JPH0634494A - 反力壁・反力床構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 取付孔のピッチが揃い、かつ反力壁や反力床
の厚みを薄くできるものとする。 【構成】 反力壁１および反力床２を、鉄骨フレーム
３，４およびコンクリート５を有する鉄骨鉄筋コンクリ
ート構造とする。鉄骨フレーム３，４にはコンクリート
５を貫通した取付孔６ａとなる多数のパイプ６を固定す
る。パイプ６は、鉄骨フレーム３，４のウェブ部に設け
た開口８と、両フランジから開口８に貫通させたキリ孔
とに渡って挿入し、両フランジに溶接する。取付孔６ａ
は、試験装置や被試験体の取付けに使用される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、構造実験に使用する
反力壁および反力床の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】反力壁および反力床は、構造物や部材の
加圧試験に使用されるが、その殆どが鉄筋コンクリー構
造とされている。図３はその一例を示す。反力壁３１お
よび反力床３２は、一体にコンクリート打設された鉄筋
コンクリート構造であり、壁面および床面にはジャッキ
等の試験装置や被試験体（図示せず）を取付けるための
多数の取付孔３３が一定ピッチで形成してある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、鉄筋コンクリ
ート構造では、取付孔３３のピッチを揃えることが難し
く、取付孔３３のピッチの不揃いのために、試験装置や
被試験体の取付けが精度良く行えない場合がある。ま
た、鉄筋コンクリート構造では、必要な強度を得ようと
すると、壁３１および床３２が厚くなるという問題点が
ある。

【０００４】この発明の目的は、取付孔を精度良く形成
でき、かつ壁や床を薄くできる反力壁・反力床構造を提
供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明の反力壁・反力
床構造は、反力壁および反力床の少なくとも一方を、鉄
骨フレームおよびこれを覆うコンクリートで構成したも
のである。鉄骨フレームにはコンクリートを貫通する取
付孔となる多数のパイプを固定する。なお、鉄骨フレー
ムに鉄筋を適宜組み付けても良い。

【０００６】

【作用】この構成よると、精度の確保し易い鉄骨フレー
ムを用い、これに取付孔となるパイプを固定するので、
取付孔の形成位置に高い精度が得られ、取付孔のピッチ
を揃えることができる。また、鉄骨フレームの使用のた
めに、強度低下を伴うことなく、壁や床を薄くすること
ができる。

【０００７】

【実施例】この発明の一実施例を図１および図２に基づ
いて説明する。この反力壁・反力床構造は、反力壁１お
よび反力床２を、鉄骨フレーム３，４およびこれを覆う
コンクリート５で構成したものである。鉄骨フレーム
３，４には内径孔が取付孔６ａとなる多数の丸パイプ６
を、コンクリート５に貫通する長さに固定する。

【０００８】壁１および床２の鉄骨フレーム３，４は、
各々Ｈ形鋼からなり、互いに溶接９でＬ形に接合してあ
る。溶接の代わりにスプリットティー接合等としても良
い。このＬ形に接合した鉄骨フレーム３，４を、複数個
並設してある。鉄骨フレーム３，４の接合部分には、補
強プレート７を適宜溶接等で固定する。

【０００９】各鉄骨フレーム３，４は、丸パイプ６の固
定のために、ウエブ部分に多数の開口８を設けたハニカ
ム構造とし、その開口８の形成部分に上下のフランジ側
からキリ孔を明けてある。丸パイプ６はそのキリ孔に挿
入され、鉄骨フレーム３，４の両フランジに溶接で固定
される。

【００１０】鉄骨フレーム３，４には周囲に鉄筋（図示
せず）を適宜組付け、その周囲に型枠（図示せず）を配
置する。この状態でコンクリート５を型枠内に打設し、
鉄骨鉄筋コンクリート構造の反力壁１および反力床２と
する。なお、図では、見やすくするためにパイプ６の本
数を少なく示してあるが、通常は、パイプ６はさらに多
数設けられる。

【００１１】この構成の反力壁１および反力床２は、例
えば図２に示すように使用される。すなわち、被試験体
１０を反力床２上に載置してそのパイプ６からなる取付
６ａにボルト１２で固定する。また、油圧ジャッキ１１
を反力壁１のパイプ６からなる取付孔６ａにボルト１３
で固定する。この状態で油圧ジャッキ１１により被試験
体１０に加圧力を与え、被試験体の静的および動的挙動
等を試験する。このときの加圧力の反力を反力壁１で受
ける。

【００１２】この反力壁・反力床構造によると、鉄骨フ
レーム３，４を用い、これに取付孔６ａとなるパイプ６
を固定するので、取付孔６ａのピッチが揃い、被試験体
１０やジャッキ１１等の試験装置を精度良く取付ること
ができ、試験の精度が向上する。また、鉄骨フレーム
３，４の使用のために、強度低下を伴うことなく、壁１
や床２を薄くすることができる。

【００１３】なお、前記実施例では鉄骨フレーム３，４
をハニカム構造のＨ形鋼としたが、開口６を設けずに上
下フランジのみにパイプ６を貫通させて固定しても良
く、また鉄骨フレーム３，４としてＨ形鋼の他に種々の
形鋼を使用することができる。

【００１４】

【発明の効果】この発明の反力壁・反力床構造は、鉄骨
フレームをコンクリートに埋め込み、前記鉄骨フレーム
に取付孔となるパイプを固定するので、取付孔の形成位
置の精度が得易く、取付孔のピッチを揃えられる。ま
た、鉄骨フレームの使用のため、強度低下を伴うことな
く壁や床を薄くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例の斜視図である。

【図２】その使用状態を示す破断側面図である。

【図３】従来例の切欠斜視図である。

【符号の説明】

１…反力壁、２…反力床、３，４…鉄骨フレーム、５…
コンクリート、６…パイプ、６ａ…取付孔

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 反力壁および反力床の少なくとも一方
   が、鉄骨フレームをコンクリートで覆った構造であり、
   かつ前記鉄骨フレームに、コンクリートを貫通する取付
   孔となる多数のパイプを固定した反力壁・反力床構造。