JPH0633200A - ロータリ圧縮機のベーン - Google Patents
ロータリ圧縮機のベーンInfo
- Publication number
- JPH0633200A JPH0633200A JP18827492A JP18827492A JPH0633200A JP H0633200 A JPH0633200 A JP H0633200A JP 18827492 A JP18827492 A JP 18827492A JP 18827492 A JP18827492 A JP 18827492A JP H0633200 A JPH0633200 A JP H0633200A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vane
- rotary compressor
- powder
- compressor
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明の主な目的は圧縮比の増大や高速回転
下でも、優れた耐摩耗性及び摺動性を発揮する新規なロ
ータリ圧縮機のベーンを提供するものである。 【構成】 本発明は、ロータリ圧縮機のベーンにおい
て、組成が重量％でＣ＝０．７〜３．０％，Ｓｉ＝０．
１〜１．５％、Ｃｒ＝２．５〜７．０％、Ｗ＝３．０〜
１５．０％、Ｍｏ＝３．０〜１５．０％、Ｖ＝０．５〜
６．０％、Ｃｏ＝１０．０％以下、Ｓ＝０．８〜２０
％、残りＦｅからなる焼結体であることを特徴としてい
る。
下でも、優れた耐摩耗性及び摺動性を発揮する新規なロ
ータリ圧縮機のベーンを提供するものである。 【構成】 本発明は、ロータリ圧縮機のベーンにおい
て、組成が重量％でＣ＝０．７〜３．０％，Ｓｉ＝０．
１〜１．５％、Ｃｒ＝２．５〜７．０％、Ｗ＝３．０〜
１５．０％、Ｍｏ＝３．０〜１５．０％、Ｖ＝０．５〜
６．０％、Ｃｏ＝１０．０％以下、Ｓ＝０．８〜２０
％、残りＦｅからなる焼結体であることを特徴としてい
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はロータリ圧縮機に用いら
れるベーンの組成に関するものである。
れるベーンの組成に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、空気調和機やカーエアコン等に多
く用いられているロータリ圧縮機のベーン材には溶製材
のＪＩＳ ＳＫＨ−５１（高速度工具鋼・鋼材）が使わ
れているが、近年では粉末のＳＫＨ−５１を焼結したも
のも提案されている（特開平３−８０８６８号公報）。
この焼結材のＳＫＨ−５１は、Ｃ，Ｓｉ，Ｃｒ，Ｗ，Ｍ
ｏ，Ｖ，Ｃｏ及びＦｅ等の原料粉末を所定重量％で混合
し、所定形状に焼結固化させて形成したものであり、そ
の加工レス、耐摩耗性及び摺動性の向上を目的としたも
のである。。
く用いられているロータリ圧縮機のベーン材には溶製材
のＪＩＳ ＳＫＨ−５１（高速度工具鋼・鋼材）が使わ
れているが、近年では粉末のＳＫＨ−５１を焼結したも
のも提案されている（特開平３−８０８６８号公報）。
この焼結材のＳＫＨ−５１は、Ｃ，Ｓｉ，Ｃｒ，Ｗ，Ｍ
ｏ，Ｖ，Ｃｏ及びＦｅ等の原料粉末を所定重量％で混合
し、所定形状に焼結固化させて形成したものであり、そ
の加工レス、耐摩耗性及び摺動性の向上を目的としたも
のである。。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この焼
結材のＳＫＨ−５１は通常運転では特に耐摩耗性の問題
はないが、圧縮比の増大または高速回転下ではケーシン
グ材（シリンダ）との凝着摩耗が発生する場合があっ
た。そのため、その対応策としてベーンをパーコ処理
（リン酸マンガン被膜）または浸硫処理（ＦｅＳ被膜）
等の別な表面処理を行う必要があるが、これはコスト高
または精度の悪化を招いてしまうといった欠点があっ
た。
結材のＳＫＨ−５１は通常運転では特に耐摩耗性の問題
はないが、圧縮比の増大または高速回転下ではケーシン
グ材（シリンダ）との凝着摩耗が発生する場合があっ
た。そのため、その対応策としてベーンをパーコ処理
（リン酸マンガン被膜）または浸硫処理（ＦｅＳ被膜）
等の別な表面処理を行う必要があるが、これはコスト高
または精度の悪化を招いてしまうといった欠点があっ
た。
【０００４】そこで、本発明は上述した問題点を有効に
解決するために案出されたものであり、その目的は圧縮
比の増大や高速回転下でも、優れた耐摩耗性及び摺動性
を発揮する新規なロータリ圧縮機のベーンを提供するも
のである。
解決するために案出されたものであり、その目的は圧縮
比の増大や高速回転下でも、優れた耐摩耗性及び摺動性
を発揮する新規なロータリ圧縮機のベーンを提供するも
のである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第一の発明は、ロータリ圧縮機のベーンにおいて、組
成が重量％でＣ＝０．７〜３．０％，Ｓｉ＝０．１〜
１．５％、Ｃｒ＝２．５〜７．０％、Ｗ＝３．０〜１
５．０％、Ｍｏ＝３．０〜１５．０％、Ｖ＝０．５〜
６．０％、Ｃｏ＝１０．０％以下、Ｓ＝０．８〜２０
％、残りＦｅからなる焼結体であり、第二の発明は、ロ
ータリ圧縮機のベーンにおいて、ベーン粉末素材にＳＫ
Ｈ−５１粉末と、ＭｏＳ2 粉末を混合して焼結してなる
ものである。
の第一の発明は、ロータリ圧縮機のベーンにおいて、組
成が重量％でＣ＝０．７〜３．０％，Ｓｉ＝０．１〜
１．５％、Ｃｒ＝２．５〜７．０％、Ｗ＝３．０〜１
５．０％、Ｍｏ＝３．０〜１５．０％、Ｖ＝０．５〜
６．０％、Ｃｏ＝１０．０％以下、Ｓ＝０．８〜２０
％、残りＦｅからなる焼結体であり、第二の発明は、ロ
ータリ圧縮機のベーンにおいて、ベーン粉末素材にＳＫ
Ｈ−５１粉末と、ＭｏＳ2 粉末を混合して焼結してなる
ものである。
【０００６】
【作用】本発明のロータリ圧縮機のベーンは上述したよ
うに、焼結冶金法によって形成すると共に、組織中に滑
剤の働きをなすＳ成分が多量に添加されているので、ケ
ーシング材（シリンダ）との摺動時“スベリ性”、すな
わち摺動性が向上し、高負荷、高圧比、高速運転時にも
凝着摩耗が発生しない。従って、従来のようなパーコ処
理または浸硫処理等の表面処理が不要となる。
うに、焼結冶金法によって形成すると共に、組織中に滑
剤の働きをなすＳ成分が多量に添加されているので、ケ
ーシング材（シリンダ）との摺動時“スベリ性”、すな
わち摺動性が向上し、高負荷、高圧比、高速運転時にも
凝着摩耗が発生しない。従って、従来のようなパーコ処
理または浸硫処理等の表面処理が不要となる。
【０００７】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
て詳述する。
【０００８】図１は本発明に係るロータリ圧縮機のベー
ンの製造方法を示したものであり、従来の焼結材とほぼ
同様である。
ンの製造方法を示したものであり、従来の焼結材とほぼ
同様である。
【０００９】図示するように、先ず、ベーン粉末素材と
なるＦｅ粉末中にＳＫＨ−５１粉末とＭｏＳ2 粉末を所
定量、入れて均一になるように混合する。この時、各組
成成分は表１に示すように、重量％でＣ＝１．６１％，
Ｓｉ＝０．０３％，Ｃｒ＝４．１７％，Ｗ＝５．４６
％，Ｍｏ＝１０．２％，Ｖ＝１．６７％，Ｓ＝４．４２
％、残部Ｆｅとし、従来例に比較してＳの割合を多くす
る。次に、この混合粉末を冷間プレス等によって所定の
形状に成形した後、これを非酸化性雰囲気中、例えば真
空雰囲気中で１１５０〜１２６０℃の範囲の温度で焼結
し、所定形状に固化する。そして、これを焼入れによっ
て高温から急冷して硬化させた後、焼戻しして安定な状
態にして内部歪み等を除いて完成することになる。
なるＦｅ粉末中にＳＫＨ−５１粉末とＭｏＳ2 粉末を所
定量、入れて均一になるように混合する。この時、各組
成成分は表１に示すように、重量％でＣ＝１．６１％，
Ｓｉ＝０．０３％，Ｃｒ＝４．１７％，Ｗ＝５．４６
％，Ｍｏ＝１０．２％，Ｖ＝１．６７％，Ｓ＝４．４２
％、残部Ｆｅとし、従来例に比較してＳの割合を多くす
る。次に、この混合粉末を冷間プレス等によって所定の
形状に成形した後、これを非酸化性雰囲気中、例えば真
空雰囲気中で１１５０〜１２６０℃の範囲の温度で焼結
し、所定形状に固化する。そして、これを焼入れによっ
て高温から急冷して硬化させた後、焼戻しして安定な状
態にして内部歪み等を除いて完成することになる。
【００１０】
【表１】
【００１１】このように製造されたベーン全体の硬さは
ＪＩＳのロックウェル硬さ試験法でＨＲＣ３５〜４５で
ある。基地はマルテンサイトで硬さはＨＶ７００〜９０
０である。尚、基地硬さはＨＶ（ビッカース硬度）７０
０未満では耐摩耗性効果がなく、また、ＨＶ１０００以
上では脆弱化し、ベーンとしての実用性がなくなる。ま
た、図２に示すように、組織内には焼結時の空孔が多数
残留していることが判る。これは、液体を圧力冷媒とす
る湿式圧縮機では作動液体の空孔への湿潤、ガスを圧力
媒体とする乾式圧縮機では空孔への酸化被膜が摩擦係数
の減少に大きな効果がある。また、空孔径は最大１００
μｍ以下であり、空孔率は面積率で１〜１０％である。
すなわち、空孔径が最大１００μｍを越えると切欠効果
でベーンが脆弱化し、また空孔が面積率で１０％を越え
ると空孔が連結しベーンの強度が低下して欠損が生じ易
くなり、１％未満では上述の効果が得られないからであ
る。また、図３に示す従来のベーンに比較して、本発明
のベーン基地内には耐摩耗性に大きな影響を与えるＣ
ｒ，Ｗ，Ｖ，Ｃｏの炭化物が適当に析出しており、ま
た、潤滑性に大きな影響を与えるＭｏＳ2 も均一に分布
していることが判る。この材料中のＳ成分は表１に示し
たように０．８〜２０％の範囲が望ましい。すなわち、
２０％以上では材料が脆弱化してしまい、０．８未満で
は所望の潤滑性が得られないからである。
ＪＩＳのロックウェル硬さ試験法でＨＲＣ３５〜４５で
ある。基地はマルテンサイトで硬さはＨＶ７００〜９０
０である。尚、基地硬さはＨＶ（ビッカース硬度）７０
０未満では耐摩耗性効果がなく、また、ＨＶ１０００以
上では脆弱化し、ベーンとしての実用性がなくなる。ま
た、図２に示すように、組織内には焼結時の空孔が多数
残留していることが判る。これは、液体を圧力冷媒とす
る湿式圧縮機では作動液体の空孔への湿潤、ガスを圧力
媒体とする乾式圧縮機では空孔への酸化被膜が摩擦係数
の減少に大きな効果がある。また、空孔径は最大１００
μｍ以下であり、空孔率は面積率で１〜１０％である。
すなわち、空孔径が最大１００μｍを越えると切欠効果
でベーンが脆弱化し、また空孔が面積率で１０％を越え
ると空孔が連結しベーンの強度が低下して欠損が生じ易
くなり、１％未満では上述の効果が得られないからであ
る。また、図３に示す従来のベーンに比較して、本発明
のベーン基地内には耐摩耗性に大きな影響を与えるＣ
ｒ，Ｗ，Ｖ，Ｃｏの炭化物が適当に析出しており、ま
た、潤滑性に大きな影響を与えるＭｏＳ2 も均一に分布
していることが判る。この材料中のＳ成分は表１に示し
たように０．８〜２０％の範囲が望ましい。すなわち、
２０％以上では材料が脆弱化してしまい、０．８未満で
は所望の潤滑性が得られないからである。
【００１２】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、摺動性が
向上し、高負荷、高圧比、高速運転時にも凝着摩耗が発
生しないため、従来のようなパーコ処理または浸硫処理
等の表面処理が不要となり、低コスト及び製作時間の短
縮化が達成される等といった優れた効果を有する。
向上し、高負荷、高圧比、高速運転時にも凝着摩耗が発
生しないため、従来のようなパーコ処理または浸硫処理
等の表面処理が不要となり、低コスト及び製作時間の短
縮化が達成される等といった優れた効果を有する。
【図１】本発明のロータリ圧縮機のベーンの製造方法の
一実施例を示す概略図である。
一実施例を示す概略図である。
【図２】本発明のロータリ圧縮機のベーンの基地の構造
を示す拡大図である。
を示す拡大図である。
【図３】従来の圧縮機のベーンの基地の構造を示す拡大
図である。
図である。
Claims (2)
- 【請求項１】 ロータリ圧縮機のベーンにおいて、組成
が重量％でＣ＝０．７〜３．０％，Ｓｉ＝０．１〜１．
５％、Ｃｒ＝２．５〜７．０％、Ｗ＝３．０〜１５．０
％、Ｍｏ＝３．０〜１５．０％、Ｖ＝０．５〜６．０
％、Ｃｏ＝１０．０％以下、Ｓ＝０．８〜２０％、残り
Ｆｅからなる焼結体であることを特徴とするロータリ圧
縮機のベーン。 - 【請求項２】 ロータリ圧縮機のベーンにおいて、ベー
ン粉末素材にＳＫＨ−５１粉末と、ＭｏＳ2 粉末を混合
して焼結してなることを特徴とするロータリ圧縮機のベ
ーン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18827492A JPH0633200A (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | ロータリ圧縮機のベーン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18827492A JPH0633200A (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | ロータリ圧縮機のベーン |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0633200A true JPH0633200A (ja) | 1994-02-08 |
Family
ID=16220799
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18827492A Pending JPH0633200A (ja) | 1992-07-15 | 1992-07-15 | ロータリ圧縮機のベーン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0633200A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006322414A (ja) * | 2005-05-20 | 2006-11-30 | Valeo Thermal Systems Japan Corp | ロータリ型圧縮機用ベーン及びその製造方法 |
| CN106756597A (zh) * | 2016-12-09 | 2017-05-31 | 大连圣洁热处理科技发展有限公司 | Cfw复合高速钢的制备方法及其应用 |
-
1992
- 1992-07-15 JP JP18827492A patent/JPH0633200A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006322414A (ja) * | 2005-05-20 | 2006-11-30 | Valeo Thermal Systems Japan Corp | ロータリ型圧縮機用ベーン及びその製造方法 |
| CN106756597A (zh) * | 2016-12-09 | 2017-05-31 | 大连圣洁热处理科技发展有限公司 | Cfw复合高速钢的制备方法及其应用 |
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