JPH0551709A - 圧縮機用摺動部品材料 - Google Patents
圧縮機用摺動部品材料Info
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- JPH0551709A JPH0551709A JP21116991A JP21116991A JPH0551709A JP H0551709 A JPH0551709 A JP H0551709A JP 21116991 A JP21116991 A JP 21116991A JP 21116991 A JP21116991 A JP 21116991A JP H0551709 A JPH0551709 A JP H0551709A
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- F05C2201/00—Metals
- F05C2201/04—Heavy metals
- F05C2201/0433—Iron group; Ferrous alloys, e.g. steel
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-
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- F05C2201/0469—Other heavy metals
- F05C2201/0493—Tin
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- Compressor (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明の目的は、耐摩耗性および耐焼付性が共
に優れ、耐久性が著しく改善され、かつ体積効率の低下
が少ない圧縮機を提供することにある。 【構成】本発明に係る圧縮機用摺動部品材料は、Cを2
〜4wt%、Cuを1〜9wt%、Snを0.3〜3w
t%、Siを1.5〜4wt%、残部実質的にFeから
成り、フェライトおよびパーライト基地に遊離黒鉛、青
銅および鉄酸化物が分散した組織を有し、上記鉄酸化物
の含有量が5〜20Vol %である鉄系焼結合金で形成し
たことを特徴とする。さらに上記組成においてFeの
0.5〜4wt%をNiで置換するとよい。またFeの
0.5〜10wt%をMoで置換するとよい。さらに焼
結合金の密度を6〜7g/cm3 に設定して構成すること
もできる。
に優れ、耐久性が著しく改善され、かつ体積効率の低下
が少ない圧縮機を提供することにある。 【構成】本発明に係る圧縮機用摺動部品材料は、Cを2
〜4wt%、Cuを1〜9wt%、Snを0.3〜3w
t%、Siを1.5〜4wt%、残部実質的にFeから
成り、フェライトおよびパーライト基地に遊離黒鉛、青
銅および鉄酸化物が分散した組織を有し、上記鉄酸化物
の含有量が5〜20Vol %である鉄系焼結合金で形成し
たことを特徴とする。さらに上記組成においてFeの
0.5〜4wt%をNiで置換するとよい。またFeの
0.5〜10wt%をMoで置換するとよい。さらに焼
結合金の密度を6〜7g/cm3 に設定して構成すること
もできる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧縮機用摺動部品材料に
係り、特に耐摩耗性および耐焼付性を改善し耐久性に優
れた圧縮機用摺動部品材料に関する。
係り、特に耐摩耗性および耐焼付性を改善し耐久性に優
れた圧縮機用摺動部品材料に関する。
【0002】
【従来の技術】冷凍機、冷蔵庫、空調機やショーケース
においては冷媒を圧縮する圧縮機が主要機器として装備
されている。上記用途例において一般的に使用されてい
る圧縮機として、図1および図2に示すような密閉型の
ロータリ圧縮機がある。
においては冷媒を圧縮する圧縮機が主要機器として装備
されている。上記用途例において一般的に使用されてい
る圧縮機として、図1および図2に示すような密閉型の
ロータリ圧縮機がある。
【0003】この圧縮機1は、ケ―シング2の内部にモ
ータ3aと圧縮要素3bとを内装し、圧縮要素3bはモ
ータ3から延びる回転軸4を主軸受5と副軸受6に挿通
させ、この主軸受5と副軸受6との間に、仕切板7を介
して2基のシリンダ8a,8bを配設し、各シリンダ8
a,8b内において、前記回転軸4に形成された偏心部
9a,9bにそれぞれ円筒状のローラ10a,10bを
嵌合させる一方、図2に示すように偏心回転するローラ
10a,10bに対して常時押し付けて接触するよう
に、ベーン11a,11bが配設されて構成される。ベ
ーン11a,11bは偏心部9a,9bおよびローラ1
0a,10bの回転に応じて往復動し、各シリンダ8
a,8b内部を圧力的に仕切る役割を果している。こう
して圧縮機1は、モータ3の駆動によって前記ローラ1
0a,10bをシリンダ8a,8b内において偏心回転
させることにより、シリンダ8a,8b内に吸入したガ
スを圧縮して吐出するものである。
ータ3aと圧縮要素3bとを内装し、圧縮要素3bはモ
ータ3から延びる回転軸4を主軸受5と副軸受6に挿通
させ、この主軸受5と副軸受6との間に、仕切板7を介
して2基のシリンダ8a,8bを配設し、各シリンダ8
a,8b内において、前記回転軸4に形成された偏心部
9a,9bにそれぞれ円筒状のローラ10a,10bを
嵌合させる一方、図2に示すように偏心回転するローラ
10a,10bに対して常時押し付けて接触するよう
に、ベーン11a,11bが配設されて構成される。ベ
ーン11a,11bは偏心部9a,9bおよびローラ1
0a,10bの回転に応じて往復動し、各シリンダ8
a,8b内部を圧力的に仕切る役割を果している。こう
して圧縮機1は、モータ3の駆動によって前記ローラ1
0a,10bをシリンダ8a,8b内において偏心回転
させることにより、シリンダ8a,8b内に吸入したガ
スを圧縮して吐出するものである。
【0004】上記のような圧縮機1においては、主副軸
受5,6と回転軸4、シリンダ8とベーン11、仕切板
7とローラ10など相互に摺接する摺動部における摩耗
が特に顕著になるため、高い耐摩耗性を有する摺動材で
形成する必要がある。
受5,6と回転軸4、シリンダ8とベーン11、仕切板
7とローラ10など相互に摺接する摺動部における摩耗
が特に顕著になるため、高い耐摩耗性を有する摺動材で
形成する必要がある。
【0005】従来、この種の摺動材としては、高速度鋼
や共晶黒鉛鋳鉄の溶解材、さらにより具体的には2.2
Si−3.4C−残部Feから成るFC200、SMF
4030などのSMF−4種材(鉄−炭素−銅系合金)
など耐摩耗性を高めた材料が一般に使用されている。
や共晶黒鉛鋳鉄の溶解材、さらにより具体的には2.2
Si−3.4C−残部Feから成るFC200、SMF
4030などのSMF−4種材(鉄−炭素−銅系合金)
など耐摩耗性を高めた材料が一般に使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
圧縮機は冷凍機用、冷蔵庫用、空調機用などの用途を問
わず、高性能化や使用条件の拡大が求められている。特
に空調機においては、使用者の住空間の変化や快適性の
要求水準の高まりが著しく、インバータを装備したもの
が標準品になりつつある。このような空調機に使用され
る圧縮機では従来以上に苛酷な運転条件、すなわち高負
荷条件下での高速運転や変速運転が要求されている。
圧縮機は冷凍機用、冷蔵庫用、空調機用などの用途を問
わず、高性能化や使用条件の拡大が求められている。特
に空調機においては、使用者の住空間の変化や快適性の
要求水準の高まりが著しく、インバータを装備したもの
が標準品になりつつある。このような空調機に使用され
る圧縮機では従来以上に苛酷な運転条件、すなわち高負
荷条件下での高速運転や変速運転が要求されている。
【0007】特に回転軸と、軸受との摺動部における潤
滑状態も、いわゆる流体潤滑から境界潤滑に移行し易く
なり、PV値も増大する。すなわち高速運転域では、P
V値が増大し、圧縮機内の潤滑油も吐出され易くなり、
潤滑状態が悪化して焼付きを生じる危険性が高くなる。
滑状態も、いわゆる流体潤滑から境界潤滑に移行し易く
なり、PV値も増大する。すなわち高速運転域では、P
V値が増大し、圧縮機内の潤滑油も吐出され易くなり、
潤滑状態が悪化して焼付きを生じる危険性が高くなる。
【0008】逆にエネルギー効率を高めるために圧縮機
のON−OFF動作の回数を低減して、より低速域での
運転を行なうと、回転軸と主副軸受との間の摺動部への
給油量が減少して焼付きが生じ易くなるとともに、ジャ
ーナル軸受としての軸受負荷が低下して、回転軸と主副
軸受とが金属接触する機会が増大して摩耗が急速に進行
してしまう問題点がある。
のON−OFF動作の回数を低減して、より低速域での
運転を行なうと、回転軸と主副軸受との間の摺動部への
給油量が減少して焼付きが生じ易くなるとともに、ジャ
ーナル軸受としての軸受負荷が低下して、回転軸と主副
軸受とが金属接触する機会が増大して摩耗が急速に進行
してしまう問題点がある。
【0009】このような問題点を改善し、摺動特性を向
上させるために、給油機構の改善や軸受構造の改良およ
び耐摩耗性に優れた軸受や回転軸の材料開発や摺動材の
表面処理方法が種々検討されている。
上させるために、給油機構の改善や軸受構造の改良およ
び耐摩耗性に優れた軸受や回転軸の材料開発や摺動材の
表面処理方法が種々検討されている。
【0010】例えば、インバータ駆動の圧縮機の低速運
転時のように潤滑状態の悪化により潤滑油膜厚さが充分
に保持できない場合には、摩耗が急速に進行する場合が
あり、この対策として硬度が高い材料を使用したり、表
面処理によって摺動材の表面硬度を高める方法も採用さ
れている。
転時のように潤滑状態の悪化により潤滑油膜厚さが充分
に保持できない場合には、摩耗が急速に進行する場合が
あり、この対策として硬度が高い材料を使用したり、表
面処理によって摺動材の表面硬度を高める方法も採用さ
れている。
【0011】しかしながら、摺動材の表面硬度を高める
のみでは、耐摩耗性は向上するが、摺動部におけるかじ
りを生じ易く、起動直後における初期なじみまたは耐焼
付性が悪化する場合も多い。
のみでは、耐摩耗性は向上するが、摺動部におけるかじ
りを生じ易く、起動直後における初期なじみまたは耐焼
付性が悪化する場合も多い。
【0012】また表面処理による摺動材の表面硬度を高
めることは、形状が単純な回転軸等においては、比較的
に容易である一方、主副軸受などのように凹部を有する
複雑形状の部品では均一な表面処理が困難であり、摺動
特性が全体として低下してしまう問題点もある。
めることは、形状が単純な回転軸等においては、比較的
に容易である一方、主副軸受などのように凹部を有する
複雑形状の部品では均一な表面処理が困難であり、摺動
特性が全体として低下してしまう問題点もある。
【0013】一方、摺動材として鉄系粉末から成る焼結
体を使用する場合もあるが、焼結体には無数の微細な連
通孔が形成されており、この焼結体でシリンダや軸受、
仕切板やローラを形成した場合には、圧縮機内の冷媒の
一部が連通孔を通り抜けることにより圧縮機の体積効率
が大幅に低下してしまう問題点がある。
体を使用する場合もあるが、焼結体には無数の微細な連
通孔が形成されており、この焼結体でシリンダや軸受、
仕切板やローラを形成した場合には、圧縮機内の冷媒の
一部が連通孔を通り抜けることにより圧縮機の体積効率
が大幅に低下してしまう問題点がある。
【0014】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであり、耐摩耗性および耐焼付性が共に優
れ、耐久性が著しく改善され、かつ体積効率の低下が少
ない圧縮機を提供することを目的とする。
されたものであり、耐摩耗性および耐焼付性が共に優
れ、耐久性が著しく改善され、かつ体積効率の低下が少
ない圧縮機を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段と作用】本発明者らは上記
の目的を達成するため、圧縮機の摺動部を構成する材料
を種々変えて、その摺動特性を比較検討し、さらに摺動
材の表面処理方法が摺動特性に及ぼす影響について研究
し、本発明を完成した。
の目的を達成するため、圧縮機の摺動部を構成する材料
を種々変えて、その摺動特性を比較検討し、さらに摺動
材の表面処理方法が摺動特性に及ぼす影響について研究
し、本発明を完成した。
【0016】すなわち本発明に係る圧縮機用摺動部品材
料は、Cを2〜4wt%、Cuを1〜9wt%、Snを
0.3〜3wt%、Siを1.5〜4wt%、残部実質
的にFeから成り、フェライトおよびパーライト基地に
遊離黒鉛、青銅および鉄酸化物が分散した組織を有し、
上記鉄酸化物の含有量が5〜20Vol%である鉄系焼結
合金で形成したことを特徴とする。
料は、Cを2〜4wt%、Cuを1〜9wt%、Snを
0.3〜3wt%、Siを1.5〜4wt%、残部実質
的にFeから成り、フェライトおよびパーライト基地に
遊離黒鉛、青銅および鉄酸化物が分散した組織を有し、
上記鉄酸化物の含有量が5〜20Vol%である鉄系焼結
合金で形成したことを特徴とする。
【0017】さらに上記組成においてFeの0.5〜4
wt%をNiで置換するとよい。
wt%をNiで置換するとよい。
【0018】またFeの0.5〜10wt%をMoで置
換するとよい。
換するとよい。
【0019】さらに焼結合金の密度を6〜7g/cm3 に
設定して構成することもできる。
設定して構成することもできる。
【0020】以下本発明において使用する摺動材の組成
等について以下に順次説明する。
等について以下に順次説明する。
【0021】Cは、基地を構成するFeと反応して軟組
織のフェライトや耐摩耗性を有するパーライトを生成
し、部品の耐久性を向上させる元素であり、かつ基地中
に遊離黒鉛として分散し、摺動面の潤滑性を高めて摺動
材のかじりを防止し、初期摺動特性を改善するために2
〜4wt%含有する。C含有量が2wt%未満の場合に
は摺動特性の改善効果が充分ではなく、一方、含有量が
4wt%を超える場合には、脆化し成形性が低下し、高
密度かつ高強度の焼結体が得られにくい。また基地中に
分散した遊離黒鉛量はCの総含有量の30%以上が望ま
しい。遊離黒鉛は、それ自体の潤滑作用に加えて、潤滑
油の溜りの役目も果す。したがって微細な遊離黒鉛が分
布したパーライト組織、フェライト組織、またはセメン
タイト組織は、いずれも優れた耐摩耗性を発揮する。
織のフェライトや耐摩耗性を有するパーライトを生成
し、部品の耐久性を向上させる元素であり、かつ基地中
に遊離黒鉛として分散し、摺動面の潤滑性を高めて摺動
材のかじりを防止し、初期摺動特性を改善するために2
〜4wt%含有する。C含有量が2wt%未満の場合に
は摺動特性の改善効果が充分ではなく、一方、含有量が
4wt%を超える場合には、脆化し成形性が低下し、高
密度かつ高強度の焼結体が得られにくい。また基地中に
分散した遊離黒鉛量はCの総含有量の30%以上が望ま
しい。遊離黒鉛は、それ自体の潤滑作用に加えて、潤滑
油の溜りの役目も果す。したがって微細な遊離黒鉛が分
布したパーライト組織、フェライト組織、またはセメン
タイト組織は、いずれも優れた耐摩耗性を発揮する。
【0022】特に焼結体の初期摺動特性を改善するため
には、上記遊離黒鉛と後述する青銅とを基地中に分散さ
せることが有効である。
には、上記遊離黒鉛と後述する青銅とを基地中に分散さ
せることが有効である。
【0023】またCuはSnと合金化されて青銅とな
り、摺動材の初期摺動特性を改善するために1〜9wt
%含有する。Cuの含有量が1wt%未満の場合には、
添加の効果が少ない一方、含有量が9wt%を超える
と、硬度が低下し、摺動材としての耐久性が低下してし
まう。Snは、青銅合金を形成するためCuの含有量の
1/3程度、すなわち0.3〜3wt%含有する。
り、摺動材の初期摺動特性を改善するために1〜9wt
%含有する。Cuの含有量が1wt%未満の場合には、
添加の効果が少ない一方、含有量が9wt%を超える
と、硬度が低下し、摺動材としての耐久性が低下してし
まう。Snは、青銅合金を形成するためCuの含有量の
1/3程度、すなわち0.3〜3wt%含有する。
【0024】Siは通常の焼結温度で合金基地中に遊離
黒鉛を生成させる有効な元素であり、1.2〜4wt%
の範囲で含有する。Si含有量が1.2wt%未満であ
ると、遊離黒鉛の生成量が不充分となる一方、4wt%
を超えると成形性が阻害される。特にフェライト組織お
よびパーライト組織が共存する基地中に遊離黒鉛を均一
に分布させるためには、Si含有量を1.5〜4wt%
の範囲に設定することが望ましい。
黒鉛を生成させる有効な元素であり、1.2〜4wt%
の範囲で含有する。Si含有量が1.2wt%未満であ
ると、遊離黒鉛の生成量が不充分となる一方、4wt%
を超えると成形性が阻害される。特にフェライト組織お
よびパーライト組織が共存する基地中に遊離黒鉛を均一
に分布させるためには、Si含有量を1.5〜4wt%
の範囲に設定することが望ましい。
【0025】ところで、Siを含有しない場合におい
て、遊離黒鉛を充分に生成させるためには、通常の焼結
温度よりも低い温度で焼結する必要があったため、高強
度の部品が得られない問題があった。しかしながら、本
願発明ではSiを含有しているため通常の焼結温度で焼
結操作を行なうことが可能となり、高密度で高強度の部
品を得ることができる。
て、遊離黒鉛を充分に生成させるためには、通常の焼結
温度よりも低い温度で焼結する必要があったため、高強
度の部品が得られない問題があった。しかしながら、本
願発明ではSiを含有しているため通常の焼結温度で焼
結操作を行なうことが可能となり、高密度で高強度の部
品を得ることができる。
【0026】なお本発明者らの実験によれば、Si含有
量を0.2〜2.5wt%と低目に抑制するとともにC
含有量をも1.2〜4wt%と低く設定することによっ
て、硬度80〜120HRB(ロックウェル硬度Bスケー
ル)を有し、フェライトとセメンタイトとの共存組織中
に遊離炭素を少なく分布させた焼結体で摺動部品を形成
した場合においても、優れた耐摩耗性を発揮できること
も確認されている。
量を0.2〜2.5wt%と低目に抑制するとともにC
含有量をも1.2〜4wt%と低く設定することによっ
て、硬度80〜120HRB(ロックウェル硬度Bスケー
ル)を有し、フェライトとセメンタイトとの共存組織中
に遊離炭素を少なく分布させた焼結体で摺動部品を形成
した場合においても、優れた耐摩耗性を発揮できること
も確認されている。
【0027】さらに材料の耐摩耗性および摺動特性をよ
り改善するために上記Cu,Sn,C,Siの他にN
i,Moなどの元素を所定量含有するとよい。
り改善するために上記Cu,Sn,C,Siの他にN
i,Moなどの元素を所定量含有するとよい。
【0028】すなわちNiは、摺動部品材料の焼付きを
防止するために、0.5〜4wtwt%の範囲で含有す
るとよい。含有量が0.5wt%未満の場合には上記効
果が少なくなる一方、含有量が4wt%を超える過量に
含有しても効果の大幅な改善が見られず、基地の硬度が
低下したり、充分な耐摩耗性が得られなくなる。また成
形性の悪化により、所定の密度が得られない。
防止するために、0.5〜4wtwt%の範囲で含有す
るとよい。含有量が0.5wt%未満の場合には上記効
果が少なくなる一方、含有量が4wt%を超える過量に
含有しても効果の大幅な改善が見られず、基地の硬度が
低下したり、充分な耐摩耗性が得られなくなる。また成
形性の悪化により、所定の密度が得られない。
【0029】さらにMoは焼入れ性および高温強度を改
善して摺動部品の耐久性を向上させるために、0.5〜
10wt%含有するとよい。含有量が0.5wt%未満
の場合には、耐久性の向上効果が少ない一方、添加量が
10wt%を超えるように含有しても、それ以上の大き
な改善効果は見られずNiと同様に基地硬度の低下、耐
摩耗性の低下、成形性の悪化を招き、所定の密度が得ら
れなくなる。
善して摺動部品の耐久性を向上させるために、0.5〜
10wt%含有するとよい。含有量が0.5wt%未満
の場合には、耐久性の向上効果が少ない一方、添加量が
10wt%を超えるように含有しても、それ以上の大き
な改善効果は見られずNiと同様に基地硬度の低下、耐
摩耗性の低下、成形性の悪化を招き、所定の密度が得ら
れなくなる。
【0030】本発明に係る圧縮機用摺動部品材料は、鉄
粉に2〜4wt%のカーボン粉末、1〜9wt%のCu
粉末、0.3〜3wt%のSn粉末および1.5〜4w
t%のSi粉末を添加混合し所定形状に成形した後に、
成形体を1100〜1150℃程度の温度によって0.
5〜2時間焼結し、得られた焼結体を水蒸気処理法等に
よって封孔処理するとともに、鉄酸化物を生成せしめて
製造される。ここで焼結体の密度は6〜7g/cm3 の範
囲が好ましい。この密度が6g/cm3 未満であると摺動
部品としての構造強度が低下する一方、密度が7g/cm
3 を超えると、潤滑油の保油性が優れる鉄酸化物の生成
量が減少して摺動特性および耐久性が共に低下してしま
う。
粉に2〜4wt%のカーボン粉末、1〜9wt%のCu
粉末、0.3〜3wt%のSn粉末および1.5〜4w
t%のSi粉末を添加混合し所定形状に成形した後に、
成形体を1100〜1150℃程度の温度によって0.
5〜2時間焼結し、得られた焼結体を水蒸気処理法等に
よって封孔処理するとともに、鉄酸化物を生成せしめて
製造される。ここで焼結体の密度は6〜7g/cm3 の範
囲が好ましい。この密度が6g/cm3 未満であると摺動
部品としての構造強度が低下する一方、密度が7g/cm
3 を超えると、潤滑油の保油性が優れる鉄酸化物の生成
量が減少して摺動特性および耐久性が共に低下してしま
う。
【0031】ここで水蒸気処理は温度500〜650
℃、圧力0.03〜0.1MPaの過熱水蒸気中に焼結
体を2〜3時間保持するものである。
℃、圧力0.03〜0.1MPaの過熱水蒸気中に焼結
体を2〜3時間保持するものである。
【0032】この水蒸気処理により焼結体の基地組織の
空孔に鉄酸化物が分散生成される。この鉄酸化物量は焼
結体の全容積に対して5〜20vol%に設定するとよい。
この鉄酸化物は焼結体の耐摩耗性を向上させるととも
に、焼結体の基地組織の空孔を封じる役割(封孔作用)
を果して耐圧性(気密性)を与える。特に高い耐圧性を
確保するためには、焼結体の内部まで鉄酸化物を生成さ
せる必要がある。この封孔処理を行なうことにより、焼
結体の耐圧性を0.5MPa以上にすることが可能にな
り、圧縮機内の冷媒ガスが焼結体中を通り抜けることが
防止できるため、圧縮機の体積効率を大幅に改善するこ
とができる。
空孔に鉄酸化物が分散生成される。この鉄酸化物量は焼
結体の全容積に対して5〜20vol%に設定するとよい。
この鉄酸化物は焼結体の耐摩耗性を向上させるととも
に、焼結体の基地組織の空孔を封じる役割(封孔作用)
を果して耐圧性(気密性)を与える。特に高い耐圧性を
確保するためには、焼結体の内部まで鉄酸化物を生成さ
せる必要がある。この封孔処理を行なうことにより、焼
結体の耐圧性を0.5MPa以上にすることが可能にな
り、圧縮機内の冷媒ガスが焼結体中を通り抜けることが
防止できるため、圧縮機の体積効率を大幅に改善するこ
とができる。
【0033】また鉄酸化物は同時に潤滑油の保油性に優
れている。鉄酸化物の生成量が5Vol %未満であると上
記効果が少なく、一方生成量が20Vol %を超えると、
焼結体自体の強度が低下してしまう。さらに、水蒸気処
理により焼結体の基地組織に存在している窒素分が拡散
して、基地組織の粒子中に固溶するために、窒素分の存
在による焼結体の脆化を大幅に改善できる。
れている。鉄酸化物の生成量が5Vol %未満であると上
記効果が少なく、一方生成量が20Vol %を超えると、
焼結体自体の強度が低下してしまう。さらに、水蒸気処
理により焼結体の基地組織に存在している窒素分が拡散
して、基地組織の粒子中に固溶するために、窒素分の存
在による焼結体の脆化を大幅に改善できる。
【0034】上記組成範囲を有し、水蒸気処理した摺動
部品材料は、フェライトおよびパーライト基地中に青
銅、遊離黒鉛および鉄酸化物が分散し、硬度も60〜 120
HRBの範囲になり、従来一般的に使用される耐摩耗材と
のなじみも優れている。
部品材料は、フェライトおよびパーライト基地中に青
銅、遊離黒鉛および鉄酸化物が分散し、硬度も60〜 120
HRBの範囲になり、従来一般的に使用される耐摩耗材と
のなじみも優れている。
【0035】すなわち、上記部品材料で形成した摺動部
品と摺接する相手材としては、FC材(ねずみ鋳鉄材)
またはFCD材(球状黒鉛鋳鉄材)のような鉄系鋳物
材、SCM材(クロムモリブデン鋼)、STKM材(機
械構造用炭素鋼)のような鋼材、あるいはシリコンを含
有するアルミニウム鋳物材や鍛造材で形成するとよい。
これらの材料で形成された摺動材は、上記の焼結体で形
成した本発明に係る圧縮機用摺動部品材料とのなじみが
良く、かじり等を発生することが少なく、優れた摺動特
性を発揮する。
品と摺接する相手材としては、FC材(ねずみ鋳鉄材)
またはFCD材(球状黒鉛鋳鉄材)のような鉄系鋳物
材、SCM材(クロムモリブデン鋼)、STKM材(機
械構造用炭素鋼)のような鋼材、あるいはシリコンを含
有するアルミニウム鋳物材や鍛造材で形成するとよい。
これらの材料で形成された摺動材は、上記の焼結体で形
成した本発明に係る圧縮機用摺動部品材料とのなじみが
良く、かじり等を発生することが少なく、優れた摺動特
性を発揮する。
【0036】このようにして本発明材料から製造された
摺動部品は、従来一般に使用されているSMF−4種材
やFC材から製造した摺動部品と比較して強靭な基地組
織を備えることに加え、硬度が大きく耐摩耗性が大幅に
向上している。さらに基地組織中に存在する錫、青銅や
遊離黒鉛の潤滑作用により摺動部品の耐焼付性および初
期摺動特性が大幅に向上し、苛酷な使用条件に耐え得る
優れた耐摩耗摺動部品となる。したがってこれらの摺動
部品を軸受と回転軸、シリンダとベーン、仕切板とロー
ラなどの摺動部に使用した圧縮機は、優れた耐摩耗性お
よび耐焼付性を有し、長期間に亘って安定した状態で運
転することができる。
摺動部品は、従来一般に使用されているSMF−4種材
やFC材から製造した摺動部品と比較して強靭な基地組
織を備えることに加え、硬度が大きく耐摩耗性が大幅に
向上している。さらに基地組織中に存在する錫、青銅や
遊離黒鉛の潤滑作用により摺動部品の耐焼付性および初
期摺動特性が大幅に向上し、苛酷な使用条件に耐え得る
優れた耐摩耗摺動部品となる。したがってこれらの摺動
部品を軸受と回転軸、シリンダとベーン、仕切板とロー
ラなどの摺動部に使用した圧縮機は、優れた耐摩耗性お
よび耐焼付性を有し、長期間に亘って安定した状態で運
転することができる。
【0037】特に封孔処理を行なった焼結体で形成した
摺動部品は、耐圧性(気密性)に優れ、冷媒ガス等の被
圧縮ガスを透過させることがないため、圧縮機の体積効
率を高く維持することができる。
摺動部品は、耐圧性(気密性)に優れ、冷媒ガス等の被
圧縮ガスを透過させることがないため、圧縮機の体積効
率を高く維持することができる。
【0038】
【実施例】次に本発明に係る圧縮機用摺動部品材料で形
成した摺動部品の特性を従来材と比較して説明する。
成した摺動部品の特性を従来材と比較して説明する。
【0039】適用する摺動部として、図1に示すロータ
リ式圧縮機の回転軸4と副軸受6とで構成される摺動部
を例にとり、上記副軸受6に本発明の圧縮機用摺動部品
材料を使用する一方、回転軸4としては従来のFCD材
で形成したものを使用した場合について示す。
リ式圧縮機の回転軸4と副軸受6とで構成される摺動部
を例にとり、上記副軸受6に本発明の圧縮機用摺動部品
材料を使用する一方、回転軸4としては従来のFCD材
で形成したものを使用した場合について示す。
【0040】すなわち実施例1〜5として、以下に述べ
る方法で製造した焼結体で各副軸受を形成した。すなわ
ち平均粒径145μm以下のFe粉末を約93wt%、
Snを9〜11wt%含有する平均粒径145μm以下
の青銅粉末を約5wt%、黒鉛粉末を約3wt%、Fe
−17%Si粉末をSi量で約0.8〜2wt%、平均
粒径10μmのカーボニルNi粉末を約1wt%、Mo
粉末を約1wt%および潤滑剤を1wt%添加して、最
終的な焼結体の組成が、表1の左欄に示す値となるよう
に、各原料粉末の配合割合をそれぞれ調整して5種類の
混合粉末を調製した。次に各混合粉末を成形圧5〜6to
n/cm2 で加圧して外径100mm×内径23mm×厚さ36
mmの寸法を有し、成形密度が6.5g/cm3 の円板ブロ
ック状の成形体を得た。そして各成形体を非酸化性雰囲
気中で温度1100〜1150℃で30分間焼結して徐
冷した。得られた焼結体の密度は6.3〜6.5g/cm
3 であった。
る方法で製造した焼結体で各副軸受を形成した。すなわ
ち平均粒径145μm以下のFe粉末を約93wt%、
Snを9〜11wt%含有する平均粒径145μm以下
の青銅粉末を約5wt%、黒鉛粉末を約3wt%、Fe
−17%Si粉末をSi量で約0.8〜2wt%、平均
粒径10μmのカーボニルNi粉末を約1wt%、Mo
粉末を約1wt%および潤滑剤を1wt%添加して、最
終的な焼結体の組成が、表1の左欄に示す値となるよう
に、各原料粉末の配合割合をそれぞれ調整して5種類の
混合粉末を調製した。次に各混合粉末を成形圧5〜6to
n/cm2 で加圧して外径100mm×内径23mm×厚さ36
mmの寸法を有し、成形密度が6.5g/cm3 の円板ブロ
ック状の成形体を得た。そして各成形体を非酸化性雰囲
気中で温度1100〜1150℃で30分間焼結して徐
冷した。得られた焼結体の密度は6.3〜6.5g/cm
3 であった。
【0041】次に製造された各焼結体を温度500〜6
50℃で圧力が0.13〜0.2MPaの過熱水蒸気中
に60〜240分間保持する水蒸気処理を施すことによ
り、封孔処理を行なうとともに焼結体の内部まで鉄酸化
物を生成させる酸化処理を行なった。得られた各焼結体
中に分散して含有される鉄酸化物量は13〜17Vol%
であり、耐圧性は1.0〜1.1MPaであった。そし
てこの各焼結体を研削研磨加工して同一寸法の5種類の
副軸受を製造した。
50℃で圧力が0.13〜0.2MPaの過熱水蒸気中
に60〜240分間保持する水蒸気処理を施すことによ
り、封孔処理を行なうとともに焼結体の内部まで鉄酸化
物を生成させる酸化処理を行なった。得られた各焼結体
中に分散して含有される鉄酸化物量は13〜17Vol%
であり、耐圧性は1.0〜1.1MPaであった。そし
てこの各焼結体を研削研磨加工して同一寸法の5種類の
副軸受を製造した。
【0042】上記いずれの副軸受も、フェライトおよび
パーライトの混成組織に青銅、遊離黒鉛および鉄酸化物
が分散した均一な合金組織を有していた。
パーライトの混成組織に青銅、遊離黒鉛および鉄酸化物
が分散した均一な合金組織を有していた。
【0043】一方、上記焼結体製の副軸受と比較するた
めに、従来材であるFC材の研削研磨加工によって製造
した副軸受(比較例1)、および従来材であるSMF−
4種材で形成した副軸受(比較例2)を、それぞれ実施
例1〜5と同一寸法を有するように形成した。
めに、従来材であるFC材の研削研磨加工によって製造
した副軸受(比較例1)、および従来材であるSMF−
4種材で形成した副軸受(比較例2)を、それぞれ実施
例1〜5と同一寸法を有するように形成した。
【0044】こうして得られた実施例1〜5、比較例1
〜2の各副軸受を、FCD材で形成した回転軸を有する
圧縮機の副軸受として実装し高負荷でかつ低周波数条件
という最も潤滑条件が悪化する条件下で、各圧縮機を連
続的に1000時間運転する耐久試験を行ない、回転軸
および副軸受の摩耗量および表面粗さの測定を行なうと
ともに、圧縮機の体積効率をそれぞれ測定し、下記表1
右欄に示す結果を得た。
〜2の各副軸受を、FCD材で形成した回転軸を有する
圧縮機の副軸受として実装し高負荷でかつ低周波数条件
という最も潤滑条件が悪化する条件下で、各圧縮機を連
続的に1000時間運転する耐久試験を行ない、回転軸
および副軸受の摩耗量および表面粗さの測定を行なうと
ともに、圧縮機の体積効率をそれぞれ測定し、下記表1
右欄に示す結果を得た。
【0045】
【表1】
【0046】表1に示す結果から明らかなように、実施
例1〜5に係る摺動部品材料で形成した副軸受を使用し
ている圧縮機においては、耐摩耗性に優れた摺動材で副
軸受を構成しているため、過酷な運転条件下で長時間運
転した後においても、回転軸および副軸受の双方の摩耗
量が、比較例1または2で示す従来材で形成した副軸受
を使用したものよりも小さくなり、優れた耐久性を有し
ている。また摺動部の表面粗さも小さくなっており、摺
動部におけるかじりの発生が少なく、初期摺動特性が改
善されることが実証された。
例1〜5に係る摺動部品材料で形成した副軸受を使用し
ている圧縮機においては、耐摩耗性に優れた摺動材で副
軸受を構成しているため、過酷な運転条件下で長時間運
転した後においても、回転軸および副軸受の双方の摩耗
量が、比較例1または2で示す従来材で形成した副軸受
を使用したものよりも小さくなり、優れた耐久性を有し
ている。また摺動部の表面粗さも小さくなっており、摺
動部におけるかじりの発生が少なく、初期摺動特性が改
善されることが実証された。
【0047】また、副軸受として、同一組成の焼結体を
使用した場合においても、焼結体に封孔処理を施した副
軸受の方が潤滑油の保持性が優れているため摩耗量が小
さくなっている。さらに封孔処理を施した副軸受を使用
した圧縮機では、冷媒ガスが副軸受を透過することがな
いため、封孔処理を行なわない副軸受を使用した圧縮機
と比較して圧縮機全体としての体積効率が5〜6%改善
される。
使用した場合においても、焼結体に封孔処理を施した副
軸受の方が潤滑油の保持性が優れているため摩耗量が小
さくなっている。さらに封孔処理を施した副軸受を使用
した圧縮機では、冷媒ガスが副軸受を透過することがな
いため、封孔処理を行なわない副軸受を使用した圧縮機
と比較して圧縮機全体としての体積効率が5〜6%改善
される。
【0048】以上の実施例においては、摺動部を構成す
る一対の摺動材としてロータリー式圧縮機の回転軸と副
軸受との組合せを例にとって説明したが、摺動部はこれ
に限定されない。すなわち本発明者らは、図1に示すよ
うな圧縮機1の圧縮要素3bを形成するシリンダ8a,
8bを上記鉄系焼結体で形成する一方、シリンダの半径
方向に進退するようにシリンダに摺接し、シリンダ内の
高圧側と低圧側とを仕切るベーン11a,11bを鉄系
スチール材で形成して、耐久試験を行なったところ、実
施例1〜5と同傾向の効果が得られた。
る一対の摺動材としてロータリー式圧縮機の回転軸と副
軸受との組合せを例にとって説明したが、摺動部はこれ
に限定されない。すなわち本発明者らは、図1に示すよ
うな圧縮機1の圧縮要素3bを形成するシリンダ8a,
8bを上記鉄系焼結体で形成する一方、シリンダの半径
方向に進退するようにシリンダに摺接し、シリンダ内の
高圧側と低圧側とを仕切るベーン11a,11bを鉄系
スチール材で形成して、耐久試験を行なったところ、実
施例1〜5と同傾向の効果が得られた。
【0049】また図1に示す圧縮機1において、隣接す
る複数の圧縮部を仕切る仕切板7と、この仕切板7に回
転しながら摺接するローラ10a,10bとで形成され
る摺動部についても、同様に適用することができる。
る複数の圧縮部を仕切る仕切板7と、この仕切板7に回
転しながら摺接するローラ10a,10bとで形成され
る摺動部についても、同様に適用することができる。
【0050】さらに上記実施例においては、ロータリ圧
縮機に本願発明を適用した例で示しているが、適用対象
はロータリ圧縮機に限定されず、例えば、スクロール圧
縮機、レシプロ圧縮機等の種々の形式の圧縮機について
も同様に適用することができる。例えば、スクロールタ
イプの圧縮機において、旋回スクロールの位置規制を行
なうとともに自転の防止を図るために用いるオルダムリ
ングを上記の鉄系焼結合金で形成する一方、旋回スクロ
ールおよび固定スクロールを鋳物あるいはアルミニウム
系鋳物で構成した場合においても、従来材を使用した場
合よりも、優れた耐摩耗性および耐焼付性が発揮され耐
久性が優れた圧縮機とすることができた。
縮機に本願発明を適用した例で示しているが、適用対象
はロータリ圧縮機に限定されず、例えば、スクロール圧
縮機、レシプロ圧縮機等の種々の形式の圧縮機について
も同様に適用することができる。例えば、スクロールタ
イプの圧縮機において、旋回スクロールの位置規制を行
なうとともに自転の防止を図るために用いるオルダムリ
ングを上記の鉄系焼結合金で形成する一方、旋回スクロ
ールおよび固定スクロールを鋳物あるいはアルミニウム
系鋳物で構成した場合においても、従来材を使用した場
合よりも、優れた耐摩耗性および耐焼付性が発揮され耐
久性が優れた圧縮機とすることができた。
【0051】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る圧縮機用
摺動部品材料によれば、従来材と比較して耐摩耗性、潤
滑性および耐焼付性に優れた特性を有しているため、こ
の材料で形成した摺動部品を備えた圧縮機は、長期間に
亘って過酷な条件で運転した場合においても、優れた耐
久性を発揮する。
摺動部品材料によれば、従来材と比較して耐摩耗性、潤
滑性および耐焼付性に優れた特性を有しているため、こ
の材料で形成した摺動部品を備えた圧縮機は、長期間に
亘って過酷な条件で運転した場合においても、優れた耐
久性を発揮する。
【0052】特に封孔処理を施し鉄酸化物を所定量生成
した焼結体で摺動部品を形成することにより、潤滑油の
保持性および気密性が向上し、冷媒ガス等の圧縮対象ガ
スを透過させることがなく、圧縮機の体積効率を改善す
ることができる。
した焼結体で摺動部品を形成することにより、潤滑油の
保持性および気密性が向上し、冷媒ガス等の圧縮対象ガ
スを透過させることがなく、圧縮機の体積効率を改善す
ることができる。
【図1】密閉型ロータリ圧縮機の構造を示す縦断面図。
【図2】図1に示す圧縮機のロータ部を示す平断面図。 1 圧縮機 2 ケ―シング 3a モータ 3b 圧縮要素 4 回転軸 5 主軸受 6 副軸受 7 仕切板 8,8a,8b シリンダ 9,9a,9b 偏心部 10,10a,10b ローラ 11,11a,11b ベーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C22C 33/02 E 7619−4K B 7619−4K
Claims (6)
- 【請求項1】 Cを2〜4wt%、Cuを1〜9wt
%、Snを0.3〜3wt%、Siを1.5〜4wt
%、残部実質的にFeから成り、フェライトおよびパー
ライト基地に遊離黒鉛、青銅および鉄酸化物が分散した
組織を有し、上記鉄酸化物の含有量が5〜20Vol %で
ある鉄系焼結合金で形成したことを特徴とする圧縮機用
摺動部品材料。 - 【請求項2】 Cを2〜4wt%、Cuを1〜9wt
%、Snを0.3〜3wt%、Siを1.5〜4wt
%、Niを0.5〜4wt%、残部実質的にFeから成
り、フェライトおよびパーライト基地に遊離黒鉛、青銅
および鉄酸化物が分散した組織を有し、上記鉄酸化物の
含有量が5〜20Vol %である鉄系焼結合金で形成した
ことを特徴とする圧縮機用摺動部品材料。 - 【請求項3】 Cを2〜4wt%、Cuを1〜9wt
%、Snを0.3〜3wt%、Siを1.5〜4wt
%、Moを0.5〜10wt%、残部実質的にFeから
成り、フェライトおよびパーライト基地に遊離黒鉛、青
銅および鉄酸化物が分散した組織を有し、上記鉄酸化物
の含有量が5〜20Vol %である鉄系焼結合金で形成し
たことを特徴とする圧縮機用摺動部品材料。 - 【請求項4】 焼結合金の密度が6〜7g/cm3 である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮
機用摺動部品材料。 - 【請求項5】 焼結合金の硬さをHRB硬度で80〜12
0に設定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
に記載の圧縮機用摺動部品材料。 - 【請求項6】 焼結合金の耐圧性が0.5MPa以上で
あることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の
圧縮機用摺動部品材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21116991A JPH0551709A (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | 圧縮機用摺動部品材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21116991A JPH0551709A (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | 圧縮機用摺動部品材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0551709A true JPH0551709A (ja) | 1993-03-02 |
Family
ID=16601557
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21116991A Pending JPH0551709A (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | 圧縮機用摺動部品材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0551709A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1013926A1 (de) * | 1998-12-18 | 2000-06-28 | Hydraulik Ring GmbH | Hydraulische Verdrängermaschine, insbesondere Verdrängerpumpe |
EP1158171A1 (en) * | 1994-04-28 | 2001-11-28 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Compressor |
US7361235B2 (en) * | 2002-08-08 | 2008-04-22 | Japan Nuclear Cycle Development Institute | Method for producing dispersed oxide reinforced ferritic steel having coarse grain structure and being excellent in high temperature creep strength |
-
1991
- 1991-08-22 JP JP21116991A patent/JPH0551709A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1158171A1 (en) * | 1994-04-28 | 2001-11-28 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Compressor |
EP1013926A1 (de) * | 1998-12-18 | 2000-06-28 | Hydraulik Ring GmbH | Hydraulische Verdrängermaschine, insbesondere Verdrängerpumpe |
US6450792B1 (en) | 1998-12-18 | 2002-09-17 | Hydraulik-Ring Gmbh | Hydraulic displacement machine |
US7361235B2 (en) * | 2002-08-08 | 2008-04-22 | Japan Nuclear Cycle Development Institute | Method for producing dispersed oxide reinforced ferritic steel having coarse grain structure and being excellent in high temperature creep strength |
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