JPH06330715A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JPH06330715A
JPH06330715A JP12025793A JP12025793A JPH06330715A JP H06330715 A JPH06330715 A JP H06330715A JP 12025793 A JP12025793 A JP 12025793A JP 12025793 A JP12025793 A JP 12025793A JP H06330715 A JPH06330715 A JP H06330715A
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JP
Japan
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valve
engine
intake
output value
timing
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Application number
JP12025793A
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Inventor
Yasuhito Tsutsumi
泰人 堤
Takeshi Tagami
健 田上
Makoto Suzuki
鈴木  誠
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高いバルブタイミングの追従性を要求される運
転条件下や、機関温度が低く、タイミング制御用の作動
油の粘性が上昇したとき、あるいは機関回転数が低く、
油圧が不足するとき等において、応答遅れを補償し高い
追従性を得る。 【構成】 エンジン1の冷間運転時において、ECU7
0は水温センサ65の冷却水温が所定値以下の場合、エ
アーフローメータ62の出力値のなまし前の生出力値を
選択する。ECU70はそのなまし前の生出力値に基づ
いて目標進角量を演算し、可変バルブタイミング機構2
3の制御範囲を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は内燃機関の運転状態に
応じて吸気バルブ或いは排気バルブの開閉タイミングを
連続的に可変にする可変バルブタイミング機構を備えた
バルブタイミング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、特開昭60−190610号に示
されているようにエンジンの加速時に吸気の吹返しを防
止し、空気の充填効率を高めるために吸気バルブの閉じ
タイミングの目標値を通常よりも大きく設定することが
提案されている。このことにより、可変バルブタイミン
グ機構の機械的遅れを補償してエンジン加速時のバルブ
タイミング制御の応答性を向上することができる。
【0003】特に油圧駆動式の可変バルブタイミング機
構は冷間時においては、作動油の粘性が高いため、作動
速度が遅く、過渡時の追従性が悪くなる。又、エンジン
回転数が低いと、作動油の油圧が低いため、作動速度が
遅くなり、同様に過渡時の追従性が悪化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】さらに、冷間加速時に
おいて吸入空気量の変化に基づいてタイミングの目標値
を設定する場合、スロットル開度TAが図7の場合、実
際の空気量に対してエアーフローメータの出力値AFM
は図8の実線に示すようになる。この図面に示すように
実際のエアーフローメータの出力値にはオーバーシュー
トがあるため、このオーバーシュートの悪影響をなくす
目的でこの出力値の代りに点線で示すようになまし出力
値AFMSMが採用されている。このなまし出力値AF
MSMは出力値AFMよりも立ち上がりが遅れており、
このなまし出力値に基づいて可変バルブタイミング機構
の目標進角値を求めて、可変バルブタイミング機構を作
動させると、さらに、立ち上がりが遅れ、実際の空気量
に対して大幅に追従性が悪化する問題がある。
【0005】このように、もともと実吸入空気量変化に
対して吸気通路に設けられたエアーフローメータのなま
し出力値には遅れ側に誤差が存在し、タイミング制御の
追従性を向上させるには限界がある。
【0006】このような問題はエンジン回転数が低い場
合にも、作動油の油圧が低いため同様に存在する。この
発明の目的は、加速時、減速時あるいは所定条件以上の
加減速時等のように高いバルブタイミングの追従性を要
求される運転条件下や、機関温度が低く、タイミング制
御用の作動油の粘性が上昇したとき、あるいは機関回転
数が低く、油圧が不足するとき等において、応答遅れを
補償して、高い追従性を得ることができる内燃機関のバ
ルブタイミング制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明においては図1に示すように、内燃機関
M1の回転に同期して駆動され、燃焼室M2に通じる吸
気通路M3及び排気通路M4をそれぞれ開閉するための
吸気バルブM5及び排気バルブM6と、吸気バルブM5
の開閉タイミングを可変にするために駆動される可変バ
ルブタイミング機構M7と、内燃機関M1の運転状態を
検出するための運転状態検出手段M8と、前記運転状態
検出手段M8の検出結果のうち少なくとも吸入空気量を
検出するエアーフローメータM9のなまし出力値に基づ
いて、前記バルブオーバラップ量を制御すべく前記可変
バルブタイミング機構M7を駆動制御する駆動制御手段
M10とを備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置
において、前記運転状態検出手段の検出結果によって特
定の機関状態、あるいは機関運転条件のとき、前記エア
ーフローメータM9の出力値のなまし前の生出力値を選
択する選択手段M11と、前記選択手段M11が選択し
たエアーフローメータM9の出力値のなまし前の生出力
値にて前記駆動制御手段M10における前記可変バルブ
タイミング機構M7の制御範囲を変更する進角量変更手
段M12とを備えたことを趣旨としている。
【0008】
【作用】上記の構成によれば、図1に示すように、内燃
機関M1の運転時に、吸気バルブM5及び排気バルブM
6が内燃機関M1の回転に同期して駆動され、燃焼室M
2に通じる吸気通路M3及び排気通路M4がそれぞれ開
閉されて燃焼室M2における吸排気が行われる。又、駆
動制御手段M10により可変バルブタイミング機構M7
が駆動制御されることにより、吸気バルブM5の開閉タ
イミングが変更される。又、これにより吸気バルブM5
と排気バルブM6とのバルブオーバラップが変更され
る。
【0009】そして、選択手段M11は運転状態検出手
段M8の検出結果によって特定の機関状態、あるいは機
関運転条件のとき、エアーフローメータM9の出力値の
なまし前の生出力値を選択する。進角量変更手段M11
は選択手段M11が選択したエアーフローメータM9の
出力値のなまし前の生出力値にて駆動制御手段M10に
おける前記可変バルブタイミング機構M7の制御範囲を
変更する。
【0010】
【実施例】以下、この発明における内燃機関のバルブタ
イミング制御装置をガソリンエンジンに具体化した一実
施例を図2〜図8に基づいて詳細に説明する。
【0011】図2はこの実施例における内燃機関のバル
ブタイミング制御装置を示す概略構成図である。複数気
筒よりなる内燃機関としてのエンジン1には、各気筒毎
のシリンダ2内においてピストン3が上下動可能にそれ
ぞれ設けられ、各ピストン3の上側が燃焼室4となって
いる。各燃焼室4には点火プラグ5がそれぞれ設けられ
ている。又、各燃焼室4には吸気ポート6a及び排気ポ
ート7aを通じて吸気通路6及び排気通路7がそれぞれ
連通して設けられている。そして、吸気ポート6a及び
排気ポート7aには、開閉用の吸気バルブ8及び排気バ
ルブ9がそれぞれ設けられている。これら吸気バルブ8
及び排気バルブ9は吸気側カムシャフト10及び排気側
カムシャフト11の回転によって駆動される。又、各カ
ムシャフト10,11の一端には、吸気側タイミングプ
ーリ12及び排気側タイミングプーリ13がそれぞれ設
けられている。更に、各タイミングプーリ12,13
は、タイミングベルト14を介して図示しないクランク
シャフトに駆動連結されている。
【0012】従って、エンジン1の運転時には、クラン
クシャフトからタイミングベルト14及び各タイミング
プーリ12,13を介して各カムシャフト10,11に
回転動力が伝達され、各カムシャフト10,11の回転
により吸気バルブ8及び排気バルブ9が開閉駆動され
る。又、これら吸気バルブ8及び排気バルブ9の開閉タ
イミングは、クランクシャフトの回転に同期して、即ち
吸気行程、圧縮行程、爆発・膨張行程及び排気行程の一
連の4行程に同期して、所定のタイミングで開閉駆動さ
れる。
【0013】吸気通路6の入口側にはエアクリーナ15
が設けられている。各気筒毎の吸気ポート6aの近傍に
は、燃料噴射用のインジェクタ16がそれぞれ設けられ
ている。そして、吸気通路6にはエアクリーナ15を通
じて外気が取り込まれる。又、その外気の取り込みと同
時に、吸気ポート6aには各インジェクタ16から燃料
が噴射される。そして、エンジン1では、それら外気と
燃料との混合気が、吸入行程における吸気バルブ8の開
きに同期して燃焼室4に導入される。又、エンジン1で
は、燃焼室4に導入された混合気が点火プラグ5の点火
により爆発・燃焼されて駆動力が得られる。又、燃焼後
の排気ガスは、排気行程における排気バルブ9の開きに
同期して排気ポート7aから導出され、更に排気通路7
を通じて外部へと排出される。
【0014】吸気通路6の途中には、図示しないアクセ
ルペダルの操作に連動して開閉されるスロットルバルブ
17が設けられている。このスロットルバルブ17が開
閉されることにより、吸気通路6への外気の取り込み量
である吸入空気量が調節される。吸気通路6においてス
ロットルバルブ17の下流側には、吸入空気の脈動を平
滑化させるためのサージタンク18が設けられている。
又、吸気通路6においてエアクリーナ15の近傍には、
吸気温度THAを検出するための吸気温センサ61が設
けられている。同じく、エアクリーナ15の近傍には、
吸入空気量を検出するためのエアフローメータ62が設
けられている。又、スロットルバルブ17の近傍には、
そのスロットル開度TAを検出するためのスロットルセ
ンサ63が設けられている。
【0015】一方、排気通路7の途中には、排気ガスを
浄化するための三元触媒19を内蔵してなる触媒コンバ
ータ20が設けらている。又、排気通路7の途中には、
排気中の酸素濃度を検出するための酸素センサ64が設
けられている。
【0016】又、エンジン1には、その冷却水の温度
(冷却水温)THWを検出するための水温センサ65が
設けられている。各気筒毎の各点火プラグ5には、ディ
ストリビュータ21にて分配された点火信号が印加され
る。ディストリビュータ21はイグナイタ22から出力
される高電圧をクランクシャフトの回転、即ちクランク
角に同期して各点火プラグ5に分配する。そして、各点
火プラグ5の点火タイミングはイグナイタ22からの高
電圧出力タイミングにより決定される。
【0017】ディストリビュータ21には、排気側カム
シャフト11に連結されてクランクシャフトに連動して
回転される図示しないロータが内蔵されている。そし
て、ディストリビュータ21には、そのロータの回転か
らエンジン1の回転数(エンジン回転数)NEを検出す
るための回転数センサ66が取り付けられている。又、
ディストリビュータ21には、同じくロータの回転に応
じてエンジン1のクランク角基準位置GPを所定の割合
で検出するための気筒判別センサ67が取り付けられて
いる。この実施例では、エンジン1における吸気行程、
圧縮行程、爆発・膨張行程及び排気行程の一連の4行程
に対してクランクシャフトが2回転するものとして、回
転数センサ66では1パルス当たり30°CAの割合で
クランク角が検出される。又、気筒判別センサ67では
1パルス当たり360°CAの割合でクランク角が検出
される。
【0018】この実施例では、上記したエアフローメー
タ62、スロットルセンサ63及び回転数センサ66等
によりエンジン1の運転状態を検出するための運転状態
検出手段が構成されている。
【0019】加えて、この実施例において、吸気側タイ
ミングプーリ12には、吸気バルブ8の開閉タイミング
を可変にするために油圧により駆動される可変バルブタ
イミング機構(以下単に「VVT」という)23が設け
られている。
【0020】ここで、このVVT23等の構成について
図3に従って詳しく説明する。カムシャフト10はその
カムジャーナル10aがエンジン1のシリンダヘッド1
aとベアリングキャップ1bとの間で回転可能に支持さ
れている。そして、カムシャフト10の一端部に、タイ
ミングプーリ12と一体に設けられたVVT23が設け
られている。
【0021】タイミングプーリ12は、外周に複数の外
歯31を有すると共に一側に収容凹部32を備えてい
る。又、その収容凹部32を覆うようにカムシャフト1
0の先端にはキャップ33がボルト34により締付け固
定されている。更に、タイミングプーリ12の開口端と
キャップ33の外周との間には、そのプーリ12に圧入
固定されたアウタープレート35と、キャップ33に形
成されたインナープレート36等とからなる緩衝用の周
知の粘性継手(ビスカスカップリング)37が設けられ
ている。
【0022】このタイミングプーリ12とカムシャフト
10との間にはリングギヤ38が介在され、両者12,
10が連結されている。即ち、キャップ33により密閉
されたタイミングプーリ12の収容凹部32にはリング
ギヤ38が収容されている。このリングギヤ38は、そ
の内外周に設けられた複数の歯38a,38bの両方が
ヘリカル歯になっており、軸方向への移動によってカム
シャフト10と相対回動可能になっている。リングギヤ
38の内外周の歯38a,38bはタイミングプーリ1
2の内歯12a及びキャップ33の内歯33aにそれぞ
れ噛み合わされている。又、タイミングプーリ12はそ
の外歯31に掛装されたタイミングベルト14を介し
て、図示しないクランクシャフトに駆動連結されてい
る。
【0023】従って、クランクシャフトからタイミング
ベルト14を介してタイミングプーリ12に駆動伝達さ
れることにより、更にリングギヤ38で連結されたタイ
ミングプーリ12とキャップ33とが一体的に回転さ
れ、カムシャフト10が回転駆動される。この時、リン
グギヤ38が軸方向(図3の左右方向)へ移動されるこ
とにより、カムシャフト10にタイミングプーリ12に
対する捩じりが付与される。その結果、カムシャフト1
0とタイミングプーリ12との回転方向における相対位
置が変えられ、吸気バルブ8の開閉タイミングが変えら
れる。このカムシャフト10の捩じりの際にリングギヤ
38のバックラッシに起因するガタツキは、ビスカスカ
ップリング37の作用により緩衝されて異音の発生が抑
えられる。
【0024】リングギヤ38を油圧により駆動させるた
めに、タイミングプーリ12の収容凹部32において、
リングギヤ38の軸方向一端側は、作動油による油圧を
導入する加圧室39となっている。又、同じく収容凹部
32において、リングギヤ38の他端側は、その油圧に
対抗する釣り合い用のスプリング40を収容するスプリ
ング室41となっている。更に、加圧室39に作動油に
よる油圧を供給するために、エンジン1のシリンダヘッ
ド1a及びカムシャフト10には、互いに連通するヘッ
ド油路42及びシャフト油路43がそれぞれ形成されて
いる。
【0025】一方、加圧室39から作動油を抜くため
に、タイミングプーリ12及びカムシャフト10の一部
には、加圧室39からスプリング室41へ洩れ出た作動
油を導出するための戻し油路44が形成されている。
又、その戻し油路44に連通して、タイミングプーリ1
2の一端側には、カムシャフト10、シリンダヘッド1
a、ベアリングキャップ1b及びゴム製のシール45に
よって囲まれた油回収室46が設けられている。更に、
カムシャフト10の下側位置にて、シリンダヘッド1a
の一部には、油回収室46にて回収された作動油をエン
ジン1のオイルパン47へ戻すための油戻し孔48が形
成されている。
【0026】尚、シリンダヘッド1aの上側はヘッドカ
バー49によって覆われている。又、シリンダヘッド1
aには、カムジャーナル10aに潤滑油を供給するため
のヘッド油路50が形成されている。
【0027】この実施例では、作動油としてエンジン1
の潤滑油が利用されている。即ち、図2,3に示すよう
に、エンジン1の運転に連動するオイルポンプ51が駆
動されることにより、オイルパン47に溜まった潤滑油
が吸い上げられる。そして、その潤滑油がオイルフィル
タ52から第1のオイルスイッチングバルブ(OSV)
53を介して作動油として、シリンダヘッド1aのヘッ
ド油路42に供給される。又、オイルポンプ51により
吸い上げられた潤滑油は、オイルフィルタ52から別の
ヘッド油路50へ導かれ、カムジャーナル10aに供給
される。一方、ヘッド油路42からの戻りの潤滑油は、
ドレン用の第2のOSV55を介してオイルパン47に
ドレンされる。
【0028】加圧室39に対するの作動油の供給とその
解除は、第1及び第2のOSV53,54のオン・オフ
切換えにより制御される。つまり、第1のOSV53が
オンされ、第2のOSV54がオフされた時には、ヘッ
ド油路42へ作動油が供給され、作動油はヘッド油路4
2からシャフト油路43を通じて加圧室39に導入され
る。そして、その油圧によりリングギヤ38がスプリン
グ40の付勢力に抗して軸方向の一方(図3の右方向)
へ押圧される。これにより、カムシャフト10に捩じり
が付与されてタイミングプーリ12に対する回転位相が
変えられる。即ち、図5(b)に示すように、吸気バル
ブ8の開き・閉じのタイミング、即ち開閉タイミングが
早められ(進角され)、吸気行程における吸気バルブ8
と排気バルブ9とのバルブオーバラップが大きくなる方
向へ変えられる。
【0029】一方、第1のOSV53がオフされ、第2
のOSV54がオンされた時には、ヘッド油路42への
作動油の供給が遮断される。これにより、加圧室39で
は油圧が抜け、リングギヤ38がスプリング40の付勢
力によって軸方向の他方(図3の左方向)へ押圧されて
戻される。これにより、カムシャフト10に逆の捩じり
が付与されてタイミングプーリ12に対する回転位相が
変えられる。即ち、図5(a)に示すように、吸気バル
ブ8の開閉タイミングが遅らされ(遅角され)、吸気行
程におけるバルブオーバラップが小さくなる方向へ変え
られる。この時、加圧室39からスプリング室41へ洩
れ出る作動油は、戻し油路44を通じて油回収室46へ
と導かれ、油戻し孔48を通じてオイルパン47へとド
レンされる。
【0030】各インジェクタ16、イグナイタ22、第
1及び第2のOSV53,54は電子制御装置(以下単
に「ECU」という)70に電気的に接続され、同EC
U70の作動によりそれらの駆動タイミングが制御され
る。このECU70により駆動制御手段、選択手段、進
角量変更手段が構成されている。そして、ECU70に
は前述した吸気温センサ61、エアフローメータ62、
スロットルセンサ63、酸素センサ64、水温センサ6
5、回転数センサ66及び気筒判別センサ67がそれぞ
れ接続されている。ECU70はこれら各センサ61,
63〜67及びエアフローメータ62からの出力信号に
基き各インジェクタ16、イグナイタ22、第1及び第
2のOSV53,54を好適に制御する。
【0031】次に、ECU70に係る電気的構成につい
て図4のブロック図に従って説明する。ECU70は中
央処理装置(CPU)71、所定の制御プログラム等を
予め記憶した読み出し専用メモリ(ROM)72、CP
U71の演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメ
モリ(RAM)73、予め記憶されたデータを保存する
バックアップRAM74等を備えている。そして、EC
U70は各部材71〜74と外部入力回路75及び外部
出力回路76等とをバス77によって接続した理論演算
回路として構成されている。
【0032】外部入力回路75には、前述した吸気温セ
ンサ61、エアフローメータ62、スロットルセンサ6
3、酸素センサ64、水温センサ65、回転数センサ6
6及び気筒判別センサ67がそれぞれ接続されている。
【0033】一方、外部出力回路76には、各インジェ
クタ16、イグナイタ22、第1のOSV53及び第2
のOSV54がそれぞれ接続されている。そして、CP
U71は外部入力回路75を介して入力される各センサ
61,63〜67及びエアフローメータ62等からの出
力信号を入力値として読み込む。又、CPU71はその
読み込まれた入力値に基づき、各インジェクタ16、イ
グナイタ22、第1及び第2のOSV53,54等を好
適に制御する。
【0034】次に、前述したECU70により実行され
るバルブタイミング制御の処理動作について図6〜図9
に従って説明する。図6のフローチャートはECU70
により実行される各処理のうち、吸気バルブ7の開閉タ
イミングを切り換えるために行われる「バルブタイミン
グ制御ルーチン」を示しており、エンジン1の運転中に
所定時間(この実施例では「10ms」)毎の定時割り
込みで実行される。
【0035】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ101において、エアフローメータ62、スロッ
トルセンサ63及び回転数センサ66からの各出力信号
に基づき、吸入空気量の生出力値Q1、スロットル開度
TA及びエンジン回転数NEをそれぞれ読み込む。そし
て、前記吸入空気量の生出力値Q1に基づいてなまし出
力値Q2を算定する。なお、前記生出力値Q1は図8の
実線(AFM)で示すようにオーバーシュートが存在す
る。又、算定されたなまし出力値は図8の点線(AFM
SM)で示すように生出力値Q1よりも立ち上がりを遅
らせ、オーバーシュートがないようになっている。
【0036】続いて、ステップ102において、エンジ
ン1がアイドル運転状態であるか否かを判断する。この
判断は、今回読み込まれたスロットル開度TA及びエン
ジン回転数NE等に基づいて行われる。ここで、アイド
ル運転状態である場合には、ステップ110において、
VVT23を駆動させて吸気バルブ8の開閉タイミング
を遅角させるために、第1のOSV53をオフさせると
共に第2のOSV54をオンさせる。そして、このステ
ップ110の処理を終了した後、その後の処理を一旦終
了する。
【0037】一方、ステップ102において、アイドル
運転状態でない場合には、ステップ103で冷却水温T
HWが所定値Tよりも低いが否かを判定する。すなわ
ち、機関温度が冷間時か否かを判定する。冷却水温TH
Wが所定値Tよりも高い場合にはステップ104に移行
する。ステップ104においては吸入空気量の生出力値
Q1を吸入空気量Qとして設定し、ステップ106に移
行する。ステップ103において冷却水温THWが所定
値T以下の場合には、冷間時と判定してステップ105
に移行する。ステップ105においては吸入空気量のな
まし出力値Q2を吸入空気量Qとして設定し、ステップ
106に移行する。
【0038】次にステップ106において、前記設定さ
れた吸入空気量Q及びエンジン回転数NEより、エンジ
ン1の負荷状態を指示する負荷相当値QNを求める。即
ち、吸入空気量Qをエンジン回転数NEで割り算した結
果を負荷相当値QNとして設定する。又、ステップ10
7において、その負荷相当値QNとエンジン回転数NE
とに基づき、エンジン1の運転領域を演算する。即ち、
エンジン1が低回転、中回転、或いは高回転の運転領域
であるか、並びにエンジン1が低負荷、中負荷、或いは
高負荷の運転領域であるかを演算する。 そして、ステ
ップ108において、今回演算された運転領域が、吸気
バルブ8の開閉タイミングを進角させるべき「進角領
域」であるか否かを判断する。
【0039】そして、ステップ108において、エンジ
ン1の運転領域が「進角領域」である場合には、ステッ
プ109において、VVT23を駆動させ、吸気バルブ
8の開閉タイミングを進角させるために、第1のOSV
53をオンさせると共に第2のOSV54をオフさせ
る。そして、このステップ109の処理を終了した後、
その後の処理を一旦終了する。 一方、ステップ108
において、エンジン1の運転領域が「進角領域」でない
場合、即ち「遅角領域」である場合には、ステップ11
0へ移行し、前述したと同様の処理を実行した後、その
後の処理を一旦終了する。
【0040】上記のようにして、吸気バルブ8の開閉タ
イミングを変更させるためのバルブタイミング制御が実
行される。このようにこの実施例では吸気バルブ8の開
閉タイミングを制御するに当たり、エンジン1の運転領
域が「進角領域」であるか「遅角領域」であるかがVV
T制御マップを参照して判断される。そして、その判断
結果に応じて第1及び第2のOSV53,54がオン・
オフされることによりVVT23が駆動され、吸気バル
ブ8の開閉タイミングが進角側又は遅角側へ変更され
る。又、それによって、吸気バルブ8と排気バルブ9と
のバルブオーバラップが大小に変更される。
【0041】そして、この実施例では冷間時において運
転領域が進角領域の場合にはエアーフローメータ62の
生出力値Q1に基づいてVVT23の進角量が設定され
て、制御されることになる。従って、目標の進角量の立
ち上がりは従来のなまし出力値Q2に基づいて目標の進
角量を設定した場合に比較して速くなる。なお、生出力
値Q1にはオーバーシュートが存在するが、作動油の粘
性による作動遅れによって、実際のVVT23の進角量
は実際には現れない。従って、なまし出力値Q2に基づ
いてVVT23の進角量が設定されて、制御されていた
従来の場合(図9の点線で示す)と比較して図9の実線
で示すようにVVT23の進角量の立ち上がりは速くな
り、実際の空気量で制御した場合の立ち上がりに近くす
ることができる。
【0042】又、排気ガス中の有害成分であるNOx、
HCを低減することができ、燃費を向上することができ
る。そして、冷間過渡時においても実際の空気量に対し
て適切に近い吸気バルブの進角量を制御できるため、内
部EGRを十分に確保することができる。
【0043】なお、この実施例ではアイドル運転状態で
は、吸気バルブ8の開閉タイミングが遅角されることか
ら、排気行程から吸気行程へ移る直前での吸気バルブ8
の開きが遅くなり、バルブオーバラップが小さくなる。
よって、この運転領域では、吸入空気の量と勢いが小さ
いのに合わせて、燃焼室4にうまく吸入空気が導入さ
れ、アイドル運転を安定させることができる。
【0044】次に第二実施例を図10に従って説明す
る。この実施例では前記第一実施例の構成中、ステップ
101とステップ102の間にステップ111が入り、
さらにステップ103の代りにステップ112の処理が
行なわれることが異なっている。
【0045】ステップ111においては、時間に対する
スロットル開度TAの変化量、すなわちdTA/dtを
演算する。又、ステップ112においてはステップ11
1にて算出されたdTA/dtが所定値X以上か否か、
すなわち、加速時が否かを判定する。そして、ステップ
112において加速時ではないと判定すると、ステップ
105に移行し、加速時であると判定すると、ステップ
104に移行する。
【0046】従って、この第二実施例ではスロットル開
度TAを基づいて加速時か否かを判定し、加速時と判定
されると、吸入空気量の生出力値Q1に基づいてVVT
目標進角量を算出する。この場合にも前記実施例と同様
にオーバーシュートが存在するが、作動油の粘性による
作動遅れによって、実際のVVT23の進角量は実際に
は現れない。従って、なまし出力値Q2に基づいてVV
T23の進角量が設定されて、制御されていた従来の場
合(図9の点線で示す)と比較して図9の実線で示すよ
うにVVT23の進角量の立ち上がりは速くなり、実際
の空気量で制御した場合の立ち上がりに近くすることが
できる。
【0047】尚、この発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、二つのOSV53,54により
駆動切換えされる油圧式のVVT23を用いたが、これ
に限定されるものではなく、一つのOSVを使用して駆
動切換えされるVVTを用いてもよい。
【0048】(2)前記第一実施例では、ステップ10
3において冷却水温THWが所定値以内の場合に、空気
量Q1(AFM)に基づいて目標進角量を設定したが、
その代りにエンジン回転数NEが所定値よりも低い時に
空気量Q1(AFM)に基づいて目標進角量を設定して
もよい。このようにすると、作動油の油圧が低い場合、
すなわち、エンジン回転数が低回転過渡時においても実
際の空気量に対し適切に近い吸気バルブの進角量に制御
でき、内部EGRが十分に確保される。
【0049】(3)前記第二実施例では加速時に対応す
るようにしたが、ステップ112を所定値以上の減速時
の場合に、空気量Q1(AFM)に基づいて目標進角量
を設定してもよい。
【0050】(4)前記各実施例では加速時、減速時あ
るいは冷却水温が所定値以下の場合、エンジン回転数が
所定値以下の場合に具体化したが、これらの諸条件を複
数組合せもよい。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、加速時、減速時あるいは所定条件以上の加減速時等
のように高いバルブタイミングの追従性を要求される運
転条件下や、機関温度が低く、タイミング制御用の作動
油の粘性が上昇したとき、あるいは機関回転数が低く、
油圧が不足するとき等において、応答遅れを補償して、
高い追従性を得ることができることができるという優れ
た効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本的な概念構成を説明する概念構
成図である。
【図2】この発明を具体化した第一実施例における内燃
機関のバルブタイミング制御装置を示す概略構成図であ
る。
【図3】同じくVVT等の構成を示す断面図である。
【図4】同じくECU等の構成を示すブロック図であ
る。
【図5】同じく吸気バルブ及び排気バルブの開閉タイミ
ングの関係を説明し、(a)は吸気バルブの開閉タイミ
ングを遅角させた場合の説明図、(b)は吸気バルブの
開閉タイミングを進角させた場合の説明図である。
【図6】同じくECUにより実行される「バルブタイミ
ング制御ルーチン」を説明するフローチャートである。
【図7】同じくある状態における時間に対するスロット
ル開度を示す説明図である。
【図8】エアーフローメータの実出力値(AFM),な
まし出力値(AFMSM),実際の空気量の特性曲線を
示すグラフである。
【図9】エアーフローメータの実出力値(AFM)及び
なまし出力値(AFMSM)でVVT進角制御を行なっ
た場合の進角量の特性図である。
【図10】第二実施例のECUにより実行される「バル
ブタイミング制御ルーチン」を説明するフローチャート
である。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、4…燃焼室、6…吸気
通路、7…排気通路、8…吸気バルブ、9…排気バル
ブ、23…可変バルブタイミング機構(VVT)、62
…エアフローメータ、63…スロットルセンサ、66…
回転数センサ(62,63,65,66は運転状態検出
手段を構成している)、70…ECU(駆動制御手段、
選択手段、進角量変更手段を構成している)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の回転に同期して所定のタイミ
    ングで駆動され、燃焼室に通じる吸気通路及び排気通路
    をそれぞれ開閉する吸気バルブ及び排気バルブと、前記
    吸気バルブ及び前記排気バルブの少なくとも一方を駆動
    してバルブオーバラップ量を可変にするための可変バル
    ブタイミング機構と、前記内燃機関の運転状態を検出す
    る運転状態検出手段と、前記運転状態検出手段の検出結
    果のうち少なくとも吸入空気量を検出するエアーフロー
    メータのなまし出力値に基づいて、前記バルブオーバラ
    ップ量を制御すべく前記可変バルブタイミング機構を駆
    動制御する駆動制御手段とを備えた内燃機関のバルブタ
    イミング制御装置において、 前記運転状態検出手段の
    検出結果によって特定の機関状態、あるいは機関運転条
    件のとき、前記エアーフローメータの出力値のなまし前
    の生出力値を選択する選択手段と、 前記選択手段が選択したエアーフローメータの出力値の
    なまし前の生出力値にて前記駆動制御手段における前記
    可変バルブタイミング機構の制御範囲を変更する進角量
    変更手段とを備えたことを特徴とする内燃機関のバルブ
    タイミング制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4000443A1 (de) * 1989-01-09 1990-07-12 Hitachi Ltd Messinstrument und verfahren zur behandlung einer abnormalitaet bei einem messinstrument
EP0899456A1 (en) * 1996-05-16 1999-03-03 NGK Spark Plug Co. Ltd. Ignition device
JP2016037869A (ja) * 2014-08-06 2016-03-22 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

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