′,3′,4′−トリメトキシスチ
ルベンを用いたことを除き、実施例1と同一の方法によ
り、次の化学式
【0194】
【化53】
【0195】で示される黄色結晶の化合物481mg
(収率89.7%)を得た。得られた化合物の融点は、
226〜227℃であった。
【0196】実施例19 2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドの代りに
1.96g(10.0mmol)の2,3,4−トリメ
トキシベンズアルデヒド(東京化成社製)を用い、4−
ブロモフェニルアセトニトリルの代りに、1.45g
(10.0mmol)の参考例4の方法で得られた4−
エチルフェニルアセトニトリルを用いたことを除き、参
考例1と同一の方法により、α−シアノ−4−エチル−
2′,3′,4′−トリメトキシスチルベンを得た。α
−シアノ−4−ブロモ−2′,4′,5′−トリメトキ
シスチルベンの代りに647mg(2.0mmol)の
前記α−シアノ−4−エチル−2′,3′,4′−トリ
メトキシスチルベンを用いたことを除き、実施例1と同
一の方法により、次の化学式
【0197】
【化54】
【0198】で示される黄色結晶の化合物436mg
(収率77.2%)を得た。得られた化合物の融点は、
188.5〜190℃であった。
【0199】実施例20 2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドの代りに
1.96g(10.0mmol)の2,3,4−トリメ
トキシベンズアルデヒド(東京化成社製)を用い、4−
ブロモフェニルアセトニトリルの代りに1.85g(1
0.0mmol)の4−トリフルオロメチルフェニルア
セトニトリル(アルドリッチ社製)を用いたことを除
き、参考例1と同一の方法により、α−シアノ−4−ト
リフルオロメチル−2′,3′,4′−トリメトキシス
チルベンを得た。α−シアノ−4−ブロモ−2′,
4′,5′−トリメトキシスチルベンの代りに727m
g(2.0mmol)の前記α−シアノ−4−トリフル
オロメチル−2′,3′,4′−トリメトキシスチルベ
ンを用いたことを除き、実施例1と同一の方法により、
次の化学式
【0200】
【化55】
【0201】で示される黄色結晶の化合物205mg
(収率31.8%)を得た。得られた化合物の融点は、
234〜234.5℃であった。
【0202】実施例21 2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドの代りに
1.96g(10.0mmol)の2,3,4−トリメ
トキシベンズアルデヒド(東京化成社製)を用い、4−
ブロモフェニルアセトニトリルの代りに1.23g(1
0.0mmol)のチオフェン−3−イルアセトニトリ
ル(東京化成社製)を用いたことを除き、参考例1と同
一の方法により、α−(2,3,4−トリメトキシベン
ジリデン)チオフェン−3−アセトニトリルを得た。α
−シアノ−4−ブロモ−2′,4′,5′−トリメトキ
シスチルベンの代りに603mg(2.0mmol)の
前記α−(2,3,4−トリメトキシベンジリデン)チ
オフェン−3−アセトニトリルを用いたことを除き、実
施例1と同一の方法により、次の化学式
【0203】
【化56】
【0204】で示される黄色結晶の化合物376mg
(収率72.3%)を得た。得られた化合物の融点は、
243〜245.5℃であった。
【0205】実施例22 4−クロロフェニル酢酸の代りに、853mg(5.0
mmol)の3−クロロフェニル酢酸(東京化成社製)
を用いたことを除き、参考例2と同一の方法により、
7,8−ジアセトキシ−3−(3−クロロフェニル)ク
マリンを得た。7,8−ジアセトキシ−3−(4−フル
オロフェニル)クマリンの代りに373mg(1.0m
mol)の前記7,8−ジアセトキシ−3−(3−クロ
ロフェニル)クマリンを用いたことを除き、実施例2と
同一の方法により、次の化学式
【0206】
【化57】
【0207】で示される淡黄色結晶の化合物268mg
(収率92.8%)を得た。得られた化合物の融点は、
281〜282℃であった。
【0208】実施例23 4−クロロフェニル酢酸の代りに、906mg(5.0
mmol)の4−ニトロフェニル酢酸(東京化成社製)
を用いたことを除き、参考例2と同一の方法により、
7、8−ジアセトキシ−3−(4−ニトロフェニル)ク
マリンを得た。7,8−ジアセトキシ−3−(4−フル
オロフェニル)クマリンの代りに383mg(1.0m
mol)の前記7、8−ジアセトキシ−3−(4−ニト
ロフェニル)クマリンを用いたことを除き、実施例2と
同一の方法により、次の化学式
【0209】
【化58】
【0210】で示される橙色結晶の化合物228mg
(収率76.2%)を得た。得られた化合物の融点は、
303〜304℃(分解)であった。
【0211】実施例24 参考例2と同一の方法により、7、8−ジアセトキシ−
3−(4−クロロフェニル)クマリンを得た。7,8−
ジアセトキシ−3−(4−フルオロフェニル)クマリン
の代りに373mg(1.0mmol)の前記7,8−
ジアセトキシ−3−(4−クロロフェニル)クマリンを
用いたことを除き、実施例2と同一の方法により、次の
化学式
【0212】
【化59】
【0213】で示される黄色結晶の化合物242mg
(収率83.9%)を得た。得られた化合物の融点は、
240〜241℃であった。NMR及びIRスペクトル
は、実施例4で得た化合物のそれらと同一であった。
【0214】実施例25 4−クロロフェニル酢酸の代りに、1075mg(5.
0mmol)の4−ブロモフェニル酢酸(東京化成社
製)を用いたことを除き、参考例2と同一の方法によ
り、7、8−ジアセトキシ−3−(4−ブロモフェニ
ル)クマリンを得た。7,8−ジアセトキシ−3−(4
−フルオロフェニル)クマリンの代りに417mg
(1.0mmol)の前記7、8−ジアセトキシ−3−
(4−ブロモフェニル)クマリンを用いたことを除き、
実施例2と同一の方法により、次の化学式
【0215】
【化60】
【0216】で示される黄色結晶の化合物300mg
(収率90.2%)を得た。得られた化合物の融点は、
262〜264℃であった。
【0217】実施例26 4−クロロフェニル酢酸の代りに、751mg(5.0
mmol)の4−メチルフェニル酢酸(東京化成社製)
を用いたことを除き、参考例2と同一の方法により、
7,8−ジアセトキシ−3−(4−メチルフェニル)ク
マリンを得た。7,8−ジアセトキシ−3−(4−フル
オロフェニル)クマリンの代りに352mg(1.0m
mol)の前記7,8−ジアセトキシ−3−(4−メチ
ルフェニル)クマリンを用いたことを除き、実施例2と
同一の方法により、次の化学式
【0218】
【化61】
【0219】で示される黄色結晶の化合物233mg
(収率86.9%)を得た。得られた化合物の融点は、
226〜227℃であった。NMR及びIRスペクトル
は、実施例18で得たものと同一のスペクトルを与え
た。
【0220】実施例27 4−クロロフェニル酢酸の代りに、831mg(5.0
mmol)の4−メトキシフェニル酢酸(東京化成社
製)を用いたことを除き、参考例2と同一の方法によ
り、7,8−ジアセトキシ−3−(4−メトキシフェニ
ル)クマリンを得た。7,8−ジアセトキシ−3−(4
−フルオロフェニル)クマリンの代りに368mg
(1.0mmol)の前記7,8−ジアセトキシ−3−
(4−メトキシフェニル)クマリンを用いたことを除
き、実施例2と同一の方法により、次の化学式
【0221】
【化62】
【0222】で示される黄土色結晶の化合物186mg
(収率65.5%)を得た。得られた化合物の融点は、
245〜246℃であった。
【0223】実施例28 2,3,4−トリヒドロキシベンズアルデヒドの代り
に、771mg(5.0mmol)の2,4,5−トリ
ヒドロキシベンズアルデヒド(ランカスター社製)を用
いたことを除き、参考例2と同一の方法により、6,7
−ジアセトキシ−3−(4−クロロフェニル)クマリン
を得た。7,8−ジアセトキシ−3−(3−メチルフェ
ニル)クマリンの代りに373mg(1.0mmol)
の前記6,7−ジアセトキシ−3−(4−クロロフェニ
ル)クマリンを用いたことを除き、実施例3と同一の方
法により、次の化学式
【0224】
【化63】
【0225】で示される黄色結晶の化合物176mg
(収率60.9%)を得た。得られた化合物の融点は、
290〜291℃であった。NMR及びIRスペクトル
は、実施例8で得たものと同一のスペクトルを与えた。
【0226】実施例29 4−クロロフェニルアセトニトリルの代りに616mg
(5.0mmol)のチオフェン−2−イルアセトニト
リル(東京化成社製)を用いたことを除き、実施例4と
同一の方法により、次の化学式
【0227】
【化64】
【0228】で示される黄色結晶の化合物264mg
(収率20.3%)を得た。得られた化合物の融点は、
246〜247℃であった。
【0229】実施例30 p−クロロアニリンの代りに3.89g(30.0mm
ol)の塩酸アニリン(和光純薬社製)を用いた他は、
実施例5と同様の方法により、次の化学式
【0230】
【化65】
【0231】で示される黄色結晶の化合物153mg
(収率1.9%)を得た。得られた化合物の融点は、1
61〜162℃であった。
【0232】実施例31 1錠当たり次の割合の組成からなる混合物を調製し、常
法により錠剤機により打錠し、本発明の12−リポキシ
ゲナーゼを選択的に阻害する医薬を製造した。 実施例1で得た化合物 30.0(mg) 乳糖(岩城製薬社製) 40.0 トウモロコシ澱粉(吉田製薬社製) 15.0 ステアリン酸マグネシウム(太平化学社製) 0.4 カルボキシメチルセルロースカルシウム (ニチリン化学工業社製) 20.0
【0233】実施例32 1カプセル当たり次の割合の組成からなる混合物を調製
し、常法によりゼラチン・カプセルに充填し、本発明の
12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害する医薬を製造
した。 実施例5で得た化合物 30.0(mg) 乳糖(岩城製薬社製) 40.0 微粉末セルロース(日本ソーダ社製) 30.0 ステアリン酸マグネシウム(太平化学社製) 3.0
【0234】実施例33 385mg(2.5mmol)の2,3,4−トリヒド
ロキシベンズアルデヒド(アルドリッチ社製)を用い、
4−クロロフェニル酢酸の代りに553mg(2.5m
mol)の4−ブロモチオフェン−2−酢酸を用いたこ
とを除き、参考例2と同一の方法により、淡褐色結晶の
7,8−ジアセトキシ−3−(4−ブロモチオフェン−
2−イル)クマリン756mg(収率71.4%)を得
た。
【0235】7,8−ジアセトキシ−3−(4−フルオ
ロフェニル)クマリンの代りに423mg(1.0mm
ol)の前記7,8−ジアセトキシ−3−(4−ブロモ
チオフェン−2−イル)クマリンを用いたことを除き、
実施例2と同一の方法により、次の化学式
【0236】
【化66】
【0237】で示される黄色結晶化合物310mg(収
率91.4%)を得た。得られた化合物の融点は291
℃(分解)であった。
【0238】実施例34 385mg(2.5mmol)の2,4,5−トリヒド
ロキシベンズアルデヒド(ランカスター社製)を用い、
4−クロロフェニル酢酸の代りに553mg(2.5m
mol)の4−ブロモチオフェン−2−酢酸を用いたこ
とを除き、参考例2と同一の方法により淡褐色結晶の
6,7−ジアセトキシ−3−(4−ブロモチオフェン−
2−イル)クマリン755mg(収率71.4%)を得
た。
【0239】7,8−ジアセトキシ−3−(4−フルオ
ロフェニル)クマリンの代りに423mg(1.0mm
ol)の前記6,7−ジアセトキシ−3−(4−ブロモ
チオフェン−2−イル)クマリンを用いたことを除き、
実施例2と同一の方法により、次の化学式
【0240】
【化67】
【0241】で示される黄色結晶化合物287mg(収
率84.6%)を得た。得られた化合物の融点は300
℃以上であった。
【0242】実施例35 2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドの代りに
0.98g(5.0mmol)の2,3,4−トリメト
キシベンズアルデヒド(東京化成社製)を用い、4−ブ
ロモフェニルアセトニトリルの代りに1.21g(5.
0mmol)の5−メチルフラン−2−イルアセトニト
リルを用いたことを除き、参考例1と同一の方法により
緑色結晶の5−メチル−α−(2,3,4−トリメトキ
シベンジリデン)フラン−2−アセトニトリル703m
g(収率47.1%)を得た。
【0243】α−シアノ−4−ブロモ−2′,4′,
5′−トリメトキシスチルベンの代りに597mg
(2.0mmol)の前記5−メチル−α−(2,3,
4−トリメトキシベンジリデン)フラン−2−アセトニ
トリルを用いたことを除き、実施例1と同一の方法によ
り、次の化学式
【0244】
【化68】
【0245】で示される黄色結晶化合物241mg(収
率46.7%)を得た。得られた化合物の融点は24
6.5〜247.0℃であった。
【0246】実施例36 0.98g(5.0mmol)の2,4,5−トリメト
キシベンズアルデヒドを用い、4−ブロモフェニルアセ
トニトリルの代りに1.21g(5.0mmol)の5
−メチルフラン−2−イルアセトニトリルを用いたこと
を除き、参考例1と同一の方法により、黄色結晶の5−
メチル−α−(2,4,5−トリメトキシベンジリデ
ン)フラン−2−アセトニトリル687mg(収率4
6.1%)を得た。
【0247】α−シアノ−4−ブロモ−2′,4′,
5′−トリメトキシスチルベンの代りに597mg
(2.0mmol)の前記5−メチル−α−(2,4,
5−トリメトキシベンジリデン)フラン−2−アセトニ
トリルを用いたことを除き、実施例1と同一の方法によ
り、次の化学式
【0248】
【化69】
【0249】で示される黄褐色結晶化合物140mg
(収率27.0%)を得た。得られた化合物の融点は2
78℃(分解)であった。
【0250】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明は、12−
リポキシゲナーゼを選択的に阻害するクマリン誘導体、
及びこれらの化合物を有効成分として含有する12−リ
ポキシゲナーゼを選択的に阻害する医薬に係るものであ
り、本発明によって奏せられる効果は、次のとおりであ
る。 1)本発明の化合物は、12−リポキシゲナーゼを強
力、かつ高い選択性をもって阻害する作用を有する。 2)本発明の化合物を有効成分とする医薬は、動脈硬
化、血管攣縮等の循環器系各種疾患の予防、治療、及び
ある種の癌の転移の予防に有用である。 3)本発明の化合物は、低毒性であり、副作用が少な
く、12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害する医薬の
有効成分として有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 409/04 307 (72)発明者 森 繁広 神奈川県座間市東原5丁目1番15号407 さがみ野さくら (72)発明者 森内 尚子 神奈川県横浜市港南区日野南1丁目20番7 号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の化1の一般式 【化1】 [ただし、式中R1 は、水素原子又は低級アルキル基を
    示し、R2 及びR3 は、水素原子又は水酸基を示し(た
    だし、R2 とR3 が同時に水素原子であることはな
    い)、Arは、次の化2、化3又は化4の一般式 【化2】 【化3】 【化4】 で示される基であり、式中R4 は、低級アルキル基、低
    級アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基
    又はシアノ基を示す。]で示されるクマリン誘導体。
  2. 【請求項2】 次の化5の一般式 【化5】 [ただし、式中R1 は、水素原子又は低級アルキル基を
    示し、R2 及びR3 は、水素原子又は水酸基を示し(た
    だし、R2 とR3 が同時に水素原子であることはな
    い)、Arは、次の化6、化7又は化8の一般式 【化6】 【化7】 【化8】 で示される基であり、式中R4 は、水素原子、低級アル
    キル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオ
    ロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示す。]で示され
    るクマリン誘導体からなる群より選択される化合物、又
    はそれらの混合物を有効成分として含有する医薬。
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