JPH06340469A - 透光性多結晶アルミナおよびその製造方法 - Google Patents

透光性多結晶アルミナおよびその製造方法

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JPH06340469A
JPH06340469A JP5094672A JP9467293A JPH06340469A JP H06340469 A JPH06340469 A JP H06340469A JP 5094672 A JP5094672 A JP 5094672A JP 9467293 A JP9467293 A JP 9467293A JP H06340469 A JPH06340469 A JP H06340469A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 酸化アルミニウムと、該酸化アルミニウムに
対し、0.01重量%を越え、0.03重量%未満の酸
化マグネシウム、0.01重量%を越え、0.06重量
%未満の酸化ジルコニウムおよび0.001重量%未満
の酸化カルシウムからなることを特徴とする透光性多結
晶アルミナ。 【効果】 透光性と機械的強度が共に優れたナトリウム
放電ランプ用アーク管等の光学的用途に適した多結晶ア
ルミナが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透光性多結晶アルミナお
よびその製造方法に関する。さらに詳細には透光性と機
械的強度を改良した多結晶アルミナおよびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】透光性多結晶アルミナおよびその製造方
法については、従来高純度アルミナ微粉末に0.5重量
%までの酸化マグネシウムを添加して水素雰囲気中で1
750℃〜1950℃で焼成する技術が知られている
(米国特許第3026210号)。また、高純度アルミ
ナ微粉末に酸化マグネシウムの他に酸化ジルコニウムや
酸化ハフニウムを添加することによりアルミナ中への酸
化マグネシウムの溶解度を促進させる方法も知られてい
る(特公昭59−6831号)。
【0003】該特公昭59−6831号によれば80重
量%以上のα−アルミナを含有するアルミナを用い、酸
化マグネシウムを該アルミナに対し約0.03重量%〜
約0.15重量%、酸化ジルコニウムを該アルミナに対
し約0.002重量%〜約0.07重量%或いは酸化ハ
フニウムを該アルミナに対し約0.003重量%〜約
0.07重量%の範囲で存在させ、成形後、水素雰囲気
下約1750℃〜約1950で焼成することにより、実
質的に焼成中に酸化マグネシウム量が減少しない多結晶
アルミナの製造方法が教示されている。
【0004】周知のごとくアルミナの焼結に際し、酸化
マグネシウムの存在は、アルミナの焼結過程でアルミナ
粒界からの孔の離脱を促進する効果、および異常粒成長
を抑制し、均一な結晶粒子を構成する効果を有する。酸
化マグネシウムが存在しないか、或いはその存在量が少
ない場合には透光性に優れた多結晶アルミナは得られな
い。また、アルミナ中の過剰量の酸化マグネシウムはア
ルミナの粒界にマグネシウムアルミネートよりなるスピ
ネル相を形成するため、透光性が低下する。 従来、原
料として添加した酸化マグネシウムは高温での焼成過程
で揮散、減少することが知られており、しかもこの揮散
速度は、成形体の形状、加熱速度、保持時間、焼結炉の
寸法形状等の種々のパラメータにより異なり、商業規模
での適切な操業コントロールが非常に困難であった。そ
れ故、上記方法はかかる点を改良した極めて優れた方法
であると言える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】多結晶アルミナの透光
性はR.L.Cobleにより紹介されて以来、種々の
点より改良が重ねられているが、ナトリウム放電ランプ
用アーク管等の用途においては、管を形成する多結晶ア
ルミナの僅かの透光性の改良がナトリウム放電ランプの
輝度に関係し商品価値を大きく左右する要因であること
から、より高い透光性を有する多結晶アルミナが要求さ
れている。加えて、点灯、消灯時に熱衝撃による破壊が
生起するので、高い焼結体強度が要求されている。かか
る状況下に際し、本発明者らは、より優れた透光性並び
に機械的強度を有する多結晶アルミナを得るべく鋭意検
討した結果、アルミナの焼結に際し、焼結助剤として、
特定量の酸化マグネシウム及び酸化ジルコニウムを存在
せしめ、該焼結体中に特定物質の混入を特定量以下に制
御する場合には、極めて透光性に優れ、かつ機械的強度
の高い多結晶アルミナが得られることを見いだし、本発
明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、酸化ア
ルミニウムと、該酸化アルミニウムに対し、0.01重
量%を越え、0.03重量%未満の酸化マグネシウム、
0.01重量%を越え、0.06重量%未満の酸化ジル
コニウムおよび0.001重量%未満の酸化カルシウム
を含有することを特徴とする極めて透光性並びに機械的
強度に優れた多結晶アルミナを提供するにある。
【0007】本発明の第2は、純度99.9%以上を有
し、酸化カルシウムまたは仮焼により酸化カルシウムを
形成するカルシウム化合物含量がCaO換算で0.00
1重量%未満であり、かつ粉末の平均粒子径が1μm以
下のアルミナ粉末100重量部に対し、酸化マグネシウ
ムまたは仮焼により酸化マグネシウムを形成するマグネ
シウム化合物をMgO換算で0.01重量部を越え、
0.03重量部未満と、酸化ジルコニウムまたは仮焼に
より酸化ジルコニウムを形成するジルコニウム化合物を
ZrO2 換算で0.01重量部を越え、0.06重量部
未満の量範囲で加えて成形し、空気中800〜1200
°Cで仮焼した後、真空中または水素雰囲気中1600
°C〜1950°Cで焼成することを特徴とする請求項
1記載の組成を有する透光性多結晶アルミナの製造方法
を提供するものである。
【0008】本発明の多結晶アルミナおよび本発明方法
で得られた多結晶アルミナは、焼結体の平均粒度は約1
0μm〜約40μmで、実質的に異常粒成長した、例え
ば100μm以上の粗粒子のない、比較的均一な結晶粒
子より構成されており、600nmに於ける直線透過率
が少なくとも30%以上、普通には32%以上の高い透
光性を有すると共に、三点曲げ強度が20kg/mm2
を越え、普通には25kg/mm2 以上の機械的強度に
もすぐれた物性を有する。
【0009】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の透光性多結晶アルミナは、酸化アルミニウムに対
し、0.01重量%を越え、0.03重量%未満の酸化
マグネシウム、0.01重量%を越え、0.06重量%
未満の酸化ジルコニウムおよび0.001重量%未満の
酸化カルシウムを含有してなる。 より好ましくは、酸
化アルミニウムに対し、0.015重量%を越え、0.
030重量%未満の酸化マグネシウム、0.015重量
%〜0.05重量%の酸化ジルコニウムおよび0.00
05重量%以下の酸化カルシウムを含有してなる透光性
多結晶アルミナである。
【0010】本発明に於いて、酸化アルミニウムに対す
る酸化マグネシウムの量が0.01重量%以下、或いは
0.03重量%以上の場合には透光性に優れた焼結体が
得られない。また、酸化アルミニウムに対し酸化ジルコ
ニウムの量が0.01重量%以下の場合にも優れた透光
性を有する焼結体がえられない。他方、酸化アルミニウ
ムに対し酸化ジルコニウムの量が0.06重量%以上の
場合には異常粒成長が生起し強度が低下する。酸化アル
ミニウムに対する酸化マグネシウムの量が本発明範囲を
越え、酸化ジルコニウムの量が多量に存在する場合に
は、酸化ジルコニウムによる異常粒成長により透光性が
高い焼結体が得られることもあるが、この場合には得ら
れる焼結体の強度が低下する。また、酸化アルミニウム
に対し、酸化カルシウムの量が0.001重量%以上の
場合には異常粒成長が生起し強度が低下する。
【0011】本発明の原料として使用するアルミナは、
有機アルミニウム加水分解法、改良バイヤー法、アンモ
ニウム明礬熱分解法、アンモニウムドーソナイト熱分解
法等で得られる物であり、純度が99.9%以上で、カ
ルシウム不純物が酸化カルシウムに換算して0.001
重量%未満量であり、BET比表面積1〜70m2 /g
のα−アルミナまたはα−アルミナとγ−アルミナ、δ
−アルミナ、θ−アルミナ、η−アルミナ、χ−アルミ
ナ、κ−アルミナ等の中間アルミナの少なくとも一種と
の共存物である。このような物性を有するアルミナ粉末
であれば、その製造方法は特に限定されるものではな
く、有機アルミニウム加水分解法、改良バイヤー法、ア
ンモニウム明礬熱分解法、アンモニウムドーソナイト熱
分解法等で得られる物が挙げられるが、最も一般的には
酸化カルシウム含量の少ない有機アルミニウム加水分解
法により得られたものが使用される。
【0012】添加剤としての酸化マグネシウムおよび酸
化ジルコニウムは無機、又は有機の前駆物質が使用でき
る。前駆物質はアルミナの焼結迄に酸化物を形成し、且
つ汚染物質が残らないものであればよく、通常、マグネ
シウムまたはジルコニウムの水酸化物、塩酸塩、炭酸
塩、硝酸塩及びステアリン酸塩が使用される。
【0013】アルミナ粉末、アルミナ粉末と酸化マグネ
シウムまたは酸化マグネシウムを形成する化合物、アル
ミナ粉末と酸化ジルコニウムまたは酸化ジルコニウムを
形成する化合物、或いはアルミナ粉末とこれら両者の添
加物は均一分散し得るよう粉砕、混合される。粉砕、混
合方法は超音波分散、ジエットミル、ピンミル、ボール
ミル、振動ミル、或いはパールミル、サンドミル、ダイ
ノミル、ウルトラビスコミル、アトライター、アニュラ
ーミル等の媒体攪拌ミルが挙げられる。これら粉砕、混
合方法は乾式、湿式のいずれであってもよい。
【0014】粉体の分散性の点からは湿式の媒体攪拌ミ
ルで処理することが推奨される。これら媒体攪拌ミルに
使用される粉砕媒体としては約0.2mm〜5mm、好
ましくは約0.3mm〜2mmの直径を有するアルミナ
製ビーズ或いはジルコニア製のビーズが使用される。
【0015】粉砕媒体としてアルミナ製ビーズを用いる
場合には、該ビーズよりのカルシウム汚染に注意しなけ
ればならない。通常、市販のアルミナ製ビーズにはグレ
ードにより差はあるものの0.005重量%〜2重量%
の酸化カルシウムが含有されており、該ビーズを用い実
質的に酸化カルシウムを含まない高純度アルミナを粉砕
することにより数ppm〜数十ppmの汚染が見られる
ことは珍しくない。
【0016】粉砕媒体としてジルコニア製のビーズを用
いる場合には、該粉砕、或いは粉砕機による混合過程で
粉砕媒体としてのジルコニア製ビーズから磨耗した酸化
ジルコニウムが砕料であるアルミナ中に混入する。本発
明において添加物である酸化ジルコニウムはかかるジル
コニア製ビーズからの混入物でもよく、混入量は予備実
験により推定することが可能である。この方法での酸化
ジルコニウムの添加、混合は酸化カルシウムの混入もな
く、かつアルミナ中に充分な均一分散ができているため
か、特に効果的である。
【0017】該粉砕機によるアルミナ粉末の処理時間は
粉砕処理に適用する装置、粉砕媒体、粉砕条件等により
一義的ではないが、一般に約10分〜約50時間、好ま
しくは約30分〜約10時間程度である。粉砕処理後の
アルミナ組成物の平均粒子径はマイクロトラック測定法
による粒子径で、少なくとも1μm以下、好ましくは
0.8μm以下程度で、1μm以上の粒子が30重量%
以下である。湿式粉砕処理後のスラリーはろ過、乾燥さ
れる。ろ過、乾燥方法は特に制限されないが、スプレー
ドライ法が推奨される。スプレードライに際し、ポリカ
ルボン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩等の粘度調製剤や
ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂
等のバインダー、更にはワックス、ステアリン酸等の潤
滑剤、グリセリン、エチレングリコール等の可塑剤等を
同時にスラリー中に添加、混合することも可能である。
また酸化マグネシウムや酸化ジルコニウム原料が液状の
場合にはこの段階で添加、混合し調製してもよい。
【0018】このようにして得られた酸化マグネシウ
ム、酸化ジルコニウム或いはこれら酸化物となる化合物
を含有するアルミナ粉末は所望形状に成形し得る。成形
方法は、公知の方法であればよく、例えばプレス成形、
押出し成形、射出成形、鋳込み成形等の方法が挙げられ
る。
【0019】得られた成形体は次いで空気中800〜1
200℃で仮焼し、透光性に悪影響を及ぼすと思われる
成形助剤や水等の不純物を除去した後、真空中または水
素雰囲気中1600℃〜1950℃で焼成すればよい。
最適焼成条件は用いる焼成炉の種類や容量、成形体の成
形方法、成形体の形状、大きさ等により一義的でないの
で、焼成に際し予備実験により決定すればよい。
【0020】以上の本発明方法により得られた焼結体
は、原料として使用したマグネシウム及びジルコニウム
および原料中に存在するカルシウムとも、実質的に減少
しておらず、原料物中に存在したアルミナ粉末100重
量部に対し、酸化マグネシウムまたは仮焼により酸化マ
グネシウムを形成するマグネシウム化合物をMgO換算
で0.01重量部を越え、0.03重量部未満と、酸化
ジルコニウムまたは仮焼により酸化ジルコニウムを形成
するジルコニウム化合物をZrO2 換算で0.01重量
部を越え、0.06重量部未満、並びにアルミナ粉末中
のCaO換算で0.001重量%未満の酸化カルシウム
または仮焼により酸化カルシウムを形成するカルシウム
化合物は、焼成後のアルミナ焼結体中に該酸化アルミニ
ウムに対し、0.01重量%を越え、0.03重量%未
満の酸化マグネシウム、0.01重量%を越え、0.0
6重量%未満の酸化ジルコニウムおよび0.001重量
%未満の酸化カルシウムとして残存する透光性ならびに
機械的強度の優れた多結晶アルミナを形成している。
【0021】
【発明の効果】以上詳述した本発明の、酸化アルミニウ
ムに対し、0.01重量%を越え、0.03重量%未満
の酸化マグネシウム、0.01重量%を越え、0.06
重量%未満の酸化ジルコニウムおよび0.001重量%
未満の酸化カルシウムを含有してなる多結晶アルミナは
平均粒子径が約10μm〜約40μmの範囲で実質的に
異常成長した粒子のない均一な組織を有するもので、極
めて優れた透光性と機械的強度を有する焼結体を得るこ
とができ、ナトリウム放電ランプ用アーク管等の光学的
用途に於いて特に有効でありその工業的価値は頗る大で
ある。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、実施例は本発明の一実施態様を示すものであ
り、これにより本発明が制約されるものではない。尚、
実施例に於いて特に断らない限り、部、%は重量部、重
量%である。
【0023】実施例1 原料として純度99.99%(酸化カルシウム含量2p
pm以下)、平均粒子径0.8μm、1μm以上の粒子
の割合が31重量%、BET比表面積4.5m 2 /gの
有機アルミニウム加水分解法により得られたα−アルミ
ナ100部と水43部、有機分散剤(ポリカルボン酸ア
ンモニウム)0.5部を攪拌機で混合し、ダイノミル
〔内容量1.4リットル、ウィリー、エー、バフォーヘ
ン社(Willy A.Bachofen AG)製〕で湿式粉砕した。粉砕
媒体としては0.6mmφのジルコニア製ビーズ4kg
を用いた。粉砕後得られたアルミナ粉末はBET比表面
積4.6m2 /gで、平均粒子径0.7μm、1μm以
上の粒子の割合が17%で、0.04%の酸化ジルコニ
ウムを含有していた。
【0024】次いで湿式粉砕により得られたアルミナ粉
末に硝酸マグネシウムをMgO換算で0.02%添加し
スプレードライ法により顆粒とした。得られた顆粒を
1.5t/cm2 の荷重で厚さ1.5mm、直径20m
mのペレットにプレス成形した後、電気炉で空気中90
0℃、3時間仮焼後、水素雰囲気炉で1800℃、6時
間焼成した。得られた焼結体の組成を分析した結果、酸
化マグネシウム180ppm、酸化ジルコニウム360
ppm,酸化カルシウム2ppmであった。
【0025】得られた焼結体を両面ラッピングし、厚み
を0.85mmに調製した後、日立製作所製U−200
0スペクトロメーター(光源─ヨウ素タングステンラン
プ、検出器─シリコンフォトダイオード)を用い、光源
スポット径5.5mmφ、波長600nmの光を入射
し、透光性(直線透過率)を測定した。その結果を表1
に示す。またこの焼結体の機械的強度はJIS R16
01−1981に準拠した三点曲げ強度法で測定したと
ころ、35kg/mm2 であった。
【0026】実施例2〜6および比較例1〜8 実施例1の方法に於いて、原料アルミナの粉砕処理時の
ジルコニア製ビーズ充填量及び粉砕時間を変えることに
よりアルミナ粉末中に含有される酸化ジルコニウム量を
調製し、酸化マグネシウム量も硝酸マグネシウムの添加
量を変えることにより表1記載の原料粉末を調製した。
実施例4及び比較例3の原料粉末は硝酸マグネシウムの
添加時、硝酸カルシウムを酸化カルシウム換算で表1に
示す量添加し原料調製した。また比較例7及び8は原料
アルミナの粉砕処理時のビーズをジルコニア製ビーズか
らアルミナビーズに代えて実施した。このようにして調
製した原料粉末は実施例1と同様の方法で焼結体を得、
透光性を測定した。その結果を表1に示す。尚、実施例
3、実施例4、比較例3、比較例5及び比較例6で得ら
れた焼結体の機械的強度を測定したところ、実施例3は
35kg/mm2 、実施例4は30kg/mm2 、比較
例3は20kg/mm 2 、比較例5は15kg/m
2 、比較例6は15kg/mm2 であった。
【0027】また酸化カルシウムが焼結体組織に与える
影響を観察する目的で実施例1、実施例4および比較例
3の焼結体組織を示す顕微鏡写真を撮影した。結果を図
1(実施例1)、図2(実施例4)、及び図3(比較例
3)として示す。
【0028】実施例7 実施例1の方法に於いて粉砕媒体としては0.6mmφ
のジルコニア製ビーズに代え、2mmφの高純度アルミ
ナボールを用い粉砕した。粉砕後得られたアルミナ粉末
はBET比表面積4.7m2 /gで、平均粒子径0.7
μm、1μm以上の粒子の割合が28%であった。
【0029】次いで湿式粉砕により得られたアルミナ粉
末にZrOCl2 溶液をZrO2 換算で0.04%添
加、Mg(NO3 2 溶液をMgO換算で0.02%添
加し、スプレードライ法により顆粒とした。得られた顆
粒を1.5t/cm2 の荷重で厚さ1.5mm、直径2
0mmのペレットにプレス成形した後、電気炉で空気中
900℃、3時間仮焼後、水素雰囲気炉で1800℃、
6時間焼成した。得られた焼結体の組成を分析した結
果、酸化マグネシウム180ppm、酸化ジルコニウム
360ppm,酸化カルシウム3ppmであった。得ら
れた焼結体を両面ラッピングし、厚みを0.85mmに
調製した後、波長600nmの光を入射し、透光性(直
線透過率)を測定した。その結果を表1に示す。尚、得
られた焼結体の機械的強度は35kg/mm2 であっ
た。
【0030】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明組成を有する多結晶アルミナ焼結体組織
を示す顕微鏡写真である。
【図2】酸化カルシウムを7ppm含む多結晶アルミナ
焼結体組織を示す顕微鏡写真である。
【図3】酸化カルシウムを14ppm含む多結晶アルミ
ナ焼結体組織を示す顕微鏡写真である。
【符号の説明】
符号なし。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】本発明組成を有する多結晶アルミナ焼結体組織
(セラミック材料の組織)を示す図面に代わる写真(倍
率;200倍)である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】酸化カルシウムを7ppm含む多結晶アルミナ
焼結体組織(セラミック材料の組織)を示す図面に代わ
る写真(倍率;200倍)である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】酸化カルシウムを14ppm含む多結晶アルミ
ナ焼結体組織(セラミック材料の組織)を示す図面に代
わる写真(倍率;200倍)である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化アルミニウムと、該酸化アルミニウ
    ムに対し、0.01重量%を越え、0.03重量%未満
    の酸化マグネシウム、0.01重量%を越え、0.06
    重量%未満の酸化ジルコニウムおよび0.001重量%
    未満の酸化カルシウムからなることを特徴とする透光性
    多結晶アルミナ。
  2. 【請求項2】 純度99.9%以上を有し、酸化カルシ
    ウムまたは仮焼により酸化カルシウムを形成するカルシ
    ウム化合物含量がCaO換算で0.001重量%未満で
    あり、かつ粉末の平均粒子径が1μm以下のアルミナ粉
    末100重量部に対し、酸化マグネシウムまたは仮焼に
    より酸化マグネシウムを形成するマグネシウム化合物を
    MgO換算で0.01重量部を越え、0.03重量部未
    満と、酸化ジルコニウムまたは仮焼により酸化ジルコニ
    ウムを形成するジルコニウム化合物をZrO2 換算で
    0.01重量部を越え、0.06重量部未満の量範囲で
    加えて成形し、空気中800〜1200°Cで仮焼した
    後、真空中または水素雰囲気中1600°C〜1950
    °Cで焼成することを特徴とする請求項1記載の組成を
    有する透光性多結晶アルミナの製造方法。
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