JPH06337704A - Imcコントローラ - Google Patents

Imcコントローラ

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JPH06337704A
JPH06337704A JP14676293A JP14676293A JPH06337704A JP H06337704 A JPH06337704 A JP H06337704A JP 14676293 A JP14676293 A JP 14676293A JP 14676293 A JP14676293 A JP 14676293A JP H06337704 A JPH06337704 A JP H06337704A
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JP
Japan
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time constant
sensor
output
unit
target value
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JP14676293A
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English (en)
Inventor
Masahito Tanaka
雅人 田中
Hiroyuki Mitsubuchi
裕之 三渕
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Azbil Corp
Original Assignee
Azbil Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 センサの時定数が決定したときにフィルタ部
の特性を調整する必要のない汎用性の高いIMCコント
ローラを提供する。 【構成】 内部モデル記憶部7aには制御対象プロセス
を数式表現した内部モデルのパラメータが記憶されてい
る。センサモデル記憶部8aにはセンサ6を数式表現し
たセンサモデルのセンサモデル時定数T3が記憶されて
いる。参照時定数記憶部10にはセンサ6の特性に基づ
く標準設定状態の参照時定数が記憶されている。センサ
モデル時定数T3及び参照時定数に基づいてフィルタ時
定数変更処理部11にて第1の時定数T1及び第2の時
定数T2が演算される。第1の時定数T1で目標値フィ
ルタ部2の特性が決定され、第2の時定数T2で操作量
演算部4内部の目標値・外乱フィルタ部の特性が決定さ
れることによりフィルタ部の調整を不要にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はIMC(Internal Model
Control)コントローラに関し、特にセンサの変更時に
フィルタ特性を調整する必要のないIMCコントローラ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より用いられているPIDコントロ
ーラは、PID制御を行う操作部によって、目標値(例
えばこのコントローラが室内空調機であれば室内温度設
定値に相当する)とフィードバック量との差からこのコ
ントローラの出力である操作量(室内空調機から出る温
風又は冷風の温度)を演算し、この操作量を制御対象プ
ロセス(室内環境)へ出力してその制御結果である制御
量(室内温度)をフィードバック量として戻すフィード
バック制御系である。しかし、PIDコントローラに
は、制御対象プロセスのむだ時間への対応が困難である
という問題点があった。
【0003】そこで、制御対象プロセスを数式表現した
内部モデルを組み込んで制御を行うIMC構造の制御ア
ルゴリズムを用いたコントローラが提案されている。図
7はこのIMCコントローラを用いた制御系のブロック
線図である。13は目標値から後述するフィードバック
量を減算する第1の減算処理部、12は第1の減算処理
部13の出力の変化が急激に伝わらないようにするため
のフィルタ部、14はフィルタ部12の出力に基づいて
操作量を演算する操作部、17は制御対象プロセスを数
式で近似したものであって制御対象プロセスの制御量に
相当する参照制御量を出力する内部モデル、19は制御
量から内部モデル17からの参照制御量を減算してフィ
ードバック量を出力する第2の減算処理部、20は制御
対象プロセスである。
【0004】また、F、Gc、Gm、Gpはそれぞれフ
ィルタ部12、操作部14、内部モデル17、制御対象
プロセス20の伝達関数、rは目標値、uは操作量、d
は例えば室内環境に対する室外環境等に相当する外乱、
yは制御量、ymは参照制御量、eはフィードバック量
である。
【0005】次に、このようなIMCコントローラの動
作を説明する。まず、第1の減算処理部13にて目標値
rからフィードバック量eが減算され、この結果がフィ
ルタ部12に出力される。次いで、操作部14にてフィ
ルタ部12の出力から操作量uが演算され、制御対象プ
ロセス20及びコントローラの内部モデル17へ出力さ
れる。そして、第2の減算処理部19にて制御対象プロ
セス20の制御量yから制御対象プロセス20の近似的
な動作をする内部モデル17からの参照制御量ymが減
算され、この結果がフィードバック量eとして第1の減
算処理部13へフィードバックされるフィードバック制
御系が構成されている。
【0006】このようなIMCコントローラの内部モデ
ル17は、制御対象プロセス20と全く同一になるよう
に数式表現されるのが理想的であり、また操作部14
は、内部モデル17の伝達関数の逆特性(1/Gm)に
なるのが理想的であるが、内部モデル17にあるむだ時
間の要素については逆数化は不可能なので、通常はむだ
時間の要素は無視する。
【0007】よって、制御量yは、このような構成によ
り目標値r、外乱dから次式にて求めることができる。 y=F×Gp×Gc×r/{1+F×Gc×(Gp−Gm)} +(1−F×Gm×Gc)×d/{1+F×Gc×(Gp−Gm)} ・・・(1) ここで、内部モデル17の伝達関数Gmが制御対象プロ
セス20の伝達関数Gpに等しく、操作部14の伝達関
数Gcが内部モデル17の伝達関数の逆数(1/Gm=
1/Gp)に等しい理想的な状態を仮定すると、式
(1)は次式のようになる。 y=F×r+(1−F)×d ・・・(2)
【0008】更に、目標値rに急激な変化がない理想的
な条件であればフィルタ部12は不要となり、F=1に
できるので、制御量yは目標値rと等しくなり(y=
r)、外乱dの影響が全くない制御を実現できることに
なる。また、図7の制御系で外乱dに着目すると、制御
対象プロセス20と内部モデル17に大きなむだ時間が
あったとしても、両者は操作量uに対して同じ特性を示
すので、第2の減算処理部19の出力であるフィードバ
ック量eは外乱dのみとなり、外乱dを抑制できること
が分かる。
【0009】このようなIMCコントローラは、通常、
制御対象プロセス20と内部モデル17の誤差が大きく
なったときの安定性を示すロバスト安定性等の設計条件
に基づいて設計される。また、フィルタ部12は、この
ようなモデル同定技術によって内部モデル17が決定さ
れた後に、内部モデル17の制御対象プロセス20との
モデル同定精度に基づいて制御の知識を有する専門家に
よって調整される。
【0010】更に、実際のIMCコントローラでは、制
御量yを計測するセンサの時定数、例えば室温計測器の
ように実際の室温変化に対して10分程度の時定数で計
測器出力が追従するようなことを考慮しなければならな
い。このセンサの時定数に対しては、図7の制御系にお
いて内部モデル17の後方にセンサを数式化したセンサ
モデルを追加することによって対応することができる。
そして、センサの交換によりセンサ時定数が変わって例
えばセンサ時定数が小さくなるとロバスト安定性が低下
し、センサ時定数が大きくなると制御の即応性が低下す
るので、このようなときはセンサモデルを変更し、フィ
ルタ部12の時定数を変更して対応してやる必要があ
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来のIMCコントロ
ーラは以上のように構成されており、センサを変更する
と制御の安定化を行うためのフィルタ部の特性を制御の
知識を有する専門家が再調整する必要があるので、専門
家以外のオペレータでは再調整が容易でなく汎用的に利
用するコントローラとして不適当であるという問題点が
あった。本発明は、上記課題を解決するために、センサ
の時定数が決定したときにフィルタ部の特性を調整する
必要のない汎用性の高いIMCコントローラを提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、入力された目
標値を第1の時定数によって決定される特性で出力する
目標値フィルタ部と、目標値フィルタ部の出力からフィ
ードバック量を減算する第1の減算処理部と、第1の減
算処理部の出力を第2の時定数によって決定される特性
で出力する目標値・外乱フィルタ部、内部モデルのパラ
メータに基づいて目標値・外乱フィルタ部の出力から操
作量を演算する操作部からなる操作量演算部と、制御対
象プロセスの制御量を計測するセンサと、内部モデルの
パラメータを記憶する内部モデル記憶部と、内部モデル
のパラメータに基づいて操作量演算部から出力された操
作量から参照制御量を演算する内部モデル出力演算部
と、センサを数式表現したセンサモデルのパラメータを
記憶するセンサモデル記憶部と、センサモデルのパラメ
ータに基づいて内部モデル出力演算部から出力された参
照制御量からセンサモデルを含んだ参照制御量を演算す
るセンサモデル出力演算部と、センサから出力された制
御量からセンサモデル出力演算部から出力された参照制
御量を減算してフィードバック量を出力する第2の減算
処理部と、センサの特性に基づいた標準設定状態の参照
時定数を記憶する参照時定数記憶部と、センサモデル記
憶部から出力されたセンサモデルのパラメータ及び参照
時定数記憶部から出力された参照時定数に基づいて第1
の時定数及び第2の時定数を演算して出力するフィルタ
時定数変更処理部とを有するものである。
【0013】
【作用】本発明によれば、センサモデル記憶部から出力
されたセンサモデルのパラメータ及び参照時定数記憶部
から出力された参照時定数に基づいて、フィルタ時定数
変更処理部にて第1の時定数及び第2の時定数が演算さ
れる。そして、目標値が第1の時定数によって特性が決
まる目標値フィルタ部に入力され、第1の減算処理部に
て目標値フィルタ部の出力からフィードバック量が減算
される。次いで、この結果が第2の時定数によって特性
が決まる操作量演算部内の目標値・外乱フィルタ部に出
力され、操作部にてこの結果から操作量が演算され、制
御対象プロセス及び内部モデル出力演算部へ出力され、
センサモデル出力演算部にて内部モデル出力演算部の出
力から参照制御量が演算される。そして、第2の減算処
理部にてセンサからの制御量からセンサモデル出力演算
部からの参照制御量が減算され、この結果がフィードバ
ック量として第1の減算処理部へフィードバックされる
フィードバック制御系となる。
【0014】
【実施例】図1は本発明の1実施例を示すIMCコント
ローラのブロック図、図2はこのIMCコントローラを
用いた制御系のブロック線図である。図1において、1
は図示しないオペレータによって設定された目標値rを
このコントローラに入力する目標値入力部、2は目標値
入力部1からの目標値rを後述するフィルタ時定数変更
処理部から出力された第1の時定数によって決定される
特性で出力する目標値フィルタ部、3は目標値フィルタ
部2の出力からフィードバック量eを減算する第1の減
算処理部、4はフィルタ時定数変更処理部から出力され
た第2の時定数と後述する内部モデル記憶部から出力さ
れたパラメータとに基づいて第1の減算処理部3の出力
から操作量uを演算する操作量演算部である。
【0015】また、5は操作量演算部4から出力された
操作量uを図1では図示しない制御対象プロセスへ出力
する信号出力部、6は制御対象プロセスの制御量yを計
測するセンサ、7aはこのIMCコントローラの内部モ
デルのパラメータを記憶する内部モデル記憶部、7bは
内部モデルのパラメータに基づいて内部モデルとしての
演算を行い参照制御量ymを出力する内部モデル出力演
算部、8aはセンサ6を数式表現したセンサモデルのパ
ラメータを記憶するセンサモデル記憶部、8bはセンサ
モデルのパラメータに基づいて内部モデル出力演算部7
bから出力された参照制御量ymからセンサモデルを含
んだ参照制御量を演算するセンサモデル出力演算部であ
る。
【0016】また、9はセンサ6から出力された制御量
からセンサモデル出力演算部8bから出力された参照制
御量を減算してフィードバック量eを出力する第2の減
算処理部、10はセンサ6の特性に基づいた標準設定状
態の参照時定数を記憶する参照時定数記憶部、11はセ
ンサモデル記憶部8aから出力されたセンサモデルのパ
ラメータと参照時定数記憶部10から出力された参照時
定数とに基づいて第1の時定数及び第2の時定数を演算
するフィルタ時定数変更処理部、T1は第1の時定数、
T2は第2の時定数、T3はセンサモデルのパラメータ
であるセンサモデル時定数、y2はセンサ6から出力さ
れた制御量、ym2はセンサモデル出力演算部8bから
出力された参照制御量である。
【0017】図2において、4aは操作量演算部4の内
部にあって、第1の減算処理部3の出力をフィルタ時定
数変更処理部11から出力された第2の時定数T2によ
って決定される特性で出力する目標値・外乱フィルタ
部、4bは同じくその内部にあって目標値・外乱フィル
タ部4aの出力から操作量uを演算する操作部、7は内
部モデル記憶部7a及び内部モデル出力演算部7bから
なる内部モデル、8はセンサモデル記憶部8a及びセン
サモデル出力演算部8bからなるセンサモデルである。
【0018】また、F1、F2、Gs、Gsmはそれぞ
れ目標値フィルタ部2、目標値・外乱フィルタ部4a、
センサ6、センサモデル8の伝達関数である。なお、図
2は図1のIMCコントローラを制御対象プロセス20
と外乱dを含め、参照時定数記憶部10及びフィルタ時
定数変更処理部11を除いて制御系として書き直したも
のである。
【0019】次に、このようなIMCコントローラの動
作として、まず目標値フィルタ部2及び目標値・外乱フ
ィルタ部4aの特性を決定する参照時定数記憶部10及
びフィルタ時定数変更処理部11の動作を説明する。
【0020】参照時定数記憶部10は、センサ6の特性
(この例では時定数)に基づいて良好な制御特性が得ら
れるように設定された標準設定状態の参照時定数を記憶
している。この参照時定数は、第1の時定数T1に相当
する参照フィルタ時定数Tr1、第2の時定数T2に相
当する参照フィルタ時定数Tr2、及びこれら参照フィ
ルタ時定数Tr1、Tr2を設定したときのセンサ6の
時定数である参照センサ時定数Tr3からなる。つま
り、センサ6の時定数が参照センサ時定数Tr3に等し
いとき、設計者の意図した良好な特性になるように参照
フィルタ時定数Tr1、Tr2は決定される。
【0021】そしてフィルタ時定数変更処理部11は、
これら参照フィルタ時定数Tr1、Tr2、参照センサ
時定数Tr3、及び後述するセンサモデル記憶部8aに
記憶されたセンサモデル時定数T3から第1の時定数T
1及び第2の時定数T2を次式のように演算する。
【0022】 A=(Tr12 +Tr221/2 ・・・(3) B=(Tr22 +Tr321/2 ・・・(4) T1=(A2 −B2 +T321/2 ・・・(5) T2=(B2 −T321/2 ・・・(6) これで、目標値フィルタ部2及び目標値・外乱フィルタ
部4aの特性、すなわち伝達関数F1及びF2が決定さ
れる。
【0023】次に、目標値rはこのIMCコントローラ
のオペレータ等によって設定され、目標値入力部1を介
して目標値フィルタ部2に入力される。目標値フィルタ
部2は、目標値rをフィルタ時定数変更処理部11から
出力された第1の時定数T1によって次式のように決定
される伝達関数F1の特性で出力する。 F1=1/(1+T1×s) ・・・(7) 次に、第1の減算処理部3は、この目標値フィルタ部2
の出力から第2の減算処理部9から出力されるフィード
バック量eを減算する。
【0024】そして、操作量演算部4内の目標値・外乱
フィルタ部4aは、第1の減算処理部3の出力をフィル
タ時定数変更処理部11から出力された第2の時定数T
2によって次式のように決定される伝達関数F2の特性
で出力する。 F2=1/(1+T2×s) ・・・(8) また、操作部4bは、目標値・外乱フィルタ部4aの出
力から操作量uを演算するが、その伝達関数Gcは内部
モデル記憶部7aから出力された内部モデル7のゲイン
Km及び時定数Tmにより次式となり、図7の例と同様
にむだ時間Lmの要素を除いた内部モデル7の伝達関数
Gmの逆数となっている。 Gc=(1+Tm×s)/Km ・・・(9)
【0025】よって、操作量演算部4全体としての伝達
関数は次式となる。 F2×Gc=(1+Tm×s)/{Km×(1+T2×s)}・・・(10) このようにして、第1の減算処理部3の出力から操作量
uが演算されて信号出力部5を介して制御対象プロセス
20へ出力され、また内部モデル出力演算部7bへ出力
される。センサ6は、操作量uがIMCコントローラか
ら出力された結果である制御量yを伝達関数Gsという
特性で計測して制御量y2として出力する。
【0026】次に、内部モデル7は、内部モデル記憶部
7aに記憶されたゲインKm、むだ時間Lm、及び時定
数Tmからなるこれらのパラメータによって、制御対象
プロセス20を1次遅れとむだ時間の要素を有するもの
として数式表現したものであり、内部モデル出力演算部
7bにて操作量演算部4から出力された操作量uから参
照制御量ymを演算する。その伝達関数Gmは次式とな
る。 Gm=Km×exp(−Lm×s)/(1+Tm×s) ・・・(11)
【0027】センサモデル8は、センサ6を1次遅れの
要素を有するものとしてセンサモデル時定数T3によっ
て数式表現したものであり、センサモデル記憶部8aは
このセンサモデル時定数T3を記憶している。そして、
センサモデル出力演算部8bは、内部モデル出力演算部
7bから出力された参照制御量yからセンサ6を考慮し
た参照制御量ym2を演算するが、その伝達関数Gsm
はセンサモデル時定数T3により次式となる。 Gsm=1/(1+T3×s) ・・・(12)
【0028】次に、第2の減算処理部9は、センサ6か
ら出力された制御量y2からセンサモデル出力演算部8
bからの参照制御量ym2を減算してフィードバック量
eを出力する。そして、このフィードバック量eが上記
のように第1の減算処理部3に入力される。これで、こ
のIMCコントローラからなるフィードバック制御系が
成立する。
【0029】なお、本実施例のIMCコントローラによ
る制御量yは次式となる。 y=F1×F2×Gp×Gc×r /{1+F2×Gc×(Gp×Gs−Gm×Gsm)} +(1−F2×Gm×Gc×Gsm)×d /{1+F2×Gc×(Gp×Gs−Gm×Gsm)} ・・・(13)
【0030】ここで、センサ6の交換により制御特性が
変化した場合は、図7の例ではフィルタ部12の特性を
調整する必要があったが、本実施例のIMCコントロー
ラでは、センサモデル8を変更するためにセンサモデル
記憶部8aに記憶されたセンサモデル時定数T3をセン
サ6に合わせて変更するだけで対応できる。
【0031】すなわち、センサモデル時定数T3の変更
に伴い、センサモデル8が変更されるが、同時にセンサ
モデル時定数T3、参照時定数記憶部10に記憶された
参照フィルタ時定数Tr1、Tr2、参照センサ時定数
Tr3に基づきフィルタ時定数変更処理部11によって
新たな第1の時定数T1及び第2の時定数T2が演算さ
れ出力される。このようにして目標値フィルタ部2、目
標値・外乱フィルタ部4aの伝達関数F1、F2が変更
される。
【0032】上記の演算は標準設定の制御特性を維持す
るように行われるので、制御の知識を有する専門家が調
整し直す必要がなくなる。したがって、センサ6に変更
があってもオペレータの調整操作が少ない汎用的なIM
Cコントローラを実現できる。
【0033】図3はこのIMCコントローラをタンク内
の液面の高さの制御に使用したときの目標値追従性の例
を示す図、図4は同じく外乱抑制性の例を示す図であ
り、yfは本実施例のIMCコントローラにおいて第1
の時定数T1及び第2の時定数T2を固定して制御した
場合の制御量である。
【0034】図3は、0秒にて目標値r(一点鎖線)を
液面の高さ4cmとして入力し、その制御結果の液面の
高さである制御量y及びyf(実線)を求めたシミュレ
ーション結果である。また、図4は、操作量u=0、制
御量y=0の安定している状態で、図示しない液面の高
さ4cmの1次遅れのステップ応答外乱(例えばタンク
のバルブが故障して開いてしまった場合に相当する)が
発生したときの結果を図3と同様に求めた結果である。
【0035】ここで、タンク内の液体という制御対象プ
ロセス20のゲインを4.0、むだ時間を20秒、時定
数を10秒とし、本実施例の内部モデル7のゲインK
m、時定数Tm、むだ時間Lmを制御対象プロセス20
と同じとする。そして、センサ6の時定数を5秒とし、
センサモデル時定数T3も同じく5秒とする。つまり、
内部モデル同定誤差及びセンサモデル同定誤差はないも
のとする。また、参照時定数記憶部10に記憶されてい
る参照フィルタ時定数Tr1、Tr2を15秒、参照セ
ンサ時定数Tr3を5秒とする。
【0036】よって、式(3)〜(6)より第1の時定
数T1、第2の時定数T2は15秒となる。また、第1
の時定数T1、第2の時定数T2を固定した場合も15
秒とする。図3、4の例ではセンサ6の時定数が5秒で
参照センサ時定数Tr3も5秒であることから標準設定
の状態ということができる。そして、本実施例の場合と
第1の時定数T1及び第2の時定数T2を固定した場合
のこれら時定数は同じなので、本実施例のIMCコント
ローラによる制御量yとこれらを固定したコントローラ
による制御量yfとは当然同じ結果である。
【0037】図5は本実施例のIMCコントローラを図
3と同様に使用した目標値追従性の他の例を示す図、図
6は同じく外乱抑制性の他の例を示す図である。ここで
は、図3、4と同様の条件でセンサ6を交換してセンサ
6の時定数及びセンサモデル時定数T3を15秒とした
結果である。
【0038】よって、式(3)〜(6)より本実施例の
第1の時定数T1は20.6秒、第2の時定数T2は5
秒である。図6の外乱抑制性において本実施例による制
御量yは、図4の結果と同じであり、第1の時定数T1
及び第2の時定数T2を固定した場合の制御量yfに比
べて標準設定の状態を維持できることが分かる。
【0039】なお、図3〜図6の例ではシミュレーショ
ンの効果を明確に示すため単純な例としている。これら
の例では、内部モデル同定誤差及びセンサモデル同定誤
差がない、すなわち内部モデル7の伝達関数Gmが制御
対象プロセス20の伝達関数Gpに等しく、センサモデ
ル8の伝達関数Gsmがセンサ6の伝達関数Gsに等し
い。更に、操作部4bの伝達関数Gcが内部モデル7の
伝達関数の逆数(1/Gm=1/Gp)に等しい理想的
な状態を仮定すると、式(13)は次式のようになる。 y=F1×F2×r+(1−F2×Gsm)×d ・・・(14)
【0040】つまり、式(14)から明らかなように図
3〜図6の例における目標値rについてはセンサ6の時
定数又はセンサモデル時定数T3は無関係なので、セン
サ6を交換した図5の目標値追従性では差があまり見ら
れない。しかし、内部モデル同定誤差が生じた等の他の
例であれば、センサ6を交換した後の目標値追従性も外
乱抑制性と同様に標準設定の状態を維持するように改善
される。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、センサモデルのパラメ
ータに連動して目標値フィルタ部及び目標値・外乱フィ
ルタ部の特性を変更するので、センサ交換によりセンサ
の特性が変更されたときにフィルタ部の特性を調整する
必要のない汎用性の高いIMCコントローラを実現で
き、制御の知識を有しないオペレータであってもIMC
コントローラの利点を生かした制御を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示すIMCコントローラの
ブロック図である。
【図2】図1のIMCコントローラを用いた制御系のブ
ロック線図である。
【図3】図1のIMCコントローラの目標値追従性の例
を示す図である。
【図4】図1のIMCコントローラの外乱抑制性の例を
示す図である。
【図5】図1のIMCコントローラの目標値追従性の他
の例を示す図である。
【図6】図1のIMCコントローラの外乱抑制性の他の
例を示す図である。
【図7】従来のIMCコントローラを用いた制御系のブ
ロック線図である。
【符号の説明】
2 目標値フィルタ部 3 第1の減算処理部 4 操作量演算部 4a 目標値・外乱フィルタ部 4b 操作部 6 センサ 7a 内部モデル記憶部 7b 内部モデル出力演算部 8a センサモデル記憶部 8b センサモデル出力演算部 9 第2の減算処理部 10 参照時定数記憶部 11 フィルタ時定数変更処理部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御の目標値から制御対象プロセスに出
    力する操作量を演算し、制御対象プロセスを数式表現し
    た内部モデルにて制御結果である制御対象プロセスの制
    御量に相当する参照制御量を演算し、制御量と参照制御
    量との差をフィードバックすることにより制御を行うI
    MCコントローラにおいて、 入力された目標値を第1の時定数によって決定される特
    性で出力する目標値フィルタ部と、 前記目標値フィルタ部の出力からフィードバック量を減
    算する第1の減算処理部と、 前記第1の減算処理部の出力を第2の時定数によって決
    定される特性で出力する目標値・外乱フィルタ部、内部
    モデルのパラメータに基づいて前記目標値・外乱フィル
    タ部の出力から操作量を演算する操作部からなる操作量
    演算部と、 制御対象プロセスの制御量を計測するセンサと、 前記内部モデルのパラメータを記憶する内部モデル記憶
    部と、 前記内部モデルのパラメータに基づいて前記操作量演算
    部から出力された操作量から参照制御量を演算する内部
    モデル出力演算部と、 前記センサを数式表現したセンサモデルのパラメータを
    記憶するセンサモデル記憶部と、 前記センサモデルのパラメータに基づいて前記内部モデ
    ル出力演算部から出力された参照制御量からセンサモデ
    ルを含んだ参照制御量を演算するセンサモデル出力演算
    部と、 前記センサから出力された制御量からセンサモデル出力
    演算部から出力された参照制御量を減算して前記フィー
    ドバック量を出力する第2の減算処理部と、 前記センサの特性に基づいた標準設定状態の参照時定数
    を記憶する参照時定数記憶部と、 前記センサモデル記憶部から出力されたセンサモデルの
    パラメータ及び参照時定数記憶部から出力された参照時
    定数に基づいて前記第1の時定数及び第2の時定数を演
    算して出力するフィルタ時定数変更処理部とを有するこ
    とを特徴とするIMCコントローラ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014091922A1 (ja) * 2012-12-13 2014-06-19 独立行政法人国立高等専門学校機構 モデル予測制御を用いたパワーアシストシステム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014091922A1 (ja) * 2012-12-13 2014-06-19 独立行政法人国立高等専門学校機構 モデル予測制御を用いたパワーアシストシステム
JP2014119797A (ja) * 2012-12-13 2014-06-30 Institute Of National Colleges Of Technology Japan モデル予測制御を用いたパワーアシストシステム

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