JPH0633070A - 液状炭化水素中の水銀の除去方法 - Google Patents
液状炭化水素中の水銀の除去方法Info
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- JPH0633070A JPH0633070A JP4100198A JP10019892A JPH0633070A JP H0633070 A JPH0633070 A JP H0633070A JP 4100198 A JP4100198 A JP 4100198A JP 10019892 A JP10019892 A JP 10019892A JP H0633070 A JPH0633070 A JP H0633070A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 液状炭化水素中に含有されている全ての水銀
を除去することを目的とする。 【構成】 水銀として有機水銀を390μg/リットル
含有している東南アジア産の天然ガスコンデンセート
(全水銀含有量440μg/リットル)を、20mlの
15.9重量%の炭素を担持したγ−アルミナを充填し
た内径14mmの反応管に温度200℃、圧力30kg
/cm2 G、流量52ml/時の条件下で通し、つい
で、アルミナ上に未硫化品組成でMo6.9重量%、コ
バルト0.9重量%およびニッケル0.4重量%含有す
る硫化物吸着剤上に通したところ、水銀含有量1μg/
リットル以下の製品が得られた。
を除去することを目的とする。 【構成】 水銀として有機水銀を390μg/リットル
含有している東南アジア産の天然ガスコンデンセート
(全水銀含有量440μg/リットル)を、20mlの
15.9重量%の炭素を担持したγ−アルミナを充填し
た内径14mmの反応管に温度200℃、圧力30kg
/cm2 G、流量52ml/時の条件下で通し、つい
で、アルミナ上に未硫化品組成でMo6.9重量%、コ
バルト0.9重量%およびニッケル0.4重量%含有す
る硫化物吸着剤上に通したところ、水銀含有量1μg/
リットル以下の製品が得られた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然ガスコンデンセー
ト、特に重質コンデンセートの如き水銀化合物を含有し
ている液状炭化水素中の水銀を除去する方法に関するも
のである。
ト、特に重質コンデンセートの如き水銀化合物を含有し
ている液状炭化水素中の水銀を除去する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】天然ガスコンデンセート、特に重質コン
デンセート液状炭化水素には単体水銀のほかに水銀化合
物が含まれており、その含有量は産地により大差がある
が、数μg/l以下から数千μg/lに達する。
デンセート液状炭化水素には単体水銀のほかに水銀化合
物が含まれており、その含有量は産地により大差がある
が、数μg/l以下から数千μg/lに達する。
【0003】これら水銀を含むコンデンセート又はこれ
を蒸留したナフサはエチレン原料あるいはリフォーマー
原料として使われるが、エチレンプラントの場合、アル
ミニウム製低温熱交換器のアマルガム腐食を起こした
り、化学原料として用いる際の水素化精製用貴金属触媒
の被毒が問題となり、またリフォーマーの場合には改質
用の貴金属触媒の被毒が問題となる。
を蒸留したナフサはエチレン原料あるいはリフォーマー
原料として使われるが、エチレンプラントの場合、アル
ミニウム製低温熱交換器のアマルガム腐食を起こした
り、化学原料として用いる際の水素化精製用貴金属触媒
の被毒が問題となり、またリフォーマーの場合には改質
用の貴金属触媒の被毒が問題となる。
【0004】天然ガスなどガス中の水銀除去方法は硫黄
を担持した活性炭などを用いて既に工業的に実施されて
いる。一方、液状炭化水素中の水銀の除去に関しても工
業化が望まれているが、液状炭化水素中の水銀の除去
は、天然ガス中の水銀の除去に比し困難である。
を担持した活性炭などを用いて既に工業的に実施されて
いる。一方、液状炭化水素中の水銀の除去に関しても工
業化が望まれているが、液状炭化水素中の水銀の除去
は、天然ガス中の水銀の除去に比し困難である。
【0005】液状炭化水素中の水銀の除去が困難な理由
は、液状炭化水素中には単体水銀のほか、イオン化しう
る水銀、有機水銀化合物も含まれ、それぞれ反応性が異
なるため、単一の方法では除去が難しいためである。特
に有機水銀化合物は反応性が低いため、吸着法や抽出法
では1μg/lレベルまで除去するのが困難である。
は、液状炭化水素中には単体水銀のほか、イオン化しう
る水銀、有機水銀化合物も含まれ、それぞれ反応性が異
なるため、単一の方法では除去が難しいためである。特
に有機水銀化合物は反応性が低いため、吸着法や抽出法
では1μg/lレベルまで除去するのが困難である。
【0006】本発明者らは、さきに水銀を含有する液状
炭化水素又はガスを、モリブデン、タングステン及びバ
ナジウムよりなる群から選ばれる一種又は二種以上の金
属の硫化物を含有する吸着剤に接触させることを特徴と
する水銀の除去方法(特開平2−2873)を提案した
が、この吸着剤は単体水銀の除去には有効であるが、有
機水銀化合物やイオン化しうる水銀の除去に関してはあ
まり有効ではない。
炭化水素又はガスを、モリブデン、タングステン及びバ
ナジウムよりなる群から選ばれる一種又は二種以上の金
属の硫化物を含有する吸着剤に接触させることを特徴と
する水銀の除去方法(特開平2−2873)を提案した
が、この吸着剤は単体水銀の除去には有効であるが、有
機水銀化合物やイオン化しうる水銀の除去に関してはあ
まり有効ではない。
【0007】さらに、液状炭化水素中の水銀の除去方法
として、a)水素を用いて有機水銀化合物を水素化分解
し、ついで吸着剤により除去する方法(特開平1−23
1920号)、b)熱処理したのち、吸着処理する方法
(特開平1−315489号)なども提案されている。
として、a)水素を用いて有機水銀化合物を水素化分解
し、ついで吸着剤により除去する方法(特開平1−23
1920号)、b)熱処理したのち、吸着処理する方法
(特開平1−315489号)なども提案されている。
【0008】上記a)の水素化分解法としては、Ni,
Pdなどを触媒として高温で水素を用いて分解する方法
が提案されている。この場合には水素を使うこと及び反
応器からの排出水素からの水銀の除去も必要になること
のデメリットのほか、原料中の不純物の吸着による劣化
など触媒寿命に問題がある。
Pdなどを触媒として高温で水素を用いて分解する方法
が提案されている。この場合には水素を使うこと及び反
応器からの排出水素からの水銀の除去も必要になること
のデメリットのほか、原料中の不純物の吸着による劣化
など触媒寿命に問題がある。
【0009】b)の方法としては、水銀類を含む炭化水
素系油を加熱処理した後に、活性炭自体又はその表面
に、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、錫、アルミニウム及びカ
ドミウムから選ばれる少なくとも一種の金属、その合金
又はその酸化物、塩化物、硫化物又はそれらの混合物が
担持された処理剤と接触させる方法が提案されている。
この熱処理法も有効な方法であり、かつ処理剤を加熱処
理槽にも充填するとさらに水銀類除去率が向上するとの
開示もあるが、まだ十分な除去率は得られない。
素系油を加熱処理した後に、活性炭自体又はその表面
に、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、錫、アルミニウム及びカ
ドミウムから選ばれる少なくとも一種の金属、その合金
又はその酸化物、塩化物、硫化物又はそれらの混合物が
担持された処理剤と接触させる方法が提案されている。
この熱処理法も有効な方法であり、かつ処理剤を加熱処
理槽にも充填するとさらに水銀類除去率が向上するとの
開示もあるが、まだ十分な除去率は得られない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、液状炭化水
素中の全水銀を、長期にわたって効率的に除去する方法
を提供することを目的とする。
素中の全水銀を、長期にわたって効率的に除去する方法
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、液状炭化
水素に含まれている全ての水銀化合物を除去する方法を
研究していたところ、水銀化合物を含有している液状炭
化水素を高温で担体上に担持された炭素質触媒に接触さ
せる場合、該水銀化合物は容易に単体水銀に分解され、
該水銀は吸着剤により容易に除去しうることを見いだし
本発明をなすに到った。
水素に含まれている全ての水銀化合物を除去する方法を
研究していたところ、水銀化合物を含有している液状炭
化水素を高温で担体上に担持された炭素質触媒に接触さ
せる場合、該水銀化合物は容易に単体水銀に分解され、
該水銀は吸着剤により容易に除去しうることを見いだし
本発明をなすに到った。
【0012】本発明は、水銀化合物を含有する液状炭化
水素を150〜300℃の範囲内の温度で担体上に担持
された炭素質触媒に接触させることにより、該水銀化合
物を単体水銀に分解した後、分解により生成した単体水
銀を吸着剤に吸着させることにより除去する方法であ
る。
水素を150〜300℃の範囲内の温度で担体上に担持
された炭素質触媒に接触させることにより、該水銀化合
物を単体水銀に分解した後、分解により生成した単体水
銀を吸着剤に吸着させることにより除去する方法であ
る。
【0013】以下、本発明を詳しく説明する。本発明方
法で用いられる液状炭化水素としては、天然ガス又は石
油随伴ガスより得られる液状炭化水素、灯油、軽油、直
留ナフサ、減圧留出物、熱分解ガソリン、接触分解ナフ
サ等、水銀を含んでいるものは何れでも用いられるが、
特に水銀含有量の多い天然ガスコンデンセート(NG
L)より水銀を除去するのに適している。
法で用いられる液状炭化水素としては、天然ガス又は石
油随伴ガスより得られる液状炭化水素、灯油、軽油、直
留ナフサ、減圧留出物、熱分解ガソリン、接触分解ナフ
サ等、水銀を含んでいるものは何れでも用いられるが、
特に水銀含有量の多い天然ガスコンデンセート(NG
L)より水銀を除去するのに適している。
【0014】本発明で使用する担体に担持された炭素質
触媒の担体としては、アルミナ、シリカ、シリカ・アル
ミナ、ゼオライト、多孔質ガラス、多孔質セラミック、
活性炭、鉄、アルミニウムなどの金属等あらゆるものが
使用できるが、中でも表面積の大きい多孔質担体が好ま
しい。
触媒の担体としては、アルミナ、シリカ、シリカ・アル
ミナ、ゼオライト、多孔質ガラス、多孔質セラミック、
活性炭、鉄、アルミニウムなどの金属等あらゆるものが
使用できるが、中でも表面積の大きい多孔質担体が好ま
しい。
【0015】担体に担持された炭素質触媒は、担体に炭
化水素を含浸させた後、密閉容器中において窒素、メタ
ン、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス等の不活性のガス雰
囲気中で350℃〜1000℃の温度に加熱することに
より得ることができる。
化水素を含浸させた後、密閉容器中において窒素、メタ
ン、ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス等の不活性のガス雰
囲気中で350℃〜1000℃の温度に加熱することに
より得ることができる。
【0016】使用する炭化水素としては、パラフィン
系、ナフテン系、オレフィン系、芳香族系炭化水素の何
れでも使用可能である。
系、ナフテン系、オレフィン系、芳香族系炭化水素の何
れでも使用可能である。
【0017】炭化水素を加熱分解する温度は、炭化水素
の種類によって適当な温度範囲が選択される。加熱温度
が350〜600℃の範囲はパラフィン系、ナフテン
系、オレフィン系の炭化水素、中でもオレフィン系炭化
水素の炭素質化に適当である。加熱温度が500〜10
00℃の範囲は、さらに芳香族系の炭化水素化合物も使
用可能となるが、中でもパラフィン系、ナフテン系、オ
レフィン系炭化水素の炭素質化に適当である。
の種類によって適当な温度範囲が選択される。加熱温度
が350〜600℃の範囲はパラフィン系、ナフテン
系、オレフィン系の炭化水素、中でもオレフィン系炭化
水素の炭素質化に適当である。加熱温度が500〜10
00℃の範囲は、さらに芳香族系の炭化水素化合物も使
用可能となるが、中でもパラフィン系、ナフテン系、オ
レフィン系炭化水素の炭素質化に適当である。
【0018】加熱分解により形成される炭素質触媒は炭
化水素の環化から芳香族化、さらに重縮合反応が進むこ
とにより生成する炭素前駆体( carbon precursor ) で
あって、多核多環芳香族を主体構造とする固体物質であ
る。
化水素の環化から芳香族化、さらに重縮合反応が進むこ
とにより生成する炭素前駆体( carbon precursor ) で
あって、多核多環芳香族を主体構造とする固体物質であ
る。
【0019】加熱温度は400〜600℃の範囲の温度
が好ましい。400℃以下では炭素質化に要する所要時
間が長くなり、炭化水素の種類を限定する必要がある。
例えばジエン類やアセチレン類などがこの場合使用され
る。600℃以上では炭素質化が激しく進行するように
なり、調整が簡単ではない。さらに、1000℃以上で
は黒鉛化が起こり、実用的ではない。加熱時間は30分
以上が適当である。
が好ましい。400℃以下では炭素質化に要する所要時
間が長くなり、炭化水素の種類を限定する必要がある。
例えばジエン類やアセチレン類などがこの場合使用され
る。600℃以上では炭素質化が激しく進行するように
なり、調整が簡単ではない。さらに、1000℃以上で
は黒鉛化が起こり、実用的ではない。加熱時間は30分
以上が適当である。
【0020】多孔質担体に炭化水素を含浸させてから炭
素質化させるため、原料は液状炭化水素であれば、パラ
フィン系、ナフテン系、オレフィン系および芳香族系の
何れの化合物をも使用することができる。石油の蒸留留
分、例えば灯油、軽油、重油、直留ナフサや熱分解ガソ
リン、接触分解ナフサなども使用できる。
素質化させるため、原料は液状炭化水素であれば、パラ
フィン系、ナフテン系、オレフィン系および芳香族系の
何れの化合物をも使用することができる。石油の蒸留留
分、例えば灯油、軽油、重油、直留ナフサや熱分解ガソ
リン、接触分解ナフサなども使用できる。
【0021】固体状炭化水素、とくに芳香族系炭化水素
は原料となる液状炭化水素に溶解できるものは、使用す
ることができる。例えば、アセナフチレン(融点93
℃)やピレン(融点150℃)はトルエンや重油に溶解
して担体に含浸させる。
は原料となる液状炭化水素に溶解できるものは、使用す
ることができる。例えば、アセナフチレン(融点93
℃)やピレン(融点150℃)はトルエンや重油に溶解
して担体に含浸させる。
【0022】気体状炭化水素は炭素数が3以上であれ
ば、90〜120kg/cm2 に加圧液化して担体に含
浸させ、加熱分解することができる。
ば、90〜120kg/cm2 に加圧液化して担体に含
浸させ、加熱分解することができる。
【0023】パラフィン系炭化水素としては炭素数3
(C3 )のプロパンからC18のヘキサデカン、オレフィ
ン系炭化水素としてはC3 のプロピレンからC30のスク
アレン、C4 のプロピンからC18のオクタデシンなどの
アセチレン類、ナフテン系炭化水素としてはC5 のシク
ロペンタンからC19のn−トリデシルシクロヘキサン、
またジシクロペンタジエンなどの環式炭化水素、芳香族
炭化水素としてはベンゼン、C7 のトルエンからC19の
n−トリデシルベンゼン、また、インデンなどの環式炭
化水素、アズレンなどの非ベンゼン系芳香族化合物、な
どを挙げることができる。
(C3 )のプロパンからC18のヘキサデカン、オレフィ
ン系炭化水素としてはC3 のプロピレンからC30のスク
アレン、C4 のプロピンからC18のオクタデシンなどの
アセチレン類、ナフテン系炭化水素としてはC5 のシク
ロペンタンからC19のn−トリデシルシクロヘキサン、
またジシクロペンタジエンなどの環式炭化水素、芳香族
炭化水素としてはベンゼン、C7 のトルエンからC19の
n−トリデシルベンゼン、また、インデンなどの環式炭
化水素、アズレンなどの非ベンゼン系芳香族化合物、な
どを挙げることができる。
【0024】これらの化合物は酸素、窒素、硫黄、ハロ
ゲンなどの置換基を有していても、使用することができ
る。芳香族化合物でもヘテロ元素を含む複素環式化合物
は炭素質化反応に対して、触媒能を持つため、原料炭化
水素に複素環式化合物を添加することは大変有効であ
る。例えば含酸素化合物ではフラン類、含窒素化合物で
はピリジン類やピロール類、含硫黄化合物ではチオフェ
ン類などがあり、多環化合物やチアゾールのような数種
のヘテロ元素を含んでいてもよい。
ゲンなどの置換基を有していても、使用することができ
る。芳香族化合物でもヘテロ元素を含む複素環式化合物
は炭素質化反応に対して、触媒能を持つため、原料炭化
水素に複素環式化合物を添加することは大変有効であ
る。例えば含酸素化合物ではフラン類、含窒素化合物で
はピリジン類やピロール類、含硫黄化合物ではチオフェ
ン類などがあり、多環化合物やチアゾールのような数種
のヘテロ元素を含んでいてもよい。
【0025】本発明の炭素質触媒は水銀化合物を接触分
解する反応管内部で強制的に炭素質を発生させてつくる
こともできる。
解する反応管内部で強制的に炭素質を発生させてつくる
こともできる。
【0026】水銀化合物の接触分解温度は、150〜3
00℃、好ましくは180〜250℃である。150℃
以下では水銀化合物の分解が十分でなく、また、300
℃以上では分解可能であるが、炭化水素の分解あるいは
重合が起き、またコストの面から不利であるので好まし
くない。
00℃、好ましくは180〜250℃である。150℃
以下では水銀化合物の分解が十分でなく、また、300
℃以上では分解可能であるが、炭化水素の分解あるいは
重合が起き、またコストの面から不利であるので好まし
くない。
【0027】また、圧力は液状炭化水素を液状に保てる
圧力であればよく、通常20〜50kg/cm2 の圧力
が用いられる。また、液空間速度(SV)は0.1〜8
0/時の範囲でよく、1〜25/時の割合で反応させる
のが好ましい。SVが大き過ぎると水銀化合物の分解が
不十分となる。
圧力であればよく、通常20〜50kg/cm2 の圧力
が用いられる。また、液空間速度(SV)は0.1〜8
0/時の範囲でよく、1〜25/時の割合で反応させる
のが好ましい。SVが大き過ぎると水銀化合物の分解が
不十分となる。
【0028】吸着剤としては単体水銀に対して吸着活性
を有するものが使用できる。例えば金属の硫化物、酸化
物、ハロゲン化物もしくはこれらを担体に担持させたも
のがある。金属としてはコバルト、モリブデン、タング
ステン、ニッケル、亜鉛、銅、鉄、銀、すず、アルミニ
ウム、カドミウム、ビスマスなどがある。またこれらの
化合物の混合物、例えば硫化物の混合物を使用してもよ
い。担体としてはアルミナ、シリカゲル、シリカ−アル
ミナ、活性白土などがある。更に硫黄を担持した吸着剤
あるいはキレート樹脂等の吸着剤も使用できる。
を有するものが使用できる。例えば金属の硫化物、酸化
物、ハロゲン化物もしくはこれらを担体に担持させたも
のがある。金属としてはコバルト、モリブデン、タング
ステン、ニッケル、亜鉛、銅、鉄、銀、すず、アルミニ
ウム、カドミウム、ビスマスなどがある。またこれらの
化合物の混合物、例えば硫化物の混合物を使用してもよ
い。担体としてはアルミナ、シリカゲル、シリカ−アル
ミナ、活性白土などがある。更に硫黄を担持した吸着剤
あるいはキレート樹脂等の吸着剤も使用できる。
【0029】また単体水銀とアマルガムを形成する金属
も吸着活性がある。金属としてはアルミニウム、ランタ
ン、すず、鉛、アンチモン、ビスマス、銅、銀、金、亜
鉛、カドミウム、インジウム、テルル、クロム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、白金などがある。これら
の金属は粒状、フィルム状、線状、網状などの形態で使
用できる。あるいは担体、例えば金属、セラミック、プ
ラスチックなどにめっきしたものでもよいし、アルミナ
やゼオライトに分散させて担持したものでもよい。
も吸着活性がある。金属としてはアルミニウム、ランタ
ン、すず、鉛、アンチモン、ビスマス、銅、銀、金、亜
鉛、カドミウム、インジウム、テルル、クロム、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、白金などがある。これら
の金属は粒状、フィルム状、線状、網状などの形態で使
用できる。あるいは担体、例えば金属、セラミック、プ
ラスチックなどにめっきしたものでもよいし、アルミナ
やゼオライトに分散させて担持したものでもよい。
【0030】吸着剤による吸着温度は200℃以下、好
ましくは130℃以下である。特に水銀の吸着量を高め
る意味からは100℃以下の温度が好ましい。吸着の際
の液線速は0.01cm/秒以上、好ましくは0.1c
m/秒以上である。
ましくは130℃以下である。特に水銀の吸着量を高め
る意味からは100℃以下の温度が好ましい。吸着の際
の液線速は0.01cm/秒以上、好ましくは0.1c
m/秒以上である。
【0031】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基いて本発明を詳
しく説明するが、本発明はこれら実施例により何等制限
されるものではない。
しく説明するが、本発明はこれら実施例により何等制限
されるものではない。
【0032】先ず、担体上に担持した触媒か有機水銀化
合物の分解活性を有することを示すための実施例及び比
較例を示す。
合物の分解活性を有することを示すための実施例及び比
較例を示す。
【0033】実施例1、比較例1〜4 ジエチル水銀を添加した、水銀含有量410μg/リッ
トル(イオン化しうる水銀含有量50μg/リットル、
有機水銀含有量360μg/リットル)を含有するヘビ
ーナフサ(IBP 105℃、FBP 162℃、比重
15/4℃0.742)を、下記触媒1mlを充填し
た内径8mmのステンレス反応管に、温度180℃、圧力
30kg/cm2 G、流量52ml/時の条件下で通し
た。このとき液空間速度(SV)は52hr-1である。
トル(イオン化しうる水銀含有量50μg/リットル、
有機水銀含有量360μg/リットル)を含有するヘビ
ーナフサ(IBP 105℃、FBP 162℃、比重
15/4℃0.742)を、下記触媒1mlを充填し
た内径8mmのステンレス反応管に、温度180℃、圧力
30kg/cm2 G、流量52ml/時の条件下で通し
た。このとき液空間速度(SV)は52hr-1である。
【0034】(1)比表面積150m2 /gの粒径1.
2mm、長さ5mmのγ−アルミナに沸点150〜20
0℃の炭化水素油を含浸させ、ステンレス管に充填し、
窒素封入し、500℃で5時間加熱することにより得ら
れた炭素含有量15.9重量%、水素含有量3.0重量
%、窒素含有量0.06重量%の触媒(触媒(1))。 (2)比表面積180m2 /gの粒径1.2mm、長さ
5mmのγ−アルミナ押出成形品(触媒(2))。 (3)比表面積800m2 /gの粒径1〜2mmのコー
ル系活性炭の破砕品(触媒(3))。 (4)比表面積1000m2 /gの粒径1〜2mmの椰
子殻活性炭の破砕品(触媒(4))。結果を表1に示
す。
2mm、長さ5mmのγ−アルミナに沸点150〜20
0℃の炭化水素油を含浸させ、ステンレス管に充填し、
窒素封入し、500℃で5時間加熱することにより得ら
れた炭素含有量15.9重量%、水素含有量3.0重量
%、窒素含有量0.06重量%の触媒(触媒(1))。 (2)比表面積180m2 /gの粒径1.2mm、長さ
5mmのγ−アルミナ押出成形品(触媒(2))。 (3)比表面積800m2 /gの粒径1〜2mmのコー
ル系活性炭の破砕品(触媒(3))。 (4)比表面積1000m2 /gの粒径1〜2mmの椰
子殻活性炭の破砕品(触媒(4))。結果を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示す結果から、担体に担持された炭
素質触媒(実施例1)は、他の担体のみを用いた触媒
(比較例1〜3)に比し、有機水銀等の分解活性が大き
いことがわかる。
素質触媒(実施例1)は、他の担体のみを用いた触媒
(比較例1〜3)に比し、有機水銀等の分解活性が大き
いことがわかる。
【0037】実施例2、比較例5、6 ジエチル水銀を添加することにより得られた全水銀含有
量440μg/リットル、有機水銀を水銀として390
μg/リットルの水銀を含有する東南アジア産の天然ガ
スコンデンセートを、内径14mmのステンレス管に2
0mlの触媒(1)を充填した反応管に圧力30kg/
cm2 G、流量52ml/時で表2に示す温度条件下に
通した。このとき液空間速度(SV)は2.6hr-1で
ある。ついで分解処理したコンデンセートを内径3mm
のガラス管に0.3〜0.5mmに破砕した、アルミナ
上に未硫化品組成でMoを金属として6.9重量%、コ
バルトを0.9重量%およびニッケルを0.4重量%含
有する硫化物吸着剤(吸着剤(1))1.0ml充填し
た充填物層上に常温、出口大気圧開放で40時間にわた
って通した。40時間後の結果を表2に示す。
量440μg/リットル、有機水銀を水銀として390
μg/リットルの水銀を含有する東南アジア産の天然ガ
スコンデンセートを、内径14mmのステンレス管に2
0mlの触媒(1)を充填した反応管に圧力30kg/
cm2 G、流量52ml/時で表2に示す温度条件下に
通した。このとき液空間速度(SV)は2.6hr-1で
ある。ついで分解処理したコンデンセートを内径3mm
のガラス管に0.3〜0.5mmに破砕した、アルミナ
上に未硫化品組成でMoを金属として6.9重量%、コ
バルトを0.9重量%およびニッケルを0.4重量%含
有する硫化物吸着剤(吸着剤(1))1.0ml充填し
た充填物層上に常温、出口大気圧開放で40時間にわた
って通した。40時間後の結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】表2の結果から、本発明によれば有機水銀
化合物も比較的低温で分解され、液状炭化水素中に含有
されている水銀を効率良く除去することができることが
わかる。
化合物も比較的低温で分解され、液状炭化水素中に含有
されている水銀を効率良く除去することができることが
わかる。
【0040】実施例3、比較例7、8 ジエチル水銀をn−ヘキサンに添加し、水銀として40
0μg/リットルを含有する模擬液を調製した。接触分
解は実施例2と同じ装置を使用し、分解触媒は20ml
充填した。分解温度は225〜230℃、圧力、流量は
実施例2と同様とした。吸着は実施例2と同じ装置に吸
着剤(1)を1.0ml充填したものを用いた。このと
き液線速は0.20cm/secであった。温度、圧力
は実施例2と同様である。なお、吸着剤(2)は触媒
(1)と同じ物質を用いた。結果を表3に示す。
0μg/リットルを含有する模擬液を調製した。接触分
解は実施例2と同じ装置を使用し、分解触媒は20ml
充填した。分解温度は225〜230℃、圧力、流量は
実施例2と同様とした。吸着は実施例2と同じ装置に吸
着剤(1)を1.0ml充填したものを用いた。このと
き液線速は0.20cm/secであった。温度、圧力
は実施例2と同様である。なお、吸着剤(2)は触媒
(1)と同じ物質を用いた。結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、液状炭化水素中に含ま
れている水銀化合物及び水銀を効率良く除去することが
できる。
れている水銀化合物及び水銀を効率良く除去することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10G 29/10 6958−4H (72)発明者 松澤 亨 愛知県半田市州の崎町2番110 日揮株式 会社衣浦研究所内 (72)発明者 佐藤 一夫 愛知県半田市州の崎町2番110 日揮株式 会社衣浦研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 水銀化合物を含有する液状炭化水素を1
50〜300℃の温度で担体上に担持された炭素質触媒
に接触させることにより、該水銀化合物を単体水銀に分
解した後、分解生成した単体水銀を吸着剤により吸着除
去することを特徴とする液状炭化水素中の水銀の除去方
法。 - 【請求項2】 炭素質触媒の担体がアルミナである請求
項1記載の液状炭化水素中の水銀の除去方法。 - 【請求項3】 水銀化合物を含有する液状炭化水素を1
80〜250℃、SV0.1〜80/時の条件下で炭素
質触媒に接触させる請求項1又は2記載の液状炭化水素
中の水銀の除去方法。 - 【請求項4】 吸着剤がモリブデンの硫化物とコバルト
及び/又はニッケルの硫化物とを含むものである請求項
1、2又は3記載の液状炭化水素中の水銀の除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4100198A JPH0762137B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 液状炭化水素中の水銀の除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4100198A JPH0762137B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 液状炭化水素中の水銀の除去方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0633070A true JPH0633070A (ja) | 1994-02-08 |
JPH0762137B2 JPH0762137B2 (ja) | 1995-07-05 |
Family
ID=14267608
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4100198A Expired - Fee Related JPH0762137B2 (ja) | 1992-03-27 | 1992-03-27 | 液状炭化水素中の水銀の除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0762137B2 (ja) |
-
1992
- 1992-03-27 JP JP4100198A patent/JPH0762137B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0762137B2 (ja) | 1995-07-05 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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