JP3265711B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JP3265711B2
JP3265711B2 JP12025893A JP12025893A JP3265711B2 JP 3265711 B2 JP3265711 B2 JP 3265711B2 JP 12025893 A JP12025893 A JP 12025893A JP 12025893 A JP12025893 A JP 12025893A JP 3265711 B2 JP3265711 B2 JP 3265711B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は内燃機関の運転状態に
応じて吸気バルブ或いは排気バルブの開閉タイミングを
連続的に可変にする可変バルブタイミング機構を備えた
バルブタイミング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、特開昭59−120707号に示
されているように内燃機関の負荷と回転数に基づいて、
バルブタイミングを適性に制御し、機関性能の向上を図
ることが行なわれている。前記負荷としては吸入空気量
やスロットル開度等があり、吸入空気量は、機関の実運
転状況を示すという反面、安定性、応答性に劣ってい
る。一方、スロットル開度は過渡応答性に優れている反
面、機関の実運転状況には必ずしも合致しているとは言
い難く、最適なバルブタイミング制御を行なうことは難
しい。
【0003】例えば、油圧駆動式の可変バルブタイミン
グ機構において、一方の片面側が油圧にて駆動され、他
方の片面側がスプリングにて駆動するタイプの可変バル
ブタイミング機構がある。この可変バルブタイミング機
構は、カムの駆動トルクに反して進角させるため、その
機構上、進角方向の作動は遅角方向の作動に比べて遅
く、遅角方向の作動が進角方向の作動に比べ、十分に速
いという特性がある。
【0004】そして、減速時には進角方向への作動より
も遅角方向への作動が多い。従って、減速時は作動が速
く、目標進角値に対して十分な追従性がある。又、加速
時は進角方向への作動が多く、そのため加速時は可変バ
ルブタイミング機構の作動が遅い。
【0005】ところで、従来の可変バルブタイミング機
構においては吸入空気量GNとエンジン回転数NEのマ
ップ(以下、GN−NEマップという)、スロットル開
度TAとエンジン回転数NEのマップ(以下、TA−N
Eマップという)を参照してそれぞれ目標進角値OCA
Mを求め、目標進角値の小さい方で制御を行なってい
た。
【0006】この理由は下記の通りである。図11は加
速時のスロットル開度TAの時間変化を示し、図12は
GN−NEマップ、TA−NEマップを参照してそれぞ
れ目標進角値OCAMを求めた場合の時間変化を示す。
なお、EはTA−NEマップを参照して得た目標進角値
OCAMを表わし、FはGN−NEマップを参照してそ
れぞれ目標進角値OCAMを表わす。
【0007】可変バルブタイミング機構に作動遅れがな
い場合、TA−NEマップで求めた目標進角値OCAM
(図12のE)で制御すると、実際の空気量に対し吸気
バルブが早く開くため、内部EGRが多くなり過ぎ燃焼
が悪化する。
【0008】図7は減速時のスロットル開度TAの時間
変化を示し、図8はGN−NEマップ、TA−NEマッ
プを参照してそれぞれ目標進角値OCAMを求めた場合
の時間変化を示す。なお、BはTA−NEマップを参照
して得た目標進角値OCAMを表わし、AはGN−NE
マップを参照してそれぞれ目標進角値OCAMを表わ
す。GN−NEマップにて求めた目標進角値OCCAM
(図8のA)は実際の吸入空気量に対してなましを行な
うため、少し立下がりに遅れが生じることになる。
【0009】この場合、可変バルブタイミング制御機構
に作動遅れがあると、実際の吸入空気量に対して大幅に
吸気バルブが早く開くため、内部EGRが多すぎて燃焼
が悪化することになる。
【0010】以上の理由から加減速状態においては、内
部EGR過多によって生じる燃焼悪化を防止すべく内部
EGRが減少側になるように安全サイドで制御するよう
にしている。すなわち、TA−NEマップ、GN−NE
マップで求めた目標進角値の小さいほうで制御してい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記の理由により、従
来は減速時においてはTA−NEマップで求めた目標進
角値(図8のB)がGN−NEマップで求めた目標進角
値(図8のA)より立ち下がりが早く、目標進角値の値
が小さいため、TA−NEマップで求めた目標進角値で
制御を行なっていた。
【0012】ところが、TA−NEマップで求めた目標
進角値は実際の吸入空気量に対して大幅に小さい。従っ
て、進角方向の作動は遅角方向の作動に比べて遅く、遅
角方向の作動が進角方向の作動に比べ、速い特性を備え
た可変バルブタイミング機構を備えたバルブタイミング
制御装置においては、前記のように追従性の良い減速時
では過遅角となり、内部EGRが十分に確保できない問
題があった。このため、HC,NOxの排気ガス等が増
加する。
【0013】一方、加速時は上記の理由によりTA−N
Eマップで求めた目標進角値(図12のE)に対し、G
N−NEマップで求めた目標進角値(図12のF)の方
が小さいため、GN−NEマップで求めた目標進角値で
制御を行なっていた。ところが、GN−NEマップで求
めた目標進角値(図12のF)はTA−NEマップで求
めた目標進角値(図12のE)に比べて立ち上がりが遅
。このため、進角方向の作動は遅角方向の作動に比べ
て遅く、遅角方向の作動が進角方向の作動に比べ、速い
特性を備えた可変バルブタイミング機構を備えたバルブ
タイミング制御装置においては、可変バルブタイミング
機構の応答性がさらに悪化することになる。
【0014】この発明の目的は、特定の機関状態で、例
えば加速時、減速時において高いバルブタイミングの応
答性を得ることができる内燃機関のバルブタイミング制
御装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明においては図1に示すように、内燃機関
M1の回転に同期して駆動され、燃焼室M2に通じる吸
気通路M3及び排気通路M4をそれぞれ開閉するための
吸気バルブM5及び排気バルブM6と、吸気バルブM5
の開閉タイミングを可変にするために駆動される可変バ
ルブタイミング機構M7と、内燃機関M1の運転状態を
検出するための運転状態検出手段M8と、前記運転状態
検出手段M8の検出結果に基づいて、前記バルブオーバ
ラップ量を制御すべく前記可変バルブタイミング機構M
7を駆動制御する駆動制御手段M9とを備えた内燃機関
のバルブタイミング制御装置において、前記運転状態検
出手段M8の検出結果によって特定の機関状態を判定す
る判定手段M10と、前記判定手段M10が判定した特
定の機関状態のとき、運転状態検出手段M8の検出結果
に基づいて吸入空気量と機関回転数とから得られるバル
ブタイミングの目標進角値と、運転状態検出手段M8の
検出結果に基づいてスロットル開度と機関回転数とから
得られるバルブタイミングの目標進角値とのうち、その
特定の機関状態に応じて予め進角側に設定されている
ルブタイミングの目標進角値を選択する選択手段M11
と、前記選択手段M11が選択したバルブタイミングの
目標進角値にて前記駆動制御手段M9における前記可変
バルブタイミング機構M7の制御範囲を変更する進角量
変更手段M12とを備えたことをその要旨としている。
【0016】請求項2の発明は、内燃機関の回転に同期
して所定のタイミングで駆動され、燃焼室に通じる吸気
通路及び排気通路をそれぞれ開閉する吸気バルブ及び排
気バルブと、前記吸気バルブ及び前記排気バルブの少な
くとも一方を駆動してバルブオーバラップ量を可変する
ための可変バルブタイミング機構と、前記内燃機関の運
転状態を検出する運転状態検出手段と、前記運転状態検
出手段の検出結果に基づいて、前記バルブオーバラップ
量を制御すべく前記可変バルブタイミング機構を駆動制
御する駆動制御手段とを備えた内燃機関のバルブタイミ
ング制御装置において、前記運転状態検出手段のスロッ
トル開度の検出結果によって減速時か否かを判定する減
速状態判定手段と、前記減速状態判定手段が減速時と判
定したとき、運転状態検出手段の検出結果に基づいて吸
入空気量と機関回転数とから得られるバルブタイミング
の目標進角値を選択する第一のバルブタイミング目標進
角値選択手段と、前記減速状態判定手段が減速時でない
と判定したとき、運転状態検出手段の検出結果に基づい
てスロットル開度と機関回転数とから得られるバルブタ
イミングの目標進角値を選択する第二のバルブタイミン
グ目標進角値選択手段と、前記第一のバルブタイミング
目標進角値選択手段又は前記第二のバルブタイミング目
標進角値選択手段が選択したバルブタイミングの目標進
角値にて前記駆動制御手段における前記可変バルブタイ
ミング機構の制御範囲を変更する第二の進角量変更手段
とを備えたことをその要旨としている。
【0017】請求項3の発明は、内燃機関の回転に同期
して所定のタイミングで駆動され、燃焼室に通じる吸気
通路及び排気通路をそれぞれ開閉する吸気バルブ及び排
気バルブと、前記吸気バルブ及び前記排気バルブの少な
くとも一方を駆動してバルブオーバラップ量を可変する
ための可変バルブタイミング機構と、前記内燃機関の運
転状態を検出する運転状態検出手段と、前記運転状態検
出手段の検出結果に基づいて、前記バルブオーバラップ
量を制御すべく前記可変バルブタイミング機構を駆動制
御する駆動制御手段とを備えた内燃機関のバルブタイミ
ング制御装置において、前記運転状態検出手段のスロッ
トル開度の検出結果によって加速時か否かを判定する加
速状態判定手段と、前記加速状態判定手段が加速時と判
定したとき、運転状態検出手段の検出結果に基づいてス
ロットル開度と機関回転数とから得られるバルブタイミ
ングの目標進角値を選択する第のバルブタイミング目
標進角値選択手段と、前記加速状態判定手段が加速時で
ないと判定したとき、運転状態検出手段の検出結果に基
づいて吸入空気量と機関回転数とから得られるバルブタ
イミングの目標進角値を選択する第四のバルブタイミン
グ目標進角値選択手段と、前記第のバルブタイミング
目標進角値選択手段又は第四のバルブタイミング目標進
角値選択手段が選択したバルブタイミングの目標進角値
にて前記駆動制御手段における前記可変バルブタイミン
グ機構の制御範囲を変更する第三の進角量変更手段とを
備えたことをその要旨としている。
【0018】
【作用】上記の構成によれば、図1に示すように、内燃
機関M1の運転時に、吸気バルブM5及び排気バルブM
6が内燃機関M1の回転に同期して駆動され、燃焼室M
2に通じる吸気通路M3及び排気通路M4がそれぞれ開
閉されて燃焼室M2における吸排気が行われる。又、駆
動制御手段M10により可変バルブタイミング機構M7
が駆動制御されることにより、吸気バルブM5の開閉タ
イミングが変更される。又、これにより吸気バルブM5
と排気バルブM6とのバルブオーバラップが変更され
る。
【0019】そして、判定手段M10は運転状態検出手
段M8の検出結果によって特定の機関状態を判定する。
選択手段M11は判定手段M10が判定した特定の機関
状態のとき、運転状態検出手段M8の検出結果に基づい
て吸入空気量と機関回転数とから得られるバルブタイミ
ングの目標進角値と、運転状態検出手段M8の検出結果
に基づいてスロットル開度と機関回転数とから得られる
バルブタイミングの目標進角値とのうち、その特定の機
関状態に応じて予め進角側に設定されているバルブタイ
ミングの目標進角値を選択する。第一の進角量変更手段
M12は、選択手段M11が選択したバルブタイミング
の目標進角値にて前記駆動制御手段M9における前記可
変バルブタイミング機構M7の制御範囲を変更する。
【0020】請求項2の発明においては、減速状態判定
手段が運転状態検出手段のスロットル開度の検出結果に
よって減速時か否かを判定する。そして、第一のバルブ
タイミング目標進角値選択手段は減速状態判定手段が減
速時と判定したとき、運転状態検出手段の検出結果に基
づいて吸入空気量と機関回転数とから得られるバルブタ
イミングの目標進角値を選択する。又、第二のバルブタ
イミング目標進角値選択手段は減速状態判定手段が減速
時でないと判定したとき、運転状態検出手段の検出結果
に基づいてスロットル開度と機関回転数とから得られる
バルブタイミングの目標進角値を選択する。第二の進角
量変更手段は第一のバルブタイミング目標進角値選択手
又は第二のバルブタイミング目標進角値選択手段が選
択したバルブタイミングの目標進角値にて前記駆動制御
手段における前記可変バルブタイミング機構の制御範囲
を変更する。
【0021】請求項3の発明においては、加速状態判定
手段が運転状態検出手段のスロットル開度の検出結果に
よって加速時か否かを判定する。第のバルブタイミン
グ目標進角値選択手段は、前記加速状態判定手段が加速
時と判定したとき、運転状態検出手段の検出結果に基づ
いてスロットル開度と機関回転数とから得られるバルブ
タイミングの目標進角値を選択する。又、第四のバルブ
タイミング目標進角値選択手段は加速状態判定手段が加
速時でないと判定したとき、運転状態検出手段の検出結
果に基づいて吸入空気量と機関回転数とから得られるバ
ルブタイミングの目標進角値を選択する。の進角量
変更手段は第のバルブタイミング目標進角値選択手段
又は第四のバルブタイミング目標進角値選択手段が選択
したバルブタイミングの目標進角値にて前記駆動制御手
段における前記可変バルブタイミング機構の制御範囲を
変更する。
【0022】
【実施例】以下、この発明における内燃機関のバルブタ
イミング制御装置をガソリンエンジンに具体化した一実
施例を図2〜図8に基づいて詳細に説明する。
【0023】図2はこの実施例における内燃機関のバル
ブタイミング制御装置を示す概略構成図である。複数気
筒よりなる内燃機関としてのエンジン1には、各気筒毎
のシリンダ2内においてピストン3が上下動可能にそれ
ぞれ設けられ、各ピストン3の上側が燃焼室4となって
いる。各燃焼室4には点火プラグ5がそれぞれ設けられ
ている。又、各燃焼室4には吸気ポート6a及び排気ポ
ート7aを通じて吸気通路6及び排気通路7がそれぞれ
連通して設けられている。そして、吸気ポート6a及び
排気ポート7aには、開閉用の吸気バルブ8及び排気バ
ルブ9がそれぞれ設けられている。これら吸気バルブ8
及び排気バルブ9は吸気側カムシャフト10及び排気側
カムシャフト11の回転によって駆動される。又、各カ
ムシャフト10,11の一端には、吸気側タイミングプ
ーリ12及び排気側タイミングプーリ13がそれぞれ設
けられている。更に、各タイミングプーリ12,13
は、タイミングベルト14を介して図示しないクランク
シャフトに駆動連結されている。
【0024】従って、エンジン1の運転時には、クラン
クシャフトからタイミングベルト14及び各タイミング
プーリ12,13を介して各カムシャフト10,11に
回転動力が伝達され、各カムシャフト10,11の回転
により吸気バルブ8及び排気バルブ9が開閉駆動され
る。又、これら吸気バルブ8及び排気バルブ9の開閉タ
イミングは、クランクシャフトの回転に同期して、即ち
吸気行程、圧縮行程、爆発・膨張行程及び排気行程の一
連の4行程に同期して、所定のタイミングで開閉駆動さ
れる。
【0025】吸気通路6の入口側にはエアクリーナ15
が設けられている。各気筒毎の吸気ポート6aの近傍に
は、燃料噴射用のインジェクタ16がそれぞれ設けられ
ている。そして、吸気通路6にはエアクリーナ15を通
じて外気が取り込まれる。又、その外気の取り込みと同
時に、吸気ポート6aには各インジェクタ16から燃料
が噴射される。そして、エンジン1では、それら外気と
燃料との混合気が、吸入行程における吸気バルブ8の開
きに同期して燃焼室4に導入される。又、エンジン1で
は、燃焼室4に導入された混合気が点火プラグ5の点火
により爆発・燃焼されて駆動力が得られる。又、燃焼後
の排気ガスは、排気行程における排気バルブ9の開きに
同期して排気ポート7aから導出され、更に排気通路7
を通じて外部へと排出される。
【0026】吸気通路6の途中には、図示しないアクセ
ルペダルの操作に連動して開閉されるスロットルバルブ
17が設けられている。このスロットルバルブ17が開
閉されることにより、吸気通路6への外気の取り込み量
である吸入空気量が調節される。吸気通路6においてス
ロットルバルブ17の下流側には、吸入空気の脈動を平
滑化させるためのサージタンク18が設けられている。
又、吸気通路6においてエアクリーナ15の近傍には、
吸気温度THAを検出するための吸気温センサ61が設
けられている。同じく、エアクリーナ15の近傍には、
吸入空気量を検出するためのエアフローメータ62が設
けられている。又、スロットルバルブ17の近傍には、
そのスロットル開度TAを検出するためのスロットルセ
ンサ63が設けられている。
【0027】一方、排気通路7の途中には、排気ガスを
浄化するための三元触媒19を内蔵してなる触媒コンバ
ータ20が設けらている。又、排気通路7の途中には、
排気中の酸素濃度を検出するための酸素センサ64が設
けられている。
【0028】又、エンジン1には、その冷却水の温度
(冷却水温)THWを検出するための水温センサ65が
設けられている。各気筒毎の各点火プラグ5には、ディ
ストリビュータ21にて分配された点火信号が印加され
る。ディストリビュータ21はイグナイタ22から出力
される高電圧をクランクシャフトの回転、即ちクランク
角に同期して各点火プラグ5に分配する。そして、各点
火プラグ5の点火タイミングはイグナイタ22からの高
電圧出力タイミングにより決定される。
【0029】ディストリビュータ21には、排気側カム
シャフト11に連結されてクランクシャフトに連動して
回転される図示しないロータが内蔵されている。そし
て、ディストリビュータ21には、そのロータの回転か
らエンジン1の回転数(エンジン回転数)NEを検出す
るための回転数センサ66が取り付けられている。又、
ディストリビュータ21には、同じくロータの回転に応
じてエンジン1のクランク角基準位置GPを所定の割合
で検出するための気筒判別センサ67が取り付けられて
いる。この実施例では、エンジン1における吸気行程、
圧縮行程、爆発・膨張行程及び排気行程の一連の4行程
に対してクランクシャフトが2回転するものとして、回
転数センサ66では1パルス当たり30°CAの割合で
クランク角が検出される。又、気筒判別センサ67では
1パルス当たり360°CAの割合でクランク角が検出
される。
【0030】この実施例では、上記したエアフローメー
タ62、スロットルセンサ63及び回転数センサ66等
によりエンジン1の運転状態を検出するための運転状態
検出手段が構成されている。
【0031】加えて、この実施例において、吸気側タイ
ミングプーリ12には、吸気バルブ8の開閉タイミング
を可変にするために油圧により駆動される可変バルブタ
イミング機構(以下単に「VVT」という)23が設け
られている。
【0032】ここで、このVVT23等の構成について
図3に従って詳しく説明する。カムシャフト10はその
カムジャーナル10aがエンジン1のシリンダヘッド1
aとベアリングキャップ1bとの間で回転可能に支持さ
れている。そして、カムシャフト10の一端部に、タイ
ミングプーリ12と一体に設けられたVVT23が設け
られている。
【0033】タイミングプーリ12は、外周に複数の外
歯31を有すると共に一側に収容凹部32を備えてい
る。又、その収容凹部32を覆うようにカムシャフト1
0の先端にはキャップ33がボルト34により締付け固
定されている。更に、タイミングプーリ12の開口端と
キャップ33の外周との間には、そのプーリ12に圧入
固定されたアウタープレート35と、キャップ33に形
成されたインナープレート36等とからなる緩衝用の周
知の粘性継手(ビスカスカップリング)37が設けられ
ている。
【0034】このタイミングプーリ12とカムシャフト
10との間にはリングギヤ38が介在され、両者12,
10が連結されている。即ち、キャップ33により密閉
されたタイミングプーリ12の収容凹部32にはリング
ギヤ38が収容されている。このリングギヤ38は、そ
の内外周に設けられた複数の歯38a,38bの両方が
ヘリカル歯になっており、軸方向への移動によってカム
シャフト10と相対回動可能になっている。リングギヤ
38の内外周の歯38a,38bはタイミングプーリ1
2の内歯12a及びキャップ33の内歯33aにそれぞ
れ噛み合わされている。又、タイミングプーリ12はそ
の外歯31に掛装されたタイミングベルト14を介し
て、図示しないクランクシャフトに駆動連結されてい
る。 従って、クランクシャフトからタイミングベルト
14を介してタイミングプーリ12に駆動伝達されるこ
とにより、更にリングギヤ38で連結されたタイミング
プーリ12とキャップ33とが一体的に回転され、カム
シャフト10が回転駆動される。この時、リングギヤ3
8が軸方向(図3の左右方向)へ移動されることによ
り、カムシャフト10にタイミングプーリ12に対する
捩じりが付与される。その結果、カムシャフト10とタ
イミングプーリ12との回転方向における相対位置が変
えられ、吸気バルブ8の開閉タイミングが変えられる。
このカムシャフト10の捩じりの際にリングギヤ38の
バックラッシに起因するガタツキは、ビスカスカップリ
ング37の作用により緩衝されて異音の発生が抑えられ
る。
【0035】リングギヤ38を油圧により駆動させるた
めに、タイミングプーリ12の収容凹部32において、
リングギヤ38の軸方向一端側は、作動油による油圧を
導入する加圧室39となっている。又、同じく収容凹部
32において、リングギヤ38の他端側は、その油圧に
対抗する釣り合い用のスプリング40を収容するスプリ
ング室41となっている。更に、加圧室39に作動油に
よる油圧を供給するために、エンジン1のシリンダヘッ
ド1a及びカムシャフト10には、互いに連通するヘッ
ド油路42及びシャフト油路43がそれぞれ形成されて
いる。
【0036】一方、加圧室39から作動油を抜くため
に、タイミングプーリ12及びカムシャフト10の一部
には、加圧室39からスプリング室41へ洩れ出た作動
油を導出するための戻し油路44が形成されている。
又、その戻し油路44に連通して、タイミングプーリ1
2の一端側には、カムシャフト10、シリンダヘッド1
a、ベアリングキャップ1b及びゴム製のシール45に
よって囲まれた油回収室46が設けられている。更に、
カムシャフト10の下側位置にて、シリンダヘッド1a
の一部には、油回収室46にて回収された作動油をエン
ジン1のオイルパン47へ戻すための油戻し孔48が形
成されている。
【0037】尚、シリンダヘッド1aの上側はヘッドカ
バー49によって覆われている。又、シリンダヘッド1
aには、カムジャーナル10aに潤滑油を供給するため
のヘッド油路50が形成されている。
【0038】この実施例では、作動油としてエンジン1
の潤滑油が利用されている。即ち、図2,3に示すよう
に、エンジン1の運転に連動するオイルポンプ51が駆
動されることにより、オイルパン47に溜まった潤滑油
が吸い上げられる。そして、その潤滑油がオイルフィル
タ52から第1のオイルスイッチングバルブ(OSV)
53を介して作動油として、シリンダヘッド1aのヘッ
ド油路42に供給される。又、オイルポンプ51により
吸い上げられた潤滑油は、オイルフィルタ52から別の
ヘッド油路50へ導かれ、カムジャーナル10aに供給
される。一方、ヘッド油路42からの戻りの潤滑油は、
ドレン用の第2のOSV55を介してオイルパン47に
ドレンされる。
【0039】加圧室39に対する作動油の供給とその解
除は、第1及び第2のOSV53,54のオン・オフ切
換えにより制御される。つまり、第1のOSV53がオ
ンされ、第2のOSV54がオフされた時には、ヘッド
油路42へ作動油が供給され、作動油はヘッド油路42
からシャフト油路43を通じて加圧室39に導入され
る。そして、その油圧によりリングギヤ38がスプリン
グ40の付勢力に抗して軸方向の一方(図3の右方向)
へ押圧される。これにより、カムシャフト10に捩じり
が付与されてタイミングプーリ12に対する回転位相が
変えられる。即ち、図5(b)に示すように、吸気バル
ブ8の開き・閉じのタイミング、即ち開閉タイミングが
早められ(進角され)、吸気行程における吸気バルブ8
と排気バルブ9とのバルブオーバラップが大きくなる方
向へ変えられる。
【0040】一方、第1のOSV53がオフされ、第2
のOSV54がオンされた時には、ヘッド油路42への
作動油の供給が遮断される。これにより、加圧室39で
は油圧が抜け、リングギヤ38がスプリング40の付勢
力によって軸方向の他方(図3の左方向)へ押圧されて
戻される。これにより、カムシャフト10に逆の捩じり
が付与されてタイミングプーリ12に対する回転位相が
変えられる。即ち、図5(a)に示すように、吸気バル
ブ8の開閉タイミングが遅らされ(遅角され)、吸気行
程におけるバルブオーバラップが小さくなる方向へ変え
られる。この時、加圧室39からスプリング室41へ洩
れ出る作動油は、戻し油路44を通じて油回収室46へ
と導かれ、油戻し孔48を通じてオイルパン47へとド
レンされる。
【0041】各インジェクタ16、イグナイタ22、第
1及び第2のOSV53,54は電子制御装置(以下単
に「ECU」という)70に電気的に接続され、同EC
U70の作動によりそれらの駆動タイミングが制御され
る。このECU70により駆動制御手段、判定手段、選
択手段、減速状態判定手段、第一のバルブタイミング目
標進角値選択手段、第二のバルブタイミング目標進角値
選択手段及び第一、第二の進角量変更手段が構成されて
いる。そして、ECU70には前述した吸気温センサ6
1、エアフローメータ62、スロットルセンサ63、酸
素センサ64、水温センサ65、回転数センサ66及び
気筒判別センサ67がそれぞれ接続されている。ECU
70はこれら各センサ61,63〜67及びエアフロー
メータ62からの出力信号に基き各インジェクタ16、
イグナイタ22、第1及び第2のOSV53,54を好
適に制御する。次に、ECU70に係る電気的構成につ
いて図4のブロック図に従って説明する。ECU70は
中央処理装置(CPU)71、所定の制御プログラム等
を予め記憶した読み出し専用メモリ(ROM)72、C
PU71の演算結果等を一時記憶するランダムアクセス
メモリ(RAM)73、予め記憶されたデータを保存す
るバックアップRAM74等を備えている。そして、E
CU70は各部材71〜74と外部入力回路75及び外
部出力回路76等とをバス77によって接続した理論演
算回路として構成されている。
【0042】外部入力回路75には、前述した吸気温セ
ンサ61、エアフローメータ62、スロットルセンサ6
3、酸素センサ64、水温センサ65、回転数センサ6
6及び気筒判別センサ67がそれぞれ接続されている。
【0043】一方、外部出力回路76には、各インジェ
クタ16、イグナイタ22、第1のOSV53及び第2
のOSV54がそれぞれ接続されている。そして、CP
U71は外部入力回路75を介して入力される各センサ
61,63〜67及びエアフローメータ62等からの出
力信号を入力値として読み込む。又、CPU71はその
読み込まれた入力値に基づき、各インジェクタ16、イ
グナイタ22、第1及び第2のOSV53,54等を好
適に制御する。
【0044】次に、前述したECU70により実行され
るバルブタイミング制御の処理動作について図6〜図9
に従って説明する。図6のフローチャートはECU70
により実行される各処理のうち、吸気バルブ7の開閉タ
イミングを切り換えるために行われる「バルブタイミン
グ制御ルーチン」を示しており、エンジン1の運転中に
所定時間(この実施例では「10ms」)毎の定時割り
込みで実行される。
【0045】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ101において、エアフローメータ62、スロッ
トルセンサ63及び回転数センサ66からの各出力信号
に基づき、吸入空気量GN、スロットル開度TA及びエ
ンジン回転数NEをそれぞれ読み込む。続いて、ステッ
プ102において、エンジン1がアイドル運転状態であ
るか否かを判断する。この判断は、今回読み込まれたス
ロットル開度TA及びエンジン回転数NE等に基づいて
行われる。ここで、アイドル運転状態である場合には、
ステップ111において、VVT23を駆動させて吸気
バルブ8の開閉タイミングを遅角させるために、第1の
OSV53をオフさせると共に第2のOSV54をオン
させる。そして、このステップ111の処理を終了した
後、その後の処理を一旦終了する。
【0046】一方、ステップ102において、アイドル
運転状態でない場合には、ステップ103で前回ルーチ
ンで検知したスロットル開度をRAM73の所定番地T
AOに格納する。次にステップ104で現在のスロット
ル開度TAをRAM73の所定番地TANに格納し、ス
テップ105に移行する。ステップ105において現在
のスロットル開度から前回のスロットル開度を減算し、
ΔTAを設定する。次のステップ106においてΔTA
が所定値Xよりも小さいか否かを判定する。所定値X以
上であれば減速時ではないと判定し、ステップ108に
移行する。ステップ108においてスロットル開度TA
とエンジン回転数NEとのマップに基づき、目標進角量
OCAMを演算して、ステップ109に移行する。一
方、ステップ106においてΔTAが所定値X未満あれ
ば減速時であると判定し、ステップ107に移行する。
ステップ107において吸入空気量GNとエンジン回転
数NEとのマップに基づき、目標進角量OCAMを演算
して、ステップ109に移行する。このステップ107
において、使用されるGN−NEマップは、後述するよ
うに、減速時には、TA−NEマップから求められる目
標進角値よりも進角側になるように予め設定されてい
る。そして、ステップ109において、今回演算された
目標進角値OCAMが、進角側か遅角側かを判断する。
この進角か遅角かの判断は、前回の制御ルーチンで得ら
れた目標進角値との比較で判定をする公知の方法で行
う。そして、ステップ109において、エンジン1の目
標進角値OCAMが「進角」である場合には、ステップ
110において、VVT23を駆動させ、吸気バルブ8
の開閉タイミングを進角させるために、第1のOSV5
3をオンさせると共に第2のOSV54をオフさせる。
そして、このステップ110の処理を終了した後、その
後の処理を一旦終了する。
【0047】一方、ステップ109において、エンジン
1の目標進角値が「進角」でない場合、即ち「遅角」で
ある場合には、ステップ110へ移行し、前述したと同
様の処理を実行した後、その後の処理を一旦終了する。
【0048】上記のようにして、吸気バルブ8の開閉タ
イミングを変更させるためのバルブタイミング制御が実
行される。このようにこの実施例では吸気バルブ8の開
閉タイミングを制御するに当たり、「進角」であるか
「遅角」であるかが、スロットル開度TAとエンジン回
転数NEとのマップ、或いは吸入空気量GNとエンジン
回転数NEとのマップを参照して判断される。そして、
その判断結果に応じて第1及び第2のOSV53,54
がオン・オフされることによりVVT23が駆動され、
吸気バルブ8の開閉タイミングが進角側又は遅角側へ変
更される。又、それによって、吸気バルブ8と排気バル
ブ9とのバルブオーバラップが大小に変更される。
【0049】そして、この実施例ではリングギヤ38の
軸方向一端側が作動油により駆動され、軸方向他端側が
スプリング40にて駆動されるため、遅角方向の作動が
進角方向の作動に比べて速い特性を備えている。又、減
速時においては進角方向への作動よりも遅角方向への作
動が多いが、この実施例では減速時にはGN−NEマッ
プで目標進角値(図8のAを参照)を求めるため、図8
で示すように実際の空気量で求めた目標進角値に近い値
を得ることができる。従って、この実施例によれば図9
のCに示すようなVVT進角量が得られる。なお、図9
のDに示すVVT進角量は減速時において従来のTA−
NEマップで目標進角値を求め、その目標進角値にて制
御した場合のVVT進角量である。
【0050】このようにこの実施例では減速時には、T
A−NEマップから求められる目標進角値よりも進角側
になるGN−NEマップで目標進角値(図8のAを参
照)を求めるため、実際の空気量で求めた目標進角値に
近い値を得ることができる。従って、実運転状況との過
大な乖離を生じることが無く、応答性が向上できる。
【0051】又、従来と異なり、過遅角とならないた
め、内部EGRが十分に確保でき、このため、HC,N
Oxの発生を抑制でき、燃費を向上することができる。
なお、この実施例ではアイドル運転状態では、吸気バル
ブ8の開閉タイミングが遅角されることから、排気行程
から吸気行程へ移る直前での吸気バルブ8の開きが遅く
なり、バルブオーバラップが小さくなる。よって、この
運転領域では、吸入空気の量と勢いが小さいのに合わせ
て、燃焼室4にうまく吸入空気が導入され、アイドル運
転を安定させることができる。
【0052】次に第二実施例を図10〜図13に従って
説明する。この実施例では前記第一実施例の構成中、ス
テップ106の代りにステップ200の処理、ステップ
107の代りにステップ201の処理、及びステップ1
08の代りにステップ202の処理が行なわれることが
異なっている。そして、ECU70により駆動制御手
段、判定手段、選択手段、加速状態判定手段、第のバ
ルブタイミング目標進角値選択手段、第四のバルブタイ
ミング目標進角値選択手段及び第三の進角量変更手段が
構成されている。
【0053】すなわち、ステップ200においては、Δ
TAが所定値Yよりも小さいか否かを判定する。所定値
Y以下であれば加速時ではないと判定し、ステップ20
2に移行する。ステップ202において吸入空気量GN
とエンジン回転数NEとのマップに基づき、目標進角量
OCAMを演算して、ステップ109に移行する。
【0054】一方、ステップ200においてΔTAが所
定値Yを越えていれば加速時であると判定し、ステップ
201に移行する。ステップ201においてスロットル
開度TAとエンジン回転数NEとのマップに基づき、目
標進角量OCAMを演算して、ステップ109に移行す
。このステップ201において、使用されるTA−N
Eマップは、後述するように、加速時には、GN−NE
マップから求められる目標進角値よりも進角側になるよ
うに予め設定されている。この第二実施例においてもリ
ングギヤ38の軸方向一端側が作動油により駆動され、
軸方向他端側がスプリング40にて駆動されるため、進
角方向の作動が遅角方向の作動に比べて遅い特性を備え
ている。
【0055】又、加速時においては遅角方向への作動よ
りも進角方向への作動が多いが、この実施例では加速時
にはTA−NEマップで目標進角値(図12のEを参
照)を求める。従って、この実施例によれば図13のG
に示すようなVVT進角量が得られる。なお、図13の
Hに示すVVT進角量は加速時において従来のGN−N
Eマップで目標進角値を求め、その目標進角値にて制御
した場合のVVT進角量である。
【0056】このようにこの実施例では加速時にはGN
−NEマップから求められる目標進角値よりも進角側に
なるTA−NEマップで目標進角値(図12のEを参
照)を求めるため、実際の空気量で求めた目標進角値の
ものよりも速すぎることになる。しかし、VVT23の
作動はTA−NEマップで求めた目標進角値の変化に対
して十分に遅いため、実際の空気量で制御した場合の立
ち上がりに近付き、GN−NEマップで求めた目標進角
値で制御した場合に比較して追従性が向上する。
【0057】それによって、吸気バルブ8と排気バルブ
9とのバルブオーバラップが変更される。このため、内
部EGRが十分に確保できるため、HC,NOxの発生
を抑制でき、燃費を向上することができる。なお、この
発明は前記実施例に限定されるものではなく、この発明
の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部を適宜に変更して
次のように実施することもできる。
【0058】(1)前記実施例では、二つのOSV5
3,54により駆動切換えされる油圧式のVVT23を
用いたが、これに限定されるものではなく、一つのOS
Vを使用して駆動切換えされるVVTを用いてもよい。
【0059】(2)前記両実施例の制御をともに処理で
きるように具体化してもよい。 (3)前記第二実施例ではリングギヤ38の軸方向一端
面が作動油により駆動されるようにしたが、軸方向両端
面が作動油により駆動される油圧駆動式の可変バルブタ
イミング機構に具体化してもよい。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、仮にバルブタイミング制御装置が、進角方向の作動
は遅角方向の作動に比べて遅く、遅角方向の作動が進角
方向の作動に比べ、速い特性を備えた可変バルブタイミ
ング機構を備えていても、特定の機関状態、例えば加速
時、減速時において高いバルブタイミングの応答性を得
ることができる。すなわち、特定の機関状態、例えば減
速時において、スロットル開度と機関回転数から求めら
れる目標進角値よりも進角側になる吸入空気量と機関回
転数で目標進角値を求めるため、実際の空気量で求めた
目標進角値に近い値を得ることができる。従って、実運
転状況との過大な乖離を生じることが無く、応答性が向
上できる。又、本発明では、特定の機関状態、例えば加
速時において、吸入空気量と機関回転数から求められる
目標進角値よりも進角側になるスロットル開度と機関回
転数で目標進角値を求めるため、実際の空気量で求めた
目標進角値のものよりも速すぎることになる。しかし、
バルブタイミング制御装置の作動はスロットル開度と機
関回転数で求めた目標進角値の変化に対して十分に遅い
ため、実際の空気量で制御した場合の立ち上がりに近付
き吸入空気量と機関回転数で求めた目標進角値で制御し
た場合に比較して追従性が向上する。すなわち、応答性
が悪化することがなく、応答性も向上する。このため、
内部EGRが十分に確保できるため、HC,NOxの発
生を抑制でき、燃費を向上することができる。 このよう
に本発明によれば、実運転状況との過大な乖離を生じる
ことが無く、上記のように応答性を向上することができ
るとともに、吸気バルブと排気バルブとのバルブオーバ
ラップが変更でき、その結果、内部EGRを十分に確保
でき、燃費を向上させることができるという優れた効果
を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本的な概念構成を説明する概念構
成図である。
【図2】この発明を具体化した第一実施例における内燃
機関のバルブタイミング制御装置を示す概略構成図であ
る。
【図3】同じくVVT等の構成を示す断面図である。
【図4】同じくECU等の構成を示すブロック図であ
る。
【図5】同じく吸気バルブ及び排気バルブの開閉タイミ
ングの関係を説明し、(a)は吸気バルブの開閉タイミ
ングを遅角させた場合の説明図、(b)は吸気バルブの
開閉タイミングを進角させた場合の説明図である。
【図6】同じくECUにより実行される「バルブタイミ
ング制御ルーチン」を説明するフローチャートである。
【図7】同じく減速時における時間に対するスロットル
開度を示す説明図である。
【図8】減速時において吸入空気量とエンジン回転数の
マップで目標進角値を求めた場合、スロットル開度とエ
ンジン回転数のマップで目標進角値を求めた場合を示す
説明図である。
【図9】減速時において吸入空気量とエンジン回転数の
マップに基づいて制御した場合のVVT進角量と、スロ
ットル開度とエンジン回転数のマップに基づいて制御し
た場合のVVT進角量の特性図である。
【図10】第二実施例のECUにより実行される「バル
ブタイミング制御ルーチン」を説明するフローチャート
である。
【図11】同じく加速時における時間に対するスロット
ル開度を示す説明図である。
【図12】加速時において吸入空気量とエンジン回転数
のマップで目標進角値を求めた場合、スロットル開度と
エンジン回転数のマップで目標進角値を求めた場合を示
す説明図である。
【図13】加速時において吸入空気量とエンジン回転数
のマップに基づいて制御した場合のVVT進角量と、ス
ロットル開度とエンジン回転数のマップに基づいて制御
した場合のVVT進角量の特性図である。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、4…燃焼室、6…吸気
通路、7…排気通路、8…吸気バルブ、9…排気バル
ブ、23…可変バルブタイミング機構(VVT)、62
…エアフローメータ、63…スロットルセンサ、66…
回転数センサ(62,63,65,66は運転状態検出
手段を構成している)、70…ECU(駆動制御手段、
判定手段、選択手段、減速状態判定手段、加速状態判定
手段、第一乃至第四のバルブタイミング目標進角値選択
段、及び第一乃至第三の進角量変更手段を構成してい
る)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−56113(JP,A) 特開 昭59−63338(JP,A) 特開 昭59−120707(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 13/00 301 F01L 1/34 F02D 13/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の回転に同期して所定のタイミ
    ングで駆動され、燃焼室に通じる吸気通路及び排気通路
    をそれぞれ開閉する吸気バルブ及び排気バルブと、前記
    吸気バルブ及び前記排気バルブの少なくとも一方を駆動
    してバルブオーバラップ量を可変にするための可変バル
    ブタイミング機構と、前記内燃機関の運転状態を検出す
    る運転状態検出手段と、前記運転状態検出手段の検出結
    果に基づいて、前記バルブオーバラップ量を制御すべく
    前記可変バルブタイミング機構を駆動制御する駆動制御
    手段とを備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置に
    おいて、 前記運転状態検出手段の検出結果によって特定の機関状
    態を判定する判定手段と、 前記判定手段が判定した特定の機関状態のとき、運転状
    態検出手段の検出結果に基づいて吸入空気量と機関回転
    数とから得られるバルブタイミングの目標進角値と、運
    転状態検出手段の検出結果に基づいてスロットル開度と
    機関回転数とから得られるバルブタイミングの目標進角
    値とのうち、その特定の機関状態に応じて予め進角側に
    設定されているバルブタイミングの目標進角値を選択す
    る選択手段と、 前記選択手段が選択したバルブタイミングの目標進角値
    にて前記駆動制御手段における前記可変バルブタイミン
    グ機構の制御範囲を変更する第一の進角量変更手段とを
    備えたことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制
    御装置。
  2. 【請求項2】内燃機関の回転に同期して所定のタイミン
    グで駆動され、燃焼室に通じる吸気通路及び排気通路を
    それぞれ開閉する吸気バルブ及び排気バルブと、前記吸
    気バルブ及び前記排気バルブの少なくとも一方を駆動し
    てバルブオーバラップ量を可変するための可変バルブタ
    イミング機構と、前記内燃機関の運転状態を検出する運
    転状態検出手段と、前記運転状態検出手段の検出結果に
    基づいて、前記バルブオーバラップ量を制御すべく前記
    可変バルブタイミング機構を駆動制御する駆動制御手段
    とを備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置におい
    て、 前記運転状態検出手段のスロットル開度の検出結果によ
    って減速時か否かを判定する減速状態判定手段と、 前記減速状態判定手段が減速時と判定したとき、運転状
    態検出手段の検出結果に基づいて吸入空気量と機関回転
    数とから得られるバルブタイミングの目標進角値を選択
    する第一のバルブタイミング目標進角値選択手段と、前記減速状態判定手段が減速時でないと判定したとき、
    運転状態検出手段の検出結果に基づいてスロットル開度
    と機関回転数とから得られるバルブタイミングの目標進
    角値を選択する第二のバルブタイミング目標進角値選択
    手段と、 前記第一のバルブタイミング目標進角値選択手段又は前
    記第二のバルブタイミング目標進角値選択手段が選択し
    たバルブタイミングの目標進角値にて前記駆動制御手段
    における前記可変バルブタイミング機構の制御範囲を変
    更する第二の進角量変更手段とを備えたことを特徴とす
    る内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】内燃機関の回転に同期して所定のタイミン
    グで駆動され、燃焼室に通じる吸気通路及び排気通路を
    それぞれ開閉する吸気バルブ及び排気バルブと、前記吸
    気バルブ及び前記排気バルブの少なくとも一方を駆動し
    てバルブオーバラップ量を可変するための可変バルブタ
    イミング機構と、前記内燃機関の運転状態を検出する運
    転状態検出手段と、前記運転状態検出手段の検出結果に
    基づいて、前記バルブオーバラップ量を制御すべく前記
    可変バルブタイミング機構を駆動制御する駆動制御手段
    とを備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置におい
    て、 前記運転状態検出手段のスロットル開度の検出結果によ
    って加速時か否かを判定する加速状態判定手段と、 前記加速状態判定手段が加速時と判定したとき、運転状
    態検出手段の検出結果に基づいてスロットル開度と機関
    回転数とから得られるバルブタイミングの目標進角値を
    選択する第のバルブタイミング目標進角値選択手段
    と、前記加速状態判定手段が加速時でないと判定したとき、
    運転状態検出手段の検出結果に基づいて吸入空気量と機
    関回転数とから得られるバルブタイミングの目標進角値
    を選択する第四のバルブタイミング目標進角値選択手段
    と、 前記第のバルブタイミング目標進角値選択手段又は第
    四のバルブタイミング目標進角値選択手段が選択したバ
    ルブタイミングの目標進角値にて前記駆動制御手段にお
    ける前記可変バルブタイミング機構の制御範囲を変更す
    る第三の進角量変更手段とを備えたことを特徴とする内
    燃機関のバルブタイミング制御装置。
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