JPH06336184A - 自動二輪車のキャリア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】大きな荷物や重量物の搭載が可能で、かつ、無
搭載時にはフューエルリッドの開閉の邪魔にならない一
方、剛性の高いスタンドグリップの機能を兼ね備えた自
動二輪車のキャリアを提供するにある。 【構成】車体の周囲を車体カバー１３で覆うと共に、上
記車体カバー１３の後方上部に燃料給油口を覆うフュー
エルリッド１９を設けた自動二輪車１において、前記車
体の後方上部にキャリア２０を設け、このキャリア２０
を上記フューエルリッド１９の開閉を妨げない形状に成
型・配置する一方、上記自動二輪車１は車体カバー１３
内にフレーム材６を有し、このフレーム材６の最大巾部
分に上記キャリア２９の取付け部２３，２３を固定し、
さらに上記キャリア２０の一部にスタンドグリップ部２
４，２４を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動二輪車のキャリアに
係り、特に車体カバー後方上部にフューエルリッドを設
けた自動二輪車のキャリアに関する。

【０００２】

【従来の技術】車体周囲を車体カバーで囲んだ、例えば
スクータ型自動二輪車にキャリアを取り付ける場合は、
運転シート後方部分の車体カバー上方にキャリアを配置
するのが一般的である。また、自動二輪車の駐車時にス
タンドを立てる手掛かりとして、スタンドグリップを車
体カバー後方側面に取付けている。

【０００３】一方、車体後方に燃料タンクを備え、車体
カバーの後方上部に燃料給油口を覆うフューエルリッド
を設けたものがある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、運転シ
ート後方部分の車体カバー上方にキャリアを配置すると
フューエルリッドの開閉の邪魔になるため、キャリアを
後方にずらす必要があるが、車体全体の外観や重量配分
のバランスを取るため、キャリアは小型になり、そのた
め、大きな荷物の搭載が不可能であった。

【０００５】また、キャリアは、車体フレームの後端部
に取付けられるため、取付剛性が低く、重量物の搭載も
不可能であった。

【０００６】さらに、部品削減のためにスタンドグリッ
プを備えず、上記キャリアを代用している車種もある
が、上述したように、キャリアの取付剛性が低いため、
好ましくない。

【０００７】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、大きな荷物の搭載が可能で、かつ、無搭載時に
はフューエルリッドの開閉の邪魔にならない自動二輪車
のキャリアを提供することを目的とする。

【０００８】この発明の他の目的は、高い剛性を備え、
重量物の搭載を可能にした自動二輪車のキャリアを提供
するにある。

【０００９】さらに、この発明の他の目的は、剛性の高
いスタンドグリップの機能を備えた自動二輪車のキャリ
アを提供するにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明に係る自動二輪車
のキャリアは、上述した課題を解決するために、請求項
１に記載したように、車体の周囲を車体カバーで覆うと
共に、上記車体カバーの後方上部に燃料給油口を覆うフ
ューエルリッドを設けた自動二輪車において、前記車体
の後方上部にキャリアを設け、このキャリアを上記フュ
ーエルリッドの開閉を妨げない形状に成型・配置したも
のである。

【００１１】また、上述した課題を解決するために、請
求項２に記載したように、上記自動二輪車は車体カバー
内にフレーム材を有し、このフレーム材の最大巾部分に
上記キャリアの取付け部を固定したものである。

【００１２】さらに、上述した課題を解決するために、
請求項３に記載したように、上記キャリアの一部にスタ
ンドグリップ部を設けたものである。

【００１３】

【作用】上記の構成を有する本発明においては、車体の
周囲を車体カバーで覆うと共に、上記車体カバーの後方
上部に燃料給油口を覆うフューエルリッドを設けた自動
二輪車において、前記車体の後方上部にキャリアを設
け、このキャリアを上記フューエルリッドの開閉を妨げ
ない形状に成型・配置したしたため、大きな荷物の搭載
が可能になり、かつ、無搭載時にはフューエルリッドの
開閉が邪魔にならない自動二輪車のキャリアを提供でき
る。

【００１４】また、上記自動二輪車は車体カバー内にフ
レーム材を有し、このフレーム材の最大巾部分に上記キ
ャリアの取付け部を固定したため、キャリアは、高い剛
性が得られ、重量物の搭載が可能になる。

【００１５】さらに、上記キャリアの一部にスタンドグ
リップ部を設けたため、このキャリアをスタンドグリッ
プとして機能させることができる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１７】図１は、この発明を適用したスクータ型自
動二輪車の一例を示す左側面図である。また、図２は上
記スクータ型自動二輪車後部の平面図であり、図３は、
図２のＸ−Ｘ線に沿う断面図である。

【００１８】図１、図２および図３において、このスク
ータ型自動二輪車１は車体フレーム２を有し、この車体
フレーム２は、ダウンチューブ３と、このダウンチュー
ブ３に前端が固定され、後上方に延びる左右一対のリヤ
フレーム４Ｒ，４Ｌとから構成される。このリヤフレー
ム４Ｒ，４Ｌは、その前端付近で折曲され、一旦立ち上
がった後、後上方に延び、再び略垂直に立ち上がった
後、後上方に延びている。それぞれのリヤフレーム４
Ｒ，４Ｌの後端は、ブリッジ部材５により接続される。

【００１９】リヤフレーム４Ｒ，４Ｌの中央上部には、
籠状に成型されたフレームパネル６が設けられ、このフ
レームパネル６内には物品収納部７が形成される。ま
た、フレームパネル６の上方には運転シート８が配置さ
れる。

【００２０】リヤフレーム４Ｒ，４Ｌの中央下部にはパ
ワーユニット９がスイング自在に設けられる。このパワ
ーユニット９は図示しないエンジンと、このエンジンの
一側から後方に延びる伝導ケース１０とを備え、この伝
導ケース１０の後端に駆動輪である後輪１１が保持され
る。伝導ケース１０はスイングアームを兼ねており、リ
ヤサスペンション１２によりリヤフレーム４Ｌに弾性的
に支持される。

【００２１】車体カバー１３は、複数個のカバ−エレメ
ントを組み立てることにより構成される。上記カバーエ
レメントは、具体的にはリヤレッグシールド１４、レッ
グシールドカバー１５、フロントレッグシールド１６、
アッパーフレームカバー１７およびロアサイドカバー１
８から構成される。

【００２２】ダウンチューブ３とリヤフレーム４Ｒ，４
Ｌとの接合部分上方には、リヤレッグシールド１４が設
けられており、このリヤレッグシールド１４の前端から
上方に起立するレッグシールドカバー１５が形成され
る。また、このレッグシールドカバー１５の前部にはフ
ロントレッグシールド１６が設けられる。

【００２３】一方、リヤフレーム４Ｒ，４Ｌの周囲に
は、リヤフレーム４Ｒ，４Ｌの側部を囲むようにロアサ
イドカバー１８が左右に分割されて設けられており、こ
のロアサイドカバー１８の上部には左右一体あるいは別
体に形成されたアッパーフレームカバー１７が設けられ
る。

【００２４】また、車体後方内部には図示しない燃料タ
ンクが設けられ、アッパーフレームカバー１７の後方上
部にはフューエルリッド１９が開閉自在に設けられる。

【００２５】車体カバー１３後方上部、上記フューエル
リッド１９の上方にはキャリア２０が設けられる。この
キャリア２０は、荷物搭載部２１、サポート部２２Ａ、
サポート部２２Ｂおよびサポート部２２Ｃから構成され
る。

【００２６】荷物搭載部２１は、例えば金属棒をコの字
状に折曲成型し、その後方部に、上記フューエルリッド
１９の開閉を妨げないようにメンバー２１ａ…２１ｃが
架設される。

【００２７】サポート部２２Ａは、例えば金属棒をコの
字状に折曲成型し、その両端部にはパイプ状の取付け部
２３，２３がそれぞれ設けられる。また、サポート部２
２Ａの両側部はスタンドグリップ部２４，２４となって
いる。

【００２８】上記サポート部２２Ａの取付け部２３，２
３は、アッパーフレームカバー１７の側面に形成された
取付け穴２５，２５から前記フレームパネル６の最大巾
部分付近にボルト・ナット２６等の固定手段により固定
される。また、サポート部２２Ａの中央部は上記荷物搭
載部２１の前端部に接続される。さらに、荷物搭載部２
１の中央部付近に架設されるメンバー２１ａには、前記
サポート部２２Ｂの上端部が接続される一方、このサポ
ート部２２Ｂの下端部は、ビス２７等の固定手段により
前記リヤフレーム４Ｒ，４Ｌ後端のブリッジ部材５の前
部に固定される。そして、荷物搭載部２１の後部に架設
されるメンバー２１ｂ，２１ｃには前記サポート部２２
Ｃの上端部が接続され、このサポート部２２Ｃの下端部
は、ビス２８等の固定手段により上記ブリッジ部材５の
後部に固定される。

【００２９】なお、符号２９は前輪であり、符号３０は
走行ハンドル、そして符号３１はフロントフォークであ
る。

【００３０】次に、本実施例の作用について説明する。

【００３１】本発明を適用したキャリア２０は、上述し
たように、フューエルリッド１９の上方にキャリア２０
を設けたが、荷物搭載部２１に架設されるメンバー２１
ａ…２１ｃをフューエルリッド１９の開閉を邪魔しない
位置に配置し、また、荷物搭載部２１の前端部をサポー
ト部２２Ａに接続したため、従来のようにキャリア２０
を車体カバー１３後方にずらす必要がなく、キャリア２
０に大きな荷がを搭載可能になる。

【００３２】そして、車体フレーム２の剛性の高い部分
であるフレームパネル６の最大巾部分付近にキャリア２
０の両端部の取付け部２３，２３を固定したため、キャ
リア２０は高い剛性を備えることができ、重量物の搭載
が可能となる。

【００３３】さらに、取付剛性の高いキャリア２０の両
側部をスタンドグリップ部２４，２４として使用するた
め、駐車時にスタンドを立てる手掛かりとすることがで
きる。

【００３４】そして、本発明は、従来機種に容易に後付
けができる。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように、車体の周囲を車体
カバーで覆うと共に、上記車体カバーの後方上部に燃料
給油口を覆うフューエルリッドを設けた自動二輪車にお
いて、前記車体の後方上部にキャリアを設け、このキャ
リアを上記フューエルリッドの開閉を妨げない形状に成
型・配置したしたため、大きな荷物の搭載が可能にな
り、かつ、無搭載時にはフューエルリッドの開閉が邪魔
にならない自動二輪車のキャリアを提供できる。

【００３６】また、上記自動二輪車は車体カバー内にフ
レーム材を有し、このフレーム材の最大巾部分に上記キ
ャリアの取付け部を固定したため、キャリアは、高い剛
性が得られ、重量物の搭載が可能になる。

【００３７】さらに、上記キャリアの一部にスタンドグ
リップ部を設けたため、このキャリアをスタンドグリッ
プとして機能させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る自動二輪車のキャリアの一実施例
を示すスクータ型自動二輪車の左側面図。

【図２】スクータ型自動二輪車後部の平面図。

【図３】図２のＸ−Ｘ線に沿う断面図。

【符号の説明】

１ スクータ型自動二輪車 ２ 車体フレーム ４Ｒ，４Ｌ リヤフレーム ６ フレームパネル（フレーム材） １３ 車体カバー １９ フューエルリッド ２０ キャリア ２１ 荷物搭載部 ２２Ａ，２２Ｂ，２２Ｃ サポート部 ２３ キャリアの取付け部 ２４ スタンドグリップ部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体の周囲を車体カバーで覆うと共に、
   上記車体カバーの後方上部に燃料給油口を覆うフューエ
   ルリッドを設けた自動二輪車において、前記車体の後方
   上部にキャリアを設け、このキャリアを上記フューエル
   リッドの開閉を妨げない形状に成型・配置したことを特
   徴とする自動二輪車のキャリア。
2. 【請求項２】 上記自動二輪車は車体カバー内にフレー
   ム材を有し、このフレーム材の最大巾部分に上記キャリ
   アの取付け部を固定した請求項１記載の自動二輪車のキ
   ャリア。
3. 【請求項３】 上記キャリアの一部にスタンドグリップ
   部を設けた請求項１または２記載の自動二輪車のキャリ
   ア。