JPH06344736A - 自動車用リヤサスペンション装置 - Google Patents

自動車用リヤサスペンション装置

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JPH06344736A
JPH06344736A JP14078993A JP14078993A JPH06344736A JP H06344736 A JPH06344736 A JP H06344736A JP 14078993 A JP14078993 A JP 14078993A JP 14078993 A JP14078993 A JP 14078993A JP H06344736 A JPH06344736 A JP H06344736A
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JP
Japan
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link
lower lateral
trailing
wheel
vehicle body
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Application number
JP14078993A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Suzuki
明 鈴木
Takashi Kimura
多加志 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アライニングトルクステアの剛性低下や横剛
性の低下を伴うことなく、制動時におけるトーイン量を
適切に確保でき、しかも柔らかな前後剛性が得られる自
動車用リヤサスペンション装置を提供する。 【構成】 車輪1を回転自在に支持する車輪支持部材2
をトレーリングリンク4および複数のラテラルリンク
5,6,7を介して車体3に上下揺動自在に支持する自
動車用リヤサスペンション装置であって、前端部が車体
3に、後端部が車輪支持部材2にそれぞれ上下揺動自在
に連結されたトレーリングリンク4と、このトレーリン
グリンク4の前端部の揺動軸線廻りに内端部が車体に上
下揺動自在に連結され、外端部が上記トレーリングリン
ク4の後端部付近に前後揺動自在に連結されたフロント
・ロアラテラルリンク5と、内端部が車体3に、外端部
が車輪支持部材2にそれぞれ上下揺動自在に連結された
リヤ・ロアラテラルリンク6とを備えた自動車用リヤサ
スペンション装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トレーリングリンクお
よび複数のラテラルリンクを有するマルチリンク式の自
動車用リヤサスペンション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用リヤサスペンション装置とし
て、トレーリングリンクおよび複数のラテラルリンクを
有するマルチリンク式のものがあり、例えば図5、図6
に示すものが従来一般に知られている。
【0003】図5に示すものは、いわゆるデュアルリン
クタイプと呼ばれるもので、車輪aを回転自在に支持す
る車輪支持部材bは、前後2本のラテラルリンクc,d
およびトレーリングリンクeを介して車体fに上下揺動
自在に支持されている。ここで、トレーリングリンクe
は車輪支持部材bを車体fに対して前後方向に微動可の
に弾性的に連結しており、また、前後2本のラテラルリ
ンクc,dは、その外端部および内端部がそれぞれ車輪
支持部材bおよび車体fに対して上下および前後に揺動
自在に連結されている。そしてこの前後2本のラテラル
リンクc,dの内端部間の間隔S1は、外端部間の間隔
S2より広く設定されていて、車輪aに後方荷重が加わ
った場合には、破線で示すように前後2本のラテラルリ
ンクc,dが若干後方に移動し、車輪支持部材bの前側
が車体幅方向内側に引き込まれてトーイン傾向を生じる
ように構成されている。このようなデュアルリンクタイ
プの自動車用リヤサスペンション装置は、特公昭58−
48366号公報に見られる。
【0004】また、図6(a),(b)に示すものは、
トレーリングリンク部とフロント・ラテラルリンク部と
が一体に構成された、いわゆるA型アーム式と呼ばれる
ものに属し、車輪aを回転自在に支持する車輪支持部材
bは、略L字型に屈曲したA型アームgおよびリヤ・ラ
テラルリンクhを介して車体fに上下揺動自在に連結さ
れている。ここで、A型アームgは、中間の屈曲部分が
車輪支持部材bの前部に前後揺動自在に連結され、そこ
から車体前方に延びるトレーリングリンク部の前端部お
よび車体幅方向内側に延びるフロント・ラテラルリンク
部の内端部がそれぞれ車体fに対し同一の揺動軸線L廻
りに上下揺動自在に連結されている。また、リヤ・ラテ
ラルリンクhは、その外端部が車輪支持部材bの後部に
前後揺動自在に連結され、内端部が車体fに上下揺動自
在に連結されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記図5に
示した従来のデュアルリンクタイプでは、燃料タンクや
スペアタイヤなどの設置スペースを確保するための車体
レイアウトの関係で、前後2本のラテラルリンクc,d
の内端部間の間隔S1を大きく設定できない場合があ
り、この場合にはラテラルリンクc,dの外端部間の間
隔S2はより小さく設定せざるを得ない。このため、前
後2本のラテラルリンクc,dの外端部間の間隔S2で
決定されるアライニングトルクステアの剛性が低下する
という問題がある。
【0006】一方、図6(a),(b)に示した従来の
A型アーム式においては、A型アームgのトレーリング
リンク部と車体fとの連結点のブッシュiを、フロント
・ラテラルリンク部と車体fとの連結点のブッシュjよ
り柔らかく設定すると、制動時に車輪aに前方荷重が加
わった場合、A型アームgが同図(a)に破線で示すよ
うにブッシュjを中心に外側に回動してトーアウトの傾
向が生じるのであり、制動が不安定になって好ましくな
い。そこで、前後剛性を柔らかく設定して乗り心地を向
上するには、上記ブッシュiと共にブッシュjも柔らか
く設定し、制動時に車輪aに後方荷重が加わった場合に
は、A型アームgが同図(b)の破線で示すように全体
的に斜め内側へ後方移動してトーインの傾向を生じるよ
うにする必要がある。しかしそうすると、柔らかく設定
されたブッシュjにより、横剛性が低下してしまうとい
う新たな問題が生じる。
【0007】そこで本発明は、アライニングトルクステ
アの剛性低下や横剛性の低下を伴うことなく、制動時に
おけるトーイン量を適切に確保でき、しかも柔らかな前
後剛性が得られる自動車用リヤサスペンション装置を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、車輪を回転自在に支持する車輪支持部材をト
レーリングリンクおよび複数のラテラルリンクを介して
車体に上下揺動自在に支持する自動車用リヤサスペンシ
ョン装置であって、前端部が車体に、後端部が車輪支持
部材にそれぞれ上下揺動自在に連結されたトレーリング
リンクと、このトレーリングリンクの前端部の揺動軸線
廻りに内端部が車体に上下揺動自在に連結され、外端部
が上記トレーリングリンクの後端部付近に前後揺動自在
に連結されたフロント・ロアラテラルリンクと、内端部
が車体に、外端部が車輪支持部材にそれぞれ上下揺動自
在に連結されたリヤ・ロアラテラルリンクとを備えたこ
とを手段としている。
【0009】また本発明は、上記手段に加えて、トレー
リングリンクと車輪支持部材との連結点を、上記リヤ・
ロアラテラルリンクの内端部および外端部の各連結点を
結ぶ線と平行な線であって上記トレーリングリンクとフ
ロント・ロアラテラルリンクとの連結点を通る線より前
方に設定したことを手段としている。
【0010】
【作用】このような手段を採用した自動車用リヤサスペ
ンション装置は、前端部が車体に、後端部が車輪支持部
材にそれぞれ上下揺動自在に連結されたトレーリングリ
ンクの後端部付近に、フロント・ロアラテラルリンクの
外端部が前後揺動自在に連結されているので、フロント
・ロアラテラルリンクはトレーリングリンクを介してリ
ヤ・ロアラテラルリンクとの間にデュアルリンクを構成
する。このため、トレーリングリンクの前端部と車体と
の連結点のブッジュのみを柔らかく設定することで、横
剛性の低下を伴わずに柔らかな前後剛性が得られ、しか
も適切なトーイン量が確保される。
【0011】また、車体レイアウトの関係で、フロント
・ロアラテラルリンクの内端部とリヤ・ロアラテラルリ
ンクの内端部との間隔が大きくとれず、両者の外端部間
の間隔が小さくなる場合でも、車輪支持部材に対するト
レーリングリンク後端部の連結点とリヤ・ロアラテラル
リンク外端部の連結点との間隔はそれより大きく設定で
きるので、アライニングトルクステアの剛性低下が回避
される。
【0012】
【実施例】以下、本発明による自動車用リヤサスペンシ
ョン装置の実施例を添付の図面を参照して具体的に説明
する。本発明の第1実施例を示す図1および図2におい
て、符号1は車輪、2は車輪1を回転自在に支持する車
輪支持部材、3は車体、4は車体3の前後方向に略沿っ
て延びるトレーリングリンク、5は車体3の幅方向に延
びるフロント・ロアラテラルリンク、6はその後方に配
置されて車体の幅方向に略沿って延びるリヤ・ロアラテ
ラルリンク、7はフロント・ロアラテラルリンク5とリ
ヤ・ロアラテラルリンク6との間に配置されて車体の幅
方向に略沿って延びるアッパラテラルリンクをそれぞれ
示している。
【0013】前記トレーリングリンク4は、前端部に車
体3との連結点4aを、後端部の外側に車輪支持部材2
との連結点4bを、また後端部の内側にフロント・ロア
ラテラルリンク5との連結点4cをそれぞれ有するもの
で、この連結点4cは上記連結点4bより距離Sだけ後
方に位置している。そして前端部の連結点4aが車体3
に対してブッシュを介し横軸廻りに上下揺動自在に連結
されており、後端部外側の連結点4bがボールジョイン
トを介して車輪支持部材2の前側部分に上下揺動および
前後揺動自在に連結されている。
【0014】また、フロント・ロアラテラルリンク5
は、その内端部の連結点5aが車体3に対してブッシュ
を介し横軸廻りに上下揺動自在に連結され、この連結点
5aの揺動軸線が前記トレーリングリンク4と車体3と
の連結点4aの揺動軸線と略一致することで、フロント
・ロアラテラルリンク5はトレーリングリンク4と共に
車体3に対して上下方向に揺動自在となっている。そし
てこのフロント・ロアラテラルリンク5の外端部の連結
点5bは、トレーリングリンク4の後端部内側の連結点
4cに対してブッシュを介し縦軸廻りに前後揺動自在に
連結されている。
【0015】さらに、リヤ・ロアラテラルリンク6は、
内端部の連結点6aが車体3に対してブッシュを介し横
軸廻りに上下揺動自在に連結され、外端部の連結点6b
が車輪支持部材2の後側部分にボールジョイントを介し
て上下揺動および前後揺動自在に連結されている。
【0016】また、アッパラテラルリンク7は、内端部
の連結点7aが車体3に対してブッシュを介し横軸廻り
に上下揺動自在に連結され、外端部の連結点7bが車輪
支持部材2の上側部分にボールジョイントを介して上下
揺動および前後揺動自在に連結されている。
【0017】ここで、前記各連結点5a,5b,6a,
7aにおけるブッシュは所定の横剛性を得るために硬目
に設定されるのに対して、前記トレーリングリンク4の
前端部の連結点4aにおけるブッシュは、柔らかい前後
剛性を得るために柔らか目に設定してある。
【0018】次に、このように構成された第1実施例に
つき、その作用を説明する。この第1実施例では、車輪
支持部材2の前側部分にボールジョイントを介して上下
揺動および前後揺動自在に連結されたトレーリングリン
ク4の後端部付近に、フロント・ロアラテラルリンク5
の外端部がブッシュを介して前後揺動自在に連結されて
おり、こうしてフロント・ロアラテラルリンク5は、ト
レーリングリンク4を介してリヤ・ロアラテラルリンク
6との間に略台形のデュアルリンクを構成している。ま
た、トレーリングリンク4は前端部の連結点4aが柔ら
か目に設定されたブッシュを介して車体3に連結され、
前後方向に若干移動できるようになっている。そこで、
制動時に車輪1に後方荷重が作用し、トレーリングリン
ク4が若干後方移動すると、フロント・ロアラテラルリ
ンク5は外端部の連結点5bが後方に回動し、トレーリ
ングリンク4を介して車輪支持部材2の前側部分を車幅
方向内側に引き寄せるのであり、こうしてトーイン量が
適切に確保される。
【0019】また、前述のようにフロント・ロアラテラ
ルリンク5、リヤ・ロアラテラルリンク6、アッパラテ
ラルリンク7の各内端部の連結点5a,6a,7aおよ
びフロント・ロアラテラルリンク5の外端部の連結点5
bにおけるブッシュがそれぞれ硬目に設定されているの
で、高い横剛性が得られると共に、トレーリングリンク
4の前端部の連結点4aにおけるブッシュは柔らか目に
設定されているので、柔らかな前後剛性が得られ、良好
な乗り心地が得られる。
【0020】ここで、トレーリングリンク4と車輪支持
部材2との連結点4bは、リヤ・ロアラテラルリンク6
の内端部の連結点6aと外端部の連結点6bとを結ぶ線
と平行な線であってトレーリングリンク4とフロント・
ロアラテラルリンク5との連結点4c,5bを通る線よ
り距離Sだけ前方に位置している。即ち、フロント・ロ
アラテラルリンク5の外端部の連結点5bとリヤ・ロア
ラテラルリンク6の外端部の連結点6bとの間隔が比較
的に小さいにも拘らず、車輪支持部材2に対するトレー
リングリンク4の連結点4bとリヤ・ロアラテラルリン
ク6の連結点6bとの間隔はそれより距離Sだけを大き
くなっているので、アライニングトルクステアの剛性は
充分に確保される。
【0021】また、フロント・ロアラテラルリンク5の
外端部は、車輪支持部材2に直接連結するのではなく、
トレーリングリンク4の後端部付近に前後揺動自在に連
結する構成であり、トレーリングリンク4とフロント・
ロアラテラルリンク5とは車輪1の上下動に追従して車
輪支持部材2と共に略同一の揺動軸線J廻りに上下に揺
動する。従って、トレーリングリンク4とフロント・ロ
アラテラルリンク5との連結店4c,5bの選定は、サ
スペンションジオメトリに無関係に行えるのであり、前
後力ステア特性の設定に対する自由度が大きい。
【0022】続いて、本発明ではアライニングトルクス
テア剛性が従来例より大きくなることを図3により説明
する。ここで図3(a)は、フロント・ロアラテラルリ
ンクとリヤ・ロアラテラルリンクとを車幅方向に沿って
相互に平行に延ばし、それ以外の構成は前記第1実施例
と略同様とした本発明の第2実施例を模示的に示し、図
3(b)はこれと比較するための平行配置のデュアルリ
ンク方式の従来例を示している。
【0023】図3(a)において、車輪1に対しトーア
ウト方向に作用するアライニングトルクをM、その際フ
ロント・ロアラテラルリンク5に作用する引張荷重をF
1 ’、リヤ・ロアラテラルリンク6に作用する圧縮荷重
をF2 ’、上記F1 ’と同方向にトレーリングリンク4
と車輪支持部材2との連結点4bに作用する荷重をF
3 ’、上記F1 ’と同方向にトレーリングリンク4と車
体3との連結点4aに作用する荷重をF4 y’、フロン
ト・ロアラテラルリンク5とリヤ・ロアラテラルリンク
6との間隔をS1 、リヤ・ロアラテラルリンク6とこれ
に平行して上記連結点4bを通る線との間隔をS2 、フ
ロント・ロアラテラルリンク5とこれに平行して上記連
結点4aを通る線との間隔をL1 、フロント・ロアラテ
ラルリンク5に平行して上記連結点4aおよび連結点4
bをそれぞれ通る線の相互間隔をL2 とすると、 F3 ’=F2 ’=M/S21 ’=F3 ’・L2 /L1 =M・L2 /L1 ・S14 y’=F3 ’−F1 ’=M(1−L2 /L1 )/S
2 となる。
【0024】また、フロント・ロアラテラルリンク5内
端部の連結点5aのブッシュの横方向バネ定数をKr、
1 ’によるその撓みをε1 ’、リヤ・ロアラテラルリ
ンク6内端部の連結点6aのブッシュの横方向バネ定数
をKr、F2 ’によるその撓みをε2 ’、トレーリング
リンク4前端部の連結点4aのブッシュの横方向バネ定
数をKf、F4 y’によるその撓みをε4 ’とすると、 ε2 ’=F2 ’/Kr=M/S2 ・Kr ε1 ’=F1 ’/Kr=M(L2 /L1 )/S2 ・Kr ε4 ’=F4 y’/Kf=M(1−L2 /L1 )/S2
・Kf となる。
【0025】そこでトレーリングリンク4と車輪支持部
材2との連結点4bのF3 ’による撓みをε3 ’とする
と、 ε3 ’=ε4 ’+(ε1 ’−ε4 ’)L2 /L1 =M/S2 〔(1−L2 /L1 )/Kf+{(L2 /L1 )/Kr −(1−L2 /L1 )/Kf}L2 /L1 〕 =M/S2 {(1−L2 /L12 /Kf+(L2 /L12 /Kr} となる。
【0026】ここで撓み角をα’とすると、 α’=(ε3 ’+ε2 ’)/S2 =M/S2 2 〔{(1−L2 /L12 /Kf +(L2 /L12 /Kr}+(1/Kr)〕 =M/S2 2 〔(1−L2 /L12 /Kf +{1+(L2 /L12 }/Kr〕 となる。
【0027】今、Kf≧{(L1 −L2 )/L1 }Kr
とすると(通常Kr/Kf=5〜20)、 α’≦M/S2 2 Kr{2−(L2 /L1 )+(L2 /L12 } =2M/S2 2 Kr{1−(1/2)(L2 /L1 2 )(L1 −L2 ) } となる。
【0028】従って、図3(a)に示した本発明の第2
実施例では、アライニングトルクステアAk’は、 Ak’=α’/M ≦2/S2 2 Kr{1−(L2 /2L1 2 )(L1 −L2 )} となる。
【0029】一方、図3(b)において、車輪aに対し
トーアウト方向に作用するアライニングトルクをM、そ
の際フロント・ロアラテラルリンクcに作用する引張荷
重をF1 、リヤ・ロアラテラルリンクdに作用する圧縮
荷重をF2 、フロント・ロアラテラルリンクcとリヤ・
ロアラテラルリンクdとの間隔をS1 とすると、 F1 =F2 =M/S1 となる。
【0030】また、フロント・ロアラテラルリンクcの
内端部のブッシュの横方向バネ定数をKr、F1 による
その撓みをε1 、リヤ・ロアラテラルリンクd内端部の
ブッシュの横方向バネ定数をKr、F2 によるその撓み
をε2 とすると、 ε1 =ε2 =F1 /Kr=M/S1 ・Kr となる。
【0031】そして、撓み角をαとすると、 α=(ε1 +ε2 )/S1 =2M/S1 2 ・Kr となり、従って図3(b)に示した従来例のアライニン
グトルクステアAkは、 Ak=α/M=2/S1 2 ・Kr となる。
【0032】ここで図3(a)において、L1 >L2
1 <S2 であるから、この条件のもとに図3(a)に
示した第2実施例のアライニングトルクステアAk’と
図3(b)に示した従来例のアライニングトルクステア
Akとを比較してみると、 Ak’=α’/M ≦2/S2 2 Kr{1−(L2 /2L1 2 )(L1 −L2 )} <2/S2 2 ・Kr <2/S1 2 ・Kr=Ak となる。
【0033】従って、S2 2 >S1 2 の分だけ、第2実
施例の方がアライニングトルクステア剛性が大きくなる
ことがわかる。
【0034】なお、図4(a)に示すように、フロント
・ロアラテラルリンクとリヤ・ロアラテラルリンクとを
外端部側が狭いハ字形をなすように延ばし、それ以外の
構成は前記第1実施例と略同様とした本発明の第3実施
例では、車輪1に対しトーアウト方向に作用するアライ
ニングトルクMによってフロント・ロアラテラルリンク
5に引張荷重F1 ’が作用し、リヤ・ロアラテラルリン
ク6に圧縮荷重F2 ’が作用すると、その合力F4 ’に
よる前後力が発生する。同様に図4(b)に示すハ字配
置のデュアルリンク方式の従来例においても、車輪aに
対しトーアウト方向に作用するアライニングトルクMに
よってフロント・ロアラテラルリンクcに引張荷重F1
が作用し、リヤ・ロアラテラルリンクdに圧縮荷重F2
が作用すると、その合力F4 による前後力が発生する。
【0035】しかし、これらの荷重F1 ’,F2 ’,F
4 ’,F1 ,F2 ,F4 をそれぞれ車体前後方向および
車幅方向に沿う分力、すなわち、F1 x’,F1 y’,
2x’,F2 y’,F4 x’,F4 y’,F1 x,F1
y,F2 x,F2 y,F4x,F4 yに分解して比較す
れば、前述と同様に図4(a)に示す第3実施例の方が
図4(b)に示す従来例に較べてアライニングトルクス
テア剛性が大きくなることがわかる。そしてこの場合、 F1 x’<F1 x F2 x’<F2 x F4 x’<F4 x となることから、発生する前後力は従来例に較べて第3
実施例の方が小さく、このため前方移動によるステアア
ウト量も第3実施例の方が小さくなるのである。
【0036】なお、本発明においては、図2に示すよう
にトレーリングリンク4の前端部付近とアッパラテラル
リンク7の外端部付近との間にアッパートレールリンク
を架設するようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、前端
部が車体に、後端部が車輪支持部材にそれぞれ上下揺動
自在に連結されたトレーリングリンクの後端部付近に、
フロント・ロアラテラルリンクの外端部が前後揺動自在
に連結されているので、フロント・ロアラテラルリンク
はトレーリングリンクを介してリヤ・ロアラテラルリン
クとの間にデュアルリンクを構成する。
【0038】このため、トレーリングリンクの前端部と
車体との連結点のブッシュのみを柔らかく設定すること
で、横剛性の低下を伴わずに柔らかな前後剛性が得ら
れ、良好な乗り心地を確保することができると共に、制
動時には適切なトーイン量を確保することができる。
【0039】また、車体レイアウトの関係で、フロント
・ロアラテラルリンクの内端部とリヤ・ロアラテラルリ
ンクの内端部との間隔が大きくとれず、両者の外端部間
の間隔が小さくなる場合でも、車輪支持部材に対するト
レーリングリンク後端部の連結点とリヤ・ロアラテラル
リンク外端部の連結点との間隔はそれより大きく設定で
きるので、アライニングトルクステアの剛性低下を回避
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動車用リヤサスペンションの第
1実施例の概略構成を模式的に示す平面図である。
【図2】第1実施例の概略構成を示す斜視図である。
【図3】(a)は本発明による自動車用リヤサスペンシ
ョンの第2実施例の概略構成を模式的に示す平面図であ
り、(b)はこれに対応した従来例の概略構成を模式的
に示す平面図である。
【図4】(a)は本発明による自動車用リヤサスペンシ
ョンの第3実施例の概略構成を模式的に示す平面図であ
り、(b)はこれに対応した従来例の概略構成を模式的
に示す平面図である。
【図5】デュアルリンクタイプの従来例の概略構成を模
式的に示す平面図である。
【図6】(a)、(b)はA型アーム式の従来例の概略
構成と共にその挙動を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
1 車輪 2 車輪支持部材 3 車体 4 トレーリングリンク 4a,4b,4c 連結部 5 フロント・ロアラテラルリンク 5a,5b 連結部 6 リヤ・ロアラテラルリンク 6a,6b 連結部 7 アッパラテラルリンク 7a,7b 連結部 8 アッパートレールリンク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪を回転自在に支持する車輪支持部材
    をトレーリングリンクおよび複数のラテラルリンクを介
    して車体に上下揺動自在に支持する自動車用リヤサスペ
    ンション装置であって、前端部が車体に、後端部が車輪
    支持部材にそれぞれ上下揺動自在に連結されたトレーリ
    ングリンクと、このトレーリングリンクの前端部の揺動
    軸線廻りに内端部が車体に上下揺動自在に連結され、外
    端部が上記トレーリングリンクの後端部付近に前後揺動
    自在に連結されたフロント・ロアラテラルリンクと、内
    端部が車体に、外端部が車輪支持部材にそれぞれ上下揺
    動自在に連結されたリヤ・ロアラテラルリンクとを備え
    たことを特徴とする自動車用リヤサスペンション装置。
  2. 【請求項2】 上記トレーリングリンクと車輪支持部材
    との連結点は、上記リヤ・ロアラテラルリンクの内端部
    および外端部の各連結点を結ぶ線と平行な線であって上
    記トレーリングリンクとフロント・ロアラテラルリンク
    との連結点を通る線より前方に設定したことを特徴とす
    る請求項1記載の自動車用リヤサスペンション装置。
JP14078993A 1993-06-11 1993-06-11 自動車用リヤサスペンション装置 Pending JPH06344736A (ja)

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JP14078993A Pending JPH06344736A (ja) 1993-06-11 1993-06-11 自動車用リヤサスペンション装置

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JP (1) JPH06344736A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08504149A (ja) * 1993-11-01 1996-05-07 ヒュンダイ モーター カンパニー 車両の懸架装置
JP2010173576A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Nissan Motor Co Ltd サスペンション装置

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