JP2002537770A - フレーバー/芳香材料およびそれらの製造 - Google Patents

フレーバー/芳香材料およびそれらの製造

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JP2002537770A JP2000601185A JP2000601185A JP2002537770A JP 2002537770 A JP2002537770 A JP 2002537770A JP 2000601185 A JP2000601185 A JP 2000601185A JP 2000601185 A JP2000601185 A JP 2000601185A JP 2002537770 A JP2002537770 A JP 2002537770A
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ローレイン グラッドリー,ミッシェル
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ジレプシス リミティド
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Abstract

(57)【要約】 フレーバー成分、特にバニラ組成物のためのものが、植物由来の材料の生体内変換を使用する、本質的に天然の方法によって製造される。直接または間接的に、フェルラ酸(多くの植物細胞壁の成分)を、バニリンに変換することができる。複数のこのような化合物が生体内変換を受けて、フレーバー組成物の成分を産生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 背景 本発明は、フレーバー/芳香材料、およびこのような材料、および重要な中間
体の製造に関する。それは、(制限的ではないが)特にバニラ・フレーバー材料
および関連する材料に関する。
【0002】 天然のバニラ豆抽出物の供給は、供給の不足および品質における変動という欠
点を有する。最近10〜15年にわたって商業的に利用可能となった広範囲にわ
たる天然のフレーバー化学物質にもかかわらず、完全に満足な天然のバニリンフ
レーバー化学製品またはバニラフレーバーは、未だに開発されていない。費用効
果の高い(cost-effective)バニリン製品の開発における主な困難性は、第一に
、好ましい原料、フェルラ酸が利用できないことであり;および第二に、その更
なる代謝(例えば、バニリン酸への)の容易性のため、および細胞の代謝に対す
るその阻害効果のために、バニリンを蓄積することができる微生物の株を見出す
ことが困難性なことである。天然のバニラフレーバーの開発における主な困難性
は、バニラ豆抽出物の優れた芳香およびフレーバーに一緒に寄与する異なる化学
物質が多数であることである。加えて、フレグランスにおけるバニラのマイナー
な使用量のために、着色したエタノール−水バニラ豆抽出物よりも、無色固体の
製品が必要とされている。
【0003】 我々の以前の出願WO−A−96/39859号は、植物材料の酵素加水分解
による、いくつかのフェノール性物質の製造を開示している。このように、フェ
ルラ酸(1a)は、コムギ麦芽または「ふすま」(wheat bran)の酵素処理によ
って製造された。カフェー酸(caffeic acid)(1b)は、ひまわりミールの酵
素処理によって製造された。フェルラ酸およびそのエステルは、前駆体化合物と
して、および食品および化粧品の成分としても価値がある(例えば酸化防止剤と
して役立つ)。
【0004】
【化2】
【0005】 種々の研究は、直接的に(例えば、DE−A−19532317号)または、
バニリン酸(2)を介する(FR−A−2724394号)フェルラ酸(1a)
のバニリン(3)への微生物的変換を報告して来た。
【0006】 発明の概要 本発明は、とりわけ、式(A)の一つ以上の種を含む第1の組成物を、式(B
)の一つ以上の種を含む第2の組成物に変換する方法であって、
【0007】
【化3】
【0008】 {式中、X、Y、X’およびY’は、H、OHおよびOMeから独立に選ばれ;
Zは、COH、COcarb(式中、carbは炭水化物残基を表す)、CHOまた
はCHOHであり、QはCHO、COH、またはCHOHである} 前記方法は、(A)が(B)に変換される条件下で、前記第1の組成物を一つ
以上の微生物で処理することを含み;前記一つ以上の微生物が、(a)シュード
モナス プチダ;(b)フェルラ酸をバニリン酸に変換できるロドトルラ(Rhod
otorula)種および他の酵母;(c)それらがフェルラ酸グリコシドをバニリン
および/又はバニリン酸に変換することができるように、フェルラ酸エステラー
ゼ活性および内部(intra)側鎖開裂活性を有する微生物;および(d)バニリ
ン酸をバニリンに変換することができるミクロムコール(Micromucor) イザベ
リヌスまたはアスペルギルス フミガーツス株から選ばれる方法。
【0009】 その方法は、a)植物材料を処理して、フェルラ酸エステルを含む溶液を製造
すること;および (b)フェルラ酸エステルがフェルラ酸に変換される条件下で、フェルラ酸エ
ステラーゼ活性を有する酵素組成物で、その溶液を処理すること; を含むプロセスによって、植物材料から、フェルラ酸を含む前記第1の組成物を
得る予備的なステップを含むことができる。それらのエステルは、一般に、時々
グリコシドと称される炭水化物残基(特に、糖残基)を含むことに注意すべきで
ある。
【0010】 本発明は、本発明の方法において有用な、数種の微生物を更に提供する。これ
らは、寄託された数種の株およびその変異体を含む(それらは、化学的または他
の通常の突然変異誘発により、または遺伝子工学により製造することができる)
。抽出物および単離された酵素のみならず、生物体そのまま(intact)をも使用
することができる。
【0011】 本発明の面は、以下のものを含む。
【0012】 A)複数のフレーバー/芳香成分を含むフレーバー/芳香組成物の製造用のプ
ロセスであって、前記プロセスは、下記の1以上のステップを有する、 (i)植物材料または複数の植物植物材料を処理して、前駆体化合物、好まし
くは複数の前駆体化合物(別個に、または混合物で)、好ましくは2つ以上の1
−フェニルアルケン種(species)、好ましくは式(4):
【0013】
【化4】
【0014】 {式中、XおよびYが独立にH、OHおよびOMeから選ばれ、ZはCOH、
COcarb(式中、carbが炭水化物残基を表す)、CHOまたはCHOHであ
り;最も好ましくは化合物(4)の式中、X=OMe、Y=OH、およびZ=C
Hである化合物(フェルラ酸)、および好ましくは、X=H、Y=OH、お
よびZ=COHである化合物(クマリン酸)、およびX=OH、Y=OHおよ
びZ=COHである化合物(カフェー酸)を含む}を含むものを製造し;およ
び好ましくは、 ii)前記前駆体化合物または複数の化合物を(植物材料残渣から分離し、ま
たは分離せずに)生体内変換に供して、フレーバー/芳香組成物を製造すること
。置換基−CH:CH−COHを有するベンゼン環を有する前駆体化合物(例
えば構造(4)の化合物)については、生体内変換は、この置換基が−CO
および/又はCHOHおよび/又は−CHOに変換された化合物を生成するこ
とができる。
【0015】 ここで用いる「植物材料」は、植物の機械的プロセシングによって製造される
ミールまたはパルプ、およびシードオイル抽出の後に残される残渣等の材料を含
む。
【0016】 ステップ(i)のための特に好ましい植物材料は、トウモロコシ、小麦、米、
砂糖大根およびその部分、特にそれらの正常な使用からの廃棄物(例えば、米ぬ
かおよび穀物繊維)を含む。例えば、トウモロコシ繊維および小麦繊維は、乾式
または湿式ミリングから得ることができる。砂糖大根繊維は、パルプから得るこ
とができる。植物材料の混合物は、前駆体の所望の混合物を得るために使用する
ことができる。
【0017】 ステップ(i)は、以下を含むことができる: (a)酸(好ましくはクエン酸、例えばレモンまたはライムジュースの添加に
よって与えられる)により、植物材料(湿った(damp)、または乾燥した)を処
理して、少なくともにフェルラ酸グリコシドを放出させること(一般に、例えば
50〜250℃に加熱);および、 (b)塩基(例えばアルカリ金属重炭酸塩)またはフェルラ酸エステラーゼ(
「FAE」)活性を有する一つ以上の酵素によりグリコシド含有混合物を処理し
て、フェルラ酸を放出させること。適当な酵素は、ヘミセルラーゼ(Hemicellul
ase;アマノから、アスペルギルスspp.に由来する)、および/又はセルザ
イム(Celluzyme;ノボ ノルディスク)、および/又はフミコーラ インソレ
ンス(Humicola insolens)からの酵素(ペントパン(Pentopan)、バイオフィ
ード(Biofeed) プラスまたはバイオフィード ベータ(ノボ ノルディスク
)として入手可能)を含む。これらの酵素は、それらのFAE活性に加えて、い
くらかのキシラナーゼ活性を有する。必要に応じて、すでに存在するキシラナー
ゼ活性を補うために、キシラナーゼの追加的な源を加えることができる。(注:
フェルラ酸その他のいわゆるグリコシドは、実際は、通常のグリコシドエーテル
よりむしろ炭水化物残基のエステルである)。
【0018】 ステップ(a)において、それが合理的に強く、熱に安定で、安価であり、あ
る範囲のフェルラ酸含有材料に対して活性であり、非揮発性であり、および副作
用を引き起す傾向がないため、クエン酸が適当である。それは充分に穀物の「モ
ロミ」(mashes)中で可溶である。再利用のために、それは不溶性の塩(例えば
カルシウム)として、容易に回収することができる。それは、食品使用のために
承認された「天然」の材料である。代替物は、他の有機ポリカルボン酸、特にヒ
ドロキシ酸、例えばイソクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸およびコハク酸
を含む。
【0019】 適当な酸を含む溶液、例えば酒石酸を含むブドウ由来の溶液、またはクエン酸
またはリンゴ酸を含む発酵培地等を使用することができる。
【0020】 微生物は、ステップ(i)(b)およびステップ(ii)(フェルラ酸および
/又は他の前駆体化合物の生体内変換)を行うために必要な活性を与えることが
できる。例えば、我々は、フェルラ酸グリコシドをバニリン酸に変換するための
ステップ(a)の生成物に作用するために必要なFAEおよびアルケン開裂活性
を有する黒色アスペルギルス(Aspergillus niger)、黄色アスペルギルス(A
.flavus)、およびペニシリウム クリゾゲヌムの株を開発した。
【0021】 ステップ(i)は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩
または重炭酸塩等の水性アルカリで植物材料(例えばトウモロコシ繊維)を処理
することによっても、行うことができる。重炭酸ナトリウムは、好ましい。
【0022】 バニリン酸と他の材料(例えばクマリン酸からのp−ヒドロキシ安息香酸)を
含む生成物の混合物は、個々の成分を単離することなく、一つ以上の更なる生体
内変換を経ることができ、例えばバニリン酸をバニリンに変換し、且つ他の成分
の対応する変換を行うことができる。
【0023】 B)バニリン酸(2)のバニリルアルコール(5)への生体内変換、およびバ
ニリルアルコール(5)のバニリン(3)への生体内変換を含むバニリンの製造
。通常、これら2つのステップは、異なる微生物を使用するであろう。バニリル
アルコール等の化合物は、それら自体で価値あるフレーバー化学物質であること
ができることに注意すべきである。
【0024】 それらのステップは、それら自体で新規であることができる。バニリン酸のバ
ニリルアルコールへの還元は、ザイゴリンクス モレリによって行うことができ
る。
【0025】 C)アスペルギルス フミガーツスまたはミクロムコール イザベリヌス等の
微生物株によるバニリン酸(2)のバニリン(3)への直接的な生体内変換を含
むバニリンの製造 D)例えばシュードモナス プチダの株による、フェルラ酸のバニリンへの 生体内変換を含むバニリンの製造。
【0026】
【化5】
【0027】 E)その中を生成物が通過する第2の相と接触する水相において微生物を用い
る生体内変換を行うことによる、物質、特に更に反応し易い物質(例えば、アル
デヒド)または微生物を阻害し易い物質(例えばバニリン)の製造および単離。
この「その場(in-situ)生成物除去」(「ISPR」)は、第2の相として植
物油を使用することができる。生成物は、例えば結晶化または溶媒抽出によって
、その後第2の相から回収することができる。ISPRのこのプロセスは、プロ
セスA(上記)のステップ(ii)において、またはプロセスB、CおよびDに
おいて使用することができる。
【0028】 F)上記の(A)に従うプロセスの生成物、または一つ以上のこのような生成
物、および/又は上記(B)、(D)または(E)に従うプロセスによって製造
された一つ以上の物質、および/又は他の源および/又はバニラ豆抽出物からの
一つ以上フレーバー化学物質のブレンドである、バニラフレーバー/芳香組成物
【0029】 G)フェルラ酸をバニリン酸に変換するための、シュードモナス プチダの使
用。その原料は、好ましくは、穀物繊維等の植物材料を、フェルラ酸の単離なし
で、クエン酸塩と、FAE酵素(上記のセクションAで記述したような)により
処理することによって得られる混合物である。
【0030】 H)上述したような種々の変換を、他の基質に適用することができる。これは
、更なる有用なフレーバー/香り(odor)成分をもたらすことができる。例えば
安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸および3,4−ジヒドロキシ安息香酸を、対
応するアルデヒドおよび/又はベンジルアルコールに変換することができる。
【0031】 I)本発明のプロセス使用の微生物の株を単離する方法。多様な株を含む材料
(例えば土壌サンプル)は、例えば寒天上に多様なコロニーを与えるために用い
られ、個々のコロニーはアルデヒドを見出すことに適した試薬によって、有用な
活性を見出すためテストされる。例えば、2,4−ジニトロ−フェニルヒドラジ
ンは、アルデヒドを産生しているコロニーの周囲でオレンジ/赤色のゾーンを与
え、アルコールを産生しているコロニーの周囲で暗い黄色のゾーンを与える。
【0032】 J)方法I)によって単離された株、およびその変異体(自然には通常の突然
変異誘発によって、または遺伝子工学によって得られる)。これは、それらが、
形質転換核酸がそれらから直接または間接的に誘導された「親」生物体の活性を
誘導したように、変換された異種(heterologous)生物体を含む。
【0033】 特に好ましいいくつかの株は、ブダペスト条約の下で寄託された。簡潔な説明
は、後述する。
【0034】 a)NCIMBで寄託された株(NCIMB社、23St マハル(Machar)
ドライブ、アバディーン、A24 3RY、英国) 1. ブレブンディモナス ベシキュラリス(Zyl 295)NCIMB
40987−グラム陰性バクテリア(18/11/98寄託) 2. シュードモナス プチダ(Zyl 503)NCIMB 40988−
グラム陰性バクテリア(18/11/98) b)IMI(CABI Bioscience UK Centre Egham、Genetic Resource Coll
ection、Bakeham Lane、Egham、サリー TW20 9TY、英国)で寄託され
た株 1.ロドトルラ グルチニス(Zyl 717)−IMI 379896−赤
/オレンジのピグメントを産生する酵母、(20/11/98) 2.黄色アスペルギルス(Zyl 714)IMI 379895−ライトグ
リーンの芽胞(20/11/98)を産生する糸状菌 3.アスペルギルス フミガーツス(Zyl 747)IMI 379902
−青/灰色の芽胞を産生する糸状菌(20/11/98) 4.トリコデルマ コニンギイ(Zyl 751)IMA 379903−
緑色芽胞を産生する糸状菌(20/11/98) 5.黒色アスペルギルス(Zyl 759)−IMI 379904−褐色/
黒色の芽胞を産生する糸状菌(20/11/98) 6.ミクロムコール イザベリヌス(Zyl 849)IMI 379893
−淡(pale)褐色の芽胞を産生する糸状菌(20/11/98) 7.ザイゴリンクス モレリ(Zyl 851)IMI 379899−黒色
芽胞を産生する気生の(aerial)菌糸を有する糸状菌(20/11/98) 8.ペニシリウム クリゾゲヌム(Zyl 860)−IMI 379900
−青色芽胞を産生する糸状菌(20/11/98) 9.シュードモナス プチダ(Zyl 581)IMI 382568、グラ
ム陰性バクテリア;31/1/00寄託 それらの株の使用を、以下の例で説明する。もちろん、同じ種(species)の
他の株を、同じ変換を行うために使用することができる。
【0035】 いくつかの特定の例を参照して、本発明を更に詳細に説明する。
【0036】 一般的な実験的条件 生物体が培養液体培地(broth)で増殖する以下の例において、その増殖培地
は、ビタミン補給剤および微量元素補給剤のいずれか、または双方の指定された
量を含むことができる。
【0037】 これらを、以下のように製造した。
【0038】 ビタミン補給剤:ビオチン(2mgL−1)、葉酸(2mgL−1)、ピリド
キシン(l0mgL−1)、リボフラビン(5mgL−1)、チアミン(5mg
−1)、ニコチン酸(5mgL−1)、パントテン酸(5mgL−1)、ビタ
ミンB12(0.lmgL−1)、4−アミノ安息香酸(5mgL−1)、およ
びチオ酢酸(5mgL−1)。
【0039】 微量元素補給剤:濃塩酸(51.3mL L−1)、MgO(10.75gL −1 )、CaCO(2.0gL−1)、FeSO・7HO(4.5gL )、ZnSO・7HO(1.44gL−1)、MnSO・4HO(1
.12gL−1)、CuSO・5HO(0.25gL−1)、CoSO
7HO(0.28gL−1)、およびHBO(0.06gL−1) コニフェリル(coniferyl)アルコール、コニフェルアルデヒド、カフェー酸
、クマリン酸、フェルラ酸、バニリン酸、バニリルアルコールおよびバニリンの
分析は、以下の条件を用いる高性能液体クロマトグラフィー(hplc)を用い
て行った: カラム スフェリソーブ(spherisorb) C18 移動相 1%の酢酸を含む80:20の脱イオン水:アセトニトリル 流速 1.75mL min−1 検出 290nmでの紫外 4−ヒドロキシ安息香酸および4−ヒドロキシベンズアルデヒドの分析は、以
下の条件を用いる高性能液体クロマトグラフィー(hplc)を用いて行った: カラム スフェリソーブ C18 移動相 1%の酢酸を含む80:20の脱イオン水:アセトニトリル 流速 2mL min−1 検出 275nmでの紫外 または、4−ヒドロキシ安息香酸および4−ヒドロキシベンズアルデヒドの分
析は、以下の条件を用いる薄層クロマトグラフィー(tlc)を用いて行った:
石油エーテル(40−60):酢酸エチル(50:50)で溶出するシリカプレ
ート、およびUVまたはジニトロフェニルヒドラジン溶液(2MのHCl中の0
.4%)による可視化 A)植物材料の使用 トウモロコシ繊維は、フレーバー/芳香材料の製造のための原料を与えること
ができる安価な原料の例である。アルカリによる処理は、フェルラ酸の遊離と、
より小量の他の材料(特にクマリン酸)をもたらす。この混合物は更なる生体内
変換に供されて、例えばバニリン酸および4−ヒドロキシ安息香酸の混合物を与
えることができ、それは更に生体内変換に供されて、例えばカルボン酸基を−C
HOおよび/又はCHOHに変換することができる。
【0040】 例lA:トウモロコシからのフェルラ酸およびクマリン酸 (a)水酸化ナトリウムの使用:摩砕された(ground)500gのトウモロコ
シ繊維に、1リットルの1M水酸化ナトリウム溶液を加え、得られた懸濁液を充
分に混合し、次いで周囲温度(22℃)で15時間放置した。次いで、1リット
ルの酢酸エチルと100mLの濃塩酸を加え、その懸濁液を混合した。酢酸エチ
ル相を分離し、酢酸エチルの更なる1リットルで繊維懸濁液を再抽出した。合わ
せた有機溶媒相を乾燥し(NaSO)、蒸発乾固して濃厚な油を得た。n−
ヘキサンによりこの油を繰り返し洗浄して、33%のフェルラ酸および2.9%
のクマリン酸を含む淡黄色の固体を得た。
【0041】 (b)重炭酸ナトリウムの使用:250mlの三角フラスコ内で、1.75%
重量/重量(質量/質量)のフェルラ酸(FA)と、0.l%重量/重量(質量
/質量)のクマリン酸(CA)を含む10gのトウモロコシ繊維に、l00ml
の0.5m重炭酸ナトリウム溶液を加えた。得られた懸濁液を、ホットプレート
撹拌装置を用いて85℃で加熱および混合した。溶液中へのフェルラ酸およびク
マリン酸の放出を、hplcを用いて時間に関してモニターした。フェルラ酸お
よびクマリン酸の収量は、以下の通りであった: 60分、FA 20mg、CA 1.6mg;245分、FA l00mg、
CA 4.3mg;315分、FA l27mg、CA 5.6mg;365分
、FA 126mg、CA 6.2mg。365分における収率は、利用可能な
フェルラ酸およびクマリン酸のそれぞれ72%および62%の放出に等しい。
【0042】 トウモロコシ懸濁液を、メッシュバッグを通してプレスすることによって、粗
くフィルターし、回収した固体をl0ml脱イオン水で洗浄し、遠心(4,00
0× g、15分)の前に、それらの濾液を合わせた。濃塩酸で上澄みのpHを
pH2.5に調節し、次いで酢酸エチル(3×l00ml)で抽出した。合わせ
た酢酸エチル層を蒸発乾固して、41%のフェルラ酸と2.7%のクマリン酸を
含む2l6mgの黄色/オレンジ色の固体成分を得た。
【0043】 以下の例(c)および(d)において、トウモロコシ繊維からのフェルラ酸お
よびクマリン酸の製造を、2ステップのプロセスによって行った。第一に、水中
に溶解された明確な量のクエン酸として、または新たにしぼられたレモンまたは
ライム果実からのジュースとしてのいずれかとして供給されたクエン酸溶液で加
熱することによって、その繊維の酸加水分解を達成した。第二に、フェルラ酸お
よびクマリン酸を産生する加水分解酵素製剤の添加によって、可溶化したシンナ
メート糖エステルの加水分解を達成した。
【0044】 (c)250mlの三角フラスコ内で、トウモロコシ繊維(20g)を100
mlのクエン酸溶液(2%)と混合し、126℃で1時間加熱した。激しく混合
しつつ、10Mの水酸化ナトリウム溶液の添加によって、トウモロコシ懸濁液の
pHを、pH5.0まで上昇させた。その懸濁液に酵素製剤(40mg、ヘミセ
ルラーゼ、アマノ(Amano))を加え、その全体を200rpmで混合しつつ、
50℃で46.5時間インキュベートした。フェルラ酸の放出を、上述したよう
なhplcによってモニターした。1.5時間のインキュベーションの後、溶液
中にフェルラ酸の合計51mgが存在し、46.5時間後には、この量が220
mgまで増大した。
【0045】 (d)2Lの三角フラスコ内で、トウモロコシ繊維(200g)を1リットル
のクエン酸溶液(2%)と混合し、および126℃で1時間加熱した。ブドウ絞
り器を用いて、そのトウモロコシ懸濁液を不溶性固体とリカーフラクションに分
離した。第一の圧搾により、約800mlのリカーを得た;回収した固体を、更
なる200mlの水で洗浄し、再び圧搾して、合わせたリカーフラクション約1
リットルを得た。激しく混合しつつ、10M水酸化ナトリウムの添加によってト
ウモロコシリカーのpHをpH7.0まで上昇させた。酵素製剤(バイオフィー
ド プラス L、2ml,ノボ ノルディスク)をそのリカーに加え、全体を1
60rpmで混合しつつ、60℃で7.5時間インキュベートした。フェルラ酸
およびクマリン酸の放出を、上述したようなhplcによってモニターした。
【0046】 7.5時間のインキュベーションの後、l.6gL−1のフェルラ酸と、0.
1gL−1のp−クマリン酸を溶液中に検出した。後述するような酢酸エチルへ
の抽出、およびこれに続く、ケイ皮酸ナトリウム塩を得るための溶媒の塩基抽出
、またはシンナメート遊離酸を得るための溶媒の蒸発乾固のいずれかによって、
両方のケイ皮酸を溶液から回収した。
【0047】 トウモロコシリカー(1L)を、濃塩酸の添加によりpH3とし、珪藻土を通
して濾過して、不溶性材料を除去した。その濾液を300mlの酢酸エチルで二
回抽出し、それらの溶媒抽出物を合わせた。その溶媒の蒸発乾固により、それぞ
れ53.5%と3.8%の純度を有する1.39gのフェルラ酸と0.1gのク
マリン酸を含む2.6gのオレンジ色の固体を得た。シンナメートをそれらのナ
トリウム塩として回収するために、水相の激しい混合と組み合わせて、l0M水
酸化ナトリウム溶液(l0ml)の上に、酢酸エチルを連続的にポンピングした
。トレース量を除く全てのシンナメートが水相中に回収されるまで(約2時間)
、これを継続した。その水相を減圧下に45℃で乾燥して、それぞれ11.3%
および0.87%の純度を有する1.3gのフェルラ酸と0.1gのクマリン酸
を含む11.5gのクリーム固体材料成分を得た。
【0048】 e)クエン酸処理したトウモロコシ繊維懸濁液の、フェルラ酸とバニリン酸を 含む蒸解(digested)パルプへの変換 約1.75%重量/重量(質量/質量)のフェルラ酸を含む4gのトウモロコ
シ繊維、および20mlの2%重量/体積(質量/体積)クエン酸溶液を、3個
の50mlの三角フラスコの各々に加え、その全体を126℃で55分間オート
クレーブ処理した。冷却した後、処理した懸濁液のpHを、l0M水酸化ナトリ
ウム溶液を用いてpH6.0に調節した。フラスコを、Zyl 714(IMI
379895)の黄色アスペルギルス、Zyl 759(IMI 37990
4)の黒色アスペルギルスまたはP.クリソゲヌム Zyl 860(IMI
379900)のいずれかの芽胞で接種し、オービタルミクサー上で250rp
mで振盪しつつ、30℃でインキュベートした。加水分解生成物フェルラ酸につ
いて、およびフェルラ酸側鎖切断生成物バニリン酸について、hplcによって
フラスコを分析した。
【0049】 89時間のインキュベーションの後、P.クリソゲヌム実験に対する溶液にお
けるフェルラ酸およびバニリン酸の濃度は、フェルラ酸(検知されず)およびバ
ニリン酸(1.35g/L)であった。
【0050】 5日間インキュベーションの後の、黄色アスペルギルス、黒色アスペルギルス
それぞれに対する溶液におけるバニリン酸およびフェルラ酸の濃度は、1g/L
のフェルラ酸、0.3g/lのバニリン酸、検出されないフェルラ酸、およびl
.2g/Lのバニリン酸であった。
【0051】 全ての3つの菌は、トウモロコシ繊維懸濁液を蒸解パルプに分解(reduce)し
、繊維フラグメントを微細固体に分解した。
【0052】 f)フェルラ酸の放出のためのトウモロコシ繊維のパイロットスケール処理 10kgのトウモロコシ繊維の3つのバッチを、2%重量/体積(質量/体積
)のクエン酸水溶液中に各々懸濁した。バッチ1および2を1時間、126℃に
加熱し、次いでエージモア(Agemore)スウェプトサーフェス加熱/混合容器を
用いて急速に80℃まで冷却した。その固体を、次いでヴィゴ(Vigo)72L−
ブドウ搾り器を用いてリカーから分離し、その固体を水で洗浄して、出発体積を
回復した。
【0053】 バッチ1および2を合わせて、100Lのリカーを得た。このリカーのサンプ
ルを塩基加水分解によって処理して、利用可能なフェルラ酸を放出させ、hpl
cによって分析したが、フェルラ酸濃度はl.5gL−1であった。
【0054】 第3のバッチを134℃で15分間加熱し、80℃に急速に冷却し、バッチ1
および2と同じ装置を用いて圧搾したが、最初の圧搾の後に、固体を水で洗浄し
なかった。このバッチは、44.5Lのリカーを与えた。このリカーのサンプル
を塩基加水分解によって処理して利用可能なフェルラ酸を放出させ、hplcに
よって分析したが、フェルラ酸濃度はl.12 g/L−1であった。
【0055】 次いでリカーの全ての3つのバッチを合わせて145Lを得たが、懸濁固体の
濃度は屈折計法によって10.5%のw/vとして測定され、pHはpH3.4
として測定された。そのリカーを、次いでジュニア(Junior)上昇/下降プレー
トエバポレータを用いて60℃で濃縮した。19.5Lのリカーが得られ、懸濁
固体レベルは屈折率測定法により50%と決定された。このリカーのサンプルを
塩基加水分解によって処理して利用可能なフェルラ酸を放出させ、hplcによ
って分析したが、フェルラ酸濃度は8.0gL−1であった。
【0056】 濃縮したリカーを、次いで70Lのバイオラフィット(Biolafitte)ファーメ
ンターへ移し、33Lの総容積を与えるように水で希釈した。2.5Lの32%
重量/体積(質量/体積)の水酸化ナトリウム溶液で、リカーのpHをpH3.
0からpH6.0まで調節した。そのリカーを、次いで45℃まで加熱した。酵
素ヘミセルラーゼ(アマノ)を0.8g/L−1の濃度で加え、30時間攪拌し
つつインキュベートした。その酵素処理の後、リカーをhplcによって分析し
たが、フェルラ酸濃度は3.5gL−1であった。
【0057】 82.5%重量/体積(質量/体積)のリン酸により、リカーのpHをpH3
.0まで下げ、カー パワーフュージ(Car Powerfuge)を用いる遠心により懸
濁固体を除去した。そのフェルラ酸を、次いで50Lの酢酸ブチル(25Lの2
つのバッチで)を用いてリカーから抽出した。ファーメンター内でその酢酸ブチ
ルをリカー上にかぶせ、酢酸ブチル層におけるフェルラ酸の濃度が増加しなくな
るまで穏やかに混合した。一旦抽出が完結したならば、48Lの酢酸ブチルを回
収した。hplcによる酢酸ブチルの分析により、フェルラ酸濃度を2.64g
−1として得た。
【0058】 g)フェルラ酸の放出のための砂糖大根のパイロットスケール処理 40kgのフィブレックス(Fibrex)砂糖大根繊維を、200Lの水中に一晩
中懸濁した。この懸濁液を、次いで134℃に30分間加熱し、次いで、エージ
モア スウェプトサーフェス加熱/混合容器を用いて急速に80℃まで冷却した
(冷却期間は、10分間であった)。その固体を、次いでヴィゴ72L−ブドウ
搾り器を用いてリカーから分離し、その固体を水で洗浄して出発体積を回復させ
た。
【0059】 200Lのリカーを得たが、そのpHはpH4.0として測定され、屈折率測
定法によって、懸濁固体レベルは9.5%重量/体積(質量/体積)であった。
このリカーのサンプルを、塩基加水分解によって処理して利用可能なフェルラ酸
を放出させ、hplcによって分析したが、フェルラ酸の濃度はl.03gl であった。
【0060】 得られたリカーを、次いで60℃でジュニア上昇/下降プレートエバポレータ
を用いて濃縮した。31Lのリカーを得て、屈折率測定法によって懸濁固体レベ
ルを50%重量/体積(質量/体積)と決定した。このリカーのサンプルを塩基
加水分解によって処理して利用可能なフェルラ酸を放出させ、hplcによって
分析したが、フェルラ酸の濃度は、5.2gL−1であった。
【0061】 リカーを、次いで70Lのバイオラフィット ファーメンターへ移し、60℃
に加熱した。20%重量/体積(質量/体積)のリン酸により、そのpHをpH
6.5に調節し、制御した。酵素ペントパン(Pentopan)BG 500(ノボ
ノルディスク)をl.8gL−1の濃度で加え、および24時間攪拌しつつ、そ
の混合物をインキュベートした。酵素処理の後、リカーをhplcによって分析
したが、フェルラ酸の濃度は2.55gL−1であった。
【0062】 82.5%重量/体積(質量/体積)のリン酸でリカーのpHを、pH3.0
まで下げ、および懸濁固体をカー パワーフュージを用いる遠心によって除去し
た。そのフェルラ酸を、次いで35Lの酢酸ブチル(2×15L、および1×1
5Lの3つのバッチで)を用いてリカーから抽出した。ファーメンター内でその
酢酸ブチルをリカー上にかぶせ、酢酸ブチル層におけるフェルラ酸の濃度が増加
しなくなるまで穏やかに混合した。一旦抽出が完結したならば、32Lの酢酸ブ
チルを回収した。hplcによる酢酸ブチルの分析により、フェルラ酸濃度を2
.10gL−1として得た。
【0063】 次いで塩基抽出によって、その酢酸ブチルからフェルラ酸を抽出した。脱イオ
ン水の50mlを介して500mlのデュラン(Duran)ボトル中に、酢酸ブチ
ルをポンピングした。l0M水酸化ナトリウムを滴定しているメトロームpHス
タット(Metrohm pH Stat)を用いて、その水をpH9.0で維持して、磁気ス
ターラプレートおよびスターラ棒を用いて混合した。一旦それが水相を通り抜け
たならば、酢酸ブチルをバルク溶媒体積へポンピングで戻した。この設備は、溶
媒相からフェルラ酸を抽出して、pH9.0の水相中でそれを濃縮する。水相を
結局フェルラ酸で飽和させて沈殿物を形成させ、それをワットマンno.41濾
紙を介する減圧下の濾過によって回収した。乾燥オーブン中で50℃で、これら
の固体を一晩中乾燥した。この方法によって得られた固体の最初のバッチの重さ
は34gであり、hplc分析によって24gのフェルラ酸を含んでいた。固体
の第2のバッチの重さは18gであり、hplc分析によっての8gのフェルラ
酸を含んでいた。
【0064】 h)塩基加水分解によるフェルラ酸の放出のためのトウモロコシ繊維のパイロ ットスケール処理 600Kgの30.5%水酸化ナトリウムを含むl0,000Lの水中に、1
トンのトウモロコシ繊維を懸濁した。これを、次いで15mのステンレス鋼の
ジャケット付き容器中で50℃まで加熱し、8時間混合した。この懸濁液のpH
は、pH11.8として測定された。
【0065】 そのバルク固体を次いでスクロールデカンターを用いて除去し、得られたリカ
ーを貯蔵容器に移した。次いで、160Kgの75%重量/体積(質量/体積)
リン酸で、リカーのpHをpH6.0に調節した。
【0066】 そのリカーを次いでAPVエバポレータを用いて濃縮したが、それは2.5ト
ンの最終生成物を与えた。濃縮の後、180Kgの75%重量/体積(質量/体
積)リン酸で、リカーのpHをpH3.0まで下げた。この材料のサンプルを取
り出して、hplcによってフェルラ酸について分析したが、フェルラ酸濃度は
2.lgKg−1であった i)トウモロコシ繊維からのフェルラ酸の抽出のためのクエン酸溶液の繰り返 し使用 20gのクエン酸を1リットルのRO水に溶解し、pHはpH2.20として
測定された。200gのトウモロコシ繊維(ステーリイ(Staley)により供給さ
れる)をそのクエン酸溶液に添加し、次いで121℃で60分間オートクレーブ
処理した。懸濁液が80℃のままである間に、それらの固体を次いでヴィゴ・ベ
ンチブドウ絞り器を用いてリカーから分離した。800mlのリカーを、最初の
圧搾から回収した。保持した固体を次いで200mlのRO水で洗浄し、二度目
の圧縮をした。第2の圧搾から、220mlのリカーを回収した。両方の圧搾か
ら得られたリカーを一緒に加えて、1.02Lの総体積を得た。リカーのpHは
、pH2.32として測定された。
【0067】 そのリカーのサンプルを、塩基加水分解によって処理して利用可能なフェルラ
酸を放出させ、hplcによって分析したが、フェルラ酸の濃度は2.49gL −1 であった。これは、トウモロコシ繊維から1.24%重量/重量(質量/質
量)のフェルラ酸の収率を表す。
【0068】 2.37gのクエン酸を用いて、リカーのpHをpH2.20に戻した。新鮮
な200gのトウモロコシ繊維(ステーリイによって供給された)をリカーに添
加して、次いで121℃で60分間オートクレーブ処理した。その懸濁液を上記
したように処理して、最初の圧搾から730mlを回収し、その固体を270m
lのRO水で洗浄して再び圧搾し、第2の圧搾から320mlを回収した。両方
の圧搾から得られたリカーを一緒に加え、総体積l.05Lのリカーを得た。そ
のリカーのpHは、pH2.58として測定された。
【0069】 リカーのサンプルを塩基加水分解によって処理して利用可能なフェルラ酸を放
出させ、hplcによって分析したが、フェルラ酸の濃度は、3.13gL−1 であった。これは、トウモロコシ繊維からの0.82%重量/重量(質量/質量
)のフェルラ酸の収率を表す。
【0070】 例lB:生成物混合物の生体内変換 50mLの最少培地(2g/lのKHPO;0.2g/lのNaCl;0
.22g/lのMgSO;0.015g/1のCaCl;1ml/lの微量
元素溶液;l0ml/lのビタミン溶液;4g/lの酵母抽出物;4g/lのグ
ルコースを含む)を含む250mLの振盪フラスコ内で200rpmで振盪しつ
つ、30℃で24時間、ロドトルラ グルチニス(Zyl 717)の種ステー
ジ培養物を増殖させた。上記の例(a)で製造した300mgのトウモロコシ抽
出物を加えた50mLの同じ培地を含む250mLの振盪フラスコに接種する(
2%)ために、この培養物を用いた。これにより、2gL−1のフェルラ酸と、
0.18gL−1のクマリン酸基質の等価物を得た。その混合物を、60%飽和
の溶存酸素レベルで、30℃で500rpmで攪拌した。基質および生成物濃度
はhplcによって、以下のように測定された:16時間、フェルラ酸 0.6
8gL−1、バニリン酸 1gL−1、クマリン酸 0.08gL−1、4−ヒ
ドロキシ安息香酸 0.05gL−1、3,4−ジヒドロキシ安息香酸 0.0
2gL−1;18時間、フェルラ酸 0.14gL−1、バニリン酸 l.54
gL−1、クマリン酸 0.035gL−1、4−ヒドロキシ安息香酸 0.0
8gL−1、3,4−ジヒドロキシ安息香酸 0.05gL−1
【0071】 その生成物混合物は、更なる生体内変換、例えば、ザイゴリンクス モレリま
たはミクロムコール イザベリヌス(下記参照)を用いて、−COH基のCH
OHおよび/又はCHOへの還元を受けることができる。このように、可変の
割合で、バニリン酸を、バニリンとバニリルアルコールの混合物に変換すること
ができる。同様に、4−ヒドロキシ安息香酸を、4−ヒドロキシベンズアルデヒ
ドと4−ヒドロキシベンジルアルコールの混合物に変換することができる。マイ
ナーな酸の成分は、対応する還元を受けることができる。このように、最終生成
物は、発香性の化合物(主にバニラタイプの)の複合混合物である。例えばブレ
ブンディモナス ベシキュラリスを用いる、その混合物中のアルコールの生体内
変換により、アルデヒド(例えばバニリン)の割合を増大させることができる。
【0072】 例1C−トウモロコシ繊維からのバニリン酸の製造 上記の(c)で記述したように、トウモロコシ繊維(1kg)をクエン酸加水
分解(5L、2%の溶液)に供し、続いてトウモロコシ固体の洗浄および圧搾に
供して、約5リットルのトウモロコシのリカーを得た。l0M水酸化ナトリウム
を用いて、そのリカーのpHをpH5.8に調節した。上記のリカーの一定部分
(aliquot)2Lを、5L作業容積のファーメンターに移して、1分間100℃
に加熱した。残っているリカーも、熱処理し、別個に貯蔵した。1リットルの三
角フラスコ(250rpmで28℃振盪)内で、pH5.8のトウモロコシリカ
ー上で30時間増殖させたペニシリウム クリソゲヌム(Zyl 860)の培
養物200mLで、そのファーメンターを接種した。溶存酸素を30%飽和で制
御しつつ、そのファーメンター内容物を28℃で15時間増殖させた。培養のp
Hは制御しなかったが、インキュベーション期間を通して不変のままであった。
15時間後、ファーメンター内容物の体積は、当初3.5L、次いで更に7時間
のインキュベーションの後に5Lに増大した。インキュベーションを上述したよ
うに3日間継続し、その後、ファーメンター内容物を上述したようなhplcに
よって分析した。そのトウモロコシリカーは、1.2gL−1のバニリン酸と、
トレース量だけのフェルラ酸を含むことが示された。ブドウ絞り器によるファー
メンター内容物の単一の圧搾によって、菌類バイオマスをトウモロコシリカーか
ら分離し、清澄化した水性生成物を得た。
【0073】 P.クリゾゲヌム(Zyl 860)が現在好ましい株であるが、黄色アスペ
ルギルス(Zyl 714)および黒色アスペルギルス(Zyl 759)も使
用可能である。
【0074】 酢酸エチルへの抽出、およびこれに続くその溶媒の蒸発乾固によって、または
ヘキサンの添加による溶媒からのバニリン酸の沈殿のいずれかによって、バニリ
ン酸を水溶液から回収することができる。例えば、567mgのバニリン酸を含
む培養液体培地(900ml)をpH3.0に酸性化し、および酢酸エチル(l
×400ml、2×200ml)で3回抽出した。その溶媒抽出物を合わせて、
上述したようなhplcによって分析したが、485mgのバニリン酸(86%
回収)を含むことが判明した。
【0075】 合わせた酢酸エチル抽出物から一定部分(200ml)を取り、その体積を蒸
発によってl0mLに低減させた。定常的に混合しつつ、この濃縮した抽出物に
ヘキサン(40ml)をゆっくり加え、濾過により沈殿した材料を回収し、乾燥
して、ll5mgバニリン酸(82%の純度)を含む淡黄色固体のl40mgを
得た。溶媒からの回収は88%であり、したがって、元の培養液体培地から76
%の全体的な回収を得た。
【0076】 例1D−トウモロコシ繊維からのバニリンの製造 後述する例4におけるような栄養素の添加により、ミクロムコール イザベリ
ヌスの増殖のために、例lCからの清澄化したリカーの栄養分を強化した。更な
るバニリン酸は、リカーに加えなかった。1.5%の寒天で固化させたpH5.
8のトウモロコシリカー(例1Cで記述された)上で、ミクロムコール イザベ
リヌス(Zyl 849)の培養物を30℃で3日間増殖させた。100mlの
三角フラスコ内に含有された上記した強化、清澄化したリカーの20mlに接種
するために、この培養物を用いた。同一の第2のフラスコを接種(2.5%)す
るために用いる前に、そのフラスコ内容物を250rpmで24時間振盪しつつ
、30℃でインキュベートした。インキュベーション条件は、上述した通りであ
った。プロセスを通して、溶液中のバニリン酸とバニリンの濃度を、上述したよ
うなhplcによって分析した。24時間のインキュベーションの後、リカーの
pHは約1.5時間にわたってpH5.2からpH3.7へゆっくり低減した。
pH低減開始後の2.25時間後、0.02gL−1バニリンが溶液中で検出さ
れた。4.5時間後、バニリン濃度は、0.12gL−1まで増加した。7.5
時間で、バニリンおよびバニリン酸濃度は、それぞれ0.275gL−1と0.
8lgL−1であった。13時間のインキュベーションの後、バニリン酸濃度が
0.45gL−1に減少し、バニリンの濃度は、0.35gL−1で最大に到達
した。
【0077】 B)バニリルアルコールを経るバニリン酸からのバニリン バニリン酸のバニリンへの「ワンポット」生物変換は公知であるが、一般に低
い収率および低い変換速度(rate)および/又は低い生成物濃度しか示さない(
例えばEP 453368号、FR 2724394号)。我々は、バニリン酸
からバニリルアルコールの非常に高い濃度(例えば>5g/l)を与えるために
、ザイゴリンクス モレリが使用可能であることを見出した。バニリルアルコー
ルは、例えばブレブンディモナス ベシキュラリスにより、バニリンに効率的に
酸化することができる。
【0078】 例2:バニリン酸からのバニリルアルコール 2g/Lバニリン酸を含む50mLの培地(20gのグルコース;5gの(N
SO;2gのNaCl;MgSO 0.22g/L;CaCl
0.015g/L l0mL;微量元素溶液 1mL;ビタミン溶液 l0mL
;pH6.0リン酸緩衝液0.2Mにより1リットルまで調製)を含む250m
Lスターター培養フラスコに接種するために、酵母麦芽寒天上で増殖させたZypo
rhynchus モレリ(Zyl 851)の培養物を用い、200rpmで振盪しつ
つ、30℃で24時間インキュベートした。培地成分が脱イオン水に溶解され、
且つ2g/Lのバニリン酸を含むこと以外は、ファーメンター内で同じ培地の5
リットル中に、このスターター培養物を加えた。これをpH5.2(30℃)で
24時間攪拌し、その後pHを1時間かけて3.5にまで変化させ、温度を30
℃に保持した。プロセスを通して、溶存酸素を70%飽和で維持した。アッセイ
は、hplcによった。pHを低下させる(24時間のステージで)前に、系に
おいて存在するバニリン酸の量は低下せず、および生成物は見られなかった。反
応が進むにつれて、種々の量の基質および栄養素を以下のように加えた:31.
75時間、10gのバニリン酸と25gのグルコース;47.5時間、50gの
グルコース;55時間、20gのバニリン酸。生成物は、以下のように測定され
た。:31.75時間;バニリン酸 0.26g/L、バニリルアルコール 0
.3g/L;47.5時間、バニリン酸 1.17g/L、バニリン 0.lg
/L、バニリルアルコール 2.38g/L;55時間、バニリン酸 0.64
g/L、バニリン 0.06g/L、バニリルアルコール 3.5g/L;5日
間、バニリン酸 1.21g/L、バニリン 0.05g/L、バニリルアルコ
ール6.6g/L;このステージの後、更なる生成物の蓄積は観察されなかった
。pH5.2で基質が如何なる生成物にも変化しなかったこと、pHをpH3.
5に低下させた際にのみ、生物変換が始まることも明らかである。
【0079】 例3:バニリルアルコールからのバニリン 250mLの振盪フラスコ内の滅菌栄養液体培地(No 2)(50mL)に
、ブレブンディモナス ベシキュラリス(Zyl 295)を接種し、200r
pmで振盪しつつ36℃でインキュベートした。24時間後、バニリルアルコー
ルの50mgの添加の後に、バニリルアルコールとバニリン両方に対してhpl
cによってフラスコを定期的にモニターした。接種後71時間まで、バニリルア
ルコールの量は元のレベルの約10%に減少し、およびバニリンの量は基質から
約90%モル変換まで増加した。生成物の構造の確認を、nmr分光分析法によ
って確認した。
【0080】 フラスコの接種の時点でバニリルアルコールを添加したならば、16時間のイ
ンキュベーションの後にバニリンが最初に検出されたときまで、基質の量は減少
を開始しなかった。全体的な変換は、基質を24時間後に加えたときに観察され
たものに忠実に従った。
【0081】 C)バニリン酸からのバニリン 上述したように、バニリン酸のバニリンへの生体内変換は公知であるが、公知
の方法の収率は低く、それらを商業的な観点からは魅力的でないものにしている
。FR−A−2724394号は、担子菌(basidiomycete)を用いて、パーセ
ンテージで、かなり良い収率および変換速度を与えるプロセスを開示しているが
、その絶対的な収量は低い。例において産生されるバニリンの最も高い収量は、
625mg/lである。
【0082】 我々は、1g/lを超えるバニリンを与え、且つ連続生産で有用である株を見
出した。好ましい微生物は、ミクロムコール イザベリヌスおよびアスペルギル
ス フミガーツスの株である。
【0083】 例4:M.イザベリヌスによるバニリンの製造 (a)2g/Lバニリン酸を含む50mLの培地(l5gのグルコース;5g
の(NHSO;2gのKHPO;0.2gのNaCl;0.2gの
MgSO;0.0l5gのCaCl、微量元素溶液、1mL;ビタミン溶液
l0mL;脱イオン水により1リットルに調製)を含む250mLのスターター
培養フラスコに接種するために、酵母麦芽寒天上で増殖させたミクロムコール
イザベリヌス(Zyl 849)の培養物を用い、それを200rpmで振盪し
つつ30℃で16.5時間インキュベートした。このスターター培養物を、l.
5gL−1の濃度でバニリン酸を添加したファーメンター内で、同じ培地の5リ
ットルに加えた。プロセスを通して溶存酸素濃度を70%飽和に維持しつつ、フ
ァーメンター内容物を30℃で攪拌した。アッセイは、上述したようなhplc
によった。反応が進むにつれて、バニリン酸の追加的な量を以下のように加えた
:22.5時間、2.5g;24時間、2.5g;25.75時間、lg;26
.5時間、1g;27.5時間、lg;31時間、2.5g。基質および生成物
濃度は、以下のように測定された:22.5時間、バニリン酸 0.6gL−1 ;バニリン 0.84gL−1;24時間、バニリン酸 1.36gL−1;バ
ニリン0.96gL−1;25.75時間、バニリン酸 1.15gL−1;バ
ニリン l.1gL−1;26.5時間、バニリン酸 l.27gL−1、バニ
リン1.17gL−1;27.5時間 バニリン酸1.43gL−1;バニリン
1.33 gL−1;31時間、バニリン酸 1.l6gL−1;バニリン 1
.6gL−1;46.5時間 バニリン酸1.58gL−1;バニリン 1.7
0gL−1
【0084】 (b)2g/Lのバニリン酸を含む100mLの培地(l5gのグルコース;
5gの(NHSO;2gのKHPO;0.2gのNaCl;0.2
gのMgSO;0.0l5gのCaCl、微量元素溶液、lmL;ビタミン
溶液l0mL;リン酸緩衝液(0.2M)pH6.0により1リットルに調製)
を含む500mLスターター培養フラスコに接種するために、酵母麦芽寒天上で
増殖させたミクロムコール イザベリヌス(Zyl 849)の培養物を用い、
それを200rpmで振盪しつつ30℃で24時間インキュベートした。接種の
直前に、培地成分で脱イオン水で1リットルに調製し、バニリン酸を1.5gL −1 の濃度に添加したファーメンター内で、同じ培地の5リットルに、このスタ
ーター培養物を加えた。5M 水酸化ナトリウム水溶液の添加によって培地のp
HをpH5.2で維持しつつ、ファーメンター内容物を30℃で18時間攪拌し
た。この後、5M HClの添加によって培地pHを45分かけて徐々に3.7
に低下させ、温度を30℃で維持した。プロセスを通して溶存酸素濃度を70%
飽和で維持した。アッセイは、上述したようなhplcによった。18時間のス
テージでpHを低下させる前に、系におけるバニリン酸の量を、1.48 gL −1 として測定した;溶液中でバニリンを、0.02gL−1で検出した。反応
が進行するにつれて、バニリン酸またはグルコースの種々の量を以下のように加
えた:19.25時間、50gのグルコース;20.25時間、3gのバニリン
酸;21.5時間、4gのバニリン酸;23時間、4gのバニリン酸。基質およ
び生成物濃度を以下のように測定した:19.25時間、バニリン酸 1.5g
−1、バニリン 0.1gL−1;20.25時間、バニリン酸 1.16g
−1、バニリン 0.36gL−1;21.5時間、バニリン酸 1.07g
−1、バニリン0.74gL−1;23時間、バニリン酸 1.06gL−1 、バニリン 1.22gL−1;26時間、バニリン酸 0.83gL−1、バ
ニリン 1.95gL−1
【0085】 例5:A.フミガーツスによるバニリンの製造 5リットルの最少培地(1.5gL−1よりむしろ3gL−1のバニリン酸の
添加を除いて、例4(a)で記述した成分)に接種するために、アスペルギルス
フミガーツス(Zyl 747)の芽胞懸濁液を用いた。溶存酸素濃度を60
%飽和に維持しつつ、pHコントロールなしで、ファーメンター内容物を30℃
で攪拌した。アッセイは、上述したようなhplcによった。培養液体培地中の
基質および生成物濃度は、以下の通りであった:16時間、バニリン 0.01
5gL−1;24時間、バニリン 0.075gL−1;40時間、バニリン
0.69gL−1;47時間、バニリン 0.91gL−1;48.5時間、0
.98gL−1;53.5時間、l.02gL−1;112時間、バニリン酸1
.32gL−1、バニリン l.09gL−1
【0086】 D)フェルラ酸からのバニリン 例6 Zyl 581およびZyl 503のNTG誘導変異体によるフェル
ラ酸のバニリンへの変換 背景 ZYL 503は、中間体バニリンを介して、フェルラ酸(FA)をバニリン
酸(VA)に変換する。この反応における律速段階は、FAからバニリンであり
、したがって、培地におけるバニリンの蓄積は観察しない。後述するNTG変異
法に基づき、ZYL503変異体を製造した。それは、FAを供給された際に培
地中でバニリンを蓄積する。
【0087】 (a)ZYL503のNTG突然変異誘発 ZYL503をl0ml栄養液体培地で中期指数増殖期(mid-exponential ph
ase)に増殖させ、収穫し、l00mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH5.5
)で一回洗浄し、0.1gL−1のNTGを含むこの緩衝液10ml中に再懸濁
して、室温でインキュベートした。5分間隔で、0.5mlの一定部分を取り、
50mMリン酸カリウム緩衝液で二回洗浄して、この緩衝液の1ml中に再懸濁
した。これらのサンプルを、次いで50mMリン酸緩衝液で希釈し、20gL のグルコースまたは1gL−1のバニリンにプラスして、2gL−1の酵母抽
出物と2gL−1のフェルラ酸を含む最少培地寒天(0.4Mのリン酸緩衝、p
H7)上へ展開した。プレートを、30℃で24〜48時間インキュベートした
。バニリンプレート上で増殖できない、得られたコロニーを選んだ。Zyl 5
81を、この手順に基づいて得た。
【0088】 (b)Zyl 581による商業的なフェルラ酸(遊離酸)のバニリンへの変 最少培地(gL−1:(NHSO、5;KHPO、2;NaCl
,0.2;酵母抽出物、0.2、グルコース、20:0.1MのMgSO/0
.0lMのCaClを含む溶液の10ml;10mlのビタミン溶液およびl
ml微量元素溶液)50mlを含む250mLの振盪フラスコ内で、Zyl 5
81のプレ培養物を200rpm、30℃で24時間増殖させた。2MのNaO
Hを用いる8.0でのpHコントロール、70%での酸素コントロール、100
〜400rpmの気流量1.3vvmのスターラ速度カスケードによる同じ培地
の1.2リットルで満たしたバイオリアクターに接種するために、この培養物を
次いで用いた。接種の前に、下記の表に示したように、発酵が進行するにつれ、
2gL−1のフェルラ酸(ランカスター、99%)を加えた。同一のリアクター
を、8.5でのpHコントロールにもセットアップした。反応生成物を、HPL
Cによって定量した。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】 pH8.5ではバニリンが優勢な生成物であったが、pH8ではフェルラ酸か
らのバニリン酸が優勢な変換生成物であった。pH8.5で43時間の後、バニ
リン濃度は2.247gL−1であり、消費されたフェルラ酸に対して73%の
モル収率であった。
【0093】 (c)Zyl 581による砂糖大根由来のフェルラ酸(ナトリウム塩)のバ ニリンへの変換 ペントパン 500BG処理した砂糖大根リカーから得たフェルラ酸を酢酸ブ
チルで抽出し、次いで塩基に逆抽出して、フェルラ酸ナトリウム塩(遊離酸とし
て70.8%重量/重量(質量/質量)のフェルラ酸)を得た。
【0094】 接種の前に5.65g/lの砂糖大根フェルラ酸抽出物を加えた(ナトリウム
塩として、4gL−1の利用可能なフェルラ酸が存在)こと以外は上述したよう
にpH8.5で、Zyl 581をバイオリアクター中で増殖させた。40時間
の後、リアクタ内のフェルラ酸濃度は0.05g/l、バニリン酸0.21g/
l、およびバニリン 1.69g/lであった。これは、バニリンに対する54
%のモル収率を表す。加えたフェルラ酸の72%を、バニリン酸、バニリンまた
は残っているフェルラ酸として説明することができた。
【0095】 (d)消費した培養液体培地からのバニリンの回収 Zyl 581発酵からの培養液体培地を取り出し、遠心によって細胞を除去
し、液体培地をpH7.5に調節し、等しい体積の酢酸ブチルをかぶせ、一晩中
攪拌した。その酢酸ブチルを減圧下で蒸発させ、得られた固体をl0mlヘキサ
ンで洗浄し、濾過によって回収して40℃で一晩中乾燥した。
【0096】 Zyl 581発酵からの400mgの抽出した固体(HPLCにより95%
重量/重量(質量/質量)のバニリン)を、以下の手順を用いて精製した。その
生成物を、シリカ(70〜200μm)を加えた40mgのジエチルエーテルに
溶解した。そのエーテルを蒸発させ、固体をシリカに吸着させた。そのシリカを
、石油エーテル(60〜80のフラクション)中の酢酸エチルの2%(v/v)
溶液の500mlで洗浄した。この溶液を焼結ガラス(glass sinter)で濾過し
て、減圧下で蒸発させて、99%重量/重量(質量/質量)を超えるバニリン(
277mg)を含む白いアモルファス固体を得た。
【0097】 E)「その場」生成物の取出し(「ISPR」) その原理は、その中を生成物が通過することができる(排他的に、または優先
して)非混和性の相と接触している(in contact with)か、または接触させら
れた(contacted with)水相中において生体内変換を行うことを含む。可能な利
点は、a)水相中における更なる反応からの生成物の保護;b)高い生成物濃度
による微生物による生成物形成阻害の回避;c)平衡反応に、より大きい割合の
出発材料の生成物への変換を可能にさせること;およびd)生成物単離の容易性
を含む。更に、ISPRは連続的システムの開発を助長することができる。
【0098】 ISPRは、極性の基質(例えばフェルラ酸またはバニリン酸等のカルボン酸
)を、より極性が低い生成物に変換し、植物油材料、好ましくは食品グレードの
もの等の無極性性溶媒によって、それが優先して抽出されるであろう系に、容易
に適用できる。極性の副生成物も、水相中でとどまる傾向がある。
【0099】 例7および8は、ISPRを利用する以外は、例4および5に対応する。
【0100】 系に従って、生体内変換をその中で進行させつつ、またはバイオリアクターか
ら(一時的に)取り出された水相の部分にそれが接触ができるようにしつつ、非
混和性の相を水相に接触させることができる。非混和性の相による抽出を容易に
するために、取り出した相を処理することができる(例えばpHの調整によって
)。
【0101】 例7:ISPRによるM.イザベリヌスでのバニリンの製造 例4bで記述したように、ミクロムコール イザベリヌス(Zyl 849)
の5リットルの培養物を、ファーメンターで増殖させた。5M水酸化ナトリウム
溶液の添加によって培地のpHを5.2で維持しつつ、そのファーメンター内容
物を30℃で20時間攪拌した。この後、5MのHClの添加によって培地pH
を45分かけて徐々に3.8に低下させ、その後このpHで維持した;温度を3
0℃で維持した。プロセスを通して、溶存酸素濃度を70%飽和で維持した。ア
ッセイは、上述したようなhplcによった。培養液体培地中のバニリンの濃度
が0.96gL−1に達するまで、反応の進行をモニターした。この期間を通し
て、1.5gL−1の濃度を維持するように、バニリン酸を培地に加えた。この
時、外部分バニリン抽出系を、以下のように活性化した:バイオマスがファーメ
ンター内で保持されるように、濾過器具を介して、ファーメンターから培地を連
続的にポンピングした;ファーメンターから出る培地を60℃に加熱し、l0M
の水酸化ナトリウム溶液の添加によってpH6.5に調節した;この培地を、5
リットルのヒマワリ油を含む抽出容器に供給した;培地から油相へのバニリンの
連続的、選択的な抽出を行うために、オーバーヘッドスターラを使用して、水相
(1リットルの体積で維持した)および油相を激しく攪拌した;バニリン酸は油
中に抽出されず、完全に水相中に残った;この水相を、ファーメンターへ連続的
にポンピングして戻した。プロセスを通して、ファーメンター内の体積および抽
出容器内の体積を比較的に一定にした。ファーメンター内のバニリン酸の濃度が
約1.5gL−1に維持され、ファーメンター内でのバニリン濃度が最高1.5
gL−1に維持された。この連続的な外部抽出設備を用いて、5リットルのミク
ロムコール イザベリヌスの培養物は、約20時間の運転期間にわたってl8.
9gのバニリンを製造した。バニリンは、水またはアルコール(例えばメタノー
ルまたはエタノール)またはアルコール/水混合物への抽出によってヒマワリ油
から回収することができる。適当な混合溶媒は、80%のエタノールおよび20
%の水である。抽出用溶媒の蒸発後に、再結晶、昇華、その他の従来の技術によ
って、バニリンを更に精製することができる。
【0102】 例8:ISPRによるA.フミガーツスでのバニリンの製造 ステンレス鋼キャリア(support)を詰めた滅菌ガラスカラム(60mL体積
)を、2gL−1のバニリン酸を含む最少培地(例4で記述した成分)で満たし
、アスペルギルス フミガーツス(Zyl 747)の芽胞で接種した。系に通
気するため、および効率的な混合を行うために、カラムのベースに空気をポンピ
ングした。そのカラムを、室温(22℃)で70時間放置した。この後、菌の実
質的な増殖が生じ、全てはステンレス鋼キャリア物質に付着した。溶液中のバニ
リンの濃度は、0.65gL−1として測定された。上記のように通気を維持し
つつ、前述したものと同じ最少培地の200mL、およびヒマワリ油500mL
を含む別の抽出容器に、カラムの内容物を、そのカラムから連続的にポンピング
した。加えて、lgのバニリン酸を水相に加えた。抽出容器の内容物を充分に混
合し、カラムを介して水相を連続的にポンピングで戻した。そのカラムにシリコ
ンチューブ材料でジャケットをかぶせ、34℃の温度で水をポンピングすること
によって、約30℃でのカラム内容物のインキュベーションを、達成した。抽出
容器内の内部における油および水相中でのバニリンの濃度を、8日間にわたって
間隔をおいて分析した(上述したようなhplc)。系からの全バニリン収量と
して表した結果は、以下の通りであった:24時間、ll3mg;48時間、l
40mg;72時間、269mg;96時間、385mg;168時間、597
mg;192時間、566mg。
【0103】 長期に連続的使用するための例8の系の適合性を、例9によって示す。
【0104】 例9:ISPRを用いるバニリンの連続製造 ファーメンター(5リットルの作業体積)中で、最少培地(l.5gよりむし
ろ3.3gL−1のバニリン酸の添加以外は例9で記述した成分)の3リットル
に接種するために、アスペルギルス フミガーツス(Zyl 747)の芽胞懸
濁液を用いた。プロセスを通して溶存酸素濃度を60%飽和で維持しつつ、pH
コントロールせずに30℃でそのファーメンター内容物を攪拌した。アッセイは
、上述したようなhplcによった。24時間のインキュベーショントの後、溶
液中で0.15gL−1のバニリンを検出した。この時、0.5gL−1のバニ
リン酸を含むヒマワリ油2リットルをファーメンターに加え、インキュベーショ
ンを上述したように続けた。28日の期間にわたって、ファーメンター内の油相
を頻繁な間隔で取り出し、0.5gL−1バニリン酸を含む新鮮な油と取り替え
た。系からの全体のバニリン収量として表したバニリン産生は、以下の通りであ
った:
【0105】
【表4】
【0106】 665時間後に、実験を終了した;しかしながら、菌は未だにバニリンを活発
に製造していた。
【0107】 G)バニリン酸製造のためのシュードモナス プチダの使用 例10 フェルラ酸のバニリン酸への変換 250mLの三角振盪フラスコ内で、50mlの増殖培地(5gのフェルラ酸
;20gのグルコース;2gのKHPO;5gの(NHSO;0.
2gのNaCl;0.22gのMgSO;0.0l5gのCaCl;1ml
の微量元素溶液;10mlビタミン溶液、0.2Mのリン酸緩衝液、pH7.0
で1リットルまで調製)のための接種材料の源として、シュードモナス プチダ
(Zyl 503)の寒天プレート培養物を用いた。その培養物を、250rp
mで振盪しつつ30℃で培養して、上述したようなhplcによって分析した。
反応が進むにつれて、フェルラ酸の追加的な量を、以下のように加えた:24.
5時間、0.25g;48時間、0.125g;72時間、0.05g;90時
間、0.25g;96時間、0.5g。基質および生成物濃度を、以下のように
測定した:20.5時間、フェルラ酸 2.71gL−1、バニリン酸 2.0
8gL−1;24.5時間、フェルラ酸 1.51gL−1、バニリン酸 3.
01gL−1;48時間、フェルラ酸 2.4gL−1,バニリン酸 7.0g
−1;72時間、フェルラ酸 2.08gL−1、バニリン酸9.5gL−1 ;96時間、フェルラ酸 4.47gL−1、バニリン酸 12.l1gL−1 ;160時間、フェルラ酸 4.45gL−1、バニリン酸 19.05gL
【0108】 例11 トウモロコシ繊維からのバニリン酸の製造 250mlの三角フラスコ内で、30gのトウモロコシ繊維に、8%重量/体
積(質量/体積)のクエン酸溶液の100mlを加えた。そのフラスコ内容物を
、効率的に混合しつつ85℃で16時間で加熱した。この後、水酸化ナトリウム
溶液(l0M)を滴下で加えて、攪拌したトウモロコシ繊維懸濁液を中和した。
加水分解酵素製剤(500μm、バイオフィード プラス、ノボ ノルディスク
)をその懸濁液に加え、その全体を連続的に混合しつつ45℃で24時間インキ
ュベートした。分析は、上述したようなhplcによった。24時間後に、溶液
中で3.3gl−1のフェルラ酸を検出した。
【0109】 50mlの最小塩培地(4gのフェルラ酸;20gのグルコース;5gの(N
SO;0.2gのNaCl;2gのKHPO;0.22gのMg
SO;0.015gのCaCl;1mlの微量元素溶液;10mlのビタミ
ン溶液、0.2M、pH7.0のリン酸緩衝液で1リットルに調製)を含む25
0mLの振盪フラスコに接種するために、栄養寒天培地上で増殖させたシュード
モナス プチダ(Zyl 503)の培養物を用いた。そのフラスコ内容物を、
250rpmで振盪しつつ、30℃で24時間インキュベートした。この後、培
養物を遠心(4000×g、20分)により収穫し、0.2MのpH7.0のリ
ン酸緩衝液で1回洗浄して、残る非トウモロコシ由来のフェルラ酸またはバニリ
ン酸を除去し、最終的に同じ緩衝液の2ml中(×25の濃度)に再懸濁した。
この濃縮した細胞懸濁液を、100mlの三角フラスコ内に含まれた上述した加
水分解されたトウモロコシ懸濁液20mlの一定部分に加えた。250rpmで
振盪しつつ30℃でインキュベートする前に、溶液中のフェルラ酸の濃度は、2
.8gL−1として測定された。インキュベーション期間を通して存在するバニ
リン酸の濃度は、以下のように測定された:4時間、0.11gL−1;24.
5時間、1.44gL−1;29.5時間、1.98gL−1;31時間、2.
0gL−1
【0110】 H)他の基質の変換 例1におけるようなフェルラ酸のバニリン酸への変換は、ケイ皮酸(AR−C
H=CHCOH)の安息香酸(AR−COH)への変換である。これは、他
のケイ皮酸、例えばクマリン酸(4−ヒドロキシケイ皮酸)およびカフェー酸(
3,4−ジヒドロキシケイ皮酸)に適用することができる。
【0111】 例12:クマリン酸からの4−ヒドロキシ安息香酸 最少培地(例1で定義された)の50mlを含む250mLの振盪フラスコ内
で、ロドトルラ グルチニス(Zyl 702)の種ステージ培養物を、200
rpmで振盪しつつ30℃で24時間増殖させた。200mgのクマリン酸を添
加した同じ最少培地50mLを含む250mLの振盪フラスコを接種する(2%
)ために、この培養物を用いて、4gL−1の最終濃度を得た。インキュベーシ
ョン条件は上述した通りであり、分析は、上述したようなhplcによった。基
質および生成物濃度は、以下のように測定された:18時間、クマリン酸 1.
75gL−1、4−ヒドロキシ安息香酸 1.28gL−1、3,4−ジヒドロ
キシ安息香酸 0.27gL−1;22時間、クマリン酸 0.36gL−1
4−ヒドロキシ安息香酸 1.92gL−1、3,4−ジヒドロキシ安息香酸
0.44gL−1;23時間、クマリン酸 0.12gL−1、4−ヒドロキシ
安息香酸 2.10gL−1、3,4−ジヒドロキシ安息香酸 0.47gL
【0112】 例4におけるようなバニリン酸のバニリンへの変換は、ヒドロキシ安息香酸の
ヒドロキシベンズアルデヒドへの変換である。これは、他の安息香酸、特にヒド
ロキシ安息香酸、例えば4−ヒドロキシ安息香酸(例12で製造したような)、
または3,4−ジヒドロキシ安息香酸(プロトカテク(protocatechuic)酸)に
適用することができる。
【0113】 例13:4−ヒドロキシ安息香酸の4−ヒドロキシベンズアルデヒドおよび4 −ヒドロキシベンジルアルコールへの変換 100mgの4−ヒドロキシ安息香酸を含む42mLの培地を含む250mL
の三角フラスコに接種するために、酵母麦芽寒天上で増殖させたザイゴリンクス
モレリ(Zyl 851)培養物を用いた。その培養液体培地を、200rp
mで振盪しつつ30℃でインキュベートした。反応の進行を、上述したようなh
plcによって分析した。基質および生成物の濃度は、以下のように測定された
:24時間、4−ヒドロキシ安息香酸 2.26gL−1、4−ヒドロキシベン
ズアルデヒド痕跡量、4−ヒドロキシベンジルアルコール 痕跡量;42時間、
4−ヒドロキシ安息香酸 1.06gL−1、4−ヒドロキシベンズアルデヒド
0.53gL−1、9、4−ヒドロキシベンジルアルコール 0.55gL ;66時間、4−ヒドロキシ安息香酸 0.1gL−1、4−ヒドロキシベン
ズアルデヒド 痕跡量、4−ヒドロキシベンジルアルコール 2.6gL−1
【0114】 例14:4−ヒドロキシ安息香酸の4−ヒドロキシベンズアルデヒドへの変換 250mLの三角フラスコ内の最少培地(例4aで定義した)の50mLに接
種するために、酵母麦芽寒天上で増殖させたトリコデルマ コニンギイ(Zy
l 751)の培養物を用いた。接種の前に、l50mg(3gL−1)の4−
ヒドロキシ安息香酸を培地に添加し、続いて200rpmで振盪しつつ全体のイ
ンキュベーションを30℃で行った。アッセイは、上述したようなhplcおよ
びtlcによった。約30時間のインキュベーションの後、hplc分析により
、溶液中で0.3gL−1の4−ヒドロキシベンズアルデヒドを検出した。この
観察は更にtlc分析でも支持され、それは、4−ヒドロキシベンズアルデヒド
の関連サンプルに対応したRf 0.59における材料の存在を示した。観察さ
れた生成物は、ジニトロフェニルヒドラジン溶液で陽性のカラー反応を与えた。例15:3,4−ジヒドロキシ安息香酸の3,4−のジヒドロキシベンズアルデ ヒドへの変換 100mgのバニリン酸を含む50mLの培地を含む250mLの三角フラス
コ内で、酵母麦芽寒天上で増殖させたザイゴリンクス モレリ(Zyl 851
)の培養物を用いた。その培養液体培地を、200rpmで振盪しつつ30℃で
インキュベートした。反応の進行を、上述したようなhplcによって分析した
。42時間のインキュベーションの後、バニリン酸の約50%が、バニリルアル
コールに変換された。この時、100mgの3,4−ジヒドロキシ安息香酸(例
えば、例12から、またはタマネギ皮から抽出された)を培養物に加えて、イン
キュベートを続けた。更なる6時間のインキュベーションの後、3,4−ジヒド
ロキシベンズアルデヒドに対応する新しい生成物が約0.20gL−1の濃度で
検出された。24時間後、この生成物濃度は僅かに約0.025gL−1まで増
加した。48時間の後、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドは、溶液から消
失した。
【0115】 例16;安息香酸のベンズアルデヒドへの変換 1リットルのフラスコ内で、200mLの培地(50gのグルコース;5gの
(NHSO;2gのKHPO;0.2gのNaCl;0.22
gのMgSO;0.0l5gのCaCl 1ml、微量元素溶液の1mL;
l0mlビタミン溶液;脱イオン水により1リットルまで調製)を、安息香酸の
50mgの添加の後、一白金耳(loopful)のトリコデルマ コニンギイ(Zy
l 751)の芽胞で接種した。これを、200rpmで振盪しつつ30℃でイ
ンキュベートした。25時間のインキュベーションで、hplc分析によって培
養液体培地中でベンズアルデヒドを最初に検出した。次の5時間にわたって、ベ
ンズアルデヒド濃度は、0.l65g/Lまで増大し;この時、ベンジルアルコ
ールも0.lgの濃度で溶液中で存在した。
【0116】 例3におけるバニリルアルコールのアルデヒドへの変換は、他のベンジルアル
コール、例えば例14で製造された4−ヒドロキシベンジルアルコールにも適用
することができる。
【0117】 例17:4−ヒドロキシベンジルアルコールの4−ヒドロキシベンズアルデヒ ドへの変換 生物体の増殖の24時間のステージで4−ヒドロキシベンジルアルコールをフ
ラスコに加えた以外は、例17で記述した方法論に従って、1mg/mLの最終
濃度を得た。hplcによって反応の進行をモニターすることにより、4−ヒド
ロキシベンズアルデヒドが0.37mg/mLの濃度に到達したステージである
、更なる28時間後に、基質の量が元の10%まで低下することが示された。
【0118】 例14〜17におけるアルデヒドの収量が、ISPRの使用によって確かに改
善することができたであろうことに注意すべきである。
【0119】 I)カルボン酸からアルデヒドを産生する生物体のための選択的スクリーニン i)寒天プレートの製造 最小塩寒天:20gのグルコース;5gの(NHSO;2gのK
PO;0.2gのNaCl;0.22gのMgSO;0.0l5gのCaC
;10mlの微量元素溶液;lmlのビタミン溶液;20gの寒天、および
2gのバニリンまたをフェルラ酸のいずれか、脱イオン水で1リットルまで調製
(菌類単離)、または0.2M、pH7.0のリン酸ナトリウム緩衝液(バクテ
リア単離)。
【0120】 濾紙(ワットマン紙No.1)を、90mm直径の円盤に切り、オートクレー
ビングによって滅菌した。上述した最小塩寒天の注入の前に、90mmの滅菌ペ
トリ皿に複数のシングル円盤を配置した。
【0121】 土壌サンプルの製造 約2mlの脱イオン水に、l00mgの土壌を加えた。得られた懸濁液を、充
分に混合し(ボルテックスミクサー)、1時間室温(22℃)に放置し、懸濁材
料を分配するために、続いて更なる混合を行った。巨視的な固体を約10分間沈
降させ、スプレッドプレート技術を用いて、製造した最小塩寒天プレート上に上
澄み(l00μl)を塗布した。コロニー出現が観察される(約5日間)まで、
複数プレートを28℃でインキュベートした。
【0122】 iii)アルデヒドを産生する株の選択的可視化 バニリン酸またはフェルラ酸生体内変換生成物を可視化するために、以下の手
順に従った: 濾紙円盤の下にスパーテルを挿入して、寒天を個々のペトリ皿の底部から持ち
上げ、続いてジニトロフェニルヒドラジン(DNP)溶液(2MのHCl中、0
.4%のDNP)の1mlの注入を行った。皿内でその寒天を取り替え、DNP
溶液を寒天中に浸透させた。アルデヒド生成物を産生するコロニーを、淡黄色背
景に対してコロニー周囲のオレンジ/赤色ゾーンの存在によって可視化した。ア
ルコール生成物を産生するコロニーを、淡黄色背景に対して、コロニー周囲の暗
黄色ゾーンの存在によって可視化した。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年5月14日(2001.5.14)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 7/42 C12P 7/42 //(C12P 7/22 C12R 1:40 C12R 1:40) 1:645 (C12P 7/22 C12R 1:01 C12R 1:645) 1:68 (C12P 7/24 C12R 1:82 C12R 1:40) 1:66 (C12P 7/24 C12R 1:885 C12R 1:645) (C12P 7/24 C12R 1:01) (C12P 7/24 C12R 1:68) (C12P 7/24 C12R 1:82) (C12P 7/24 C12R 1:66) (C12P 7/24 C12R 1:885) (C12P 7/42 C12R 1:40) (C12P 7/42 C12R 1:645) (C12P 7/42 C12R 1:82) (C12P 7/42 C12R 1:66) (C12P 7/42 C12R 1:885) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 グラッドリー,ミッシェル ローレイン イギリス国,ケント シーティー1 3エ ルユー,カンタベリー,ナナリー ロード 22エー (72)発明者 サイム,ジョン トーマス イギリス国,ケント ティーエヌ24 9キ ューワイ,アシュフォード,ケニントン, キャノン ウッズ ウェイ 31エー,“ラ ラーンズ" Fターム(参考) 4B050 CC10 DD02 DD03 DD04 LL02 LL05 4B064 AC26 CA02 CA05 CA06 CA21 CB11 CD07 4B065 AA01X AA44X AA57X AA58X AA60X AA68X AA70X AA78X AC14 CA08 CA41 CA51

Claims (63)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(A)の一つ以上の種を含む第1の組成物を、式(B)の
    一つ以上の種を含む第2の組成物に変換する方法であって、 【化1】 {式中、X、Y、X’およびY’は、H、OHおよびOMeから独立に選ばれ;
    Zは、COH、COcarb(式中、carbは炭水化物残基を表す)、CHOまた
    はCHOHであり、QはCHO、COH、またはCHOHである} 前記方法は、(A)が(B)に変換されるような条件下で、第1の組成物を一
    つ以上の微生物で処理することを含み;前記一つ以上の微生物は、(a)シュー
    ドモナス プチダ(Pseudomonas putida)、(b)フェルラ酸をバニリン酸に変
    換できるロドトルラ(Rhodotorula)種および他の酵母;(c)それらがフェル
    ラ酸グリコシドをバニリンおよび/又はバニリン酸に変換することができるよう
    な、フェルラ酸エステラーゼ活性および内部(intra)側鎖開裂活性の両方を有
    する微生物;および(d)バニリン酸をバニリンに変換することができるミクロ
    ムコール イザベリヌス(Micromucor isabellinus)またはアスペルギルス フ
    ミガーツス(Aspergillus fumigatus)株から選ばれる方法。
  2. 【請求項2】 YおよびY’がOHである請求項1に従う方法。
  3. 【請求項3】 ZがCOHまたはCOcarbである請求項1または2に従
    う方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の組成物がフェルラ酸または一つ以上のフェルラ酸
    エステルを含み、前記第2の組成物がバニリン酸および/又はバニリルアルコー
    ルおよび/又はバニリンを含む請求項1、2または3に従う方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の組成物がフェルラ酸を含み、前記第2の組成物が
    バニリン酸を含み、前記微生物が(a)および(b)から選ばれると請求項4に
    従う方法。
  6. 【請求項6】 前記微生物がロドトルラ グルチニス(glutinis)である請
    求項5に従う方法。
  7. 【請求項7】 前記微生物が、シュードモナス プチダ NCIMB409
    88またはロドトルラ グルチニス IMI379896である請求項5に従う
    方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の組成物がフェルラ酸エステルを含み、前記微生物
    が(c)から選ばれる請求項4に従う方法。
  9. 【請求項9】 前記微生物がペニシリウムおよびアスペルギルス種から選ば
    れる請求項8に従う方法。
  10. 【請求項10】 前記微生物がP.クリソゲヌム、黒色アスペルギルスおよ
    び黄色アスペルギルスから選ばれる請求項9に従う方法。
  11. 【請求項11】 前記微生物がP.クリソゲヌム IMI379901、黄
    色アスペルギルス IMI379895、および黒色アスペルギルス IMI3
    79904から選ばれる請求項10に従う方法。
  12. 【請求項12】 前記フェルラ酸エステルが植物材料の形で与えられ、前記
    微生物が直接に前記植物材料に作用する請求項8〜11のいずれかに従う方法。
  13. 【請求項13】 前記第1の組成物の前記処理が、バニリン酸を含む第2の
    組成物を与え、前記第2の組成物が前記バニリン酸をバニリンに変換するために
    一つ以上の更なる微生物で処理される前記請求項1〜12のいずれかに従う方法
  14. 【請求項14】 前記第2の組成物が前記バニリン酸をバニリルアルコール
    に変換するために第2の微生物で;次いで、バニリルアルコールをバニリンに変
    換するための第3の微生物で処理される請求項13に従う方法。
  15. 【請求項15】 前記第2の微生物がザイゴリンクス モレリ(Zygorhynchu
    s moelleri)である請求項14に従う方法。
  16. 【請求項16】 前記記第2の微生物がザイゴリンクス モレリ IMI3
    79899である請求項14従う方法。
  17. 【請求項17】 前記第3の微生物が、ブレブンディモナス ベシキュラリ
    ス(Brevundimonas vesicularis)である請求項14、15または16に従う方
    法。
  18. 【請求項18】 前記第3の微生物が、ブレブンディモナス ベシキュラリ
    ス NCIMB40987である請求項17に従う方法。
  19. 【請求項19】 前記第2の組成物が、バニリン酸をバニリンに変換するた
    めにアスペルギルス フミガーツスまたはミクロムコール イザベリヌスで処理
    される請求項11に従う方法。
  20. 【請求項20】 前記第2の組成物がA.フミガーツス IMI37990
    2またはM.イザベリヌス IMI379893で処理される請求項17に従う
    方法。
  21. 【請求項21】 バニリンが蓄積する条件の下で、前記第1の組成物がシュ
    ードモナスの株で処理される請求項4に従う方法。
  22. 【請求項22】 前記株がシュードモナス プチダである請求項21に従う
    方法。
  23. 【請求項23】 前記株がシュードモナス プチダ IMI382568で
    ある請求項21に従う方法。
  24. 【請求項24】 前記株がフェルラ酸からバニリン酸およびバニリンの両方
    を産生することができ、それらの比がpH依存性であり;バニリンの蓄積に相対
    的に有利なようにpHが選ばれ、維持される請求項21、22または23に従う
    方法。
  25. 【請求項25】 前記第2の組成物が、更なる変換を受けやすい少なくとも
    lつの所望の成分を含み;前記第1の組成物の前記変換が、前記少なくとも1つ
    の所望の成分を抽出する有機相と接触された水相中で行われる請求項1〜24の
    いずれかに従う方法。
  26. 【請求項26】 前記第1の組成物が、フェルラ酸および少なくとも1の式
    (A)(式中、ZがCOHでもCOcarbでもない)の更なる化合物を含み、
    その少なくともlの更なる化合物が変換を受ける請求項1〜25のいずれかに従
    う方法。
  27. 【請求項27】 バニリンを含む、請求項26の方法から得られる混合物。
  28. 【請求項28】 植物材料から前記第1の組成物を遊離させる予備的なステ
    ップを含む請求項1〜26のいずれかに従う方法。
  29. 【請求項29】 (a)植物材料を処理して、フェルラ酸エステルを含む溶
    液を製造すること;および (b)フェルラ酸エステルがフェルラ酸に変換されるという条件下で、フェル
    ラ酸エステラーゼ活性を有する酵素組成物で、その溶液を処理すること; を含むプロセスによって、植物材料から、フェルラ酸を含む前記第1の組成物を
    得る予備的なステップを含む請求項1〜26のいずれかに従う方法。
  30. 【請求項30】 前記植物材料がトウモロコシ、小麦、砂糖大根および米材
    料から選ばれる請求項28または29に従う方法。
  31. 【請求項31】 前記植物材料が繊維、糠(bran)または麦藁を含む請求項
    30に従う方法。
  32. 【請求項32】 ステップ(a)において、植物材料が、クエン酸または重
    炭酸ナトリウムを含む溶液で処理される請求項29、30または31に従う方法
  33. 【請求項33】 前記植物材料が温度範囲50〜250℃で処理される請求
    項32に従う方法。
  34. 【請求項34】 前記植物材料が砂糖大根繊維を含み、ステップ(a)が水
    中での加熱を含む請求項請求項29に従う方法。
  35. 【請求項35】 ステップ(b)が、アスペルギルスまたはフミコーラ イ
    ンソレンス(Humicola insolens)の種に由来する酵素を使用する請求項29〜
    34のいずれかに従う方法。
  36. 【請求項36】 前記酵素がフミコーラ インソレンスから由来し、処理が
    実質的にpH範囲6〜7で行われる請求項35に従う方法。
  37. 【請求項37】 アルデヒドの検出に適した試薬によって多様なコロニーを
    スクリーニングすることを含む請求項1〜26または28〜36のいずれかに従
    う方法。
  38. 【請求項38】 前記多様なコロニーが、変異(mutation)によって得られ
    る請求項37に従う方法。
  39. 【請求項39】 請求項37または請求項38の方法によって、その中で使
    用するための微生物を得る予備的なステップを含む請求項1〜26または28〜
    36のいずれかに従う方法。
  40. 【請求項40】 フェルラ酸をバニリン酸に変換することができるシュード
    モナス プチダ NCIMB40988およびその変異体。
  41. 【請求項41】 フェルラ酸をバニリン酸に変換することができるロドトル
    ラ グルチニス IMI 379896およびその変異体。
  42. 【請求項42】 フェルラ酸エステルをバニリン酸に変換することができる
    ペニシリウム クリソゲヌム IMI379900およびその変異体。
  43. 【請求項43】 フェルラ酸エステルをバニリン酸に変換することができる
    黄色アスペルギルス IMI379895およびその変異体。
  44. 【請求項44】 フェルラ酸エステルをバニリン酸に変換することができる
    黒色アスペルギルス IMI379904およびその変異体。
  45. 【請求項45】 バニリン酸をバニリルアルコールおよびバニリンに変換す
    ることができるザイゴリンクス モレリ IMI379899およびその変異体
  46. 【請求項46】 フェルラ酸をバニリンに変換することができるシュードモ
    ナス プチダ IMI382568およびその変異体。
  47. 【請求項47】 バニリン酸をバニリンに変換することができるアスペルギ
    ルス フミガーツス IMI379902およびその変異体。
  48. 【請求項48】 バニリン酸をバニリンに変換することができるミクロムコ
    ール イザベリヌス IMI379893およびその変異体。
  49. 【請求項49】 バニリルアルコールをバニリンに変換することができるブ
    レブンディモナス ベシキュラリス NCIMB40987およびその変異体。
  50. 【請求項50】 4−ヒドロキシル安息香酸を4−ヒドロキシベンズアルデ
    ヒドに変換することができるトリコデルマ コニンギイ(koningii) IMI
    379903およびその変異体。
  51. 【請求項51】 その生物体に特定された(specified for)活性を有する
    請求項40〜50に定義された生物体の抽出物または1以上の酵素。
  52. 【請求項52】 ロドトルラ グルチニスまたはシュードモナス プチダ、
    またはそれらからの抽出物または1以上の酵素を用いる、クマリン酸のp−ヒド
    ロキシ安息香酸への微生物的変換。
  53. 【請求項53】 ザイゴリンクス モレリ、またはそれからの抽出物または
    1以上の酵素を用いる、p−ヒドロキシ安息香酸のp−ヒドロキシベンジルアル
    コールへの微生物的変換。
  54. 【請求項54】 トリコデルマ コニンギイまたはザイゴリンクス モレリ
    、またはそれらからの抽出物または1以上の酵素を用いる、p−ヒドロキシ安息
    香酸のp−ヒドロキシベンズアルデヒドへの微生物的変換。
  55. 【請求項55】 ブレブンディモナス ベシキュラリス、またはそれからの
    抽出物または1以上の酵素を用いる、p−ヒドロキシベンジルアルコールのp−
    ヒドロキシベンズアルデヒドへの微生物的変換。
  56. 【請求項56】 ザイゴリンクス モレリまたはそこからの抽出物または1
    以上の酵素を用いる、3,4−ジヒドロキシ安息香酸の3,4−ジヒドロキシベ
    ンズアルデヒドへの微生物的変換。
  57. 【請求項57】 トリコデルマ コニンギイ、またはそれからの抽出物ま
    たは1以上の酵素を用いる、安息香酸のベンズアルデヒドへの微生物的変換。
  58. 【請求項58】 シュードモナス プチダまたはロドトルラ グルチニス、
    またはそれらからの抽出物または1以上の酵素を用いる、フェルラ酸のバニリン
    酸への微生物的変換。
  59. 【請求項59】 ペニシリウム クリソゲヌム、黒色アスペルギルスまたは
    黄色アスペルギルス、またはそれらからの抽出物または1以上の酵素を用いる、
    フェルラ酸エステルのバニリン酸への微生物的変換。
  60. 【請求項60】 アスペルギルス フミガーツスまたはミクロムコール イ
    ザベリヌス、またはそれらからの抽出物または1以上の酵素を用いる、バニリン
    酸のバニリンへの微生物的変換。
  61. 【請求項61】 シュードモナス プチダ、またはそれからの抽出物または
    1以上の酵素を用いる、フェルラ酸のバニリンへの微生物的変換。
  62. 【請求項62】 ザイゴリンクス モレリ、またはそれからの抽出物または
    1以上の酵素を用いる、バニリン酸のバニリルアルコールへの微生物的変換。
  63. 【請求項63】 ブレブンディモナス ベシキュラリス、またはそれからの
    抽出物または1以上の酵素を用いる、バニリルアルコールのバニリンへの微生物
    的変換。
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