JPH06334524A - A/dコンバータ - Google Patents

A/dコンバータ

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Publication number
JPH06334524A
JPH06334524A JP12276493A JP12276493A JPH06334524A JP H06334524 A JPH06334524 A JP H06334524A JP 12276493 A JP12276493 A JP 12276493A JP 12276493 A JP12276493 A JP 12276493A JP H06334524 A JPH06334524 A JP H06334524A
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JP
Japan
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comparator
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input
state
circuit
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Application number
JP12276493A
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English (en)
Inventor
Masayuki Ueno
雅之 植野
Hiroshi Ogasawara
寛 小笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
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Publication of JPH06334524A publication Critical patent/JPH06334524A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 消費電力及び消費電力の変動のピークの低減
を図ると共に、入出力ピンの数の減少も図る。 【構成】 スイッチングコンパレータC1〜Cn は、ア
ナログ入力信号Ainとそれぞれの論理閾値とに従って、
その比較結果を出力する。それぞれの論理閾値は、アナ
ログ入力信号Ainの取り得る範囲内に設定されている。
これらスイッチングコンパレータC1〜Cn は、例えば
チョッパ型コンパレータに比べ、その消費電力が少な
い。又、変化検出回路16a は、コンパレータ出力Ca
1〜Ca n を入力し、該コンパレータ出力Ca 1〜Ca
n の変化を検出して、変化検出信号X1〜Xn として出
力する。前記スイッチングコンパレータC1〜Cn 以降
の回路、例えばラッチ回路等を該変化検出信号X1〜X
n にて動作させることで、前記アナログ入力信号Ainの
電圧に変化が無い時の消費電力の低減を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アナログ入力値をデジ
タル値に変換するA/Dコンバータに係り、特に、消費
電力を抑えることができ、又、入力信号の数や該入力信
号用の入出力ピンの数等を低減することができるA/D
コンバータに関する。
【0002】
【従来の技術】A/Dコンバータは、計測装置、例えば
デジタルボルトメータやプログラマブル電源など、工業
用分野では古くから用いられている。又、近年、A/D
コンバータは、コンパクトディスクプレーヤなどの民生
用や、デジタル回線に電話を接続するためのコーデック
などの特殊分野などにも用いられるようになっている。
【0003】又、家庭用VTR(video tape recorder
)装置での特殊再生やノイズリダクション用として、
6〜8ビットの10〜20MHz の高速動作が可能なA
/Dコンバータが使用されている。比較的大容量のDR
AM(dynamic random accessmemory)が比較的安価に
用いられるようになるなど、近年のデジタル技術の発達
によって、A/Dコンバータは、画像処理装置やデジタ
ルシグナルプロセッサなど、広範囲に用いられている。
このような画像処理装置やデジタルシグナルプロセッサ
などに用いられるA/Dコンバータは、より高速な動作
が要求される。
【0004】高速動作が可能なA/Dコンバータとして
は、フラッシュ型A/Dコンバータが知られている。こ
のフラッシュ型A/Dコンバータは、例えばこれがn ビ
ットのフラッシュ型A/Dコンバータである場合には、
合計(2n −1)個のコンパレータを同時動作させてA
/D変換するというものである。これら合計(2n
1)個の各コンパレータには、合計2n 個の同一抵抗値
の抵抗素子が直列接続されたラダー抵抗を用いて基準電
圧を分圧した、電圧の互いに異なる比較参照電圧がそれ
ぞれ入力されている。従って、個々のコンパレータは、
それぞれに入力された比較参照電圧とアナログ信号電圧
とを比較する。又、このような合計(2n−1)個のコ
ンパレータによる比較結果に基づいて、エンコードされ
たn ビットのデジタル信号を出力する。このようなフラ
ッシュ型A/Dコンバータによれば、積分型A/Dコン
バータや逐次比較型A/Dコンバータに比べ、はるかに
高速に、入力されたアナログ信号電圧に対応するデジタ
ル信号を得ることができる。
【0005】又、高速動作が可能なA/Dコンバータに
関して、特公平2−39136では、近年2ステップフ
ラッシュ型A/Dコンバータと呼ばれるものに関する技
術が開示されている。該特公平2−39136で開示さ
れている2ステップフラッシュ型A/Dコンバータは、
例えばこれが(m +n )ビットA/Dコンバータの場
合、まず合計(2m −1)個のコンパレータを用いて上
位m ビットに相当するA/D変換を行い、この後、該上
位m ビットに相当するA/D変換の結果に基づいて、合
計(2n −1)個の別のコンパレータを用いて下位n ビ
ットに相当するA/D変換を行うというものである。従
って、該2ステップフラッシュ型A/Dコンバータに用
いられるコンパレータの個数は、合計(2m +2n
2)個であり、前述の一般的なフラッシュ型A/Dコン
バータに比べ非常に減少することができる。
【0006】又、このような2ステップフラッシュ型A
/Dコンバータのコンパレータとして、近年、チョッパ
型コンパレータが用いられている。このチョッパ型コン
パレータは、CMOS(complementary metal oxide se
miconductor )インバータの入力に直列接続されたコン
デンサへと、まずアナログ信号電圧を入力し、この際、
該CMOSインバータのその入力と出力とを短絡させる
ことにより、該アナログ信号電圧に対応する電荷Qを該
コンデンサへと蓄える。この後、該CMOSインバータ
のその入力と出力を開放させ、前記アナログ信号電圧が
入力されていたコンデンサを比較参照電圧へと接続す
る。このとき、前記CMOSインバータの出力は、前記
アナログ信号電圧と前記比較参照電圧との差の値の正負
に従った出力となる。
【0007】又、特開平1−259628では、A/D
変換器に用いられるコンパレータ、特に差動増幅器を用
いたコンパレータにおいて、補正入力端子を設けるとい
う技術が開示されている。前記差動増幅器を用いたコン
パレータは、前述のチョッパ型コンパレータと共に、前
記A/Dコンバータに広く用いられるコンパレータであ
る。該特開平1−259628で開示されている技術に
よれば、オフセット電圧のばらつきの影響を受けない、
高精度・高速のA/D変換器を提供することができる。
例えば、前記差動増幅器を用いるコンパレータのMOS
(metal oxidesemiconductor )トランジスタを用いた
場合の、ペアで用いるトランジスタの閾値電圧の不揃い
によるオフセット電圧のばらつきの問題を低減すること
ができる。
【0008】
【発明が達成しようとする課題】しかしながら、前述の
フラッシュ型A/Dコンバータは、前記積分型A/Dコ
ンバータや前記逐次比較型A/Dコンバータに比べ、遥
かに高速変換することができるという利点を有する反
面、その消費電力が多いという問題がある。
【0009】又、前述の2ステップフラッシュ型A/D
コンバータにおいても、通常の前記フラッシュ型A/D
コンバータに比べ、その用いられるコンパレータの個数
が減少されているとは言え、やはりその消費電力が多い
という問題がある。
【0010】又、前記A/Dコンバータに用いられる前
記チョッパ型コンパレータは、比較される2つの電圧、
即ちアナログ入力値と比較参照電圧とを交互に入力す
る。このように、該チョッパ型コンパレータは、A/D
変換中にはダイナミックな動作を行うので、消費電力が
比較的大きいという問題がある。
【0011】一方、前記A/D変換器に用いられる前記
差動増幅器を用いたコンパレータは、その差動増幅器が
一般的には定電流源を備えているものであり、常時、一
定電源電流が流れてしまう。このため、消費電力の低減
には問題があった。
【0012】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
く成されたもので、消費電力を抑えることができ、又、
入力信号の数や該入力信号用の入出力ピンの数等を低減
することができるA/Dコンバータを提供することを目
的とする。
【0013】
【課題を達成するための手段】本発明は、アナログ入力
値をデジタル値に変換するA/Dコンバータにおいて、
コンパレータ入力と所定論理閾値とに従って、スイッチ
ング能動素子にてコンパレータ出力を出力すると共に、
又、前記スイッチング能動素子に関する回路パラメータ
を調整することによって、前記論理閾値が前記アナログ
入力値の取り得る範囲内に設定されたスイッチングコン
パレータと、前記コンパレータ出力を入力し、該コンパ
レータ出力の変化を検出して変化検出信号を出力する変
化検出回路とを備え、又、前記コンパレータ入力へと前
記アナログ入力値を導入するようにし、更に、前記コン
パレータ出力に基づいて前記デジタル値を決定する動作
の少なくとも一部を、前記変化検出信号に同期して実行
するようにしたことにより、前記課題を達成したもので
ある。
【0014】
【作用】前述の通り、前記A/Dコンバータに一般的に
用いられている前記チョッパ型コンパレータや、前記差
動増幅器を用いるコンパレータには、それぞれ改善すべ
き課題がある。本発明は、このような課題を解決するた
め、従来とは異なるコンパレータを見出して成されたも
のである。又、このような従来とは異なるコンパレータ
を用いたA/Dコンバータにおいて、消費電力を抑える
ことができ、又、入力信号の数や該入力信号用の入出力
ピンの数等を低減可能な構成を見出しなされたものであ
る。
【0015】図1は、本発明の要旨を示すブロック図で
ある。
【0016】この図1に示される如く、スイッチングコ
ンパレータC1〜Cn のそれぞれの出力には、それぞれ
変化検出回路16a が接続されている。即ち、1つの前
記スイッチングコンパレータC1〜Cn に対して、1つ
の変化検出回路16a が接続され、1組として用いられ
ている。前記スイッチングコンパレータC1〜Cn のそ
れぞれには、アナログ入力Ainが入力されている。一
方、これらスイッチングコンパレータC1〜Cn から
は、コンパレータ出力Ca 1〜Ca n が出力されてい
る。又、前述したように、該コンパレータ出力Ca 1〜
Ca n は、それぞれ対応する前記変化検出回路16a に
も入力されている。又、それぞれの前記変化検出回路1
6a は、変化検出信号X1〜Xn を出力する。
【0017】まず、本発明の1つ目の特徴の、前記スイ
ッチングコンパレータC1〜Cn について説明する。
【0018】用いられているトランジスタなどの能動素
子が、その出力駆動時にその駆動の度合が連続的に動作
するもの(以降、アナログ能動素子と称する)を用い
る、例えば前記差動増幅器などに比べ、インバータなど
の論理ゲートの如く、トランジスタなど用いられる能動
素子がその出力駆動時にオン又はオフに不連続に、ある
いはほぼ不連続に切り替わるもの(以降、スイッチング
能動素子と称する)を用いるものの方が、はるかに高速
動作が可能であることに着目して成されたものである。
【0019】例えば、DTL(diode-transistor logi
c)論理ゲート、TTL(transistor-transistor logic
)論理ゲート、ECL(emitter-coupled logic )論
理ゲートあるいはCMOS論理ゲートなどは、その論理
入力と所定論理閾値とに従って、トランジスタなどの前
記スイッチング能動素子にて所定の論理出力を出力す
る。本発明は、このような論理ゲートをコンパレータと
して用いるという、全く新しい観点に基づいて成された
ものである。このような前記スイッチング能動素子を用
いた論理ゲートは、前記アナログ能動素子にて構成され
る前記差動増幅器を用いたコンパレータに比べ、はるか
に高速動作が可能である。
【0020】即ち、本発明では、前述のように、論理入
力と所定論理閾値とに従って、トランジスタなどの前記
スイッチング能動素子にて論理出力を出力するもの、例
えば論理ゲートについて、前記論理入力をコンパレータ
入力とし、前記論理出力をコンパレータ出力とし、これ
によって、前記コンパレータ入力と前記所定論理閾値と
を比較するというスイッチングコンパレータとしてい
る。
【0021】又、該スイッチングコンパレータは、前記
スイッチング能動素子に関する回路パラメータを調整す
ることによって、前記論理閾値を所望の値に設定するよ
うにしている。該スイッチングコンパレータにて設定さ
れる前記論理閾値のその値は、前記コンパレータ入力へ
と入力される、デジタル値に変換されるアナログ入力値
の取り得る範囲内に設定される。前記スイッチングコン
パレータの前記論理閾値を設定するために行われる、該
スイッチングコンパレータ中の前記スイッチング能動素
子に関する回路パラメータの調整は、例えば、前記ス
イッチング能動素子の増幅率β、前記スイッチング能
動素子のオン抵抗、前記スイッチング能動素子のオフ
抵抗、前記スイッチング能動素子のスレッショルド電
圧、前記スイッチング能動素子に印加される電圧など
によって調整することができる。
【0022】例えば、前記スイッチング能動素子の前記
増幅率や前記オン抵抗や前記オフ抵抗は、該スイッチン
グ能動素子が例えばMOSトランジスタの場合、そのゲ
ート幅Wやゲート長Lにて調整することが可能である。
又、前記スイッチング能動素子に印加される電圧は、抵
抗素子の抵抗値などによって調整することができ、又、
当該スイッチング能動素子を備える前記スイッチングコ
ンパレータ全体に供給される電源の電圧によっても調整
することができる。本第1発明は、前記論理閾値を設定
するためのこのような回路パラメータの調整を、具体的
に限定するものではない。
【0023】なお、本発明に用いられる前記スイッチン
グコンパレータを本発明は具体的に限定するものではな
く、前述の通り、そのコンパレータ入力と所定論理閾値
とに従って、所定のスイッチング能動素子にてそのコン
パレータ出力を出力できるものであればよく、又、その
回路パラメータを調整することによって、前記論理閾値
が前記アナログ入力値の取り得る範囲内の所望値に設定
可能なものであればよい。例えば、該スイッチングコン
パレータの構成は、CMOSインバータの構成であって
もよい。このようなCMOSインバータの構成とするこ
とにより、該スイッチングコンパレータに係る消費電力
を減少することが可能である。CMOSインバータは、
その出力が変化しない定常状態には、消費電力は極めて
少なくなる。更に、該スイッチングコンパレータがCM
OSインバータであっても、あるいはそうでなくても、
前記特公平2−39136など、一般的なA/Dコンバ
ータを必要とする、電圧の互いに異なる多数の比較参照
電圧を基準電圧から分圧して発生するラダー抵抗を、本
発明では不要とすることも可能であり、この場合には、
該ラダー抵抗に係る消費電力が不要となる。比較して、
前記差動増幅器を用いるコンパレータでは、一般的には
該差動増幅器に定電流源を備え、定常的な消費電力が発
生してしまう。
【0024】又、本実施例での前記論理閾値の設定のた
めの前記スイッチング能動素子に関する回路パラメータ
の調整には、前述の通り、様々なものがあり、本発明は
これを限定するものではない。しかしながら、該論理閾
値の設定を、本発明に係る前記スイッチングコンパレー
タに供給される供給電源電圧の調整によれば、例えば、
該スイッチングコンパレータの製造プロセスにおけるば
らつきによる該論理閾値の変動を低減することが可能で
ある。又、このようなスイッチングコンパレータを半導
体集積回路化した場合、その前記論理閾値はその供給電
源の電圧にて調整されるため、前記論理閾値が互いに異
なる複数の前記スイッチングコンパレータを、その集積
回路パターンが同一のものとして作り込むことが可能で
ある。例えば、作り込まれるトランジスタの大きさや形
状などを前記スイッチングコンパレータ間で同一にする
ことができ、集積回路レイアウトパターン設計の作業量
の低減などを図ることが可能である。
【0025】又、本発明に係る前記スイッチングコンパ
レータは、その前記論理閾値が可変とされたものであっ
てもよい。例えば、複数の閾値可変スイッチ素子にて構
成される閾値可変スイッチ群にて、前記スイッチングコ
ンパレータの前記論理閾値を決定する回路パラメータを
切り替え、該論理閾値を可変とするようにしてもよい。
例えば、前記閾値可変スイッチ群の個々の前記閾値可変
スイッチ素子のオンオフにて、複数の前記スイッチング
能動素子によって構成されるスイッチング能動素子群
の、互いに並列に接続されるその前記スイッチング能動
素子の個数を変化させ、これによって前記論理閾値を変
化させるようにしてもよい。このような前記論理閾値が
可変の本発明に係る前記スイッチングコンパレータによ
れば、デジタル値に変換する前記アナログ入力値を複数
の前記論理閾値と比較するということを、1つの前記ス
イッチングコンパレータにて行うことが可能であり、前
記A/Dコンバータに用いられるコンパレータの個数を
減少することが可能である。
【0026】次に、本発明のもう1つの特徴、即ち前記
変化検出回路16a について説明する。該変化検出回路
は、以上説明した別の本発明の特徴のコンパレータの次
段として用いられるものである。
【0027】前記変化検出回路16a それぞれは、それ
ぞれに対応する前記スイッチングコンパレータC1〜C
n が出力するコンパレータ出力Ca 1〜Ca n を入力す
る。又、該変化検出回路16a は、該コンパレータ出力
Ca 1〜Ca n の変化を検出し、該検出結果を変化検出
信号X1〜Xn として出力する。
【0028】本発明はこのような変化検出回路16a を
具体的に限定するものではなく、例えば、種々の微分回
路等を用いることができる。後述する実施例において該
変化検出回路16a は、前記コンパレータ出力Ca 1〜
Ca n に相当する信号を遅延する所定の遅延回路16c
を用いるようにしている。又、該実施例では、該遅延回
路16c のその入力の論理状態とその出力の論理状態と
のEOR(exclusiveOR)論理ゲートに入力するよう
にし、該EOR論理ゲートの出力を前述のような変化検
出信号としている。このように、前記変化検出回路16
a は、前記コンパレータ出力Ca 1〜Ca n の変化を検
出することができるものであればよい。
【0029】本発明の前述のようなスイッチングコンパ
レータC1〜Cn の前記コンパレータ出力Ca 1〜Ca
n を入力し、用いる、該スイッチングコンパレータC1
〜Cn 以降の回路、例えばエンコーダ回路やラッチ回路
等は、その入力される論理状態や出力される論理状態、
又その回路内での論理状態の変化時に、それぞれの消費
電力が増加するものが多い。
【0030】例えば、CMOS論理ゲートは、このよう
な論理状態の変化時にその消費電力が増加する。これ
は、CMOS論理ゲートのその出力の論理状態の変化時
に、その出力をH状態へとスイッチングするPチャネル
MOSトランジスタと、その出力をL状態へとスイッチ
ングするNチャネルMOSトランジスタとが共にオン状
態となってしまったり、共にオン状態に近い状態となっ
てしまうためである。このようにその出力をH状態にス
イッチングするものとその出力をL状態へとスイッチン
グするものとが共にオン状態あるいはオン状態に近い状
態となってしまうと、直列状態にあるこれらスイッチン
グ手段を経て、電源側からグランド側へと貫通電流が流
れてしまう。このような貫通電流は、そのCMOS論理
ゲートの出力の論理状態の変化時に生じる瞬間的なもの
であるが、論理回路全体の消費電力を増大してしまうだ
けでなく、瞬間的な電源電流の増加によって、電源ノイ
ズを発生してしまうという問題もある。
【0031】従って、このようなCMOS論理ゲート等
を用いる前記スイッチングコンパレータC1〜Cn 以降
の論理回路の消費電力を低減するためには、このような
論理回路のその入力の論理状態やその出力の論理状態、
又その内部の論理状態が変化する頻度が少ないことが望
ましい。本発明はこのような点に着目してなされたもの
である。
【0032】即ち、本発明では、前述のような変化検出
回路16a が出力する前記変化検出信号X1〜Xn を用
い、前記アナログ入力Ainの変化による前記スイッチン
グコンパレータC1〜Cn の前記コンパレータ出力Ca
1〜Ca n が変化した時のみ、これ以降の論理回路等を
動作させることが可能としている。例えば後述する実施
例の如く、前述のような変化検出信号X1〜Xn を用い
て、前記スイッチングコンパレータC1〜Cn 以降の例
えばラッチ回路等を動作させるようにする。このように
前記変化検出信号X1〜Xn を用いて、前記スイッチン
グコンパレータ群C1〜Cn 以降の論理回路を動作させ
るようにした場合、その消費電力を低減することができ
る。特に、このような後段の論理回路が例えばCMOS
論理ゲートを用いたものである場合には、前記アナログ
入力Ainが変化せず、又前記コンパレータ出力Ca 1〜
Ca n が変化しない場合には、基本的にその後段の、こ
のようにCMOS論理ゲートを用いた論理回路の消費電
力をほぼゼロとすることも可能である。
【0033】以上説明した通り、本発明によれば、前述
した本発明のスイッチングコンパレータC1〜Cn 自体
低消費電力であり、又本発明の前記変化検出回路16a
が出力する前記変化検出信号X1〜Xn を用いること
で、これらスイッチングコンパレータC1〜Cn 以降の
論理回路の低消費電力化をも図ることが可能である。
【0034】例えば、前記スイッチングコンパレータC
1〜Cn については、一般的には、前述したような従来
から用いられるチョッパ型コンパレータや、前述した従
来から用いられる差動増幅器を用いるコンパレータ等に
比べ、その消費電力が少ないものである。前記チョッパ
型コンパレータは、A/D変換中にそのアナログ入力を
A/D変換する際、随時、瞬間的な消費電力が生じてし
まう。該チョッパ型コンパレータでは、A/D変換のた
びに、そのアナログ入力が変化しても、しなくても、該
アナログ入力のサンプルに用いるコンデンサの電荷をシ
ョートするため、必ず消費電力が生じてしまう。又、前
記差動増幅器については、その内部に定電流源を備える
という構成上、常時消費電流が流れてしまう。即ち、こ
のような差動増幅器を用いるコンパレータにおいても、
これに入力されるアナログ入力が変化してもしなくて
も、常時消費電力が生じてしまう。
【0035】
【実施例】以下、図を用いて本発明の実施例を詳細に説
明する。
【0036】図2は、本発明が適用された実施例のA/
Dコンバータの全体構成を示すブロック図である。
【0037】この図2に示される如く、本実施例のA/
Dコンバータは、主としてコンパレータ群12と、コン
パレータ電源回路14と、変化検出回路群16と、ラッ
チ回路群18と、多入力NOR論理ゲート20と、不一
致検出回路22と、エンコーダ部24と、出力回路部2
6とにより構成されている。このような構成の本実施例
のA/Dコンバータは、入力されるアナログ入力信号A
inをA/D変換し、合計4ビットのデジタル出力信号D
0〜D3を出力するものである。
【0038】まず、前記コンパレータ群12は、前述し
たような本発明の特徴であるスイッチングコンパレータ
を合計15個備える。これらスイッチングコンパレータ
それぞれには、前記コンパレータ電源回路14が出力す
る供給電源VR1〜VR15それぞれを電源として入力
する。これら合計15個のスイッチングコンパレータ
は、互いに異なる電圧の前記供給電源VR1〜VR15
をそれぞれ入力することで、その論理閾値VTHが互いに
異なるようにされている。
【0039】又、当該コンパレータ群12は、このよう
な合計15個のスイッチングコンパレータを用いること
で、前記デジタル出力信号D0〜D3のビット数、即ち
4ビットに対応する合計15段階の、前記アナログ入力
信号Ainの取り得る値の範囲に対応した論理閾値を用い
た一連の比較を行う。即ち、これらコンパレータ出力C
a 1〜Ca 15は、前記アナログ入力信号Ainがそのス
イッチングコンパレータの論理閾値VTHよりも大きい場
合にはL状態となる。一方、これらコンパレータ出力C
a 1〜Ca 15において、前記アナログ入力信号Ainが
対応する前記スイッチングコンパレータの論理閾値VTH
よりも小さい場合にはH状態となる。
【0040】前記変化検出回路群16は、前記コンパレ
ータ群12からの前記コンパレータ出力Ca 1〜Ca 1
5を入力する。又、該変化検出回路群16は、これらコ
ンパレータ出力Ca 1〜Ca 15の出力の変化を検出し
て、変化検出信号X1〜X15を出力する。これら変化
検出信号X0〜X15は、対応する前記コンパレータ出
力Ca 1〜Ca 15、あるいは対応する前記コンパレー
タ出力Cb 1〜Cb 15が、L状態からH状態へと変化
したり、あるいはH状態からL状態へと変化した、その
論理状態の変化時に、H状態のパルス信号を出力する。
なお、該変化検出回路群16は、入力される前記コンパ
レータ出力Ca 1〜Ca 15をそのまま出力せず、これ
らコンパレータ出力Ca 1〜Ca 15それぞれが遅延さ
れたコンパレータ出力Cb 1〜Cb 15を出力する。
【0041】前記ラッチ回路群18は、前記変化検出回
路群16からの前記コンパレータ出力Cb 1〜Cb 15
を入力する。又、該ラッチ回路群18は、前記変化検出
信号X1〜X15がL状態のときに、対応する前記コン
パレータ出力Cb 1〜Cb 15を保持する。このように
保持された前記コンパレータ出力Cb 1〜Cb 15は、
それぞれコンパレータ出力Cc 1〜Cc 15として出力
される。なお、該ラッチ回路群18については、図10
を用いて詳しく後述する。
【0042】前記多入力NOR論理ゲート20は、合計
15本の前記変化検出信号X1〜X15を入力し、これ
ら変化検出信号X1〜X15全ての論理和を反転させた
ものを、変化検出信号OCとして出力する。即ち、該多
入力NOR論理ゲート20は、前記変化検出信号X1〜
X15の少なくともいずれか1つがH状態となると、前
記変化検出信号OCをL状態とする。
【0043】前記不一致検出回路22は、前記ラッチ回
路群18からの前記コンパレータ出力Cc 1〜Cc 15
を入力し、不一致検出信号Cd 0〜Cd 15を出力す
る。該不一致検出回路22は、前記コンパレータ出力C
c 1〜Cc 15において、最も上位側(Cc 15側)の
L状態となっているものと、最も下位側(Cc 1側)と
なっているH状態のものとの境界を検出する。又、検出
されたこのようなL状態とH状態との境界部分に従っ
て、前記不一致検出信号Cd 0〜Cd 15のいずれか1
つをH状態とする。
【0044】前記コンパレータ出力Cc 1〜Cc 15
は、前記アナログ入力信号Ainの電圧が増加するにつ
れ、コンパレータ出力Cc 1側からコンパレータ出力C
c 15側へと順次L状態になる。即ち、前記アナログ入
力信号Ainの最小電圧から最大電圧までのその値が取り
得る範囲、即ちそのフルスケールにおいて、該最小電圧
時には、前記コンパレータ出力Ca 1〜Ca 15や前記
コンパレータ出力Cc 1〜Cc 15は、全てH状態とな
る。一方、該最大電圧時には、前記コンパレータ出力C
a 1〜Ca 15及び前記コンパレータ出力Cc 1〜Cc
15は、全てL状態となる。一方、前記不一致検出回路
22が出力する前記不一致検出信号Cd 0〜Cd 15
は、前記アナログ入力信号Ainの電圧の大きさに従っ
て、いずれか1つのみがH状態となる。
【0045】前記エンコーダ部24は、前記不一致検出
回路22からの前記不一致検出信号Cd 0〜Cd 15
を、前記変化検出信号OCに同期してコード化する。即
ち、該エンコーダ部24は、いずれか1つがH状態とな
っている前記不一致検出信号Cd 0〜Cd 15に従って
コード化し、H状態となっているものがよりCd 15側
となるに従って、そのコード化されたものの値は大きく
なる。又、そのコード化されたものは、4ビットの2進
数として、又、デジタル出力信号Da 0〜Da 3として
出力される。該デジタル出力信号Da 0はこのような4
桁の2進数のLSB(least signifcant bit)となって
いる。一方、前記デジタル出力信号Da 3は、このよう
な4桁の2進数のMSB(most significant bit)とな
っている。なお、該エンコーダ部24については、図1
2及び図13を用いて詳しく後述する。
【0046】前記出力回路部26は、前記エンコーダ部
24からの前記デジタル出力信号Da 0〜Da 3を前記
変化検出信号OCに従ってラッチし、これを前記デジタ
ル出力信号D0〜D3として出力する。なお、該出力回
路部26については、図14を用いて詳しく後述する。
【0047】図3は、本実施例に用いられる前記コンパ
レータ群の回路図である。
【0048】この図3に示される如く、前記図2の前記
コンパレータ群15は、合計15個のスイッチングコン
パレータC1〜C15により構成されている。これらス
イッチングコンパレータC1〜C15それぞれには、グ
ランドGNDに対して、供給電源VR1〜VR15が供
給されている。これら供給電源VR1〜VR15の電圧
の大小関係は、次の通りである。
【0049】 VR15>VR14>VR13>VR12>VR11>
VR10>VR9>VR8>VR7>VR6>VR5>
VR4>VR3>VR2>VR1………(1)
【0050】これらスイッチングコンパレータC1〜C
15は、このように供給される電源の電圧に従って、そ
れぞれの論理閾値VTHが設定されている。即ち、前記ス
イッチングコンパレータC1よりも前記スイッチングコ
ンパレータC2の論理閾値V THが高い。又、スイッチン
グコンパレータC15側になるにつれ、そのスイッチン
グコンパレータC1〜C15のそれぞれの論理閾値VTH
はより高くなる。互いに異なるこれらスイッチングコン
パレータC1〜C15のそれぞれの論理閾値V THは、前
記アナログ入力信号Ainのフルスケールの最小電圧と最
大電圧との間を16等分したものに対応している。
【0051】又、これらスイッチングコンパレータC1
〜C15それぞれには、前記アナログ入力信号Ainが入
力され、このようにそれぞれ設定されている論理閾値V
THと比較される。それぞれのスイッチングコンパレータ
C1〜C15それぞれの論理閾値VTHに対して、前記ア
ナログ入力信号Ainの電圧の方が高い場合には、そのス
イッチングコンパレータC1〜C15の出力はL状態と
なる。一方、それぞれのスイッチングコンパレータC1
〜C15の論理閾値VTHに対して、前記アナログ入力信
号Ainの方が低い場合には、そのスイッチングコンパレ
ータC1〜C15はH状態のコンパレータ出力Ca 1〜
Ca 15を出力する。
【0052】図4は、本発明が適用された実施例の前記
コンパレータ群に用いられるスイッチングコンパレータ
の回路図である。
【0053】この図4においては、本発明が適用された
前記スイッチングコンパレータが示されている。該スイ
ッチングコンパレータの構成は、CMOSインバータの
構成であり、その消費電力がより減少されている。該C
MOSインバータの消費電流は、主としてコンパレータ
出力Cout の変化時に流れるものである。
【0054】この図4においては、前記スイッチングコ
ンパレータは、PチャネルMOSトランジスタTPと、
NチャネルMOSトランジスタTNとにより構成されて
いる。
【0055】前記PチャネルMOSトランジスタTPの
ソースは電源VDD(又はVRn )に接続され、該Pチャ
ネルMOSトランジスタTPのドレインは前記コンパレ
ータ出力Cout 及び前記NチャネルMOSトランジスタ
TNのドレインに接続されている。即ち、該Nチャネル
MOSトランジスタTNのドレインは、前記Pチャネル
MOSトランジスタTPのドレインに接続されていると
共に、前記コンパレータ出力Cout にも接続されてい
る。該NチャネルMOSトランジスタTNのソースは、
グランドGNDに接続されている。前記PチャネルMO
SトランジスタTPのゲート及び前記NチャネルMOS
トランジスタTNのゲートは、いずれもコンパレータ入
力Cinに接続されている。
【0056】前記図4に示されるCMOSインバータの
構成の前記スイッチングコンパレータの前記論理閾値V
THは、電源電圧をVDDとし、前記PチャネルMOSトラ
ンジスタTPの閾値をVTPとし、前記NチャネルMOS
トランジスタTNの閾値をV TNとすると、次式のように
表わすことができる。
【0057】 VTH={VDD+VTN・βR 1/2 −|VTP|}/{1+βR 1/2 } …(2)
【0058】なお、上記(2)式において、βR は、前
記NチャネルMOSトランジスタTNの増幅率βN と前
記PチャネルMOSトランジスタTPの増幅率βP との
比であり、次式の通りである。
【0059】βR =βN /βP …(3)
【0060】又、前記NチャネルMOSトランジスタT
Nの増幅率βN 及び前記PチャネルMOSトランジスタ
TPの増幅率βP は、いずれも、次式の増幅率βを求め
る式によって算出することができる。
【0061】β=μ・Cox・W/L …(4)
【0062】なお、上記(4)式において、μはキャリ
ア移動度であり、CoxはそのMOSトランジスタの単位
面積当りのゲート容量であり、Wはそのゲート幅であ
り、Lはそのゲート長である。
【0063】これら(2)式〜(4)式に示されるとお
り、前記図4に示される前記CMOSインバータによる
前記スイッチングコンパレータの前記論理閾値は、前記
図4に示される回路の、次に列挙するような回路パラメ
ータを調整することによって設定することが可能であ
る。
【0064】(1)前記電源電圧VDDの調整((2)式
参照) (2)前記NチャネルMOSトランジスタTNの前記閾
値VTNの調整あるいは前記PチャネルMOSトランジス
タTPの前記閾値VTPの調整による(前記(2)式参
照) (3)前記NチャネルMOSトランジスタTNの、前記
単位面積当りのゲート容量Coxの調整、前記ゲート幅W
の調整、あるいは前記ゲート長Lの調整の少なくともい
ずれか1つの調整による(上記(2)式〜(4)式参
照) (4)前記PチャネルMOSトランジスタTPの、前記
単位面積当りのゲート容量Coxの調整、前記ゲート幅W
の調整、あるいは前記ゲート長Lの調整の少なくともい
ずれか1つの調整による(上記(2)式〜(4)式参
照)
【0065】以上説明した通り、前記図4に示されるよ
うな、前記CMOSインバータを用いた前記スイッチン
グコンパレータによれば、コンパレータ入力Cinと所定
論理閾値VTHとに従って、前記スイッチング論理素子、
即ち前記PチャネルMOSトランジスタTP及び前記N
チャネルMOSトランジスタTNにてコンパレータ出力
Cout を出力することができる。又、前記(2)式〜前
記(4)式を用い説明した通り、前記論理閾値VTHは前
記コンパレータ入力Cinから入力される前記アナログ入
力値Ainの取り得る範囲内に設定可能である。前記図4
に示されるようなCMOSインバータは、その動作速度
が1GHz 程度のものも今日では可能である。従って、
前記第1スイッチングコンパレータ実施例によれば、高
速A/D変換が可能なA/Dコンバータにも用いること
が可能なコンパレータを提供することができる。又、前
記図4に示されるような、CMOS型のインバータは、
特に消費電力が少なく、特に前記コンパレータ入力Cin
に入力されている信号が定常状態の際には、その消費電
力はほとんど0となる。
【0066】なお、本発明に係る前記スイッチングコン
パレータは、前記図4に示される前述のようなCMOS
インバータに限定されるものではなく、別の回路構成の
CMOS論理ゲートであってもよく、前記TTL論理ゲ
ートや、前記DTL論理ゲートや、あるいは前記ECL
論理ゲートなどであってもよい。あるいは、図5に示さ
れるようなE−D(enhancement-depletion )構成のM
OS論理ゲート(インバータ)であってもよい。
【0067】この図5に示されるMOSインバータは、
NチャネルMOSトランジスタTNDをエンハンスメン
トトランジスタ(enhancement transistor)として用
い、NチャネルMOSトランジスタTNLについては、
そのゲート−ソース間を短絡したデプリショントランジ
スタ(depletion transistor)とされた負荷デバイスと
して用いたものである。この図5に示されるような、M
OSインバータの前記論理閾値VTHは、前記Nチャネル
MOSトランジスタTNDの閾値をVTND とし、前記N
チャネルMOSトランジスタTNLの閾値をVTNL とす
ると、次式のように表わすことができる。
【0068】 VTH={VTND ・βR 1/2 −|VTNL |}/{1+βR 1/2 } …(5)
【0069】なお、上記(5)式において、βR は前記
NチャネルMOSトランジスタTNDの増幅率βNDと、
前記NチャネルMOSトランジスタTNLの増幅率βNL
との比であり、次式の通りである。
【0070】βR =βND/βNL …(6)
【0071】なお、上記(6)式に示される、前記Nチ
ャネルMOSトランジスタTNDの前記増幅率βND及び
前記NチャネルMOSトランジスタTNLの増幅率βNL
は、いずれも、前記増幅率βを求める前記(4)式にて
算出することができる。
【0072】図6は、前記実施例の複数のコンパレータ
に供給する互いに電圧の異なる複数の供給電源を発生す
る電源回路の回路図である。
【0073】この図6においては、前記図2に示された
前記コンパレータ電源回路14が示されている。該コン
パレータ電源回路14は、合計16個の抵抗素子R0〜
R15と、合計15個の電源バッファB1〜B15にて
構成されている。
【0074】合計16個の前記抵抗素子R0〜R15
は、順に直列接続されている。その最両端の端子VRT
と端子VRBとの間には、所定の基準電圧Vs が印加さ
れている。前記端子VRTには前記基準電圧Vs のプラ
スが接続され、前記端子VRBには前記基準電圧Vs の
マイナスが接続されている。又、互いにその抵抗値が等
しい合計16個の前記抵抗素子R0〜R15の合計15
個の直列接続点からは、合計15個の比較参照電圧V1
〜V15が取り出されている。
【0075】合計15個の前記電源バッファB1〜B1
5それぞれには、前記比較参照電圧V1〜V15が入力
されている。これら電源電源バッファB1〜B15のそ
れぞれは、それぞれに入力された前記比較参照電圧V1
〜V15に対応する電圧の供給電源VR1〜VR15を
出力する。これら供給電源VR1〜VR15は、本実施
例に用いられている、合計15個の後述するスイッチン
グコンパレータC1〜C15それぞれに電源として供給
される。これら電源バッファB1〜B15は、それぞれ
に入力される比較参照電圧V1〜V15に従った、それ
ぞれ前記供給電源VR1〜VR15を出力する定電圧電
源となっている。
【0076】図7は、前記コンパレータ電源回路に用い
られる前記電源バッファの第1例の回路図である。
【0077】この図7において、前記図6において示さ
れた合計15個の前記電源バッファB1〜B15のある
1つの電源バッファBn が示されている。該電源バッフ
ァBn は、プラス入力とマイナス入力とを有する差動増
幅器であるバッファ30n を有しており、これらプラス
入力とマイナス入力との電圧差に従った電圧の供給電源
を出力する。該バッファ30n において、プラス入力に
は前記比較参照電圧Vn が入力され、出力は供給電源V
Rn となっている。又、該バッファ30n において、そ
の出力である前記供給電源VRn の電圧は、そのマイナ
ス端子に負帰還されている。従って、この図7に示され
る前記電源バッファBn は、前記比較参照電圧Vn と等
しい電圧の前記供給電源VRn を供給する。
【0078】図8は、前記コンパレータ電源回路に用い
られる前記電源バッファの第2例の回路図である。
【0079】この図8において、電源電源バッファBn
は、バッファ30n とインバータ32n とにより構成さ
れている。
【0080】前記バッファ30n は、前記図7で説明し
た前記バッファ30n と同じものである。該バッファ3
0n の負帰還ループには、前記インバータ32n が挿入
されている。該インバータ32n の入力と出力とは短絡
され、これは前記バッファ30n のマイナス入力に接続
されている。又、該インバータ32n の電源には、前記
バッファ30n が出力する前記供給電源VRn が供給さ
れている。該インバータ32n の入力と出力は接続され
ているため、該インバータ32n の出力の電圧は、当該
インバータ32n の論理閾値電圧VTHとなる。従って、
前記バッファ30n のマイナス入力には、該インバータ
32n に供給電源VRn の電圧が供給された場合の該イ
ンバータ32n の論理閾値電圧VTHが供給される。
【0081】従って、この図8に示される前記電源電源
バッファBn において、前記比較参照電圧Vn と、前記
インバータ32n の論理閾値電圧VTHとの関係は、次式
の通りとなる。
【0082】Vn =VTH …(7)
【0083】前記図4に示される前記スイッチングコン
パレータや前記図5に示される前記スイッチングコンパ
レータにおいて、その前記論理閾値VTHは、供給電源V
Rnを供給することによりVn と等しくなるように設定
され、回路パラメータのばらつきに伴うインバータの論
理閾値のばらつきを防ぐことができる。
【0084】図9は、本実施例に用いられる前記変化検
出回路群の回路図である。
【0085】この図9に示される如く、前記図2に示し
た前記変化検出回路群16は、主として、合計15個の
入力バッファ16b と、合計15個の遅延回路16c
と、合計15個のEOR論理ゲート16d とにより構成
されている。又、それぞれの前記遅延回路16c は、偶
数個のインバータゲートI1〜In (n =偶数)によっ
て構成されている。
【0086】1個の前記入力バッファ16b と、1個の
前記遅延回路16c と、1個の前記EOR論理ゲート1
6d とは、1つの変化検出回路16a (前記図1の同符
号のものに対応)として構成されている。又、前記変化
検出回路群16は、このような変化検出回路16a を合
計15個備えている。
【0087】このような変化検出回路16a の1つに着
目すると、それぞれには前記コンパレータ出力Ca 1〜
Ca 15のうちのいずれか1つが入力されている。又、
該コンパレータ出力Ca 1〜Ca 15は、前記入力バッ
ファ16b へと入力されている。該入力バッファ16b
の出力は、前記遅延回路16c に入力されていると共
に、前記EOR論理ゲート16d の1つの入力にも入力
されている。
【0088】前記遅延回路16c は、複数の前記インバ
ータゲートI1〜In が直列接続されることによって、
これらインバータゲートI1〜In 個々の信号遅延時間
が蓄積された、所定の遅延時間Td が得られている。即
ち、該遅延回路16c は、当該遅延回路16c に入力さ
れた信号を遅延時間Td だけ遅延させた、所定の信号を
出力する。又、該遅延回路16c から出力される信号
は、前記EOR論理ゲート16d の1つの入力へと入力
されると共に、コンパレータ出力Cb 1〜Cb 15とし
て、当該コンパレータ群16の1つの出力として出力さ
れる。
【0089】前記EOR論理ゲート16d は、前記入力
バッファ16b の出力と、前記遅延回路16c の出力と
の排他論理和を求め、これを変化検出信号X1〜X15
のいずれか1つとして出力する。該EOR論理ゲート1
6d が出力するこのような変化検出信号X1〜X15
は、前記入力バッファ16b の出力の論理状態と、前記
遅延回路16c の出力の論理状態とが異なるときにH状
態となる。即ち、これら変化検出信号X1〜X15は、
対応する前記入力バッファ16b の出力が変化すると、
前記遅延回路16c の遅延時間Td の期間だけ、パルス
状のH状態となる。
【0090】図10は、本実施例で用いられる前記ラッ
チ回路群の回路図である。
【0091】この図10に示される如く、前記図2に示
した前記ラッチ回路群18は、合計15個のラッチ回路
18a にて構成されている。各ラッチ回路18a は、そ
れぞれ対応する前記変化検出信号X1〜X15に従っ
て、前記コンパレータ出力Cb1〜Cb 15を保持し、
それぞれコンパレータ出力Cc 1〜Cc 15として出力
する。
【0092】前記ラッチ回路18a は、主として、トラ
ンスファゲート18b 及び18c と、合計3個のインバ
ータゲート18d 〜18f とによって構成されている。
【0093】前記トランスファゲート18b 及び18c
は、いずれも、互いにそれぞれのソース及びドレインに
関して並列接続されたPチャネルMOSトランジスタと
NチャネルMOSトランジスタとにより構成されてい
る。前記トランスファゲート18b のNチャネルMOS
トランジスタのゲートと、前記トランスファゲート18
c のPチャネルMOSトランジスタのゲートとには、前
記変化検出信号X15が入力されている。又、前記トラ
ンスファゲート18b のPチャネルMOSトランジスタ
のゲートと、前記トランスファゲート18c のNチャネ
ルMOSトランジスタのゲートとには、前記インバータ
ゲート18d によってその論理状態が反転された、前記
変化検出信号X15が入力されている。
【0094】従って、前記変化検出回路群16にて変化
が検出され、H状態のパルスが出力されている前記変化
検出信号X1〜X15を入力する前記トランスファゲー
ト18b はオン状態となり、これを入力する前記トラン
スファゲート18c はオフ状態となる。一方、前記変化
検出信号X1〜X15がL状態の場合、これを入力する
前記トランスファゲート18b はオフ状態となり、これ
を入力する前記トランスファゲート18c はオン状態と
なる。
【0095】従って、このようなラッチ回路18a にお
いては、対応する前記変化検出信号X1〜X15がH状
態の場合には、H状態となっている該変化検出信号X1
〜X15に対応する前記コンパレータ出力Cb 1〜Cb
15の論理状態の入力が、対応するラッチ回路18a の
前記インバータゲート18e 及び18f へと導入され
る。一方、前記変化検出信号X1〜X15がL状態とな
ると、L状態の該変化検出信号X1〜X15に対応する
前記ラッチ回路18a の、前記インバータゲート18e
の入力と前記インバータゲート18f の出力とが、前記
トランスファゲート18c によって接続状態となる。こ
れによって、前記変化検出信号X1〜X15がL状態の
期間には、該変化検出信号X1〜X15がH状態のとき
に入力された前記コンパレータ出力Cb 1〜Cb 15の
論理状態を保持される。又、前記インバータゲート18
f の出力は、前記コンパレータ出力Cc 1〜Cc 15と
して出力される。
【0096】図11は、本実施例に用いられる前記不一
致検出回路の回路図である。
【0097】この図11においては、前記図2に示した
前記不一致検出回路22の回路図が示されている。
【0098】該不一致検出回路22は、該図11に示す
如く、合計16個のAND論理ゲート22a によって構
成されている。これらAND論理ゲート22a は、それ
ぞれ前記不一致検出信号Cd 0〜Cd 15を出力する。
又、いずれの前記AND論理ゲート22a も、一方の入
力が正論理であり、他方の入力が負論理となっている。
【0099】前記不一致検出信号Cd 0を出力する前記
AND論理ゲート22a は、その負論理の入力がグラン
ドGNDに接続され、その正論理へと前記コンパレータ
出力Cc 1が入力されている。前記不一致検出信号Cd
1を出力する前記AND論理ゲート22a において、そ
の負論理の入力には前記コンパレータ出力Cc 1が入力
され、その正論理の入力には前記コンパレータ出力Cc
2が入力されている。前記不一致検出信号Cd 2を出力
する前記AND論理ゲート22a おいて、その負論理の
入力には前記コンパレータ出力Cc 2が入力され、その
正論理の入力には前記コンパレータ出力Cc 3が入力さ
れている。
【0100】このように、これら合計16個のAND論
理ゲート22a それぞれには、隣接する前記コンパレー
タ出力Cc 1〜Cc 15のいずれか2つが入力されてい
る。なお、前記不一致検出信号Cd 15を出力する前記
AND論理ゲート22a においては、その負論理の入力
には前記コンパレータ出力Cc 15が入力され、一方、
その正論理の入力は電源VDDへと接続されている。
【0101】図12は、本実施例で用いられる前記エン
コーダ部の回路図である。
【0102】この図12においては、前記図2に示され
た前記エンコーダ部24の回路図が示されている。この
図12に示す如く、該エンコーダ部24は、前記不一致
検出回路22からの前記不一致検出信号Cd 0〜Cd 1
5をコード化し、4桁の2進数に対応するデジタル出力
信号Da 0〜Da 3を出力するものである。この図12
に示される如く、前記エンコーダ部24は、合計4個の
PチャネルMOSトランジスタTP0〜TP3と、多数
のNチャネルMOSトランジスタと、合計4個のインバ
ータゲート24a 〜24d とにより構成されている。
【0103】該エンコーダ部24は、4桁の2進数のと
り得る値、即ち、2進数で0000(10進数で0)か
ら2進数で1111(10進数では15)に対応して、
又、どの前記不一致検出信号Cd 0〜Cd 15の1つが
H状態となっているかに従って、前記デジタル出力信号
Da 0〜Da 3の論理状態を決定するというものであ
る。
【0104】又、このようなコード化に対応して、その
ソースとドレインに関して直列接続された2個1組のN
チャネルMOSトランジスタが、マトリックス状に設け
られている。即ち、前記不一致検出信号Cd 0〜Cd 1
5のコード化において、“1”となる前記デジタル出力
信号Da 0〜Da 3の対応する個所に、このような2個
1組のNチャネルMOSトランジスタが設けられてい
る。
【0105】図13は、本実施例で用いられる前記エン
コーダ部の動作を示す該エンコーダ部の一部の回路図で
ある。
【0106】この図13においては、前記図12の前記
エンコーダ部24の回路の一部、即ち前記PチャネルM
OSトランジスタTP0〜TP3の周辺、及び合計4個
の前記インバータゲート24b の周辺の回路が示されて
いる。
【0107】まず、前記変化検出回路群16にて前記コ
ンパレータ出力Ca 1〜Ca 15のいずれかの論理状態
の変化が検出され、前記変化検出信号X1〜X15の少
なくともいずれか1つがH状態となると、前記多入力N
OR論理ゲート20から出力される前記変化検出信号O
CはL状態となる。又、このような変化検出信号X1〜
X15のH状態、又このような変化検出信号OCのL状
態は、前記変化検出回路群16中の前記遅延回路16c
の前記遅延時間Td に相当する期間のパルス状の信号で
ある。
【0108】このように前記変化検出信号OCがパルス
状でL状態となると、合計4個の前記PチャネルMOS
トランジスタTP0〜TP3は全てオン状態となる。従
って、合計4個の前記インバータゲート24a 〜24d
は、それぞれその入力がH状態となり、それぞれその出
力がL状態となる。従って、前記デジタル出力信号Da
0〜Da 3はいずれも“0”となる。この時、この図1
3に示される範囲では、合計7個のNチャネルトランジ
スタTN0b 15、TN1b 15、TN2b 15、TN
3b 15、TN1b 14、TN2b 14、TN3b 14
は、いずれもオフ状態となり、電力消費上昇を防いでい
る。
【0109】この後、前記変化検出信号OCがL状態か
らH状態へと変化すると、この図13に示される範囲で
は合計7個のNチャネルMOSトランジスタTN0b 1
5、TN1b 15、TN2b 15、TN3b 15、TN
3b 14、TN2b 14、TN1b 14がいずれもオン
状態となる。又、この際、前記不一致検出信号Cd 15
がH状態で、その他の不一致検出信号が全てL状態であ
れば、該不一致検出信号Cd 15にゲートが接続されて
いるNチャネルMOSトランジスタTN0a 15、TN
1a 15、TN2a 15、TN3a 15は全てオン状態
となる。このように前記不一致検出信号Cd 15がH状
態となると、前記デジタル出力信号Da0〜Da 3はい
ずれもH状態(=“1”)となる。
【0110】又、前記変化検出信号OCがH状態であっ
て、もし前記不一致検出信号Cd 14のみがH状態とな
ると、前記デジタル出力信号Da 1〜Da 3はいずれも
H状態(=“1”)となり、前記デジタル出力信号Da
0はL状態(=“0”)となる。
【0111】図14は、本実施例で用いられる前記出力
回路部の回路図である。
【0112】この図14においては、前記図2に示した
前記出力回路部26の回路図が示されている。この図1
4に示される如く、該出力回路部26は、合計4個の出
力回路26a によって構成されている。又、合計4個の
うちの1つの前記出力回路26a は、トランスファゲー
ト26b 及び26c と、合計3個のインバータゲート2
6d 〜26f とにより構成されている。
【0113】又、合計4個のこれらの出力回路26a そ
れぞれには、対応する前記デジタル出力信号Da 0〜D
a 3のいずれか1つが入力されていると共に、前記デジ
タル出力信号D0〜D3のいずれか1つが出力される。
又、合計4個のこれら出力回路26a は、いずれについ
ても、前記変化検出信号OCが入力されている。このよ
うな合計4個の出力回路26a は、その回路内容は前記
図10に示した前記ラッチ回路18a と同様であり、入
力される信号の種類のみが異なるものとなっている。
【0114】図15は、本実施例のA/Dコンバータの
動作を示すタイムチャートである。
【0115】この図15においては、本実施例のA/D
コンバータに入力されるアナログ入力信号Ainと、前記
コンパレータ群12中の前記スイッチングコンパレータ
C9が出力する前記コンパレータ出力Ca 9と、同じく
前記コンパレータ群12中の前記スイッチングコンパレ
ータC10が出力する前記コンパレータ出力Ca 10と
が示されている。又、前記コンパレータ出力Ca 9を入
力する前記変化検出回路16a において、前記入力バッ
ファ16b が出力する信号(Ca 9バー)と、前記遅延
回路16c が出力する(Ca 9d バー)と、前記EOR
論理ゲート16d が出力する前記変化検出信号X9とが
示されている。又、前記ラッチ回路群18が出力する前
記コンパレータ出力Cc 9及びCc 10が示されてい
る。前記不一致検出回路22が出力する前記不一致検出
信号Cd 9と、前記多入力NOR論理ゲート20が出力
する前記変化検出信号OCとが示されている。前記エン
コーダ部24が出力する前記デジタル出力信号Da 0〜
Da 3と、前記出力回路部26が出力する前記デジタル
出力信号D0〜D3が示されている。
【0116】この図15に示される範囲においては、本
実施例のA/Dコンバータに入力される前記アナログ入
力信号Ainは、経過時間に従ってその電圧が漸次増加し
ている。又、時刻 t1 において、前記アナログ入力信号
Ainの電圧は、前記コンパレータ群12中の前記スイッ
チングコンパレータC9の論理閾値VTHよりも大きくな
っている。これに伴って、該時刻 t1 において、該コン
パレータC9が出力する前記コンパレータ出力Ca 9が
H状態からL状態へと変化している。
【0117】又、この図15の時刻 t3 において、前記
アナログ入力信号Ainの電圧は、前記コンパレータ群1
2中の前記スイッチングコンパレータC10の論理閾値
THよりも高くなっている。これに伴って、該時刻 t3
において、前記スイッチングコンパレータC10が出力
する前記コンパレータ出力Ca 10がH状態からL状態
へと変化している。
【0118】まず、前記時刻 t1 において、前述の如く
前記コンパレータ出力Ca 9がH状態からL状態となる
と、前記変化検出回路群16中の該コンパレータ出力C
a 9に対応する前記変化検出回路16a の前記入力バッ
ファ16b の出力、即ち信号(Ca 9バー)はL状態か
らH状態へと変化する。該信号(Ca 9バー)は前記E
OR論理ゲート16b へと入力されていると共に、前記
遅延回路16c へも入力されている。該遅延回路16c
では、このように入力された信号(Ca 9バー)が前述
のような遅延時間Td だけ遅延され、信号(Ca 9d バ
ー)として出力される。なお、前記時刻 t1 から該遅延
時間Td 後の前記信号(Ca 9d バー)がL状態からH
状態へと変化する時刻を t2 とする。即ち、時刻 t1
ら時刻 t 2 までの時間は、前記遅延時間Td となる。
【0119】時刻 t1 において信号(Ca 9バー)がL
状態からH状態となった後、時刻 t2 で信号(Ca 9d
バー)がL状態からH状態へと変化するまでの期間、こ
れら信号(Ca 9バー)と信号(Ca 9d バー)との論
理状態は互いに異なるので、前記EOR論理ゲート16
d から出力される前記変化検出信号X9はH状態とな
る。即ち、時刻 t1 から時刻 t2 までの前記遅延時間T
d の期間だけ、前記変化検出信号X9はH状態となる。
【0120】前記変化検出信号X9がパルス状(前記遅
延時間Td の期間)でH状態となると、前記ラッチ回路
群18内の前記変化検出信号X9に対応する前記ラッチ
回路18a は前記コンパレータ出力信号Cb 9を入力す
ると共に、該コンパレータ出力信号Cb 9と同一の論理
状態の前記コンパレータ出力Cc 9を出力する。即ち、
前記コンパレータ出力信号Ca 9はL状態に変化してお
り、前記コンパレータ出力信号Cb 9もL状態へと変化
しているので、該変化検出信号X9がこのようにH状態
となると、前記コンパレータ出力Cc 9もH状態からL
状態へと変化する。
【0121】又、時刻 t1 においてこのように前記変化
検出信号X9がH状態へと変化すると、前記多入力NO
R論理ゲート20が出力する前記変化検出信号OCも、
H状態からL状態へと変化する。該変化検出信号OCが
H状態からL状態へと変化すると、これを入力している
前記エンコーダ部24は、前述の如く、前記デジタル出
力信号Da 0〜Da 3を全て“0(L状態)”とする。
【0122】時刻 t1 から前記遅延時間Td 経過後、時
刻 t2 となると、前述の如く、前記変化検出信号X9は
再びH状態からL状態へと変化する。これに伴って、前
記多入力NOR論理ゲート20が出力する前記変化検出
信号OCも、L状態からH状態へと変化する。該変化検
出信号OCがH状態となると、前記エンコーダ部24
は、前記不一致検出回路22が出力する前記不一致検出
信号Cd 0〜Cd 15をコード化した前記デジタル出力
信号Da 0〜Da 3を出力する。又、同じく該変化検出
信号OCを入力している前記出力回路図26は、該変化
検出信号OCがH状態となることにより、前記エンコー
ダ部24からの前記デジタル出力信号Da0〜Da 3の
入力に従って、コード化された前記デジタル出力信号D
0〜D3を出力する。
【0123】なお、この図15において、前記時刻 t3
及び時刻 t4 においても、前記時刻t1 及び時刻 t2
ほぼ同様の動作がなされる。
【0124】以上説明した通り、本実施例によれば、前
記コンパレータ群12が備える合計15個の前記スイッ
チングコンパレータC1〜C15の論理閾値VTHについ
て、それぞれに供給される前記供給電源VR1〜VR1
5を相互に異ならせることで、異なった論理閾値VTH
することができている。このようなそれぞれ設定された
論理閾値VTHと入力される前記アナログ入力信号Ainと
を並列比較するようにしたことによって、まずこのよう
なコンパレータ群12における消費電力を低減すること
ができている。例えば、本実施例のコンパレータ群12
では、前記アナログ入力信号Ainが変化しない場合に
は、基本的にはその消費電力はゼロとなる。
【0125】更に、本実施例において備えられた前記変
化検出回路群16が出力する前記変化検出信号X1〜X
15、及びこれら変化検出信号X1〜X15から生成さ
れる前記変化検出信号OCによって、前記ラッチ回路群
18以降の回路を動作させることで、更に消費電力の低
減が図られている。即ち、前記アナログ入力信号Ainの
その電圧が変化しない場合、前記変化検出信号X1〜X
15はいずれもL状態であり、又このような場合に前記
変化検出信号OCはH状態であるので、前記ラッチ回路
群18や前記エンコーダ部24又前記出力回路部26は
定常状態(出力される信号の論理状態や内部の信号の論
理状態が変化しない状態)であるので、その消費電力を
ほぼゼロとすることができる。
【0126】なお、前記不一致検出回路22について
は、前記変化検出信号X1〜X15又前記変化検出信号
OCを特に用いてないが、前記アナログ入力信号Ainの
電圧が変化しない場合は、その内部の論理状態は変化せ
ず、又その出力の論理状態も変化せず、基本的にその消
費電力はゼロとなる。
【0127】更に、本実施例においては、前記ラッチ回
路群18や前記エンコーダ部24又前記出力回路部26
は、本実施例のA/Dコンバータ内部で生成する前記変
化検出信号X1〜X15又前記変化検出信号OCを用い
るようにしているため、外部からのクロック信号等は用
いる必要がない。このため、当該A/Dコンバータへと
このようなクロック信号を入力するための入出力ピンの
数を減少することができる。
【0128】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、消
費電力や消費電力の変動のピークを抑えることができ
る。又、本発明のA/Dコンバータから生成される前記
変化検出信号は、後段の例えばラッチ回路等で用いられ
るクロック信号の代用としても用いることが可能であ
る。従って、これによってこのようなクロック信号の入
力が不要となれば、例えばこのようなクロック信号の入
力に用いられる入出力ピンの数を低減することができ
る。このように、本発明によれば、消費電力の低減や消
費電力の変動のピークの低減を図ることができるだけで
なく、場合によっては、入出力ピンの数を減少すること
ができるという優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要旨を示すブロック図
【図2】本発明が適用された実施例のA/Dコンバータ
の全体構成を示すブロック図
【図3】前記実施例に用いられるコンパレータ群の回路
【図4】前記コンパレータ群に用いられるスイッチング
コンパレータの回路図
【図5】前記スイッチングコンパレータの変形例の回路
【図6】前記実施例に用いられるコンパレータ電源回路
の回路図
【図7】前記コンパレータ電源回路に用いられる電源バ
ッファの第1例を示す回路図
【図8】前記コンパレータ電源回路に用いられる電源バ
ッファの第2例を示す回路図
【図9】前記実施例に用いられる変化検出回路群の回路
【図10】前記実施例に用いられるラッチ回路群の回路
【図11】前記実施例に用いられる不一致検出回路の回
路図
【図12】前記実施例に用いられるエンコーダ部の回路
【図13】前記エンコーダ部の動作を示す回路図
【図14】前記実施例に用いられる出力回路部の回路図
【図15】前記実施例の動作を示すタイムチャート
【符号の説明】
12…コンパレータ群 14…コンパレータ電源回路 16…変化検出回路群 16a …変化検出回路 16b …入力バッファ 16c …遅延回路 16d …EOR論理ゲート 18…ラッチ回路群 18a …ラッチ回路 18b 、18c 、26b 、26c …トランスファゲート 18d 〜18f 、26d 〜26f 、24b …インバータ
ゲート 20…多入力NOR論理ゲート 22…不一致検出回路 22a …AND論理ゲート 24…エンコーダ部 26…出力回路部 26a …出力回路 Ain…アナログ入力信号 C1〜Cn …スイッチングコンパレータ Ca 1〜Ca n 、Cb 1〜Cb 15、Cc 1〜Cc 15
…コンパレータ出力 Cd 0〜Cd 15…不一致検出信号 X1〜Xn …変化検出信号 OC…変化検出信号(変化検出信号X1〜Xn のNO
R) Da 0〜Da 3、D0〜D3…デジタル出力信号 VR1〜VR15…スイッチングコンパレータの供給電
源 GND…グランド TP0〜TP3…PチャネルMOSトランジスタ TN0a 、TN0b 、TN1a 、TN1b 、TN2a 、
TN2b 、TN3a 、TN3b …NチャネルMOSトラ
ンジスタ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アナログ入力値をデジタル値に変換するA
    /Dコンバータにおいて、 コンパレータ入力と所定論理閾値とに従って、スイッチ
    ング能動素子にてコンパレータ出力を出力すると共に、
    又、前記スイッチング能動素子に関する回路パラメータ
    を調整することによって、前記論理閾値が前記アナログ
    入力値の取り得る範囲内に設定されたスイッチングコン
    パレータと、 前記コンパレータ出力を入力し、該コンパレータ出力の
    変化を検出して変化検出信号を出力する変化検出回路と
    を備え、 又、前記コンパレータ入力へと前記アナログ入力値を導
    入するようにし、更に、前記コンパレータ出力に基づい
    て前記デジタル値を決定する動作の少なくとも一部を、
    前記変化検出信号に同期して実行するようにしたことを
    特徴とするA/Dコンバータ。
JP12276493A 1993-05-25 1993-05-25 A/dコンバータ Pending JPH06334524A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007035094A (ja) * 2005-07-22 2007-02-08 Fujitsu Ltd アナログ/デジタル変換装置
WO2008120827A1 (ja) * 2007-04-02 2008-10-09 Nsc Co., Ltd. アナログ-デジタル変換器
JP2009055182A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Hitachi Kokusai Electric Inc 基準信号切換回路
JP2012019501A (ja) * 2010-06-10 2012-01-26 Fujitsu Ltd 半導体集積回路、閾値設定方法、及び通信装置
JP2013165622A (ja) * 2012-02-13 2013-08-22 Seiko Instruments Inc スイッチングレギュレータ

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