JPH0634106Y2 - 柔軟性多層フイルム - Google Patents

柔軟性多層フイルム

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JPH0634106Y2
JPH0634106Y2 JP1990107502U JP10750290U JPH0634106Y2 JP H0634106 Y2 JPH0634106 Y2 JP H0634106Y2 JP 1990107502 U JP1990107502 U JP 1990107502U JP 10750290 U JP10750290 U JP 10750290U JP H0634106 Y2 JPH0634106 Y2 JP H0634106Y2
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正孝 山本
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、畜肉加工品その他の各種食品用の包材に係
り、特にボイル殺菌処理可能で且つ光沢、透明性、柔軟
性、強度に優れたガスバリヤー性の柔軟性多層フィルム
に関する。
[従来の技術] 畜肉加工品の包材として使用されるフィルムのうち特に
ボイル殺菌処理を施すものに使用されるフィルムとして
は、以下の(イ)〜(ハ)の3条件の全てを具備するこ
とが必要である。
(イ)耐熱性(耐熱水性も含む)を有すること、すなわ
ちボイル殺菌処理工程において、各層が層間で剥離しな
いこと、フィルムが吸水白化を生じないこと、さらに各
製品間において表層となるフィルムどうしが融着(ブロ
ッキング)しないことである。
(ロ)光学的な外観に適すること、すなわち光沢、透明
性が優れ、白っぽさや蛍光色も有さないことである。
(ハ)柔軟性を有すること、すなわち内容物に対して良
好にフィットし、フィルムの皺などが屈曲してもピンホ
ールを発生しないことである。そのために、常温および
低温(0±5℃)で柔軟性と強度に優れることが必要で
ある。
しかしながら従来は、上記の3条件を同時に満足する包
材を構成することは困難であった。
従来の食品用の包材、特に畜肉加工品用の包材としては
以下のようなものが実用化されまたは提案されている。
ポリアミド(例えばナイロン(Ny))/エチレン酢酸
ビニル共重合体けん化物(EVOH)/ポリエチレン(PE)
の各層からなるもので、これは例えば特開昭55-39318号
公報に記載されている。
ポリプロピレン(PP)/Ny/EVOH/PEの各層からなるも
ので、これは例えば実公昭60-26998号公報に記載されて
いる。
可塑化塩化ビニル樹脂(S−PVC)/Ny/EVOH/アイオノ
マー樹脂(IO)の各層からなるものであり、これは例え
ば特開昭64-72844号公報に記載されている。
〔考案が解決しようとする課題〕
しかしながら上記の〜に示す従来の包材はいずれも
ボイル殺菌処理工程に適さないものである。
まずで述べたポリアミド(Ny)を表層としたもので
は、前記3条件のうち、(イ)耐熱性と(ロ)光学性は
優れる。その反面(ハ)柔軟性に劣り、常温または低温
においてフィルムが硬くなり内容物に対するフィット性
に欠け、フィルムに皺ができた場合にピンホールの発生
原因となりやすい。またフィルムが硬くなるため、製品
を手にしたときのフィット感が劣り、畜肉加工製品用の
包材としては好まれない場合がある。
またで述べたポリプロピレン(PP)を表層としたもの
では、(イ)耐熱性は良いがPPの結晶により光沢、透明
性が低下し(ロ)の光学的外観が劣る。また(ハ)の柔
軟性においても劣るものである。
さらにで述べた可塑化塩化ビニール(S−PVC)を表
層としたものでは、(ロ)光学的外観、(ハ)柔軟性に
おいて優れるが、(イ)耐熱性に劣り、ボイル殺菌処理
により白化や層間剥離の問題が発生しやすい。また耐寒
性を向上させる目的で可塑剤量を増やすと、耐熱性が低
下しブロッキングを発生しやすくなり、両者をバランス
させることが難しい。
そこで上記の(イ)〜(ハ)の全ての条件を満たすもの
として、我々はこれらの条件である光沢、透明性および
柔軟性などに優れる熱可塑性ポリウレタン樹脂に注目し
た。すなわち特にウレタン樹脂の柔軟感触と光沢を重視
する必要から、熱可塑性ポリウレタン樹脂層を表層とす
ることに着目したものである。しかし熱可塑性ポリウレ
タン樹脂を表層に用いたフィルムを包材として使用し、
ボイル殺菌処理を行った結果、次の問題が生じた。
a)表層どうしのブロッキング、すなわちオイル槽内で
各包装体の表層どうしが熱融着する現象が生じた。
b)吸水白化、すなわちボイル工程により、フィルムに
吸水白化が生じ、ある程度乾燥するまで白化が消えない
か、または永久に残った。
さらに吸水白化の問題としては、表層として使用される
上記の熱可塑性ポリウレタン樹脂の白化のほかに、中間
層として使用した場合のエチレン酢酸ビニル共重合体け
ん化物(EVOHの白化がある。この中間層として使用する
場合のエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物の白化に関
しては、前記の従来例として示した実公昭60-26998号
公報に記載されているもののように、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体けん化物層の両側に接着層を始めとしてポリ
オレフィンの層を存在させれば、ボイル工程における吸
水白化は殆ど見られない。しかし表層として熱可塑性ポ
リウレタン樹脂を使用した場合、これは有効なポリオレ
フィン系の接着剤がない。これは熱可塑性ポリウレタン
樹脂を表層に、エチレン酢酸ビニル共重合体けん化物を
中間層として、共押出フィルムを製作する場合、熱可塑
性ポリウレタン樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体けん
化物との間に、中間層のボイル白化防止のためのポリオ
レフィン系の接着層を導入できないことを意味してい
る。
本考案はかかる事情に鑑みなされたものであり、前記の
3つの条件、すなわち(イ)耐熱性、(ロ)光学的な外
観ならびに(ハ)柔軟性において優れたボイル可能なフ
ィルムを提供することを目的としている。
〔課題を解決するための手段ならびに作用〕
本考案による柔軟性多層フィルムは、熱可塑性ポリウレ
タン樹脂からなる表層、ガスバリヤー性樹脂からなる中
間層、ヒートシール性を有する樹脂からなるシール層の
少なくとも3層が共押出しされて成り、表層の熱可塑性
ポリウレタン樹脂層の厚みが10〜50μmであることを特
徴とするものである。
本考案は、(イ)耐熱性、(ロ)光学的な外観性、
(ハ)柔軟性の3条件の全てを満足する構成として、ま
た特に耐ボイル性に注目し鋭意検討した結果、特定の厚
みを有した熱可塑性ポリウレタン樹脂と、特定のエチレ
ン含有量を有するエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物
とにより構成される多層フィルムによってこれらの目標
を達成できることを見いだした。
熱可塑性ポリウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合
体けん化物さらにはポリアミド樹脂は互いに強固な接着
性を有する。そこで多層フィルムの構成としては、光学
的な外観と柔軟性を兼ね備えた熱可塑性ポリウレタン樹
脂を表層に配し、エチレン酢酸ビニル共重合体けん化物
およびこれに必要に応じてポリアミド樹脂を配した中間
層、ヒートシール性を有する樹脂からなるシール層の少
なくとも3層から成る柔軟性多層フィルムを検討した。
なおシール性樹脂は中間層のEVOHに対して接着性を持た
ない場合が多いので、必要に応じてEVOHとシール層との
間に接着層を介在させる。
以上の材料を基に鋭意検討した結果以下の結論を得た。
なおボイル殺菌とは、一般的には75℃〜100℃の熱湯に
よる5分〜4時間程度までの殺菌を意味するが、ボイル
殺菌の条件は包装された中身によって決定され、高温で
短時間の場合があり、低温で長時間の場合もある。そこ
で、本考案で対象とするボイル殺菌とは、最も難しい高
温条件すなわち90℃以上の熱湯で10〜20分間ボイル処理
することとし、この条件のボイル工程においてトラブル
を起こさないか否かの検討を行なった。
各層の材料 本考案において表層として用いる熱可塑性ポリウレタン
樹脂とは、二官能性ポリオールとジイソシアネートおよ
びグリコールを主原料としてなる分子構造中にウレタン
基を含有するゴム状弾性高分子のうち、熱可塑性を有す
る物を総称し、具体的には使用される前記ポリオールな
どの原料の種類によって区別されるところのポリエーテ
ル系、アジペートエステル系、カプロラクトンエステル
系、ポリ炭酸エステル系などの熱可塑性ポリウレタン樹
脂の1種または2種以上からなる物であって、ボイル時
の耐吸水白化に対してはポリエステル系が好ましい。
ここで熱可塑性ポリウレタン樹脂のJIS硬度(JIS K-731
1)が90未満の場合は耐熱性が低く、95℃、10〜20分の
ボイル殺菌の際に熱可塑性ポリウレタン樹脂の表層どう
しが互いにブロッキングし、接触した製品どうしが離れ
なくなってしまうことがある。さらにJIS硬度が95未満
の場合は100℃、10〜20分のボイル処理でブロッキング
が開始する。したがって、本考案の目的であるボイル殺
菌処理に適しブロッキングが生じないフィルムを得るた
めには、熱可塑性ポリウレタン樹脂のJIS硬度が90以
上、さらには95以上のものが好ましい。
また、表層となる熱可塑性ポリウレタン樹脂層の厚みは
ボイル殺菌処理における吸水白化と密接な関係がある
が、この点については後述する。
なお、本考案で使用する熱可塑性ポリウレタン樹脂は、
JIS硬度が前記条件を満足するものであれば、熱可塑性
ポリウレタン樹脂にその性質を大きく変えない範囲内で
ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系、ポリアミド系など
の熱可塑性樹脂をブレンドしたり各種添加剤を適宜添加
することが可能である。
次に、中間層として用いるエチレン酢酸ビニル共重合体
けん化物は、エチレンモル含有量が好ましくは44%〜20
%、特に好ましくは38%〜20%の共重合体を90%以上け
ん化したものである。ここで90℃、10〜20分のボイルに
よりエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物層が吸水白化
しないためには、エチレン酢酸ビニル共重合体けん化物
のエチレンモル含有量が44%以下であることが好まし
い。さらに95℃、10〜20分のボイルで吸水白化しないた
めにはエチレンモル含有量が38%以下、100℃、10〜20
分のボイルでは29%以下であることが好ましい。この条
件を満足しない場合、白化はフィルムが乾燥した後も消
失しないで残るため、著しく商品価値を低下させること
になる。すなわち吸水白化を防止する観点からみれば、
エチレンモル%が少ないほど高温のボイルに耐えられる
ことが判る。なおエチレンモル%が20%未満ではエチレ
ン酢酸ビニル共重合体けん化物の熱安定性を悪くし加工
性を低下させるため、エチレンモル含有量の下限は20%
が限界である。
本考案で使用するエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物
は、前記条件を満足するものであれば、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体けん化物にその性質を大きく変えない範囲
内でポリエステル系、ポリアミド系などの熱可塑性樹脂
をブレンドしたり各種添加剤を適宜添加することが可能
である。
また本考案で使用するヒートシール性を有する樹脂とし
ては、ポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられる。こ
のシール層は食品を包装したときに多層フィルムの緑部
どうしを互いにシールして密封するために設けられてい
るものである。具体的には、例えば、エチレン、プロピ
レンなどのα−オレフィンの単独重合体;α−オレフィ
ンを主体とする酢酸ビニル、アクリル酸エステルあるい
はメタクリル酸エステルなどの共重合体;エチレンとプ
ロピレンの共重合体;エチレンとメタクリル酸の共重合
体にNaイオンやZnイオンなどを作用させたアイオノマー
樹脂;あるいはこれらの2種以上のブレンド物が挙げら
れる。これらのポリオレフィン系樹脂の中でも特にポリ
エチレンやエチレン酢酸ビニル共重合体、アイオノマー
樹脂が好ましい。
本考案で使用するポリアミド樹脂は、6−ナイロン、6
−6,6ナイロン、6−12ナイロン、あるいはこれらの2
種以上のブレンド物が挙げられる。
フィルム層の厚さ 本考案において使用される熱可塑性ポリウレタン樹脂
は、屈折率が高く、透明で且つ低温での柔軟性に優れる
ため、これを表層として使用した多層フィルムは優れた
光学的外観と柔軟性ならびに強度を得ることができる。
表層となる熱可塑性ポリウレタン樹脂の厚さ寸法として
は、10〜50μm、好ましくは20〜50μmのものが使用さ
れる。表層となる熱可塑性ポリウレタン樹脂の厚さ寸法
が10μmより薄いと耐寒性などの効果が充分得られず、
逆に50μmより厚いと90℃、10〜20分のボイル殺菌にお
いて熱可塑性ポリウレタン樹脂層が吸水白化現象を起こ
す。なおこの白化は熱可塑性ポリウレタン樹脂層の厚み
がおよそ50μm以上のときにのみ発生し、今回のボイル
殺菌すなわち90〜100℃、10〜20分のボイル条件の範囲
では、温度や殺菌時間にはほとんど依存しない。従って
多層フィルムの表層として使用される熱可塑性ポリウレ
タン樹脂は厚さが50μm以下が最適である。
また上記吸水白化は可逆現象であり、ボイル殺菌におい
て白化が生じた場合、その後の水分の乾燥とともに白化
は消失するが、低温下や多湿の条件下では消失速度が遅
く、冷蔵庫に保管した後、製品の箱詰め完了までに白化
が消えない場合は問題となる。このような問題点からみ
て、前述のように表層となる熱可塑性ポリウレタン樹脂
の厚さは50μm以下としておけば、実用性からも最適で
ある。
次に中間層となるエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物
の厚さ寸法について説明する。このエチレン酢酸ビニル
共重合体けん化物の層は、多層フィルムにガスバリヤー
性を付与するためのものであるが、その厚さ寸法は5〜
60μmが好ましく、特に10〜40μmが最適である。この
層の厚さが5μmより薄いと多層フィルムへのガスバリ
ヤー性付与効果が充分でなく、60μmより厚いとフィル
ムが硬くなって多層フィルムの柔軟性が低下することに
なり好ましくない。
次にシール層となる樹脂は、多層フィルムにシール性や
良好な成形性を付与し、またガスバリヤー樹脂、特にエ
チレン、エチレン酢酸ビニル共重合体けん化物層を水分
から保護する作用をする。シール層はこの様な役割を発
揮させるために少なくとも20μm以上の厚みとすること
が望ましい。またシール層と、中間層となるエチレン酢
酸ビニル共重合体けん化物層を接着させるための接着剤
層の厚みは2〜30μmが好ましく、特に5〜20μmの厚
さが最適である。
以上の各層の厚さ寸法から、多層フィルムの合計の厚さ
寸法は50〜300μmとなり、この厚さ寸法の範囲である
ことが、ボイル殺菌する食品包装用の包材として適して
いる。
層の構成 本考案の多層フィルムは、熱可塑性ポリウレタン樹脂
(TPU)からなる表層、エチレン酢酸ビニル共重合体け
ん化物(EVOH)からなる中間層、ヒートシール性を有す
る樹脂からなるシール層の少なくとも3層から構成され
る。従って、本考案における多層フィルムの最も基本的
な構成例は、表層(TPU)/中間層(EVOH)/シール層
からなるものである。
しかしながら、シール性の樹脂には中間層となるEVOHに
対する接着性を持たない場合が多いので、一般的には両
層の間に接着性樹脂を介在させる場合が多い。しかし、
表層のTPUと中間層のEVOHは接着剤を使用しなくても互
いに接着性を有する。
また表層のTPUと中間層のEVOHの間にNyを挿入すること
も可能である。Nyを使用することによりさらに強靱なフ
ィルムにすることが可能であり、しかもNyはTPU(表
層),EVOH(中間層)の両方に強固に接着するため接着
層としての役割をも果たす。従って、本考案における多
層フィルムの基本的な構成例は、第1図に示すように、
包材の表面側から順に表層(TPU)1/中間層(EVOH)2/
接着層3/シール層4となる。または第2図に示すように
表層(TPU)1/中間層(Ny)5/中間層(EVOH)2/接着層3
/シール層4となる。あるいはNyとEVOHの層を第2図に
いおいて入れ替えて、表層(TPU)1/中間層(EVOH)2/
中間層(Ny)5/接着層3/シール層4となる構成にするこ
ともできる。
また多層フィルムの用途として特に高いレベルの低温強
度を要求しない場合には、中間層(EVOH)の代わりに塩
化ビニリデン共重合体(PVDC)を用いることも可能であ
りこの場合もTPUとPVDCは接着剤を使用しなくても接着
性を有する。
多層フィルムの成形方法 本考案の多層フィルムは、Tダイ成形やインフレーショ
ン成形などの通常の共押出法により成形することができ
る。
〔実施例〕
実施例1 表層としてJIS硬度95のポリエステル系熱可塑性ポリウ
レタン樹脂、中間層としてエチレン含有量が29モル%の
エチレン酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂、接着層とし
て酸変性ポリエチレン、シール層としてリニアー低密度
ポリエチレン(LLDPE)の4層構成からなる多層フィル
ムを4台の押出し機を使用して作製した。積層方法はフ
ィードブロック式Tダイとチルロールによる引取方式に
よって行なった。
各層の厚みは表層からシール層へ順に30μm/20μm/10μ
m/120μm、合計180μmであった。このフィルムを使用
し、深絞り成形機を用いて長さ9cm、直径6cmのブロック
ハムを充填し、同じ材質構成で各層の厚みが表層からシ
ール層へ順に30μm/20μm/10μm/60μm、合計厚みが12
0μmの多層フィルムを蓋材として用い真空包装した。
次にこの真空包装品を5個、縦横高さ各30cmのステンレ
ス金網のバスケットの中に入れ、95℃のウォーターバス
の中に15分間浸漬しボイル殺菌処理を行なった。ボイル
殺菌後、包装品を取り出し水道水で2分間冷却した。そ
の時点で包装体どうしのブロッキングおよびフィルムの
白化は見られなかった。さらにこの包装体を5℃の冷蔵
庫に2時間保管した後、取り出し観察した。その結果、
ボイルによる吸水白化も見られず、多層フィルムの光
沢、透明性もボイル前と殆ど変わらず優れていた。
実施例2〜3および比較例1〜3 表層としてJIS硬度95のポリエステル系熱可塑性ポリウ
レタン樹脂、表層と中間層の間に強度付与層としてポリ
アミド樹脂(6ナイロン)、中間層としてエチレン含有
量が29モル%のエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物樹
脂、接着層として酸変性ポリエチレン、シール層として
リニアー低密度ポリエチレン(LLDPE)の5層構成から
なる多層フィルムを5台の押出し機を使用し実施例1と
同様の方法にて作成した。各層の厚みは表層からシール
層へ順に20〜80μm/20μm/10μm/120μm、合計の厚さ
寸法は170〜230μmであった。このフィルムを使用し、
深絞り成形機を用い長さ9cm、直径6cmのブロックハムを
充填し、同じ材質構成で各層の厚みが表層からシール層
へ順に30μm/20μm/10μm/60μm、合計厚みが120μm
のフィルムを蓋材として用い真空包装した。上記の表層
の厚さ寸法の相違するものを複数種類作成し、その厚さ
ごとに実施例2、実施例3、比較例1〜比較例3とし、
各実施例、比較例における表層の厚みを第1表の左欄に
示した。次に、この真空包装品の各実施例、比較例のそ
れぞれ5個ずつを縦、横、高さ各30cmのステンレス金網
のバスケットのなかに入れ、95℃のウォーターバスのな
かに15分間浸漬しボイル処理を行なった。ボイル後包装
品を取出し、水道水で2分間冷却した。その時点でフィ
ルムの白化、特にシール部の白化を観察した。さらに、
この包装体を5℃の冷蔵庫に2時間保管した後取出して
観察した。ボイルによる吸水白化は60μmの厚みの表層
TPUである比較例1、80μmの比較例2、および100μm
の比較例3に見られ、40μmの実施例3、および20μm
の実施例2には見られず、光沢、透明性もボイル前とほ
とんど変わらず優れていた。また、この比較例1−3の
白化したフィルムの断面を光沢顕微鏡で観察したとこ
ろ、白化はTPU層の内部で生じておりEVOH層にはないこ
とが判った。その結果を第1表に示す。
実施例4〜6および比較例4〜5 表層としてJIS硬度80〜97のポリエステル系熱可塑性ポ
リウレタン樹脂、表層と中間層の間にポリアミド樹脂
(6ナイロン)、中間層としてエチレン含有量が45〜29
モル%のエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂、接
着層として酸変性ポリエチレン、シール層としてリニア
ー低密度ポリエチレン(LLDPE)の5層構成からなる多
層フィルムを5台の押出し機を使用し実施例1と同様の
方法にて作成した。各層の厚みは表層からシール層へ順
に30μm/20μm/10μm/120μm、合計厚み180μmであっ
た。蓋材としては同じ材質構成で各層の厚みが表層から
シール層へ順に30μm/20μm/10μm/60μm、合計厚みが
120μmのフィルムを用いた。
各実施例、比較例で使用した表層と中間層の樹脂材料を
第2表に示す。さらにボイル温度90℃、20分間ならびに
95℃、15分間、さらに100℃、15分間の各条件で、実施
例1と同じ包装評価方法で行なった結果を同じく第2表
に示す。
なお、上記において、ボイル後の評価試験は以下に示す
方法で行なった。
(1)耐ブロッキング性 複数の包装体のフィルムの表層どうし、すなわちTPU層
どうしを重ね合わせ、互いに接触させた状態で前記のそ
れぞれの温度と時間によりボイル処理を行なった。次に
それを取り出し水で冷却した後、包装体の表層どうしの
ブロッキング状態を観察した。第1表と第2行において
は評価を以下の符号により示している。
◎:表層どうしが自然に剥れる ○:若干ブロッキングしているが手で剥すと容易に離
れ、跡も全く残らない ×:表層同志が溶け合って接着しており、剥すとフィル
ムが破れる。
(2)ボイル白化 前記の各温度と時間にてボイル処理を行ない、次にそれ
を取り出し水で2分間冷却し、フィルムの白化状態を観
察する。さらに5℃の冷蔵庫に2時間保管した後、フィ
ルムの白化状態を観察する。第1表と第2表においては
評価を以下の符号により示している。
◎:殆ど白化せず透明性を保っている。
○:少し白化するが常温放置で経時的に消失し元の透明
性に戻る ●:著しく白化するが常温放置で経時的に消失し元の透
明性に戻る ×:著しく白化し、経時しても戻らない 〔効果〕 以上説明した様に本考案によれば、光沢、柔軟性に富む
ポリウレタンエラストマーを表層に使用することによっ
て(イ)耐熱性、(ロ)光学性、(ハ)柔軟性の優れた
ボイル可能な酸素バリヤー性多層フィルムを得ることが
でき、畜肉加工品の包装に使用すると効果的である。
【図面の簡単な説明】
第1図と第2図はそれぞれの本考案による柔軟性多層フ
ィルムの層の構成例を示す断面図である。 1……表層、2……中間層、3……接着層、4……シー
ル層、5……中間層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00 4F

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性ポリウレタン樹脂からなる表層、
    ガスバリヤー性樹脂からなる中間層、ヒートシール性を
    有する樹脂からなるシール層の少なくとも3層が共押出
    しされて成り、表層の熱可塑性ポリウレタン樹脂層の厚
    みが10〜50μmであることを特徴とする柔軟性多層フィ
    ルム
  2. 【請求項2】表層の熱可塑性ポリウレタン樹脂がJIS硬
    度90以上である請求項1記載の柔軟性多層フィルム
  3. 【請求項3】中間層のガスバリヤー性樹脂がエチレン酢
    酸ビニル共重合体けん化物であり、且つエチレンモル含
    有量が44%〜20%の共重合体を90%以上けん化したもの
    である請求項1記載の柔軟性多層フィルム
  4. 【請求項4】中間層のガスバリヤー性樹脂に隣接するポ
    リアミド層が設けられた請求項3記載の柔軟性多層フィ
    ルム
JP1990107502U 1990-10-12 1990-10-12 柔軟性多層フイルム Expired - Lifetime JPH0634106Y2 (ja)

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JP1990107502U Expired - Lifetime JPH0634106Y2 (ja) 1990-10-12 1990-10-12 柔軟性多層フイルム

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JPH035143A (ja) * 1989-05-31 1991-01-10 Kuraray Co Ltd 熱収縮性フイルム

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