JP3144662B2 - スチルベン誘導体とスチルベン同族体誘導体及びそれらの用途 - Google Patents
スチルベン誘導体とスチルベン同族体誘導体及びそれらの用途Info
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Description
裂・切断され、12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害
する物質を生成し得る新規スチルベン誘導体とスチルベ
ン同族体誘導体、及びこれらの化合物を有効成分として
含有する医薬に関するものであり、更に詳しくは、本発
明は、生体内で修飾部分が開裂・切断され、12−リポ
キシゲナーゼ経路における12−リポキシゲナーゼの活
性を選択的に阻害する化合物に変換し得るスチルベン誘
導体とスチルベン同族体誘導体(以下前駆体と記載する
ことがある)、及び当該前駆体を有効成分として含有す
る動脈硬化、血管攣縮等の循環器系各種疾患の予防、治
療、ある種の癌の転移の予防等を目的とした薬剤として
有用な12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害する医薬
に関するものである。 本明細書において、百分率の表
示は、特に断りのない限り、重量による値を意味するも
のである。
キシゲナーゼ経路と呼ばれる代謝経路が存在し、アラキ
ドン酸は、5−リポキシゲナーゼの作用により5−ヒド
ロペルオキシエイコサテトラエン酸(以下5−HPET
Eと記載することがある)に変換されること等が知られ
ている(室田誠逸編,「プロスタグランディンと病
態」,東京化学同人,1984年)。
リエン類が生合成されることが知られており(室田誠逸
編,「プロスタグランディンと病態」,東京化学同人,
1984年)、それらのロイコトリエン類のうち、例え
ば、ロイコトリエンB4は、強力な白血球遊走作用を有
し、炎症のメディエーターであること、また、ロイコト
リエンC4及びD4は、喘息のメディエーターであるこ
と等が知られている(室田誠逸編,「プロスタグランデ
ィンと病態」,東京化学同人,1984年)。
成系の初発酵素である5−リポキシゲナーゼを有効に阻
害し得る薬剤があれば、ロイコトリエン類の過剰産生に
起因する種々の疾患(例えば、アレルギー性疾患、気管
支喘息、浮腫、各種炎症性疾患等)の予防、治療効果を
期待し得るとの観点から、5−リポキシゲナーゼに対し
て阻害作用を有する薬物の探索が広範に行われている。
−リポキシゲナーゼ経路と呼ばれる代謝経路が存在す
る。12−リポキシゲナーゼは、血小板等に多く存在す
る酵素であり、アラキドン酸に作用して12−ヒドロペ
ルオキシエイコサテトラエン酸(以下12−HPETE
と記載することがある)を生成させ、この化合物は、還
元されて12−ヒドロキシエイコサテトラエン酸(以下
12−HETEと記載することがある)となる。
代謝産物の生理的意義については、5−リポキシゲナー
ゼ経路におけるそれと比較して、従来、明確にされてい
なかったが、最近、その主要代謝産物である12−HP
ETE及び12−HETEを中心として、当該代謝産物
の種々の生理活性が明らかにされている。それらの生理
活性を例示すれば、次のとおりである。すなわち、12
−リポキシゲナーゼの代謝産物は、血小板の凝集、粘着
等の機能調節、及び血管平滑筋細胞の遊走を促進して動
脈硬化に関与している可能性が指摘されており(現代医
療,第21巻,第11号,第3109〜3113頁,1
989年)、また、くも膜下出血後の血管攣縮の発生に
12−HPETEが何らかのイニシエーターとなってい
る可能性が示唆されており(現代医療,第21巻,第1
1号,第3127〜3130頁,1989年)、更に、
12−HETEがある種の癌細胞の血管内皮細胞への粘
着、転移を促進することが示されている(現代医療,第
22巻,増刊,第56〜57頁,1990年)。
ナーゼを阻害する物質が、動脈硬化、血管攣縮等の循環
器系各種疾患の予防、治療、又はある種の癌の転移の予
防を目的とした薬物として有効に使用し得るものと期待
されている。
な12−リポキシゲナーゼ阻害作用を有する化合物を創
出し、先に特許出願した(特願平5−74992号。以
下先願と記載することがある)。すなわち、先願は、次
の一般式
を示し、R2 及びR3 は水素原子又はシアノ基を示し
(ただし、R2 とR3 とは異なっている)、Arは次の
化12、化13又は化14の一般式
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示
す。]で示されるスチルベン誘導体とスチルベン同族体
誘導体(以下これらの化合物を一括して先願の化合物と
記載することがある)、である。
医薬、例えば経口剤として利用する場合、その化合物が
効率よく体内に吸収されることが、重要な要件の一つで
ある。その効率的な吸収を左右する重要な因子として、
その化合物の有する脂溶性、極性等の性質がある。
合物は、置換基の多様性からも類推されるように、脂溶
性又は極性の程度が多岐にわたっている。従って、先願
の化合物を、例えば経口剤として使用する場合、その化
合物が腸管等からの吸収に必ずしも適当な脂溶性、極性
等の性質を有しているとは限らない。
の種々の修飾化合物について、医薬として適当な脂溶性
又は極性を付与することにより、効率よく生体内に吸収
され、吸収後生体内に存在する酵素等の作用により、修
飾部分が速やかに、又は目的によっては徐々に、開裂・
切断されて修飾前の化合物が生成し得る、いわゆるプロ
ドラッグの検討を行った結果、先願の化合物が共通して
有するカテコール型水酸基のモノアシル体及びジアシル
体が、前記目的に適合する化合物群であることを見出
し、本発明を完成した。
れ、生体内で修飾部分が開裂・切断されて12−リポキ
シゲナーゼを阻害する物質を生成し得る、いわゆるプロ
ドラッグとしての用途を有する新規化合物のスチルベン
誘導体とスチルベン同族体誘導体を提供することであ
る。
ーゼの代謝産物によってもたらされる動脈硬化、血管攣
縮等の循環器系各種疾患の予防、治療、及びある種の癌
の転移の予防等を目的とした薬剤として有用であり、ま
た、低毒性であり、かつ副作用の少ない12−リポキシ
ゲナーゼを選択的に阻害する医薬を提供することであ
る。
明の第1の発明は、次の一般式
示し、R2 及びR3 は水素原子又はシアノ基を示し(た
だし、R2 とR3 とは異なっている)、Arは次の化1
6、化17又は化18の一般式
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示
し、Zは各々独立に水素原子又は次の化19の一般式
原子であることはない)、式中R5 は、炭素数1〜20
の直鎖又は分岐アルキル基又はアルケニル基を示す。]
で示されるスチルベン誘導体とスチルベン同族体誘導
体、である。
は、次の一般式
示し、R2 及びR3 は水素原子又はシアノ基を示し(た
だし、R2 とR3 とは異なっている)、Arは次の化2
1、化22又は化23の一般式
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示
し、Zは各々独立に水素原子又は次の化24の一般式
原子であることはない)、式中R5 は、炭素数1〜20
の直鎖又は分岐アルキル基又はアルケニル基を示す。]
で示されるスチルベン誘導体及びスチルベン同族体誘導
体からなる群より選択される化合物又はそれらの混合物
を有効成分として含有する医薬、である。
合物(前駆体)の製造法を例示すれば、次のとおりであ
る。すなわち、本発明の化合物は、次の化25及び化2
6の化学式に示される工程により合成することができ
る。
て、R7 は、水素原子又はメトキシ基、R8 は、水素原
子又は水酸基、R9 は、水素原子又はOZを示し、Z
は、次の化27の一般式
鎖又は分岐アルキル基若しくはアルケニル基を示し、A
rは、次の化28、化29又は化30の一般式
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示
す(以下Arについては、単にArと記載する)。
ルデヒド又は3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒ
ド(ア)と所望のアリールアセトニトリル(イ)、若し
くは3,4−ジメトキシフェニルアセトニトリル又は
3,4,5−トリメトキシフェニルアセトニトリル
(ウ)と所望の芳香族アルデヒド(エ)、とをクネーベ
ナーゲル縮合として知られている反応条件で縮合させ、
化合物(オ)又は(カ)を得ることができる(工程
A)。
リジニウム等の脱メチル化剤と反応させ、化合物(キ)
又は(ク)を得ることができる(工程B)。更に、これ
らの化合物を、例えばトリエチルアミン、ピリジン等の
塩基の存在下で所望の酸クロリド、酸無水物等のアシル
化剤と反応させ、本発明の化合物(ケ)又は(コ)を得
ることができる。この場合、アシル化剤の当量関係を調
節することにより、部分的にアシル化された化合物を得
ることもできる(工程C)。工程Aにおけるアリールア
セトニトリル(イ)が比較的反応性に富む場合には、次
の化31の化学式で示される工程により得ることもでき
る。
水素原子又は水酸基を示す。すなわち、工程Aにおける
3,4−ジメトキシベンズアルデヒド又は3,4,5−
トリメトキシベンズアルデヒドの代りに、3,4−ジヒ
ドロキシベンズアルデヒド又は3,4,5−トリヒドロ
キシベンズアルデヒド(サ)と所望のアリールアセトニ
トリル(イ)とをクネーベナーゲル縮合させ、直接化合
物(キ)を得ることができる。
基は、種々の炭素数のものが用いられ、モノアシル体、
ジアシル体、トリアシル体等種々のものが用いられ、所
望の脂溶性、極性等を有する化合物を製造することがで
きる。また、アシル基としては、生体内で吸収され、開
裂・切断され、生成する遊離酸が、医学的、薬学的に許
容し得るものであれば、特に制限はないが、アシル基が
立体的に嵩高い場合、エステラーゼ等による加水分解速
度の低下が認められる。従って、この事実を利用して、
修飾部分としてのアシル基の種類を種々選択することに
より、本発明の化合物の生体内における開裂・切断を制
御することも可能である。
を、再結晶、クロマトグラフィー等の公知の精製方法に
より精製することができる。精製された本発明の化合物
は、極めて安定であり、pH1〜8の水溶液と接触させ
ても長時間、何らの変化もせずに存在し得る。尚、本発
明の化合物には、シス及びトランスの幾何異性体が存在
するが、そのいずれもが本発明の化合物に含まれる。
体内に存在する酵素等の作用によりアシル基が開裂・切
断され、その結果生成する化合物が、強力な12−リポ
キシゲナーゼの阻害作用を選択的に有しているので、1
2−HPETE、12−HETE等の12−リポキシゲ
ナーゼ代謝産物の生成を抑制する作用を有し、これらの
代謝産物に起因する動脈硬化、血管攣縮等の循環器系各
種疾患の治療薬、又は予防薬として、更に、ある種の癌
(ルイス肺癌等)の転移の予防等を目的とした薬剤とし
て有効に利用することができる。
に許容される公知の担体、賦形剤等と混合し、錠剤、カ
プセル剤、注射剤、顆粒剤、坐剤等の適宜の形態の医薬
として用いることができる。本発明の化合物を有効成分
とする医薬は、経口的に、又は注射、吸入、塗布等によ
り非経口的に投与することができる。本発明の化合物を
有効成分とする医薬の投与量は、治療対象、症状、年
齢、治療期間等により異なるが、好適には、通常1回に
つき約0.1mgから50mgを1日1〜3回程度投与
する。
る。 試験例1 この試験は、本発明の化合物が、生体内に吸収され、そ
ののち脱アシル化されて生成する化合物の12−リポキ
シゲナーゼ阻害作用を調べるために行った。 1)酵素液の調製 エーテル麻酔下で、Sprague Dawley雄性
ラットの腹大動脈から、約10分の1容の3.8%クエ
ン酸ソーダ溶液の入った注射筒にて採血し、室温、18
0gで15分間遠心し、多血小板血漿を分離し、4℃、
1,800gで10分間遠心し、得られた沈渣を洗浄用
緩衝液(154mM塩化ナトリウム、2mMEDTAを
含む50mMトリス塩酸バッファー:pH7.4)で洗
浄し、血小板を得た。得られた血小板を、採血量の20
分の1容の再浮遊緩衝液(154mM塩化ナトリウム
5.5mMグルコースを含む50mMトリス塩酸バッフ
ァー:pH7.4)に懸濁し、超音波破砕し、100,
000gで30分間遠心し、上清を分離し、酵素液を調
製した。
た酵素液300μlに、3mMインドメタシンエタノー
ル溶液1μl、300mM還元型グルタチオン溶液1μ
l及び各種濃度の被検物質(実施例1と同一の方法で製
造した本発明の化合物及び比較例1〜8の化合物)エタ
ノール溶液3μlを添加し、37℃で5分間保持し、次
いで2.5mMアラキドン酸エタノール溶液3μlを添
加し、37℃で5分間保持して反応させた後、600μ
lのメタノールを添加して反応を停止させた。反応液を
10,000gで5分間遠心し、上清の12−ヒドロキ
シエイコサテトラエン酸をC−18カラムを用いた逆相
高速液体クロマトグラフィーで分離し、ジエンを234
nmの吸収で定量し、酵素活性を測定した。各被検物質
の測定値から、50%の12−リポキシゲナーゼ阻害率
を示すモル濃度(以下IC50値と記載することがある)
を求めた。
本発明の実施例1〜10、14、16及び19の化合物
が、生体内に吸収され、そののち脱アシル化されて生成
する化合物と、比較のために公知の化合物であるバイカ
レン(和光純薬工業社製)との12−リポキシゲナーゼ
のIC50値を対比して示した。表1から明らかなよう
に、本発明の各実施例の化合物の12−リポキシゲナー
ゼ阻害作用は、バイカレンのそれよりも格段に優れてい
ることが判明した。尚、本発明の他の化合物についても
試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
液で処理したとき、この酵素液中に存在するエステラー
ゼの作用により脱アシル体が生成するか否かを調べるた
めに行った。 1)酵素液の調製 試験例1と同一の方法により調製した。
し、この酵素液300μlに被験物質の1.0×10-3
Mジメチルスルホキシド溶液3μlを添加し、37℃で
一定時間保持し、そののち1mlのアセトニトリルを添
加して反応を停止した。この反応液20μlをC−18
カラムを用いた次の条件の逆相高速液体クロマトグラフ
ィーにかけ、脱アシル体の生成量を定量した。尚、前記
酵素液の代りに、再浮遊緩衝液300μlを用いて同様
の試験を行い、対照とした。
径4.0mm、長さ125mm 流 速:1.0ml/分 溶 離 液:50mMNaClO4 及び50mMオルト
リン酸含有アセトニトリル−水(55:45) カラム温度:30℃ 検 出:280nmの吸光度
2(化35)の化合物の試験結果を例示する。実施例1
(化34)及び実施例2(化35)の化合物は、脱アシ
ル化反応により、いずれも参考例1の化合物(化32)
が生成するものと推定されるので、参考例1の化合物の
標品を用いて前記逆相高速液体クロマトグラフィーの条
件における保持時間を確認し(保持時間は4.06分で
あった)、検量線を作成した。
35)の化合物について、酵素液の代りに再浮遊緩衝液
を用いて脱アシル化の可否を検討した結果、いずれの化
合物も全く脱アシル化体(化32)の生成が認められな
かった。更に前記酵素液を用いて同様の試験を行った結
果、表2に示すように、いずれの化合物も経時的に脱ア
シル化され、脱アシル化体(化32)が反応液中に生成
することが認められた。
合物は、ラット血小板から調製した酵素液(この酵素液
には、12−リポキシゲナーゼの他に、ある種のエステ
ラーゼが含まれている)と接触することにより、比較的
速やかに修飾部分が開裂し、脱アシル化体が生成するこ
とが判明した。
物(この化合物は、先願の化合物と同一である)は、試
験例1に示したように、極めて強力な12−リポキシゲ
ナーゼ阻害活性を有している。従って、本発明の化合物
は、12−リポキシゲナーゼ活性を阻害する化合物の前
駆体としての効果を有し、いわゆるプロドラッグとして
利用することができる。尚、本発明の他の化合物につい
ても、同様に試験したが、ほぼ同様な結果が得られた。
(本発明の化合物を製造するための中間体の製造例)及
び実施例を示して本発明を更に詳述するが、本発明は、
以下の実施例に限定されるものではない。以下の参考例
及び実施例において製造した本発明の化合物及び中間体
の核磁気共鳴スペクトル及び赤外線吸収スペクトルの測
定値を表3〜表11に示した。また、核磁気共鳴スペク
トル[ 1H−NMR(500MHz)]は、テトラメチ
ルシランを内部標準として重ジメチルスルホキシド(D
MSO−d6 )溶液中又は重クロロホルム(CDC
l3 )に重メタノール(CD3 OD)を2〜3滴添加し
た混合溶液中で、赤外線吸収スペクトルは、KBr錠剤
法で、それぞれ測定した。
スチルベンの製造]4−クロロフェニルアセトニトリル
(東京化成社製)758mg(5.00mmol)、
3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(東京化成社
製)691mg(5.00mmol)及びエタノール
(国産化学社製)10mlの混合物に、ピペリジン(和
光純薬工業社製)0.54mlを添加し、6時間加熱還
流し、空冷し、反応生成物を1N塩酸100mlに添加
して攪拌し、析出物を瀘取し、水洗して酢酸エチルに溶
解し、20%亜硫酸水素ナトリウム水溶液で2回、次い
で飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。そののち、減圧下で溶媒を留去し、残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液はヘキサンと酢
酸エチルとの比が、5:1〜5:2を用いた)により精
製し、次の化学式
3′,4′−ジヒドロキシスチルベン(黄色結晶)91
9mg(収率67.6%)を得た。
ルベンの製造]3,4−ジメトキシフェニルアセトニト
リル(東京化成社製)1.77g(10.0mmol)
と、3−クロロベンズアルデヒド(東京化成社製)1.
41g(10.0mmol)とを、エタノール(国産化
学社製)10mlに、加熱溶解し、20%水酸化ナトリ
ウム水溶液2滴を添加し、1夜攪拌し、析出した結晶を
瀘取し、エタノールで2回、次いでヘキサンで2回洗浄
し、乾燥し、α−シアノ−3′−クロロ−3,4−ジメ
トキシスチルベン(黄色結晶)2.35g(収率78.
3%)を得た。
チルベンの製造]参考例2と同一の方法により得たα−
シアノ−3′−クロロ−3,4−ジメトキシスチルベン
600mg(2.00mmol)と、塩化ピリジニウム
(和光純薬工業社製)3.5g(30mmol)との混
合物をアルゴンガス雰囲気下で、予め210℃に加熱し
た油浴上で溶融混合し、同温度で1時間攪拌し、空冷
し、固化した反応生成物に2N塩酸20mlを添加して
粉砕し、30分間攪拌し、そののち析出物を瀘取し、3
回水洗して乾燥し、シリカゲルショートカラム(溶出液
は酢酸エチルを用いた)により精製し、次の化学式
3,4−ジヒドロキシスチルベン(黄色結晶)436m
g(収率80.2%)を得た。
ドトルエン(東京化成社製)4.36g(20.0mm
ol)、N−ブロモコハク酸イミド(東京化成社製)
3.9g(22mmol)及び四塩化炭素(和光純薬工
業社製)60mlの混合物を白熱灯照射下で4時間加熱
還流し、4−ヨードベンジルブロミド(白色結晶)2.
67gを得た。次いで予め50℃に加温した0.49g
(10mmol)のシアン化ナトリウム(国産化学社
製)の10mlジメチルスルホキシド(アルドリッチ社
製)溶液に、前記4−ヨードベンジルブロミド1.48
g(5.00mmol)を添加し、放冷下で3時間攪拌
し、固化した反応生成物を水に溶解し、ヘキサンで抽出
し、ヘキサンを留去し、4−ヨードフェニルアセトニト
リル(白色結晶)0.84g(収率69%)を得た。
造]4−ブロモチオフェン−2−カルボキサアルデヒド
(アルドリッチ社製)9.55g(50mmol)及び
エタノール(国産化学社製)100mlの混合物を、氷
浴中で冷却しながら水素化ホウ素ナトリウム(米山薬品
社製)3.78g(100mmol)を徐々に添加し、
全量を添加後室温で1.5時間攪拌し、そののち塩酸酸
性として減圧下で濃縮乾固し、残渣を水に溶解し、エー
テルで抽出し、油状の4−ブロモチオフェン−2−イル
メタノール9.29g(収率96.0%)を得た。
イルメタノール4.83g(25.0mmol)に、6
3mlの47%臭化水素酸(和光純薬工業社製)を添加
し、室温で30分間激しく攪拌し、ペンタン(国産化学
社製)で抽出し、淡黄色油状の2−ブロモメチル−4−
ブロモチオフェン5.31g(収率82.8%)を得
た。得られた2−ブロモメチル−4−ブロモチオフェン
5.12gを用いたことを除き、参考例4と同一の方法
によりシアン化ナトリウムと反応させ、副生するα,α
−ビス[(4−ブロモチオフェン−2−イル)メチル]
−4−ブロモチオフェンアセトニトリルを分別再結晶に
より除去し、4−ブロモチオフェン−2−イルアセトニ
トリル(白色結晶)1.50g(収率37.0%)を得
た。
ロ−3′,4′−ジヒドロキシスチルベン136mg
(0.50mmol)を無水酢酸(和光純薬工業社製)
1mlに懸濁し、氷冷下でトリエチルアミン(国産化学
社製)0.5mlを添加して攪拌し、そののち室温で1
夜攪拌し、得られた反応生成物を1N塩酸15mlに添
加し、30分間攪拌し、析出した結晶を瀘取し、水洗
し、乾燥し、酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、次の
化学式
率82.6%)を得た。得られた化合物の融点は、11
9.5〜120℃であった。
ロ−3′,4′−ジヒドロキシスチルベン543mg
(2.00mmol)を塩化メチレン(国産化学社製)
10mlに懸濁し、トリエチルアミン(国産化学社製)
0.69mlを添加して攪拌し、得られた橙色澄明な溶
液を氷冷し、プロピオニルクロリド(東京化成社製)
0.44mlを滴下して氷冷下で攪拌し、そののち室温
で1時間攪拌し、得られた反応液に酢酸エチルを添加
し、1N塩酸、重曹水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去し、残
渣を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、次の化学式
率86.5%)を得た。得られた化合物の融点は、10
7.0〜107.5℃であった。
京化成社製)0.52mlを用いたことを除き、実施例
2と同一の方法により、次の化学式
率89.8%)を得た。得られた化合物の融点は、8
6.0〜86.5℃であった。
(東京化成社製)0.69mlを用いたことを除き、実
施例2と同一の方法により、次の化学式
率45.7%)を得た。得られた化合物の融点は、6
1.5〜62.0℃であった。
ズアルデヒド(東京化成社製)1.41g(10mmo
l)を用いたことを除き、参考例2と同一の方法によ
り、α−シアノ−4′−クロロ−3,4−ジメトキシス
チルベン2.39g(収率79.7%)を得た。α−シ
アノ−3′−クロロ−3,4−ジメトキシスチルベンの
代りに、前記α−シアノ−4′−クロロ−3,4−ジメ
トキシスチルベン749mg(2.50mmol)を用
いたこと及び塩化ピリジニウム(和光純薬工業社製)
2.3g(20mmol)を用いたことを除き、参考例
3と同一の方法により、次の化学式
3,4−ジヒドロキシスチルベン455mg(収率6
7.0%)を得た。α−シアノ−4−クロロ−3′,
4′−ジヒドロキシスチルベンの代りに、前記α−シア
ノ−4′−クロロ−3,4−ジヒドロキシスチルベン1
36mg(0.50mmol)を用いたことを除き、実
施例1と同一の方法により、次の化学式
率86.0%)を得た。得られた化合物の融点は、13
0.0〜130.5℃であった。
チルベンの代りに、参考例3と同一の方法で得たα−シ
アノ−3′−クロロ−3,4−ジヒドロキシスチルベン
136mg(0.50mmol)を用いたことを除き、
実施例1と同一の方法により、次の化学式
率61.5%)を得た。得られた化合物の融点は、11
4.0〜114.5℃であった。
ンズアルデヒド(東京化成社製)1.24g(10mm
ol)を用いたことを除き、参考例2と同一の方法によ
り、α−シアノ−4′−フルオロ−3,4−ジメトキシ
スチルベン2.33g(収率82.2%)を得た。α−
シアノ−3′−クロロ−3,4−ジメトキシスチルベン
の代りに、前記α−シアノ−4′−フルオロ−3,4−
ジメトキシスチルベン567mg(2.00mmol)
を用いたことを除き、参考例3と同一の方法により、次
の化学式
3,4−ジヒドロキシスチルベン432mg(収率8
4.6%)を得た。α−シアノ−4−クロロ−3′,
4′−ジヒドロキシスチルベンの代りに、前記α−シア
ノ−4′−フルオロ−3,4−ジヒドロキシスチルベン
128mg(0.50mmol)を用いたことを除き、
実施例1と同一の方法により、次の化学式
率88.8%)を得た。得られた化合物の融点は、14
5.5〜146.0℃であった。
ズアルデヒド(東京化成社製)1.85g(10mmo
l)を用いたことを除き、参考例2と同一の方法によ
り、α−シアノ−4′−ブロモ−3,4−ジメトキシス
チルベン3.17g(収率92.1%)を得た。α−シ
アノ−3′−クロロ−3,4−ジメトキシスチルベンの
代りに、前記α−シアノ−4′−ブロモ−3,4−ジメ
トキシスチルベン688mg(2.00mmol)を用
いたことを除き、参考例3と同一の方法により、次の化
学式
3,4−ジヒドロキシスチルベン544mg(収率8
6.0%)を得た。α−シアノ−4−クロロ−3′,
4′−ジヒドロキシスチルベンの代りに、前記α−シア
ノ−4′−ブロモ−3,4−ジヒドロキシスチルベン1
58mg(0.50mmol)を用いたことを除き、実
施例1と同一の方法により、次の化学式
率81.3%)を得た。得られた化合物の融点は、12
4.5〜125.0℃であった。
と同一の方法で得た4−ヨードフェニルアセトニトリル
1.22g(5.00mmol)を用いたことを除き、
参考例1と同一の方法により、次の化学式
3′,4′−ジヒドロキシスチルベン1.39g(収率
76.4%)を得た。α−シアノ−4−クロロ−3′,
4′−ジヒドロキシスチルベンの代りに、前記α−シア
ノ−4−ヨード−3′,4′−ジヒドロキシスチルベン
182mg(0.50mmol)を用いたことを除き、
実施例1と同一の方法により、次の化学式
率83.7%)を得た。得られた化合物の融点は、15
6.0〜156.5℃であった。
ズアルデヒド(和光純薬工業社製)1.20g(10m
mol)を用いたことを除き、参考例2と同一の方法に
より、α−シアノ−4′−メチル−3,4−ジメトキシ
スチルベン2.20g(収率78.8%)を得た。α−
シアノ−3′−クロロ−3,4−ジメトキシスチルベン
の代りに、前記α−シアノ−4′−メチル−3,4−ジ
メトキシスチルベン559mg(2.00mmol)を
用いたことを除き、参考例3と同一の方法により、次の
化学式
3,4−ジヒドロキシスチルベン438mg(収率8
7.1%)を得た。α−シアノ−4−クロロ−3′,
4′−ジヒドロキシスチルベンの代りに、前記α−シア
ノ−4′−メチル−3,4−ジヒドロキシスチルベン1
26mg(0.50mmol)を用いたことを除き、実
施例1と同一の方法により、次の化学式
率85.7%)を得た。得られた化合物の融点は、13
0.5〜131.0℃であった。
ズアルデヒド(和光純薬工業社製)1.20g(10.
0mmol)を用いたことを除き、参考例2と同一の方
法により、α−シアノ−3′−メチル−3,4−ジメト
キシスチルベン1.13g(収率40.5%)を得た。
α−シアノ−3′−クロロ−3,4−ジメトキシスチル
ベンの代りに、前記α−シアノ−3′−メチル−3,4
−ジメトキシスチルベン559mg(2.00mmo
l)を用いたことを除き、参考例3と同一の方法によ
り、次の化学式
3,4−ジヒドロキシスチルベン294mg(収率5
8.5%)を得た。α−シアノ−4−クロロ−3′,
4′−ジヒドロキシスチルベンの代りに、前記α−シア
ノ−3′−メチル−3,4−ジヒドロキシスチルベン1
26mg(0.50mmol)を用いたことを除き、実
施例1と同一の方法により、次の化学式
率61.0%)を得た。得られた化合物の融点は、8
7.5〜88.0℃であった。
ズアルデヒド(東京化成社製)1.34g(10.0m
mol)を用いたことを除き、参考例2と同一の方法に
より、α−シアノ−4′−エチル−3,4−ジメトキシ
スチルベン1.79g(収率61.0%)を得た。α−
シアノ−3′−クロロ−3,4−ジメトキシスチルベン
の代りに、前記α−シアノ−4′−エチル−3,4−ジ
メトキシスチルベン587mg(2.00mmol)を
用いたことを除き、参考例3と同一の方法により、次の
化学式
3,4−ジヒドロキシスチルベン448mg(収率8
4.4%)を得た。α−シアノ−4−クロロ−3′,
4′−ジヒドロキシスチルベンの代りに、前記α−シア
ノ−4′−エチル−3,4−ジヒドロキシスチルベン1
33mg(0.50mmol)を用いたことを除き、実
施例1と同一の方法により、次の化学式
率74.8%)を得た。得られた化合物の融点は、9
0.5〜91.0℃であった。
フルオロメチルフェニルアセトニトリル(アルドリッチ
社製)926mg(5.00mmol)を用いたことを
除き、参考例1と同一の方法により、次の化学式
メチル−3′,4′−ジヒドロキシスチルベン657m
g(収率87.4%)を得た。α−シアノ−4−クロロ
−3′,4′−ジヒドロキシスチルベンの代りに、前記
α−シアノ−4−トリフルオロメチル−3′,4′−ジ
ヒドロキシスチルベン153mg(0.50mmol)
を用いたことを除き、実施例1と同一の方法により、次
の化学式
率61.6%)を得た。得られた化合物の融点は、13
8.5〜139.0℃であった。
キシフェニルアセトニトリル(アルドリッチ社製)73
6mg(5.00mmol)を用いたことを除き、参考
例1と同一の方法により、次の化学式
3′,4′−ジヒドロキシスチルベン214mg(収率
16.0%)を得た。α−シアノ−4−クロロ−3′,
4′−ジヒドロキシスチルベンの代りに、前記α−シア
ノ−4−メトキシ−3′,4′−ジヒドロキシスチルベ
ン134mg(0.50mmol)を用いたことを除
き、実施例1と同一の方法により、次の化学式
率50%)を得た。得られた化合物の融点は、131.
0〜131.5℃であった。
ド(和光純薬工業社製)1.06g(10.0mmo
l)を用いたことを除き、参考例2と同一の方法によ
り、α−シアノ−3,4−ジメトキシスチルベン2.6
2g(収率98.9%)を得た。α−シアノ−3′−ク
ロロ−3,4−ジメトキシスチルベンの代りに、前記α
−シアノ−3,4−ジメトキシスチルベン531mg
(2.00mmol)を用いたことを除き、参考例3と
同一の方法により、次の化学式
キシスチルベン253mg(収率53.4%)を得た。
α−シアノ−4−クロロ−3′,4′−ジヒドロキシス
チルベンの代りに、前記α−シアノ−3,4−ジヒドロ
キシスチルベン119mg(0.50mmol)を用い
たことを除き、実施例1と同一の方法により、次の化学
式
率70.2%)を得た。得られた化合物の融点は、14
8.5〜149.0℃であった。
ロフェニルアセトニトリル(アルドリッチ社製)811
mg(5.00mmol)を用いたこと、室温で4時間
攪拌したこと、及び精製をエタノール−水からの再結晶
法によったことを除き、参考例1と同一の方法により、
次の化学式
3′,4′−ジヒドロキシスチルベン・1/4水和物
1.18g(収率82.3%)を得た。α−シアノ−4
−クロロ−3′,4′−ジヒドロキシスチルベンの代り
に、前記α−シアノ−4−ニトロ−3′,4′−ジヒド
ロキシスチルベン・1/4水和物144mg(0.50
mmol)を用いたこと、プロピオニルクロリドの代り
にアセチルクロリド(和光純薬工業社製)0.11ml
を用いたこと、及びトリエチルアミン(国産化学社製)
0.21mlを用いたことを除き、実施例2と同一の方
法により、次の化学式
率60.2%)を得た。得られた化合物の融点は、17
3.5〜174.0℃であった。
2−カルボキサアルデヒド(東京化成社製)1.12g
(10.0mmol)を用いたことを除き、参考例2と
同一の方法により、α−(チオフェン−2−イルメチリ
デン)−3,4−ジメトキシベンゼンアセトニトリル
2.49g(収率91.9%)を得た。α−シアノ−
3′−クロロ−3,4−ジメトキシスチルベンの代り
に、前記α−(チオフェン−2−イルメチリデン)−
3,4−ジメトキシベンゼンアセトニトリル543mg
(2.00mmol)を用いたことを除き、参考例3と
同一の方法により、次の化学式
3,4−ジヒドロキシベンゼンアセトニトリル344m
g(収率70.7%)を得た。α−シアノ−4−クロロ
−3′,4′−ジヒドロキシスチルベンの代りに、前記
α−(チオフェン−2−イルメチリデン)−3,4−ジ
ヒドロキシベンゼンアセトニトリル122mg(0.5
0mmol)を用いたことを除き、実施例1と同一の方
法により、次の化学式
(収率74.4%)を得た。得られた化合物の融点は、
162.0〜162.5℃であった。
−カルボキサアルデヒド(東京化成社製)1.12g
(10.0mmol)を用いたことを除き、参考例2と
同一の方法により、α−(チオフェン−3−イルメチリ
デン)−3,4−ジメトキシベンゼンアセトニトリル
2.12g(収率78.2%)を得た。α−シアノ−
3′−クロロ−3,4−ジメトキシスチルベンの代り
に、前記α−(チオフェン−3−イルメチリデン)−
3,4−ジメトキシベンゼンアセトニトリル543mg
(2.00mmol)を用いたことを除き、参考例3と
同一の方法により、次の化学式
チリデン)−3,4−ジヒドロキシベンゼンアセトニト
リル344mg(収率70.7%)を得た。α−シアノ
−4−クロロ−3′,4′−ジヒドロキシスチルベンの
代りに、前記α−(チオフェン−3−イルメチリデン)
−3,4−ジヒドロキシベンゼンアセトニトリル122
mg(0.50mmol)を用いたことを除き、実施例
1と同一の方法により、次の化学式
(収率74.2%)を得た。得られた化合物の融点は、
143.5〜144.0℃であった。
と同一の方法により得た4−ブロモチオフェン−2−イ
ルアセトニトリル1.01g(5.00mmol)を用
いたことを除き、参考例1と同一の方法により、次の化
学式
ンジリデン)−4−ブロモチオフェン−2−アセトニト
リル1.05g(収率65.0%)を得た。α−シアノ
−4−クロロ−3′,4′−ジヒドロキシスチルベンの
代りに、前記α−(3,4−ジヒドロキシベンジリデ
ン)−4−ブロモチオフェン−2−アセトニトリル16
1mg(0.50mmol)を用いたこと、プロピオニ
ルクロリドの代りにアセチルクロリド(和光純薬工業社
製)0.11mlを用いたこと、及びトリエチルアミン
(国産化学社製)0.21mlを用いたことを除き、実
施例2と同一の方法により、次の化学式
73.8%)を得た。得られた化合物の融点は、12
5.5〜126.0℃であった。
フェン−2−カルボキサアルデヒド(東京化成社製)
1.26g(10.0mmol)を用いたことを除き、
参考例2と同一の方法により、α−(5−メチルチオフ
ェン−2−イルメチリデン)−3,4−ジメトキシベン
ゼンアセトニトリル2.36g(収率82.8%)を得
た。α−シアノ−3′−クロロ−3,4−ジメトキシス
チルベンの代りに、前記α−(5−メチルチオフェン−
2−イルメチリデン)−3,4−ジメトキシベンゼンア
セトニトリル571mg(2.00mmol)を用いた
ことを除き、参考例3と同一の方法により、次の化学式
2−イルメチリデン)−3,4−ジヒドロキシベンゼン
アセトニトリル400mg(収率77.8%)を得た。
α−シアノ−4−クロロ−3′,4′−ジヒドロキシス
チルベンの代りに、前記α−(5−メチルチオフェン−
2−イルメチリデン)−3,4−ジヒドロキシベンゼン
アセトニトリル129mg(0.50mmol)を用い
たことを除き、実施例1と同一の方法により、次の化学
式
2.8%)を得た。得られた化合物の融点は、161.
0〜161.5℃であった。
ン−2−カルボキサアルデヒド(和光純薬工業社製)
1.10g(10.0mmol)を用いたことを除き、
参考例2と同一の方法により、α−(5−メチルフラン
−2−イルメチリデン)−3,4−ジメトキシベンゼン
アセトニトリル2.16g(収率80.3%)を得た。
α−シアノ−3′−クロロ−3,4−ジメトキシスチル
ベンの代りに、前記α−(5−メチルフラン−2−イル
メチリデン)−3,4−ジメトキシベンゼンアセトニト
リル539mg(2.00mmol)を用いたことを除
き、参考例3と同一の方法により、次の化学式
イルメチリデン)−3,4−ジヒドロキシベンゼンアセ
トニトリル320mg(収率66.3%)を得た。α−
シアノ−4−クロロ−3′,4′−ジヒドロキシスチル
ベンの代りに、前記α−(5−メチルフラン−2−イル
メチリデン)−3,4−ジヒドロキシベンゼンアセトニ
トリル121mg(0.50mmol)を用いたことを
除き、実施例1と同一の方法により、次の化学式
%)を得た。得られた化合物の融点は、199.5〜2
00.0℃であった。
4,5−トリヒドロキシベンズアルデヒド(アルドリッ
チ社製)771mg(5.00mmol)を用いたこと
を除き、参考例1と同一の方法により、次の化学式
3′,4′,5′−トリヒドロキシスチルベン344m
g(収率23.9%)を得た。α−シアノ−4−クロロ
−3′,4′−ジヒドロキシスチルベンの代りに、前記
α−シアノ−4−クロロ−3′,4′,5′−トリヒド
ロキシスチルベン144mg(0.50mmol)を用
いたこと、プロピオニルクロリドのかわりにアセチルク
ロリド(和光純薬工業社製)0.14mlを用いたこ
と、及びトリエチルアミン(国産化学社製)0.28m
lを用いたことを除き、実施例2と同一の方法により、
次の化学式
2.4%)を得た。得られた化合物の融点は、203.
0〜203.5℃であった。
法により錠剤機により打錠し、本発明の12−リポキシ
ゲナーゼを選択的に阻害する医薬を製造した。 実施例5で得た化合物 20.0(mg) 乳糖(岩城製薬社製) 40.0 トウモロコシ澱粉(吉田製薬社製) 15.0 ステアリン酸マグネシウム(太平化学社製) 0.4 カルボキシメチルセルロースカルシウム (ニチリン化学工業社製) 20.0
し、常法によりゼラチン・カプセルに充填し、本発明の
12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害する医薬を製造
した。 実施例5で得た化合物 20.0(mg) 乳糖(岩城製薬社製) 40.0 微粉末セルロース(日本ソーダ社製) 30.0 ステアリン酸マグネシウム(太平化学社製) 3.0
で酵素等の作用により修飾部分が開裂・切断し、12−
リポキシゲナーゼを選択的に阻害する物質を生成し得る
新規化合物のスチルベン誘導体とスチルベン同族体誘導
体、及びこれらの化合物を有効成分として含有する12
−リポキシゲナーゼを選択的に阻害し得る医薬に係るも
のであり、本発明によって奏せられる効果は、次のとお
りである。
作用により修飾部分が開裂・切断し、12−リポキシゲ
ナーゼを強力、かつ高い選択性をもって阻害し得る作用
を有する。 2)本発明の前記化合物を有効成分とする医薬は、動脈
硬化、血管攣縮等の循環器系各種疾患の予防、治療、及
びある種の癌の転移の予防に有用である。 3)本発明の化合物は、低毒性であり、副作用が少な
く、12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害し得る医薬
の有効成分として有効である。 4)本発明の化合物の修飾部分としてのアシル基の種類
を種々選択することにより、本発明の化合物の生体内に
おける開裂・切断を制御することが可能である。
Claims (3)
- 【請求項1】 次の一般式 【化1】 [ただし、式中R1 は水素原子又はOZを示し、R2 及
びR3 は水素原子又はシアノ基を示し(ただし、R2 と
R3 とは異なっている)、Arは次の化2、化3又は化
4の一般式 【化2】 【化3】 【化4】 で示される基であり、式中R4 は水素原子、低級アルキ
ル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロ
メチル基、シアノ基又はニトロ基を示し、Zは各々独立
に水素原子又は次の化5の一般式 【化5】 で示される基であり(ただし、全てが水素原子であるこ
とはない)、式中R5 は、炭素数1〜20の直鎖又は分
岐アルキル基又はアルケニル基を示す。]で示されるス
チルベン誘導体とスチルベン同族体誘導体。 - 【請求項2】 次の一般式 【化6】 [ただし、式中R1 は水素原子又はOZを示し、R2 及
びR3 は水素原子又はシアノ基を示し(ただし、R2 と
R3 とは異なっている)、Arは次の化7、化8又は化
9の一般式 【化7】 【化8】 【化9】 で示される基であり、式中R4 は水素原子、低級アルキ
ル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロ
メチル基、シアノ基又はニトロ基を示し、Zは各々独立
に水素原子又は次の化10の一般式 【化10】 で示される基であり(ただし、全てが水素原子であるこ
とはない)、式中R5 は、炭素数1〜20の直鎖又は分
岐アルキル基又はアルケニル基を示す。]で示されるス
チルベン誘導体及びスチルベン同族体誘導体からなる群
より選択される化合物又はそれらの混合物を有効成分と
して含有する12−リポキシゲナーゼ阻害剤。 - 【請求項3】 請求項2記載の化6の一般式[ただし、
式中R 1 は水素原子又はOZを示し、R 2 及びR 3 は水
素原子又はシアノ基を示し(ただし、R 2 とR 3 とは異
なっている)、Arは請求項2記載の化7、化8又は化
9の一般式で示される基であり、式中R 4 は水素原子、
低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、ト
リフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示し、Z
は各々独立に水素原子又は請求項2記載の化10の一般
式で示される基であり(ただし、全てが水素原子である
ことはない)、式中R 5 は、炭素数1〜20の直鎖又は
分岐アルキル基又はアルケニル基を示す。]で示される
スチルベン誘導体及びスチルベン同族体誘導体からなる
群より選択される化合物又はそれらの混合物を有 効成分
として含有し、12−リポキシゲナーゼ活性の選択的に
阻害する作用を有する、12−リポキシゲナーゼ阻害用
医薬。
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