JPH0633201B2 - 塩基・シリカ反応を抑制したセラミック製品 - Google Patents

塩基・シリカ反応を抑制したセラミック製品

Info

Publication number
JPH0633201B2
JPH0633201B2 JP1004073A JP407389A JPH0633201B2 JP H0633201 B2 JPH0633201 B2 JP H0633201B2 JP 1004073 A JP1004073 A JP 1004073A JP 407389 A JP407389 A JP 407389A JP H0633201 B2 JPH0633201 B2 JP H0633201B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica
component
base
reactive
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1004073A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02184585A (ja
Inventor
尚光 露木
和昌 後藤
毅 日比野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Inax Corp
Original Assignee
Inax Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Inax Corp filed Critical Inax Corp
Priority to JP1004073A priority Critical patent/JPH0633201B2/ja
Publication of JPH02184585A publication Critical patent/JPH02184585A/ja
Publication of JPH0633201B2 publication Critical patent/JPH0633201B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 利用分野 本発明は、塩基性成分と反応性であるシリカ成分を含有
するセラミック製品における、塩基・シリカ反応を抑制
したセラミック製品;ならびに塩基・シリカ反応が進行
した該セラミック製品における該反応の進行抑制方法に
関する。本発明は、塩基・シリカ反応によってクラッ
ク、破損および表面汚染を発生し得る該セラミック製品
の品質改善に極めて有用である。
従来の技術および問題点 陶磁器質製品によって代表される塩基・シリカ反応性セ
ラミック製品は、その焼結焼成時にアルカリ・シリカ反
応性のシリカ成分を形成する。該反応性セラミックはア
ルカリと反応して、例えばセラミック製品を貼着する下
地に含まれるアルカリ成分と反応して、アルカリ・シリ
カ反応生成物を形成する。該アルカリ・シリカ反応生成
物の膨張によってクラックおよび破損を形成しそしてそ
の表面折出によって表面汚染を形成する大きな問題があ
った。従来この問題を軽減するためには、(イ)原料中
の反応性シリカ成分の量を低減すること、および(ロ)
高温度焼成によってセラミック製品を非吸水性にするこ
と等が必要であった。しかし、上記の(イ)の方法では
原料が若干高価となりそして供給原料の品質が不定のた
め困難な現状にある。上記の(ロ)の方法では、熱経済
および炉の観点から不利でありそして原料も限定される
傾向がある。
従来、このような塩基・シリカ反応性セラミック製品の
品質を改善する簡易な手段は、未解決の状態にある。本
発明の主目的は、上記の問題を容易に解決する手段を提
供することである。
問題点を解決するための手段 本発明者は予想外にも、上記の塩基・シリカ反応性セラ
ミック製品中の反応性シリカ成分に、過酸化水素液(以
下にH2O2液ということがある)を接触させることによっ
て、該シリカ成分の表面構造が改質されて長期的に安定
化しそしてその反応性が抑制されることを見出した。
従って本発明によって、塩基性成分と反応性である珪酸
成分および/または珪酸塩成分を含有する吸水性セラミ
ック製品に、過酸化水素水を浸透せしめて反応性シリカ
成分の反応部位を改質してなる、塩基・シリカ反応を抑
制した該セラミック製品が提供される。
本発明は、塩基・シリカ反応が進行したセラミック製品
について、該反応の進行抑制にも有利に適用できる。従
って本発明によって、塩基性成分と反応性である珪酸成
分および/または珪酸塩成分を含有するセラミック製品
の表面に出現した塩基・シリカ反応生成物を除去し、該
セラミック製品の該反応生成物が出現した部分に過酸化
水素水を浸透せしめることを特徴とする、該セラミック
製品の塩基・シリカ反応の進行抑制方法が提供される。
発明の詳しい記述 (1)塩基・シリカ反応性セラミックスの例示本発明が
有利に適用されるセラミック製品は、代表的には陶器
質、せっ器質および大部分の磁器質製品である。該吸水
性セラミック製品の場合の24時間浸漬吸水率は、約0.2%
以上、通常は約0.5%以上そして代表的には約1%以上であ
る。該セラミック製品の塩基性成分としては、アルカリ
成分が特に塩基・シリカ反応に関与する。反応性シリカ
成分としては、オパール、クリストバライト、トリジマ
イト、火山性ガラス、玉髄等のシリカ鉱物、およびこれ
に該当する表面がガラス構造を形成している合成材料が
ある。一般的には、火成岩系材料、ガラス粉等も例示さ
れる。なお、焼成によってアルカリ・シリカ反応性とな
る珪酸塩またはその他の無機質原料も含まれる。
(2)過酸化水素液 本発明にて使用するH2O2液としては、工業用に安価に市
販されているH2O2が30〜35重量%のH2O2水溶液の希釈液
が有利に使用できる。使用するH2O2水の濃度(重量%)
は、一般的に0.1〜35%の範囲であり、通常は0.3〜10%程
度であり、そして代表的には1〜5%程度である。処理時
間は、H2O2液の濃度および製品の吸水率に依存するが、
一般的に数分間〜数時間で効果的である。
該反応性セラミックスをH2O2液にて浸透処理するには、
H2O2水に浸漬(例えば1.5%濃度にて数時間以上)する
か、またはH2O2水をスプレーすることができる。一般的
に、浸透処理した後に、処理済セラミックスを水洗する
のが好ましい場合もあるが、水洗しなくともよい。
(3)具体例1〜2 本発明を適用するセラミック製品の代表例として、吸水
率5%のせっ器タイル素地を下記のようにして調製した。
すなわち、生滑石および陶石の混合物63重量%と長石お
よびペタライトの混合物30重量%を混合し、長石の粒子
径が約2ミクロン以上になる程度までボールミルで細磨
し泥漿とする。これに泥漿粘土7%を混合した後、脱水製
粉し坏土を作る。この坏土をプレス圧300kg/平方cmで
加圧し、充填率0.7の成形体(100×100×5mm)に成形す
る。この成形体を最高温度1150℃にて36時間焼成し、せ
っ器質のタイル素地を得た。該タイル素地の24時間浸漬
吸水率は5%であった。
例1(実施例)では、このタイル素地を2%のH2O2水に24
時間浸漬しそして流水にて水洗したものを用いた。例2
(比較例)では、H2O2水にて処理しないタイル素地をそ
のまま用いた。
内枠寸法が1m強×1m強の箱状の容器を水平に配置
し、重量比にてポルトランドセメント1および海砂5か
らなる下地用モルタルを5cmの厚さに入れて水和硬化さ
せた。その上にポルトランドセメントおよび水からなる
貼着用モルタルを5mmの厚さに入れて、更にその上に上
記のタイル素地試料10×10枚を目地間隔をおいて貼
着した。アルカリ・シリカ反応促進のために、該試料を
温度40℃、相対湿度95%の環境試験室中に3か月保持し
た。本発明による例1では、タイル素地表面および目地
表面のクラックおよび汚染は目視にて検出されなかっ
た。比較例である例2では、素地表面および目地部分に
径0.5〜2cmの円形状のアルカリシリカ反応生成物
(水ガラス)が1m×1mあたり6〜10個程度検出さ
れた。なお、上記の円形状反応生成物は、モルタル(特
に下地モルタル)中のアルカリ成分がタイル素地中に侵
入して、アルカリシリカ反応をおこしそしてその反応生
成物がタイル素地表面および側面に出現したものであ
る。
(4)参考例3〜4 上記のせっ器質タイル素地のアルカリ・シリカ反応性
を、JIS A5308付属書8に従って、モルタルバー法によ
って試験した。該タイル素地を該JISに規定する粒度に
粉砕しそして混合した。例3では、該粉砕物を1.5%のH2
O2水に24時間浸漬しそして水洗したものを用いた。例4
では、未処理の該粉砕物を使用した。
その他は、JIS A5308の付属書8の規定に従って実施し
た。その結果を下表に示す。
すなわち、例4は非常に有害であり、そして例3ではア
ルカリ・シリカ反応が充分に抑制されていることが実証
された。
作用および効果 塩基成分およびこれと反応性のシリカ成分が共存するセ
ラミックス中の塩基・シリカ反応(特にアルカリシリカ
反応)は、該セラミックスの耐久性および汚染に極めて
有害であるが、本質的に未解決の状態にあった。本発明
の作用は、充分には解明されていないが、該反応性セラ
ミックスにH2O2液を浸漬等によって浸透させることによ
って該シリカ成分の反応性部位であるガラス構造が含水
ゲル状物質に改質されて、その反応性が効果的に抑制さ
れる効果を達成するものと思考される。例えば、反応性
シリカ成分は代表的に≡Si-Oの反応部位を有するが、こ
の場合にはH2O2水が作用して長期的に安定な≡Si-OH構
造に改質されそしてその反応性も充分に抑制されるもの
と思考される。しかしながら、本発明はこのような代表
的な理論に拘束されるものではない。
本発明による製品および抑制方法は、塩基成分(特にア
ルカリ成分)と接触する反応性シリカ成分含有セラミッ
クスの長期的安定化に極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 小野 秀幸 (56)参考文献 特開 昭59−35078(JP,A) 特開 昭62−116781(JP,A) 特開 昭59−13626(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩基性成分と反応性である珪酸成分および
    /または珪酸塩成分を含有する吸水性セラミック製品
    に、過酸化水素水を浸透せしめて反応性シリカ成分の反
    応部位を改質してなる、塩基・シリカ反応を抑制した該
    セラミック製品。
  2. 【請求項2】塩基性成分と反応性である珪酸成分および
    /または珪酸塩成分を含有する吸水性セラミック製品の
    表面に出現した塩基・シリカ反応生成物を除去し、該セ
    ラミック製品の該反応生成物出現部分に過酸化水素水を
    浸透せしめることを特徴とする、該セラミック製品の塩
    基・シリカ反応の進行抑制方法。
JP1004073A 1989-01-11 1989-01-11 塩基・シリカ反応を抑制したセラミック製品 Expired - Lifetime JPH0633201B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1004073A JPH0633201B2 (ja) 1989-01-11 1989-01-11 塩基・シリカ反応を抑制したセラミック製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1004073A JPH0633201B2 (ja) 1989-01-11 1989-01-11 塩基・シリカ反応を抑制したセラミック製品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02184585A JPH02184585A (ja) 1990-07-19
JPH0633201B2 true JPH0633201B2 (ja) 1994-05-02

Family

ID=11574632

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1004073A Expired - Lifetime JPH0633201B2 (ja) 1989-01-11 1989-01-11 塩基・シリカ反応を抑制したセラミック製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0633201B2 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5913626A (ja) * 1982-07-13 1984-01-24 Nissha Printing Co Ltd 金属酸化物皮膜を有する基板の製造方法
JPS5935078A (ja) * 1982-08-23 1984-02-25 日立化成工業株式会社 膨張黒鉛成形体の製造法
JPS62116781A (ja) * 1985-11-15 1987-05-28 Agency Of Ind Science & Technol リン酸カルシウム系被覆形成用組成物及びそれを用いた表面被覆方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02184585A (ja) 1990-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06144944A (ja) 多孔質珪酸カルシウム水和物の炭酸化処理方法
EP1345866B1 (en) Clay composition
JPH0633201B2 (ja) 塩基・シリカ反応を抑制したセラミック製品
JPH0764659B2 (ja) 塩基・シリカ反応を抑制したセラミック製品および該反応の抑制方法
KR102386504B1 (ko) 도자기 문화재 표면 오염물 표백 겔의 제조 방법
KR20060079292A (ko) 적니를 이용한 벽돌 제조 방법
EP0491946B1 (en) Mineral substance prevented from undergoing basic reaction and method of preventing said reaction
SU1694528A1 (ru) Сырьева смесь дл получени арболита
SU1758038A1 (ru) Сырьева смесь дл изготовлени силикатного кирпича
US3695906A (en) Concrete hardening method and composition
JPS5919079B2 (ja) 軽量気泡コンクリ−トの製法
RU2433974C1 (ru) Бетонная смесь
RU2149149C1 (ru) Способ получения известково-песчаного строительного материала
JPH0761876A (ja) 無機質硬化体の製造方法
JPH0256299B2 (ja)
SU1039917A1 (ru) Бетонна смесь
SU1557131A1 (ru) Способ изготовлени силикатного кирпича
JP2000327397A (ja) 廃ガラスを用いた水熱固化体
SU1418324A1 (ru) Сырьева смесь дл изготовлени строительных изделий
RU1827377C (ru) Способ приготовлени бетона
SU1631057A1 (ru) Легкобетонна смесь
SU975650A1 (ru) Сырьева смесь дл изготовлени силикатных изделий
SU1440891A1 (ru) Сырьева смесь дл изготовлени силикатного кирпича
JPH066498B2 (ja) 非塩基反応性骨材および塩基・骨材反応抑制方法
SU1641788A1 (ru) Способ изготовлени силикатного кирпича