JPH06345700A - ハロゲノニトロフェノールの製造方法 - Google Patents

ハロゲノニトロフェノールの製造方法

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JPH06345700A
JPH06345700A JP5134893A JP13489393A JPH06345700A JP H06345700 A JPH06345700 A JP H06345700A JP 5134893 A JP5134893 A JP 5134893A JP 13489393 A JP13489393 A JP 13489393A JP H06345700 A JPH06345700 A JP H06345700A
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JP
Japan
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halogenonitrophenol
reaction
nitration
dichloroethane
crystals
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Withdrawn
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JP5134893A
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English (en)
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Fumiaki Iwasaki
史哲 岩崎
Koji Ishimaru
浩司 石丸
Shozo Tsuchiya
正三 土屋
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間でしかも高収率でハロゲノニトロフェ
ノールを製造する方法を提供する。 【構成】 ハロゲノフェノールをニトロ化してハロゲノ
ニトロフェノールを製造する方法において、前記ニトロ
化を1,2−ジクロロエタン中で行うことを特徴とする
ハロゲノニトロフェノールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲノニトロフェノ
ールの製造方法に関するものであって、より詳しくは、
短時間でしかも高収率でハロゲノニトロフェノールを製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲノニトロフェノールは、染料及び
医薬品の中間体として工業的に重要な化合物である。従
来、ハロゲノニトロフェノールの合成法としては、ハロ
ゲノフェノールを水溶液中で、硝酸によりニトロ化する
方法(Arch.sci.phys.nat.,301
(1934))、メタノール中硝酸でニトロ化する方法
(Roczniki.Chem.,761(193
0))が知られている。
【0003】
【発明が解決しようする課題】しかし、水溶液中でニト
ロ化反応を行なう方法は、反応時間が48時間もかかる
ためとても実用的な方法とは言えない。その上、純度の
高い目的化合物を得るためには後処理操作として再結晶
工程が必要となり、単離収率も精々65%ととても満足
のいくものではない。また、メタノール中でニトロ化反
応を行う方法については、本発明者らが追試を行ったと
ころ、反応時間が27時間もかかった上に、メタノール
と希硝酸水の均一溶液が排水として生じたため、水とメ
タノールの分離回収操作を別途行う必要があった。
【0004】ニトロ化反応の反応速度を上げ、且つ有機
溶媒と水の分離回収を容易にするための方法としては、
水に溶解しないハロゲン化有機溶媒を使用することが一
般的な方法として知られている。こうした方法におい
て、ニトロ化反応の終了後の反応溶液からのニトロ化化
合物の単離は、通常、以下の方法により行われている。
すなわち、まず、上記ニトロ化反応の反応液から一定量
のハロゲン化有機溶媒を留去してニトロ化化合物を晶出
させる。ニトロ化化合物が晶出する液体は、上記溶媒の
留去により液量が少なくなっており、また、粘度が高く
なったりしているため、移液等がしにくい。そのため、
該液体に、水などのニトロ化化合物を溶解しない液体を
混合し、上記移液等の操作性を向上させた後、遠心分離
や濾過等に供し、ニトロ化化合物の結晶を単離する。
【0005】そこで、ハロゲノニトロフェノールの製造
を典型的なハロゲン化溶媒である四塩化炭素を用いて行
い、また、得られた反応溶液からのハロゲノニトロフェ
ノールの単離を、上記ニトロ化化合物を溶解しない液体
として水を用いて行ったところ、析出した結晶が反応壁
及び撹拌翼に付着してしまい移液等の後処理操作を行う
ことが困難であった。また、塩化メチレンを溶媒に用い
た場合は、副生成物が6%以上と他の溶媒を用いた場合
に比較して2倍以上生成してしまい、収率面で不利を生
じるため実用的な溶媒とはなり得なかった。
【0006】
【発明の目的】そこで本発明の目的は、短時間にニトロ
化反応が終了し、かつ再結晶行程を要することなく、高
純度、高収率でハロゲノニトロフェノールを製造する方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意研究を続けてきた結果、前記ニトロ化を、
1,2−ジクロロエタン中で行うことにより、上記課題
が解決することを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明によれば、ハロゲノフェノールを
ニトロ化してハロゲノニトロフェノールを製造する方法
において、前記ニトロ化を、1,2ージクロロエタン中
で行うことを特徴とするハロゲノニトロフェノールの製
造方法が提供される。
【0008】
【発明の具体的説明】本発明で使用するハロゲノフェノ
ールは、フェノールにハロゲン原子が結合しているもの
であれば特に制限はないが、これらを具体的に例示すれ
ば、2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、4
−クロロフェノール、2−ブロモフェノール、3−ブロ
モフェノール、4−ブロモフェノール、2−フルオロフ
ェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェ
ノール、2,4−ジクロロフェノール、2,6−ジクロ
ロフェノール、2,4−ジブロモフェノール、2,6−
ジブロモフェノール等、を挙げることができる。
【0009】ハロゲノフェノールをニトロ化するニトロ
化剤としては、公知のニトロ化剤がなんら制限なく使用
される。具体的には、硝酸、あるいは硝酸/硫酸の混
酸、亜硝酸/硫酸の混酸等を挙げることができるが、温
和な条件下でニトロ化が進行しかつ、反応後の廃酸量が
少ない硝酸が最も好ましい。
【0010】使用するニトロ化剤の濃度としては、濃度
が低いとニトロ化の能力が低下するため、5%以上の濃
度であることが好ましい。また、添加量はあまり過剰に
加えると、ジニトロ化物の生成量が増加するため、化学
量論比とその20%過剰との間が有利である。
【0011】ニトロ化の温度としては、ニトロ化剤によ
る酸化反応を極力抑えるため、50℃以下、さらには−
30℃ないし40℃の範囲であることが好ましい。反応
は、常圧、加圧、減圧のいずれの場合も実施可能であ
り、反応に要する時間は、硝酸濃度、反応温度によって
も異なるが、通常は0.1ないし5時間で十分である。
【0012】本発明の最大の特徴は、かかるハロゲノフ
ェノールのニトロ化の反応媒体として、1,2−ジクロ
ロエタンを用いた点にある。それにより、上記ハロゲノ
フェノールのニトロ化反応は、反応速度が向上し、ま
た、副生成物の発生量を低く抑えることができる。しか
も、得られたハロゲノニトロフェノールは、後述する如
く反応液から一定量の1,2−ジクロロエタンを留去し
て、代わりに水等の該ハロゲノニトロフェノールに対し
て難溶性の液体を加えても、晶出する結晶は粘着性を帯
びない。したがって、遠心分離等の手段により、極めて
容易に結晶を単離することができる。
【0013】本発明において、1,2−ジクロロエタン
に溶解または分散させるハロゲノフェノールの濃度は、
特に限定されないが、あまり濃度が高いと撹拌に障害が
生じ、低いと経済的に不利になるため、基質濃度は5な
いし80重量%、さらには10ないし60重量%の範囲
であることが好ましい。
【0014】本発明において、以上のニトロ化反応によ
り得られたハロゲノニトロフェノールを反応液から単離
する方法は、特に制限されるものではなく、いかなる方
法によって行ってもよい。簡便な手段で、該ハロゲノニ
トロフェノールの結晶を高純度で得るためには、ニトロ
化反応終了後の反応液から一定量の1,2−ジクロロエ
タンを留去してハロゲノニトロフェノールを晶出させた
後、この液を移液し易いように該ハロゲノニトロフェノ
ールに対して難溶性の液体と混合し、次いで、遠心分離
や濾過等の手段により、上記ハロゲノニトロフェノール
の結晶を単離するのが好ましい。この場合、上記ハロゲ
ノニトロフェノールに対して難溶性である液体としては
水を用いるのが一般的である。前記ニトロ化反応の反応
媒体としては、四塩化炭素等の1,2−ジクロロエタン
以外のハロゲン化有機溶媒を用いた場合、このように水
等を使用して結晶の単離操作を行っても、晶出する結晶
が粘着性を帯びて、反応器の壁や撹拌翼に付着し、効率
的な単離操作が行えなくなる。
【0015】かかる単離方法において、留去する1,2
−ジクロロエタンの量は、ハロゲノニトロフェノールの
種類によって異なるが、留去量が少ないとハロゲノニト
ロフェノールの単離収率が低下し、多いと結晶中に副生
成物が含まれて結晶純度を低下させるため、1,2−ジ
クロロエタンがハロゲノニトロフェノールの理論生成量
の100重量部に対して20ないし60重量部、好まし
くは30ないし50重量部程度残存するように留去する
ことが好ましい。
【0016】1,2−ジクロロエタンの留去は、減圧お
よび常圧下いずれの条件下でも実施可能であるが留去の
際に温度をかけすぎると反応系が黒色化してくるため、
40℃以下で減圧留去をすることが好ましい。前記ハロ
ゲノニトロフェノールに対して難溶性の液体の添加量
は、生成するスラリー溶液が移液可能であれば何等制限
はされないが、ハロゲノニトロフェノールの理論生成量
の100重量部に対して100重量部以上の量を添加す
ることが好ましい。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、ハロゲノフェノールと
硝酸との反応によってハロゲノニトロフェノールを製造
する方法において、再結晶操作を別途行うことなく簡単
にハロゲノニトロフェノールを高純度でかつ高収率で得
ることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0019】<実施例1>撹拌器、冷却管、温度計を備
え付けた1Lの四つ口フラスコに4−クロロフェノール
75.0g(0.58mol)、1,2−ジクロロエタ
ン250gを加え撹拌しながら0℃に冷却した。冷却
後、45%硝酸水89.9g(0.64mol)を内温
が10℃以下になるように滴下し、1時間撹拌したとこ
ろ、原料は完全に消失した。反応後、有機相と水相とを
分離し、有機相から1,2−ジクロロエタンを残量が4
5gになるように30℃で減圧留去する。得られたスラ
リー溶液に水を150g添加して、5℃に冷却した後、
遠心分離によって結晶を分離する。得られた結晶を10
0mlの水で洗浄した後、30℃で送風乾燥を行ったと
ころ4−クロロ−2ニトロフェノールを83.5g(8
2.2%)の収量で得た。この結晶をガスクロマトグラ
フィーで分析したところ、結晶純度は99.9%であっ
た。
【0020】<実施例2ないし6>ハロゲノニトロフェ
ノールを表1に示す化合物に変更した以外は、実施例1
と同様に反応させた。その結果を表1に示した。
【0021】
【0022】<実施例7ないし8>表2に示す濃度の硝
酸水を使用してニトロ化した以外は、実施例1と同様に
反応させ、その結果を表2に示した。
【0023】
【0024】<比較例1>有機溶媒を四塩化炭素に変更
した以外は、実施例1と同様な操作でニトロ化反応を室
温下で行った後、廃酸を分離した。次いで、得られた四
塩化炭素溶液を実施例1と同様な操作で四塩化炭素を水
と交換したところ、結晶が反応壁及び撹拌翼に付着して
遠心分離機に移液をすることが不可能となり、高純度の
4−クロロ−2−ニトロフェノールを単離することはで
きなかった。
【0025】<比較例2>有機溶媒をメタノールに変更
し、硝酸を62%硝酸水66.0g(0.64mol)
に変更して以外は、実施例1と同様な操作でニトロ化反
応を40℃で行ったところ、硝酸滴下後、反応が終了す
るまでに27時間を要してしまった。 反応終了後、ス
ラリー溶液を5℃に冷却して、析出した結晶を遠心分離
によって分離し、30℃で送風乾燥行ったところ得られ
た4−クロロ−2−ニトロフェノールの収量は81.0
g(80.0%)であり、ガスクロマトグラフィー分析
による結晶純度は99.3%であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲノフェノールをニトロ化してハロゲ
    ノニトロフェノールを製造する方法において、前記ニト
    ロ化を1,2−ジクロロエタン中で行うことを特徴とす
    るハロゲノニトロフェノールの製造方法。
JP5134893A 1993-06-04 1993-06-04 ハロゲノニトロフェノールの製造方法 Withdrawn JPH06345700A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102584610A (zh) * 2011-12-28 2012-07-18 四川东材绝缘技术有限公司 双酚二(间氨基对羟基苯基)醚盐酸盐及其制备方法和用途
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