JPH06345147A - 通気性包装体 - Google Patents

通気性包装体

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JPH06345147A
JPH06345147A JP5130914A JP13091493A JPH06345147A JP H06345147 A JPH06345147 A JP H06345147A JP 5130914 A JP5130914 A JP 5130914A JP 13091493 A JP13091493 A JP 13091493A JP H06345147 A JPH06345147 A JP H06345147A
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film
package
stretching
polyethylene
gas
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JP5130914A
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Akinao Hashimoto
暁直 橋本
Kazuo Yagi
和雄 八木
Hitoshi Mantoku
均 萬徳
Yoshinori Akana
義徳 赤名
Yukio Sakota
幸生 迫田
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
    • C03C8/24Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions, i.e. for use as seals between dissimilar materials, e.g. glass and metal; Glass solders
    • C03C8/245Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions, i.e. for use as seals between dissimilar materials, e.g. glass and metal; Glass solders containing more than 50% lead oxide, by weight
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/062Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
    • C03C3/07Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing lead
    • C03C3/072Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing lead containing boron

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子量ポリエチレンからなり、通気性、耐
水性および耐破損性(強度)がともに優れ、品質保持剤
や芳香剤を収納するのに特に適した包装体を提供する。 【構成】 その一部または全部が通気性フィルムからな
る包装体であって、該通気性フィルムが、極限粘度
[η]が5dl/g以上のポリエチレンからなり、ガー
レー式透気度が10ないし1000sec/100ml
であり、かつ平均細孔径が0.01ないし10μの孔が
フィルム全面にわたって存在する二軸配向フィルムで、
全方向の引張強度が1000Kg/cm2 以上であるこ
とを特徴とする通気性包装体。この包装体を構成する二
軸配向フィルムは、葉脈状あるいは不織布状の微孔性構
造を有しており、被包装物として、品質保持剤あるいは
芳香剤を収納することによって、破損しにくく、内容物
を好適に保持し得る通気性包装体となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通気性包装体に関する
ものであって、より詳しくは、高分子量ポリエチレンか
らなり、品質保持剤や芳香剤を収納するのに特に適し
た、通気性と耐水性及び耐破損性(強度)が共に優れた
包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】通気性のシートを用いた包装体や通気性
素材を用いた成形体の内部に、各種の薬剤などを収納
し、薬剤成分を徐々に放出するようにした包装体または
成形体が数多く出回っている。一方、一般に、製品の品
質が劣化する原因としては、酸化等による分解、風味
の変化、着色等の化学的原因、乾燥、吸湿等の物理的
原因、黴、細菌等の微生物や昆虫による成分、風味、
外観変化等の生物学的原因があげられる。このような品
質の低下を防ぐために、様々な試みがなされてきた。
【0003】例えば、食品についての品質保持対策とし
ては、塩漬けによる水分活性の調整や酢漬けによるpH
の調整にはじまり、真空包装やガス置換包装、或いは保
存剤や抗酸化剤に代表される食品添加物の添加等の品質
保持対策が行われてきた。しかしながら近年、健康や安
全指向の高まりから、低塩食品が好まれたり、発ガン性
等の問題から合成保存料等の食品添加物が問題視されは
じめたため、品質保持対策に、安全性や衛生性が要求さ
れるようになってきた。同様に食品以外の製品に関して
も品質保持対策として、人体に悪影響を及ぼす虞のある
化学物質を使用する場合には、十分な安全性が要求され
るようになってきた。
【0004】そのため現在は、品質保持を行う化学物質
が人体に直接接触したり、誤食により人体中に取り込ま
れないように、通気性包装材で化学物質を包装して品質
保持を行うことが主流となってきており、芳香剤におい
ても同様の包装形態が行われるようになってきている。
この方法は、簡便な上に非常に高い品質保持効果、ある
いは芳香成分放出効果が期待されるため、近年非常に注
目されており、食品をはじめ医薬品、化成品、精密部
品、衣類、消臭剤、芳香剤等の幅広い用途において使用
されている。
【0005】一般にこのような用途に使用される薬剤と
しては、乾燥剤、脱酸素剤、鮮度保持剤、燻蒸剤(防虫
剤)、芳香剤、消臭剤等があり、これらの薬剤は主に化
学反応を利用して包装系内の水分或いは酸素の除去、雰
囲気気体の交換や吸収を行ったり、燻蒸剤の場合、薬剤
の殺菌、防虫効果等によって、品質の劣化する原因を取
り除いて、製品品質を保持するもの、またはライム、キ
ンモクセイ、ミモザのような植物からの抽出物等の芳香
成分をそのまま緩慢に放出させるものである。
【0006】これらの品質保持剤あるいは芳香剤を包装
する材料としては、一般的に通気性が良い包装材料が使
用され、従来は、通気性の良い紙や紙に穿孔したポリエ
チレンフィルムを積層接着した包装材等が使用されてい
た。しかしながらこれらの包装材料は、耐水性が良くな
いため、水分の多い環境での用途に使用する場合、包装
材が破損して内容物の化学物質が急激に発熱したり、孔
や破損部分を通して化学物質が染み出し製品を汚染する
ばかりでなく、水によって品質保持剤の能力が低下する
等の問題があった。
【0007】また一般に紙類や穿孔したフィルムは強度
が弱く、水分の多い環境以外での用途においても、故意
に或いは突発的に破損する可能性があり、品質保持剤や
芳香剤が人体に直接接触したり、誤食により人体中に取
り込まれる危険性もあり得るものであった。
【0008】これらの欠点を克服するために種々の検討
が行われているが、例えば、特開昭59−142957
号公報には、内材として通気性のある紙または不織布、
外材として穿孔したプラスチックフィルムまたは透明な
紙を使用し、内材と外材を貼り合わせることなく重ね合
わせ、二つ折りにして内部に脱酸素剤を入れ、三方をシ
ールすることによって水分含有量が高い食品に適用した
場合でも外観を損なうことがなく、しかも透気性の調節
を自由に行う包装体が、また特開昭59−152170
号公報には、ポリプロピレンとポリエチレン等のフィル
ムを貼り合わせた積層体と紙または不織布の片面にポリ
エチレンの穴あきフィルム等のシートを重ね合わせ、四
辺をシールした脱酸素剤包装体が示されている。
【0009】また、特開昭59−163175号公報に
は、穴を開けたプラスチックのフィルムまたは透明な紙
(外側)とポリエチレンまたはこれより軟化点の低いプ
ラスチック(内側)を重ね合わせてなるシート一対の間
に脱酸素剤を入れて四辺をシールすることにより、優れ
た透気性を持つ脱酸素剤包装体を得る方法が開示されて
いる。さらに、特開昭63−55075号公報には、穿
孔したプラスチックフィルムからなる通気性外袋内に、
脱酸素剤を収納した単数または複数の通気性内袋を収納
してなる脱酸素包装体が開示されており、特開昭63−
109763号公報には、プラスチック繊維を抄造して
乾燥し弗素樹脂を含浸させた後、熱ロールで加圧して得
た通気性シートを使用する包装体、及び通気性シートに
補強材と積層する包装体が開示されており、これらの場
合、表面がプラスチックからなるために、耐水性も向上
している。
【0010】このように、これらの先行技術には、上記
欠点である耐水性、耐破損性、誤食防止性を向上させる
ための様々な工夫が見られる。一般に品質保持剤は、包
装系内等の品質を保持するものであり、品質保持の速度
が早いことが望まれる。この品質保持(例えば脱酸素、
乾燥等)の速度を調節する方法としては、品質保持剤に
使用される化学物質の種類や量で調整する方法、包装材
の通気性(透気度)で調整する方法がある。化学物質で
調整する方法としては、用途に応じて化学物質の量及び
種類を選択して調節を行っている。また、包装材の通気
性を調整する方法としては、微孔性フィルムの厚さ、孔
径、孔数を選択したり、フィルムに穿孔する孔のサイズ
や数を変化させて調整を行っている。
【0011】ただし、 1.孔の数を変化させて調整する場合、その孔サイズが
同一ならば、孔数が多い程通気性は良好となる。 2.孔径を変化させて調整していく場合、その孔数と圧
力が一定であれば、孔径が大きくなれば通気性は良好と
なる(その一方で耐水性は低下する)。 3.また無孔のフィルムに熱的或いは力学的方法等によ
って穿孔した場合、孔が欠陥部分となって強度等の低下
をもたらす原因となる。そのため耐破損性(強度)の問
題から、孔径や孔数は制限される上に、補強用の包装材
を積層して使わざるをえない。 4.不織布や紙類を、同じ太さの繊維やシートから作製
する場合、耐水性の向上には孔径を小さくする必要があ
り、多量の繊維やシートを重ね合わせて孔径を調節する
必要があり、このため通気性は低下することとなる。
【0012】このように一般的に良好な通気性を得るた
めに、耐水性や耐破損性を犠牲にしているため、この欠
点を他の耐水性の材料や補強材料との積層によって補っ
ているのが現状であった。以上のことからわかるよう
に、品質保持剤あるは芳香剤の包装体として使用される
場合、通気性包装材料に要求される性能としては、適度
な通気性に加え、耐水性、耐破損性、及び誤食防止等の
安全性や包装材一部の脱落等の衛生面に関わる性能に加
え、包装体製造時のヒートシールや接着等の加工性、誤
食防止や注意事項の直接記入のための印刷性等が要求さ
れる。
【0013】そこで品質保持剤用あるいは芳香剤の最良
の通気性包装材料としては、全面にわたって良好で均一
な通気性と耐水性及び耐破損性(強度)を兼ね備える必
要があり、また加工性の面からも、これらのことが単一
の包装材料でなされることが望ましい。しかしながら、
現在までにこれらの点をすべて兼ね備えた最良の包装材
料を一部もしくは全部に使用した包装体は開発されてい
なかった。
【0014】
【発明が解決しようとしている課題】本発明は、上記し
た従来技術の持つ問題点である耐破損性(強度)を、補
強材料を積層することなく改良し、かつフィルム全面に
わたって良好で均一な通気性と耐水性をあわせ持つ通気
性包装体を提供するものであり、この包装体は、内容物
として、とくに品質保持剤あるいは芳香剤を収納した包
装体として好ましく使用することができるものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは乾燥剤、脱
酸素剤等の品質保持剤、あるいは芳香剤の包装を目的と
する通気性包装材、及び包装体について鋭意、検討を行
なった結果、二種類の特定の構造を有するポリエチレン
の通気性二軸配向フィルムを少なくとも一部に使用する
包装材料がこれらの問題点を大幅に低減できることを認
めるに至った。
【0016】すなわち本発明によれば、その一部または
全部が通気性フィルムからなる包装体であって、該通気
性フィルムが、極限粘度[η]が5dl/g以上のポリ
エチレンからなり、ガーレー式透気度が10ないし10
00sec/100mlであり、かつ平均細孔径が0.
01ないし10μの孔がフィルム全面にわたって存在す
る通気性二軸配向フィルムで、全方向の引張強度が10
00Kg/cm2 以上であることを特徴とする通気性包
装体が提供される。この通気性包装体は、従来の品質保
持剤用通気性包装体には見られない、全面にわたって良
好で均一な通気性と耐水性及び耐破損性(強度)を兼ね
備えたもので、被包装物として品質保持剤、あるいは芳
香剤を収納した包装形態が最も好ましいものである。
【0017】本発明の通気性二軸配向フィルムは、特定
の透気度と平均細孔を有し、全方向の引張強度が100
0Kg/cm2 以上の不織布状或いは葉脈状のフィルム
であることによって特徴づけられる。包装体としては、
上記不織布状のフィルム及び葉脈状のフィルムをそれぞ
れ単独に使用することも可能である。例えば、各フィル
ムを二つ折りにして内部に品質保持剤あるいは芳香剤を
入れ、三方を接着あるいはヒートシールすることによっ
て得られる。また、両方のフィルムを一つの包装体に使
用することもできる。例えば、片面に細孔径の小さい不
織布状のフィルムを、他の一方の面に葉脈状のフィルム
を使用し、品質保持剤を二枚のフィルム間にはさんだ
後、四方を接着あるいはヒートシールすることによる包
装体が可能である。また、他の材料を片面に使用するこ
とも可能である。
【0018】本発明の包装体は、もちろん、使用時まで
は、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の
ガスバリヤー性の優れたフィルムで密封されていること
が必要なことは言うまでもない。
【0019】以下、本発明において包装体の素材として
用いるポリエチレン微孔性二軸配向フィルムについて、
製法と性質について述べる。
【0020】フィルムの特性 本発明の包装体の素材として使用される高分子量ポリエ
チレンの微孔性二軸配向フィルムは、極限粘度[η]が
5dl/g以上のポリエチレンからなり、ガーレー式透
気度が10ないし1000sec/100mlであり、
かつ平均細孔径が0.01ないし10μの孔がフィルム
全面にわたって存在する不織布状或いは葉脈状の二軸延
伸フィルムで、全方向の引張強度が1,000Kg/c
2 以上であることによって特徴づけられる、
【0021】本発明の包装体が、開孔を有するにもかか
わらず、従来のフィルムに比べてもフィルムの機械物性
に著しく優れることは、従来の通気性包装体が耐破損性
に劣るという事実を勘案した場合に著しく優位であり、
また同時に通気性包装材料に不可欠である優れた通気性
を兼ね備えるものである。
【0022】本発明の包装体を構成する葉脈状のポリエ
チレン二軸配向フィルムは、不透明で光沢のある白色を
呈している。走査型電子顕微鏡による観察では、フィブ
リルを構成単位とする、あたかも、広葉樹の葉を薬液処
理して得られる葉脈状の構造からなることが確認でき
る。また、本発明の包装体を構成する不織布状のポリエ
チレン二軸配向フィルムは、半透明で青白色を呈してい
る。走査型電子顕微鏡による観察では、均一な太さのフ
ィブリルからなる不織布状の構造からなることが確認で
きる。
【0023】本発明の包装体に使用される二軸配向フィ
ルムの厚さは、包装体の用途によって適宜選択され得る
が、通常10ないし150μ、好ましくは20ないし1
00μの範囲である。引張強度は上述のように、100
0kg/cm2 以上であるが、強度が向上すればフィル
ムを薄くして包装材料として包装体の一部もしくは全部
に供することができるため好ましい。
【0024】このことは言い換えると通常の不織布と異
なり、開孔を有するフィルムでは耐水度は厚みに関係せ
ずに開孔の度合で決まるため、耐水度を確保したまま
で、通気性を向上させることが可能となる。
【0025】引張強度はフィルム全方向にわたって上述
の値が保持されなければならない。引張強度の試験は、
オリエンテック社製引張試験機テンシロン(型式RTM
100型)で室温(23℃)で行った。試料形状はJI
S1号ダンベルであり、クランプ間距離は80mmで引
張速度は20mm/分である。引張強度は破断点強度で
ある。計算に必要な試料断面積は試料幅と実測の試料厚
みとから求めた。
【0026】ガーレー式透気度は、10ないし1000
sec/100mlである。透気度が10sec/10
0mlより小さい場合には、耐水性が低下する虞があ
る。また、逆に透気度が1000sec/100mlを
超える場合には透気性が著しく低下するために好ましく
ない。二軸延伸倍率と熱処理の程度を加減することによ
り、所望のフィルムの透気度を広範囲において得ること
が可能である。ガーレー式透気度はB型ガーレーデンソ
メーター(東洋精機製)を使用して測定した。
【0027】平均細孔径は、走査型電子顕微鏡や水銀ポ
ロシメーターを使用して求めることができる。本発明の
包装体において使用される、二軸配向フィルムの平均細
孔径は、0.01ないし10μ、好ましくは0.05な
いし1.0μである。また本発明の二軸配向フィルムの
うち、葉脈状のフィルムは通常(延伸倍率及び熱処理の
程度にもよるが)、不織布状のフィルムよりも平均細孔
径が大きい値となる。
【0028】空孔率は、20%以上であることが好まし
い。空孔率が20%以下の場合には、実質的に透気度が
低下し、良好な通気性が失われる虞がある。空孔率は、
フィルムの実際の厚みからフィルム重量より計算で求め
た緻密膜としての厚みを引き、さらにこれをフィルムの
実際の厚みで割ることにより求めた。
【0029】上述したように本発明に供される二軸配向
ポリエチレンフィルムの構造は大別して二種類があり、
葉脈状の微孔性構造を有しているものと、細孔径分布の
比較的小さい不織布状の微孔性構造を有するものであ
る。
【0030】まずこの葉脈状の微孔性構造をさらに詳し
く説明すると、前述したように、まさに広葉樹の葉脈見
本状の構造を示す。すなわち、葉脈の分類中で羽状毛状
もしくは掌状葉脈状にきわめて類似している。これらの
葉脈組織は中心骨格を形成する中央脈とその中心骨格中
を網目状に錯綜する、いわゆる脈とに分類される。すな
わち中心骨格の中に脈が網目状構造を構成し、中心骨格
によって構造的には保護されている。ポリエチレンの一
軸延伸物は、分子鎖を最小単位として結晶と非晶とから
構成されるマイクロフィブリルと、そのマイクロフィブ
リルの集合体であるフィブリルとから構成されること
は、ピーターリン(A. Peterlin, Collidand Polymer S
cience, Vol.253, Page 809-823(1975))によって明ら
かにされている。
【0031】マイクロフィブリルは、100から300
オングストローム(0.01から0.03μ)程度の幅
の繊維状組織であり、フィブリルはマイクロフィブリル
が集合して構成される幅1000から3000オングス
トローム(0.1から0.3μ)のさらに大きな繊維状
組織である。すなわち、本発明によるフィルムはフィブ
リルが円弧状の主骨格、すなわち中央脈を形成し、その
開口部の中をさらにマイクロフィブリルが網目状に脈を
形成していることが分かっている。フィブリルより形成
される円弧状の開口の径は約3から10μである。また
その開口部の中のマイクロフィブリルよりなる網目状の
平均細孔径は約0.1から3μである。マイクロフィブ
リルよりなる網目状組織の発達が不十分の場合にはフィ
ブリルより形成される開口が平均細孔径となる。従って
葉脈状フィルムの平均細孔径の分布は0.1ないし10
μである。
【0032】次に不織布状の微孔性構造についてさらに
詳しく説明する。この微孔性構造は、前述したように、
細孔径分布の比較的小さい不織布状の微孔性構造を有す
るものである。つまり基本的にはフィブリル、すなわ
ち、葉脈状の構造のうち中央脈の欠落した、マイクロフ
ィブリルのみで構成される、極めて微細な紙漉き状の組
織であり、そのため細孔径分布は比較的小さいものとな
っている。
【0033】さて、本発明の包装体に用いる、不織布状
の、極限粘度が5dl/g以上のポリエチレンからなる
多孔性の二軸延伸フィルムはすでに知られている。例え
ば本発明者らの発明にかかる特公平4−16330号公
報には炭化水素系可塑剤を利用して、シートを成形し、
その後、炭化水素系可塑剤を含んだ状態でそれを二軸延
伸し、さらにフィルムより炭化水素系可塑剤を抽出する
ことにより、きわめて微細な開孔を有するフィルムを得
ることができることを開示した。
【0034】本発明の包装体に用いられるポリエチレン
二軸配向フィルムは、印刷性・接着性・ヒートシール性
のいずれにも優れている。又、高分子量であるために通
常のポリオレフィン二軸延伸フィルムにおいて見られる
ような引き裂き強度の弱さもなく、包装材料、容器材料
の一部に用いるには極めて好適な材料と言える。
【0035】本発明の包装体に用いるフィルムの調製方
原料 本発明の包装体を構成する高分子量ポリエチレンの二軸
延伸フィルムを成形するのに用いる高分子量ポリエチレ
ン(A) は、デカリン溶媒135℃における極限粘度
[η]が5dl/g以上、好ましくは10ないし30d
l/gの範囲のものである。[η]が5dl/g以上9
dl/g未満のものは、二軸延伸されたフィルムをいっ
たん60℃以下の温度に冷却し、この後、定長拘束下
で、80ないし150℃の範囲の温度で熱処理すること
により、前記特性を具有した高分子量ポリエチレン二軸
延伸フィルムとなり、また、極限粘度[η]が9dl/
g以上の高分子量ポリエチレンは、前記条件で、特定量
の高分子量ポリエチレン(A) と、該高分子量ポリエチレ
ン(A) と均一な混合物を作り得る室温で固体の炭化水素
系可塑剤(B) からなる混合物を溶融混練し、さらに冷却
固化して原反シートを作成する。
【0036】この原反シートを使用して、大別して二種
類のフィルムを得ることが可能であるが、一つは該炭化
水素系可塑剤(B) を溶解し得る溶剤(C) を用いて、80
℃以下の温度で、原反シートから該炭化水素系可塑剤
(B) を実質的に残存しない状態に抽出除去処理した後、
該シートを135℃未満の温度で縦横方向ともに3倍以
上に二軸延伸することによって、前記特定の物性を有す
るフィブリルから構成される葉脈状の開孔を有する高分
子量ポリエチレンの二軸延伸フィルムを製造する方法で
あり、もう一つは、延伸前に該炭化水素系可塑剤(B) を
抽出除去処理せずに延伸し、延伸後に抽出除去すること
によって、前記の物性を有し、不織布状の開孔を持つ高
分子量ポリエチレン二軸延伸フィルムを製造する方法で
ある。
【0037】一方、極限粘度[η]の上限は特に限定さ
れないが、30dl/gを超えるものは、詳しくは後述
する炭化水素系可塑剤(B) を添加しても、均一な混合物
をつくるのが難しいばかりでなく、溶融粘度が高くな
り、成形性に劣る。かかる高分子量ポリエチレンとは、
エチレンやエチレンと少量のα−オレフィンをいわゆる
チーグラー触媒により重合することにより得られるポリ
エチレンの中で、分子量の高い範疇のものである。共重
合の場合に用いられるα−オレフィンとは、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−オクテン等、その炭素数が3
ないし9個の範囲にあるものであり、その含有量は最大
で5重量%である。α−オレフィンの中ではプロピレ
ン、1−ブテンが好ましい。
【0038】本発明の包装体に用いる高分子量ポリエチ
レン二軸配向フィルムの調製において使用する炭化水素
系可塑剤(B) は、沸点が高分子量ポリエチレン(A) の融
点を超えるもので、好ましくは沸点が高分子量ポリエチ
レン(A) の融点+10度以上であり、また融点が一般的
に110℃以下のものであり、110℃以上の温度で溶
融混練することにより、容易に、高分子量ポリエチレン
(A) と分散し、均一な混合物をつくる分子量2000以
下の室温固体の炭化水素系可塑剤であって、好ましく
は、分散性の観点から、分子量400以上、1000以
下のパラフィン系ワックスを例示することができる。
【0039】パラフィン系ワックスとしては、具体的に
はドコサン、トリコサン、テトラコサン、トリアコンタ
ン等の炭素数22以上のn−アルカン、あるいはそれら
を主成分とした低級n−アルカン等の混合物、石油から
分離生成された、いわゆるパラフィンワックス、エチレ
ンおよびエチレンと他のα−オレフィンとを重合して得
られる低分子量重合体である中・低圧法ポリエチレンワ
ックス、高圧法ポリエチレンワックス、エチレン共重合
ワックス、あるいは中・低圧法ポリエチレン、高圧法ポ
リエチレン等のポリエチレンを熱減成により分子量を低
下させたワックスおよびそれらワックスの酸化物あるい
は変性物等の酸化ワックスまたは変性ワックスが例示さ
れる。
【0040】本発明での融点は、ASTM D3417
により、示差走査型熱量計(DSC)により測定した値
である。
【0041】原反シートの調製 本発明の包装体に用いる高分子量ポリエチレン二軸配向
フィルムの調製で、高分子量ポリエチレン(A) と炭化水
素系可塑剤(B) とを組成比が高分子量ポリエチレン(A)
20ないし75重量部と炭化水素系可塑剤(B) 80ない
し25重量部とからなるように配合し、溶融混合し、つ
いで冷却固化することにより、原反シートを得る。前記
高分子量ポリエチレン(A) と炭化水素系可塑剤(B) との
組成比は、上述の範囲にあれば特に限定されないが、好
ましくは、高分子量ポリエチレン(A) が20ないし50
重量%(混合物全体を100%とする)、特に好ましく
は20ないし40重量%の範囲にある。前記高分子量ポ
リエチレン(A) と炭化水素系可塑剤(B) との溶融混練は
たとえば、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボ
ンブレンダー、タンブラーブレンダーで混合後、一軸押
出機、二軸押出機等のスクリュー押出機、ニーダー、バ
ンバリーミキサー等で、通常、融点以上、300℃以下
の温度で行い得る。
【0042】高分子量ポリエチレンの融点以下の混練
は、混合物の粘度が高く、均一に混合できない虞があ
る。また300℃以上の温度での溶融混練では高分子量
ポリエチレンの熱劣化が起こり、好ましくはない。特に
好ましい溶融混練温度は160ないし250℃の範囲で
ある。原反シートへの成形は、通常、T−ダイを装着し
た押出機による押出成形が好ましく、生産性は劣るもの
の、圧縮成形による方法でもよい。溶融混練は、シート
の成形に先だってあらかじめ行ってもよいし、スクリュ
ー押出機等で溶融混練しながら、ダイより原反シートを
押し出す連続法で行ってもよい。原反シートの厚みは二
軸延伸時にチャックで挟み操作するため、0.05mm
ないし5mmの範囲にあることが好ましい。
【0043】炭化水素系可塑剤(B) の抽出 シートからの炭化水素系可塑剤(B) の抽出は、延伸前、
或は延伸後に行うことができる。延伸前の抽出処理とし
ては、前記方法によって調製された原反シートに延伸に
先立ち、80℃以下の温度で、炭化水素系可塑剤(B) が
実質的に残存しない状態、或はその一部が残存する状態
に、抽出除去処理を行う。かかる炭化水素系可塑剤(B)
を抽出除去することの出来る溶剤(C) としてはn−ヘキ
サン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、
n−デカン、n−ドデカンのような炭化水素系低分子量
溶剤が適している。抽出除去に当たっては、約50から
60℃前後の温度下で行うのも、処理速度を向上させる
ため好ましいことである。
【0044】抽出除去処理温度の上限はポリエチレン原
反シートの軟化点であり、これは炭化水素系可塑剤(B)
の種類、高分子量ポリエチレン(A) と炭化水素系可塑剤
(B)の組成によっても多少異なるが、通常、80から8
5℃の範囲にある。シートの軟化点以上での長時間によ
る抽出除去処理は、炭化水素系可塑剤(B) との共存下で
高分子量ポリエチレンが結晶化することによって形成さ
れた、延伸性に優れた好適な構造を変化させるため好ま
しくない。原反シートを非拘束状態(自由端)で抽出除
去処理を行った場合、原反シートは収縮するが、面積比
で30%までの収縮であれば、続く延伸工程での延伸特
性を損なうものではないが、原反が反ったり、皺が入る
ことによりテンターに装着する際、操作上、煩雑とな
る。したがって、原反シートからの可塑剤の抽出除去は
拘束状態(固定端)で行うことが好ましい。
【0045】延伸後の抽出処理としては、後述の延伸操
作により得られた配向フィルムについて、該フィルムに
含まれる炭化水素系可塑剤(B) を上述の抽出除去処理の
可能な溶剤(C) で抽出除去処理を施される。延伸後の抽
出処理においても、原反からの炭化水素系可塑剤(B) の
抽出除去処理と同様に、約50から60℃前後の温度下
で行うことにより、迅速な処理を行うことができる。ま
た延伸フィルムは原反シートと比較して収縮し難いの
で、必ずしも固定端で抽出処理を行うことを必要としな
いが、抽出後のフィルムに皺等をもたらす虞があるの
で、固定端で抽出処理を行うことが望ましい。
【0046】抽出除去処理後の、シートへの炭化水素系
可塑剤(B) の残存の有無は炭化水素系可塑剤(B) が結晶
性であれば、示差走査型熱量計(DSC)により確認す
ることが出来るし、ソックスレー抽出器を用いて、高分
子量ポリエチレンを溶解しない、かつ炭化水素系可塑剤
(B) を溶解し得る適当な溶剤、例えば炭化水素系可塑剤
がパラフィンワックスであれば、例えば沸騰n−ヘキサ
ンのようなものを用いいて、原反シートを処理すること
により、その重量の減少から確認することもできる。
【0047】二軸延伸 延伸前或は延伸後に、炭化水素系可塑剤(B) の一部もし
くは全部の抽出が行なわれる。前述の方法で得られた原
反シート、及び炭化水素系可塑剤(B) の一部を或は実質
的にその全量を抽出除去したシートは、135℃未満の
温度で二軸延伸される。延伸温度の下限は60℃であ
る。60℃以下の温度での延伸では到達可能な延伸倍率
が低い値に留まるため、高強度を発現することが困難で
ある。また延伸応力も大きく延伸操作上、不利である。
延伸温度が135℃以上の場合には微孔性構造をとら
ず、緻密構造となるため135℃未満が延伸温度の上限
である。
【0048】延伸開始に当たって、シートを加熱して延
伸温度に調製する前段階で、長時間、80℃以上の温度
に暴露することは好ましくない。延伸は原反シートを8
0℃以上に加熱して後、5分以内、好ましくは3分以内
に開始されるべきである。調製された原反シートを二軸
延伸する方法は、テンター法による同時もしくは逐次二
軸延伸、あるいは、ロール等により縦方向に延伸後、テ
ンターにより横方向に延伸する逐次二軸延伸法が挙げら
れる。延伸倍率が縦方向、横方向それぞれ6倍以上の場
合には多段延伸が好ましい。この時、延伸温度は、13
5℃に到達しない範囲で前段の延伸工程から後段の延伸
工程に向かって温度を上昇させていってもよい。
【0049】押し出された原反シートを延伸する際に
は、ダイより押し出された溶融状態のシートが冷却され
て延伸温度に入ったときに、炭化水素系可塑剤(B) を抽
出除去し、ついで、延伸を行う方法もあるが、本発明に
於いては、シート状溶融混合物を、一旦炭化水素系可塑
剤(B) とともに冷却固化した後、炭化水素系可塑剤(B)
を抽出除去し、再度加熱し、上記延伸温度内で延伸しな
ければならない。
【0050】また二軸延伸する際の延伸倍率は、通常縦
方向が3倍以上、好ましくは4倍ないし20倍、横方向
が3倍以上、好ましくは4倍ないし20倍である。本発
明では高分子量ポリエチレンフィルムの調製に先だっ
て、高分子量ポリエチレン(A) には炭化水素系可塑剤
(B) に加えて、耐熱安定剤、耐候安定剤、滑剤、アンチ
ブロッキング剤、スリップ剤、顔料、染料、無機充填剤
等、通常ポリオレフィンに添加して使用される各種添加
剤を本発明の目的を損なわない範囲で配合しておいても
よい。
【0051】高分子量ポリエチレン二軸配向フィルムの
熱処理 得られる高分子量ポリエチレン微孔性二軸配向フィルム
は、用途によっては熱処理をすることによりさらに高強
度化することができる。とくに原料ポリエチレンとし
て、極限粘度[η]が5dl/g以上ないし9dl/g
未満のものを使用した場合には、所望の延伸倍率の延伸
操作を終了したフィルムを一旦60℃以下の温度に冷却
し、この後、定長拘束下で80ないし150℃の範囲の
温度で処理することが好ましい。
【0052】熱処理を行うための熱媒体は、空気、窒素
ガスなどの気体やポリエチレンを溶解、変性しない水、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコールのよう
な液体が用いられる。好適な処理温度は、140℃付近
であるが、処理時間を選ぶことによりこの温度に制限さ
れない。処理時間は熱媒体の種類にもよるが、150℃
では1ないし5分間の範囲、140℃では2ないし10
分間の範囲、80℃では30分ないし2時間の範囲を目
安として、処理温度が低くなるにしたがって、長い処理
時間を必要とする。
【0053】後述するように、上述の処理により、空孔
率は若干低下し、フィルムは処理前に比べて薄くなる。
また熱処理の時間及び温度を調節することにより、透気
度を調整することも可能である。この場合、熱処理温度
が高いほど透気度は低下し、熱処理時間が短いほど透気
度は高くなる。さらに、フィルムの調製条件によって
は、フィルムの表面が剥離することがあるがその様な性
質も熱処理によって改善される。またフィルムに皺が入
りにくくなる効果も見い出されている。
【0054】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的
に説明する。以下の実施例および比較例での部および%
は他に特定のない限り、すべて重量規準である。
【0055】<実施例1>高分子量ポリエチレン(極限
粘度[η]=16dl/g)とパラフィンワックス(融
点=69℃、分子量460)とを用い、以下の操作を行
って、通気性包装材として使用する微孔性の二軸配向フ
ィルムを調製した。高分子量ポリエチレンの粉末とパラ
フィンワックスの粉末との30:70(重量比)ブレン
ド物に、プロセス安定剤として、高分子量ポリエチレン
に対して0.5%の3,5−ジ−ターシャリー−ブチル
−4−ヒドロキシトルエンを均一に混合し、この粉末状
混合物を二軸スクリュータイプの溶融混練機ラボプラス
トミル(東洋精機製作所製:型式20R200型)で均
一な溶融混合物とした。
【0056】この時の条件は、溶融混練温度190℃で
スクリュー回転数は50回転/分、混練時間は10分で
あった。この溶融混合物を溶融状態で取り出し、一対の
プレス板の間にいれて、金枠で厚みを調整し、それを直
ちに熱板を190℃の温度に設定した熱プレス成形機に
挟むことにより、シート状に加工した。5分間熱プレス
成形機で圧縮した後、プレス板に挟んだ溶融混合物を2
0℃に調整した冷却プレス成形機に挟み圧縮し、冷却固
化させて、厚さ約1mmの原反シートとした。
【0057】原反シートから不織布状フィルムを得る場
合には、原反シートの可塑剤の抽出除去を行わずに、同
時二軸及び逐次二軸で延伸を行った。二軸延伸機はテン
ター方式の東洋精機製作所製二軸延伸機ヘビー型を用い
て行った。延伸温度は120℃で行った。さらに延伸
後、フィルムを一対の金枠で挟み固定し、室温のヘキサ
ン浴に約2時間放置して可塑剤を除去した後、室温で乾
燥を行った。
【0058】また原反シートから葉脈状フィルムを得る
場合には、まず得られた原反シートを収縮を防ぐために
一対の金枠で挟み固定し、60℃に加温したn−デカン
浴に約2時間放置した。この際、抽出除去を容易にする
ため、n−デカンは撹拌された。この後、金枠で固定さ
れた原反シートを室温(23℃)で乾燥した。得られた
原反シートを示差走査型熱量計(DSC)により観察し
たところ、69℃のパラフィンワックスの融点は認めら
れなかった。ついで可塑剤を抽出除去した原反シートを
用いて、同時二軸及び逐次二軸で延伸を行った。二軸延
伸機はテンター方式の東洋精機製作所製二軸延伸機ヘビ
ー型を用いて行った。延伸温度は120℃で行った。
【0059】得られた二種類(不織布状、葉脈状)のフ
ィルムの熱処理は、収縮を防ぐために一対の金枠で挟み
固定した状態で、エアオーブン中において140℃で1
0分間行った。表1に葉脈状のフィルム、表2に不織布
状のフィルムの結果を示した。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】<実施例2>上記試料番号6のフィルムを
10×5cmの大きさに切り取り、これを二つ折りに
し、フィルム間に主成分が生石灰からなる乾燥剤10g
を挿入し、続いて開放している三方向について、瞬間接
着剤(商品名:「アロンアルファ」東亜合成化学製)で
接着し、5×5cmの大きさの包装体内に密封した。こ
のようにして得られた試料を室温で24時間水中に浸漬
した。24時間浸漬後、水中から取り出した時、著しい
発熱は観察されなかった。また、24時間以内の時も同
様であった。また上記と同様な方法で、内部に乾燥剤を
含まない包装体を作製し、24時間浸漬後包装体を開封
した結果、包装体内面に浸透による水滴は存在しなかっ
た。
【0063】<実施例3>直径60mm、深さ10mm
のシャーレに、芳香・消臭剤サワデー(小林製薬(株)
製)の内容成分を幅20mm×20mm×高さ8mm
(約4.3g)に切り取り、シャーレ内に置いた後、シ
ャーレの開孔部を上記試料番号6および12でそれぞれ
覆い、瞬間接着剤(商品名:「アロンアルファ」東亜合
成化学製)を使用して周辺部を接着し、完全に密封し
た。密封後の香りは、いずれのフィルムを使用した場合
も、芳香成分を直接嗅いだ場合の過度な香りと比べて、
適度で良好なものであった。表3にフィルムを使用した
場合と、使用しない場合の芳香成分重量の変化を示す。
試料は風通しの良い部屋に室温(23℃)にて放置し
た。通常、上述のようなフィルムを使用しない場合、室
内の温度や通風状態によって、香りの持続時間は変化し
やすいが、フィルムを使用した場合、通風状態の影響を
受け難く、均一な芳香成分放出効果が得られ、また、適
度な芳香を長時間持続できることがわかった。また、芳
香成分をフィルムで密封しているために、芳香成分に直
接触れる可能性が低く、誤食される危険性も非常に低い
ものである。
【0064】
【0065】<比較例1>一般に使用されている品質保
持剤の包装材について、ガーレー透気度、強度、孔径を
測定した。結果を表4に示す。
【0066】
【0067】これらの結果からわかるように、高い透気
度(通気性)を得る場合、フィルムの穿孔或いは不織布
や紙を使用しているため、強度については本発明に及ぶ
物はない。また、透気度に関して優れている物もある
が、これらはいずれも耐水性や強度を犠牲にした物であ
るため、水分の多い環境での使用には耐えない物であ
る。いずれにしても、これらの包装材がすべて数種のフ
ィルム等を積層して、これらの性質を得ていることに注
目しなければならない。
【0068】
【発明の効果】本発明によって、従来の単一のフィルム
においては達し得なかった、極めて優れた通気性と耐水
性、及び耐破損性(強度)を兼ね備えた包材材料を包装
体の一部或いは全部に使用することによって、通常の環
境ではもちろんのこと、水分の多い環境においてさえも
品質保持剤や芳香剤の能力低下や包装体の破損、ならび
に内容物によって製品を汚染することなく、品質保持効
果あるいは芳香性放散効果が期待できる。また、本発明
の包装体は、耐破損性(強度)に非常に優れるため、包
装材の破損によって内容薬剤が故意にあるいは突発的に
誤食されることも防止できる。また本発明で得られる通
気性包装材は、半透明及び白色のフィルムであり、印刷
性、接着性に非常に優れるため、包装体への加工も容易
である。
フロントページの続き (72)発明者 赤名 義徳 山口県玖珂郡和木町和木6丁目1番2号 三井石油化 学工業株式会社内 (72)発明者 迫田 幸生 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油化 学工業株式 会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その一部または全部が通気性フィルムか
    らなる包装体であって、該通気性フィルムが、極限粘度
    [η]が5dl/g以上のポリエチレンからなり、ガー
    レー式透気度が10ないし1000sec/100ml
    であり、かつ平均細孔径が0.01ないし10μの孔が
    フィルム全面にわたって存在する二軸配向フィルムで、
    全方向の引張強度が1000Kg/cm2 以上であるこ
    とを特徴とする通気性包装体。
  2. 【請求項2】 被包装物として品質保持剤を収納した請
    求項1記載の通気性包装体。
  3. 【請求項3】 被包装物として芳香剤を収納した請求項
    1記載の通気性包装体。
JP5130914A 1993-06-01 1993-06-01 通気性包装体 Withdrawn JPH06345147A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015037574A (ja) * 2009-04-16 2015-02-26 ザ プロクター アンド ギャンブルカンパニー 揮発性材料を送達するための装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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