JPH06330041A - 強誘電性液晶組成物、これを用いた液晶表示素子及びこの素子の駆動方法 - Google Patents

強誘電性液晶組成物、これを用いた液晶表示素子及びこの素子の駆動方法

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JPH06330041A
JPH06330041A JP5118750A JP11875093A JPH06330041A JP H06330041 A JPH06330041 A JP H06330041A JP 5118750 A JP5118750 A JP 5118750A JP 11875093 A JP11875093 A JP 11875093A JP H06330041 A JPH06330041 A JP H06330041A
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ferroelectric liquid
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ferroelectric
crystal display
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JP5118750A
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Kazuhiko Tamai
和彦 玉井
Mitsuhiro Kouden
充浩 向殿
Masahiro Sato
正洋 佐藤
Kunikiyo Yoshio
邦清 吉尾
Tetsuya Watanabe
哲也 渡辺
Tatsuro Yanagi
達朗 柳
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Sharp Corp
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Sharp Corp
Sanyo Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強誘電性液晶組成物、これを用いた液晶表示
素子及びこの素子の駆動方法。 【構成】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は同一又は異なっていてもよい炭
素数1〜15を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基、X
1 及びX2 はそれぞれ独立に単結合又は−O−であ
る。)で示される化合物を少なくとも一種、一般式(I
I) 【化2】 (式中、R3 及びR4 は同一又は異なっていてもよい炭
素数1〜15を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基、X
3 及びX4 はそれぞれ独立に単結合、−O−又は−CO
O−である。)で示される化合物を少なくとも一種、一
般式(III) 【化3】 (式中、R5 及びR6 は同一又は異なっていてもよい炭
素数1〜15を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基、A
は 【化4】 であり、X5 は単結合又は−O−である。)で示される
化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする強誘
電性液晶組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強誘電性液晶組成物、
これを用いた液晶表示素子及びこの素子の駆動方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在、最も広く用いられている液晶表示
素子は、液晶のネマティック相を利用したものである。
しかし、ツイステッドネマッティック(TN)型液晶表
示素子は、ライン数の増加に伴ってコントラストが低下
するので、2000×2000ライン等の大容量表示素
子を作ることは困難である。このTN型液晶表示素子を
改良するためスーパーツイステッドネマティック(ST
N)型液晶表示素子、ダブルスーパーツイステッドネマ
ティック(DSTN)型液晶表示素子が開発されている
が、ライン数の増加とともにコントラスト、応答速度が
低下するので、現状では800×1024ライン程度の
表示容量が限界である。
【0003】また、基板上に薄膜トランジスタ(TF
T)を配列したアクティブマトリックス方式の液晶表示
素子も開発され、1000×1000ライン等の大容量
表示が可能になった。しかし製造プロセスが長く、歩留
りの低下も生じやすく、製造コストが非常に高くなると
いう欠点を有している。近年、前記ネマティック相を利
用した液晶表示素子に加えてスメクティック相を利用し
た種々の表示モードの研究も盛んに行われており、特
に、強誘電性液晶表示素子が有望視されている。このよ
うな表示素子は、例えばN.A.Clark,et al.,Appl.Phys.L
ett., 36,899(1980)に開示されている。この表示方法は
強誘電性液晶である、キラルスメクティックC相、キラ
ルスメクティックI相等を利用するものであり、メモリ
ー性を利用する方式であることから、応答速度の向上に
伴って表示の大容量化が可能である。また薄膜トランジ
スタなどのアクティブ素子を必要としないことから、製
造コストも上がらない。また上記の強誘電性液晶素子は
視角が広いという長所も兼ね備えており、2000×2
000ライン等の大容量表示用の素子として大いに有望
視されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】強誘電性液晶ディスプ
レイの実用化のために解決しなければならない課題は種
々あるが、なかでも単純マトリクス駆動において、高い
コントラストを実現する手法を見いだすことが非常に重
要である。この課題に対して、 斜方蒸着を用いる方法、 ハイプレティルト配向膜を用いる方法、 AC電界印加処理を行う方法、 ナフタレン系化合物を用いる方法、 C1−ユニフォーム配向を用いる方法及び 負の誘電異方性を有する液晶材料を用いる方法、 の手法が提案されている。
【0005】の「斜方蒸着を用いる方法」は上村ら
(T.Uemura et al.,Proc.SID,175(1987))により提案され
た方法であるが、斜方蒸着を必要とすることから、量産
化、大面積化が困難である。の「ハイプレティルト配
向膜を用いる方法」は山本ら(N.Yamamoto et al.,Jpn.
J.Appl.Phys.,28,524 (1989))により提案された方法で
あるが、ハイプレティルト配向膜を用いて大面積で均一
な配向を作るのは容易ではない。
【0006】の「AC電界印加処理を行う方法」は佐
藤ら(Y.Sato et al.,Jpn.J.Appl.Phys.,28,L483(1989))
及びリーガーら(H.Rieger et al.,Proc.SID,396(1990))
によって提案された方法で、通常の強誘電性液晶セルに
低周波高電圧のAC電界を印加することにより、セル内
のシェブロン層構造を理想に近い疑似ブックシェルフ層
構造に強制的に変化させるものである。この手法は、高
コントラストが得やすい、メモリ角が広がり明るい表示
が実現できる等の利点はあるが、反面、応答速度が低下
する、駆動時の特性の経時変化等実用化には問題を残し
ている。
【0007】の「ナフタレン系化合物を用いる方法」
は望月ら(A.Mochizuki et al.,Ferroelectrics.,122,37
(1991))によって提案された手法で、特定のナフタレン
系化合物を用いることにより理想に近い疑似ブックシェ
ルフ層構造を得ることができ、高コントラストを実現し
たと報告している。しかし、使用することのできる化合
物が極めて限られることから、この手法を用いて実用的
な大画面大表示容量の強誘電性液晶ディスプレイを実現
するには多大の困難が予想される。
【0008】の「C1−ユニフォーム配向を用いる方
法」は向殿ら(向殿,『次世代液晶材料:強誘電性液晶
と反強誘電性液晶』(福田敦夫監修),pp114(1992))に
より提案されている方法で、ハイプレティルト配向膜を
用いたパラレルラビングの液晶セルにおいて得られるC
1−ユニフォームという特定の配向状態を利用すること
により、高コントラストを得るものである。しかし、こ
の手法の場合、大面積でC1−ユニフォーム配向を選択
的に形成することが困難である。
【0009】一方、の「負の誘電異方性を有する液晶
材料を用いる方法」はSurguyら(P.W.H.Surguy et al.,F
erroelectrics., 122,63(1991))により提案された手法
である。この手法は高コントラストを実現するために有
望な手法であり、P.W.Ross,Proc.SID,217(1992) には、
この手法を用いた強誘電性液晶ディスプレイが開示され
ている。以下この強誘電性液晶ディスプレイについて詳
細に述べる。
【0010】誘電異方性が負でない通常の強誘電性液晶
材料の場合、図1(a)に示すようなτ−V特性を示
す。すなわち、電圧が高くなるにつれてτ(メモリさせ
るために必要なパルス幅)が単調に低下する。これに対
して、負の誘電異方性を有する強誘電性液晶材料の場
合、図1(b)に示すような極小値(τ−Vmin )を示
すτ−V特性が得られる。Surguyらはこの特性を用いて
駆動する駆動法として、図2に示す駆動法を報告してい
る。この駆動法の原理を図3に簡単に示す。|Vs−V
d |の電圧を印加したとき、強誘電性液晶素子のメモリ
状態をスイッチングさせ、この電圧より高い電圧である
|Vs +Vd |を印加したとき、およびこの電圧より低
い|Vd |を印加したときはスイッチングさせないとい
う方法である。
【0011】しかし、この方法の大きな問題点は、駆動
電圧が高いことである。Rossら(P.W.Ross,Proc,SID,217
(1992)) の報告によれば、試作された強誘電性液晶ディ
スプレイの駆動電圧は55Vである。強誘電性液晶ディ
スプレイを駆動するICドライバの価格は高電圧になる
ほど上がるので、高い駆動電圧はコストアップの大きな
要因となる。価格を抑えた強誘電性液晶ディスプレイを
作製するためには、それほど高価でない汎用のICドラ
イバを用いて駆動することが必要であり、少なくとも駆
動電圧を40V以下にすることが必要である。現時点で
高い駆動電圧が必要な理由は、τ−V特性における電圧
値(Vmin )が高いためであり、40V以下で駆動する
ためにはVmin を30V前後に示す強誘電性液晶材料を
開発することが必要となる。
【0012】Surguyらによれば、Vmin は以下の式で得
られる。 Vmin =Emin ・d=Ps・d/(√3・ε0 ・Δε・sin2 θ)(X) ここで、Emin は電界強度の極小値、dはセル厚、Ps
は自発分極、Δεは誘電率異方性、θはティルト角であ
る。この式から分かるように低いVmin の値を得るため
には、大きな負の誘電率異方性と小さな自発分極が必要
である。一方、強誘電性液晶の応答速度は、自発分極に
関係するため、自発分極を小さくすると高速応答を得る
ことが困難となる。それゆえ、液晶材料としては負の誘
電異方性を有する低粘性材料が必要となる。もちろん、
良好な強誘電性液晶素子を得るためには、従来から言わ
れている以下の4つの条件も満たさなければならない。
その条件とは、 室温付近を中心に広い温度範囲でスメクティックC相
を呈すること、 良好な配向性と双安定性を得るために、IAC(Isotr
opic− Smectic A−Smectic C)またはINAC(Isotrop
ic− Nematic−Smectic A −Smectic C)という相系列を
液晶材料が呈すること、 ネマティック相及びスメクティックC相の螺旋ピッチ
がセル厚に比べて十分長いこと及び、 良好な化学安定性、光安定性を有することである。
【0013】また、ティルト角、屈折率、比抵抗などの
最適化を必要に応じて行うこともできる。本発明はこの
ような条件下でなされたものであり、低いVmin 値を示
す強誘電性液晶組成物、及びこれを用いた液晶素子を提
供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明によれ
ば、一般式(I)
【0015】
【化5】 (式中、R1 及びR2 は同一又は異なっていてもよい炭
素数1〜15を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基、X
1 及びX2 はそれぞれ独立に単結合又は−O−であ
る。)で示される化合物を少なくとも一種、一般式(I
I)
【0016】
【化6】 (式中、R3 及びR4 は同一又は異なっていてもよい炭
素数1〜15を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基、X
3 及びX4 はそれぞれ独立に単結合、−O−又は−CO
O−である。)で示される化合物を少なくとも一種、一
般式(III)
【0017】
【化7】 (式中、R5 及びR6 は同一又は異なっていてもよい炭
素数1〜15を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基、A
【0018】
【化8】 であり、X5 は単結合又は−O−である。)で示される
化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする強誘
電性液晶組成物、これを用いた素子及びこの素子の駆動
方法が提供される。
【0019】上記一般式(I)は、分子長軸に垂直な方
向に2つのフッ素基を有し、しかもその2つのフッ素基
が同一のフェニル環に結合しているため、大きな負の誘
電異方性が期待できる。また、エステル基等の高粘性の
結合基を有さず、2つのフェニル基がアセチレン結合に
よって結合しているため、低粘性が期待できる。加え
て、R1 ,R2 を適切に選択することにより安定にスメ
クティックC相を発現させることができる。
【0020】R1 及びR2 に使用できる同一又は異なっ
て炭素数1〜15である直鎖又は分枝鎖のアルキル基と
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘ
キシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデ
シル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデ
シル、1−メチルペンチル、1−メチルヘキシル、1−
メチルヘプチル、1−メチルオクチル、1−メチルノニ
ル、1−メチルデシル、3−メチルペンチル、4−メチ
ルヘキシル、5−メチルヘプチル、6−メチルオクチ
ル、7−メチルノニル、8−メチルデシル、3−エチル
ペンチル、4−エチルヘキシル、5−エチルヘプチル、
6−エチルオクチル、7−エチルノニル、8−エチルデ
シル等が挙げられる。これらの基の水素原子は、フッ素
原子、塩素原子、−CN、−OCH3 、−OCF3 又は
−OCOCn 2n+1等によって置換されていてもよい。
このうち炭素数5〜12の直鎖アルキル基が好ましい。
また、X1 及びX2 は−O−が好ましい。
【0021】一般式(II)で示される化合物は、分子長
軸に垂直な方向に1つのフッ素基を有し、負の誘電異方
性が期待できる。負の誘電異方性の大きさは一般式
(I)で示される化合物ほど期待できないが、この化合
物もR3 及びR4 を適切に選択することにより、安定に
スメクティックC相を発現させることができる。一般式
(III)で示される化合物は、一般式(I)で示される化
合物と同様分子長軸に垂直な方向に2つのフッ素基を有
し、しかもその2つのフッ素基が同一のフェニル環に結
合しているため、大きな負の誘電異方性が期待できる。
また、エステル基等の高粘性の結合基を有さず、2つの
フェニル基がアセチレン結合によって結合しているた
め、低粘性が期待できる。加えてR5 及びR6 を適切に
選択することにより、安定にスメクティックC相を発現
させることができる。
【0022】このような、一般式(II)及び(III)の式
中R3 ,R4 ,R5 及びR6 は上記で示したR1 とR2
に使用される基と同様の基を使用できる。このうち炭素
数5〜12の直鎖アルキル基が好ましい。また、X3
びX5 は−O−が好ましく、X4 は−O−及び−COO
−が好ましく、最も好ましくは−COO−である。一般
式(I)、(II)及び(III)で示される化合物を組み合
わせることにより、スメクティックC相の温度範囲、相
系列、配向性等を改善することができる。
【0023】本発明の強誘電性液晶組成物を構成する化
合物のそれぞれの添加量は、一般式(I)の化合物は1
0〜100重量%、特に好ましくは40〜80重量%で
あり、一般式(II)の化合物は1〜30重量%、特に好
ましくは5〜20重量%であり、一般式(III)の化合物
は1〜80重量%、特に好ましくは35〜55重量%で
ある。ここで一般式(II)の化合物が30%より多い場
合には添加した化合物が強誘電性液晶組成物中で結晶化
したり、スメクティックC相の上限温度が低下する等の
実用上の問題が生じる場合が多い。また、一般式(III)
の化合物が80%より多い場合には添加した化合物が強
誘電性液晶組成物中で結晶化等の実用上の問題が生じる
場合が多い。
【0024】ここで一般式(I),(II)及び(III)の
化合物の合成法の例を以下に示す。まず一般式(I)の
化合物の合成法は、X1 及びX2 が−O−の場合、以下
の通りである。
【0025】
【化9】
【0026】すなわち、2,3−ジフルオロフェノール
をハロゲン化した後、ハロゲン化アルキルと反応させる
ことにより、2,3−ジフルオロ−4−ハロゲノ−アル
コキシベンゼンを得ることができる。2,3−ジフルオ
ロ−4−ハロゲノ−アルコキシベンゼンをPd触媒存在
下、3−メチル−1−ブチン−3−オールと反応させ、
次いでアルカリで処理することにより、4−アルコキシ
−2,3−ジフルオロフェニルアセチレンを得ることが
できる。4−アルコキシ−2,3−ジフルオロフェニル
アセチレンをPd触媒存在下、4−アルコキシ−ハロゲ
ノベンゼンと反応させることにより、一般式(I)の化
合物を得ることができる。
【0027】次に一般式(II)の化合物は、例えば特開
平3-223225号公報に記載の方法により得ることができ
る。また一般式(III)の化合物の合成法は、X5 が−O
−の場合以下の通りである。
【0028】
【化10】
【0029】すなわち、2−ハロゲノ−5−ニトロピリ
ジンをPd触媒存在下、1−アルキンと反応させた後、
Pd/Cを用いて水素添加することにより、2−アルキ
ル−5−アミノピリジンを得ることができる。2−アル
キル−5−アミノピリジンをジアゾ化した後、ヨウ素化
し、Pd触媒存在下、一般式(I)の原料である4−ア
ルコキシ−2,3−ジフルオロフェニルアセチレンと反
応させることにより、一般式(III)の化合物の化合物を
得ることができる。あるいは、以下の合成法によっても
合成することができる。
【0030】
【化11】
【0031】すなわち、2−ブロモ−5−ニトロピリジ
ンを酸化白金を用いて水素添加し、ジアゾ化の後、ヨウ
素化することにより2−ブロモ−5−ヨードピリジンを
得ることができる。2−ブロモ−5−ヨードピリジンを
Pd触媒存在下、1−アルキンと反応させた後、酸化白
金を用いて水素添加することにより、2−ブロモ−5−
アルキルピリジンを得ることができる。2−ブロモ−5
−アルキルピリジンをPd触媒存在下、一般式(I)の
原料である4−アルコキシ−2,3−ジフルオロフェニ
ルアセチレンと反応させることにより、一般式(III)の
化合物を得ることができる。
【0032】ここで、液晶組成物が強誘電性液晶の性質
を示すためには、系が光学活性であることが必要であ
り、組成物中に少なくとも1成分は光学活性化合物を含
むことが必要であり、一般式(I),(II)及び(III)
の化合物を用いて作成した液晶組成物が光学活性化合物
を含まない場合には、光学活性化合物を少なくとも1種
添加する必要がある。このような光学活性化合物として
は、例えば特開平2-138274号公報、特開平2-256638号公
報、特開平3-72479 号公報に記載の化合物等が挙げられ
る。
【0033】また実際に強誘電性液晶組成物を作成する
に際して、一般式(I),(II)及び(III)の化合物及
び光学活性化合物以外の化合物、例えばフェニルピリミ
ジン系化合物、フェニルベンゾエート系化合物、ビフェ
ニル系化合物、フェニルシクロヘキサン系化合物等の化
合物を適宜添加してもよい。さらに、作成した強誘電性
液晶組成物が低いVmin を示すためには、自発分極をあ
る程度小さくする必要があるので、自発分極は10nC
/cm2 以下であることが好ましい。また配向性を考慮
すると強誘電性液晶組成物が、少なくともキラルネマテ
ィック相、スメクティックA相及びキラルスメクティッ
クC相を示すことが好ましい。
【0034】次に、本発明の強誘電性液晶素子を図4に
基づいて説明する。図4は本発明の強誘電性液晶組成物
を用いた液晶表示素子の断面図である。図中、1及び2
は絶縁性基板、3及び4は導電性膜、5は絶縁性膜、6
は配向制御膜、7はシール剤、8は強誘電性液晶、9は
偏光板を示す。1及び2の絶縁性基板としては透光性の
基板が用いられ、通常ガラス基板が使用される。この絶
縁性基板上には、InO3 ,SnO2 ,ITO(Indium
Tin Oxide)等をCVD(Chemical Vapor Deposition
)法あるいはスパッタ法で、所定のパターンの透明電
極3及び4が形成される。透明電極の膜厚は50〜20
0nmが好ましい。
【0035】この透明電極の上に、膜厚50〜200n
mで絶縁性膜5を形成する。この絶縁性膜には、例えば
SiO2 ,SiNX ,Al23等の無機系薄膜、ポリイ
ミド、フォトレジスト樹脂、高分子液晶等の有機系薄膜
等を使用することができる。絶縁性膜が無機系の場合に
は、蒸着法、スパッタ法、CVD法、溶液塗布法等によ
って形成できる。また、有機系の場合には、有機物質を
溶かした溶液またはその前駆体溶液を用いて、スピンナ
ー塗布法、浸漬塗布法、スクリーン印刷法、ロール印刷
法等で塗布し、所定の硬化条件(加熱、光照射等)で硬
化させ形成する方法で形成することができ、あるいは蒸
着法、スパッタ法、CVD法、LB(Langumuir Blodge
tt)法等で形成することもできる。しかしながら、この
絶縁性膜は省略することもできる。
【0036】絶縁性膜5上には膜厚10〜100nmで
配向制御膜6が形成される。ただし、絶縁性膜を省略し
た場合には、導電性膜3及び4の上に直接配向制御膜を
形成する。この配向制御膜6には、無機系あるいは有機
系の膜を使用することができる。無機系の配向制御膜に
は、酸化珪素等が使用でき、その成膜方法には公知の方
法が使用できるが、例えば、斜め蒸着法、回転蒸着法等
を使用することができる。有機系の配向制御膜には、ナ
イロン、ポリビニルアルコール、ポリイミド等が使用で
き、通常この上をラビングする。また、高分子液晶、L
B膜等を用いる場合には、磁場により配向させたり、ス
ペーサエッジ法による配向等も可能である。さらには、
SiO2 ,SiNX 等を蒸着法、スパッタ法、CVD法
等によって成膜し、その上をラビングする方法も使用す
ることができる。次に2枚の絶縁性基板を張り合わせ、
液晶を注入して強誘電性液晶素子とする。以上図4にお
いては面素数1のスイッチング素子として説明したが、
本発明の強誘電性液晶及び液晶素子は大容量マトリクス
の表示装置に適用可能であり、この場合には図5の平面
模式図に示すように上下基板の配線をマトリクス型に組
み合わせて用いる。
【0037】上記配向膜の成膜方法として、最も好まし
い方法はラビング法である。ラビング法には、主にパラ
レルラビング、アンチパラレルラビング、片ラビングの
3方法が挙げられる。パラレルラビングは、上下基板を
ラビングしそのラビング方向が平行なラビング法であ
る。アンチパラレルラビングは、上下基板をラビングし
そのラビング方向が反平行なラビング法である。片ラビ
ングは、上下基板のうち片側の基板のみラビングする方
法である。
【0038】このうち片ラビングは良好な均一配向を作
ることが難しいという欠点を有する。なぜなら、強誘電
性液晶は光学活性な液晶であり、その液晶材料が高温側
にネマティック相を有すると、そのネマティック相は必
然的に螺旋構造を有しており、その螺旋構造が均一な配
向を阻害するからである。もし強誘電性液晶が高温側に
ネマティック相をもたないならこの問題は生じないが、
逆に等方性液体状態から直接スメクティック相が出現す
ることになり、これも良好な均一配向が得られがたい。
【0039】次にアンチパラレルラビングは、ラビング
方向に沿って線状の欠陥が生じやすく、やはり均一な配
向が得られがたい。このように本発明において均一な配
向を得る最も好ましい方法は、パラレルラビングで処理
されたセルと、INAC相系列を有する強誘電性液晶を
組み合わせる方法である。この場合、ネマティック相に
おいて螺旋構造が存在するが、上下の基板の両側から分
子の配向方向を規制するため、ネマティック相において
均一な配向が得られやすく、その状態からスメクティッ
クA相、キラルスメクティックC相へと降温していけば
層法線の方向のそろった配向が容易に得られる。
【0040】しかしながら、パラレルラビングの強誘電
性液晶素子においても、キラルスメクティックC相にお
いて生じる配向状態は決して1つではない。全面的に均
一にならない原因は2つある。ひとつはスメクティック
層の折れ曲がりに関するものである。強誘電性液晶セル
が折れ曲がった層構造(シェブロン層構造)を示すこと
はよく知られているが、図6に示すように2つの領域が
存在しうる。神辺らはこれをプレティルトとの関係から
C1,C2と名付けている。もう一つはユニフォーム
(U)とツイスト(T)である。ユニフォームは消光位
を示す配向、ツイストは消光位を示さない配向である。
向殿らは、ハイプレティルト配向膜を用いたパラレルラ
ビングの強誘電性液晶セルにおいて、C1U(C1−ユ
ニフォーム),C1T(C1−ツイスト),C2の3つ
の配向が得られたことを報告している(M.Koden et a
l.,Jpn.J.Appl.Phys.,30,L1823(1991).)。本発明者らは
更に詳細に検討した結果、パラレルラビングの強誘電性
液晶セルにおいてはC1U,C1T,C2U及びC2T
の4つの配向状態が存在することがを見い出した。図7
にこれらの配向状態の分子配向を示す。
【0041】負の誘電異方性を有する強誘電性液晶セル
において得られる4つの配向状態について比較すると、
C1T及びC2Tは消光位がなく黒状態が黒くないため
良好なコントラストが得られない。またC1U配向はス
イッチングしにくく、またスイッチングしても駆動時に
C2状態が混在した配向へと変化してしまうという欠点
がある。これに対して、C2U状態では良好なコントラ
ストが与えられることを本発明者らは見いだした。
【0042】C1 ・C2配向の出現性はプレティルトと
関係があるが、プレティルト角が0〜15°の範囲では
C2状態が発生しうる。プレティルト角が大きいときに
は向殿らが報告しているように、C2状態は消光位を示
す1つの状態しかなく、これはむしろ好ましい。プレテ
ィルト角の増加とともにC2よりC1の方が取りやすく
なる傾向があり、またプレティルト角が低いほうがC2
が発生しやすいが、逆に低すぎるとC2T状態が発生し
やすくなる欠点もあるので、本願発明における、プレテ
ィルト角の最も好ましい範囲は5〜10°である。
【0043】次に駆動方法について詳細に記載する。本
発明の駆動方法に用いることのできる駆動方法として
は、図2に記載の方法が利用できるが、より好ましい駆
動方法として図8の方法が挙げられる。この駆動方法は
部分書換えができる駆動方法であり、この強誘電性液晶
素子を用いて2000×2000ライン等の大表示容量
のディスプレイを作製するには好ましい駆動方法であ
る。この駆動方法においては、書き換える画素に結合し
た走査電極に波形(1)をその他の走査電極に波形
(2)を印加する。信号電極の波形としては、書き換え
る画素には波形(3)を、書き換えない画素には波形
(4)を印加する。画素にかかる電圧波形は(5)〜
(8)で表されるが、書き換えないときの波形(6)〜
(8)の電圧が印加されたときのτが等しく、透過光量
がほぼ等しいため、フリッカのない良好な表示が得られ
る。
【0044】
【実施例】 実施例1 一般式(I)〜(III)で示される化合物を合成した。化
合物の構造、転移温度及びNMRデータを表1〜8に示
した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】
【表8】
【0053】表1〜8に示した化合物を用いて表9に示
す組成の液晶組成物No.1及び2を作成した。作成した組
成物の転移温度を表10に示した。
【0054】
【表9】
【0055】
【表10】
【0056】実施例2 表11に示す組成のネマティック液晶組成物No.3を作成
した。水平配向処理を施し、表面をそれぞれ反対方向に
ラビングした2枚のガラス基板を用いて、Canoタイプの
くさび型セルを作成しセルの各部分の厚さを測定した。
液晶組成物No.3に表12に示す化合物をそれぞれ約1重
量%添加したネマティック液晶組成物を作成し、上記Ca
noタイプのくさび型セルに注入した。互いに偏光方向の
直交する2枚の偏光板の間にこのセルを設置し、デスク
リネーション・ラインを観察した。デスクリネーション
・ラインの現れる位置でのセル厚に基づいて、注入した
ネマティック液晶組成物の螺旋ピッチを求めた。各化合
物の1/P1 の推定値に換算した値を表12に示した。
【0057】
【表11】
【0058】
【表12】
【0059】実施例3 液晶組成物No.3に表13に示す化合物をそれぞれ30重
量%添加してネマティック相を示す液晶組成物を作成し
た。表13に示す化合物は、ネマティック相の螺旋ピッ
チの向きが既に知られている化合物である。一方、液晶
組成物No.3に表12に示した化合物をそれぞれ1〜30
重量%添加してネマティック相を示す液晶組成物も作成
した。表13の化合物より作成したネマティック液晶組
成物と表12の化合物より作成した液晶組成物とをプレ
パラート上で接触させ、これを偏光顕微鏡によって観察
した。両者の接触している領域に、螺旋ピッチが非常に
長いときにのみ現れるシュリーレン組織が現れるか否か
により、表12の化合物がネマティック相において誘起
する螺旋ピッチの向きを決定した。結果を表12に示し
た。
【0060】
【表13】
【0061】実施例4 表14に示す組成の液晶組成物No.4を作成した。この液
晶組成物No.4は光学活性化合物を含まないノンキラル・
スメクティックC液晶組成物である。この液晶化合物に
表12の化合物をそれぞれ2重量%添加してキラルスメ
クティックC液晶組成物を作成した。
【0062】2枚のガラス基板上に膜厚100nmのI
TOからなる透明電極を形成し、この透明電極上にSi
2 からなる膜厚120nmの絶縁性膜を形成し、この
絶縁性膜上にPVA(ポリビニルアルコール)膜を膜厚
50nmで塗布し、ラビング処理を施した。次にこの2
枚の基板をセル厚2μmで張り合わせた。次いで先に作
成したキラルスメクティックC液晶組成物を注入した。
この液晶セルを2枚の直交する偏光子の間に設置し、電
圧を印加すると透過光強度の変化が観察された。透過光
強度の変化より見いだされた液晶分子の応答の向きと、
印加した電圧の向きとの関係から、各化合物がスメクテ
ィックC相において誘起する自発分極(Ps)の向きを
決定した。結果を表12に示した。
【0063】
【表14】
【0064】実施例5 実施例1で作成した表9に示す組成の液晶組成物と、表
12に示す光学活性化合物を用いて、表15に示す組成
の強誘電性液晶組成物No.5及び6を作成した。この組成
物はスメクティックC相、スメクティックA相及びネマ
ティック相の螺旋ピッチは20μmになるように作成し
た。相転移温度及びネマティック相の螺旋ピッチを表1
6に示した。
【0065】実施例2に用いたのと同じようなCanoタイ
プのくさび型セルを作成した。ただし、セル厚の厚い部
分は10μmに設定されている。このセルに組成物No.5
及び6をそれぞれ注入した。デスクリネーション・ライ
ンは観察されず、この組成物のネマティック相の螺旋ピ
ッチが20μm以上であることが確認できた。
【0066】
【表15】
【0067】
【表16】
【0068】実施例6 2枚のガラス基板上に、PSI−A−2101(チッソ
社製)配向膜を塗布し、ラビングした。この2枚のガラ
ス基板をラビング方向が反平行になるようにセル厚50
μmで貼り合わせ、ネマティック液晶E−8(メルク社
製)を注入した。磁場容量法(K.Suzuki,K.Toriyama,A.
Fukuhara.,Appl.Phys.Lett,.33 (1987)561)によってP
SI−A−2101配向膜のプレティルト角を測定した
ところ5°であった。
【0069】実施例7 2枚のガラス基板上に膜厚100nmのITOからなる
透明電極を形成し、この透明電極上にSiO2 からなる
膜厚120nmの絶縁性膜を形成し、この絶縁性膜上に
PSI−A−2101(チッソ社製)配向膜を膜厚50
nmで塗布し、ラビング処理を施した。次にこの2枚の
基板をラビング方向が同一になるようにセル厚2μmで
張り合わせ、実施例5で作成した強誘電性液晶組成物を
注入した。注入後いったん液晶組成物が等方性液体に変
化する温度にセルを加熱し、その後1℃/minで室温
まで冷却することにより良好なC2U配向を有する強誘
電性液晶素子を得た。
【0070】この強誘電性液晶素子を2枚の直交する偏
光子の間に設置して電圧を印加し、特性を評価した。評
価条件及び得られた特性を表17に示した。更にこの強
誘電性液晶素子のτ−Vmin 特性を評価した。結果を図
9及び10に示した。Vminが30V以下に得られてい
る。
【0071】
【表17】
【0072】実施例8 実施例7で作成した強誘電性液晶素子を用いて図8に示
す駆動波形を用いて駆動実験した。駆動条件及び駆動実
験結果を表18に示した。40V以下の駆動電圧でスイ
ッチングさせることができ、良好なコントラストが得ら
れた。
【0073】
【表18】
【0074】比較例1 2枚のガラス基板上に膜厚100nmのITOからなる
透明電極を形成し、この透明電極上にSiO2 からなる
膜厚120nmの絶縁性膜を形成し、この絶縁性膜上に
PSI−A−2101(チッソ社製)配向膜を膜厚50
nmで塗布し、ラビング処理を施した。次にこの2枚の
基板をラビング方向が同一になるようにセル厚2μmで
張り合わせ、表19に示すメルク社製強誘電性液晶組成
物をそれぞれ注入した。注入後いったん液晶組成物が等
方性液体に変化する温度にセルを加熱し、その後1℃/
minで室温まで冷却することにより良好な配向を有す
る強誘電性液晶素子を得た。
【0075】
【表19】
【0076】この強誘電性液晶素子を2枚の直交する偏
光子の間に設置して電圧を印加し、特性を評価した。評
価条件及び得られた特性を表20に示した。更にこの強
誘電性液晶素子のτ−Vmin を評価した結果を図11に
示した。τ−Vmin 特性が得られているが、Vmin の値
は30V以上であった。
【0077】
【表20】
【0078】比較例2 比較例1で作成した強誘電性液晶素子を用いて図8に示
した駆動波形を用いて駆動実験した。駆動条件及び駆動
実験結果を表21に示した。この表から40V以上の駆
動電圧が必要であることが分かる。
【0079】
【表21】
【0080】
【発明の効果】本発明の強誘電性液晶組成物を用いた液
晶表示素子は配向性がよく、高コントラストで、低駆動
電圧の大容量の強誘電性液晶素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】強誘電性液晶材料のτ−V特性図である。
【図2】強誘電性液晶素子を駆動する駆動波形を示す図
である。
【図3】図2の駆動法の原理図である。
【図4】本発明の強誘電性液晶組成物を用いた強誘電性
液晶素子の概略断面図である。
【図5】大容量の強誘電性液晶素子の摸式図である。
【図6】強誘電性液晶素子のC1配向とC2配向の説明
図である。
【図7】強誘電性液晶素子の配向状態の分子配向モデル
である。
【図8】強誘電性液晶素子を駆動する駆動波形を示す図
である。
【図9】本発明の強誘電性液晶素子のτ−V特性であ
る。
【図10】本発明の強誘電性液晶素子のτ−V特性であ
る。
【図11】従来の強誘電性液晶素子のτ−V特性であ
る。
【符号の説明】
1 絶縁性基板 2 絶縁性基板 3 導電性膜 4 導電性膜 5 絶縁性膜 6 配向制御膜 7 シール剤 8 強誘電性液晶 9 偏光板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/1337 510 9225−2K (72)発明者 佐藤 正洋 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内 (72)発明者 吉尾 邦清 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内 (72)発明者 渡辺 哲也 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内 (72)発明者 柳 達朗 京都府京都市東山区一橋野本町11番地の1 三洋化成工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は同一又は異なっていてもよい炭
    素数1〜15を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基、X
    1 及びX2 はそれぞれ独立に単結合又は−O−であ
    る。)で示される化合物を少なくとも一種、 一般式(II) 【化2】 (式中、R3 及びR4 は同一又は異なっていてもよい炭
    素数1〜15を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基、X
    3 及びX4 はそれぞれ独立に単結合、−O−又は−CO
    O−である。)で示される化合物を少なくとも一種、 一般式(III) 【化3】 (式中、R5 及びR6 は同一又は異なっていてもよい炭
    素数1〜15を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル基、A
    は 【化4】 であり、X5 は単結合又は−O−である。)で示される
    化合物を少なくとも一種含有することを特徴とする強誘
    電性液晶組成物。
  2. 【請求項2】 自発分極が10nC/cm2以下である請求項1
    記載の強誘電性液晶組成物。
  3. 【請求項3】 少なくともキラルネマティック相、スメ
    クティックA相あるいはキラルスメクティックC相を示
    すことからなる請求項1あるいは2いずれか一つに記載
    の強誘電性液晶組成物。
  4. 【請求項4】 電極膜、配向膜を有する一対の絶縁性基
    板間に強誘電性液晶を介在させ、前記電極に選択的に電
    圧を印加することによって液晶の光軸を切り換える駆動
    手段と光軸の切り換えを光学的に識別する手段を有する
    強誘電性液晶素子であって、該強誘電性液晶が請求項1
    〜3いずれか記載の強誘電性液晶組成物である液晶表示
    素子。
  5. 【請求項5】 強誘電性液晶のスメクティック層構造の
    折れ曲がり方向と液晶/配向膜界面の液晶分子のプレテ
    ィルトの方向が同一であり、強誘電性液晶の配向状態が
    ユニフォームであることからなる請求項4記載の液晶表
    示素子。
  6. 【請求項6】 液晶/配向膜界面での液晶分子のプレテ
    ィルト角が10°以下であることからなる請求項5記載
    の液晶表示素子。
  7. 【請求項7】 複数の走査電極と複数の信号電極を互い
    に交差する方向に配列し、前記走査電極と前記信号電極
    が交差する領域を画素とする請求項4〜6いずれか記載
    の液晶表示素子であって、 印加する駆動波形が、非選択電圧を印加した走査電極と
    書換電圧を印加した信号電極から構成される画素へ、強
    誘電性液晶分子に正電圧と負電圧を印加し、選択電圧を
    印加した走査電極と保持電圧を印加した信号電極から構
    成される画素へ、強誘電性液晶分子に働く誘電異方性負
    の効果が大きな領域の正電圧又は負電圧と、強誘電性液
    晶分子に働く誘電異方性負の効果が小さな領域の負電圧
    又は正電圧を印加することからなる液晶表示素子の駆動
    方法。
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