JP2003089578A - 透光性希土類酸化物焼結体及びその製造方法 - Google Patents

透光性希土類酸化物焼結体及びその製造方法

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JP2003089578A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 Al含有量が金属換算で5〜100wtppmで、Si
含有量が金属換算で10wtppm以下の純度99.9%以上の高純
度希土類酸化物原料粉末とバインダーとを用いて、成形
密度が理論密度比58%以上の成形体を作製する。熱処理
によりバインダーを除去した後に、水素希ガスあるいは
これらの混合雰囲気中、もしくは真空中で、1450℃以上
1700℃以下で0.5時間以上焼結し、一般式がR2O3(RはY,
Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Luからなる群の少なくとも一員の
元素)で表わされる透光性希土類酸化物焼結体とする。 【効果】 波長500〜6μmにおいて、1mm厚での直線
光透過率が80%以上の焼結体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、R2O3(RはY, Dy, H
o, Er, Tm, Yb, Luからなる群の少なくとも一員の元素)
で表わされる透光性希土類酸化物焼結体、及びその製造
方法に関する。本発明の焼結体は、例えば赤外透過窓
材、偏光板、放電ランプ用エンベロープ、光学部品、レ
ーザー発振子として好適に使用される。
【0002】
【従来の技術】一般式R2O3(RはY,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Luか
らなる群の少なくとも一員の元素)で表わされる希土類
酸化物は、その結晶構造が立方晶であり複屈折が無い。
そのため、気孔や不純物の偏析を完全に除去する事によ
り、透光性に優れた焼結体を得ることが可能である。
【0003】中でもイットリア(Y2O3)は、希土類酸化物
中最高の融点2415℃を有し、耐熱性、耐アルカリ性に優
れており、赤外領域で高い透光性を示す事が知られてい
る。更に高い熱伝導率を有するため、固体レーザー用ホ
スト材料としても期待されている。しかしながら、その
融点が極めて高い上、2280℃付近で相転移(立方晶と六
方晶)を生じるため、既存の単結晶合成技術では光学的
に優れた大型結晶を合成することは困難である。一方、
セラミックス(多結晶体)は、融点以下の比較的低い温度
での合成が可能であるため、従来より赤外用高温窓材、
放電ランプ用エンベロープ、耐食部材等に適用すべく検
討が盛んに行なわれている。
【0004】希土類酸化物に限らず、透光性焼結体の作
製においては、焼結の際、粒成長による気孔の排出を上
手く行なえるかどうかが最も重要であり、粒成長速度を
制御すべく焼結助剤を添加する手法が一般的である。従
来より多数報告されているイットリアの製造方法に関し
ても、その多くは焼結助剤を添加した手法である。
【0005】焼結助剤を用いた透光性イットリア焼結体
の製造方法としては、以下のものが知られている。 (1) ThO2を添加して水素中2100℃以上で焼結する
方法(Ceramic BulletinVol.52,No5(1973)),(2) AlF3
添加したY2O3粉末を真空ホットプレスで焼結する方法
(特開昭53-120707),(3) 同様にLiF又はKFを添加してホ
ットプレスする方法(特開平4-59658),(4) La2O3やAl2O
3を添加して低O2雰囲気中で焼結する方法(特開昭54-179
11,特開昭54-17910)。
【0006】(1)の手法においては、比較的透明度の高
い焼結体が得られるものの、入手及び取り扱いが容易で
ない放射性のトリアを焼結助剤として添加している。更
に高温で長時間焼結を行なうため、平均粒子径は100μ
m以上と非常に大きく、その材料強度は極めて低い。従
って民生品としての実用には不適である。(2)のホット
プレス法では、比較的低温での焼結が可能であるもの
の、可視部での直線光透過率は60%程度のものしか得ら
れない。
【0007】(3)の手法では、1500℃以上でホットプレ
ス処理を行なうことにより、波長2μm以上の赤外領域
で直線光透過率が80%程度の焼結体が作製可能である。
可視部での透過率は明記されておらず不明であるが、焼
結助剤として添加されている弗化物は低融点物質(LiF:8
42℃,KF:860℃)であり、焼結過程において蒸発し、試料
の外周部と内部で粒成長速度に差が生じるため、肉厚試
料の場合には均一な焼結体を作製することは困難と推定
される。また真島らによれば(日本金属学会誌第57巻10
号(1993)1221-1226)、LiFを助剤としてホットプレスし
た場合、添加量を最適化しても試料中心部にフッ素が残
留し、試料の外周部と比較してその透過率は低くなるこ
とが述べられている。従って弗化物を焼結助剤として用
い、大型、肉厚焼結体を作製することは容易ではない。
【0008】(4)のLa2O3を添加する手法では、その添加
量が約6〜14モル%と多く、固溶できないLa2O3が偏析層
を生成し易く(例えばJournal of Materials Science 24
(1989)863-872)、光学的に均一な焼結体を作製すること
は容易ではない。また、Al2O3を添加する手法では、そ
の添加量を0.05wt%〜5wt%とし、Y4Al3O9とY2O3との間の
共晶温度(1920℃)以上で液相焼結により緻密体を作製し
ている。しかしながら、高温で焼結を行なっているにも
かかわらず、得られる焼結体の透過率は、理論透過率に
対して最大でも80%に留まっている。
【0009】一方、焼結助剤を添加しないイットリアの
製造方法としては、特許第2773193や特開平6-211573に
よるものがある。特許第2773193では、BET値10m2/g以上
のイットリア粉末をホットプレスして、理論密度比95%
以上に緻密化した後に、HIP処理を行なう。これにより
得られる焼結体の透過率は、波長3〜6μmの赤外領域で
は80%程度と良好であるが、0.4〜3μmの波長域では平
均で75%程度に留まっている。HIP処理を行なっているに
も関らず、短波長域での透光性が不充分なのは、出発原
料としてハンドリングの困難な超微粉を用いているた
め、ホットプレスにより表面は緻密化したとしても、試
料内部にはHIP処理を行なっても除去出来ない大きな空
隙を含みやすいためであると推測される。
【0010】また特開平6-211573の手法では、平均粒径
が0.01〜1μmの易焼結性原料粉末をCIP成形した後
に、1800℃以上で真空焼結若しくは1600℃以上でHIP処
理を行なうことにより透明体を作製している。この手法
により得られる焼結体は、可視領域における平均直線光
透過率が80%以上と高く、発光元素を添加することによ
りレーザー発振可能な焼結体が作製可能であると記され
ている。しかしながら、透明度の高い試料を作製するた
めには、真空焼結及びHIP処理の何れの場合においても2
000℃前後の高温で焼結を行なう必要があり、工業的に
連続生産を行なう場合、焼結炉の劣化が激しく維持が大
変である。更に、波長が短くなるにつれて透過率の低下
が著しく(波長1000nmから400nmでは10%以上低下)、可視
部の透光性を重視する光学部材への適用は不適である。
【0011】ところで、従来法において使用されている
希土類酸化物原料粉末は、一般には蓚酸塩を母塩とした
ものであるが、これを仮焼して得られる原料粉末は粒度
分布が不均一であり、凝集の激しい二次粒子から構成さ
れている。そのため成形によるパッキングが充分とれ
ず、緻密体を作製することは容易でない。近年、この点
を改善すべく易焼結性原料粉末を用いた低温焼結による
透明体作製法も開示されている(例えば、特開平9-31586
5、10-273364、11-189413 、11-278933)。
【0012】これらの手法においては、炭酸塩を母塩に
用い、これを仮焼して得られる比較的粒度分布が均一
で、凝集の少ない粉末を出発原料として用いることによ
り焼結体を作製している。しかしながら、これらの手法
において得られる焼結体の可視部での直線光透過率は、
最高でも70%程度であり、理論透過率(≒82%)と比較する
と単結晶に匹敵する透明体とは言い難い。
【0013】以上に、既存の透光性イットリアの製造方
法を述べたが、可視部から赤外領域に渡って単結晶と同
等の優れた透光性を有する焼結体を、工業的に容易に製
造する手法は皆無である。また、イットリア以外の希土
類元素を用いた透光性希土類酸化物焼結体は、希土類元
素が比較的高価であること、更に特定の用途が見出せな
いことから、製造条件がイットリアの場合とほとんど同
じであるにも関らず、それらに関する報告はほとんど認
められない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工業的に実
用可能な手法により、可視部から赤外領域に渡って良好
な透過率を示す希土類酸化物焼結体、及びその製造方法
を提供することを目的とする。
【0015】
【発明の構成】本発明の透光性希土類酸化物焼結体は、
一般式がR2O3(RはY, Dy, Ho, Er, Tm,Yb, Luからなる群
の少なくとも一員の元素)で表わされ、波長500nmから6
μmにおける、特異吸収波長以外での、直線光透過率が
焼結体1mm厚で80%以上であり、焼結体中のAlの含有量が
金属換算で5wtppm以上、100wtppm以下である。5wtppm以
上のAlは、焼結体を緻密化し、特に気孔を完全に除去し
て80%以上の直線光透過率を得るために必要である。100
wtppmを越えるAlは、粒界にAlが偏析して異相が析出す
る原因となり、直線光透過率を低下させる。
【0016】焼結体の平均粒径が大きいと、同じAl含有
量でも異相が粒界に析出しやすくなるので、焼結体の平
均粒径は2μm以上20μm以下が好ましい。Siは焼結体
の平均粒径を大きくするので、平均粒径を2〜20μmと
するため、焼結体中のSi量を金属換算で10wtppm以下と
することが好ましい。本発明では、5〜100wtppmのAlに
より焼結体の透明度を向上させ、従来技術のように、Ca
OやMgOにより透明度を向上させるのではない。このた
め、CaO含有量やMgO含有量は5wtppm未満が好ましい。Ca
OやMgOがY2O3中に固溶すると、焼結体が着色しやすくな
る。これは、+3のYイオンと+2のCaやMgイオンとの電荷
の差のため、光吸収の原因となる欠陥が生じやすくなる
ためと思われる。
【0017】また、本発明の透光性希土類酸化物焼結体
の製造方法では、Al含有量が金属換算で5〜100wtppm
で、Si含有量が金属換算で10wtppm以下であり、かつ純
度99.9%以上の高純度希土類酸化物原料粉末を用いて、
成形密度が理論密度比58%以上の成形体を作製し、熱処
理により脱バインダー処理を行なった後に、水素、希ガ
スあるいはこれらの混合雰囲気中、もしくは真空中で、
1450℃以上1700℃以下の温度で0.5時間以上焼結する。
この方法によって、波長500nmから6μmにおける、特異
吸収波長以外での、直線光透過率が焼結体1mm厚で80%以
上の焼結体を得ることができる。焼結体の平均粒径は2
〜20μmが好ましく、焼結体の粒界でのAl含有の異相の
析出が実質的にないようにすることが好ましく、焼結体
中のCaOやMgOが5wtppm未満となるように、原料粉末や成
形工程を管理することが好ましい。なお以下では、Al含
有量やSi含有量は金属換算で示す。
【0018】
【発明の作用と効果】本発明者らは、前記課題を解決す
るため種々検討を行なった結果、波長500nmから6μmの
領域に渡って、特異吸収波長以外での直線光透過率が1m
m厚みで80%以上の希土類酸化物焼結体を作製できること
を見出した。そのためには、原料の純度、Al含有量、成
形体密度を管理した成形体を、熱処理による脱バインダ
ー処理を行なった後に、水素、希ガスあるいはこれらの
混合雰囲気中もしくは真空中で、1450℃以上1700℃以下
の温度で、0.5時間以上焼結すれば良い。
【0019】本発明における希土類酸化物の焼結におい
ては、極微量(金属換算で5wtppm〜100wtppm)のAlが焼結
助剤として大きな効果を発揮している。なおこの明細書
中で、AlとSiの含有量は特に記さない限り、金属換算の
重量比で表す。また成形体の密度は、理論密度との比で
示す。
【0020】従来技術の項で述べた様に、焼結助剤を添
加する手法は種々開示されているが、これらはほとんど
全ての場合において、助剤が粒界に偏析して粒界の移動
速度を減少させることにより、粒成長速度を制御し緻密
化を行なっている。本発明における、Alを極微量含有し
た場合の、焼結による緻密化機構の詳細に関しては不明
であるが、焼結体の平均粒径が2μm〜20μm程度の範
囲においてのみ緻密化促進剤としての効果を発揮し、そ
れ以上ではAlを含有する異相を生成する。
【0021】すなわち、焼結温度が1450℃未満の場合、
Alの有無に関係なく、粒成長による緻密化が充分進行し
ないため、不透明若しくは半透明の焼結体しか得られな
い。通常この場合の平均粒径は2μm未満である。焼結温
度が1450℃以上1700℃以下で、Al含有量が5〜100wtpp
m、及び成形体密度が理論密度比58%以上である場合に
は、使用原料の焼結性にもよるが、得られる焼結体の平
均粒径は2〜20μmの範囲にあり、透光性に優れた焼結
体が得られる。またAl含有量が5wtppm未満の試料を同様
に焼結した場合、その平均粒径はやはり2〜20μm程度
であるが、得られる焼結体は半透明体若しくは不透明体
である。
【0022】一方、Alを100wtppmを超えて含有する試料
の場合には、それ以下の場合と比較して粒成長してお
り、その平均粒径は大きくなっている。しかしながら、
得られる焼結体はAl含有量が5wtppm未満の場合と同様
に、半透明体若しくは不透明体である。焼結助剤として
のAlは、その量が5〜100wtppmの範囲においては緻密化
促進剤として作用しており、その場合においてのみ良好
な透明体が得られる。しかしながら、100wtppmを超える
場合には主として粒成長促進剤として作用しており、気
孔の排出が十分行なえないため、満足な透明体が得られ
ない。
【0023】一方、1700℃を越える温度で焼結を行なっ
た場合、Alの有無に関らず粒成長が著しく進行するた
め、気孔の排出が充分行われず、充分な透光性を有する
焼結体を作製することは容易ではない。この場合の平均
粒径は例えば25μm以上である。1700℃を越える焼結温
度においては、Alの含有量が5〜100wtppmの極微量で
も、粒界にAlの偏析相が生じる。Alの析出は焼結体の平
均粒径に依存しており、20μm以下の場合は如何なる焼
結雰囲気においても析出は認められない。しかしなが
ら、焼結体の平均粒径が20μmを超えると、粒界にAlの
偏析が生じ始め、平均粒径が30μm以上になるとその現
象は顕著になる。
【0024】従って、Alは含有量が5〜100wtppmでのみ
緻密化促進剤としての効果を発揮し、析出の生じない14
50℃以上1700℃以下の温度範囲で、かつ平均粒径が2μm
以上20μm以下となる様に焼結された場合のみ、透光性
に優れた焼結体を作製することができる。ただし、極微
量のAlによる緻密化促進効果を充分発揮し、透光性に優
れた焼結体を作製するためには、原料中に含まれるSi量
を厳密に管理する必要があり、その量を10wtppm以下と
すると共に、更に成形体密度を理論密度比58%以上とし
ておく必要がある。
【0025】通常市販されている希土類元素として99.9
%以上の高純度希土類酸化物粉末中に含まれる不純物
は、各元素毎に見ると数wtppm程度であり、多くても10w
tppm程度に満たない。例えばCaOやMgOは含有量が5wtppm
以下である。しかしながら、Siは10wtppm程度含まれる
場合が多く、多い場合には数十wtppm以上含まれてい
る。これは希土類原料を仮焼する際に使用する匣鉢が通
常は石英製で、付着水が石英容器と僅かに反応し、Siが
原料粉体中に混入するためである。また反応槽がガラス
やグラスライニング製であったり、沈殿剤中にSiが含ま
れる場合があるためである。なお高純度希土類原料中で
の、不純物としてのAl濃度は5wtppm未満である。焼結体
の製造過程でのAlの意図しない混入は、原料粉末の粉砕
にアルミナボールではなくナイロンボールなどのプラス
チックボールを用いる、仮焼に高純度のアルミナ坩堝な
どを用い坩堝の反応性を低下させることにより、防止で
きる。これらにより、意図的にAlを添加しない場合、焼
結体中のAl濃度は5wtppm未満にできる。
【0026】Siは、粒界に液相を生成し粒成長を促進す
るため、その量が多いと微量のAlによる緻密化促進効果
を打ち消してしまう。そのため、使用する希土類酸化物
原料粉末に含まれるSiは10wtppm以下とし、好ましくは5
wtppm以下とする。原料中に含まれるSiは、そのほとん
どが仮焼用匣鉢から混入しており、例えば仮焼にアルミ
ナ製坩堝等を使用することにより、Si量の低い原料を得
ることが可能である。またイオン交換水や蒸留水からも
Siが混入することがあり、好ましくは超純水などを用い
る。なおアルミナ製坩堝は、例えば99%アルミナなどの
高純度アルミナ坩堝を用い、坩堝からのAlの混入を防止
することが好ましい。
【0027】本発明では、内部に大きな気泡や空隙を含
まない均質で高密度の成形体を作製する必要がある。一
般的な透光性セラミックスは、融点より100℃〜300℃程
度低い温度で焼結され、その平均粒径は50μm程度若し
くはそれ以上である。すなわち成形体内部の空孔を粒成
長により排出するため、空孔の多い(成形体密度の低い)
成形体を焼結する際には、著しく粒成長させることによ
り緻密体を作製している。一方、本発明における焼結体
はAlの析出が生じない1700℃以下の比較的低温で焼結さ
れ、その平均粒径は20μm以下と比較的小さい。従って
過度の粒成長による気孔の排出効果を期待せず、透光性
に優れた焼結体を作製するためには、均質で高密度な成
形体を作製し、焼結する必要がある。
【0028】成形密度が58%未満の成形体内部には、パ
ッキングが不充分なため大きな空孔が多数存在してお
り、このような成形体を1700℃以下の低温で充分緻密化
させることは容易ではない。一方、成形密度が58%以上
の成形体は比較的その内部の空孔が少なく、低温でも充
分緻密化させることは可能である。従って波長500nmか
ら6μmの領域に渡って、特異吸収波長以外での直線光透
過率が1mm厚みで80%以上の、透光性に優れた焼結体を作
製するためには、その成形密度を58%以上とする必要が
あり、好ましくは60%以上とする。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に実施例の焼結体とその製造
方法を説明する。焼結体の作製には、純度99.9%以上の
高純度易焼結性原料粉末で、Si含有量が10wtppm以下の
ものを使用する。一般に各種希土類原料は、複数の希土
類元素を含む鉱石から溶媒抽出法により分離精製され、
蓚酸塩の沈殿を仮焼することにより作製されている。そ
のため、十分な分離精製が行われていない原料粉末に
は、主成分以外の希土類元素が含まれている場合があ
る。不純物として含まれる希土類元素は、場合によって
はその元素特有の吸収を示し焼結体が着色する恐れがあ
り好ましくない。またFe等の遷移元素も同様に着色源と
なるため好ましくない。従って、出発原料は充分精製さ
れたものを選択する必要がある。ただし、レーザー発振
子材料の場合は、NdやYb等のレーザー活性元素を添加
し、着色ガラス等の場合は着色元素を添加する。
【0030】原料粉末の焼結性は母塩に依存し、例えば
イットリウムの場合、焼結性は一般的には、(1)炭酸
塩、(2)水酸化物、(3)蓚酸塩、(4)アンモニウム硫酸
塩、(5)硫酸塩の順となる(例えば、L.R.Furlong,L.P.Do
mingues,Bull.Am.Ceram.Soc,45,1051(1966)による)。し
かしながらこれらの母塩の種類は特に限定されるもので
はなく、入手しやすいものを使用すれば良い。
【0031】また使用する原料粉末の一次粒子径につい
ても特に限定されるものではなく、成形、焼結プロセス
に適合したものを選択すれば良い。すなわち、超微粉は
焼結活性が高く比較的低温でよく緻密化するものの、ハ
ンドリングが容易でないばかりか、凝集粒子が多く成形
密度を高くすることが容易ではない。また粗粒の場合、
パッキングは容易なものの焼結活性が低く、低温で緻密
化させることは出来ない。従って、焼結性、パッキング
性及びハンドリング性の容易さの観点から、使用原料の
比表面積は3〜12m2/g程度が好ましく、4〜10m2/g程度の
ものがより好ましい。更には、凝集が少なく粒度分布の
均一なものを使用するのが最も好ましい。
【0032】次に前記希土類酸化物原料粉末を用いて、
所望の形状の成形体を作製する。セラミックスの成形方
法としては、押し出し成形、射出成形、プレス成形や鋳
込み成形等が挙げられる。実施例においては特に何れか
の手法に限定されるものではなく、成形密度が58%以上
となり不純物の混入が少ない手法により行なえば良い。
またこの際、必要に応じて焼結助剤のAlを各種成形法に
応じ均一に分散する様に添加する。例えば、プレス成形
の場合であれば、顆粒作製用スラリー中に適量のAlを添
加し、ボールミル等により充分混合した後にスプレード
ライヤ等により乾燥し、成形用顆粒とすれば良い。
【0033】Alの添加時期に関しては、成形体中に均一
に分散させることが可能であれば特に限定されるもので
はなく、例えば原料合成段階や仮焼段階で添加しても問
題ない。極微量のAlでその効果を充分発揮させるには、
原料中に混合させておくのが最も好ましい。
【0034】またその添加形態については特に限定され
るものではなく、例えば成形段階で混合するのであれ
ば、アルミナゾルやAl2O3粉末、R3Al5O12(RはY, Dy, H
o, Er,Tm, Yb, Lu)粉末等のアルミニウム化合物を適量
添加すれば良い。また原料合成時に添加する場合には、
塩化アルミニウムや水酸化アルミニウム等で添加すれば
良い。添加剤の純度に関しては、その添加量が微量であ
るため特に限定されるものではないが、原料粉末同様、
高純度なものを使用するのが好ましい。また粉末で添加
する場合には、その大きさは原料粉末の一次粒子径と同
程度、若しくはそれ以下のものを使用するのが好まし
い。
【0035】得られた成形体は、熱分解による脱バイン
ダー処理を行なう。この際の処理温度、時間、雰囲気は
添加した成形助剤の種類により異なるが、試料の表面が
閉空孔化してしまうと脱バインダーが困難となる。その
ため表面の閉空孔化しない温度以下で充分時間をかけて
行なう。この温度は、使用原料粉末の仮焼温度や焼結
性、及び成形体のパッキングにもよるが、通常900℃〜1
400℃程度であり、それ以下の温度で行なうのが好まし
い。また雰囲気は酸素雰囲気が最も一般的であるが、必
要に応じ加湿水素やAr、若しくは減圧下で行なっても問
題ない。
【0036】脱バインダー処理終了後、試料を水素、希
ガスあるいはこれらの混合雰囲気もしくは真空中で、14
50℃以上1700℃以下の温度で0.5時間以上焼結する。ま
た、脱バインダー終了後の試料を、一次焼結により閉空
孔化した後にHIP焼結することも有効である。焼結時間
は全体を均一に焼結するためには0.5時間以上必要であ
り、それ以上であれば特に限定されるものではない。焼
結雰囲気や試料の厚みにもよるが、通常1〜5mm程度の試
料厚みであれば、2時間から10時間程度の焼結で充分で
ある。また加圧焼結の場合には、0.5時間から2時間程
度で充分である。
【0037】
【実施例】以下に実施例を説明するが、本発明はこれら
に限定されるものではない。実施例1 特開平11-157933の手法に基づき、平均一次粒子径0.3μ
m、純度99.9%以上、Si3wtppmのY2O3原料粉末を作製し
た。即ち、イットリウムの硝酸塩水溶液と尿素の水溶液
と硫酸アンモニウムの水溶液とを混合して、イットリウ
ム:尿素:硫酸アンモニウムがモル比で1:6:1とし、オ
ートクレーブ中125℃で2時間水熱反応させ、イットリ
ウムの炭酸塩を得た。得られた炭酸塩を純水で洗浄し、
乾燥した。次にこの乾燥粉をアルミナ坩堝で大気雰囲気
中1200℃で3時間仮焼して、原料粉とした。
【0038】この原料2kgに対して可塑剤のセラミゾー
ルC-08(日本油脂製、セラミゾールは商品名)60g、バイ
ンダーとしてメチルセルロースを300g添加し、原料粉末
に対してAl金属換算で50wtppm相当のアルミナゾル(日産
化学製)を焼結助剤として添加し、純水4kgを加えナイロ
ンポット及びナイロンボールを用いて、100時間ボール
ミル混合した。このスラリーを加熱濃縮して、押出し可
能な粘度とした後、3本ロールミルを5回通して生地の
均一性を向上させた。こうして得られた生地を、押出し
機を用いて60mm×200mm×3mmに成形した。
【0039】この成形体を充分に乾燥した後、20℃/hr
で600℃まで昇温し、この温度で20時間保持して脱脂し
た。この成形体の密度は、アルキメデス法により測定す
ると、59.8%であった。脱脂を充分に行なうために、こ
の成形体を更に1200℃まで昇温し、10時間保持した。そ
の後、真空炉にて1650℃の温度で8時間焼結した。この
際、昇温速度は1200℃までは300℃/hr、それ以上は50℃
/hrとし、炉内の真空度は10-1Pa以下とした。
【0040】得られた焼結体は、両面をダイヤモンドス
ラリーを用いて鏡面研磨を行ない、分光光度計にて直線
光透過率を測定した。その結果、波長500nm及び800nmで
の直線光透過率はそれぞれ80.6%,82.1%(試料厚み1mm)で
あった。また赤外領域における透過率は、波長3μm及
び6μmでそれぞれ83.2%,84.1%であった。
【0041】この試料を、大気中1500℃にて2時間サー
マルエッチングを行ない、微構造を光学顕微鏡にて観察
した結果、平均粒径は12.6μmであった。ここで平均粒
径は、SEM等の高分解能画像上で任意に引いた線の長さ
をCとし、この線上の粒子数をN、倍率をMとして、平均
粒径=1.56C/(MN) として求めた。また、アルキメデス
法により焼結体の密度を求めた結果、理論密度比99.97%
であった。なおこの焼結体をオートクレーブにより溶解
後、ICP法によりAl及びSi量を求めた結果、Alが47wtpp
m,Siが3wtppmであった。
【0042】実施例2〜7 実施例1と同様にして、各種希土類酸化物焼結体を作製
した。全ての試料において、使用した原料純度は希土類
元素として99.9%以上、Si10wtppm以下であり、成形密度
は58%以上であった。焼結条件、Al含有量及び1mm厚みで
の直線光透過率、平均粒径を表1に示す。直線光透過率
の測定波長はYb2O3及びLu2O3は500nmとしたが、他の焼
結体については固有吸収の影響の無い波長を選択して測
定した。
【0043】
【表1】 表1 実施例2〜実施例7 焼結温度/℃ Al量 平均粒径 直線光透過率% ×時間/h /wtppm /μm (測定波長/nm) 実施例2 :Dy2O3 1675× 8 90 16.9 81.2 (600) 実施例3 :Ho2O3 1625× 5 64 7.7 80.3 (580) 実施例4 :Er2O3 1625×10 31 9.0 80.5 (600) 実施例5 :Tm2O3 1650× 7 25 13.2 81.1 (575) 実施例6 :Yb2O3 1650× 7 10 10.8 80.9 (500) 実施例7 :Lu2O3 1680×10 52 19.3 81.5 (500)
【0044】なお実施例1〜7により作製した焼結体の
直線光透過率を測定した結果、波長1μm以上6μmにお
いては全ての場合において82%以上であった(ただし、固
有の吸収波長を除く)。これらの結果から、実施例によ
り、可視部から赤外領域に渡って優れた透光性を有する
焼結体の作製が可能であることが判る。
【0045】比較例1〜5 特開平11-157933の手法に基づき、Y2O3原料粉末を作製
した。原料粉末の仮焼には石英製匣鉢を用い、匣鉢中で
のサンプリング位置を変えることにより、Si含有量の異
なる原料粉末を得た。ただし比較例1と比較例5に使用
した原料の仮焼には高純度アルミナ製匣鉢を使用した。
得られた原料粉末を用い、実施例1と同様にして、Al含
有量の異なるイットリア焼結体を作製した。原料中に含
まれるSi量、焼結体中に含まれるAl量と波長500nmでの
直線光透過率(試料厚み1mm)を表2に示す。なお成形体
密度は全ての場合において58%以上であった。
【0046】
【表2】 表2 比較例1〜比較例5 Si量/wtppm Al量/wtppm 直線光透過率/% 比較例1 3 2 63 比較例2 21 15 48 比較例3 12 30 51 比較例4 30 50 45 比較例5 3 115 57
【0047】比較例1のように、焼結体中に含まれるAl
量が少ない場合には、その効果が充分発揮されないた
め、平均粒径は11μmとほぼ実施例1と同程度であるに
もかかわらず、透光性は高くない。また比較例5より、A
l含有量が100wtppmを超える場合には、その平均粒径は3
0μmと実施例1の2倍以上であり、充分な緻密化が行わ
れず透光性は高くない。この試料をEDX(エネルギー分散
型X線分析)を装備したSEMにより観察した結果、粒界に
Alの偏析相が確認された。また逆に比較例2〜4より、焼
結体中のAl含有量が5〜100wtppm内でも、原料中に含ま
れるSi量が10wtppmを超える場合には、充分な透光性が
得られないことが判る。従ってこれらの比較例より、透
光性に優れた焼結体を作製するためには、原料中に含ま
れるSi量、焼結体中に含まれるAl量を厳密に管理する必
要があることが判明した。
【0048】実施例8,9,10,比較例6,7,8 純度99.9%以上Si3wtppmで一次粒子径0.35μmのEr2O3
料粉末を用い、成形圧力を種々変更してCIP成形を行な
い、成形密度の異なる成形体を作製し、実施例4と同様
にして焼結体を作製した。成形密度と、焼結体の波長60
0nmでの直線光透過率(t=1.0mm)を表3に示す。なお焼結
体中に含まれるAl量は全ての場合において、55〜60wtpp
mの範囲内にあった。
【0049】
【表3】 表3 成形密度と透過率 成形密度/% 透過率/% 平均粒径/μm 比較例6 49.3 − 25.2 比較例7 53.2 45.3 17.3 比較例8 57.6 67.5 18.6 実施例8 58.2 80.2 13.2 実施例9 60.5 80.6 12.7 実施例10 64.4 81.1 10.8
【0050】比較例6では、他の場合と比較して粒成長
が著しく、焼結体内部には気孔が多数残存しており、更
にAlの偏析も認められ、不透明体であり透過率の測定は
不可能であった。比較例7,8及び実施例8,9,10より、成
形密度の増加と共に透過率も上昇しており、80%以上の
透光性に優れた焼結体を得るためにはその成形密度が58
%以上必要であることが判る。
【0051】実施例11-14, 比較例9-12 原料純度99.9%以上, Si2wtppmのYb2O3原料粉末に、焼結
体中に含まれるAlが50wtppmとなるようにアルミナゾル
を添加し、実施例1と同様にして、成形密度59.5%の成
形体を作製した。この成形体を、種々異なる焼結温度に
より10時間焼結を行ない、Yb2O3焼結体を作製した。焼
結温度、及び得られた焼結体の平均粒径と、波長500nm
での直線光透過率を表4に示す。焼結温度が1450℃〜17
00℃では、平均粒径が2〜20μmで、直線光透過率は80%
以上となるが、焼結温度がこの範囲を外れると、直線光
透過率は極端に低くなる。
【0052】
【表4】 表4 焼結温度と直線光透過率 焼結温度/℃ 平均粒径/μm 直線光透過率/% 比較例9 1400 1.2 - 比較例10 1430 1.7 46.8 実施例11 1460 2.0 80.0 実施例12 1600 7.8 80.3 実施例13 1650 11.0 80.9 実施例14 1695 18.4 81.1 比較例11 1720 28.2 54.3 比較例12 1750 41.6 30.8
【0053】実施例15 易焼結性イットリア原料粉末を、特開平11-189413中の
実施例2と同様にして作製した。即ち塩化イットリウム
を純水に溶解し、冷却しながら撹拌下にアンモニア水を
ゆっくりと滴下して水酸化イットリウムを沈殿させ、次
いで硫酸アンモニウムの水溶液を加えて3時間撹拌し、
沈殿を濾過し、純水で洗浄し、乾燥させた。前駆体の水
酸化イットリウムを1100℃で仮焼し、原料粉末とした。
ただし、原料中へのSiの混入を防ぐため、原料合成はガ
ラス製ビーカーに換えてポリテトラフルオロエチレン製
容器により行ない、前駆体の仮焼にはアルミナ製匣鉢を
使用した。得られた原料粉末の純度をICP発光分析法に
より求めた結果、純度99.9%以上、Si2wtppmであった。
【0054】この粉末に、アルミナ粉末(大明化学製TM-
DAR 平均一次粒子径0.3μm,TM-DARは商品名)を添加
し、アルミナ製乳鉢により充分混合、粉砕を行なった。
この粉末をφ20mmの金型に挿入し、20MPaで一次成形を
行なった後に、250MPaの圧力にてCIP成形を行なった。
成形体中に含まれるAl量、及び成形密度を測定した結
果、それぞれ75wtppm、59.6%であった。 この成形体
を、真空炉にて100℃/hrで1650℃まで昇温し、10時間保
持した後に200℃/hrで冷却した。焼結時の真空度は10- 1
Pa以下とした。得られた焼結体を実施例1と同様に評価
した結果、波長500nmでの直線光透過率80.3%、平均粒径
14.2μmであった。
【0055】なおAlを添加しない焼結体も同様に作製し
たが、その直線光透過率は48%であり、特開平11-189413
中の実施例により得られた焼結体と、ほぼ同程度(1700
℃焼結で約45%)であった。以上により、Alを極微量含有
することにより、使用原料粉末の製法に依存せず透光性
に優れた焼結体が得られることが判る。
【0056】比較例13 実施例1で調製した酸化イットリウムの原料粉末中で
の、CaO含有量やMgO含有量は5wtppm未満であった。この
原料粉末に、アルミナゾルの代わりに、CaOを200wtppm
相当分添加し、ナイロンボールとナイロンポットとを用
いて混合し、以降は実施例1と同様にして、イットリア
焼結体を作製した。焼結体の両面をダイアモンドスラリ
ーで鏡面研磨した際の、直線光透過率は、試料厚さが1m
m、波長が500nmで、約80%であった。
【0057】実施例1のイットリア焼結体と比較例13
のイットリア焼結体を、太陽光が当たる場所に3ヶ月放
置した。実施例の焼結体を3ヶ月放置しても変化は見ら
れなかったが、比較例では1ヶ月放置で僅かに黄色に着
色し、3ヶ月では明らかに黄色く着色した。確認のた
め、CaO含有量を50wtppmとして、他は比較例13と同様
のイットリア焼結体を得たが、太陽光に当たる場所に3
ヶ月放置すると同様に黄色に着色した。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式がR2O3(RはY, Dy, Ho, Er, Tm,
    Yb, Luからなる群の少なくとも1員の元素)で表わさ
    れ、波長500nm〜6μmにおける、特異吸収波長以外で
    の、直線光透過率が焼結体1mm厚で80%以上で、Al含有量
    が金属換算で5〜100wtppmの透光性希土類酸化物焼結
    体。
  2. 【請求項2】 焼結体の平均粒径が2〜20μmである
    ことを特徴とする、請求項1の透光性希土類酸化物焼結
    体。
  3. 【請求項3】 Si含有量が金属換算で10wtppm以下で
    あることを特徴とする、請求項2の透光性希土類酸化物
    焼結体。
  4. 【請求項4】 焼結体の平均粒径が2〜20μmで、焼
    結体中の粒界にAl含有の異相の析出が実質的にないこと
    を特徴とする、請求項1の透光性希土類酸化物焼結体。
  5. 【請求項5】 CaO含有量及びMgO含有量が各5wtppm未
    満であることを特徴とする、請求項3の透光性希土類酸
    化物焼結体。
  6. 【請求項6】 前記焼結体が、レーザー活性元素を含
    むレーザー発振子材料であることを特徴とする、請求項
    3の透光性希土類酸化物焼結体。
  7. 【請求項7】 Al含有量が金属換算で5〜100wtppm
    で、Si含有量が金属換算で10wtppm以下の純度99.9%以上
    の希土類酸化物原料粉末と、バインダーとを用いて、成
    形密度が理論密度比58%以上の成形体を作製し、熱処理
    により成形体からバインダーを除去した後に、水素,希
    ガスあるいはこれらの混合雰囲気中、もしくは真空中
    で、1450℃以上1700℃以下で0.5時間以上成形体を焼結
    するようにした、一般式がR2O3(RはY, Dy, Ho, Er, Tm,
    Yb, Luの何れか1種以上の希土類元素)で表わされる透
    光性希土類酸化物焼結体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記焼結は、焼結体の平均粒径が2〜2
    0μmとなるように行われることを特徴とする、請求項
    7の透光性希土類酸化物焼結体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記焼結は、焼結体中の粒界でのAl含
    有の異相の析出が実質的にないように行われることを特
    徴とする、請求項8の透光性希土類酸化物焼結体の製造
    方法。
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