JPH0634322U - 電力増幅器 - Google Patents

電力増幅器

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JPH0634322U
JPH0634322U JP6952192U JP6952192U JPH0634322U JP H0634322 U JPH0634322 U JP H0634322U JP 6952192 U JP6952192 U JP 6952192U JP 6952192 U JP6952192 U JP 6952192U JP H0634322 U JPH0634322 U JP H0634322U
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秀夫 大西
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秀夫 大西
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Abstract

(57)【要約】 【目的】FETを終段電力増幅素子として使用した電力
増幅器において、FETの入出力関係の非直線性に起因
する高調波歪を打消して、歪率を大幅に改善する。 【構成】前段増幅器として、入力信号に比例した電流を
出力する電圧−電流変換増幅器(A)を設置し、ドレイ
ンをゲートに接続したFETからなる非線形のインピー
ダンス(B)を負荷として出力電流経路に挿入する。F
ETのドレインをゲートに直接接続する代りに、電圧シ
フト回路や分圧回路を介してゲートに接続してもよい。
この負荷の両端に得られる信号電圧を、終段電力増幅部
(C)の相互コンダクタンスの大きな電力増幅用FET
(D)のゲートに入力する。終段電力増幅素子として、
FETにバイポーラトランジスタをカスコード接続した
ものを用いても良い。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の適用範囲】
本考案は、オーディオ帯域ないし映像帯域信号を増幅し、スピーカや圧電素子 などの振動子、ないしモータや偏向コイルなどの電磁コイルを駆動する電力増幅 器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、大部分のオーディオ帯域ないしビデオ帯域の電力増幅器には半導体を増 幅素子として用いたものが使われているが、バイポーラトランジスタを用いたも のでは、その単独素子としての直線性の悪さから、高い忠実度を求められる用途 には、終段にはコンプリメンタルなペア素子を用いたプッシュプル増幅回路を採 用し、更にはエミッタホロワ回路に依って大量の局部負帰還をかけるとともに、 増幅器全体に強度の負帰還をかけて見かけ上の歪を少なくする方法が採られるの が常で、回路構成の複雑化とともに、強度の負帰還が増幅器全体の安定度を損い 、過渡特性の悪化などの弊害が問題視されているのが現状である。
【0003】 半導体を増幅素子として用いたものでも、終段電力増幅素子にFETを用いた ものについては、その非直線性が第3次高調波歪を発生しにくい特性となってい るので、増幅器全体への負帰還を避けることも可能となっているが、終段につい ては、やはりバイポーラトランジスタを用いたものと同様に、第2次高調波歪を 打消す為に必ずプッシュプル増幅回路とし、ソースホロワ回路を採用して、大量 の局部負帰還をかけるのが常道となっている。
【0004】
【本考案が解決しようとする課題】
【0005】 ゲート入力電圧対ドレイン出力電流の関係がおおむね2乗特性に従う為に、第 3次高調波歪の発生が少ないことから、単独素子としての特性の良いFETを用 いた電力増幅器については、シングル増幅回路では大量の第2次高調波歪を発生 してしまう為、必ずコンプリメンタルなペア素子を使うプッシュプル増幅回路が 採用されている。しかしプッシュプル回路の第2次高調波歪の打消作用は二つの コンプリメンタリFETの特性が正確に一致して始めて成立するものであり、実 際にはNチャンネルFETとPチャンネルFETとの特性のばらつきが大きく、 十分な低歪増幅は不可能である。
【0006】 また、プッシュプル回路の第2次高調波歪の打消作用はA級動作によってのみ 完全に働くものであり、よく用いられるAB級動作では、第2次高調波歪の一部 が第3次高調波歪に転化するので、更に歪特性が悪化するものである。
【0007】 従って、ソースホロワ回路によって出力段に大量の負帰還をほどこし、更には 増幅器全体にも大量の負帰還を掛けて、見かけ上の歪率を抑える手段が講じざる を得ないのが現状である。しかし、大量の負帰還を加えた増幅器は、不安定な負 荷をつなげる実際の使用状態では、安定度や過渡特性の悪化などをもたらす弊害 が指摘されている。
【0008】 FET電力増幅器に発生する歪は、FETのゲート入力電圧対ドレイン出力電 流の関係の非直線性に起因するもので、FETに本質的に付随するものであり、 改善が求められている。
【0009】 本考案はこのような状況に鑑みてなされたもので、FET電力増幅器について 、終段の電力増幅FETの2乗特性に起因する非直線性を、反対の1/2乗特性 を持つ前段増幅ユニットによって打消し、直線的な電圧−電流関係を実現するこ とをもって、負帰還を用いずとも十分に低歪の電力増幅器を構成するものである 。
【0010】
【問題を解決する手段】
まず、FETの入出力関係の非直線性に起因する高調波歪を打消す原理の要点 を以下に示す。 電力増幅FETのゲート入力電圧−ドレイン出力電流特性(Vg−Id特性) は近似的に2乗特性に従う。
【0011】 FETにおいて、ゲートをドレインに接続することによって、等価的にダイオ ードとしたもののドレイン電圧−ドレイン電流特性(Vd−Id特性)は、ゲー ト電位とドレイン電位が一致するので、やはり2乗特性に従う。従って逆のドレ イン電流−ドレイン電圧特性(Id−Vd特性)は、逆関数の1/2乗特性に従 う。依って、これらダイオードは、アノード電極−カソード電極端子間について 、1/2乗特性を持つ非線形のインピーダンスとみなしてよい。
【0012】 そこで、入力信号電圧に直線的に比例した信号電流が、対アース方向に流れる 信号経路を作り、ここに上記ダイオードから成る非線形のインピーダンスを負荷 として挿入すれば、入力信号の1/2乗に比例する電圧信号が得られる。 これを、2乗入出力特性を有する終段の電力増幅FETのゲートに入れれば、 総合的な入力−出力関係が線形特性となり、入力信号に正確に比例する出力電流 が出力端に得られる。終段電力増幅用FETの入出力相互コンダクタンスが、ダ イオードを構成したFETのそれに比して大きければ、その比率の応じて、最終 出力電流が前段の電流に対して増幅され、結果として無歪の電力増幅器が実現す る。
【0013】 以上の原理に従う電力増幅器を構成する手段を、図を参照しながら説明する。 図1が概念的な構成図である。 入力信号電圧(vs)に比例した交流信号電流isに、適切な直流バイアス電 流Ibを加えた電流(Io)を出力する電圧−電流変換増幅器(A)と、 FETにおいて、ドレインを直接、ないし電圧シフト回路や分圧回路を介して 、ゲートに接続することによって、等価的にダイオードとしたものからなる非線 形の能動インピーダンス(B)と、 適切な入力バイアス電圧(Vc)を加えた終段FET電力増幅部(C)と から構成される。
【0014】 増幅器Aは扱う信号レベルが小さいので、容易に直線的な電圧−電流変換を実 現でき、この出力電流Ioは、 Io = Ib + is = Ib + k1・vs である。ここでk1は増幅器Aで決る比例定数である。
【0015】 能動インピーダンスBの基本形は、図2のようにエンハンスメントモードのF ET(イ)のドレインを直接ないし保護抵抗を通じてゲートに接続した等価ダイ オードから構成されるもの(B1)で、その電流−電圧関係が近似的に1/2乗 に従うので、Aの出力経路にこれを負荷として挿入すると、この両端に得られる 信号電圧(Vo)は、 Vo = k2・f(Ib+k1・vs)+Vp1 となる。ここで f() は1/2乗関数を表し、k2は能動インピーダンスB で決る比例定数、Vp1は構成するFETのピンチオフ電圧である。k2はFE T(イ)の相互コンダクタンスに反比例して決るので、大きなk2の値が欲しけ れば、イの相互コンダクタンスを小さく選ばなければならない。
【0016】 デプレッションモードFETや、エンハンスメントモードでもピンチオフ電圧 の小さいFETの場合、図3のように、電圧シフト回路(G)を介してFETの ドレインとゲートを接続したもの(B2)が等価ダイオードとなる。この非線形 インピーダンスの両端に得られる電圧Voは Vo = k2・f(Ib−Ih+k1・vs)+Vp1+Vh となる。ここで、Vhはシフト電圧、Ihは電圧シフト用ツェナーダイオードに 流す電流である。
【0017】 また、FET(イ)の相互コンダクタンスが大きくて、十分に大きな比例係数 k2が得られない場合、図4のように、ドレイン−ソース間電圧を分圧してゲー トに加える分圧回路(H)を介して、ダイオード接続しても良い。分圧用抵抗を R1、R2とすれば分圧比 Kh=R2/(R1+R2) となるから、この非 線形インピーダンス(B3)の両端に得られる電圧Voは Vo = Kh・k2・f(Ib+k1・vs)+Kh・Vp1 となる。 以下は、単純化の為にB1について説明するが、他のものでも本質に変りはな い。
【0018】 得られた信号電圧Voを、終段電力FET(D)のゲートに直流的に直接入力 するか、緩衝増幅器を介して入力すると、電力増幅FETの出力電流Iwは、入 力電圧Vgに対して Iw = k3・g(Vg−Vp2) であるから(ここで g() は2乗関数を表し、k3は終段電力増幅FETで 決る比例定数、Vp2はDのピンチオフ電圧である)、終段電力FETに適当な バイアス電圧Vcを与えると、最終的な出力電流Iwは Iw = k3・g(k2・f{Ib+k1・vs}+Vp1−Vp2+ Vc) である。ここで、 Vp1−Vp2+Vc = 0 となるよう、電圧レベルを調整しておくと、 Iw = k3・g(k2)・(Ib+k1・vs) が得られて、結局最初の入力信号電圧vsに対して1次式となり、完全な直線増 幅器となる。
【0019】 ここでk3・g(k2)は前段の出力電流Ioに対する終段出力電流Iwの増 加率を示すことになるが、k2は非線形インピーダンスを構成するFET(イ) の相互コンダクタンスGm1の逆数で決り、k3は終段FET(D)の相互コン ダクタンスGm2 から決る値なので、Gm2がGm1より十分大きければ、電 力増幅器として機能することになる。
【0020】 尚、電力部をA級動作させる場合は、信号電圧Voを終段電力増幅FET(D )のゲートに交流的に入力することも可能であり、この場合は、直流分カットの 後、 vo = k2・f(Ib+k1・vs) − Vm なる交流電圧に変換される。ここでVmは平均直流電圧で、ほぼ Vm = k2・f(Ib) とみなして良い。
【0021】 これを、適切なバイアス電圧を選んで、ピンチオフ電圧からVbの電圧点に動 作中心点を設定した終段電力増幅FET(D)のゲートに直接入力するか、緩衝 増幅器を介して入力すると、 Iw = k3・g(k2・f{Ib+k1・vs}−Vm+Vb) となるから、Vm = Vb が成立するよう、Ibを調整しておけば、やはり Iw = k3・g(k2)・(Ib+k1・vs) が成立する。
【0022】 以上のようにして、FETに本質的な入出力関係の非直線性に起因する高調波 歪の発生が抑えられ、歪率を大幅に改善した電力増幅器が構成できる。 尚、以上の説明はNチャンネルFETについて行ったが、PチャンネルFET についても、電圧、電流の極性を反転すれば、全く同様である。 また、以上の回路構成はシングル増幅器、プッシュプル増幅器を問わずに通用 し、プッシュプル増幅器の場合は、二つのFET電力増幅部のそれぞれについて 、上記の手段を施せば良い。
【0023】 図5、図6、図7に、上記概念図に沿った電力増幅器を具体的に構成する手段 の例を示す。 図5は、最も簡単な回路構成によって実現したシングル電力増幅器である。
【0024】 電圧増幅用のNチャンネル−ジャンクションFET(ニ)の単純なソース接地 増幅器(A1)で、電圧−電流変換器を組んでいる。初段の扱う電圧レベルが小 さければ、このような単純なソース接地増幅器で入力信号に比例した信号電流が 出力される。出力電流の直流バイアスは、ソースに加えた自己バイアス抵抗(ホ )の値で調整する。
【0025】 小ないし中電力のPチャンネル−エンハンスメントモードFET単体で、B1 に相当する非線形のインピーダンスを生成し、A1のドレイン負荷としている。 終段はやはりPチャンネルのパワーMOS−FET単独で電力増幅部(C1)を 構成している。B1とC1とは直接に結合し、二つのMOS−FETのピンチオ フ電圧が最初から揃うように種類を選択して、両者を熱結合することによって、 バイアス回路を省略している。 出力変成器によってインピーダンス整合を行うと同時に、駆動対象に直流電流 が流れないようにしているが、用途によっては、終段FETのドレインに直接に 駆動対象を繋ぐこともありうる。
【0026】 図5の電源と全FETの極性を変換し、終段FETをNチャンネルとしても、 全く同様に働く。
【0027】 図6は、より高忠実度を目指したプッシュプル電力増幅器である。上下対称な 二つの回路を組合せ、終段出力にて合成することによって、残留した第2次高調 波歪を打消すものである。以下、対称な回路の一方のみ説明する。 電圧増幅用のNPNバイポーラトランジスタ(リ)のエミッタ接地増幅器(A 2)で、電圧−電流変換器を組んでいる。出力電流の直流バイアスは、やはりエ ミッタの自己バイアス用抵抗とベースバイアス電圧との兼あいで調整する。
【0028】 非線形のインピーダンスは、小中電力のPチャンネルMOS−FET単体を二 つ直列に重複して構成したもの(B4)を使用している。これは、終段FETの 入力レンジや非線形特性とマッチングさせる為のものである。同様にして、終段 のパワーFETの特性に応じて、並列に重複したものも用いることが出来る。こ れをA2のドレイン負荷として、信号電圧Voを得る。
【0029】 Voをやはり直結で電力増幅部に供給しているが、非線形のインピーダンスを 構成するMOS−FETと終段パワーMOS−FETのピンチオフ電圧の相違を 吸収する為に、定電圧ダイオード(オ)によって終段パワーFETにバイアス電 圧を加えている。終段のPチャンネルのパワーMOS−FETは対称的なNチャ ンネルのパワーMOS−FETと共にプッシュプル電力増幅部(C2)を構成し ている。 駆動対象には直接に接続可能である。駆動対象の低インピーダンスに整合させ るためと、出力の直流電圧レベルを安定させるために、出力端子から初段作動増 幅器に負帰還を掛けても良い。負帰還電圧は、初段トランジスタの共通エミッタ 抵抗(Rk)に加える。
【0030】 図7もプッシュプル電力増幅器の例であるが、図6の回路構成では、A級動作 しか出来なかったのに対して、AB級、B級動作が可能となる。以下、やはり対 称な回路の一方のみ説明する。 電圧−電流変換器(A3)は、NチャンネルFETのソース接地増幅回路で構 成した初段増幅器に定電流回路を負荷として与え、これにPチャンネルのFET によるゲート接地増幅器(ワ)を縦続させて、反転した出力電流を得るものであ る。 初段増幅器の出力電流をid、定電流回路の固定電流をIfとすれば、Ifと idとの差(If − id)が、反転した電流Ioとして対アース方向に得ら れる。Ioのバイアス電流は、Ifとipの中心電流との差によって与えられる 。 定電流回路は、定電流ダイオード単体に依っても良く、FET等によって構成 しても良い。また単なる抵抗器のみでも実用になり得る。
【0031】 Ioが対アース方向に得られているので、小中電力のNチャンネルFETと純 抵抗(カ)との複合からなる非線形インピーダンス(B5)を負荷として与え、 信号電圧Voを得る。この抵抗は、非線形を調整する役割を果すと同時に、終段 のバイアス電圧とのマッチングの役割を兼ねている。各FETの特性次第で、純 抵抗を並列に重複させることも考えられる。 VoはNチャンネルのパワーMOS−FETに直接供給されるが、これは、対 称的なPチャンネルパワーMOS−FETと共に、ソース側から最終出力を供給 する電力増幅部(C3)を構成する。 この回路構成では、定電流回路の設定電流Ifの調整次第で、電力増幅部C3 をAB級動作ないしB級動作させることが可能となる。
【0032】 尚、反転電流を得るA3の形式の電圧−電流変換器に対して、非線形インピー ダンスを正負電源端に配置し、図6の形式のプッシュプル電力増幅部C2を組合 せても良い。この場合は、終段FETのドレイン側から出力が供給される。
【0033】 以上全ての構成例について、終段FETの電力負担を軽減するために、図8の ごとく電力増幅用FETに電力増幅用バイポーラトランジスタ(F)をカスコー ドに接続した複合電力増幅素子(E)を用いることができる。この複合素子Eの 殆どの電力損失はバイポーラトランジスタFが負担する一方、入出力特性はFE Tの特性によって完全に決定されるので、非線形インピーダンスによる終段電力 増幅素子の入出力特性の補正効果が同様に発揮される。
【0034】
【作用】
FET電力増幅器は比較的簡素な回路構成をもって実現されるが、終段の電力 増幅FETの2乗特性に起因する非直線性の為に、負帰還等の対策なしでは大き な高調波歪を発生する。これに対して、ゲートをドレインに接続して等価的にダ イオードとしたFETのドレイン電流−ドレイン電圧特性は逆関数の1/2乗特 性に従い、非線形の能動インピーダンスと成る。 これを利用し、入力電圧に比例する直線性の良い電流発生手段Aに、この非線 形のインピーダンスを単体で、或いは直列ないし並列に複合して、非線形のイン ピーダンス生成手段Bとなし、Aの負荷インピーダンスとして使うことによって 、終段と正反対の入出力特性を持つ前段増幅ユニットを構成し、これで終段FE T電力増幅部Cの非線形性を打消すことをもって、直線的な電圧−電流関係を実 現できる。 この手段によって、総合歪を極めて微小なものとした電力増幅器を構成できる ものである。
【0035】 同じ手段は、終段FETを、電力増幅用バイポーラトランジスタをカスコード に接続した複合電力増幅素子Eに置き換えたものについても、全く同様に作用す るので、低歪の電力増幅器を構成する上で、素子の選択幅を拡張できる。
【0036】
【実施例】
実施例について、図面を参照して説明する。 図9に、本考案を実現する、電力増幅器の実施例を図示する。図6のプッシュ プル電力増幅器に準ずるものである。 入力電圧に比例する電流発生手段Aとしては、デュアルJ−FETの2SK1 46、2SJ73による差動増幅器(A4)をあて、低歪の電圧−電流変換を実 現している。単純なソース接地増幅器に較べて、より入力信号に比例した信号電 流が出力される上に、直流動作レベルが安定する。出力電流の直流バイアスは、 共通ソースに加えた定電流回路の設定電流値で調整する。
【0037】 非線形のインピーダンス生成手段Bとしては、相互コンダクタンスが約35m SあるMOS−FETの2SK213、2SJ76を使った、B3に相当する分 圧回路を有するダイオード接続回路を採用する。これで単純なダイオード接続回 路より2倍の出力電圧を得ることが出来る。これを上記電圧−電流変換器の負荷 インピーダンスとして使用すると、入力に対して1/2乗関係にある十分なレベ ルの信号電圧を発生出来る。
【0038】 これに対して、終段電力増幅器Cには、1Sの相互コンダクタンスを有するパ ワーMOS−FETの2SK133と2SJ48を採用して、これに上記信号電 圧を入力すれば、電圧−電流変換器の出力に対して約60倍の電流増幅度を得る ことが出来、所定の電力増幅を果せる。
【0039】 2SK213と2SK133、2SJ76と2SJ48とのピンチオフ電圧は 、0.5−2.0Vの範囲にあるので、素子を選別すれば、直接に接続可能であ り、終段FETの入出力関係の2乗特性がもたらす非線形性は適切に打消される 。 電圧レベルのマッチングを安定にするため、FETからなる非線形インピーダ ンスに純抵抗カを直列に繋いだ回路を使用し、この抵抗値に対応して、電流増幅 度に応じた小抵抗(ヨ)を終段電力増幅FETのソースに加えている。
【0040】
【考案の効果】
請求項1になる、電圧−電流変換増幅器Aと、ダイオード接続したFET(イ )からなる非線形のインピーダンス生成手段Bと、FET電力増幅部Cとから構 成される、FETシングル電力増幅器ないしプッシュプル電力増幅器は、終段F ET(D)の入出力関係の2乗特性に基ずく非直線性を、非線形のインピーダン スを構成するFET(イ)の1/2乗特性をもって打消すことにより、通常の電 力増幅器に比して、歪率を大幅に改善した電力増幅器として機能する。
【0041】 FET(イ)とFET(D)のピンチオフ電圧や相互コンダクタンスのマッチ ングには、電圧シフトされたダイオード接続(B2)なり、分圧回路に依って拡 張されたダイオード接続(B3)によって、適切に対応出来る。
【0042】 入力電圧−出力電流関係が微妙に相違する実際の様々な電力増幅FETに対し ては、ダイオード接続したFETを直列ないし並列に重複するか、或いはこれら と純抵抗とを直列ないし並列に重複するかして、打消作用のマッチングを微調整 することによって、やはり非常に低歪の電力増幅器を実現できる。
【0043】 こうして、半導体を終段増幅素子として用いた電力増幅器には不可能とされた 簡素なシングル構成の増幅器も実用可能となり、プッシュプル増幅器においても 、安定度や過渡特性の悪化などをもたらす弊害が指摘されている過度の負帰還を 抑制できるものである。
【0044】 請求項2の、電力増幅FETにバイポーラ電力増幅トランジスタFをカスコー ド接続した複合素子Eを終段電力増幅素子として用いたものは、入出力特性がF ETによって完全に決定される為、上記効果が全て同様に発揮され、かつ電力損 失の殆どをバイポーラトランジスタが負担するので、終段電力増幅FETの選択 幅が増し、低歪の電力増幅器の構成を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の概念的な構成図。
【図2】ダイオード接続されたFETによる非線形イン
ピーダンス。
【図3】電圧シフトされたFETのダイオード接続回
路。
【図4】分圧回路を持つFETの拡張されたダイオード
接続回路。
【図5】考案を実現するシングル電力増幅器の例。
【図6】考案を実現するプッシュプル電力増幅器の例。
【図7】考案を実現するB級/AB級プッシュプル電力
増幅器の例。
【図8】バイポーラトランジスタをカスコード接続した
電力増幅FET。
【図9】本考案の実施例。
【符号の説明】
A 電圧−電流変換増幅器 A1 ソース接地FET増幅器による電圧−電流変換増
幅器 A2 エミッタ接地トランジスタ増幅器による電圧−電
流変換増幅器 A3 電流反転式の電圧−電流変換増幅器 A4 差動増幅器による電圧−電流変換増幅器 B FETから構成された非線形インピーダンス B1 ダイオード接続されたFETから成る非線形イン
ピーダンス B2 電圧シフトされたFETのダイオード接続回路 B3 分圧回路によって拡張されたFETのダイオード
接続回路 B4 FETを直列に重複した非線形インピーダンス B5 純抵抗を複合した非線形インピーダンス C FET電力増幅部 C1 シングルFET電力増幅部 C2 プッシュプルFET電力増幅部 C3 ソース出力プッシュプルFET電力増幅部 D 電力増幅FET E FETにバイポーラトランジスタをカスコード接
続した複合電力増幅素子 F 電力増幅バイポーラトランジスタ G 電圧シフト回路 H 分圧回路 If 定電流回路の設定電流 Io 電圧−電流変換増幅器の出力電流 Iw 電力増幅FETの出力電流 id 初段増幅器の出力電流 R1 分圧抵抗 R2 分圧抵抗 Rk 共通エミッタ抵抗 Vc 電力増幅FETのバイアス電圧 Vo 非線形インピーダンスから得られる信号電圧 vs 入力信号電圧 イ インピーダンス生成用FET ロ 電圧シフト用ツェナーダイオード ハ 定電流回路 ニ 電圧増幅用FET ホ 自己バイアス用抵抗 ヘ 交流バイパスコンデンサ ト 出力変成器 チ 保護用抵抗 リ 電圧増幅用バイポーラトランジスタ ヌ カップリングコンデンサ ル ベースバイアス用抵抗 オ 終段バイアス用ツェナーダイオード ワ ゲート接地FET増幅器 カ 直列付加抵抗 ヨ ソース抵抗 1 入力端子 2 出力端子 3 アノード端子 4 カソード端子 5 ゲート 6 ドレイン 7 ソース 8 正電源 9 負電源

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 FETを終段電力増幅素子として用いた
    シングル電力増幅器ないしプッシュプル電力増幅器にお
    いて、 入力信号に比例した、ないしこれに適切な直流バイアス
    を加えた電流を出力する手段(A,A1,A2,A3,
    A4)と、 終段電力増幅用FET(D)の入出力相互コンダクタン
    スに比して、相対的に小さい相互コンダクタンスを有す
    るFETのドレインを、直接ないし電圧シフト回路
    (G)を介し、あるいは分圧回路(H)を通じてゲート
    に接続して、等価的にダイオードとしたもの、ないしこ
    れらを並列または直列に重ねたもの、あるいは更に純抵
    抗を直列か並列に付加したものからなる非線形のインピ
    ーダンス生成手段(B,B1,B2,B3,B4,B
    5)と、 適切な入力バイアス電圧を加えた終段FET電力増幅器
    (C,C1,C2,C3)とから構成され、 電流出力手段(A)の出力電流経路に非線形のインピー
    ダンス(B)を負荷として挿入し、この両端に得られた
    出力電圧を、終段電力増幅FET(D)のゲートに交流
    的ないし直流的に直接入力するか、緩衝増幅器を介して
    入力することによって、 FETの入出力関係の非直線性に起因する高調波歪を打
    消して、歪率を大幅に改善した電力増幅器。
  2. 【請求項2】 請求項1における終段電力増幅FETと
    して、FETにバイポーラ電力増幅トランジスタ(F)
    をカスコードに接続した複合電力増幅素子(E)を用い
    て、FETの電力損失負担を軽減した請求項1と同一構
    成、同一内容の電力増幅器。
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Cited By (7)

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