JPH0633214Y2 - プツシユプルコントロールケーブルの端末装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、アウタケーシング内にインナケーブルを摺動
自由に挿通して押し引き両方向の操作力を伝達するよう
にしたプツシユプルコントロールケーブルの端末を、操
作部材や被操作部材に連結する装置に関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 アウタケーシング内にインナケーブルを挿通したプツシ
ユプルコントロールケーブルの端末の連結構造は、一般
に、アウタケーシングの端末に嵌着した筒形取付具をブ
ラケツト等の固定相手部材に固定するとともに、インナ
ケーブルの端末を、筒形取付具に首振り自由に支持した
スリーブ内に緊密かつ摺動自由に挿通したロツドに連結
して、そのロツドの先端をレバー等の可動相手部材に連
結し、インナケーブルの押し引き操作により、スリーブ
に首振りを生じさせつつその中のロツドが摺動して可動
相手部材を駆動させるようになつているが、従来は、ロ
ツドがスリーブから突出するようになつていたことか
ら、アウタケーシングの端末から可動相手部材までの間
隔を長くとる必要があつて、大きな取付けスペースを要
するという問題があり、また、スリーブとロツドの隙間
に異物が侵入してかじりを生じるのを防止する目的か
ら、スリーブの先端外周とロツドの先端外周との間に蛇
腹形をなすゴム製のブーツが装着されていて、ロツドが
進退する度にブーツが弾性変形するようになつていたた
め、そのブーツの弾性復元力が抵抗となつてインナケー
ブルを操作するのに大きな力を要するという問題があつ
た。

問題点を解決するための手段 本考案は、上記問題点を解決するための手段として、ア
ウタケーシング内にインナケーブルを摺動自由に挿通し
たプツシユプルコントロールケーブルのアウタケーシン
グの端末にフレーム等の固定相手部材へ取り付けるため
の筒形取付具を嵌着し、その筒形取付具に首振り自由に
支持したスリーブに内周から外周に達する軸方向の案内
溝を形成し、そのスリーブ内に導入したインナケーブル
の端末にそのインナケーブルの側方へ突出する端末具を
固着し、その端末具を案内溝を通してレバー等の可動相
手部材に連結する構成とした。

考案の作用及び効果 本考案は上記構成になり、アウタケーシングの端末の筒
形取付具を固定相手部材に取り付けるとともに、インナ
ケーブルの端末の端末具を可動相手部材に連結し、イン
ナケーブルを押し操作または引き操作すると、端末具が
スリーブに首振りを生じさせつつその案内溝に沿つて一
方向または逆方向に移動することによつて、可動相手部
材が一方向または逆方向に駆動されるのであつて、イン
ナケーブルの端末をその側方へ突出する端末具を介して
可動相手部材に連結するようにしたから、従来のように
ロツドを介して連結した場合に比べて、アウタケーシン
グの端末と可動相手部材との間隔を短くすることができ
て、相手部材への取付けスペースが小さくて済み、ま
た、ロツドを用いないことによつてスリーブとロツドと
の間に装着される防塵用のブーツが不要となるから、従
来のようにブーツの弾性復元力によつてインナケーブル
の押し引き操作の際に抵抗を受けるということがなく、
小さい力でインナケーブルを操作することができる効果
がある。

実施例 以下、本考案を、運転席からのシフトレバーの操作力を
プツシユプルコントロールケーブルを介して自動変速機
に伝達することにより変速操作を行うようにした自動車
の変速機操作装置において、変速機側の端末に適用した
一実施例を添付図面に基づいて説明する。

図において、１は、合成樹脂製のライナ２ａの回りに平
鋼線２ｂを巻回してその外周面を合成樹脂製のジヤケツ
ト２ｃで被覆したアウタケーシング２内に、複数本のワ
イヤ３ａを撚り合わせたインナケーブル３を摺動自由に
挿通したプツシユプルコントロールケーブルであつて、
その操作側の端末が運転席の図示しないシフトレバーに
連結されていて、シフトレバーの操作により、インナケ
ーブル３がアウタケーシング２内でその軸線方向に沿つ
て押し引き両方向に移動するようになつている。

変速機側において、アウタケーシング２の端末には、外
周に雄ねじ６の形成された筒形取付具５がその後端部を
外嵌めしてかしめ付けることにより固着され、図示しな
いミツシヨンケースに固定されるハウジング８の側壁８
ａに透設した取付孔９に筒形取付具５を貫通してその雄
ねじ６に螺合した一対のナツト１０、１０を側壁８ａの
両側から締め付けることにより、筒形取付具５とともに
アウタケーシング２の端末がその軸線方向の移動不能に
ハウジング８に固定され、筒形取付具５のハウジング８
内に突出した前端部の内周に形成された球形凹部１１内
には、細長い円筒形をなすスリーブ１２が、その後端部
に形成した球形頭部１３を嵌着することにより小角度の
首振り自由に支持されていて、スリーブ１２には、その
ハウジング８の底板８ｂに対応する面に、内周から外周
に達する軸線方向の案内溝１４が球形頭部１３の近傍か
ら前端面にわたつて形成されている。

インナケーブル３の端末には、断面円形をなし、外径寸
法がスリーブ１２の内径よりも僅かに小さい摺動部１６
に、幅の寸法がスリーブ１２の案内溝１４の間隔よりも
僅かに小さい腕部１７を半径方向に突成するとともに、
その腕部１７の突出端部に球形嵌合部１８を突成してな
る合成樹脂製の端末具１５が、その摺動部１６をインナ
ケーブル３と同心にしてモールド成形することによつて
固着され、この端末具１５が、その摺動部１６をスリー
ブ１２に略緊密に内嵌するとともに腕部１７をスリーブ
１２の案内溝１４に係合して貫通させることにより、軸
線方向の移動自由に、かつ、軸線回りの回転不能にスリ
ーブ１２に嵌装されて、球形嵌合部１８がスリーブ１２
からインナケーブル３の半径方向に突出している。

ハウジング８の底板８ｂには、基端部に図示しない変速
機の作動軸２２に嵌着するためのセレーシヨン孔２０ａ
を形成するとともに先端部に連結孔２１を形成した作動
レバー２０が、スリーブ１２と底板８ｂの間において底
板８ｂと平行な面内での揺動自由に支持されていて、イ
ンナケーブル３と作動レバー２０を互いに平行に向けた
状態で、端末具１５の腕部１７を作動レバー２０の先端
側からその上面の狭い導入溝２４に沿わせて連結孔２１
よりも径の小さい円形孔２５内に導きつつ、球形嵌合部
１８を作動レバー２０の先端側から導入凹部２６を通し
て連結孔２１内に導いた後に、インナケーブル３を第１
図及び第４図に示すように作動レバー２０に対して略直
角方向に向けるという手順により、端末具１５が作動レ
バー２０に相対的回動自由に連結されていて、腕部１７
が導入溝２４に対して横向きとなつていてこれが引掛か
りとなることにより球形嵌合部１８が連結孔２１から作
動レバー２０の先端側へ抜けて外れるのが防止されてい
るとともに、腕部１７が貫通する円形孔２５の径が連結
孔２１よりも小さいことから球形嵌合部１８が作動レバ
ー２０の上方に抜けるのが防止されている。

上記構成になるプツシユプルコントロールケーブル１の
端末装置は、予め一体的に組み付けられてユニツト化さ
れていて、自動車の組み立てラインにおいて、変速機の
作動軸２２に作動レバー２０をそのセレーシヨン孔２０
ａを嵌着することによつて一体回転し得るように連結す
るとともに、ハウジング８を変速機の図示しないミツシ
ヨンケースにねじ止め等により固定することによつて変
速機に組み付けられており、さらに、ハウジング８に
は、図示しないカバーが被着されるようになつていて、
ハウジング８内に水や塵埃等の異物が侵入するのが防止
されている。

そして、シフトレバーの操作によりインナケーブル３を
変速機側へ押す方向に移動させると、端末具１５がスリ
ーブ１２の案内溝１４に沿つて前端側に向かつて摺動し
て、作動レバー２０がスリーブ１２に小角度の首振りを
生じさせながら第１図の時計方向に揺動することによ
り、作動軸２２が回転駆動されて操作力が変速機に伝達
され、また、インナケーブル３が引き方向に移動する
と、端末具１５が上記と逆方向に摺動して作動レバー２
０が第１図の反時計方向に揺動することにより、逆方向
の操作力が伝達される。

なお、上記実施例においては、アウタケーシング２の端
末とインナケーブル３の端末とを予めハウジング８に一
体に組み付けてユニツト化することにより、作業に手間
の掛かるアウタケーシングの固定とインナケーブルの連
結とが済んだ状態で組み立てラインに送られるようにな
つているから、従来のように、アウタケーシングの端末
とインナケーブルの端末の組み付けを組み立てライン上
で行つていた場合に比べて、変速機への組み付け作業を
簡単に行うことができる利点がある。

本考案は、上記実施例とは逆にシフトレバー側の端末に
適用することもできるものであり、その場合には、第１
図において、ハウジング８を車体に固定するとともに、
作動レバー２０を、シフトレバーの前後方向の揺動運動
によつて第１図の時計方向または反時計方向に揺動する
ように連結する構成とすればよく、作動レバー２０が揺
動すると、スリーブ１２が僅かに首を振りつつそのスリ
ーブ１２の案内溝１４に沿つて端末具１５が摺動するこ
とにより、インナケーブル３が押し方向または引き方向
に移動して操作力が変速機側へ伝達される。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部切欠
平面図、第２図は一部切欠正面図、第３図は部分拡大断
面図、第４図はインナケーブルの端末と作動レバーとの
連結部分の一部切欠斜視図である。 １：プツシユプルコントロールケーブル、２：アウタケ
ーシング、３：インナケーブル、５：筒形取付具、８：
ハウジング（固定相手部材）、１２：スリーブ、１４：
案内溝、１５：端末具、２０：作動レバー（可動相手部
材）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】アウタケーシング内にインナケーブルを摺
   動自由に挿通したプツシユプルコントロールケーブルの
   前記アウタケーシングの端末にフレーム等の固定相手部
   材へ取り付けるための筒形取付具を嵌着し、該筒形取付
   具に首振り自由に支持したスリーブに内周から外周に達
   する軸方向の案内溝を形成し、該スリーブ内に導入した
   前記インナケーブルの端末に該インナケーブルの側方へ
   突出する端末具を固着し、該端末具を前記案内溝を通し
   てレバー等の可動相手部材に連結する構成としたことを
   特徴とするプツシユプルコントロールケーブルの端末装
   置