JPH06339386A - ジオールおよびフランの製造方法 - Google Patents

ジオールおよびフランの製造方法

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JPH06339386A
JPH06339386A JP25222393A JP25222393A JPH06339386A JP H06339386 A JPH06339386 A JP H06339386A JP 25222393 A JP25222393 A JP 25222393A JP 25222393 A JP25222393 A JP 25222393A JP H06339386 A JPH06339386 A JP H06339386A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は芳香性化学製品であるドデカハ
イドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナフト
〔2,1−b〕フランを営利効果のある方法によって製
造することを目的とする。 【作用】寄託番号ATCC20624の微生物ハイホジ
ーマ・ロセオニガー(Hyphozyma roseoniger)を利用し
てラブダン化合物を微生物学的方法を経由してドデカハ
イドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナフト
〔2,1−b〕フランへ変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】ドデカハイドロ−3a,6,6,9a−
テトラメチルナフト〔2,1−b〕フラン(1) は重要な
芳香性化学製品である(米国特許第3,029,255 号参
照)。それは例えば化粧品、家庭用品のような高級香料
組成物や官能性製品において持続的な龍涎香効果が望ま
れる場合に用いられて来た。化合物(1) はまた龍涎香チ
ンキの成分であり(ビー.デー.ムークハージーとアー
ル.アール.パーテル,第7回精油国際会議,日本,京
都,論文番号136参照)、そして化合物(1) は人工龍
涎香処方において用いられて来た。化合物(1) はサルビ
アセージ(サルビア・スクラレア(Salvia Sclarea))か
ら得られるスクラレオールとして一般に言われている2
−エテニルデカハイドロ−2−ハイドロキシ−α−2,
5,5,8a−ペンタメチル−1−ナフタレンプロパノ
ール(4) から製造されるであろう。米国特許第3,050,53
2 号は二段階酸化過程を用いて化合物(4) をドデカハイ
ドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナフト〔2,
1−b〕フラン−2(1H)−オン(2) に変換する方法
を開示している。第1段階ではスクラレオールの水性分
散物がアルカリ条件下において過マンガン酸アルカリ金
属塩酸化試薬と密接に接触せられて該スクラレオールが
部分的に酸化せられる。第2段階において、第1段階で
得られた水性反応混合物は酸性にされそして酸性条件下
で過マンガン酸塩またはクロム酸酸化試薬と密接に接触
せられることにより酸化を完全に行なう。化合物(2) は
既知の方法によって化合物(1) に容易に変換されるであ
ろう。例えば水素化物試薬による化合物(2) の還元は環
化によって化合物(1) に容易に変換されるデカハイドロ
−2−ハイドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチル
ナフタレンエタノール(3) を与える(例えばヘルベチ
カ.ヒミア.アクタ1950年,第33巻, 第1308
頁参照)。米国特許第3,029,255 号は200〜225℃
においてAl23 で化合物(3) を脱水し、次いでβ−ナ
フタレンスルホン酸の存在で真空下に加熱することによ
り(130℃から160℃まで)化合物(1) に環化せし
める化合物(1) の製造方法を開示している。それに代え
て、キャンビー等によって開示されるように(オースト
ラリア,ジャーナル オブ ケミカル,1971年,第
24巻,第591頁参照)、化合物(1) はピリジン中で
トルエン−パラ−スルホニルクロライドを用いて化合物
(3)を環化することによって得られるであろう。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の方法では目的とする化合物(1) を営利効果をともなっ
て製造することが困難であった。
【0003】
【課題を解決するための手段】
〔概説〕本発明はCBS214.83とATCC206
24の識別特性を有する微生物ハイホジーマ・ロセオニ
ガー(Hyphozyma roseoniger)の生物学的純粋培養物に
関するものである。他の実施の態様においては、本発明
はCBS214.83とATCC20624の識別特性
を有する微生物ハイホジーマ・ロセオニガー(Hyphozym
a roseoniger)を含む培養物に関するものであり、該培
養物は下記の構造
【化19】 を有するジオールを
【化20】 ここにRは
【化21】 である。からなるグループからの化合物を水性栄養媒体
における好気的条件下において変化させることにより回
収可能な量で製造することが可能である。
【0004】更に他の実施の態様においては、本発明は
CBS214.83とATCC20624の識別特性を
有する微生物ハイホジーマ・ロセオニガー(Hyphozyma
roseoniger)を水性栄養培地中で好気的条件下で培養す
ることによって調整される混合物に関するものである。
【0005】更に他の実施の態様においては、本発明は
CBS214.83とATCC20624の識別特性を
有する微生物ハイホジーマ・ロセオニガー(Hyphozyma
roseoniger)を好気性条件下で
【化22】 ここにRは
【化23】 である。からなるグループからの1種またはそれ以上の
化合物を含む水性栄養培地中で培養することからなる下
記の構造
【化24】 を有するジオールを調整する方法に関するものである。
【0006】更に他の実施の態様においては、本発明は
CBS214.83とATCC20624の識別特性を
有する微生物ハイホジーマ・ロセオニガー(Hyphozyma
roseoniger)を好気性条件下において
【化25】 ここにRは
【化26】 である。からなるグループからの1種またはそれ以上の
化合物を含む水性栄養培地中で培養して下記の構造
【化27】 を有するジオールを生成すること、該ジオールを水性栄
養培地中で環化して該フラン化合物を生成すること、お
よび該フラン化合物を回収することからなる下記の構造
【化28】 を有するフラン化合物を調整する方法に関するものであ
る。
【0007】〔詳細な説明〕図1には本発明にかかる化
合物のいくつかのものの構造が示される。化合物(4) か
ら(14)は本発明にかかる化合物の変態方法において所望
の製造物を製造するための基質として用いられるであろ
う。化合物(6),(11)および(13)は本発明の方法において
スクラレオールの変態過程での中間物質として観察され
ている。該変態方法は化合物(4) から(14)の存在下にお
いて水性栄養培地中で微生物ハイホジーマ・ロセオニガ
ー(Hyphozyma roseoniger)、CBS214.83およ
びATCC20624の培養を含むものである。これら
の化合物は単一でもしくは該化合物の任意の数を含む混
合物として用いられるであろう。微生物が用いられる形
態は限定的なものではない。それらは例えば細胞と相応
する栄養溶液とを含む培養物(懸濁液)としてあるいは
バッファー溶液中に懸濁されている細胞の形状で用いら
れることが出来る。該細胞もしくはその酵素抽出物は変
態を行なうために用いられるであろう適当な固形支持体
上に固定されるであろう。
【0008】懸濁された培養混合物は微生物の存在する
適当な水性栄養培地の接種によって調製される。適当な
栄養培地は窒素源、無機塩、成長因子、所望の基質、お
よび所望なれば他の炭素源を含むものである。本発明の
方法に用いるに適したいくらかの炭素源は、例えばグル
コース、ガラクトース、L−ソルボース、マルトース、
蔗糖、セロビオース、トレハロース、L−アラビノー
ス、L−ラムノース、エタノール、グリセロール、L−
エリスリトール、D−マンニトール、ラクトース、メリ
ビオース、ラフィノース、メレチトース、澱粉、D−キ
シロース、D−ソルビトール、α−メチル−D−グルコ
シド、乳酸、クエン酸、およびコハク酸を含む。適当な
窒素源は例えばペプトン、肉抽出物、イースト抽出物、
コーン浸漬液、カゼイン、尿素、アミノ酸のような窒素
含有有機物質、または硝酸塩、亜硝酸塩、および無機ア
ンモニウム塩のような窒素含有無機化合物を含む。適当
な無機塩は例えばマグネシウム、カリウム、カルシウ
ム、またはナトリウムの燐酸塩を含む。上記培養基栄養
素は例えば所望なればBグループのビタミン類の1種も
しくはそれ以上、および(または)Fe,Mo,Cu,
Mn、およびBのような痕跡ミネラルの1種もしくはそ
れ以上によって補強されるであろう。クロロアンフイニ
カルまたはクロロテトラサイクリンのような抗生物質の
添加はバクテリア汚染が問題である時には望ましいもの
である。
【0009】微生物の培養は好気性条件下において固定
培養もしくは水中培養(例えば振盪培養、動揺培養)と
して行われる。約2.5から約9.0のpH範囲、望ま
しくは約3.0から約7.5の範囲、更に望ましくは約
3.0から約6.5の範囲において培養は好適に行われ
るであろう。該pHは例えば塩酸、酢酸、修酸のような
無機もしくは有機酸の添加、または例えば苛性ソーダ、
水酸化アンモニウムのような塩基の添加、または例えば
燐酸塩、フタラートのようなバッファーの添加によって
調節されるであろう。孵置温度は約12℃から約33℃
の間、更に望ましくは約15℃から約30℃の間、最も
望ましくは約18℃から約28℃の間に維持されるのが
適当であろう。
【0010】本発明による方法は単一の炭素源として培
養の初めに栄養培地に化合物(4) から(14)までの一種ま
たはそれ以上を添加することによって都合良く行われる
であろう。それに代わって、基質は例えばデキストロー
ズのような他の炭素源と組み合わせて培養の間もしくは
炭素源がなくなってしまった時のいづれかに添加される
であろう。培地中の基質の濃度に関する唯一の限定は効
果的に曝気することが出来ることである。しかしながら
基質濃度は望ましくは約0.1g/lから約100g/
lの間の範囲、更に望ましくは約0.5g/lから約5
0g/lの間の範囲、最も望ましくは約1.5g/lか
ら約30g/lの範囲である。変態は上記のいかなる濃
度下においても好適に行われる。全変態時間(最初の培
養期の後)は栄養培地の組成と基質濃度とに大幅に依存
するであろう。一般に振盪フラスコ培養は約12時間か
ら約24時間を要する。しかしながら、動揺器が用いら
れた場合には培養時間は約48時間かそれ以下に減小せ
しめられるであろう。変態は培養溶液から単離された微
生物の細胞を用いるか周知の方法で該細胞から単離され
た酵素によって行われるであろう。この場合、変態は例
えばバッファー溶液、生理学的食塩溶液、新鮮な栄養溶
液、または水のような種々の水性栄養培地中で好都合に
行われることが出来る。単離された細胞または酵素抽出
物は固形支持体に固定されそして所望の変態が行われ
る。また基質の変態はこの生物の変種によってももたら
せられるであろう。このような変種は例えば細胞をUV
またはX線に曝露することのような周知の方法、または
例えばアクリジンオレンジのような公知の突然変異を起
こす物質によって容易に得ることが出来る。
【0011】基質は粉末、またはツイーン80(ポリオ
キシエチレンソルビタンモノステアレート)のような乳
化剤中でのスラリーとして、または乳化剤中での溶液と
して、または例えばアセトン、メタノール、エタノー
ル、エチレングリコール、あるいはジオキサンのような
親水性溶媒中の溶液として培地に添加され得る。界面活
性剤または分散剤はまた基質の水性懸濁液に添加される
ことが出来、あるいは基質は超音波を用いて乳化せられ
ることも出来る。例えばシリコンオイル(例えばUCO
N)、ポリアルキレングリコール誘導体、トウモロコシ
油、または大豆油のような一般的な消泡剤は泡の調整に
用いられ得る。基質の変態は例えばGLC,TLC,H
PLC,IR,そしてNMRのような標準分析手法を用
いて監視されることが出来る。もし基質の急速な消失が
観測されたならば微生物の変態能力を最大にするために
更に基質が添加され得る。該過程は通常基質の殆どが培
地から消失した時に終了する。化合物(3) は水性栄養培
地から回収されるかまたは水性栄養培地中か回収後かい
ずれかにおいてフラン化合物(2) に環化されるであろ
う。動揺肉汁から化合物(1) または(3) を単離し精製す
ることは濾過または遠心分離、溶媒抽出、蒸溜、結晶化
等の通常の手法によって達成されるであろう。化合物
(3) は周知の一般的環化方法によってフラン化合物(1)
に変換されるであろう。例えば、キャンビー等によって
記載されている方法(オーストラリア ジャーナル オ
ブ ケミカル,1971年,第24巻,第591頁参
照)によるピリジン中0℃でジオール(3) とトルエン−
p−スルホニルクロライドとの反応はここに参照として
取り入れられる。この方法は変態混合物または回収され
たジオール化合物(3) のいづれかにおいて任意に用いら
れるであろう。他の環化方法の例は「有機合成化学」ジ
ョン ウィリー,1965年,第838〜839頁にお
いてアール.ビー.ワグナーとエッチ.デー.ツックに
よって記載されており、それらはここに参照によって取
り入れられる。
【0012】本発明において用いられる微生物はセント
ラルニュージャージィ,米国から得られた土壌サンプル
から単離された。この種族は加入番号CBS214.8
3およびATCC20624としてセントラルビューロ
ー ブア シンメルカルチャーとアメリカン タイプ
カルチャー コレクションに寄託されている。該生物は
セントラルビューロー ブア シンメルカルチャーによ
って研究され特徴づけられた。その集団のピンク色と形
態学上そして物理化学的に特有な性質を有するために、
CBSは本発明の微生物をハイホジーマ・ロセオニガー
(Hyphozyma roseoniger)と命名した。この生物は明瞭
なイースト形状と糸状形状とを有する。両方の形状とも
同様な生物学的性質を示しそしてここに記載される変態
を行なう。該微生物のイースト相の性質は下記に記述さ
れる。
【0013】1 形と寸法 YMアガー上の成長物: ピンク,光輝を有し滑らかな
集団。現在の糸状成長細胞は発芽しかけておりおよそ2
×7μmまたは時にはそれより大きい円形または円筒
状。 麦芽抽出アガー上の成長物: 2ないし3週間後真菌糸
の形成をともないからまりあった固まりのない光輝ある
ピンク、時々茶色がかかる。 コーンミールアガー上の成長物: 明るいオレンジ−ピ
ンク,光輝を有する、菌糸体で縁取られた滑らかな集
団。 ポテトデキストロースアガーとディフコ麦芽アガー上の
成長物: 室温で2〜3週間後ピンク、滑らかな光輝あ
るそして時々黒色に変化する。 YPCAアガー上の成長物: 10日以内で8mm径に
達し、平坦なぬるぬるした淡いオレンジ色(6A3;コ
ーネラップス ワンシャー,1978年)、シャープな
いくらか分裂した縁を有する。 ChAアガー上の成長物: 10日以内に4mm径にな
る。3週間後中央部が明るい茶色(6D6)から濃い茶
色までのオリーブ色になり、最後に粘液集団から延び、
濃いオリーブブラウン(4F4)集団,局部的に薄いく
すんだ白色の中央斑点を有する、もっと先へ行って淡い
菌糸体の密集した束になる。該生物はポテトおよび米ス
ライド上で観察される吻合を有する真菌糸を生産する。
そのライフサイクルにおいて明瞭なイースト相を有する
ヒホミセット菌であると思われる。 2 糖での発酵(表1参照)
【表1】発酵 化合物 気体 酸 グルコース − − ガラクトース − − マルトース − − 蔗糖 − − ラクトース − − ラフィノース − − メリビオース − − イヌリン − − 3 炭素化合物の消化吸収(表2参照)
【表2】 炭素化合物の消化吸収 グルコース + ラクトース V ガラクトース + メリビオース + L−ソルボース + ラフィノース + マルトース + メレジトース + 蔗糖 + イヌリン − セロビオース + 可溶澱粉 + トレハロース + D−キシロース + L−アラビノース + D−ソルビトール + D−アラビノース − α−メチル−D−グルコシド + D−リボース + サリシン − L−ラムノース + イノシトール − D−グルコサミン − 乳酸 + エタノール + クエン酸 + グリセロール + コハク酸 + L−エリスリトール + グルコノ−γ−ラクトン + アドニトール − ダシトール − D−マンニトール + 4 分裂アルブチン: 正 5 NH4 NO3 の消化吸収: 正 6 KNO3 の消化吸収: 正 7 KNO2 の消化吸収: 正 8 エチルアミン上の成長物: 正 9 ビタミン- フリー培地上の成長物: 正 10 12℃における成長物: 正 11 26℃における成長物: 正 12 30℃における成長物: 正 13 37℃における成長物: 負 14 45℃における成長物: 負 該生物の糸状形状の性質は下記の例外を除いてはイース
ト相と同一である。 YMアガー上の成長物: ピンクの粗な集団真菌糸を有
する糸状成長を示す。 麦芽アガーまたはポテトデキストロースアガー上の成長
物: ピンクの粗な集団、室温で2週間後糸状成長を示
し集団は黒色に変化する。 ポテトおよび米スライド上の成長物: 吻合を有する真
菌糸を生産する。 YM肉汁のような液状培地中の成長物:ピンクでイース
ト様成長および時々菌糸体を示す。 ポテト蔗糖アガー上の成長物: イースト相の証拠であ
る糸状 下記の実施例は本発明を実施するためにここに選択され
た本発明の実施の態様を説明するために役立つものであ
るが、本発明の範囲を限定するためのものではない。特
に記述のない場合は重量はグラム、温度は摂氏、圧力は
mmHgで表される。
【0014】
【作用】本発明ではラブダン化合物を含む水性栄養培地
中で寄託番号ATCC20624微生物ハイホジーマ・
ロセオニガー(Hyphozyma roseoniger)を培養すること
によって、該ラブダン化合物をデカハイドロ−2−ハイ
ドロキシ−α,2,5,5,8a−テトラメチルナフタ
レンエタノールまたはドデカハイドロ−3a,6,6,
9a−テトラメチルナフト〔2,1−b〕フランへ変換
する。
【0015】
【実施例】
〔実施例1〕この実施例は基質として2−エテニルデカ
ハイドロ−2−ハイドロキシ−α,2,5,5,8a−
ペンタメチル−1−ナフタレンプロパノール(4) を用い
た動揺方法を説明するものである。各々に0.1%NH
4 NO3 ,0.1%H2 KPO4 ,0.05%MgSO
4・7H2 O、痕跡ミネラルおよびビタミンB複合体の
水性溶液(100ml)が入っている4個のフラスコは
120℃,20分間殺菌された。デキストロースの50
%水性溶液(5ml)とスクラレオール(4) (10m
g)を含むツィーン−80(0.1ml)が各々のフラ
スコに添加された。各々のフラスコは3日間成長細胞C
BS214.83(ATCC20624)の5容量%に
より接種された。培養物はそれから3〜4日間回転振盪
器(200rpm)上で25±1℃で孵置された。初期
孵置期間の後、ツィーン80(8.0g)中に溶解され
ているスクラレオールの混合物が次の5日間にわたって
少しずつ添加され、その後更に4日間孵置が継続され
た。孵置期間の終わりに4個のフラスコの内容物は一緒
にされ酢酸エチル(3×100ml)によって抽出され
そしてNa2 SO4 により乾燥される。溶媒を蒸発して
粗抽出物(4.0g)を得、該粗抽出物はヘキサン/ク
ロロホルムから結晶化せられて下記のデカハイドロ−2
−ハイドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチルナフ
タレンエタノール(3) (2.4g)を得る。融点13
0.5−131.5℃(文献値132−133℃)、G
LC純度100%、H−NMR(CDCl3)δ0.79
(6H,2S),0.87(3H,2),(3H,
2),0.9−20(16H,m),3.41−3.4
9(1H,m),3.72−3.79(1H,m)、I
R(CHCl3)νmax 3580,3360,2950,
1460,138 0cm-1、MS,m/e236,2
21,117,137,109、〔α〕22 D =−16.
8°(CHCl3)、〔文献値132−133℃,〔α〕
22.5 D =−17.3°(CHCl3)〕〔M.Stoll
とM.Hinder、ヘルベチカ,ヒミア,アクタ,1
953年,第36巻,第1955頁〜2008頁参
照)。
【0016】〔実施例2〕この実施例は基質として異な
った水準のスクラレオール(4) を用いた動揺方法の効果
を説明するものである。イースト抽出物(0.1g)が
痕跡ミネラルとビタミンに対して置き換えられたこと、
およびスクラレオール(4) がヘキサンから抽出され、粉
末にされ、50−メッシュの篩を通され、その後ツィー
ン−80の等量と混合されたこと以外は実施例1に記載
されたと同様な方法が用いられた。4日間の初期孵置期
間の後、スクラレオール(4) とツィーン−80の混合物
は5日間の期間にわたって次第に量を増やしつつ各々の
フラスコに添加され、その後更に4日間孵置された。下
記の表3は各々のフラスコに添加されたスクラレオール
(4) の量と単離されたジオール(3) の収率とを示す。各
々の生成物は実施例1において報告されたと同一のスペ
クトルデーターを示した。
【0017】
【表3】 フラスコ スクラレオール(4) の全重量 単離されたジオール(3) の収率 (g) (%) 1 2 81 2 3 74 3 5 71
【0018】〔実施例3〕この実施例は休止細胞(洗浄
された)を用いた動揺方法の効果を説明するものであ
る。3日間の初期孵置期間の後、培地肉汁の100ml
からの細胞が収穫されそして0.3×10-4M燐酸バッ
ファー(pH=7.2)(3×25ml)で洗浄されそ
して遠心分離されたこと以外は実施例1において記述さ
れたと同様な方法が用いられた。洗浄された細胞は上記
バッファー(100ml)中に分散されそして7日間回
転振盪器(200rpm)上で25±1℃で孵置され
た。ツィーン−80(5g)中に溶解されたスクラレオ
ール(0.5g)が孵置の最初の4日間において細胞の
懸濁液に次第に量を増やしつつ添加された。孵置期間の
終わりにおいてTLC監視は該スクラレオール(4) のす
べてがジオール(3) に変わったことを示した。通常の方
法において、浮上物は98%収率でそして99%GLC
純度でジオールを提供した。この生成物のスぺクトルデ
ーターは実施例1で報告されたものと同一である。
【0019】〔実施例4〕この実施例は基質として化合
物(4) から(14)までの各々を用いてデカハイドロ−2−
ハイドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチルナフタ
レン−エタノール(3) を生成する動揺方法を説明するも
のである。実施例2において記述された培地の水性溶液
(100ml)が各々に入っている11個のフラスコは
120℃,20分間殺菌された。各基質の10mgを含
むデキストロース(4ml)とツィーン−80(0.1
ml)の50%水性溶液が各々のフラスコに添加され
た。各々のフラスコはその後CBS214.83(AT
CC20624)の3日間成長細胞の5容量%によって
接種され、その後培養物は3日間、回転振盪器(200
rpm)上で24±1℃で孵置された。初期孵置期間の
後ツィーン−80中に溶解された基質の混合物(1:7
重量比)が孵置が数日間継続されたあと各々フラスコに
添加された。変態の進行はTLCによって監視された。
孵置期間の終わりにおいて、各々のフラスコの内容物は
酢酸エチル(3×75ml)で抽出され、該抽出物はN
a2SO4 で乾燥され、そして溶媒は蒸発された。残渣は
溶媒としてヘキサン/イソプロパン(95/5)を用い
てシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって別々
に精製されそしてジオール(3) の収率が測定された。該
11個の実験のデーターは表4に要約される。
【0020】
【表4】CBS214.83による化合物(3) の生成 (ATCC20624)異なる基質を使用 基 質 (g/100ml) 全孵置時間 ジオールの(3) の収率 (日) (%) 化合物(4) 0.3 7 96 化合物(5) 0.3 11 89 化合物(6) 0.3 7 91 化合物(7) 0.2 10 51 化合物(8) 0.2 10 13 化合物(9) 0.2 10 7 化合物(10) 0.3 7 98 化合物(11) 0.3 6 100 化合物(12) 0.3 11 91 化合物(13) 0.24 8 98 化合物(14) 0.5 4 100
【0021】〔実施例5〕この実施例は化合物(7),(8)
および(9)を調製するための方法を説明するもので、こ
れら化合物は本発明の方法において基質として用いられ
るであろう。メチレンクロライド(40ml) 中のスク
ラレオール(9.24g,0.03モル)の溶液はピリ
ジニウムクロロクロメート(12.93g 0.06モ
ル)、酢酸ソーダ(2.46g.0.03モル)、およ
びメチレンクロライド(100ml)の混合物に少しず
つ添加された。該混合物は4時間25℃攪拌された。エ
ーテル(200ml)が添加されそして上澄はゴム状沈
澱物から分離された。該沈澱物はエーテル(3×50m
l)で洗浄された。該エーテル溶液はシリカゲル60
(40g)に通されそして溶媒は蒸発された。該残渣は
エタノール(2ml)およびエーテル(4ml)中に溶
解されそして水(60ml)中重亜硫酸ソーダ(15
g)の溶液とともに25℃、3時間攪拌された。該混合
物はエーテル(2×30ml)によって抽出された。水
層は10%カセイソーダで塩基性にせられそしてエーテ
ル(4×50ml)で抽出された。該エーテル抽出物は
Na2SO4 で乾燥されそして溶媒は蒸発せられて残渣の
2.72g を得た。シリカゲル60上のクロマトグラフ
ィー(70g 流出液、ヘキサン:酢酸エチル;4:1)
は下記の0.74g のトランス−アルデヒド(7) 、0.
69gのシス−アルデヒド(8) 、および0.64gの環
状アルデヒ ド(9) を与えた。〔(E) −1R−(1
α,2β,4aβ,−8aα)〕−5−(デカハイドロ
−2−ヒドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチル−
1−ナフタレニル)−3−メチル−2−ペンテナール
(7) 融点83−85℃、〔α〕D +14.2°(c,
5.76,CHCl3); 1H−NMR(CDCl3)δ
0.78(6H,s),0.86(3H,s),1.1
7(3H,s),2.15(3H,ブロードs),0.
8−2.5(17H,m),5.82(1H,d,J=
8Hz ),9.98(1H,d,J=8Hz);IR(C
HCl3)νmax 3570,3440,2940,285
0,1670,1630,1460,1440,139
0cm-1;MS,m/e306,291,273,10
9,95,84;UVνmax (95%エタノール)24
1nm(計算値231nm)(ε, 17,300)。元
素分析、C20342 :計算値C,78.37;H,1
1.18。実測値C,77.92,H,11.02。
〔(Z) −1R−(1α,2β,4aβ,8aα)〕−5
−(デカハイドロ−2−ヒドロキシ−2,5,5,8a
−テトラメチル−1−ナフタレニル)−3−メチル−2
−ペンタナール(8) 、融点91−93.5℃、〔α〕D
+8.9(c,3.13,CHCl3); 1H−NMR
(CDCl3)δ0.78(6H,s),0.87(3
H,S),1.14(3H,S)1.98(3H,ブロ
ードs),0.9−2.8(17H,m),5.75
(1H,d,J=8Hz );10,0(1H,d,J=
8Hz ),IR(CHCl3) 3570,3450,2
940,2840,1670,1630,1460,1
440,1390cm-1;MS,m/e306,27
3,109,95,84;UVλmax (95%エタノー
ル) 242nm(計算値231nm)(ε,13,0
00)。元素分析,C20342 :計算値C,78.3
7;H,11.18。実測値C,78.34;H,1
1.02。〔4aR−(4aα,6aβ,10bβ)〕
−ドデカハイドロ−3,4a,7,7,7,10a−ペ
ンタチメチル−1H−ナフト〔2,1−b〕ピラン−1
−アセトアルデヒド(9) 、 1H−NMR(CDCl3)δ
0.78(6H,s),0.85(3H,s),1.2
5(3H,s),1.27(3H,s)。0.9−2.
6(18H,m),9.8−10.0(1H,m);I
R(フィルム)νmax 2940,2850,1720,
1460,1440,1380,1370cm-1;M
S,m/e(類似質量の2本のピーク)291,27
3,262,245,109,43。
【0022】〔実施例6〕この実施例は化合物(10)を調
製するための方法を説明するものであり、該化合物(10)
は本発明の方法において基質として用いられる。水素化
ソーダの懸濁液(50%懸濁液の0.72g,0.01
5モル,ヘキサンによって洗浄してミネラルオイルを除
去された)に対して、10分間にわたってエチルジイソ
プロピルホスホノノアセテート(3.78g,0.01
5モル)のジメトキシエタン(30ml)中溶液が添加
された。水素の発生が終わった後〔1 R−(1α,2
β,4aβ,8aα)〕−4−(2−アセチロキシ−デ
カヒドロ−2,5,5,8a−テトラメチル−1−ナフ
タレニル)−2−ブタノン(3.22g,0.01モ
ル,ジェー.エー.バートロップ等によりジャーナルオ
ブ ケミカルソサエティー,1960年,4613中に
記述されるようにして調製される)が一度に全部添加さ
れた。該混合物は21時間加熱還流されその後冷却され
そして氷水(100ml)上に満たされた。該混合物は
6N塩酸で酸性化され、ヘキサン/酢酸エチル(4:
1,4×10ml)で抽出された。該有機抽出物は水
(2×10ml)、重炭酸ソーダ飽和溶液(2×15m
l)で洗浄され、そしてNa2SO4 で乾燥された。溶媒
は蒸発せられそして残渣はクロマトグラフィー(シリカ
ゲル60;流出液,ヘキサン:酢酸エチル,9:1)に
かけられて無色粘濶油として3.02gのエチル
〔(E,Z)−1R−(1α,2β,4aβ,8a
α)〕−5−(2−アセチロキシ−デカヒドロ−2,
5,5,8a−テトラメチル−1−ナフテレニル)−3
−メチル−2−ペンテノエートが得られた。
【0023】エチル〔(E,Z)−1R−(1α,2
β,4aβ,8aα)〕−5−(2−アセチロキシ−デ
カヒドロ−2,5,5,8a−テトラメチル−1−ナフ
タレニル)−3−メチル−2−ペンタノエート(2.1
9g,0,00557モル),イソプロパノール(65
ml),水(10ml)およびカセイカリ(1.47
g,0.0223モル)の混合物は24時間加熱還流さ
れた。該混合物は20mlに濃縮され、水(50ml)
が添加され、そして該混合物はエーテルで抽出された。
水相は6NHClで酸性化されそしてエーテル(5×2
0ml)で抽出された。該エーテル抽出物はブラインで
洗浄されNa2 SO4 で乾燥せられ、そして溶媒が蒸発
せられて1.781gの粗生成物が得られた。シリカゲ
ル60上のクロマトグラフィー(展開溶媒、ヘキサン:
イソプロパノール,9:1)はシス−イソマーの0.4
55gとトランスイソマー(10)の1.223gを与え
た。ヘキサン/酢酸エチルからの再結晶は〔(Z) −1R
−(1α,2β,4aβ,8aα)〕−5−(デカヒド
ロ−2−ハイドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチ
ル−1−ナフタレニル)−3−メチル−2−ペンテノイ
ックアシドの下記の分析化学的試料を与えた。融点14
7−149℃;〔α〕D +62.96°(c,4.6
6,CHCl3); 1H−NMR(CHCl3)δ0.81
(6H,s),0.88(3H,S),1.21(3
H,S),1.92(3H,ブロードS),0.9−
2.4(17H,m),5.72(1H,ブロード
S),6.8−7.3(1H,V.ブロードs);IR
(CHCl3)νmax 3500,3400,2940,2
550,1690,1640,1460,1440cm
-1;MS,m/e322,304,289,276,1
09;UVλmax (95%Et OH)228nm(計算
値217nm)(ε,7300);元素分析、 C20
343 :計算値 C,74.49,H,10.63,実
測値C.74.20,H,10.40。〔(E)-1R−
(1α,2β,4aβ,8aα)〕−5−(デカハイド
ロ−2−ヒドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチル
−1−ナフタレニル)−3−メチル−2−ペンテノイッ
クアシド、融点151−153℃、〔α〕D 9.44°
(c,4.83,CHCl3) ; 1H−NMR(CDC
l3)δ0.79(6H,s),0.87(3H,s),
1.15(3H,s),2.17 (3H,ブロード
s),0.9−2.4(17H,m),5.70(1
H,ブロードS),5.8−6.1(1H,ブロード
S);IR(CHCl3)νmax 3650,3400,2
940,2550,1690,1640,1460,1
440cm-1;MS,m/e322,304,289,
276,109;UVλmax (95% EtOH)23
0nm(計算値217nm)(ε,5700);元素分
析、C20343 :計算値C,74.49,H,10.
63、実測値C,74.12,H,10.52
【0024】〔実施例7〕この実施例は化合物(11)を調
製するための方法を説明するものであり、該化合物は本
発明の方法において基質として用いられる。テトラヒド
ロフラン(90ml)中ジイソプロピルアミン(8.4
84g,0.084モル)の溶液に0℃のにおいてn−
ブチルリチウム(2.2Mヘキサン溶液の38. 2m
l,0.084モル)が20分間にわたって滴下され
た。テトラヒドロフラン(20ml)中の酢酸(2.5
2g,0.042モル)溶液が15分間にわたって添加
された。該混合物はその後50℃,45分間加熱され
た。該混合物は25℃に冷却されそしてテトラヒドロフ
ラン(35ml)中の〔1R−(1α,2β,4αβ,
8aα)−4−(2−アセチロキシ−デカヒドロ−2,
5,5,8a−テトラメチル−1−ナフタレニル)−2
−ブタノン(4.508g,0.014モル,ジェー.
エー.バールトロップ等によりジャーナル オブ ケミ
カル ソサエティー,1960年,4613中に記述さ
れるようにして調製される)が10分間にわたって添加
された。該混合物は25℃,17時間攪拌されそしてそ
の後30分間加熱還流された。該混合物は25℃に冷却
されその後水(40ml)とカセイカリ(5g)が添加
された。該混合物は4時間加熱還流されその後冷却され
水(100ml)に添加され、そしてヘキサン・酢酸エ
チル(4:1)(3×30ml)によって抽出された。
水層は0℃に冷却され、6NHCl により酸性化され、
そしてヘキサン/酢酸エチル(4:1)(4×50m
l)によって抽出された。合一された抽出物はブライン
によって洗浄され、Na2SO4 により乾燥され、その後
溶媒は蒸発されて粗生成物の2.071gを得た。シリ
カゲル60上のクロマトグラフ(展開溶媒,ヘキサン:
酢酸エチル:酢酸,10:10:0.1)は酸(11)の
1.434gを与えた。ヘキサン/酢酸エチルからの結
晶化は下記の分析化学的試料を与えた。融点136−1
37.5℃, 1H−NMR(CDCl3)δ0.76(6
H,S),0.85(3H,S),1.16と1.19
(3H,2S),1.28(3H,S),0.8−1.
9(16H,m),2.4−2.8(2H,m),6.
1−6.6(2H,ブロードS);IR(CHCl3)ν
max 3550,2930,2700,1710,145
5,1385cm-1;MS, m/e340,304,28
9,109,95,43、元素分析、C20364 :計
算値C,70.54,H,10.66,実測値C,7
0.99,H,10.63。
【0025】〔実施例8〕この実施例はα−エテニル−
デカヒドロ−2−ハイドロキシ−α,2,5,5,8a
−ペンタメチル−1−ナフタレンプロパノール(4) のド
デカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナフト
〔2,1−b〕フラン(1) への2段階工程を用いた変換
を説明するものである。7個のフラスコが用いられたこ
と、各フラスコにはスクラレオール(4) の総計が添加さ
れそして孵置期間が変えられたこと(表5をみよ)を除
いては実施例2において記述されたと同様な方法が用い
られた。孵置が完了した時、フラスコは別々に浮遊せら
れて粗ジオール(3) の7個のサンプルが得られた。各サ
ンプルは別々にキャンビー等の方法(オーストラリア
ジャーナル オブ ケミカル,1971年,第24巻,
第591頁をみよ)によってピリジン中でトルエン−p
−スルホニルクロライドと反応せられ、そして各反応生
成物はクゲルロール蒸留されてフラン(1) を与えた。 1
H−NMR(CDCl3)δ0.83(6H,2S),
0.88(3H,s ),0.9−1.8(13H,
m),1.9−2.0(1H,m),3.77−3.9
2(2H,m);IR(メルト)νmax 2940,14
60,1385,1365cm-1;MS,m/e23
6,221,204,177,137,97。該7個の
実験のデータは表5に要約される。
【0026】
【表5】 フラスコ スクラレオール重量 全孵置時間 収量 GLC純度 (mg) (日) (mg) (%) 1 160 7 115 95 2 240 8 169 97 3 320 9 220 97 4 400 10 270 93 5 400 14 258 96 6 560 14 361 97 7 720 14 468 97 *収量は監視中に除去されたサンプルを考慮しない。
【0027】〔実施例9〕この実施例は水性栄養培地か
ら分離することなく変態生成物デカヒドロ−2−ハイド
ロキシ−2,5,5,8a−テトラメチルナフタレンエ
タノール(3) をドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テ
トラメチルナフト〔2,1−b〕フラン(1) へ直接環化
することを説明するものである。発酵肉汁の100ml
中の基質としてスクラレオール(2.0g)を用いて実
施例2に記述されたと同様な方法が用いられた。14日
の全孵置時間の後、フラスコの内容物は反応容器に移さ
れそして攪拌、加熱還流せられた。トルエン−p−スル
ホニルクロライド(2.48g)、カセイソーダペレッ
ト(25g)およびテトラヒドロフラン(200ml)
が添加されそして混合物は20℃で攪拌された。5時間
後トルエン−p−スルホニルクロライド(1.50g)
が更に添加せられそして該反応混合物は一晩攪拌され
た。次の日、該混合物は30分間加熱還流され、冷却さ
れ、そして酢酸エチル(3×100ml)で抽出され
た。合一された抽出物はNa2SO4 により乾燥された。
該溶媒は蒸発されそして残渣はクーゲルロール蒸溜され
て固形分の1.38gを与え、該固形分は機器分析によ
れば85%のドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テト
ラメチルナフト〔2,1−b〕フラン(1) を含んでい
た。
【0028】〔実施例10〕この実施例は水性栄養培地
から分離することなくして変態生成物デカヒドロ−2−
ハイドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチルナフタ
レンエタノール(3)をドデカヒドロ−3a,6,6,9
a−テトラメチルナフト〔2,1−b〕フラン(1) に直
接環化するための改変された方法を説明するものであ
る。発酵肉汁の100ml中の基質としてスクラレオー
ル(2.0g)を用いて実施例2に記述されたと同様な
方法が用いられた。14日間の全孵置時間の後、フラス
コの内容物は反応容器に移され攪拌および加熱還流せら
れた。発酵肉汁は6N塩酸で酸性化され(約pH1)、
酢酸エチル(100ml)が添加され、そして該混合物
は6時間攪拌、加熱還流された。冷却後、酢酸エチル層
は分離され、中性になるまで洗浄され、そして乾燥され
た。該溶媒は蒸発されそして残渣はクーゲルローレル蒸
留されて1.4gの固形分を与え、該固形分は機器分析
によれば38%のドデカヒドロ−3a,6,6,9a−
テトラメチルナフト〔2,1−b〕フラン(1) を含んで
いた。
【0029】〔実施例11〕この実施例は水性栄養培地
から分離することなくして変態生成物デカヒドロ−2−
ハイドロキシ−2,5,5,8a−テトラメチルナフタ
レンエタノール(3)をドデカヒドロ−3a,6,6,9
a−テトラメチルナフト〔2,1−b〕フラン(1) に直
接環化するための改変された方法を説明するものであ
る。イオン交換樹脂ドウェックス50×2400(10
g)が6N塩酸の代わりに発酵肉汁へ添加されたことを
除いては実施例8において記述されたと同様な方法が用
いられた。浮遊、そしてクーゲルロール蒸留は1.32
gの固形分を与え、該固形分は化合物(1) の37%を含
んでいた。
【0030】
【発明の効果】したがって本発明では芳香性化学製品で
あるドデカハイドロ−3a,6,6,9a−テトラメチ
ルナフト〔2,1−b〕フランを微生物学的方法によっ
て製造するから、該製品を営利的に提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における重要な化合物のいくつかのもの
の構造を示すものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 17/04 C12R 1:645) (C12N 1/14 C12R 1:645) (72)発明者 ブライアン ジェイ.ウィリス 英国 イングランド,ケント,ノニントン ニア ドーバー,バーゲンフィールド ミル レイン (番地なし) (72)発明者 フィリップ エイ.クリステンソン アメリカ合衆国 07432 ニュージャージ ー,ミドランド パーク,バスティード ドライブ 118

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の構造 【化1】 を有するジオールを 【化2】 ここにRは 【化3】 である。からなるグループから選択された化合物を含む
    水性栄養培地中で好気性下に転換させることによって回
    収可能な量で製造するための寄託番号ATCC2067
    4の微生物ハイホジーマ・ロセオニガー(Hyphozyma ro
    seoniger)を培養することからなる上記ジオールの製造
    方法
  2. 【請求項2】下記の構造 【化4】 を有するジオールを 【化5】 ここにRは 【化6】 である。からなるグループから選択された化合物を含む
    水性栄養培地中で、(i)pHは約2.5から9.0の
    間で、(ii)温度は約12℃から30℃の間の条件で
    好気性下に転換させることによって回収可能な量で製造
    するための寄託番号ATCC20624の微生物ハイホ
    ジーマ・ロセオニガー(Hyphozyma roseoniger)を培養
    することからなる上記ジオールの請求項1に記載の製造
    方法
  3. 【請求項3】寄託番号ATCC20624の微生物ハイ
    ホジーマ・ロセオニガー(Hyphozyma roseoniger)を好
    気性条件下において、下記の構造 【化7】 ここにRは 【化8】 である。からなるグループから選択された1種またはそ
    れ以上の化合物を含む水性栄養培地中で培養して下記の
    構造 【化9】 を有するジオールを生成すること、 該ジオールを水性栄養培地中で環化して該フラン化合物
    を生成すること、および該フラン化合物を回収すること
    からなる下記の構造 【化10】 を有するフラン化合物を製造する方法
  4. 【請求項4】寄託番号ATCC20624の微生物ハイ
    ホジーマ・ロセオニガー(Hyphozyma roseoniger)を好
    気性条件下において、下記の構造 【化11】 ここにRは 【化12】 である。からなるグループから選択された1種1種また
    はそれ以上の化合物を含む水性栄養培地中で培養して上
    記化合物を転換せしめることによって下記の構造 【化13】 を有するジオールを回収可能な量で製造すること、 水性栄養培地のpHを約1から3に調整することによっ
    て該フラン化合物を生成すること、および該フラン化合
    物を回収することからなる下記の構造 【化14】 を有するフラン化合物を製造する請求項3に記載の製造
    方法
  5. 【請求項5】寄託番号ATCC20624の微生物ハイ
    ホジーマ・ロセオニガー(Hyphozyma roseoniger)を好
    気性条件下において、下記の構造 【化15】 ここにRは 【化16】 である。からなるグループから選択された1種1種また
    はそれ以上の化合物を含む水性栄養培地中で培養して上
    記化合物を転換せしめることによって下記の構造 【化17】 を有するジオールを生成すること、 該ジオールを分離すること、該ジオールを環化して該フ
    ラン化合物を生成することおよび該フラン化合物を回収
    することからなる下記の構造 【化18】 を有するフラン化合物を製造する請求項3に記載の製造
    方法
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JP2007252365A (ja) * 2006-02-24 2007-10-04 Kao Corp 新規微生物、当該新規微生物を用いたドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナフト[2,1−b]フラン中間体の製造方法
JP2009268460A (ja) * 2008-04-09 2009-11-19 Kao Corp 微生物醗酵生産物の製造方法

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JP2007252365A (ja) * 2006-02-24 2007-10-04 Kao Corp 新規微生物、当該新規微生物を用いたドデカヒドロ−3a,6,6,9a−テトラメチルナフト[2,1−b]フラン中間体の製造方法
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