JPH0633353Y2 - 熱処理炉の炉壁ライニング構造 - Google Patents

熱処理炉の炉壁ライニング構造

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JPH0633353Y2
JPH0633353Y2 JP1987061206U JP6120687U JPH0633353Y2 JP H0633353 Y2 JPH0633353 Y2 JP H0633353Y2 JP 1987061206 U JP1987061206 U JP 1987061206U JP 6120687 U JP6120687 U JP 6120687U JP H0633353 Y2 JPH0633353 Y2 JP H0633353Y2
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JP
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furnace
lining structure
heat
stud
heat treatment
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健夫 花井
義文 松元
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は熱処理炉の炉壁ライニング構造に関するもので
ある。
[従来の技術] 一般に熱処理炉、例えば炉温がMax 1000℃の鋼管焼き入
れ、焼き戻し兼用炉においては、温度変動が著しい、そ
のため炉壁ライニング構造は低熱慣性炉材により動特性
の向上が必要である。
このような熱処理炉に適するライニング構造としてセラ
ミックファイバーがあり、工法としてはブロック法又は
ペーパー法がある。ブロック法は施工能率は高いが、以
下の欠点がある。即ち、 (a) 表面に高温用セラミックファイバーを接着する
が、表層のセラミックファイバーが収縮、剥離し、一般
に長時間の接着性能を保証できない。
(b) 表層のファイバーが脱落すると、ブロック(約
300mm×300mm)が収縮し、目地部に隙間が発生→熱風が
侵入、スタッド熱変形→ブロックの脱落に至る。
一方、ペーパー法は例えば実開昭58-124798号公報に示
されているが壁に平行してセラミックファイバーを積層
するため、ストレート目地を防ぐことができ、熱風の侵
入はほとんどないが、スタッドが炉内側に剥き出しにな
るため、耐久性が要求される。
即ち、ペーパーライニング法の寿命を律速するのは「ス
タッド」である。例えば、オーステナイト系のSUS 304
質スタッドを使用した場合、以下の問題が生じた。
(a) SUS 304は塩化物に対して弱く、応力腐食割れ
を生じやすい。
(b) 応力はスタッド加工時の残留応力、スタッド溶
接時の残留応力、負荷荷重の存在で生じる。
(c) 炉殻(鉄皮)外表面は一般に60〜70℃である
が、鉄皮内部のガス露点は、この温度以上となり、凝縮
水を生成している(炉内ガスの廻り込みによる。露点は
>70℃で雰囲気は炉内ガス+水分+Cl-がある)。
(d) 乾湿繰り返しによる塩化物の濃化、堆積。
(e) Cl-によるスタッドの局部腐食、セラミックフ
ァイバー脱落。
[考案が解決しようとする問題点] 本考案は熱処理炉の炉壁ライニング構造におけるスタッ
ドの脱落の問題を解消すると共に断熱性能の向上を図る
極めて有利な熱処理炉の炉壁ライニング構造を提供する
ものである。
[問題点を解決するための手段] 本考案は熱処理炉の炉壁ライニング構造を固定するスタ
ッドの脱落防止、断熱性能の向上を狙いとしたもので、
その要旨は、炉殻の内側に複数の断熱材層を設けた熱処
理炉の炉壁ライニング構造において、複数の断熱材層の
うち炉殻に接する側の層を低塩素ボードで形成し、該断
熱材層間を貫通して断熱材層を固定する耐熱合金のスタ
ッドを炉殻に溶接して設けたことを特徴とする熱処理炉
の炉壁ライニング構造にある。
又好ましい実施態様としてスタッドは炉殻側をステンレ
ス鋼とし、炉内側を耐熱合金とした前記の熱処理炉の炉
壁ライニング構造である。
[実施例] 次に本考案を第1図に示すペーパーライニング法を用い
た炉壁ライニング構造の実施例により詳細に説明する。
炉殻1の側板2に複数の断熱材をスタッド3により固定
させているものであるが、本考案の特徴は断熱層の最内
側に低塩素ボード4を用いることである。
即ち、従来のペーパーライニング法による問題点はスタ
ッド3の脱落であり、スタッド3脱落の原因は該スタッ
ド3を側板2に溶接した時の溶接部5がCl-により局部
腐食されるためである。このため溶接部5に触れる最内
側の断熱材に低塩素ボード4を用いてCl-を減少させ、
溶接部5がCl-により局部腐食されるのを防止するもの
である。
図中の断熱材層は1層目に低塩素ボード4を用い、2層
目〜4層目はセラミックファイバー6を用いて、複数の
断熱材層を構成しているが2層目以降の断熱材の種類
は、ボード、ウェットフェルト等を用いても良く、又、
層数も特にこだわるものでない。
次に本考案に用いる低塩素ボードについて述べる。
低塩素ボードはCl-が少なく、断熱性能も優れており、
その点について第1表を用いて説明する。
又、低塩素ボードが断熱性能に優れている点について、
第2図に示す。このような本考案の低塩素ボードAは従
来用いられている断熱材Bに比較し防食性能と断熱性能
に優れていることが明らかであり、この低塩素ボードを
複数の断熱材層のうち炉殻に接する側の層として用いれ
ばスタッドの腐食による脱落が防止できるものである。
尚、低塩素ボードは第1表でゾノトライトを用いている
が同等の効果を持つ他の断熱材を用いても良いことは云
うまでもない。
即ち、本考案の低塩素ボードとは例えば、第1表に示す
ゾノトライトの如く、素材がけい酸カルシウム保温材で
あり、かつ素材に含有する塩素が従来のボードの約1/
4である50ppm以下のものを対象とし、該低塩素ボード
を用いるとスタッドの溶接部の局部腐食を防止し、スタ
ッドの脱落を防止することができるものである。
次に本考案に用いるスタッドに、以下の如く特徴を持た
せるとより有利なものである。すべて耐熱合金製スタッ
ドも考えられるが、第1図に示す如くスタッド3は炉殻
側はステンレス鋼(例えばSUS 304)3-1を用い、炉内側
は耐熱合金3-2とし、途中で圧接して一本のスタッド3
とすると経済的に有利である。
即ち、スタッド3は炉内側に剥き出しになるため、高温
の雰囲気にも十分に耐える耐久性能が要求され、その要
求に応えると共にコスト低減のため、炉殻側に安価なSU
S 304質、高温の炉内側には耐熱合金質(例えば、Cr:23
%,Al:5.5%,残りFe)を用い、接合法はコスト低減のた
め圧接法とするものである。図中3aは圧接部を示す。
本考案において好ましい耐熱合金質と従来用いられてい
るステンレス質のスタッドの耐久性能の比較を第2表に
示す。
このように本考案の如く、炉内側に耐熱合金のスタッド
を用いると酸化増量、耐食性が極めて優れており、耐久
性能が向上するものである。
次に本考案の操業例について述べる。
本考案のライニング構造を用いた鋼管の熱処理炉に、第
3表に示す条件で鋼管を焼き入れ、焼き戻し処理をおこ
なった。その結果、スタッドの脱落は全く見られず、断
熱性能が向上するため原単位が極めて良好な結果が得ら
れた。
[考案の効果] 本考案によればスタッドの脱落を有効に防止することが
可能となり、ライニング構造の長寿命化と共に断熱性能
の優れた熱処理炉の炉壁ライニング構造を提供するもの
である。
【図面の簡単な説明】 第1図は本考案の実施例炉壁ライニング構造を示す部分
説明図、第2図は本考案に用いる低塩素ボードと従来の
ボードとの熱伝導率と温度の関係を示す説明図である。 1……炉殻、2……側板 3……スタッド、4……低塩素ボード 5……溶接部、6……セラミックファイバー

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉殻の内側に複数の断熱材層を設けた熱処
    理炉の炉壁ライニング構造において、複数の断熱材層の
    うち炉殻に接する側の層を低塩素ボードで形成し、該断
    熱材層間を貫通して断熱材層を固定する耐熱合金のスタ
    ッドを炉殻に溶接して設けたことを特徴とする熱処理炉
    の炉壁ライニング構造。
  2. 【請求項2】スタッドは炉殻側をステンレス鋼とし、炉
    内側を耐熱合金としたことを特徴とする実用新案登録請
    求の範囲第1項記載の熱処理炉の炉壁ライニング構造。
JP1987061206U 1987-04-22 1987-04-22 熱処理炉の炉壁ライニング構造 Expired - Lifetime JPH0633353Y2 (ja)

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JPS63168796U JPS63168796U (ja) 1988-11-02
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5619306A (en) * 1979-07-20 1981-02-24 Hitachi Ltd Controller for electric rolling stock

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5619306A (en) * 1979-07-20 1981-02-24 Hitachi Ltd Controller for electric rolling stock

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JPS63168796U (ja) 1988-11-02

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