JP3166093B2 - クマリン誘導体及びそれらの用途 - Google Patents

クマリン誘導体及びそれらの用途

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JP3166093B2 JP22210493A JP22210493A JP3166093B2 JP 3166093 B2 JP3166093 B2 JP 3166093B2 JP 22210493 A JP22210493 A JP 22210493A JP 22210493 A JP22210493 A JP 22210493A JP 3166093 B2 JP3166093 B2 JP 3166093B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体内で修飾部分が開
裂・切断され、12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害
する物質を生成し得る新規クマリン誘導体、及びこれら
の化合物を有効成分として含有する医薬に関するもので
あり、更に詳しくは、本発明は、生体内で修飾部分が開
裂・切断され、12−リポキシゲナーゼ経路における1
2−リポキシゲナーゼの活性を選択的に阻害する化合物
に変換し得るクマリン誘導体(以下前駆体と記載するこ
とがある)、及び当該前駆体を有効成分として含有する
動脈硬化、血管攣縮等の循環器系各種疾患の予防、治
療、ある種の癌(ルイス肺癌等)の転移の予防等を目的
とした薬剤として有用な12−リポキシゲナーゼを選択
的に阻害する医薬に関するものである。本明細書におい
て、百分率の表示は、特に断りのない限り、重量による
値を意味するものである。
【0002】
【従来の技術】アラキドン酸カスケードには、5−リポ
キシゲナーゼ経路と呼ばれる代謝経路が存在し、アラキ
ドン酸は、5−リポキシゲナーゼの作用により5−ヒド
ロペルオキシエイコサテトラエン酸(以下5−HPET
Eと記載することがある)に変換されること等が知られ
ている(室田誠逸編,「プロスタグランディンと病
態」,東京化学同人,1984年)。
【0003】この化合物を中間体として、各種ロイコト
リエン類が生合成されることが知られており(室田誠逸
編,「プロスタグランディンと病態」,東京化学同人,
1984年)、それらのロイコトリエン類のうち、例え
ば、ロイコトリエンB4は、強力な白血球遊走作用を有
し、炎症のメディエーターであること、また、ロイコト
リエンC4及びD4は、喘息のメディエーターであるこ
と等が知られている(室田誠逸編,「プロスタグランデ
ィンと病態」,東京化学同人,1984年)。
【0004】従って、これらのロイコトリエン類の生合
成系の初発酵素である5−リポキシゲナーゼを有効に阻
害し得る薬剤があれば、ロイコトリエン類の過剰産生に
起因する種々の疾患(例えば、アレルギー性疾患、気管
支喘息、浮腫、各種炎症性疾患等)の予防、治療効果を
期待し得るとの観点から、5−リポキシゲナーゼに対し
て阻害作用を有する薬物の探索が広範に行われている。
【0005】一方、アラキドン酸カスケードには、12
−リポキシゲナーゼ経路と呼ばれる代謝経路が存在す
る。12−リポキシゲナーゼは、血小板等に多く存在す
る酵素であり、アラキドン酸に作用して12−ヒドロペ
ルオキシエイコサテトラエン酸(以下12−HPETE
と記載することがある)を生成させ、この化合物は、還
元されて12−ヒドロキシエイコサテトラエン酸(以下
12−HETEと記載することがある)となる。
【0006】この12−リポキシゲナーゼ経路における
代謝産物の生理的意義については、5−リポキシゲナー
ゼ経路におけるそれと比較して、従来、明確にされてい
なかったが、最近、その主要代謝産物である12−HP
ETE、及び12−HETEを中心として、当該代謝産
物の種々の生理活性が明らかにされている。
【0007】それらの生理活性を例示すれば、次のとお
りである。すなわち、12−リポキシゲナーゼの代謝産
物は、血小板の凝集、粘着等の機能調節、及び血管平滑
筋細胞の遊走を促進して動脈硬化に関与している可能性
が指摘されており(現代医療,第21巻,第11号,第
3109〜3113頁,1989年)、また、くも膜下
出血後の血管攣縮の発生に12−HPETEが何らかの
イニシエーターとなっている可能性が示唆されており
(現代医療,第21巻,第11号,第3127〜313
0頁,1989年)、更に、12−HETEがある種の
癌細胞の血管内皮細胞への粘着、転移を促進することが
示されている(現代医療,第22巻,増刊,第56〜5
7頁,1990年)。以上のような事実から、12−リ
ポキシゲナーゼを阻害する物質が、動脈硬化、血管攣縮
等の循環器系各種疾患の予防、治療、又はある種の癌の
転移の予防を目的とした薬物として有効に使用し得るも
のと期待されている。
【0008】このような状況から、本発明者らは、強力
な12−リポキシゲナーゼ阻害作用を有する化合物を創
出し、先に特許出願した(特願平5−108766号。
以下先願と記載することがある)。すなわち、先願は、
次の化11の一般式
【0009】
【化11】
【0010】[ただし、式中R1 は水素原子又は低級ア
ルキル基を示し、R6 及びR7 は水素原子又は水酸基を
示し(ただし、R6 及びR7 が同時に水素原子であるこ
とはない)、Arは次の化12、化13又は化14の一
般式
【0011】
【化12】
【0012】
【化13】
【0013】
【化14】
【0014】で示される基であり、式中R4 は水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示
す。]で示されるクマリン誘導体(以下これらの化合物
を一括して先願の化合物と記載することがある)、であ
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】一般に、ある化合物を
医薬、例えば経口剤として利用する場合、その化合物が
効率よく体内に吸収されることが、重要な要件の一つで
ある。その効率的な吸収を左右する重要な因子として、
その化合物の有する脂溶性、極性等の性質がある。
【0016】ところで、前記一般式で示される先願の化
合物は、置換基の多様性からも類推されるように、脂溶
性又は極性の程度が多岐にわたっている。従って、先願
の化合物を、例えば経口剤として使用する場合、その化
合物が腸管等からの吸収に必ずしも適当な脂溶性、極性
等の性質を有しているとは限らない。
【0017】先願出願後、本発明者らは、先願化合物
の種々の修飾化合物について、医薬として適当な脂溶性
又は極性を付与することにより、効率よく生体内に吸収
され、吸収後生体内に存在する酵素等の作用により、修
飾部分が速やかに、又は目的によっては徐々に、開裂・
切断されて修飾前の化合物が生成し得る、いわゆるプロ
ドラッグの検討を行った結果、先願の化合物が共通して
有するカテコール型水酸基のモノアシル体及びジアシル
体が、前記目的に適合する化合物群であることを見出
し、本発明を完成した。
【0018】本発明の目的は、生体内に効率よく吸収さ
れ、生体内で修飾部分が開裂・切断されて12−リポキ
シゲナーゼを阻害する物質を生成し得る、いわゆるプロ
ドラッグとしての用途を有する新規化合物のクマリン誘
導体を提供することである。
【0019】本発明の他の目的は、12−リポキシゲナ
ーゼの代謝産物によってもたらされる動脈硬化、血管攣
縮等の循環器系各種疾患の予防、治療、及びある種の癌
の転移の予防等を目的とした薬剤として有用であり、ま
た、低毒性であり、かつ副作用の少ない12−リポキシ
ゲナーゼを選択的に阻害する医薬を提供することであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第1の発明は、次の化15の一般式
【0021】
【化15】
【0022】[ただし、式中R1 は、水素原子又は低級
アルキル基を示し、R2 及びR3 は、水素原子又はOZ
を示し(ただし、R2 とR3 が同時に水素原子であるこ
とはない)、Arは、次の化16、化17又は化18の
一般式
【0023】
【化16】
【0024】
【化17】
【0025】
【化18】 で示される基であり、式中R4 は、低級アルキル基、低
級アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル
基、ニトロ基又はシアノ基を示し、Zは、各々独立に水
素原子又は次の化19の一般式
【0026】
【化19】
【0027】で示される基であり(ただし、全てが水素
原子であることはない)、式中R5 は、炭素数1〜20
の直鎖又は分枝アルキル基又はアルケニル基を示す。]
で示されるクマリン誘導体、である。
【0028】前記課題を解決する本発明の第2の発明
は、次の化20の一般式
【0029】
【化20】
【0030】[ただし、式中R1 は、水素原子又は低級
アルキル基を示し、R2 及びR3 は、水素原子又はOZ
を示し(ただし、R2 とR3 が同時に水素原子であるこ
とはない)、Arは、次の化21、化22又は化23の
一般式
【0031】
【化21】
【0032】
【化22】
【0033】
【化23】
【0034】で示される基であり、式中R4 は、水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、トリフルオロメチル基、ニトロ基又はシアノ基を示
し、Zは、各々独立に水素原子又は次の化24の一般式
【0035】
【化24】
【0036】で示される基であり(ただし、全てが水素
原子であることはない)、式中R5 は、炭素数1〜20
の直鎖又は分枝アルキル基又はアルケニル基を示す。]
で示されるクマリン誘導体からなる群より選択される化
合物を有効成分として含有する医薬、である。
【0037】次に本発明について詳述する。本発明の化
合物(前駆体)の製造法を例示すれば、次のとおりであ
る。すなわち、本発明の化合物は、次の化25の化学式
に示される工程により合成することができる。
【0038】
【化25】
【0039】(前記化学式において、R8 は水素原子又
は低級アルキル基を示し、R9 及びR10は水素原子又は
水酸基を示し、R11及びR12は水素原子又はOZを示
し、Arは次の化26、化27又は化28の一般式
【0040】
【化26】
【0041】
【化27】
【0042】
【化28】
【0043】で示される基であり、式中R13は、水素原
子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原
子、トリフルオロメチル基、シアノ基又はニトロ基を示
し、Zは各々独立に水素原子又は次の化29の一般式
【0044】
【化29】
【0045】で示される基であり、式中R14は、炭素数
1〜20の直鎖又は分枝アルキル基又はアルケニル基を
示す。以下Arについては、単にArと記載することが
ある)。
【0046】すなわち、ヒドロキシクマリン誘導体
(ア)をトリエチルアミン等の塩基の存在下で、所望の
酸無水物又は酸クロリド等のアシル化剤と反応させるこ
とにより、本発明の化合物(イ)を得ることができる。
この場合、アシル化剤の当量関係を調節することによ
り、部分的にアシル化された化合物を得ることもできる
(工程A)。
【0047】原料となるヒドロキシクマリン誘導体
(ア)は、R8 が水素原子である場合、次の化30の化
学式で示される工程により製造することができる。
【0048】
【化30】
【0049】(前記化学式において、R15及びR16は、
水素原子又はメトキシ基を示し、R9及びR10は水素原
子又は水酸基を示す)。すなわち、サリチルアルデヒド
誘導体のメチルエーテル(ウ)と、所望のアリールアセ
トニトリル(エ)とをクネーベナーゲル縮合させること
により、スチルベン誘導体(オ)を得た後、これを例え
ば塩化ピリジニウム等を用いて脱メチル化し、中間に生
じているイミン(カ)を塩酸等の酸で処理し、加水分解
し、ヒドロキシクマリン誘導体(キ)を得ることができ
る(工程B)。
【0050】原料となるヒドロキシクマリン(ア)のR
8 が水素原子又は低級アルキル基である場合、次の化3
1の化学式で示される工程により製造することができ
る。
【0051】
【化31】
【0052】メアヴァインのアリール化反応により、ク
マリン誘導体(ク)の3位にアリール基を導入する。す
なわち、塩酸酸性下で所望の芳香族アミンと亜硝酸ナト
リウムとから調製したジアゾニウム塩(ケ)とクマリン
誘導体(ク)とを、塩化第二銅共存下で反応させ、ヒド
ロキシクマリン誘導体(ア)を得ることができる(工程
C)。
【0053】また、目的とする本発明の化合物が、化1
の一般式においてZがアセチル基であって、R1 が水素
原子である場合、次の化32の化学式で示される工程に
より製造することもできる(工程D)。
【0054】
【化32】
【0055】(前記化学式において、R17及びR18は、
水素原子又は水酸基を示し、R19及びR20は水素原子又
はアセトキシ基を示す)。アセチルサリチルアルデヒド
誘導体(サ)と所望のアリール酢酸(シ)とを、パーキ
ン反応として知られている反応条件下にて縮合させる。
すなわち、無水酢酸中、トリエチルアミン等の塩基の存
在下に通常120℃前後で、1時間乃至数時間穏やかに
加熱還流させることにより、化合物(ス)を得ることが
できる。
【0056】アセチルサリチルアルデヒド誘導体(サ)
は、対応するサリチルアルデヒド誘導体(コ)を、無水
酢酸、又は塩化アセチル等のアセチル化剤を用いてアセ
チル化することによって得ることができるが、サリチル
アルデヒド誘導体(コ)を氷冷、又は室温下に、無水酢
酸中にてトリエチルアミン等の塩基存在下にアセチル化
し、生成したアセチルサリチルアルデヒド誘導体(サ)
を単離することなく、そのまま上述のパーキン反応条件
へ移行させることにより、直接化合物(コ)から化合物
(ス)へ導くこともできる。この場合、もう一方の原料
であるアリール酢酸(シ)は、パーキン反応条件への移
行時に添加してもよいが、化合物(コ)のアセチル化の
段階、すなわち最初から共存させておいてもよい。ま
た、前記の反応は、トリエチルアミン等の塩基の代わり
に、アリール酢酸のアルカリ金属塩等を用いることもで
きる。
【0057】このようにして得られた本発明の化合物
(ス)は、次の化33の化学式に示されるように、
【0058】
【化33】
【0059】例えば、エタノールと塩酸との混合液中で
30分間〜4時間加熱還流することにより、脱アセチル
化し、生成したヒドロキシクマリン誘導体(セ)を、工
程Aにおける原料として用いることもできる(工程
E)。
【0060】本発明の化合物の修飾部分としてのアシル
基は、種々の炭素数のものが用いられ、モノアシル体、
ジアシル体、トリアシル体等種々のものが用いられ、所
望の脂溶性、極性等を有する化合物を製造することがで
きる。また、アシル基としては、生体内で吸収され、開
裂・切断され、生成する遊離酸が、医学的、薬学的に許
容し得るものであれば、特に制限はないが、アシル基が
立体的に嵩高い場合、エステラーゼ等による加水分解速
度の低下が認められる。従って、この事実を利用して、
修飾部分としてのアシル基の種類を種々選択することに
より、本発明の化合物の生体内における開裂・切断を制
御することも可能である。
【0061】以上のようにして得られた本発明の化合物
を、再結晶、クロマトグラフィー等の公知の精製方法に
より精製することができる。精製された本発明の化合物
は、極めて安定であり、pH1〜8の水溶液と接触させ
ても長時間、何らの変化もせずに存在し得る。
【0062】本発明の化合物は、生体内に吸収され、生
体内に存在する酵素等の作用によりアシル基が開裂・切
断され、その結果生成する化合物が、強力な12−リポ
キシゲナーゼの阻害作用を選択的に有しているので、1
2−HPETE、12−HETE等の12−リポキシゲ
ナーゼ代謝産物の生成を抑制する作用を有し、これらの
代謝産物に起因する動脈硬化、血管攣縮等の循環器系各
種疾患の治療薬、又は予防薬として、更に、ある種の癌
(ルイス肺癌等)の転移の予防等を目的とした薬剤とし
て有効に利用することができる。
【0063】本発明の化合物は、そのまま、又は薬学的
に許容される公知の担体、賦形剤等と混合し、錠剤、カ
プセル剤、注射剤、顆粒剤、坐剤等の適宜の形態の医薬
として用いることができる。本発明の化合物を有効成分
とする医薬は、経口的に、又は注射、吸入、塗布等によ
り非経口的に投与することができる。本発明の化合物を
有効成分とする医薬の投与量は、治療対象、症状、年
齢、治療期間等により異なるが、好適には、通常1回に
つき約0.1mgから50mgを1日1〜3回程度投与
する。
【0064】次に試験例を示して本発明を更に詳述す
る。 試験例1 この試験は、本発明の化合物が、生体内に吸収され、そ
ののち脱アシル化されて生成する化合物の12−リポキ
シゲナーゼ阻害作用を調べるために行った。 1)酵素液の調製 エーテル麻酔下で、Sprague Dawley雄性
ラットの腹大動脈から、約10分の1容の3.8%クエ
ン酸ソーダ溶液の入った注射筒にて採血し、室温、18
0gで15分間遠心し、多血小板血漿を分離し、4℃、
1,800gで10分間遠心し、得られた沈渣を洗浄用
緩衝液(154mM塩化ナトリウム、2mMEDTAを
含む50mMトリス塩酸バッファー:pH7.4)で洗
浄し、血小板を得た。得られた血小板を、採血量の20
分の1容の再浮遊緩衝液(154mM塩化ナトリウム
5.5mMグルコースを含む50mMトリス塩酸バッフ
ァー:pH7.4)に懸濁し、超音波破砕し、100,
000gで30分間遠心し、上清を分離し、酵素液を調
製した。
【0065】2)酵素活性の測定方法 前記再浮遊緩衝液で酵素活性を約2mU/mlに調製し
た酵素液300μlに、3mMインドメタシンエタノー
ル溶液1μl、300mM還元型グルタチオン溶液1μ
l及び各種濃度の被検物質(実施例1と同一の方法で製
造した本発明の化合物及び比較例1〜8の化合物)ジメ
チルスルホキシド溶液3μlを添加し、37℃で5分間
保持し、次いで2.5mMアラキドン酸エタノール溶液
3μlを添加し、37℃で5分間保持して反応させた
後、600μlのメタノールを添加して反応を停止させ
た。反応液を10,000gで5分間遠心し、上清の1
2−ヒドロキシエイコサテトラエン酸をC−18カラム
を用いた逆相高速液体クロマトグラフィーで分離し、ジ
エンを234nmの吸収で定量し、酵素活性を測定し
た。各被検物質の測定値から、50%の12−リポキシ
ゲナーゼ阻害率を示すモル濃度(以下IC50値と記載す
ることがある)を求めた。
【0066】3)試験結果 この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1は、
本発明の実施例1〜47、18及び20〜22の化合物
が、生体内に吸収され、そののち脱アシル化されて生成
する化合物と、比較のために公知の化合物であるバイカ
レン(和光純薬工業社製)との12−リポキシゲナーゼ
のIC50値を対比して示した。表1から明らかなよう
に、本発明の各実施例の化合物の12−リポキシゲナー
ゼ阻害作用は、バイカレンのそれよりも格段に優れてい
ることが判明した。尚、本発明の他の化合物についても
試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0067】
【表1】
【0068】試験例2 この試験は、本発明の化合物を、試験例1と同一の酵素
液で処理したとき、この酵素液中に存在するエステラー
ゼの作用により脱アシル体が生成するか否かを調べるた
めに行った。 1)酵素液の調製 試験例1と同一の方法により調製した。
【0069】2)試験方法 前記酵素液1.0mlを、再浮遊緩衝液11mlで希釈
し、この酵素液300μlに被験物質の1.0×10-3
Mジメチルスルホキシド溶液3μlを添加し、37℃で
一定時間保持し、そののち1mlのアセトニトリルを添
加して反応を停止した。この反応液20μlをC−18
カラムを用いた次の条件の逆相高速液体クロマトグラフ
ィーにかけ、脱アシル体の生成量を定量した。尚、前記
酵素液の代りに、再浮遊緩衝液300μlを用いて同様
の試験を行い、対照とした。
【0070】逆相高速液体クロマトグラフィーの条件 カ ラ ム:Superspher RP-18(e)(メルク社製)、直
径4.0mm、長さ125mm 流 速:1.0ml/分 溶 離 液:50mMNaClO4 及び50mMオルト
リン酸含有アセトニトリル−水(55:45) カラム温度:30℃ 検 出:280nmの吸光度
【0071】3)試験結果 本発明の化合物のうち、実施例4(化43)及び実施例
21(化74)の化合物の試験結果を例示する。実施例
4(化43)及び実施例21(化74)の化合物は、脱
アシル化反応により、いずれも参考例2の化合物(化3
4)が生成するものと推定されるので、参考例2の化合
物の標品を用いて前記逆相高速液体クロマトグラフィー
の条件における保持時間を確認し(保持時間は2.49
分であった)、検量線を作成した。
【0072】次に実施例4(化43)及び実施例21
(化74)の化合物について、酵素液の代りに再浮遊緩
衝液を用いて脱アシル化の可否を検討した結果、いずれ
の化合物も全く脱アシル化体(化34)の生成が認めら
れなかった。
【0073】更に前記酵素液を用いて同様の試験を行っ
た結果、表2に示すように、いずれの化合物も経時的に
脱アシル化され、脱アシル化体(化34)が反応液中に
生成することが認められた。この結果から明らかなよう
に、本発明の化合物は、ラット血小板から調製した酵素
液(この酵素液には、12−リポキシゲナーゼの他に、
ある種のエステラーゼが含まれている)と接触すること
により、比較的速やかに修飾部分が開裂し、脱アシル化
体が生成することが判明した。
【0074】一方、脱アシル化反応により生成した化合
物(この化合物は、先願の化合物と同一である)は、試
験例1に示したように、極めて強力な12−リポキシゲ
ナーゼ阻害活性を有している。従って、本発明の化合物
は、12−リポキシゲナーゼ活性を阻害する化合物の前
駆体としての効果を有し、いわゆるプロドラッグとして
利用することができる。尚、本発明の他の化合物につい
ても、同様に試験したが、ほぼ同様な結果が得られた。
【0075】
【表2】
【0076】
【実施例】次に本発明の化合物の製造例について参考例
(本発明の化合物を製造するための中間体の製造例)及
び実施例を示して本発明を更に詳述するが、本発明は、
以下の実施例に限定されるものではない。以下の参考例
及び実施例において製造した本発明の化合物、参考例及
び比較例の核磁気共鳴スペクトル及び赤外線吸収スペク
トルの測定値を表3〜表11に示した。また、核磁気共
鳴スペクトル[1H−NMR(500MHz)]は、テ
トラメチルシランを内部標準として重ジメチルスルホキ
シド(DMSO−d6 )溶媒中で、赤外線吸収スペクト
ルは、KBr錠剤法で、それぞれ測定した。
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】
【表7】
【0082】
【表8】
【0083】
【表9】
【0084】
【表10】
【0085】
【表11】
【0086】(参考例1) [α−シアノ−3−クロロ−2′,4′,5′−トリメ
トキシスチルベンの製造]3−クロロフェニルアセトニ
トリル(東京化成社製)1.96g(10.0mmo
l)と、2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド
(ランカスター社製)1.96mg(10.0mmo
l)とを、エタノール(国産化学社製)10mlに加熱
溶解し、20%水酸化ナトリウム水溶液を2滴添加し、
1夜攪拌し、析出した結晶を粉砕し、瀘取し、エタノー
ルで2回、次いでヘキサンで2回洗浄し、乾燥し、α−
シアノ−3−クロロ−2′,4′,5′−トリメトキシ
スチルベン(黄色結晶)3.05g(収率92.5%)
を得た。
【0087】(参考例2) [3−(3−クロロフェニル)−6,7−ジヒドロキシ
クマリンの製造]参考例1と同一の方法により得たα−
シアノ−3−クロロ−2′,4′,5′−トリメトキシ
スチルベン660mg(2.00mmol)と、塩化ピ
リジニウム(和光純薬工業社製)3.5g(30mmo
l)との混合物を、アルゴンガス雰囲気下で、予め21
0℃に加熱した油浴上で溶融混合し、同温度で1時間攪
拌し、空冷し、固化した反応生成物に2N塩酸20ml
を添加して粉砕し、30分間攪拌し、のち析出物を瀘取
し、3回水洗して乾燥し、シリカゲルショートカラム
(溶出液は、酢酸エチルを用いた)により精製し、次の
化34の化学式
【0088】
【化34】
【0089】で示される3−(3−クロロフェニル)−
6,7−ジヒドロキシクマリン(黄色結晶)486mg
(収率84.2%)を得た。
【0090】(参考例3) [4−ヨードフェニルアセトニトリルの製造]4.36
g(20.0mmol)のp−ヨードトルエン(東京化
成社製)、3.9g(22mmol)のN−ブロモコハ
ク酸イミド(東京化成社製)及び60mlの四塩化炭素
(和光純薬工業社製)の混合物を白熱灯照射下で4時間
加熱還流し、2.67g(収率45.0%)の4−ヨー
ドベンジルブロミド(白色結晶)を得た。次いで予め5
0℃に加温した0.49g(10mmol)のシアン化
ナトリウム(国産化学社製)の10mlジメチルスルホ
キシド(アルドリッチ社製)溶液に、前記4−ヨードベ
ンジルブロミド1.48g(5.00mmol)を添加
し、放冷下で3時間攪拌し、固化した反応生成物を水に
溶解し、ヘキサンで抽出し、ヘキサンを留去し、4−ヨ
ードフェニルアセトニトリルの白色結晶0.84g(収
率68.9%)を得た。
【0091】(参考例4) [4−エチルフェニルアセトニトリルの製造]2.72
g(20.0mmol)の4−エチルベンジルアルコー
ル(アルドリッチ社製)に、50mlの47%臭化水素
酸(和光純薬工業社製)を添加し、室温下で30分間激
しく攪拌した後、ヘキサンで抽出し、無色油状の4−エ
チルベンジルブロミド3.98gを得た。次いで予め5
0℃に加温した1.96g(40.0mmol)のシア
ン化ナトリウム(国産化学社製)の20mlジメチルス
ルホキシド(アルドリッチ社製)溶液に、前記の4−エ
チルベンジルブロミド3.98gを加え、放冷下で3時
間攪拌し、固化した反応生成物を水に溶解し、ヘキサン
で抽出し、ヘキサンを留去し、4−エチルフェニルアセ
トニトリルの淡黄色油状物2.70g(収率93.1
%)を得た。
【0092】(参考例5) [4−ブロモチオフェン−2−酢酸の製造]1.20g
(30mmol相当)の水素化ナトリウム(60%油
性、和光純薬工業社製)の12ml無水ジオキサン(ア
ルドリッチ社製)懸濁液に、9.94g(30.0mm
ol)のテトラエチルジメチルアミノメチレンジホスホ
ネート(ランカスター社製)の9ml無水ジオキサン溶
液を添加して室温にて10分間撹拌した。次いで5.7
3g(30.0mmol)の4−ブロモ−2−チオフェ
ンカルボキサアルデヒド(アルドリッチ社製)の9ml
無水ジオキサン溶液を添加して60℃にて1時間撹拌し
た。空冷後、反応混合物を100mlの水に添加し、エ
ーテルで3回抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した
後、溶媒留去して黒色油状物14.85gを得た。
【0093】この油状物に15mlの濃塩酸を添加して
15分間加熱還流した後、反応混合物を100mlの冷
水に添加し、エーテルで3回抽出した。この抽出液より
2N水酸化ナトリウム溶液で2回逆抽出し、6N塩酸に
てpH1に調製した後、再びエーテルで3回抽出した。
飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶
媒を留去して茶褐色油状物を得た。この油状物を、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液は酢酸エチ
ル:ヘキサンの比が1:1を用いた)により精製して4
−ブロモチオフェン−2−酢酸の黄白色結晶1.29g
(収率19.5%)を得た。
【0094】(参考例6) [5−メチルフラン−2−イルアセトニトリルの製造]
5−メチルフラン−2−カルボキサアルデヒド(和光純
薬工業社製)5.51g(50.0mmol)、ロダニ
ン(東京化成社製)6.66g(50.0mmol)、
無水酢酸ナトリウム(国産化学社製)12.3g(15
0mmol)及び酢酸(和光純薬工業社製)35mlの
混合物を30分間加熱還流し、空冷し、500mlの水
に添加し、析出した結晶を瀘取し、水、エタノール、エ
ーテルで順次洗浄した後、乾燥し、(5−メチルフルフ
リリデン)ロダニンの橙褐色結晶10.04g(収率8
9.1%)を得た。
【0095】この全量を15%水酸化ナトリウム水溶液
65mlに懸濁し、100℃で30分間加熱し、空冷し
た後、500mlの10%塩酸に添加し、析出した結晶
を瀘取し、水洗し、乾燥し、3−(5−メチルフリル)
−2−チオケトプロピオン酸の黄色結晶8.22gを得
た。
【0096】この全量にエタノール45ml及び塩酸ヒ
ドロキシルアミン(和光純薬工業社製)10.1g(1
46mmol)を添加し、更にナトリウムエトキシド
(アルドリッチ社製、21%変性エタノール溶液)55
ml(147mmol相当)を徐々に添加し、100℃
で1時間加熱し、空冷し、減圧下で濃縮した。残渣に5
%水酸化ナトリウム水溶液20mlを添加して懸濁し、
氷冷下で注意しながら10%塩酸20mlを添加し、エ
ーテルで3回抽出し、エーテル層を飽和食塩水洗浄し、
無水硫酸ナトリウムを添加して乾燥した後、エーテルを
留去した。
【0097】残渣を少量のエーテルに溶解し、白濁が生
じるまでトルエンを徐々に添加し、静置し、析出した結
晶を回収し、トルエンで十分洗浄し、乾燥し、3−(5
−メチル−2−フリル)−2−ヒドロキシイミノプロピ
オン酸の黄色結晶4.55g(収率53.3%)を得
た。
【0098】この全量をベンゼン60mlに溶解し、
1,1′−カルボニルジイミダゾール(アルドリッチ社
製)3.97g(24.8mmol)を徐々に添加し、
70℃で1時間加熱し、空冷し、50mlの氷水に添加
し、ベンゼンで3回抽出し、ベンゼン層を重曹水、飽和
食塩水、1%塩酸、水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去し、油状物2.40g
を得た。この油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶出液は酢酸エチル:ヘキサンの比が1:4を用
いた)で精製し、5−メチルフラン−2−イルアセトニ
トリルの無色油状物2.00g(収率66.6%)を得
た。
【0099】(参考例7) [3−(4−クロロフェニル)−4−メチル−6,7−
ジヒドロキシクマリンの製造]濃塩酸25mlと氷15
gの混合液に、p−クロロアニリン(東京化成社製)
3.83g(30.0mmol)を添加し、これに亜硝
酸ナトリウム(和光純薬工業社製)の30%水溶液7m
lを添加し、室温で1時間攪拌した。この混合物に酢酸
ナトリウム(和光純薬工業社製)の飽和水溶液を添加し
てpHを4に調整し、不溶成分を瀘別し、瀘液を別途調
製した4−メチルエスクレチン(東京化成社製)5.7
7g(30.0mmol)のアセトン90ml懸濁液に
添加し、更に塩化第二銅・二水和物(関東化学社製)
0.8gを添加して1時間攪拌した。反応生成物を減圧
下で濃縮し、大部分の溶媒を除去し、残渣に300ml
の酢酸エチルを添加してよく混合し、不溶成分(未反応
の4−メチルエスクレチン)を瀘別し、瀘液から有機層
を分取し、水層を更に酢酸エチルで2回抽出し、合せた
有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、減圧下で溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサンの比が
1:1の溶出液を用いた)により精製し、目的の化合物
を含む溶出液分画を放置し、析出する結晶を集めて乾燥
し、次の化35の化学式
【0100】
【化35】
【0101】で示される3−(4−クロロフェニル)−
4−メチル−6,7−ジヒドロキシクマリン(淡黄色結
晶)533mg(収率5.9%)を得た。
【0102】(参考例8) [3−(4−フルオロフェニル)−7,8−ジヒドロキ
シクマリンの製造]実施例5と同一の方法により得た化
44の化学式で示される化合物356mg(1.00m
mol)と、エタノール(国産化学社製)8mlとの混
合物に、6N塩酸2mlを添加し、1時間加熱還流し、
のち空冷し、反応物を60mlの水に添加して攪拌し、
析出する結晶を瀘取し、水洗し、乾燥し、酢酸エチル−
ヘキサンから再結晶し、次の化36の化学式
【0103】
【化36】
【0104】で示される3−(4−フルオロフェニル)
−7,8−ジヒドロキシクマリン(淡黄色結晶)193
mg(収率70.9%)を得た。
【0105】実施例1 2,3,4−トリヒドロキシベンズアルデヒド(アルド
リッチ社製)771mg(5.00mmol)、4−ク
ロロフェニル酢酸(東京化成社製)853mg(5.0
0mmol)及び無水酢酸(和光純薬工業社製)10m
lの混合物に、氷冷下トリエチルアミン(国産化学社
製)5mlを添加し、塩化カルシウム管保護下で1時間
攪拌し、予め120℃に加熱した油浴中で4時間加熱還
流した。次いで空冷し、反応物を100mlの氷冷した
10%塩酸に添加して激しく攪拌し、析出した結晶を瀘
別し、水及びエタノールで洗浄し、得られた薄褐色の結
晶をクロロホルムとエタノールの混合溶液を用いて再結
晶し、次の化37の化学式
【0106】
【化37】
【0107】で示される白色結晶化合物1.17g(収
率62.9%)を得た。得られた化合物の融点は、18
8.0〜188.5℃であった。 (比較例1)化44の化学式で示される化合物の代わり
に実施例1で得た化37の化学式で示される化合物37
3mg(1.00mmol)を用いたことを除き、参考
例8と同一の方法により次の化38の化学式
【0108】
【化38】
【0109】で示される3−(4−クロロフェニル)−
7,8−ジヒドロキシクマリン(淡黄色結晶)227m
g(収率78.6%)を得た。
【0110】実施例2 2,4,5−トリヒドロキシベンズアルデヒド(ランカ
スター社製)154mg(1.00mmol)、4−ク
ロロフェニル酢酸(東京化成社製)171mg(1.0
0mmol)及び無水酢酸(和光純薬工業社製)2ml
の混合物に、氷冷下トリエチルアミン(国産化学社製)
1mlを添加し、塩化カルシウム管保護下で1時間攪拌
し、予め120℃に加熱した油浴中で4時間加熱還流し
た。次いで空冷し、反応物を20mlの氷冷した10%
塩酸に添加して激しく攪拌し、析出した結晶を瀘取し、
水洗し、得られた結晶を酢酸エチルに溶解し、乾燥後減
圧下で溶媒を留去し、残渣の結晶を酢酸エチルとヘキサ
ンの混合溶液を用いて再結晶し、次の化39の化学式
【0111】
【化39】
【0112】で示される白色結晶の化合物280mg
(収率75.1%)を得た。得られた化合物の融点は、
211.5〜212.5℃であった。
【0113】(比較例2)化44の化学式で示される化
合物の代わりに実施例2で得た化39の化学式で示され
る化合物373mg(1.00mmol)を用いたこと
を除き、参考例8と同一の方法により次の化40の化学
【0114】
【化40】
【0115】で示される3−(4−クロロフェニル)−
6,7−ジヒドロキシクマリン(淡黄色結晶)233m
g(収率80.6%)を得た。
【0116】実施例3 4−クロロフェニル酢酸の代りに3−クロロフェニル酢
酸(東京化成社製)853mg(5.00mmol)を
用いたこと、及び再結晶溶媒として酢酸エチル−ヘキサ
ンを用いたことを除き、実施例1と同一の方法により、
次の化41の化学式
【0117】
【化41】
【0118】で示される白色結晶化合物853mg(収
率45.8%)を得た。得られた化合物の融点は、16
5〜167℃であった。
【0119】(比較例3)化44の化学式で示される化
合物の代わりに実施例3で得た化41の化学式で示され
る化合物373mg(1.00mmol)を用いたこと
を除き、参考例8と同一の方法により次の化42の化学
【0120】
【化42】
【0121】で示される3−(3−クロロフェニル)−
7,8−ジヒドロキシクマリン(淡黄色結晶)268m
g(収率92.8%)を得た。
【0122】実施例4 参考例2と同一の方法により得た3−(3−クロロフェ
ニル)−6,7−ジヒドロキシクマリン87mg(0.
30mmol)を塩化メチレン(国産化学社製)2ml
に懸濁し、トリエチルアミン(国産化学社製)0.09
mlを添加して攪拌し、得られた澄明な橙色溶液を氷冷
し、アセチルクロリド(和光純薬社製)0.05mlを
添加し、氷冷で攪拌し、室温で30分間更に攪拌した。
得られた混合液をエタノール(国産化学社製)30ml
で希釈し、析出した結晶を瀘取し、エタノール、ヘキサ
ンで順次洗浄し、乾燥し、次の化43の化学式
【0123】
【化43】
【0124】で示される白色結晶化合物96mg(収率
86%)を得た。得られた化合物の融点は、194〜1
95℃であった。
【0125】実施例5 4−クロロフェニル酢酸の代わりに4−フルオロフェニ
ル酢酸(ランカスター社製)771mg(5.00mm
ol)を用いたことを除き、実施例1と同一の方法によ
り次の化44の化学式
【0126】
【化44】
【0127】で示される白色結晶化合物1.26g(収
率70.8%)を得た。得られた化合物の融点は、18
3.5〜184.0℃であった。
【0128】実施例6 4−クロロフェニル酢酸の代わりに4−ブロモフェニル
酢酸(東京化成社製)771mg(5.00mmol)
を用いたことを除き、実施例1と同一の方法により次の
化45の化学式
【0129】
【化45】
【0130】で示される白色結晶化合物1.02g(収
率48.8%)を得た。得られた化合物の融点は、20
1.5〜202.5℃であった。
【0131】(比較例4)化44の化学式で示される化
合物の代わりに実施例6で得た化45の化学式で示され
る化合物417mg(1.00mmol)を用いたこと
を除き、参考例8と同一の方法により次の化46の化学
【0132】
【化46】
【0133】で示される3−(4−ブロモフェニル)−
7,8−ジヒドロキシクマリン(黄色結晶)300mg
(収率90.2%)を得た。
【0134】実施例7 2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(ランカス
ター社製)392mg(2.00mmol)を用い、3
−クロロフェニルアセトニトリルの代りに参考例3と同
一の方法で得た4−ヨードフェニルアセトニトリル48
6mg(2.00mmol)をもちいたことを除き、参
考例1と同一の方法により、α−シアノ−4−ヨード−
2′,4′,5′−トリメトキシスチルベンを得た。α
−シアノ−3−クロロ−2′,4′,5′−トリメトキ
シスチルベンの代りに前記α−シアノ−4−ヨード−
2′,4′,5′−トリメトキシスチルベン421mg
(1.00mmol)を用いたことを除き、参考例2と
同一の方法により、次の化47の化学式
【0135】
【化47】
【0136】で示される3−(4−ヨードフェニル)−
6,7−ジヒドロキシクマリン(黄色結晶)566mg
(収率74.4%)を得た。
【0137】3−(3−クロロフェニル)−6,7−ヒ
ドロキシクマリンの代りに前記3−(4−ヨードフェニ
ル)−6,7−ジヒドロキシクマリン114mg(0.
30mmol)を用いたことを除き、実施例4と同一の
方法により、次の化48の化学式
【0138】
【化48】
【0139】で示される白色結晶化合物100mg(収
率72.1%)を得た。得られた化合物の融点は、18
9.0〜190,0℃であった。
【0140】実施例8 4−クロロフェニル酢酸の代わりに4−メチルフェニル
酢酸(東京化成社製)751mg(5.00mmol)
を用いたことを除き、実施例1と同一の方法により次の
化49の化学式
【0141】
【化49】
【0142】で示される白色結晶化合物626mg(収
率35.3%)を得た。得られた化合物の融点は、19
9〜200℃であった。
【0143】(比較例5)化44の化学式で示される化
合物の代わりに実施例8で得た化49の化学式で示され
る化合物352mg(1.00mmol)を用いたこと
を除き、参考例8と同一の方法により次の化50の化学
【0144】
【化50】
【0145】で示される3−(4−メチルフェニル)−
7,8−ジヒドロキシクマリン(黄色結晶)233mg
(収率86.9%)を得た。
【0146】実施例9 4−クロロフェニル酢酸の代わりに3−メチルフェニル
酢酸(東京化成社製)771mg(5.00mmol)
を用いたこと、再結晶溶媒として酢酸エチル−ヘキサン
を用いたことを除き、実施例1と同一の方法により次の
化51の化学式
【0147】
【化51】
【0148】で示される白色結晶化合物684mg(収
率38.88%)を得た。得られた化合物の融点は、1
55〜156℃であった。
【0149】(比較例6)化44の化学式で示される化
合物の代わりに実施例9で得た化51の化学式で示され
る化合物352mg(1.00mmol)を用いたこと
を除き、参考例8と同一の方法により次の化52の化学
【0150】
【化52】
【0151】で示される3−(3−メチルフェニル)−
7,8−ジヒドロキシクマリン(黄色結晶)212mg
(収率79.2%)を得た。
【0152】実施例10 2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(ランカス
ター社製)628mg(3.20mmol)を用い、3
−クロロフェニルアセトニトリルの代りに参考例4と同
一の方法で得た4−エチルフェニルアセトニトリル46
5mg(3.20mmol)を用いたことを除き、参考
例1と同一の方法により、α−シアノ−4−エチル−
2′,4′,5′−トリメトキシスチルベンを得た。α
−シアノ−3−クロロ−2′,4′,5′−トリメトキ
シスチルベンの代りに前記α−シアノ−4−エチル−
2′,4′,5′−トリメトキシスチルベン485mg
(1.50mmol)を用いたことを除き、参考例2と
同一の方法により、次の化53の化学式
【0153】
【化53】
【0154】で示される3−(4−エチルフェニル)−
6,7−ジヒドロキシクマリン(黄色結晶)493mg
(収率87.5%)を得た。3−(3−クロロフェニ
ル)−6,7−ヒドロキシクマリンの代りに前記3−
(4−エチルフェニル)−6,7−ジヒドロキシクマリ
ン85mg(0.30mmol)を用いたことを除き、
実施例4と同一の方法により、次の化54の化学式
【0155】
【化54】
【0156】で示される白色結晶化合物46mg(収率
42%)を得た。得られた化合物の融点は、161.5
〜162.0℃であった。
【0157】実施例11 3−クロロフェニルアセトニトリルの代りに、4−トリ
フルオロメチルフェニルアセトニトリル(アルドリッチ
社製)1.85g(10.0mmol)を用いたことを
除き、参考例1と同一の方法により、α−シアノ−4−
トリフルオロメチル−2′,4′,5′−トリメトキシ
スチルベンを得た。α−シアノ−3−クロロ−2′,
4′,5′−トリメトキシスチルベンの代りに前記α−
シアノ−4−トリフルオロメチル−2′,4′,5′−
トリメトキシスチルベン727mg(2.00mmo
l)を用いたことを除き、参考例2と同一の方法によ
り、次の化55の化学式
【0158】
【化55】
【0159】で示される3−(4−トリフルオロメチル
フェニル)−6,7−ジヒドロキシクマリン(淡黄色結
晶)594mg(収率92.2%)を得た。3−(3−
クロロフェニル)−6,7−ヒドロキシクマリンの代り
に前記3−(4−トリフルオロメチルフェニル)−6,
7−ジヒドロキシクマリン97mg(0.30mmo
l)を用いたことを除き、実施例4と同一の方法によ
り、次の化56の化学式
【0160】
【化56】
【0161】で示される白色結晶化合物95mg(収率
77.8%)を得た。得られた化合物の融点は、19
6.5〜197.5℃であった。
【0162】実施例12 4−クロロフェニル酢酸の代わりに4−メトキシフェニ
ル酢酸(東京化成社製)831mg(5.00mmo
l)を用いたことを除き、実施例1と同一の方法により
次の化57の化学式
【0163】
【化57】
【0164】で示される白色結晶化合物814mg(収
率44.2%)を得た。得られた化合物の融点は、17
4.5〜175.5℃であった。
【0165】(比較例7)化44の化学式で示される化
合物の代わりに、実施例12で得た化57の化学式で示
される化合物368mg(1.00mmol)を用いた
ことを除き、参考例8と同一の方法により次の化58の
化学式
【0166】
【化58】
【0167】で示される3−(4−メトキシフェニル)
−7,8−ジヒドロキシクマリン(黄土色結晶)186
mg(収率65.6%)を得た。
【0168】実施例13 4−クロロフェニル酢酸の代わりに4−ニトロフェニル
酢酸(東京化成社製)906mg(5.00mmol)
を用いたことを除き、実施例1と同一の方法により次の
化59の化学式
【0169】
【化59】
【0170】で示される黄色結晶化合物827mg(収
率43.2%)を得た。得られた化合物の融点は、22
7.5〜228.5℃であった。
【0171】(比較例8)化44の化学式で示される化
合物の代わりに、実施例13で得た化59の化学式で示
される化合物383mg(1.00mmol)を用いた
ことを除き、参考例8と同一の方法により次の化60の
化学式
【0172】
【化60】
【0173】で示される3−(4−ニトロフェニル)−
7,8−ジヒドロキシクマリン(橙色結晶)228mg
(収率76.2%)を得た。
【0174】実施例14 2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(ランカス
ター社製)981mg(5.00mmol)を用い、3
−クロロフェニルアセトニトリルの代りにフェニルアセ
トニトリル(東京化成社製)586mg(5.00mm
ol)を用いたことを除き、参考例1と同一の方法によ
り、α−シアノ−2′,4′,5′−トリメトキシスチ
ルベンを得た。α−シアノ−3−クロロ−2′,4′,
5′−トリメトキシスチルベンの代りに前記α−シアノ
−2′,4′,5′−トリメトキシスチルベン591m
g(2.00mmol)を用いたことを除き、参考例2
と同一の方法により、次の化61の化学式
【0175】
【化61】
【0176】で示される3−フェニル−6,7−ジヒド
ロキシクマリン(黄褐色結晶)444mg(収率87.
3%)を得た。3−(3−クロロフェニル)−6,7−
ヒドロキシクマリンの代りに前記3−フェニル−6,7
−ジヒドロキシクマリン76mg(0.30mmol)
を用いたことを除き、実施例4と同一の方法により、次
の化62の化学式
【0177】
【化62】
【0178】で示される白色結晶化合物48mg(収率
70%)を得た。得られた化合物の融点は、195.0
〜195.5℃であった。
【0179】実施例15 3−クロロフェニルアセトニトリルの代りにチオフェン
−2−イルアセトニトリル(東京化成社製)1.23g
(10.0mmol)を用いたことを除き、参考例1と
同一の方法により、α−(2,4,5−トリメトキシベ
ンジリデン)−チオフェン−2−アセトニトリルを得
た。α−シアノ−3−クロロ−2′,4′,5′−トリ
メトキシスチルベンの代りに前記α−(2,4,5−ト
リメトキシベンジリデン)−チオフェン−2−アセトニ
トリル603mg(2.00mmol)を用いたことを
除き、参考例2と同一の方法により、次の化63の化学
【0180】
【化63】
【0181】で示される3−(チオフェン−2−イル)
−6,7−ジヒドロキシクマリン(黄色結晶)274m
g(収率52.6%)を得た。3−(3−クロロフェニ
ル)−6,7−ヒドロキシクマリンの代りに前記3−
(チオフェン−2−イル)−6,7−ジヒドロキシクマ
リン78mg(0.30mmol)を用いたことを除
き、実施例4と同一の方法により、次の化64の化学式
【0182】
【化64】
【0183】で示される淡褐色結晶化合物63mg(収
率61%)を得た。得られた化合物の融点は、222〜
224℃であった。
【0184】実施例16 4−クロロフェニル酢酸の代りにチオフェン−3−酢酸
(東京化成社製)711g(5.00mmol)を用い
たことを除き、参考例1と同一の方法により、次の化6
5の化学式
【0185】
【化65】
【0186】で示される淡黄色結晶の化合物960mg
(収率55.8%)を得た。得られた化合物の融点は、
159.5〜160.5℃であった。
【0187】(比較例9)化44の化学式で示される化
合物の代わりに、実施例16で得た化65の化学式で示
される化合物344mg(1.00mmol)を用いた
ことを除き、参考例8と同一の方法により次の化66の
化学式
【0188】
【化66】
【0189】で示される3−(チオフェン−3−イル)
−7,8−ジヒドロキシクマリン(黄色結晶)165m
g(収率63.4%)を得た。
【0190】実施例17 2,3,4−トリヒドロキシベンズアルデヒド(アルド
リッチ社製)385mg(2.50mmol)を用い、
4−クロロフェニル酢酸の代りに参考例5と同一の方法
により得た4−ブロモチオフェン−2−酢酸553mg
(2.50mmol)を用いたことを除き、実施例1と
同一の方法により、次の化67の化学式
【0191】
【化67】
【0192】で示される淡褐色結晶化合物756mg
(収率71.4%)を得た。得られた化合物の融点は、
234.0〜234.0℃であった。
【0193】(比較例10)化44の化学式で示される
化合物の代わりに、実施例17で得た化67の化学式で
示される化合物423mg(1.00mmol)を用い
たことを除き、参考例8と同一の方法により次の化68
の化学式
【0194】
【化68】
【0195】で示される3−(4−ブロモチオフェン−
2−イル)−7,8−ジヒドロキシクマリン(黄色結
晶)310mg(収率91.4%)を得た。
【0196】実施例18 2,3,4−トリヒドロキシベンズアルデヒドの代わり
に2,4,5−トリヒドロキシベンズアルデヒド(ラン
カスター社製)385mg(2.50mmol)を用
い、4−クロロフェニル酢酸の代りに参考例5と同一の
方法により得た4−ブロモチオフェン−2−酢酸553
mg(2.50mmol)を用いたことを除き、実施例
1と同一の方法により、次の化69の化学式
【0197】
【化69】
【0198】で示される淡褐色結晶化合物755mg
(収率71.4%)を得た。得られた化合物の融点は、
220.5〜221.5℃であった。
【0199】(比較例11)化44の化学式で示される
化合物の代わりに、実施例18で得た化69の化学式で
示される化合物423mg(1.00mmol)を用い
たことを除き、参考例8と同一の方法により次の化70
の化学式
【0200】
【化70】
【0201】で示される3−(4−ブロモチオフェン−
2−イル)−6,7−ジヒドロキシクマリン(黄色結
晶)287mg(収率84.6%)を得た。
【0202】実施例19 2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(ランカス
ター社製)981mg(5.00mmol)を用い、3
−クロロフェニルアセトニトリルの代りに、参考例6と
同一の方法で得た5−メチルフラン−2−イルアセトニ
トリル1.21g(5.00mmol)を用いたことを
除き、参考例1と同一の方法により、5−メチル−α−
(2,4,5−トリメトキシベンジリデン)フラン−2
−アセトニトリルを得た。α−シアノ−3−クロロ−
2′,4′,5′−トリメトキシスチルベンの代りに、
前記5−メチル−α−(2,4,5−トリメトキシベン
ジリデン)フラン−2−アセトニトリル597mg
(2.00mmol)を用いたことを除き、参考例2と
同一の方法により、次の化71の化学式
【0203】
【化71】
【0204】で示される3−(5−メチルフラン−2−
イル)−6,7−ジヒドロキシクマリン(黄褐色結晶)
241mg(収率46.7%)を得た。3−(3−クロ
ロフェニル)−6,7−ヒドロキシクマリンの代りに前
記3−(5−メチルフラン−2−イル)−6,7−ジヒ
ドロキシクマリン77mg(0.30mmol)を用い
たことを除き、実施例4と同一の方法により、次の化7
2の化学式
【0205】
【化72】
【0206】で示される淡黄色結晶化合物47mg(収
率46%)を得た。得られた化合物の融点は、199.
5〜200.0℃であった。
【0207】実施例20 参考例7と同一の方法により得た3−(4−クロロフェ
ニル)−4−メチル−6,7−ジヒドロキシクマリン1
00mg(0.33mmol)を塩化メチレン(国産化
学社製)2mlに懸濁し、トリエチルアミン(国産化学
社製)0.11mlを添加して攪拌し、得られた澄明な
橙色溶液を氷冷し、アセチルクロリド(和光純薬社製)
0.06mlを添加し、氷冷で攪拌し、室温で30分間
更に攪拌した。得られた混合液に酢酸エチルを添加し、
有機層を分取し、1N塩酸、重曹水、飽和食塩水で順次
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を
留去し、残渣の結晶を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶
し、次の化73の化学式
【0208】
【化73】
【0209】で示される淡黄色結晶化合物104mg
(収率81.3%)を得た。得られた化合物の融点は、
151.5〜152.5℃であった。
【0210】実施例21 参考例2と同一の方法により得た3−(3−クロロフェ
ニル)−6,7−ジヒドロキシクマリン577mg
(2.00mmol)を塩化メチレン(国産化学社製)
10mlに懸濁し、トリエチルアミン(国産化学社製)
0.69mlを添加して攪拌し、得られた澄明な橙色溶
液を氷冷し、プロピオニルクロリド(東京化成社製)
0.44mlを添加し、氷冷で攪拌し、室温で30分間
更に攪拌した。得られた混合液に酢酸エチルを添加し、
有機層を分取し、1N塩酸、重曹水、飽和食塩水で順次
洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で溶媒を
留去し、残渣の結晶を酢酸エチル−ヘキサンから再結晶
し、次の化74の化学式
【0211】
【化74】
【0212】で示される淡黄色結晶化合物671mg
(収率83.7%)を得た。得られた化合物の融点は、
163〜165℃であった。
【0213】実施例22 プロピオニルクロリドの代りに、ブチリルクロリド(東
京化成社製)0.52mlを用いたことを除き、実施例
21と同一の方法により、次の化75の化学式
【0214】
【化75】
【0215】で示される白色結晶化合物673mg(収
率78.4%)を得た。得られた化合物の融点は、13
5〜136℃であった。
【0216】実施例23 1錠当たり次の割合の組成からなる混合物を調製し、常
法により錠剤機により打錠し、本発明の12−リポキシ
ゲナーゼを選択的に阻害する医薬を製造した。 実施例1で得た化合物 20.0(mg) 乳糖(岩城製薬社製) 40.0 トウモロコシ澱粉(吉田製薬社製) 15.0 ステアリン酸マグネシウム(太平化学社製) 0.4 カルボキシメチルセルロースカルシウム (ニチリン化学工業社製) 20.0
【0217】実施例24 1カプセル当たり次の割合の組成からなる混合物を調製
し、常法によりゼラチン・カプセルに充填し、本発明の
12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害する医薬を製造
した。 実施例1で得た化合物 20.0(mg) 乳糖(岩城製薬社製) 40.0 微粉末セルロース(日本ソーダ社製) 30.0 ステアリン酸マグネシウム(太平化学社製) 3.0
【0218】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明は、生体内
で酵素等の作用により修飾部分が開裂・切断し、12−
リポキシゲナーゼを選択的に阻害する物質を生成し得る
新規化合物のクマリン誘導体、及びこれらの化合物を有
効成分として含有する12−リポキシゲナーゼを選択的
に阻害し得る医薬に係るものであり、本発明によって奏
せられる効果は、次のとおりである。 1)本発明の化合物は、生体内で酵素等の作用により修
飾部分が開裂・切断し、12−リポキシゲナーゼを強
力、かつ高い選択性をもって阻害し得る作用を有する。 2)本発明の前記化合物を有効成分とする医薬は、動脈
硬化、血管攣縮等の循環器系各種疾患の予防、治療、及
びある種の癌の転移の予防に有用である。 3)本発明の化合物は、低毒性であり、副作用が少な
く、12−リポキシゲナーゼを選択的に阻害し得る医薬
の有効成分として有効である。 4)本発明の化合物の修飾部分としてのアシル基の種類
を種々選択することにより、本発明化合物の生体内にお
ける開裂・切断を制御することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 35/04 A61P 35/04 43/00 111 43/00 111 C07D 407/04 C07D 407/04 409/04 409/04 (72)発明者 森 繁広 神奈川県座間市東原5丁目1番15号407 さがみ野さくら (72)発明者 森内 尚子 神奈川県横浜市港南区日野南1丁目20番 7号 (56)参考文献 特開 昭61−15834(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 311/06 - 311/20 A61K 31/00 - 31/80 C07D 407/04 C07D 409/04 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の化1の一般式 【化1】 [ただし、式中R1 は、水素原子又は低級アルキル基を
    示し、R2 及びR3 は、水素原子又はOZを示し(ただ
    し、R2 とR3 が同時に水素原子であることはない)、
    Arは、次の化2、化3又は化4の一般式 【化2】 【化3】 【化4】 で示される基であり、式中R4 は、低級アルキル基、低
    級アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル
    基、ニトロ基又はシアノ基を示し、Zは、各々独立に水
    素原子又は次の化5の一般式 【化5】 で示される基であり(ただし、全てが水素原子であるこ
    とはない)、式中R5 は、炭素数1〜20の直鎖又は分
    岐アルキル基又はアルケニル基を示す。]で示されるク
    マリン誘導体。
  2. 【請求項2】 次の化6の一般式 【化6】 [ただし、式中R1 は、水素原子又は低級アルキル基を
    示し、R2 及びR3 は、水素原子又はOZを示し(ただ
    し、R2 とR3 が同時に水素原子であることはない)、
    Arは、次の化7、化8又は化9の一般式 【化7】 【化8】 【化9】 で示される基であり、式中R4 は、水素原子、低級アル
    キル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオ
    ロメチル基、ニトロ基又はシアノ基を示し、Zは、各々
    独立に水素原子又は次の化10の一般式 【化10】 で示される基であり(ただし、全てが水素原子であるこ
    とはない)、式中R5 は、炭素数1〜20の直鎖又は分
    岐アルキル基又はアルケニル基を示す。]で示されるク
    マリン誘導体からなる群より選択される化合物を有効成
    分として含有する12−リポキシゲナーゼ阻害剤。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の化6の一般式[ただし、
    式中R 1 は、水素原子又は低級アルキル基を示し、R 2
    及びR 3 は、水素原子又はOZを示し(ただし、R 2
    3 が同時に水素原子であることはない)、Arは、請
    求項2記載の化7、化8又は化9の一般式で示される基
    であり、式中R 4 は、水素原子、低級アルキル基、低級
    アルコキシ基、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、
    ニトロ基又はシアノ基を示し、Zは、各々独立に水素原
    子又は請求項2記載の化10の 一般式で示される基であ
    り(ただし、全てが水素原子であることはない)、式中
    5 は、炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基又は
    アルケニル基を示す。]で示されるクマリン誘導体から
    なる群より選択される化合物を有効成分として含有し、
    12−リポキシゲナーゼ活性の選択的阻害作用を有す
    る、12−リポキシゲナーゼ阻害用医薬。
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