JPH06339121A - 高品位テレビジョン受信機 - Google Patents

高品位テレビジョン受信機

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JPH06339121A
JPH06339121A JP5151471A JP15147193A JPH06339121A JP H06339121 A JPH06339121 A JP H06339121A JP 5151471 A JP5151471 A JP 5151471A JP 15147193 A JP15147193 A JP 15147193A JP H06339121 A JPH06339121 A JP H06339121A
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Japan
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signal
frame
interpolation
field
inter
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JP5151471A
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Inventor
Masahiro Kitaura
正博 北浦
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Victor Company of Japan Ltd
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Victor Company of Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高品位テレビジョン信号のデコード処理時
に、静止画系に比べてS/Nの悪い動画系での処理領域
を狭めて処理し、視覚的にS/Nの良好な画像を得る装
置を提供すること。 【構成】 フレーム間内挿回路120(フィールド間内
挿回路113の動作は以下( )内)において、内挿の
基準とするフレーム(フィールド)に対して、1フレー
ム(1フィールド)後の信号と、1フレーム(1フィー
ルド)前の信号と、1フレーム(1フィールド)前と1
フレーム(1フィールド)後の信号とを合成した信号と
の3つの信号の内から1つの信号を、動き検出回路18
からの制御信号に応じて選択する。そして、選択した信
号を前記基準とするフレーム(フィールド)信号へ内挿
処理する。これにより、従来誤って動画処理していた領
域の一部を準静止画系処理することができ、動画系での
処理領域を最小にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高品位テレビジョン受信
機に関し、特に高品位テレビジョン信号のデコード処理
時に、静止画系に比べてS/Nの悪い動画系での処理領
域を狭めて処理し視覚的にS/Nの良好な画像を得る高
品位テレビジョン受信機を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】高品位テレビジョン信号を圧縮して衛星
放送で伝送可能にするMUSE方式が提案され、試験放
送が行なわれている。
【0003】MUSE方式については、各種文献に記載
されているので(例えば、日経エレクトロニクス社刊の
「日経エレクトロニクス」1987年11月2日号のP
189〜P212「衛星を使うハイビジョン放送の伝送
方式MUSE」等)、ここでは詳細な説明は省略する。
【0004】MUSE方式の輝度信号(Y信号)は、送
信側では現信号を48. 6MHZ のサンプリング周波数
でAD変換される。
【0005】図11はMUSE信号の周波数スペクトラ
ムを示す図である。静止画部分は、図11(A)に示す
ように20〜22MHzの帯域を有する高品位テレビジ
ョン信号(輝度信号)が、まずフィールド間オフセット
サブサンプリングされて、図11(B)に示すスペクト
ルとなる。さらにサンプリング周波数を32. 4MHz
に変換され、フレーム間オフセットサンプリングされて
図11(C)に示すスペクトラムとなる。一方、動画部
分は、16. 2MHzに帯域制限された後、32. 4M
Hzにサンプリング周波数変換され、ラインオフセット
サブサンプリングされる。これを図11(D)に示す。
このようにして帯域圧縮した信号を、DA変換しアナロ
グ信号に戻して伝送している。
【0006】伝送されるMUSE信号は、図11
(C),(D)に示すように、図11(A)に示す元の
信号の8. 1MHz以上の高域信号が、8. 1MHz帯
域内に折り返され、伝送ベースバンド帯域幅である8.
1MHz帯域に圧縮処理されているものである。
【0007】この帯域圧縮されたMUSE信号を受信、
復調するのが、高品位テレビジョン受信機(MUSEデ
コーダ)である。
【0008】図12は従来の高品位テレビジョン受信機
を示すブロック図である。主に、高品位テレビジョン受
信機における輝度信号処理の部分を示している。図12
において、前記MUSE信号が入力端子1へ入来する。
この入来したMUSE信号は、AD変換器(2)へ供給
され、16. 2MHzのクロック信号で、再サンプリン
グされてディジタル信号となる。
【0009】AD変換器(2)出力信号は、ディエンフ
ァシス回路(3)へ供給される。ディエンファシス処理
された信号は、切り替えスイッチ(4),(6)と1フ
レーム遅延器(5)とによりフレーム間内挿処理が行わ
れる。
【0010】図13にフレーム間内挿処理をモデル化し
た図を示す。ディエンファシス出力のMUSE信号は同
図(ア)のようにライン間でオフセットしている。フレ
ーム間においても同様にオフセットしており、1フレー
ム前の信号(エ)とは逆の位相関係になっている。
【0011】現在フレーム(フィールド)信号(ア)と
1フレーム前の信号(エ)は、切り替えスイッチ(4)
において、フレーム間サブサンプルクロックS1により
画素ごとに切り替えられ、フレーム間で内挿された信号
(イ)と成る。フレーム間内挿信号(イ)は、1フレー
ム遅延器(5)により1フレーム遅延される。1フレー
ム遅延器(5)からは1フレーム前のフレーム間内挿信
号(ウ)が出力されている。(ウ)の内挿信号は、現在
フィールドと1フレーム前の信号が内挿された(イ)が
1フレーム遅れたものであるので、1フレーム前の信号
と2フレーム前の信号が内挿されたものである。切り替
えスイッチ(6)は、この1フレーム前の内挿信号
(ウ)より1フレーム前の信号と2フレーム前の信号と
を分離するものである。切り替えスイッチ(6)で分離
された1フレーム前の信号(エ)は切り替えスイッチ
(4)に入力されて再度巡回する。切り替えスイッチ
(6)で分離されたもう一方の2フレーム前の信号
(オ)は、減算器(7)に入力されて2フレーム間の差
分信号を得る。
【0012】1フレーム遅延器(5)においては、伝送
されてくる動きベクトル信号により遅延量が可変され
る。1フレーム遅延器(5)をさらに詳しくしたものが
図14である。フレーム間動きベクトル信号M1(コン
トロール信号分離回路(15)から供給される)は、垂
直動きベクトル信号と水平動きベクトル信号とからな
り、図14においてはこれを分離して記述している。垂
直の動きベクトル補正では、(5−3)の水平周期遅延
線と、水平周期単位の遅延量を切り替える切り替えスイ
ッチ(5−5)により、水平周期単位に遅延量が可変さ
れる。また、水平の動きベクトル補正では、画素単位
(ここでは32. 4MHzレート)の遅延線であるシフ
トレジスタ(5−6)と、画素単位の遅延量を切り替え
る切り替えスイッチ(5−7)により、画素単位の遅延
量が可変される。尚、垂直水平の動きベクトル信号が0
のとき固定遅延器(5−2)と前記垂直水平の可変遅延
量と合わせて1フレームとなる。
【0013】図12にもどって、切り替えスイッチ
(4)の出力信号(現在フィールド信号と1フレーム前
の信号とを内挿した)は、静止画処理系の12MHz低
域通過フィルタ(10)に入力される。12MHz低域
通過フィルタ(10)の出力は、サンプリング周波数変
換器(11)により、32. 4MHzより24. 3MH
zにレート変換される。
【0014】24. 3MHzにレート変換された信号
は、フィールド間内挿回路(12)によりフィールド間
で内挿処理が行われ、信号帯域が広帯域化されて48.
6MHzレートになる。内挿位相は、フィールド間サブ
サンプル制御回路(17)より得られるフィールド間サ
ブサンプルクロックにより制御される。また、内挿の際
の動きベクトル信号は、コントロール信号分離回路より
得られるM2である。このフィールド間内挿は、本発明
の本質部分ではないので、フィールド間内挿の詳細につ
いては前記文献等を参考にして戴きたい。
【0015】フィールド間内挿回路(12)の出力に得
られた信号が、静止画領域の信号であり図11(A)に
示す帯域信号が再現されている。
【0016】一方動画領域は、ディエンファシス回路
(3)の出力である16. 2MHzレートの現在フィー
ルド信号に、フィールド内内挿回路(8)で同一フィー
ルドの画素により内挿処理して、32. 4MHzレート
信号を得ている。内挿処理位相は、フレーム間サブサン
プル制御回路(16)から得られるサブサンプルクロッ
クS1で制御される。
【0017】32. 4MHzレートになった動画系の信
号は、サンプリング周波数変換器(9)で静止画領域信
号と同一の48. 6MHzレートに変換される。
【0018】内挿処理が行われた静止画系と動画系の2
つの信号は、混合器(13)において、動き検出回路
(18a)により検出された動き検出信号に応じて適応
混合される。この混合器(13)から得られる信号がM
USEデコード信号である。
【0019】ここまでの説明では輝度信号についてであ
るが、色信号についても基本的に同じである。但し、3
2. 4MHzレートになった動画系のフィールド内内挿
信号と、静止画系のフレーム間内挿信号とは、それ以降
サンプリングレートが64.8MHzレートになる。
【0020】前記フレーム間動きベクトル信号M1は、
コントロール信号として送信側から伝送されてくるもの
であり、コントロール信号分離回路(15)により分離
される。またフィールド間動きベクトル信号M2は、前
記フレーム間動きベクトル信号M1より生成される。
【0021】サブサンプルクロックS1は、前記コント
ロール信号分離回路(15)で分離される輝度信号と色
信号のサブサンプル制御信号により16. 2MHzクロ
ックを制御して得られる。またフィールド間サブサンプ
ルクロックS2は、前記コントロール信号分離回路(1
5)で分離されるフィールド間サブサンプル制御信号に
より、24. 3MHzクロックを制御して得られる。
【0022】前記動き検出回路(18a)の詳細なブロ
ック図を図15に示す。入力端(18−6)に切り替え
スイッチ(4)から、現在フィールドと1フレーム前の
信号からなるフレーム間内挿信号が入力される。符号反
転器(18−7)は、この1画素ごとに現在フィールド
と1フレーム前の信号になっている内のいずれかの画素
の符号を反転する。4MHzLPF(18−8)は、フ
レーム間の折返しのない帯域を通過させる。この際、隣
合う画素間が加算されるため、その出力に1フレーム間
の差分信号が得られる。1フレーム間の差分信号は、第
2の非線形処理回路(18−9)により絶対値化された
上で、図7に示す非線形処理がなされる。この非線形の
内容は、の領域からなる。の領域は静止画系と
判断される部分で、不感帯の幅はノイズの影響を考慮し
ている。の領域は動画系処理と静止画系処理が混合す
る部分である。の領域は差分信号がはっきりしてお
り、完全動画と判断される。第2の非線形処理回路(1
8−9)の出力に得られた信号が、1フレーム間動き検
出信号である。
【0023】入力端(18−1)には、減算器(7)に
得られる2フレーム間差分信号が供給される。(18−
2)の第1の非線形処理回路は、差分信号を絶対値化し
て、図7の非線形処理を行う。これは、1フレーム間差
分信号に施された処理と同様の処理であるが、不感帯の
幅等の設定が2フレーム間での動き検出として最適に設
定されている。非線形処理回路(18−2)の出力に得
られる2フレーム間動き検出信号は、周波数帯域も広帯
域で正確な動き検出信号であるが、時間方向に離れてい
るため、1フレーム前の領域に抜けが生じる。このため
1フレーム遅延器(18−5)と最大値回路(18−1
3)とにより、時間方向に領域を拡大し、1フレーム前
の抜けを補う。但し、フレーム間内挿する信号処理にと
っては、2フレーム以前の動き検出信号は不要である。
このためレベル検出器(18−11)と1フレーム遅延
器(18−12)と切り替えスイッチ(18−3)によ
り、2フレーム以前の動き検出を削除する。
【0024】この動き検出部分を、時間と動画像の位置
関係をモデル化した図であるを図16をも交えて説明す
る。この図16はフレーム単位(#3,#2,#1)に
動画像の位置が移動し、このときの2フレーム間及び1
フレーム間の動き検出信号の状態を示してある。図の
(a)は、第1の非線形処理回路(18−2)出力に得
られる信号である。フレーム間とフィールド間の内挿処
理は、フレーム番号#2と#1との間で行われるので、
位置x1部分の2フレーム間動き検出は不要である。同
図(b)に示す1フレーム間動き検出信号のうちの、入
力端(18−10)に設定された値以上の部分をレベル
検出器(18−11)で検出し、検出した信号部分を1
フレーム遅延器(18−12)で1フレーム遅延させ
て、同図(c)に示す信号を得る。(c)に示す信号で
(a)に示す2フレーム間動き検出信号を、切り替えス
イッチ(18−3)において禁止する。すなわち、スイ
ッチを未検出値が設定されている側の入力端(18−
4)に切り替える。この操作により最大値検出回路(1
8−13)の出力は、(d)の2フレーム間の動き検出
信号となる。
【0025】最大値検出回路(18−14)は、2フレ
ーム間の動き検出信号(d)と1フレーム間の動き検出
信号(b)との合成信号を出力する。最大値検出回路
(18−14)の出力は、さらにブロック(18−1
5)でフィールド間領域拡大が行われる。これはフィー
ルド間での信号処理に対応して、動き検出信号の抜けを
補うものである。
【0026】フィールド間領域拡大回路(18−15)
の出力(18−16)に得られる信号が最終的な動き検
出信号であり、図12に示す混合器(13)を制御す
る。
【0027】次に、従来技術の内挿処理の時間軸位相に
ついて詳しく述べる。図17に内挿処理の時間軸位相を
示す。動画系の信号は、現在フィールド信号n1をフィ
ールド内内挿するので、その時間軸位相はn1にある。
静止画系は、基本的に位相は考えられないが、動いてい
るものを動き検出が誤って静止画系処理した場合、n1
〜n4の4フィールド間に渡って処理される位相は、n
3とn2の間にあるものと考えることが出来る。また、
画像が平行移動した場合に掛けられる動きベクトル補正
では、1フレーム前のn3の画像位相を現在フィールド
n1の画像位相にベクトル補正して、フレーム間内挿
(FI)がなされる。また、1フィールド前には、n2
にn4がフレーム間内挿(FI’)されており、フレー
ム間内挿されたn2はフィールド間の動きベクトル補正
された上でn1にフィールド間内挿(fi)される。す
なわち、動きベクトル補正時の内挿処理は、画像の位相
を現在フィールド位相に補正して内挿するため、時間軸
位相は現在フィールド位相となる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】従来技術例において
は、図17に示したように静止画系の中心位相(重心)
と、動画系及び動きベクトル処理時の時間軸位相とが
1. 5フィールドの位相差があるため、動きにちぐはぐ
な現象があった。この現象は本来同一方向に動く画像
が、動き検出が誤り、動画像を静止画系で処理する部分
(時間軸位相1. 5フィールド前)と、動き検出が捕ら
えて、動画系で処理する部分(時間軸位相は現在フィー
ルド)との間で起きるもので、大変不自然な現象であっ
た。
【0029】この問題を解決する方法として、本発明人
による特願平1−157994号「高品位テレビジョン
受信機」,特願平2−171962号「高品位テレビジ
ョン受信機」において、動きベクトル補正時と動画系の
内挿位相を、1フレーム前または1フィールド前に揃え
て静止画系の中心位相(重心)との位相差を0. 5フィ
ールドとすることにより、実用上解消された。さらに上
記2つの出願内容については、LSIを開発し、当社発
売のMUSEデコーダとMUSEーNTSCコンバータ
として商品化され、その実用性が確認されている。本発
明においても時間軸位相差を最小にするため、内挿処理
の時間軸位相を現在フィールドの[(m−1)/2]フ
ィールド前に揃えることが前提となっている。ここで、
mは静止画系処理の内挿処理において使用される画像成
分が何フィールド間にわたるかというフィールド数(正
の整数)である。今回の実施例の場合m=7であり3フ
ィールド前に揃えている。
【0030】次に、従来例の動き検出信号は、図16
(e)に示すように2フレーム間に渡っている。このと
き、動画系信号は位置x3の部分であるので、x2の部
分は不要な動き検出信号である。この不要な動き検出部
分の多くは、アンカバードバックグランドの部分であ
り、さらに、動画系は1フィールドのみ処理されるため
S/Nが悪く折返し妨害を生じていた。このように従来
例においては、S/Nが悪く折返し妨害を生じる動画系
のフィールド内内挿領域が広く、画質劣化を招いてい
た。アンカバードバックグランド部分とは、建物の前を
自動車が通過する場合の自動車に隠されていた建物の部
分のように、動画に隠されていた静止画部分のことであ
る。
【0031】本発明が解決しようとする課題は、S/N
の悪い動画系の処理領域を最小限とすることにより、上
記画質劣化の問題点を改善するためにはどのような手段
を講じればよいかという点である。
【0032】また、従来静止画系においても十分なS/
Nが得られておらず、静止画系においてもさらなるS/
N向上を図る必要があり、これについても本発明の解決
しようとする課題である。
【0033】
【課題を解決するための手段】動き適応処理による不自
然な現象は、前述したように、動きベクトル処理時の静
止画系の時間軸位相と、動画系の時間軸位相とを現在フ
ィールドの3フィールド前に揃えることにより、動画信
号を静止画系で処理した場合の時間軸の中心位相(重
心)との位相差を最小にして解決される。
【0034】フレーム間の内挿処理を行うにあたって
は、内挿の基準とするフレームに対して、1フレーム後
の信号と、1フレーム前の信号と、1フレーム前と1フ
レーム後の信号とを合成した信号の内から選択し、前記
基準とするフレーム信号へ前記選択された信号を内挿処
理する。(図1のフレーム間内挿回路(120))
【0035】さらに、前記フレーム間内挿された信号3
フィールドを用いてフィールド間内挿を行う。この際、
3フィールド間の時間軸における中心フィールドを基準
フィールドとして、基準フィールドに対して1フィール
ド前と、1フィールド後と、1フィールド前と1フィー
ルド後とを合成した信号の内から選択し、前記基準とす
るフィールドに前記選択された信号を内挿処理する。
(図2のフィールド間内挿回路(113))
【0036】動きベクトル補正をかけて処理する静止画
系(フレーム間内挿処理とフィールド間内挿処理)は、
フレーム間とフィールド間各々基準とするフレームとフ
ィールドに動きベクトル補正をかける。この2段階の補
正により、7フィールド間に渡って処理される静止画系
において、静止画系の時間軸位相と動画系の時間軸位相
とを現在フィールドの3フィールド前に揃える動きベク
トル補正処理が行われる。(図1及び図2の動きベクト
ル補正処理回路(121))
【0037】フィールド内内挿する動画系は、3フィー
ルド前のフィールドをフィールド内内挿する。(図2の
フィールド内内挿回路(8))
【0038】前記内挿信号の選択に当たっては、前記基
準フレーム信号とその1フレーム前のフレーム信号との
1フレーム間の差分信号と、前記基準フレーム信号とそ
の1フレーム後のフレーム信号との1フレーム間差分信
号と、前記基準フレームの1フレーム前のフレーム信号
と前記基準フレームの1フレーム後のフレーム信号との
間の2フレーム間の差分信号との少なくとも3つの差分
信号により動き検出信号を得、その動き検出信号により
前記フレーム間内挿回路及びフィールド間内挿回路での
内挿信号の選択を行う。(図2の動き検出回路(1
8))
【0039】上記した構成と動作により、動画系で処理
する領域が最小限となり、前記課題が解決される。
【0040】また、静止領域においては、従来例よりも
格段に多い7フィールド間以上に渡って処理するためS
/N向上が得られる。
【0041】
【実施例】図1及び図2は本発明の高品位テレビジョン
受信機(MUSEデコーダ)の一実施例を示すブロック
図である。図12と同一ブロックは同一符号を付して示
す。なお、図1と図2とは、一つのつながった図を図面
サイズの関係で分図したものである。
【0042】本実施例は、ディエンファシス回路(3)
の出力信号までは従来例と同様である。ディエンファシ
スされた信号は、フレーム間逆ベクトル処理回路(10
1)で、現在のフレーム間動きベクトル信号M1aによ
り、送られて来る動きベクトル補正値の方向とは逆方向
に補正される。
【0043】図3にフレーム間逆ベクトル処理回路(1
01)の内部構成を示す。基本的には図14に示す動き
ベクトル補正回路の可変遅延線部分と同じである。但
し、補正方向を逆方向に振るために符号反転器(101
−9),(101−6)で垂直及び水平動きベクトル信
号の符号を反転する。符号が反転された垂直動きベクト
ル補正信号は、1水平周期単位の遅延線(101−2)
と1水平周期単位の異なる遅延量を切り替える切り替え
スイッチ(101−3)から構成される垂直可変遅延線
の遅延量を制御する。符号が反転した水平動きベクトル
補正信号では、画素単位の遅延線であるシフトレジスタ
(101−4)と1水平周期単位の異なる遅延を切り替
える切り替えスイッチ(101−5)から構成される水
平可変遅延線の遅延量を制御する。
【0044】図1にもどって、フレーム間逆動きベクト
ル補正された信号は、切り替えスイッチ(4),(6)
と、563水平周期遅延器(5a)と、562水平周期
遅延器(5b)により、いったんフレーム間内挿される
((5a)と(5b)とで従来の1フレーム遅延器
(5)と同様の働きをする)。フレーム間内挿処理につ
いては、図13にモデル化した従来例と同様である。但
し、ここで562水平周期遅延器(5b)で行われる動
きベクトル補正は、1フレーム前のフレーム間動きベク
トル信号M1bで正方向に行われる。
【0045】ここまでの動きベクトル補正の作用は、切
り替えスイッチ(4)の(0)側入力を(ア),(1)
側入力を(エ)とし、切り替えスイッチ(6)の(0)
側出力を(オ)とする(図13と同様)と図9に示すも
のとなる。図9の現在フレーム信号(ア)は逆方向への
動きベクトル補正が掛けられた値である。図9に示す1
フレーム前の信号(エ)は、逆方向の動きベクトル補正
と正方向の動きベクトル補正の両補正回路を通過するた
め動きベクトル補正は相殺され0となる。図9に示す2
フレーム前の信号(オ)は、1フレーム前の補正が相殺
された信号に562水平周期遅延器(5b)で再度補正
されるので、正方向に動きベクトル補正された値であ
る。この図9より1フレーム前に動きベクトル処理時の
時間軸の位相が揃えられたことがわかる(フレーム間内
挿の際に行われる動きベクトル補正)。
【0046】上記したブロック(101),(4)〜
(7)、及び後述するブロック(113−7),(11
3−8)が動きベクトル補正処理回路(121)を構成
している。
【0047】図1に示す信号線(イ)の部分の第1のフ
レーム間内挿信号と、信号線(ウ)の部分の第2のフレ
ーム間内挿信号は、動き検出回路(18)に入力されて
1フレーム間の動き検出信号と成って出力される。ま
た、減算器(7)出力に得られる2フレーム間差分信号
も、動き検出回路(18)に入力されて、2フレーム間
動き検出信号と成って出力される。動き検出回路(1
8)は、後で詳細に説明する。
【0048】現在フレーム信号(ア),2フレーム前の
信号(オ),1フレーム前の信号(エ)は、図1に示す
遅延器(106),(107),(108)で、その後
の処理で画像位相が合うように遅延量が調整される。
【0049】静止画系のフレーム間内挿は、加算器(1
09),切り替えスイッチ(110),(111)とで
行う。ブロック(106)〜(111)がフレーム間内
挿回路120を構成する。
【0050】画素単位のフレーム間内挿は、切り替えス
イッチ(111)で行われ、入力(0)側の1フレーム
前の信号に、入力(1)側の信号が内挿される。切り替
えスイッチ(111)の入力(1)側の信号は、切り替
えスイッチ(110)で、遅延器(106)と遅延器
(107)との各出力信号と、その2つの出力信号を加
算器(109)で加算し1/2した信号の3信号から、
制御信号L1aとL1bにより切り替えられたものであ
る。このフレーム間内挿処理については、動き検出回路
(18)で得られる制御信号L1a,L1b、そのほか
の動き検出信号とともにさらに詳しく後述する。
【0051】切り替えスイッチ(111)で内挿された
信号は、従来例と同様に図2に示す12MHz低域通過
フィルタ(10)でフィルタリングされた後、サンプリ
ング周波数変換器(11)で、32. 4MHzから2
4. 3MHzレートに変換される。24. 3MHzレー
トに変換された信号は、フィールド間内挿回路(11
3)でフィールド間内挿されて信号レートが2倍の4
8. 6MHzレートになる。フィールド間内挿処理につ
いてはさらに詳しく説明する。
【0052】サンプリング周波数変換器(11)出力の
フレーム間内挿信号(以下N1信号と呼称)は、フィー
ルド間内挿回路(113)内の563ライン遅延器(1
13−1)と562ライン遅延器(113−2)により
さらに2フィールド遅延する。563ライン遅延器(1
13−1)の出力を以下N2信号と呼び、562ライン
遅延器(113−2)の出力を以下N3信号と呼ぶ。N
1信号は、1水平周期遅延器(113−3)で1H遅延
された信号と加算器(113−4)で加算されると同時
に1/2倍される。そして、フィールド間逆ベクトル処
理回路(113−7)で前記N2の画像位相に動きベク
トル補正される。
【0053】N3信号は、N1信号と同様に、1水平周
期遅延器(113−5)で遅延された信号と加算器(1
13−6)で加算され同時に1/2倍される。そして、
フィールド間正ベクトル処理回路(113−8)で前記
N2信号の画像位相に動きベクトル補正される。切り替
えスイッチ(113−10)は、フィールド間逆ベクト
ル処理回路(113−7)の出力信号と、フィールド間
正ベクトル処理回路(113−8)の出力信号と、両信
号を加算器(113−9)で加算して1/2倍した信号
の3信号を、制御信号Lfa,Lfbにより切り替え
る。制御信号Lfa,Lfbは動き検出回路(18)か
ら供給されている。切り替えスイッチ(113−10)
で切り替えられる信号が非標本点信号であり、非標本点
信号が切り替えスイッチ(113−11)で標本点N2
信号にフィールド間内挿される。フィールド間内挿回路
(113)の出力に得られる信号が最終的な静止画系の
処理信号である。
【0054】動画系処理は、まず、図1に示す563水
平周期遅延器(5a)の出力である3フィールド前の信
号を、図2に示すフィールド内内挿回路(8)により、
同一フィールド信号より内挿処理して、16. 2MHz
から32. 4MHzレートの信号とする。32. 4MH
zレートになった信号は、サンプリング周波数変換器
(9)で、48. 6MHzレートに変換され、動画系処
理の出力信号となる。
【0055】得られた静止画系と動画系の信号は、図2
に示す第1の混合器(112)で、第1の動き検出信号
により動き適用混合される。さらに、第1の混合器(1
12)の出力と静止画系の信号とが、第2の混合器(1
3)で第2の動き検出信号により動き適用混合される。
【0056】ここで、前記動きベクトル制御信号M1
a,M1b,M2a,M2bは、図1に示すコントロー
ル信号分離回路(15)においてMUSE信号から抜き
取られる。抜き取られたフレーム間動きベクトル信号が
M1aで、フレーム間逆ベクトル処理回路(101)に
入力される。さらにM1aを1フレーム遅延器(10
2)で1フレーム遅延したものがM1bで、562水平
周期遅延器(5b)に入力される。
【0057】前記フィールド間動きベクトル補正信号で
あるM2aは、1フレーム遅延器(103)で遅延させ
た上でフィールド間逆ベクトル処理回路(113−7)
を制御し、M2bはさらにM2aを1フィールド遅延器
(114)で1フレーム遅延させてフィールド間正ベク
トル処理回路(113−8)を制御する。
【0058】内挿位相情報を持つフレーム間サブサンプ
ルクロックS1は、コントロール信号分離回路(15)
で分離されるサブサンプルコントロール信号を1フレー
ム遅延器(104)で1フレーム遅延させた上でフレー
ム間サブサンプル制御回路(16)で生成する。
【0059】フィールド間サブサンプルクロックS2
は、コントロール信号分離回路(15)で分離されるサ
ブサンプルコントロール信号を3フィールド遅延器(1
05)で3フィールドさせた上でフィールド間サブサン
プル制御回路(17)で生成する。
【0060】フィールド内内挿用のフレーム間サブサン
プルクロックS3は、前記1フレーム遅延器(104)
の出力のサブサンプルコントロール信号を、さらに1フ
ィールド遅延器(115)で遅延(トータル3フィール
ド遅延)させた上でフレーム間サブサンプル制御回路
(116)で生成する。
【0061】本発明の信号の内挿処理系は以上の構成か
らなり、特に静止画系の処理であるフレーム間とフィー
ルド間の内挿処理に特徴を持つものである。その内挿処
理について、図4を用いて以下に詳しく説明する。
【0062】図4は時間軸で本発明のフレーム間内挿及
びフィールド間内挿をモデル化した図である。1フィー
ルドを1コマとして、フィールド番号をn1からn7と
し、現在フィールドをn1として時間の流れを示してい
る。フレーム間内挿処理は、1フレーム前n3を基準に
して、n1からn3に内挿するFI1、n5からn3に
内挿するFI2、(n1+n5)/2からn3に内挿す
るFI3の3つの内挿処理から最適なものを選択する。
この選択は図1に示す切り替えスイッチ(110)で行
われる。そして、切り替えスイッチ(111)でn3フ
ィールド(1フレーム前)信号にフレーム間内挿され
る。時間軸n3フィールドのところのフレーム間内挿さ
れた信号が、図2に示すN1信号である。1フィールド
前には、n4を中心としてn2からn6の間で同様にフ
レーム間内挿が行われ、フレーム間内挿されたN2信号
を得ている。さらに2フィールド前には、n5を中心と
してn3からn7の間で同様にフレーム間内挿が行わ
れ、フレーム間内挿されたN3信号を得ている。
【0063】フィールド間内挿は、フレーム間内挿され
たN1信号〜N3信を用いて行われる。N2信号を基準
にして、N1からN2に内挿するfi1、N3からN2
に内挿するfi2、(N1+N3)/2からN2に内挿
するfi3の3つの内挿処理より最適なものを選択す
る。この選択は図2に示す切り替えスイッチ(113−
10)で行われる。
【0064】ここでの実施例では、切り替えスイッチに
より最適な内挿信号を得たが、制御の規模が許される範
囲でN1信号とN3信号とを段階的に混合して内挿する
信号を生成しても同様の効果が得られる。
【0065】フレーム間とフィールド間の時間方向の静
止画系の内挿と、フィールド内の動画系の内挿との時間
軸位相は、図4の通り現在フィールドn1の3フィール
ド前のn4フィールドに揃う(動画系のフィールド内内
挿処理は、上述したように現在フィールドより3フィー
ルド前の信号で行われるので)。即ち、動きベクトル補
正時の静止画系の時間軸位相と動画系の時間軸位相とは
n4に、さらに、動画像を静止画系で処理した場合の中
心位相(重心)もn4に来る。
【0066】前記した通り、フレーム間内挿はFI1,
FI2,FI3の3モードからなり、フィールド間内挿
もfi1,fi2,fi3の3モードからなる。この各
3モードの切り替えを制御するのが、動き検出回路(1
8)で得られる動き検出信号L1a,L1bとLfa,
Lfbであり、こららの信号を動き検出回路と共に次に
説明する。
【0067】動き検出回路(18)の内部構造を示した
ものが図5である。従来例と同一ブロックについては、
同一符号を付す。本実施例の動き検出回路での1フレー
ム間動き検出信号は、現在フレームと1フレーム前の差
分信号(即ち第1の1フレーム間内挿信号)より得られ
る第1の1フレーム間動き検出信号MD1aと、1フレ
ーム前と2フレーム前との差分信号(即ち第2の1フレ
ーム間内挿信号)より得られる第2の1フレーム間動き
検出信号MD1bと、従来例と同様の2フレーム間動き
検出信号MD2とを組み合わせたものである。
【0068】2フレーム間動き検出信号MD2を得る回
路は、基本的に従来と同じであるが、切り替えスイッチ
(18−3)の位置が異なっている。図1に示す減算器
(7)より得られる2フレーム間差分信号は、図6に示
す第1の非線形処理回路(18−2)において、絶対値
化され図7の入出力特性を持った非線形処理が行われ
る。非線形処理が行われた信号は、1フレーム遅延器
(18−5)と最大値回路(18−13)により、時間
方向の領域拡大が行われる。この際1フレーム遅延器
(18−5)により1フレーム遅延される信号は、切り
替えスイッチ(18−3)により、1フレーム間の動き
検出で制御(信号L1bで制御)されて、未検出値と切
り替えられる。これは不要に時間方向の領域拡大を避け
るためである。前記最大値回路(18−13)の出力に
得られる信号が2フレーム間動き検出信号MD2であ
る。
【0069】入力端(18−6)に入来する第1の1フ
レーム間内挿信号は、符号反転器(18−7)により、
現在フレームかまたは1フレーム前いずれかの符号を反
転する。即ち、画素ごとに符号を反転する。そして、4
MHz低域通過フィルタ(18−8)で静止画のフレー
ム間の折返しが存在しない範囲を抜き取る。この際、隣
合う画素どうしの演算が行われ、1フレーム間の差分信
号が得られる。1フレーム間の差分信号は、非線形処理
回路(18−9)により絶対値化されて前記図7に示す
非線形処理がなされる。この非線形処理回路(18−
9)の出力に得られる信号が、第1の1フレーム間動き
検出信号(MD1a)である。
【0070】入力端(18−101)に入来する第2の
1フレーム間内挿信号は、符号反転器(18−102)
と4MHz低域通過フィルタ(18−103)と第3の
非線形処理回路(18−104)において、MD1aを
得たのと同様に処理されて第2の1フレーム間動き検出
信号(MD1b)を得る。
【0071】前記MD1aとMD1bは、最大値回路
(18−105)により合成される。合成された1フレ
ーム検出信号は、さらに最大値回路(18−14)によ
り前記MD2と合成される。そして、フィールド間領域
拡大(18−15)で時間方向へ領域拡大される。出力
端(18−16)に得られる信号が、図2に示す第2の
混合器(13)を制御する第2の動き検出信号である。
【0072】図10に2フレーム間動き検出信号MD2
と1フレーム間動き検出信号MD1aとMD1bの動き
の検出(○),未検出(×)に対する内挿処理内容を示
す。前記出力端(18−16)に得られる第2の動き検
出信号は、図10のケース8が未検出でそれ以外が検出
となり、第2の混合器(13)を制御する。ここでは、
説明を簡略化するるため混合器(13),(112)を
切り替えスイッチのような2値的なものとする。よっ
て、混合器(13),(112)は動き検出信号が検出
の場合、入力(1)側に切り替わり、動き検出信号が未
検出の場合、入力(0)側に切り替わる。一例として、
図10のケース1の「処理MI」の場合は、混合器(1
12),(13)とも入力(1)側に切り替わってい
る。
【0073】次に、図2に示すもう一方の混合器(11
2)を制御する第1の動き検出信号は、図5に示す最小
値回路(18−106)から出力される、MD1aとM
D1bの内の最小値が、切り替えスイッチ(18−10
7)と、フィールド間領域拡大回路(18−112)を
経て出力端(18−113)に得られる。
【0074】切り替えスイッチ(18−107)は、論
理回路(18−109)とレベル検出(18−11),
(18−108)により制御される。各レベル検出器
は、MD2,MD1a,MD1bの各動き検出信号が、
各入力端(18−10),(18−114),(18−
115)に設定された値以上のときに出力がHi(図1
0の検出○に相当)となる。レベル検出器に設定される
値は、ノイズの影響を受けない範囲でできるだけ感度を
高くするように設定される。
【0075】論理回路(18−109)は、レベル検出
器出力に得られたL2,L1a,L1bより、図10の
ケース1,4,5の動画系の処理となるケースで出力が
Hiとなる。そして、切り替えスイッチ(18−10
7)を入力(1)側に制御する。
【0076】図1に示すフレーム間内挿回路(120)
内の切り替えスイッチ(110)は、前記レベル検出で
得られたL1a,L1bにより制御され、図10に示す
ように内挿モードのFI1,FI2,FI3の1つを選
択する。
【0077】図2に示すフィールド間内挿回路(11
3)内の切り替えスイッチ(113−10)は、L1
a、L1bを図5に示すブロック(18−115)で5
63ライン遅延したLfa、Lfbにより制御されて、
内挿モードfi1,fi2,fi3の内の1つを選択す
る。即ち、前記フレーム間とフィールド間との内挿信号
を選択する切り替え信号は、図10のケース2、3、
6、7、8の1つを選択する。また、図5に示す前記切
り替えスイッチ(18−3)は、L1bにより制御さ
れ、時間方向への領域拡大を制限する。
【0078】ここまでで得られた動き検出信号MD2,
MD1a,MD1b,第2の動き検出信号,第1の動き
検出信号をフレーム単位にモデル化した図を図8に示
す。(a)は第1の非線形処理回路(18−2)に得ら
れる2フレーム間の動き検出信号で、それを時間方向へ
領域拡大したものが(d)である。この際に(d)の×
の箇所に不要に領域拡大を避けるため、(c)のL1b
により(a)の動き信号を制限している。これが前記図
5に示す切り替えスイッチ(18−3)の役割である。
(e)がMD1aとMD1bの最小値である。第2の混
合器(13)を制御する出力端(18−16)に現れる
第2の動き検出信号は(f)の波形となる。そして第1
の混合器(112)を制御する出力端(18−113)
に現れる第1の動き検出信号は(g)となる。(g)の
波形は、L1aとL1bがHiとなる部分で論理回路
(18−109)で制御されて(f)の波形が出力され
たものである。
【0079】ここで、図10についてさらに説明を加え
る。画像の動きに応じた処理は、従来は動画系処理と静
止画系処理との2系統の処理であった。本実施例では、
従来と同様の動画系処理に加えて新たに準静止画系処
理、完全静止画系処理を設け3系統の処理としている。
これによって、従来動画系処理していた領域の1/2以
上を、静止画系処理の1つである準静止画系処理領域と
することができる。即ち、従来誤った動き検出により動
画系処理していた領域を、正しい動き検出により準静止
画系処理領域とすることができる。よって、本実施例
は、静止画系に比べてS/Nの悪い動画系の処理領域を
大幅に縮小でき、S/Nの良好な画像が得られる。ま
た、準静止画系処理、完全静止画系処理の2の静止画系
処理は、図4にも示すように、合わせて7フィールドに
わたる内挿処理であり、従来よりも大幅に多い情報量を
用いて内挿処理を行っているので、本実施例では静止画
系画像のS/Nも向上する。特に、完全静止画系処理
は、基準のフレーム(またはフィールド)信号に対して
前後1フレーム(または1フィールド)のフレーム信号
(またはフィールド信号)を平均化して内挿するので、
準静止画系処理よりも優れたS/Nとなる。
【0080】図5に示したフィールド間領域拡大回路
(18−15),(18−112)は、信号系が3フィ
ールド間にわたって処理されるのに合わせて、3フィー
ルド間にわたって領域拡大を行う。このフィールド間領
域拡大回路の一例を図6に示す。入力端(112−1)
に入力される動き検出信号は、563ライン遅延器(1
12−2)と562ライン遅延器(112−3)と1フ
ィールドずつ遅延される。よって、入力端の信号に対し
て1フィールド遅延した信号と2フィールド遅延した信
号とが得られ、3フィールド間にわたる信号(N1,N
2,N3)となる。入力端の信号と2フィールド遅延し
た信号は、さらに信号系と同様に1水平周期遅延器(1
12−4),(112−7)と最大値回路(112−
5),(112−6)とで垂直方向へ拡大される。この
2つの最大値回路の出力と563水平周期遅延器(11
2−2)の出力との3系統の信号は、最大値回路(11
2−8)により時間方向への領域拡大される。
【0081】フィールド間の領域拡大により、図8
(f)の3フレーム間にわたっている動き検出信号は、
1フィールド時間軸方向に拡大され7フィールド間にわ
たっての動き検出信号となる。
【0082】1フレーム間動き検出では、高域信号の動
き検出ができない場合があるが、今後動画帯域が12M
Hz以上に広帯域化されると4MHz以下に折返し、高
域信号の検出精度が向上するものと考えられる。将来動
画帯域がさらに広帯域化されると1フレーム間動き検出
でも高域信号の動き未検出の問題がなくなり、本発明の
効果が上がる。
【0083】なお、実施例においては混合器(13),
(112)を2値的なスイッチとして考えたが、4bi
t(混合割合が16段階)程度の混合器を用いてもよ
い。
【0084】また、実施例では、フレーム間とフィール
ド間の内挿方向を1フレーム間の動き検出信号(L1a,L1
b,Lfa,Lfb )で判定したが、基準のフレームに対して前
後2フレームの動き検出信号により判定しても同様の効
果が得られ、さらに基準のフィールドに対して前後1フ
レーム間及び2フレーム間の両動き検出信号で判定すれ
ばより正確な判定ができる。
【0085】以上の説明においては輝度信号を中心に説
明した。色信号についても基本的に同じである。異なる
点は、サンプリング周波数変換が32. 4MHzから6
4.8MHzに変換される点とフィールド間内挿処理の
処理方法の一部である。この点は本発明の本質部分では
ない。また、サンプリング構造から色信号の1フレーム
検出は得られないが、輝度信号と色信号間には相関関係
が強く輝度信号の1フレーム検出を代用でき、本発明の
動き検出回路の基本的考え方が適用できる。
【0086】
【発明の効果】本発明になる高品位テレビジョン受信機
は、動画系と静止画系との時間軸位相を実用上問題とな
らないように揃えることと、従来と同様の動画系処理に
加えて新たに準静止画系処理、完全静止画系処理を設け
3系統の内挿処理にしたこと(動画系処理は従来と同様
のフィールド内内挿、準静止画系処理と完全静止画系処
理とは、基準のフレーム(またはフィールド)に対して
前後に位置するフレーム(またはフィールド)のフレー
ム信号(またはフィールド信号)を内挿するフィールド
間内挿とフレーム間内挿とによる合わせて7フィールド
にわたる内挿処理)とにより以下の効果を有する。
【0087】(イ)本発明は準静止画系処理を設けたこ
とにより、静止画系に比べてS/Nの悪い動画系での処
理領域が従来の方式に比べて1/2以下となり、視覚的
にS/Nの良好な画像が得られる。
【0088】(ロ)準静止画系処理、完全静止画系処理
の2つの静止画系処理は、合わせて7フィールドにわた
る内挿処理であり、従来よりも大幅に多い情報量を用い
て内挿処理を行っているので、静止画系画像のS/Nも
向上する。特に、完全静止画系処理は、基準のフレーム
(またはフィールド)信号に対して前後に位置するフレ
ーム(または1フィールド)のフレーム信号(またはフ
ィールド信号)を平均化して内挿するので、準静止画系
処理よりも優れたS/Nとなる。
【0089】(ハ)準静止画系処理でのフレーム間内挿
は、1フレーム後の信号との内挿か、1フレーム前の信
号との内挿かのどちらかであり、時間的に見て片方向の
みの内挿であるので、時間軸に対してインパルス性のノ
イズが時間方向に広がらないため、視覚的にノイズの抑
圧効果がある。
【0090】(ニ)画像が1フレームだけ不連続な動き
をしても、動画系に処理される領域は、1フレームだけ
であり、時間方向に動画系に処理される領域が広がら
ず、折返し妨害及びS/Nが良好である。
【0091】(ホ)2−3方式でフィルム映像を高品位
テレビジョン信号に変換した場合、動きの不自然さ(ジ
ャダー)が生じるが、そのような信号においても、不用
意に動画領域として処理しないため、良好な画質が得ら
れる。
【0092】(ヘ)基準フレーム信号とその1フレーム
前のフレーム信号との1フレーム間の差分信号と、前記
基準フレーム信号とその1フレーム後のフレーム信号と
の1フレーム間差分信号と、前記基準フレームの1フレ
ーム前のフレーム信号と前記基準フレームの1フレーム
後のフレーム信号との間の2フレーム間の差分信号との
少なくとも3つの差分信号により動き検出信号を生成す
るので、動き検出の精度が向上した。さらに、準静止処
理領域を設定したことにより、耐ノイズ性が良好になっ
たため、動き検出感度を上げることができ、コントラス
トのない信号においても正確に動き検出できる。
【0093】(ト)3フィールド前を動き適応処理の中
心位相(重心)に揃えたので、動きベクトル処理と動き
検出の誤検出及び未検出処理にともなう、動きの不自然
な現象(ちぐはぐな動き)が軽減する。
【0094】本発明による主な効果は以上からなり、動
き適応処理から来るさまざまな問題を解決する利点を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図である。
【図2】本発明の一実施例を示す図(図1につながる
図)である。
【図3】実施例のフレーム間逆動きベクトル処理回路の
構成図である。
【図4】実施例の内挿処理を時間軸でモデル化した図で
ある。
【図5】実施例の動き検出回路の構成図である。
【図6】実施例のフィールド間領域拡大回路の構成図で
ある。
【図7】非線形処理回路の特性図である。
【図8】実施例の動き検出信号をモデル化した図であ
る。
【図9】実施例の動きベクトル補正の作用を表した図で
ある。
【図10】実施例の動き検出信号による処理内容を表し
た図である。
【図11】MUSE信号のスペクトルを示す図である。
【図12】従来のMUSEデコード処理回路を示す図で
ある。
【図13】従来のフレーム間内挿をモデル化した図であ
る。
【図14】従来の1フレーム遅延器を示す図である。
【図15】従来の動き検出回路の構成図である。
【図16】従来の動き検出をモデル化した図である。
【図17】従来の内挿処理を時間軸でモデル化した図で
ある。
【符号の説明】
13 第2の混合器 18 動き検出回路 112 第1の混合器 113 フィールド間内挿回路 120 フレーム間内挿回路 121 動きベクトル補正処理回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィールド間とフレーム間でオフセットサ
    ンプリングして帯域圧縮された信号であり、且つ動き補
    正用の動きベクトル信号とサンプル点位相情報を具備し
    た信号である動き補正サブサンプル伝送信号を受信、復
    調する高品位テレビ受信機であり、復調過程で7フィー
    ルド間にわたる画像成分を処理してフレーム間内挿とフ
    ィールド間内挿とを行う際に、動きベクトル補正処理を
    行う高品位テレビジョン受信機において、 フレーム間の内挿処理を行うにあたって、内挿の基準と
    する基準フレーム信号に対して、1フレーム後の信号
    と、1フレーム前の信号と、前記1フレーム前の信号と
    前記1フレーム後の信号とを合成した信号との3つの信
    号の内から1つの信号を選択して、前記基準フレーム信
    号へ前記選択された信号を内挿処理するフレーム間内挿
    回路と、 前記フレーム間内挿された信号の内の3つのフィールド
    信号を用い、内挿の基準とする基準フィールド信号に対
    して、1フィールド後の信号と、1フィールド前の信号
    と、前記1フィールド前の信号と前記1フィールド後の
    信号とを合成した信号との3つの信号の内から1つの信
    号を選択して、前記基準フィールド信号へ前記選択され
    た信号を内挿処理するフィールド間内挿回路と、 フレーム間内挿とフィールド間内挿とを行う際に動きベ
    クトル補正をかけ、その2段階の補正によって、静止画
    系の時間軸位相と動画系の時間軸位相とを現在フィール
    ドの3フィールド前に揃える動きベクトル補正処理を行
    う動きベクトル補正処理回路と、 前記基準フレーム信号とその1フレーム前のフレーム信
    号との1フレーム間の差分信号と、前記基準フレーム信
    号とその1フレーム後のフレーム信号との1フレーム間
    差分信号と、前記基準フレームの1フレーム前のフレー
    ム信号と前記基準フレームの1フレーム後のフレーム信
    号との間の2フレーム間の差分信号との少なくとも3つ
    の差分信号により動き検出信号を得、その動き検出信号
    により前記フレーム間内挿回路及びフィールド間内挿回
    路での内挿信号の選択を制御する動き検出回路と、 前記動きベクトル補正処理回路から出力される現在フィ
    ールドより3フィールド前の画像成分信号をフィールド
    内内挿した動画系の処理信号と、前記フィールド間内挿
    回路の出力信号である静止画系の処理信号とを前記動き
    検出信号に応じて適応混合する第1の混合器と、 前記第1の混合器の出力信号と、前記静止画系の処理信
    号とを前記動き検出信号に応じて適応混合する第2の混
    合器とを設けたことを特徴とする高品位テレビジョン受
    信機。
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JP5151471A Pending JPH06339121A (ja) 1993-05-28 1993-05-28 高品位テレビジョン受信機

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JP (1) JPH06339121A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005151135A (ja) * 2003-11-14 2005-06-09 Sony Corp 画像境界の判定装置および判定方法、並びにそれを用いた画像信号の処理装置および処理方法

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JP2005151135A (ja) * 2003-11-14 2005-06-09 Sony Corp 画像境界の判定装置および判定方法、並びにそれを用いた画像信号の処理装置および処理方法

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