JP3144663B2 - α,β−ジアリールアクリロニトリル誘導体及びその用途 - Google Patents
α,β−ジアリールアクリロニトリル誘導体及びその用途Info
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Description
ゼを選択的に阻害する新規なα,β−ジアリールアクリ
ロニトリル誘導体及びこれらの化合物を有効成分として
含有する医薬に関するものであり、更に詳しくは、本発
明は、12−リポキシゲナーゼ経路における12−リポ
キシゲナーゼの活性を選択的に阻害する作用を有する新
規なα,β−ジアリールアクリロニトリル誘導体、及び
当該化合物を有効成分として含有する動脈硬化、血管攣
縮等の循環器系各種疾患の予防、治療、ある種の癌(ル
イス肺癌等)の転移の予防等を目的とした薬剤として有
用な12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害する医薬、
に関するものである。本明細書において、百分率の表示
は、特に断りのない限り、重量による値を意味するもの
である。
キシゲナーゼ経路と呼ばれる代謝経路が存在し、アラキ
ドン酸は、5−リポキシゲナーゼの作用により5−ヒド
ロペルオキシエイコサテトラエン酸(以下5−HPET
Eと記載することがある)に変換されること等が知られ
ている(室田誠逸編,「プロスタグランディンと病
態」,東京化学同人,1984年)。
リエン(Leukotriene) 類が生合成されることが知られて
おり(室田誠逸編,「プロスタグランディンと病態」,
東京化学同人,1984年)、それらのロイコトリエン
類のうち、例えば、ロイコトリエンB4 は、強力な白血
球遊走作用を有し、炎症のメディエーターであること、
また、ロイコトリエンC4 及びD4 は、喘息のメディエ
ーターであること等が知られている(室田誠逸編,「プ
ロスタグランディンと病態」,東京化学同人,1984
年)。
成系の初発酵素である5−リポキシゲナーゼを有効に阻
害し得る薬剤があれば、ロイコトリエン類の過剰産生に
起因する種々の疾患(例えば、アレルギー性疾患、気管
支喘息、浮腫、各種炎症性疾患等)の予防、治療効果を
期待し得るとの観点から、5−リポキシゲナーゼに対し
て阻害作用を有する薬物の探索が広範に行われている。
−リポキシゲナーゼ経路と呼ばれる代謝経路が存在す
る。12−リポキシゲナーゼは、血小板等に多く存在す
る酵素であり、アラキドン酸に作用して12−ヒドロペ
ルオキシエイコサテトラエン酸(以下12−HPETE
と記載することがある)を生成させ、この化合物は、還
元されて12−ヒドロキシエイコサテトラエン酸(以下
12−HETEと記載することがある)となる。
代謝産物の生理的意義については、5−リポキシゲナー
ゼ経路におけるそれと比較して、従来、明確にされてい
なかったが、最近、その主要代謝産物である12−HP
ETE及び12−HETEを中心として、当該代謝産物
の種々の生理活性が明らかにされている。
りである。すなわち、12−リポキシゲナーゼの代謝産
物は、血小板の凝集、粘着等の機能調節、及び血管平滑
筋細胞の遊走を促進して動脈硬化に関与している可能性
が指摘されており(現代医療,第21巻,第11号,第
3109〜3113頁,1989年)、また、くも膜下
出血後の血管攣縮の発生に12−HPETEが何らかの
イニシエーターとなっている可能性が示唆されており
(現代医療,第21巻,第11号,第3127〜313
0頁,1989年)、更に、12−HETEがある種の
癌細胞の血管内皮細胞への粘着、転移を促進することが
示されている(現代医療,第22巻,増刊,第56〜5
7頁,1990年)。
ナーゼを阻害する物質が、動脈硬化、血管攣縮等の循環
器系各種疾患の予防、治療、又はある種の癌の転移の予
防を目的とした薬物として有効に使用し得るものと期待
されている。
を有する物質としては、天然フラボノイドの1種である
バイカレンが知られている[バイオケミカル・アンド・
バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(B
iochemical and BiophysicalResearch Communication
s),第105巻,第3号,第1090〜1095頁,1
982年]。その他、ヒドロキサム酸誘導体(特開平1
−216961号公報、特開平2−752号公報、特開
平2−196767号公報等)、コーヒー酸誘導体(特
開平1−275552号公報、特開平2−235852
号公報等)等が知られている。
ル誘導体に関しては、本発明の化合物に近似した化合物
として、例えば、次の1)〜6)のような化合物が知ら
れている。 1)α−[(3,4−ジヒドロキシフェニル)メチレ
ン]−4−ニトロ・ベンゼンアセトニトリル[ジャーナ
ル・オブ・ザ・ソサイエティー・オブ・ダイヤーズ・ア
ンド・カラーリスツ(Journal of the Society of Dyer
s and Colourists),第92巻,第1号,第14頁,1
976年]
ニトロフェニル)メチレン]−2−ピリミジンアセトニ
トリル[ジャーナル・オブ・コンピュータ・エイデッド
・モレキュラー・デザイン(Journal of Computer-Aide
d Molecular Design),第6巻,第3号,第253頁,
1992年]
ル)メチレン]−3,4−ジヒドロキシベンゼンアセト
ニトリル(米国特許第4,015,017号明細書) 4)2−(p−アジドフェニル)−3−(3,4−ジヒ
ドロキシフェニル)−アクリロニトリル(仏国発明特許
第1,513,907号明細書) 5)α′−シアノ−3′,4′−ジヒドロキシ−4−ス
チルベンカルボン酸(米国特許第2,766,271号
明細書) 6)α−(ジフェニルメチレン)−3,4−ジヒドロキ
シ−ベンゼンアセトニトリル(西独国特許公告第2,5
01,443号明細書)
2−リポキシゲナーゼ阻害活性を有することは、全く知
られていない。
キシゲナーゼは、5−リポキシゲナーゼの近縁酵素であ
り、いずれかの酵素を阻害する物質は、他方も阻害する
可能性がある。事実、5−リポキシゲナーゼ阻害活性を
有することが報告されている物質であって、12−リポ
キシゲナーゼに対しても阻害活性を示すものが知られて
おり、大部分のヒドロキサム酸誘導体がその例である。
その利用目的にもよるが、前記循環器系疾患、癌の転移
等のように主として12−リポキシゲナーゼ代謝産物に
起因すると考えられている疾病の予防、治療には、12
−リポキシゲナーゼを強力、かつ選択的に阻害するよう
な物質が望ましい。
天然フラボノイドの1種であるバイカレンが比較的強い
12−リポキシゲナーゼ阻害活性、及び比較的高い選択
性を有していることに着目し、この化合物を先導化合物
として使用し、その部分構造の改変又は修飾を行うこと
により、強力、かつ高い選択性を有する12−リポキシ
ゲナーゼ阻害化合物を創出することに成功し、既に特許
出願した(特願平5−74992号、以下先願と記載す
ることがある)。
次の化7の一般式
基を示し、R2 及びR3 は、水素原子又はシアノ基を示
し(ただしR2 とR3 とは異なっている)、及びArは
次の化8、化9又は化10の一般式
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示
す。]で示されるスチルベン誘導体又はスチルベン同族
体誘導体。
合物についても鋭意検討を行った結果、α,β−ジアリ
ールアクリロニトリル誘導体が、公知のバイカレンと同
等又はそれ以上の12−リポキシゲナーゼ阻害活性を有
し、かつ選択性に優れていることを見出し、本発明を完
成した。
を強力、かつ高い選択性をもって阻害し得る新規な化合
物を提供することである。
ーゼの代謝産物によってもたらされる動脈硬化、血管攣
縮等の循環器系各種疾患の予防、治療、及びある種の癌
の転移の予防等を目的とした薬剤として有用であり、ま
た、低毒性であり、かつ副作用の少ない12−リポキシ
ゲナーゼを選択的に阻害する医薬を提供することであ
る。
明の第1の発明は、次の化11の一般式
基を示し、R2 及びR3 は、水素原子又はシアノ基を示
し(ただし、R2 とR3 とは異なる)、及びArは、次
の化12又は化13の一般式
子、硫黄原子を示す。]で示されるα,β−ジアリール
アクリロニトリル誘導体である。
は、次の化14の一般式
基を示し、R2 及びR3 は、水素原子又はシアノ基を示
し(ただし、R2 とR3 とは異なる)、及びArは、次
の化15又は化16の一般式
示す。]で示されるα,β−ジアリールアクリロニトリ
ル誘導体からなる群より選択される化合物、又はそれら
の混合物を有効成分として含有する医薬である。
合物の製造法を例示すれば、次のとおりである。即ち、
本発明の化合物は、化17の化学式に示される工程によ
り合成することができる。
又はメトキシ基、R7 は水素原子又は水酸基を示し、A
rは、次の化18、化19の一般式
又は硫黄原子を示す。以下Arについては単にArと記
載する)。
4−ジメトキシベンズアルデヒド又は3,4,5−トリ
メトキシベンズアルデヒド(ア)と、所望のアリールア
セトニトリル(イ)とを、又は3,4−ジメトキシフェ
ニルアセトニトリル又は3,4,5−トリメトキシフェ
ニルアセトニトリル(ウ)と、所望の芳香族アルデヒド
(エ)とをクネーベナーゲル縮合として知られている反
応条件で縮合させて、化合物(オ)又は(カ)を得るこ
とができる(工程A)。次いでこれらの化合物を、例え
ば塩化ピリジニウム等の脱メチル化剤と反応させ、本発
明のα,β−ジアリールアクリロニトリル誘導体化合物
(キ)又は(ク)を得ることができる(工程B)。
ニトリル(イ)が比較的反応性に富む場合には、次の化
20の化学式で示される工程により得ることもできる
(工程C)。
素原子又は水酸基を示す。即ち、工程Aにおける3,4
−ジメトキシベンズアルデヒド又は3,4,5−トリメ
トキシベンズアルデヒド(ア)の代りに、3,4−ジヒ
ドロキシベンズアルデヒド又は3,4,5−トリヒドロ
キシベンズアルデヒド(ケ)と所望のアリールアセトニ
トリル(イ)とをクネーベナーゲル縮合させ、直接、本
発明のα,β−ジアリールアクリロニトリル誘導体化合
物(キ)を得ることができる。
−ジアリールアクリロニトリル誘導体化合物を、再結
晶、クロマトグラフィー等の公知の精製方法により精製
することができる。尚、本発明の化合物には、シス及び
トランスの幾何異性体が存在するが、そのいずれもが本
発明の化合物に含まれる。
リル誘導体化合物は、後記の試験例に示される如く、1
2−リポキシゲナーゼ活性の選択的な阻害作用を有して
いるので、生体内における12−HPETE、12−H
ETE等の12−リポキシゲナーゼ代謝産物の生成を抑
制する作用を有し、当該化合物を有効成分として代謝産
物に起因する動脈硬化、血管攣縮等の循環器系各種疾患
の治療薬、又は予防薬として、更に、ある種の癌(ルイ
ス肺癌等)の転移の予防等を目的とした薬剤として有効
に利用することができる。
に許容される公知の担体、賦形剤等と混合し、錠剤、カ
プセル剤、注射剤、顆粒剤、坐財等の適宜の形態の医薬
として用いることができる。本発明の化合物を有効成分
とする医薬は、経口的に、又は注射、吸入、塗布等によ
り非経口的に投与することができる。本発明の化合物を
有効成分とする医薬の投与量は、治療対象、症状、年
齢、治療期間等により異なるが、好適には、通常1回に
つき約0.1mgから50mgを1日1〜3回程度投与
する。
び5−リポキシゲナーゼの阻害作用を調べるために行っ
た。
した。尚、対照として次の化21の化学式
業社製)を用いた。
ラットの腹大動脈から、約10分の1容の3.8%クエ
ン酸ソーダ溶液の入った注射筒にて採血し、室温、18
0gで15分間遠心し、多血小板血漿を分離し、4℃、
1800gで10分間遠心し、得られた沈渣を洗浄用緩
衝液(154mM塩化ナトリウム、2mMEDTAを含
む50mMトリス塩酸バッファー:pH7.4)で洗浄
し、血小板を得た。得られた血小板を、採血量の20分
の1容の再浮遊緩衝液(154mM塩化ナトリウム5.
5mMグルコースを含む50mMトリス塩酸バッファ
ー:pH7.4)に懸濁し、超音波破砕し、100,0
00gで30分間遠心し、上清を分離し、酵素液を調製
した。
ic Leukemia Cell:RBL−1.AT
CC CRL1378)を、10%牛新生仔血清を含む
ダルベッコ改変イーグル培地で常法により培養し、15
4mM塩化ナトリウムを含む50mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.4、以下TBSと記載する)で2回洗浄し、
細胞を1ml当たり4×107 個の割合で同一の緩衝液
に浮遊させ、超音波で細胞を破砕し、10,000gで
10分間遠心して上清を分離し、酵素液を調製した。
た酵素液300μlに、3mMインドメタシンエタノー
ル溶液1μl、300mM還元型グルタチオン溶液1μ
l及び各種濃度の被検物質エタノール溶液3μlを添加
し、37℃で5分間保持し、次いで2.5mMアラキド
ン酸エタノール溶液3μlを添加し、37℃で5分間保
持して反応させた後、600μlのメタノールを添加し
て反応を停止させた。反応液を10,000gで5分間
遠心し、上清の12−ヒドロキシエイコサテトラエン酸
をC−18カラムを用いた逆相高速液体クロマトグラフ
ィーで分離し、ジエンを234nmの吸収で定量し、酵
素活性を測定した。
方法 前記酵素液(40mU/ml相当)15μlに、TBS
185μl、2mMアデノシン三リン酸TBS50μ
l、12mM塩化カルシウムTBS50μl、3mMイ
ンドメタン1μl、300mM還元型グルタチオン水溶
液1μl及び各種濃度の被検物質のエタノール溶液3μ
lを添加し、37℃で5分間保持し、次いで2.5mM
アラキドン酸エタノール溶液3μlを添加し、37℃で
2分間保持して反応させた後、600μlのメタノール
を添加して反応を停止させた。反応液を10,000g
で5分間遠心し、上清の5−ヒドロキシエイコサテトラ
エン酸をC−18カラムを用いた逆相高速液体クロマト
グラフィーで分離し、234nmの吸収で定量し、酵素
活性を測定した。
造した本発明の化合物、及びバイカレンの各種濃度にお
ける酵素活性を前記の方法により測定し、各被検物質の
測定値から、50%の12−リポキシゲナーゼ及び5−
リポキシゲナーゼ阻害率を示すモル濃度(以下IC50値
と記載することがある)を求めた。
明らかなように、本発明の化合物は、12−リポキシゲ
ナーゼに対して極めて強力な阻害作用が認められ、IC
50値は、ほぼ10-9モルのオーダーであり、公知のバイ
カレンのそれに比して同等以上であった。一方、本発明
の化合物は、5−リポキシゲナーゼに対しても阻害作用
を有するが、そのIC50値は、12−リポキシゲナーゼ
に対するそれよりも3〜10倍以上の値であった。従っ
て、本発明の化合物は、12−リポキシゲナーゼに対し
て選択的に阻害作用を有することが判明した。
(本発明の化合物を製造するための中間体の製造例)及
び実施例を示して本発明を更に詳述するが、本発明は、
以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下の実
施例において製造した本発明の化合物の核磁気共鳴スペ
クトル及び赤外線吸収スペクトルの測定値を表2に示し
た。また、核磁気共鳴スペクトル[1H−NMR(50
0MHz)]は、テトラメチルシランを内部標準として
重メチルスルホキシド(DMSO−d6 )溶媒中で、赤
外線吸収スペクトルは、KBr錠剤法で、それぞれ測定
した。
レン−2−イル)アクリロニトリルの製造]3,4−ジ
メトキシフェニルアセトニリトリル(東京化成社製)
1.77g(10.0mmol),2−ナフトアルデヒ
ド(東京化成社製)1.56g(10.0mmol)及
びエタノール(国産化学社製)30ml混合物を加熱溶
解させ、20%水酸化ナトリウム水溶液2滴を添加し、
放冷下で一夜攪拌した。析出した結晶を瀘取し、エタノ
ール、次いでヘキサンで順次洗浄し、乾燥して黄色結晶
化合物α−(3,4−ジメトキシフェニル)−β−(ナ
フタレン−2−イル)アクリロニトリル2.60g(収
率82.5%)を得た。
製)866mg(5.00mmol)と、3,4−ジヒ
ドロキシベンズアルデヒド(東京化成社製)691mg
(5.00mmol)のエタノール(国産化学社製)1
0ml混合物に、ピペリジン(和光純薬工業社製)0.
54mlを添加して、これを8時間加熱環流した。のち
空冷し、反応混合物を100mlの1N塩酸中に添加し
て攪拌し、析出物を瀘取し、十分水洗し、酢酸エチルに
溶解し、20%亜硫酸水素ナトリウム水溶液で2回、次
いで飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、減圧下で溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶出液は酢酸エチル:ヘキサン
の比が1:10〜6:10を用いた)により精製し、次
の化22の化学式
率39.5%)を得た。得られた化合物の融点は、15
1.5〜152.5℃であった。
ン−2−アセトニトリル(アルドリッチ社製)836m
g(5.00mmol)を用いたことを除き、実施例1
と同一の方法により、次の化23の化学式
率34.7%)を得た。得られた化合物の融点は、20
6〜207℃であった。
シフェニル)−β−(ナフタレン−2−イル)アクリロ
ニトリル631mg(2.00mmol)と、塩化ピリ
ジニウム(和光純薬工業社製)3.5g(30mmo
l)の混合物を、予め210℃に加熱した油浴上で溶融
混合し、同温度で1時間攪拌した。空冷後、固化した反
応物に2N塩酸20mlを添加して粉砕し、30分間攪
拌し、のち析出物を瀘取し、3回水洗して乾燥し、シリ
カゲルショートカラム(溶出液は酢酸エチルを用いた)
により精製し、次の化24の化学式
率85.3%)を得た。得られた化合物の融点は、16
6.0〜166.5℃であった。
(アルドリッチ社製)1.56g(10.0mmol)
を用いたことを除き、参考例と同一の方法により、黄色
結晶のα−(3,4−ジメトキシフェニル)−β−(ナ
フタレン−1−イル)アクリロニトリル2.42g(収
率76.8%)を得た。
−(ナフタレン−2−イル)アクリロニトリルの代り
に、前記α−(3,4−ジメトキシフェニル)−β−
(ナフタレン−1−イル)アクリロニトリル631mg
(2.00mmol)を用いたことを除き、実施例3と
同一の方法により、次の化25の化学式
率91.1%)を得た。得られた化合物の融点は、16
2〜163℃であった。
ルボキサアルデヒド(ランカスター社製)1.46g
(10.0mmol)を用いたことを除き、参考例と同
一の方法により、黄色結晶のα−(3,4−ジメトキシ
フェニル)−β−(ベンゾフラン−2−イル)アクリロ
ニトリル2.46g(収率80.7%)を得た。
−(ナフタレン−2−イル)アクリロニトリルの代り
に、前記α−(3,4−ジメトキシフェニル)−β−
(ベンゾフラン−2−イル)アクリロニトリル611m
g(2.00mmol)を用いたことを除き、実施例3
と同一の方法により、次の化26の化学式
率82.4%)を得た。得られた化合物の融点は、19
2〜193℃であった。
法により錠剤機により打錠し、本発明の12−リポキシ
ゲナーゼを選択的に阻害する医薬を製造した。 実施例5で得た化合物 20.0(mg) 乳糖(岩城製薬社製) 40.0 トウモロコシ澱粉(吉田製薬社製) 15.0 ステアリン酸マグネシウム(太平化学社製) 0.4 カルボキシメチルセルロースカルシウム (ニチリン化学工業社製) 20.0
し、常法によりゼラチン・カプセルに充填し、本発明の
12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害する医薬を製造
した。 実施例5で得た化合物 20.0(mg) 乳糖(岩城製薬社製) 40.0 微粉末セルロース(日本ソーダ社製) 30.0 ステアリン酸マグネシウム(太平化学社製) 3.0
−ジアリールアクリロニトリル誘導体、及びこれらの化
合物を有効成分として含有する医薬に係るものであり、
本発明により奏せられる効果は、次のとおりである。 1)本発明の化合物は、12−リポキシゲナーゼを強
力、かつ高い選択性をもって阻害する作用を有する。 2)本発明の前記化合物を有効成分とする医薬は、動脈
硬化、血管攣縮等の循環器系各種疾患の予防、治療、及
びある種の癌の転移の予防に有効である。 3)本発明の化合物は、低毒性であり、副作用が少な
く、12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害する医薬の
有効成分として有用である。
Claims (3)
- 【請求項1】 次の化1の一般式 【化1】 [ただし、式中R1 は、水素原子又は水酸基を示し、R
2 及びR3 は、水素原子又はシアノ基を示し(ただし、
R2 とR3 とは異なっている)、及びArは、次の化2
又は化3の一般式 【化2】 【化3】 で示される基であり、式中Xは、酸素原子又は硫黄原子
を示す。]で示されるα,β−ジアリールアクリロニト
リル誘導体。 - 【請求項2】 次の化4の一般式 【化4】 [ただし、式中R1 は、水素原子又は水酸基を示し、R
2 及びR3 は、水素原子又はシアノ基を示し(ただし、
R2 とR3 とは異なっている)、及びArは、次の化5
又は化6の一般式 【化5】 【化6】 で示される基であり、式中Xは、酸素原子又は硫黄原子
を示す。]で示されるα,β−ジアリールアクリロニト
リル誘導体からなる群より選択される化合物又はそれら
の混合物を有効成分として含有する12−リポキシゲナ
ーゼ阻害剤。 - 【請求項3】 請求項2記載の化4の一般式[ただし、
式中R 1 は、水素原子又は水酸基を示し、R 2 及びR 3
は、水素原子又はシアノ基を示し(ただし、R 2 とR 3
とは異なっている)、及びArは、請求項2記載の化5
又は化6の一般式で示される基であり、式中Xは、酸素
原子又は硫黄原子を示す。]で示されるα,β−ジアリ
ールアクリロニトリル誘導体からなる群より選択される
化合物 又はそれらの混合物を有効成分として含有し、1
2−リポキシゲナーゼ活性の選択的な阻害作用を有す
る、12−リポキシゲナーゼ阻害用医薬。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22503093A JP3144663B2 (ja) | 1993-08-19 | 1993-08-19 | α,β−ジアリールアクリロニトリル誘導体及びその用途 |
PCT/JP1994/000390 WO1994020456A1 (en) | 1993-03-10 | 1994-03-10 | Stilbene derivative and stilbene analog derivative, and use thereof |
CA002135488A CA2135488A1 (en) | 1993-03-10 | 1994-03-10 | Stilbene derivative and stilbene analog derivative, and use thereof |
US08/331,618 US5589506A (en) | 1993-03-10 | 1994-03-10 | Stilbene derivative and stilbene analog derivative, and use thereof |
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