JPH06333786A - 表面積拡大効果のすぐれた電解コンデンサの電極用アルミニウム箔材 - Google Patents

表面積拡大効果のすぐれた電解コンデンサの電極用アルミニウム箔材

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JPH06333786A
JPH06333786A JP14145293A JP14145293A JPH06333786A JP H06333786 A JPH06333786 A JP H06333786A JP 14145293 A JP14145293 A JP 14145293A JP 14145293 A JP14145293 A JP 14145293A JP H06333786 A JPH06333786 A JP H06333786A
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Hiromi Goto
博己 後藤
Kazuyuki Sakata
和幸 坂田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エッチング処理ですぐれた表面積拡大効果を
発揮する電解コンデンサの電極用アルミニウム箔材を提
供する。 【構成】 電解コンデンサの電極用アルミニウム箔材
を、箔材最表面部におけるPb,Bi,In、およびS
nのうちの1種または2種以上からなる第1拡散成分の
含有量が0.25〜3重量%、同じくFe,Ni,C
o,Cr,Mn、およびZrのうちの1種または2種以
上からなる第2拡散成分の含有量が0.001〜1重量
%にして、箔材表面部には、前記最表面部における第1
および第2拡散成分の含有量が表面から0.5〜20μ
mの範囲内の所定深さ位置まで減少する濃度勾配層を有
し、かつ箔材中心部が実質的に純度:99.9重量%以
上のAlからなるアルミニウム箔材で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エッチング処理で、
一段と大きい表面積の形成が可能な電解コンデンサの電
極用アルミニウム箔材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、電解コンデンサの電極と
して、純度:99.9重量%以上のAlからなるアルミ
ニウム箔材が用いられており、また電極の表面積が大き
いほど高い静電容量が得られる、すなわち表面積と静電
容量とは比例することから、エッチング処理時により一
段と高い表面積を得る目的で、例えば特公昭62−42
370号公報や特開平1−128419号公報などに記
載されるように、箔材の表面部に、表面積拡大作用を有
するPb,Bi,In、およびSnなどのうちの1種ま
たは2種以上を、0.001〜0.2重量%(10〜2
000ppm )の割合で含有する表面拡散層を形成してな
るアルミニウム箔材も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の電解コン
デンサの小型化および高性能化に対する要求は強く、こ
れに伴ない、電極には一段の表面積拡大化が望まれてい
るが、上記の従来アルミニウム箔材では、上記の要求を
満足するに足る十分な表面積をエッチング処理で形成す
ることができず、また他方で上記の表面積拡大作用成分
の箔材表面部における含有量を多くして、より一層の表
面積拡大化をはかる試みもなされたが、これらの成分が
多くなると、エッチングが過度に進行し、全面腐食型と
なってしまい、表面積の望む拡大がはかれないのが現状
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、エッチング処理で一段と大きい
表面積拡大化が可能な電解コンデンサの電極用アルミニ
ウム箔材を開発すべく研究を行なった結果、箔材中心部
を実質的に99.9重量%以上の純度を有するAlで構
成して、電極に要求される強度と電気的特性を確保した
状態で、箔材表面部に、Pb,Bi,In、およびSn
のうちの1種または2種以上(以下、これらを総称して
第1拡散成分という)と、Fe,Ni,Co,Cr,M
n、およびZrのうちの1種または2種以上(以下、こ
れらを総称して第2拡散成分という)とを、それぞれ箔
材最表面部における含有量が、第1拡散成分で0.25
〜3重量%、第2拡散成分で0.001〜1重量%とな
る割合で共存含有させると共に、これら成分の含有量が
表面から0.5〜20μmの範囲内の所定深さ位置まで
減少する濃度勾配層を形成したアルミニウム箔材におい
ては、これにエッチング処理を施すと、箔材最表面部に
おける相対的に高含有量の第1拡散成分と第2拡散成分
との共存、並びに箔材表面部の濃度勾配によって、箔材
表面には深く微細なピットが高い密度で均一に形成され
るようになり、この結果表面積の著しい拡大がもたらさ
れるという研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、箔材最表面部における第1拡散
成分の含有量が0.25〜3重量%、同じく第2拡散成
分の含有量が0.001〜1重量%にして、箔材表面部
には、前記最表面部における第1および第2拡散成分の
含有量が表面から0.5〜20μmの範囲内の所定深さ
位置まで減少する濃度勾配を有し、かつ箔材中心部が実
質的に純度:99.9重量%以上のAlからなる、エッ
チング処理ですぐれた表面積拡大効果を発揮する電解コ
ンデンサの電極用アルミニウム箔材に特徴を有するもの
である。
【0006】なお、この発明のアルミニウム箔材は、上
記第1拡散成分:1.5〜20ppmを含有し、残りがA
lと不可避不純物からなるAl合金箔素材を用意し、こ
のAl合金箔素材の表面に、イオンプレーティング法な
どによって上記第2拡散成分の薄膜を所定の厚さで形成
するか、あるいは上記第2拡散成分のアセチルアセト
ン、ステアリン酸、およびナフテン酸塩などのうちの1
種または2種以上を通常0.1〜0.5重量%程度含有
するIPA溶液またはミネラルスピリット溶液を所定の
厚さで塗布し、この状態のAl合金箔素材に、非酸化性
雰囲気中、500〜600℃の温度に加熱保持の条件で
加熱処理を施すことによって製造するのが望ましく、上
記加熱処理によって、Al合金箔素材中に均等に含有す
る上記第1拡散成分が箔材表面部に拡散移動して、箔材
中心部が99.9重量%以上の純度をもったAlとな
り、一方箔材表面部には第1拡散成分の含有量が最表面
部ほど高くなる濃度勾配層が形成され、さらにAl合金
箔素材表面上に存在する第2拡散成分も表面から素材内
部に拡散して、前記第2拡散成分の含有量が最表面部ほ
ど高くなる濃度勾配層が形成されるようになるものであ
り、また、箔材最表面部における第1および第2拡散成
分の含有量、並びに濃度勾配層の深さは、主としてAl
合金箔素材中の第1拡散成分の含有量、加熱温度、およ
び加熱時間を適宜調整することにより制御することがで
きる。
【0007】この発明のアルミニウム箔材において、第
1および第2拡散成分の箔材最表面部における含有量お
よび表面部における濃度勾配層深さ、さらに箔材中心部
のAl純度を上記の通りに限定した理由を以下に説明す
る。すなわち、これらの第1および第2拡散成分の含有
量、濃度勾配層深さ、およびAl純度は上記の通りAl
合金箔素材中の第1拡散成分の含有量および加熱処理条
件によって所定の値に制御されるものであるが、箔材最
表面部の第1拡散成分の含有量が0.25重量%未満の
場合、箔材表面部に形成されるこれの濃度勾配層の深さ
を0.5μm以上にすることが困難となり、この場合
や、同じく第2拡散成分の含有量が0.001重量%未
満の場合には、エッチング処理で著しい表面積拡大効果
が得られる微細にして深いピットの高密度での形成が困
難になり、一方第1および第2拡散成分の箔材最表面部
の含有量がそれぞれ3重量%および1重量%を越えると
腐食減量が多くなりすぎ、箔材強度が低下するようにな
ることから、第1および第2拡散成分の含有量をそれぞ
れ0.25〜3重量%および0.001〜1重量%と定
めた。
【0008】また、上記濃度勾配層は、最表面部におけ
る第1および第2拡散成分の高含有と相まって、深く細
かいピットを高密度で形成するのに不可欠であるが、そ
の深さが0.5μm未満では腐食が全面腐食型になって
しまい、所望のすぐれた表面積拡大効果が得られず、一
方その深さが20μmを越えると、箔材の強度が低下す
るようになることから、濃度勾配層深さを0.5〜20
μmと定めた。さらに、箔材中心部のAl純度が99.
9重量%未満では、電解コンデンサの電極に要求される
強度および電気的特性を保持することができなくなるこ
とから、その純度を99.9重量%以上と定めた。
【0009】
【実施例】つぎに、この発明のアルミニウム箔材を実施
例により具体的に説明する。通常の低周波誘導溶解炉に
て、原料として用いた純度:99.99重量%の純A
l:5kgをそれぞれ溶解し、これに表1に示される量の
第1拡散成分を含有させ、半連続鋳造法にて断面形状:
40mm×180mm、長さ:250mmの鋳塊とし、この鋳
塊に、両面をそれぞれ0.5mmの厚さ面削した状態で、
520℃の熱間圧延開始温度にて熱間圧延を施して、厚
さ:6mmの熱延板とし、これに通常の条件で、必要に応
じて中間焼鈍を加えながら冷間圧延を施して同じく表1
に示される厚さのAl合金箔素材A〜Oを形成し、つい
で前記Al合金箔素材A〜OのうちのK〜Oを除くA〜
JのAl合金箔素材のそれぞれの表面に表2に示される
組合せで、イオンプレーティング法を用い、通常の条件
で第2拡散成分薄膜をそれぞれ形成し、つぎにこの結果
の表面に第2拡散成分薄膜を有するAl合金箔素材A〜
Jおよび上記の第2拡散成分薄膜の形成がないAl合金
箔素材K〜Oのそれぞれに、同じく表2に示される条件
で加熱処理を施すことにより本発明箔材1〜10および
従来箔材1〜5をそれぞれ製造した。
【0010】この結果得られた本発明箔材1〜10およ
び従来箔材1〜5について、最表面部、すなわち表面か
ら深さ:0.05μmの位置の第1拡散成分の含有量お
よび中心部のAl純度を測定し、さらに本発明箔材1〜
10については、最表面部の第2拡散成分の含有量を測
定すると共に、前記最表面部から第1および第2拡散成
分の含有量がそれぞれ減少して、第1拡散成分について
は箔材中心部と同じ含有量となり、また第2拡散成分に
ついては実質的に含有しない状態となる表面からの深さ
位置、すなわち表面濃度勾配層の平均層厚、並びに前記
表面濃度勾配層の中間点の第1および第2拡散成分の含
有量を測定し、これらの測定結果を表3,4に示した。
また、表3,4には、水:1lに対し塩酸:1モルと硫
酸:3モルの割合で加えた80℃の混酸水溶液中に浸漬
し、電流密度:0.6A/cm2 、時間:40秒の条件で
エッチング処理を行ない、かつ化成電圧:250Vで静
電容量を測定した結果も示した。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】
【発明の効果】表1〜4に示される結果から、本発明箔
材1〜10は、いずれも最表面部における第1拡散成分
の高含有および第2拡散成分の共存含有、並びに表面部
に形成された第1および第2拡散成分の濃度勾配層によ
って、従来箔材1〜5に比して大きな静電容量を示し、
エッチング処理による表面積拡大率がきわめて高いこと
が明らかである。上述のように、この発明のアルミニウ
ム箔材は、エッチング処理で高い表面積拡大率を示すの
で、これを電解コンデンサの電極として用いた場合に、
これの小形化および高性能化に大いに寄与するものであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 箔材最表面部におけるPb,Bi,I
    n、およびSnのうちの1種または2種以上からなる第
    1拡散成分の含有量が0.25〜3重量%、同じくF
    e,Ni,Co,Cr,Mn、およびZrのうちの1種
    または2種以上からなる第2拡散成分の含有量が0.0
    01〜1重量%にして、箔材表面部には、前記最表面部
    における第1および第2拡散成分の含有量が表面から
    0.5〜20μmの範囲内の所定の深さ位置まで減少す
    る濃度勾配層を有し、かつ箔材中心部が実質的に純度:
    99.9重量%以上のAlからなることを特徴とする表
    面積拡大効果のすぐれた電解コンデンサの電極用アルミ
    ニウム箔材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002118035A (ja) * 2000-07-31 2002-04-19 Showa Denko Kk 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
CN102597286A (zh) * 2009-10-30 2012-07-18 松下电器产业株式会社 电极箔及使用该电极箔的电容器

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