JPH0634039Y2 - 鋳造金型のキャビチ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はダイガスト製品の鋳ばり取り作業を低減する為
の金型構造に関する。

（従来技術） ダイガスト製品は鋳造サイクルが終わると、鋳ばりやビ
スケット、湯道、湯口、湯だまり、ガス抜きと共に全型
から取り出される。

前記の製品でない部分を除去する作業を鋳ばり取り作業
といい、該鋳ばり取り作業は、湯口の部分で、ビスケッ
ト、湯道を除去する作業、製品から湯だまりや大きな鋳
ばりを除去する作業と、さらに製品形状に忠実に金型分
割面や突き合わせ、中子の周囲などに生じた鋳ばりを除
去する作業とに大別して行なわれる。

一般に、前記の湯口系の除去は、製品取出し後鋳造作業
者が、鋳造サイクルのキュアリング時間中を利用して行
なわれることが多い。この場合、木ハンマ等の簡単な工
具を用いて、手作業で除去されることがあるが、これで
は次の鋳ばり取り作業に多くの工数を要するので、プレ
ス機で打抜き、そのまま使用できるようにするか、ある
いは、後の鋳ばり取り作業を最小限にするようにトリミ
ングして、この作業の能率化がはかられている。

（考案が解決しようとする課題） 次の鋳ばり取り作業は、多くの工数を必要とし、ダイガ
スト製品の価格、生産性に問題を生じるので、鋳ばり取
りは仕上り程度が使用上さしつかえない程度に最小にと
どめることが必要である。

金型自体が新しい時には、押出ピン跡は簡単に除去でき
る程度に小さな形をしているが、長年月の使用後におい
ては、押出ピン跡のたてばりの大きさが大きくなり、こ
のたてばりの除去作業に工数がかかり、鋳ばり取りをし
ないと指を怪我をするという問題があった。

本考案の目的は、押出ピン跡のたてばりの除去作業が不
要な製品を得る為のキャビチ構造を提供することであ
る。

（課題を解決する為の手段） 前記目的を達成する為に本考案では、生成品の裏面また
は目立たない所にピンで押出すことがなされる点に着目
して、押出ピン跡を包囲する突部を成形品に設ける為の
包囲溝を設けたキャビチ構造を提供する。

（実施例） 第１図には本考案に係るダイカスト製品の押出ピン跡の
断面図が示され、第２図には鋳造金型の要部断面図が示
されている。固定金型２には鋳入口36、ランナ６、キャ
ビチ８、湯だまり10がが設けられ、可動金型12には複数
個の押出ピン14〜24が設けられている。固定金型12にお
いて成形品26の内側に当接する押出ピン20・22が貫通す
る貫通孔28・30の周囲には該貫通孔28・30の各開口部を
包囲する包囲溝32・34が設けられている。

本考案に係るキャビチ８によれば、鋳入口36から充てん
された溶湯はランナ６を通ってキャビチ８及び包囲溝32
・34に充てんされる。

この結果、第１図に示す様に、成形品26に形成される押
出ピン跡のたてばり38は、成形品26に一体成形されたリ
ブ40に包囲されることとなる。前記たてばりの高さは約
１ミリメートル、リブ40の内径は約６ミリメートル、リ
ブ40の高さは約３ミリメートルであるので、大人の手の
指が入ることはない。

第３図には成形品26の押出ピン跡のたてばり38を包囲す
るリブ40が設けられてない従来例が示されており、この
従来構造においては、鋳ばり取りをしないと指を刺す等
の怪我をすることが理解できる。

（考案の効果） 本考案によれば、押出ピン跡のたてばりよりも高くなる
と共に前記押出ピンの開口部を包囲可能な突部を一体成
形する為の包囲溝をキャビチ内に設けたので、押出ピン
跡のたてばりを除去する必要がなくなる。その結果鋳ば
り取り作業が低減でき、生産性が向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る押出ピン跡の断面図。 第２図は本考案に係る金型の要部断面図。 第３図は従来の押出ピン跡の断面図。 ２……固定金型、２……可動金型、 ８……キャビチ、14〜24……押出ピン、 26……成形品、32・34……包囲溝、 38……たてばり、40……リブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】金属の射出成形における鋳造金型のキャビ
   チ構造において、離型時に成形品を押出す押出ピンの押
   出ピン跡を包囲する突部を前記成形品に設ける為の包囲
   溝を設けたことを特徴とする鋳造金型のキャビチ構造。