JPH06337311A - 偏光フィルムの製造方法 - Google Patents

偏光フィルムの製造方法

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JPH06337311A
JPH06337311A JP12564093A JP12564093A JPH06337311A JP H06337311 A JPH06337311 A JP H06337311A JP 12564093 A JP12564093 A JP 12564093A JP 12564093 A JP12564093 A JP 12564093A JP H06337311 A JPH06337311 A JP H06337311A
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Japan
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film
boric acid
aqueous solution
polarizing film
polarizing
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JP12564093A
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Akira Ogiso
章 小木曽
Tsutayoshi Misawa
伝美 三沢
Rihoko Imai
理穂子 今井
Naoto Ito
尚登 伊藤
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリビニルアルコール系フィルムを基材とし
た偏光フィルムにおいて、耐熱性、耐湿熱性、耐久性お
よび偏光性能に優れた偏光フィルムの製造方法を提供す
る。 【構成】 偏光素子を吸着させたポリビニルアルコール
系フィルムを低濃度のホウ酸水溶液中で一軸延伸し、次
いで、これを前記ホウ酸水溶液よりも高濃度のホウ酸水
溶液中に保持した後、加熱処理することを特徴とする偏
光フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐久性と偏光性能に優れ
た偏光フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のポリビニルアルコール系偏光フィ
ルムは、偏光性能には優れているが、屋外の電力メータ
ー、水道メーター又は屋内のポット、炊飯器等の温度及
び湿度の高いところで液晶表示として利用すると、変
質、劣化するという欠点を有していた。又、耐熱性、耐
湿熱性を改良するため、偏光素子を吸着、配向させたフ
ィルムをホウ酸を含む水溶液で処理をする方法(特開昭
59−95503号公報、特開昭61−18902号公
報、特開昭62−86304号公報、特開昭62−22
6104号公報)、延伸後のフィルムをホウ酸と界面活
性剤、またはホウ酸と界面活性剤と無機塩を含む水溶液
中で含浸処理を行う方法(特開昭61−275704号
公報)、また、ポリビニールアルコール系フィルムを水
溶性多価金属および沃化カリ水溶液中で染色を行う際
に、ホウ酸またはホウ砂等の架橋剤を加えて耐久化処理
を行う方法(特開平2−73309号公報)などが用い
られてきたが、架橋化を行わせるための加熱処理がなさ
れていないため、耐久性、特に耐湿熱性に十分満足のい
くものが得られていないのが実情であった。
【0003】さらに、偏光素子として二色性染料を吸
着、配向させたフィルムをホウ酸及び金属イオンを含む
水溶液中で含浸処理を行った後、フィルムを水洗し、続
いて乾燥を行い、さらに加熱処理を行う方法(特開昭6
2−240905号公報)、二色性染料を吸着させたフ
ィルムをホウ酸及び金属イオンを含む水溶液中で含浸処
理し、そのまま水溶液中で、もしくは水中で一軸延伸
し、水洗した後、乾燥および加熱処理を行う方法(特開
昭63−311203号公報)が提案されているが、い
ずれも耐湿熱性が未だ不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
ビニルアルコール系偏光フィルムにおいて、耐熱性、耐
湿熱性及び耐久性を向上させ、かつ偏光性能に優れた偏
光フィルムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討した結果、耐熱性及び耐湿熱
性に優れ、かつ偏光性能に優れた偏光フィルムを得るこ
とができ、本発明に至った。即ち、本発明は、偏光素子
を吸着させたポリビニルアルコール系フィルムを低濃度
のホウ酸水溶液中で一軸延伸し、次いで、これを前記ホ
ウ酸水溶液よりも高濃度のホウ酸水溶液中に保持した
後、加熱処理する偏光フィルムの製造方法に関する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。偏光フィ
ルムの製造方法において、偏光素子を吸着させたフィル
ムは、一軸方向に延伸することによって偏光素子が配向
し、偏光性能が発現する。本発明において、一軸延伸は
水中、または架橋剤を含んでもよい水溶液中で行うが、
フィルムの耐久性向上ならびに偏光性能向上を考慮する
と、好ましくは、扱いの容易なホウ酸水溶液中で行う。
ホウ酸水溶液中でフィルムを延伸することにより、架橋
剤であるホウ酸がフィルム中に吸着あるいはフィルム表
面に付着し、続く加熱処理等の架橋化処理によって、フ
ィルムの架橋化が十分に行われるのである。本発明にお
いて、ホウ酸水溶液中で延伸を行う場合、フィルム中ま
たはフィルム表面上に存在するホウ酸分子の量が多いほ
ど、該フィルムの架橋を密に行わせることができ、耐久
性が向上する。このため、延伸工程でのホウ酸水溶液濃
度は高くすることが望ましい。しかしながら、一軸延伸
を行う最中にも、ホウ酸分子はポリビニルアルコールと
水素結合、あるいは配位結合などによる相互作用を起こ
すので、ホウ酸水溶液の濃度を高くした場合、延伸を妨
げるような力として働く。そして、ホウ酸の相互作用と
延伸によってフィルムの緊張が高まり過ぎると、ついに
はフィルムの破断が起こり、工業的生産などには適さな
いことを見出した。本発明はかかる観点からなされたも
ので、偏光素子を吸着させたポリビニルアルコール系フ
ィルムを「低濃度のホウ酸水溶液中で一軸延伸し、次い
で、前記ホウ酸水溶液よりも高濃度のホウ酸水溶液中に
保持した後、加熱処理する」ことで、従来の方法による
ホウ酸水溶液中で延伸して得られたフィルムの性能以上
の優れた偏光性能ならびに耐久性、耐湿熱性および耐熱
性を有する偏光フィルムを製造することができる。
【0007】本発明において使用するポリビニルアルコ
ール系フィルムは、ポリビニルアルコールフィルム、ま
たポリ(エチレン−酢酸ビニル)共重合ケン化フィルム
のような水酸基を有するポリビニルアルコール誘導体フ
ィルムならいずれも使用することができる。本発明の偏
光フィルムの製造方法において、ポリビニルアルコール
系フィルム原反は、30〜60℃、好ましくは35〜5
0℃の温水中で自然膨潤させる。
【0008】次に、フィルムを染色、すなわち偏光素子
を吸着させる方法としては、二色性染料あるいはヨウ素
の水溶液中にフィルムを浸漬することによって行われ
る。本発明において使用される偏光素子としては、ヨウ
素、二色性染料などが用いられるが、耐熱性を考慮する
とヨウ素よりも染料の方が好ましい。本発明に用いられ
る二色性染料としては、二色性の高いものであればいず
れのものでもよい。既存染料としては、「偏光フィルム
の応用」(CMC刊、昭和61年2月10日発行)、或
いは「COLOUR INDEX,ThirdEdit
ion,Volume2」(The Society
of Dyers and Colourists,T
he American Association o
f Textile Chemists and Co
lrists刊、1971年発行)中のC.I.Dir
ect染料(直接染料)を挙げることができる。また、
特公平2−61988号公報、特公平4−50944号
公報、特公平4−61893号公報、特開昭62−89
907号公報、特開昭62−123405号公報、特開
昭63−189803号公報、特開平1−93703号
公報、特開平1−161202号公報、特開平1−16
7703号公報、特開平1−172906号公報、特開
平1−172907号公報、特開平1−183602号
公報、特開平1−248105号公報、特開平1−25
2903号公報、特開平1−252904号公報、特開
平1−252905号公報、特開平1−265205号
公報、特開平1−313568号公報、特開平2−13
903号公報、特開平2−13904号公報、特開平2
−13905号公報、特開平2−89008号公報、特
開平2−96102号公報、特開平2−269136号
公報、特開平3−769号公報、特開平3−12606
号公報、特開平4−226162号公報に記載されてい
る二色性染料も用いられる。
【0009】使用する二色性染料は、水1リットルに対
し0.01〜20.0g、好ましくは0.1〜2.0g
溶解させる。ヨウ素の場合は水1リットルに対し0.0
001〜0.03gの範囲が好ましく、ヨウ素とヨウ化
カリウムを併用してもよい。また染料、ヨウ素のどちら
の場合にも、必要に応じて塩化ナトリウム、ボウ硝等の
無機塩、界面活性剤等の染色助剤を加えてもよい。この
ような染浴は、30〜60℃、好ましくは35℃〜50
℃で10秒〜30分間、好ましくは1〜15分間、膨潤
処理を施したフィルムを浸漬して染色する。
【0010】染色工程まで終えたフィルムの一軸延伸
は、水中、または架橋剤を含んでもよい水溶液中で行う
が、好ましくは、扱いの容易な架橋剤としてホウ酸を使
用する。ここでは、ホウ酸水溶液を例として説明する
が、これらに限定されるものではない。ホウ酸水溶液の
他に架橋剤として、例えば、グリオキザールなどのジア
ルデヒド化合物、ジメチロール尿素などのメチロール化
合物、ポリエーテルポリオール、ポリブタジエングリコ
ール、ポリカプロラクトンポリオール、トリス(2−ヒ
ドロキシエチル)イソシアヌレートなどのポリオール化
合物を含んでもよい。これらの架橋剤の濃度は、50重
量%以下が好ましい。一軸延伸は、低濃度のホウ酸水溶
液中で行うが、この際のホウ酸の濃度は、フィルムの緊
張およびそれに伴うフィルムの破断等を考慮すると、5
重量%未満が特に好ましい。ホウ酸を含む水溶液の温度
は20〜80℃が良く、好ましくは30〜60℃であ
る。また、一軸延伸する際の延伸倍率は、偏光素子の配
向、またはフィルムの緊張による破断等を考慮すると、
原反時の4〜9倍が好ましい。特にこのましくは、5〜
7倍である。さらに、高偏光度を有するフィルムを得る
には、延伸後の軸比を3以上にすることが好ましい。こ
こで軸比とはフィルム幅をa(cm)、延伸距離をb
(cm)とした時のb/aの値である。染色ムラを防
ぎ、偏光性能を上げるためには、軸比は大きい方が好ま
しい。
【0011】一軸延伸して得た延伸フィルムは、さらに
高濃度の架橋剤を含む水溶液に浸漬後、取り出し、フィ
ルム面上の余分な架橋剤水溶液の水滴を切った処理フィ
ルムを、緊張状態を保持したまま加熱処理する。扱いの
容易な架橋剤として、ホウ酸を使用することが好まし
い。高濃度のホウ酸水溶液に浸漬する際のホウ酸水溶液
の濃度は、濃い程良いが、加熱処理後に得られる偏光フ
ィルムの耐湿熱性を向上するためには、少なくとも5%
以上であることが好ましい。特に、水溶液の温度を30
〜60℃とした場合のホウ酸水溶液の濃度は、6%〜1
5%であれば充分な耐湿熱性を付与することができる。
また浸漬時間は、浸漬されれば瞬時でも良いが、フィル
ム樹脂内部へホウ酸分子を充分浸透させるためには、5
秒〜10分間浸漬することが好ましい。ホウ酸水溶液の
温度は20〜80℃、好ましくは30〜60℃である。
高濃度のホウ酸水溶液に浸漬した後の延伸フィルム面上
の余分なホウ酸水溶液の水滴を切るのには、スキージー
あるいはピンチロールによって行う。ピンチロールのロ
ール圧は、1〜10kg/cm2 、好ましくは2〜5k
g/cm2 である。
【0012】高濃度のホウ酸水溶液に浸漬した後の延伸
フィルムは、水洗した後、加熱処理する方法、または水
洗処理を行うことなく加熱処理し、その後水洗、乾燥す
る方法の2通りの方法があり、本発明ではいずれも適用
可能であるが、本発明においては、水洗処理を行うこと
なく加熱処理し、その後水洗、乾燥する方法がより好ま
しい。従来、偏光フィルムの製造方法において、フィル
ムの加熱処理を行う目的は、処理フィルム(偏光素子を
吸着、配向させたフィルム)に含浸させたホウ酸等の架
橋剤とポリビニルアルコールの水酸基との反応、つまり
架橋化を十分に行わせることであり、架橋化させること
で、フィルムの耐水化、剛性化及び耐久性が向上する。
従来の方法では、通常、水洗、乾燥した後、この加熱処
理を行っていた。架橋剤であるホウ酸及び金属イオン等
の含浸処理後に、フィルム表面上に架橋剤が結晶等とし
て残存したものを除かないと、平滑な表面状態が得られ
にくいからである。但しこの場合、処理フィルム中およ
びフィルム表面上に存在する架橋剤が多くの割合で除去
され易い。つまり、水洗によって架橋剤が処理フィルム
中およびフィルム表面上より流出、除去されることで、
加熱工程時での架橋密度低下が起こり、フィルムの耐水
化、剛性化及び耐久性が不十分となり易い。水洗、乾燥
の操作を、加熱処理によって架橋化を十分に行わせた後
行うことにより、架橋剤が固定化され、水洗により流出
されず、偏光フィルムの耐熱性、耐湿熱性をより大幅に
向上させることができると共に、平滑な表面状態が得ら
れるのである。加熱処理は、ホウ酸水溶液を含んだフィ
ルムを緊張状態で、70℃以上、好ましくは100℃〜
120℃の温度で、1〜60分間加熱することによる。
但し、急激な温度変化によるフィルムの破断を防ぐた
め、加熱は徐々に昇温して行うのが好ましく、30℃か
ら70℃ないし120℃に1〜60分かけて昇温するの
が良い。70〜120℃で保温した後、徐々に降温、放
冷するが、1〜20分かけるのが好ましい。なお、加熱
処理、放冷後のフィルム表面上に未反応のホウ酸結晶が
析出して存在する場合、水洗を行い、析出結晶を除くこ
とにより平滑な表面状態を得ることができる。水洗後
は、水切り、乾燥を行うことにより、偏光フィルムが得
られる。
【0013】上記の如く製造した偏光フィルムは、種々
の加工を施して使用することができる。例えば、フィル
ム又はシートにしてそのまま使用する他、使用目的によ
っては、アセチルセルロース、アクリル又はウレタン系
等の樹脂フィルムを片面又は両面に接着して保護層を形
成する。必要に応じて、偏光フィルムの表面に蒸着、ス
パッタリングまたは塗布法により、インジウム−スズ系
酸化物等の透明導電性膜を形成して用いてもよい。特
に、保護フィルムとしては、トリアセチルセルロースを
ケン化したものが頻繁に用いられている。好ましくは、
フィルム表面の50mol%以上がケン化されたもので
あり、偏光フィルムの両側に接着剤によって積層する。
接着剤としては、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポ
リビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の
水溶性ポリマーによる接着剤や、ポリアクリル系接着
剤、ポリウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤などを用
いることができる。偏光フィルムと保護フィルムの間
に、接着剤溶液を滴下、あるいは噴霧状に付着させ、ラ
ミネートロールを使用して圧着した後、室温放置あるい
は加熱乾燥することによって、貼り合わせる。さらに、
片面に粘着加工を行い、ガラスに貼って使用することも
出来る。
【0014】
【実施例】以下に本発明を実施例によって詳細に説明す
るが、これらは例示的なものであり、本発明はこれらに
限定されるものではない。尚、本発明における偏光度と
は、次の方法によって測定した値である。即ち、2枚の
偏光フィルムを各々の延伸方向が互いに平行となるべく
重ねて、分光光度計の光路におき測定した平行位光線透
過率(T//)および2枚の偏光フィルムを各々の延伸方
向が互いに垂直となるべく重ねて分光光度計の光路にお
き測定した直交位光線透過率(T⊥)より、次式(数
1)を用いて偏光度(V)を算出した。
【0015】
【数1】 ここで、カラー偏光フィルムの場合はその極大吸収波長
における値であり、またニュートラル偏光フィルムの場
合は可視光領域400〜700nmにおける平均値であ
る。耐湿熱試験は、得られた偏光フィルムを80℃、相
対湿度85%の雰囲気下に、200時間放置し、試験後
の偏光性能と透過率を測定した。また、耐熱試験は、得
られた偏光フィルムを90℃の乾燥機内に200時間放
置し、試験後の偏光性能および透過率を測定した。
【0016】実施例1 ポリビニールアルコールフィルム(商品名:クラレビニ
ロン#7500)を、40℃の温水中で2分間自然膨潤
させた後、市販の直接染料3種を下記に示す濃度で溶解
させた40℃の水溶液で30分間染色した。 C.I.Direct Black 17 0.40g/l C.I.Direct Yellow 12 0.13g/l C.I.Direct Blue 202 0.40g/l 該フィルムを42℃の3.0重量%ホウ酸水溶液中で
6.1倍に一軸延伸した。延伸終了後、さらに6.5重
量%を含む40℃のホウ酸水溶液中に、2分間浸漬し
た。浸漬直後に、ホウ酸水溶液の水滴をスキージーで取
り去り、緊張状態を保持させたまま25℃から100℃
に5分かけて昇温し、100℃で20分保温、100℃
から30℃に3分で降温して加熱処理を行った。次い
で、水洗することにより、フィルム表面のホウ酸結晶を
除去した。スキージーで水滴を切った後、緊張状態のま
ま50℃で5分間乾燥を行った。得られたフィルムの両
面にポリビニールアルコール系接着剤を用いて、トリア
セチルセルロースの接着面をケン化処理したフィルムを
ラミネートすることにより、ニュートラルグレイ偏光フ
ィルムを得た。得られた偏光フィルムの性能、耐湿熱性
試験および耐熱性試験を行った結果を第1表(表1)に
示す。
【0017】実施例2 実施例1において、6.5重量%を含む40℃のホウ酸
水溶液中に2分間浸漬する代わりに、10重量%を含む
50℃のホウ酸水溶液中に1分間浸漬した以外は、実施
例1と同様の操作を行いニュートラルグレイ偏光フィル
ムを得た。得られた偏光フィルムの性能、耐湿熱試験な
らびに耐熱試験を行った結果を、第1表(表1)に示
す。 比較例1 実施例1において、ホウ酸水溶液に浸漬する操作を省略
した以外は、実施例1と同様の操作を行いニュートラル
グレイ偏光フィルムを得た。得られた偏光フィルムの性
能、耐湿熱試験ならびに耐熱試験を行った結果を、第1
表(表1)に示す。
【0018】比較例2 実施例1において、ホウ酸水溶液に浸漬する操作を省略
し、さらに延伸直後にポリビニールアルコールフィルム
を水洗し、スキージーで余分な水滴を切った以外は、実
施例1と同様の操作を行いニュートラルグレイ偏光フィ
ルムを得た。得られた偏光フィルムの性能、耐湿熱試験
ならびに耐熱試験を行った結果を、第1表(表1)に示
す。 比較例3 実施例1と同様に染色したフィルムを、42℃の6.5
重量%ホウ酸水溶液中で6.1倍に一軸延伸を試みたと
ころ、途中で破断してしまい、目的のフィルムは得られ
なかった。 比較例4 実施例1と同様に染色したフィルムを、42℃の10重
量%ホウ酸水溶液中で6.1倍に一軸延伸を試みたとこ
ろ、途中で破断してしまい、目的のフィルムは得られな
かった。
【0019】
【表1】 表から明らかなように、実施例1および実施例2で得ら
れた本発明の偏光フィルムは、耐熱試験後での偏光度な
らびに透過率の変化が初期性能に比してほとんど変化が
見られず、また耐湿熱試験後での偏光度および透過率の
変化が0.1〜0.3%の範囲であり、良好な性能を示
している。また比較例1で得られた偏光フィルムは、耐
熱試験後の結果は初期性能に比してほとんど変化はみら
れないが、耐湿熱試験後では透過率が1.1%減少し、
実施例1および2で得られた本発明の偏光フィルムに比
して劣っている。さらに比較例2で得られた偏光フィル
ムは、耐熱試験後の結果は初期性能に比してほとんど変
化はみられないが、耐湿熱試験後では透過率が4.3%
減少し、実施例1および2で得られた本発明の偏光フィ
ルムに比して劣っている。以上のことから、本発明の偏
光フィルムは、従来のものに比べて、耐熱性にも優れて
いるが、特に耐湿熱性および偏光性能に極めて優れてい
ることが判る。
【0020】
【発明の効果】本発明の偏光フィルムの製造方法は、耐
熱性、耐湿熱性および偏光性能に優れた偏光フィルムを
製造することができることから、熱安定性ならびに高偏
光度を必要とする、液晶表示装置の信頼性の保持に大き
く貢献するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 尚登 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地三井東 圧化学株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光素子を吸着させたポリビニルアルコ
    ール系フィルムを低濃度のホウ酸水溶液中で一軸延伸
    し、次いで、これを前記ホウ酸水溶液よりも高濃度のホ
    ウ酸水溶液中に保持した後、加熱処理することを特徴と
    する偏光フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 一軸延伸を5重量%未満のホウ酸水溶液
    中で行う請求項1記載の偏光フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 高濃度のホウ酸水溶液が6重量%〜15
    重量%のホウ酸水溶液である請求項1または請求項2に
    記載の偏光フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 水洗した後、加熱処理をする請求項1〜
    請求項3のいずれかに記載の偏光フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 水洗処理を行うことなく加熱処理し、そ
    の後水洗、乾燥する請求項1〜請求項3のいずれかに記
    載の偏光フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 加熱処理温度が100〜120℃である
    請求項1〜請求項5のいずれかに記載の偏光フィルムの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 ポリビニルアルコール系フィルムの延伸
    倍率が5〜7倍である請求項1〜請求項6のいずれかに
    記載の偏光フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 偏光素子が二色性染料である請求項1〜
    請求項7のいずれかに記載の偏光フィルムの製造方法。
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