JP3316705B2 - 表面積拡大効果のすぐれた電解コンデンサの電極用アルミニウム箔材 - Google Patents

表面積拡大効果のすぐれた電解コンデンサの電極用アルミニウム箔材

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、エッチング処理で、
すぐれた表面積拡大効果を発揮する電解コンデンサの電
極用アルミニウム箔材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に電解コンデンサの電極とし
て、99.9重量%(質量%)[以下、%は重量%(質
量%)を示す]以上の純度を有する純Alからなるアル
ミニウム箔材が用いられており、また、電極の表面積が
大きいほど高い静電容量が得られる、すなわち表面積と
静電容量とは比例することから、エッチング処理時によ
り一段と高い表面積を得る目的で、例えば特公昭62−
42370号公報や特開平1−128419号公報など
に記載されるように、 表面部に加熱処理により形成された表面拡散層を有する
アルミニウム箔材にして、 上記表面拡散層が、アルミニウム箔材の最表面部におけ
る測定で、 Al合金箔素材中に均等に含有した状態から拡散移動し
たPb,Bi,In、およびSnのうちの1種または2
種以上からなる拡散成分:0.001〜0.2%、を含
有し、 かつ、上記拡散成分の表面部への拡散移動によりアルミ
ニウム箔材の中心部が99.9%以上のAl純度を有す
る、アルミニウム箔材も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の電解コン
デンサの小型化および高性能化に対する要求は強く、こ
れに伴ない、電極には一段の表面積拡大化が望まれてい
るが、上記の従来アルミニウム箔材では、上記の要求を
満足するに足る十分な表面積をエッチング処理で形成す
ることができないのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、エッチング処理で一段と大きい
表面積拡大化が可能な電解コンデンサの電極用アルミニ
ウム箔材を開発すべく研究を行なった結果、上記の表面
部に、Al合金箔素材中に均等に含有した状態から加熱
処理で拡散移動させたPb,Bi,In、およびSnの
うちの1種または2種以上(以下、これらを総称して第
1拡散成分という)を0.001〜0.25%の割合で
含有する表面拡散層を有する従来アルミニウム箔材の前
記表面拡散層に、さらにFe,Ni,Co,Cr,M
n、およびZrのうちの1種または2種以上(以下、こ
れらを総称して第2拡散成分という)を、前記加熱処理
時に前記第1拡散成分の拡散移動と同時に、Al合金箔
素材表面上に存在した状態から拡散移動させて、同じく
アルミニウム箔材の最表面部における測定で、0.00
1〜1%の割合で含有させると、これら第1および第2
拡散成分の共存によって、アルミニウム箔材表面にはエ
ッチング処理で一段と拡大化された表面積が形成される
ようになるという研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、表面部に加熱処理により形成さ
れた表面拡散層を有するアルミニウム箔材にして、上記
表面拡散層は、アルミニウム箔材の最表面部における測
定で、 (a)Al合金箔素材中に均等に含有した状態から拡散
移動したPb,Bi,In、およびSnのうちの1種ま
たは2種以上からなる第1拡散成分:0.001〜0.
25%と、 (b)Al合金箔素材表面上に存在した状態から拡散移
動したFe,Ni,Co,Cr,Mn、およびZrのう
ちの1種または2種以上からなる第2拡散成分:0.0
01〜1%、を含有し、かつ、上記第1拡散成分の表面
部への拡散移動によりアルミニウム箔材の中心部が9
9.9%以上のAl純度を有してなる、エッチング処理
ですぐれた表面積拡大効果を発揮する電解コンデンサの
電極用アルミニウム箔材に特徴を有するものである。
【0006】また、この発明のアルミニウム箔材は、上
記第1拡散成分を0.1〜1.5ppm の割合で含有し、
残りがAlと不可避不純物からなる組成を有するAl合
金溶湯を調製し、例えば半連続鋳造法などの通常の鋳造
法にて鋳塊とし、これにいずれも通常の条件で熱間圧
延、並びに必要に応じて中間焼鈍を加えながらの冷間圧
延を施して平均層厚で50〜200μmのAl合金箔素
材を形成し、このAl合金箔素材の表面に、例えばイオ
ンプレーティング法などによって上記第2拡散成分の薄
膜を所定の厚さで形成するか、あるいは上記第2拡散成
分のアセチルアセトン、ステアリン酸、およびナフテン
酸塩などのうちの1種または2種以上を通常0.1〜
0.5%程度含有するIPA溶液またはミネラルスピリ
ット溶液を所定の厚さで塗布し、この状態のAl合金箔
素材に、非酸化性雰囲気中、530〜620℃の温度に
加熱保持の条件で加熱処理を施すことによって製造する
のが望ましく、上記加熱処理によって、Al合金箔素材
中に均等に含有する上記第1拡散成分が箔材表面部に拡
散移動して、箔材中心部が99.9%以上の純度をもっ
たAlとなり、一方Al合金箔素材表面上に存在する上
記第2拡散成分も表面から内部に拡散して、表面部には
第1および第2拡散成分による表面拡散層が形成される
ものであり、この場合箔材最表面部における第1および
第2拡散成分の含有量は、Al合金箔素材中の第1拡散
成分の含有量、加熱温度、および加熱時間などによって
制御することができる。
【0007】つぎに、この発明のアルミニウム箔材にお
いて、第1および第2拡散成分の含有量、並びに箔材中
心部のAl純度を上記の通りに限定した理由を説明す
る。すなわち、箔材最表面部における第1および第2拡
散成分のいずれかの含有量が第1拡散成分:0.001
%未満および第2拡散成分:0.001%未満であって
も所望のすぐれた表面積拡大効果を発揮することができ
ず、一方第1拡散成分の含有量が0.25%を越える
と、特に箔材の厚さが、例えば50μm前後と相対的に
薄い場合、第2拡散成分との共存においてエッチングが
箔材内部深くまで進行するようになって箔材強度の低下
をまねき、また第2拡散成分の含有量が1%を越えても
より一層の表面積拡大効果は現われないことから、第1
および第2拡散成分の含有量をそれぞれ0.001〜
0.25%および0.001〜1%と定めた。また、箔
材中心部のAl純度が99.9%未満では、電解コンデ
ンサの電極に要求される強度および電気的特性を保持す
ることができなくなることから、その純度を99.9%
以上と定めた。
【0008】
【実施例】つぎに、この発明のアルミニウム箔材を実施
例により具体的に説明する。通常の低周波誘導溶解炉に
て、原料として用いた純度:99.99%の純Al:5
kgをそれぞれ溶解し、これに表1に示される割合で第1
拡散成分を含有させ、半連続鋳造法にて断面形状:40
mm×180mm、長さ:250mmの寸法をもった鋳塊と
し、この鋳塊に、両面をそれぞれ0.5mmの厚さ面削し
た状態で、いずれも520℃の熱間圧延開始温度にて熱
間圧延を施して、厚さ:6mmの熱延板とし、引続いて、
これに通常の条件で、必要に応じて中間焼鈍を加えなが
ら冷間圧延を施して同じく表1に示される厚さのAl合
金箔素材A〜Jをそれぞれ2部づつ形成し、ついでこれ
らAl合金箔素材A〜Jのそれぞれの1部の表面に表2
に示される組合せで、イオンプレーティング法を用い、
通常の条件で第2拡散成分薄膜を所定の厚さで形成し、
この第2拡散成分薄膜を形成したものと、これの形成が
ないAl合金箔素材A〜Jに、同じく表2に示される条
件で加熱処理を施すことにより本発明箔材1〜10およ
び従来箔材1〜10をそれぞれ製造した。
【0009】つぎに、この結果得られた各種の箔材につ
いて、最表面部、すなわち表面から深さ:0.05μm
の位置の第1拡散成分の含有量および中心部のAl純度
を測定し、さらに本発明箔材1〜10については、最表
面部の第2拡散成分の含有量も測定した。これらの測定
結果を表3に示した。また、表3には、水:1lに対し
塩酸:1モルおよび硫酸:3モルの割合で加えてなる8
0℃の混酸水液中に浸漬し、電流密度:0.6A/c
m2 、時間:40秒の条件でエッチング処理を行なった
状態で、化成電圧:250Vで静電容量を測定した結果
も示した。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】
【発明の効果】表3に示される結果から、本発明箔材1
〜10は、いずれも表面部に形成された表面拡散層に上
記第1拡散成分と共に上記第2拡散成分が共存含有する
ことによって、前記第1拡散成分だけしか含有しない表
面拡散層の従来箔材1〜10に比して大きな静電容量を
示し、エッチング処理による表面積拡大効果がすぐれて
いることが明らかである。上述のように、この発明のア
ルミニウム箔材は、エッチング処理ですぐれた表面積拡
大効果を発揮するので、これを電解コンデンサの電極と
して用いた場合に、これの小型化および高性能化に大い
に寄与するものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 21/00 - 21/18 C23C 10/28 H01G 9/055

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面部に加熱処理により形成された表面
    拡散層を有するアルミニウム箔材にして、 上記表面拡散層は、アルミニウム箔材の最表面部におけ
    る測定で、 (a)Al合金箔素材中に均等に含有した状態から拡散
    移動したPb,Bi,In、およびSnのうちの1種ま
    たは2種以上からなる第1拡散成分:0.001〜0.
    25重量%(質量%)と、 (b)Al合金箔素材表面上に存在した状態から拡散移
    動したFe,Ni,Co,Cr,Mn、およびZrのう
    ちの1種または2種以上からなる第2拡散成分:0.0
    01〜1重量%(質量%)、を含有し、 かつ、上記第1拡散成分の表面部への拡散移動によりア
    ルミニウム箔材の中心部が99.9重量%(質量%)以
    上のAl純度を有すること、を特徴とする表面積拡大効
    果のすぐれた電解コンデンサの電極用アルミニウム箔
    材。
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