JPH06330015A - 接着性樹脂組成物 - Google Patents

接着性樹脂組成物

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JPH06330015A
JPH06330015A JP11830993A JP11830993A JPH06330015A JP H06330015 A JPH06330015 A JP H06330015A JP 11830993 A JP11830993 A JP 11830993A JP 11830993 A JP11830993 A JP 11830993A JP H06330015 A JPH06330015 A JP H06330015A
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JP
Japan
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epoxy resin
adhesive
curing agent
polycaprolactone
resin composition
Prior art date
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Pending
Application number
JP11830993A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Onishi
雅彦 大西
Yoshihiro Tabata
義弘 田端
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH06330015A publication Critical patent/JPH06330015A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用環境温度50℃以下で優れた貯蔵安定性を
有する接着性樹脂組成物を得る。 【構成】 分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有す
る、室温で液状のエポキシ樹脂100 重量部、ε−カプロ
ラクトンモノマーを開環重合させることにより得られる
ポリカプロラクトン10〜100 重量部、熱活性型潜在性硬
化剤2〜30重量部を必須成分として含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は接着性樹脂組成物に関す
るものであり、さらに詳細に説明すれば、自動車組み立
てにおける金属構造材、各種パネル類の接着あるいはヘ
ミング構造に充填しパネル類の接着に使用する、貯蔵安
定性に優れた一液型構造接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車の組み立て工程ではドア、
フード、トランクリッドなどのパネル類のヘミング部や
サイドシル、センターピラー、ボデーサイドなどの構造
部材の溶接部に防錆やパネル類の剛性保持を目的とした
接着剤をビード状に塗布した後、上記パネル類をアッセ
ンブリーして、接着剤を均一に充填した構造としてい
る。一般に自動車の組み立て工程で使用される接着剤は
油面定着性、機械的強度、耐久性に優れた一液型エポキ
シ系接着剤が主流である。通常この一液型接着剤はペー
ル缶あるいはドラム缶に充填され供給され、組み立て工
程に於てギアボンプなどで汲み出された後、エアー圧送
されビード状に吐出される。気温により接着剤の粘度が
変化し吐出量が変化するため、通常は接着剤の圧送管は
室温より高めの温度に加熱されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら圧送管を
恒常的に加熱し続けたり、また夏季に接着剤の使用環境
温度が自動車組み立て工程では40℃を越えたりすること
が頻繁に起るようになる。このような使用環境下では、
接着剤中に配合されている硬化剤によりエポキシ樹脂が
除々に反応することにより、接着剤を圧送する配管内や
ポンプ内、ノズル内で接着剤の粘度が除々に上昇し、所
定量の接着剤吐出が出来なくなったり、完全にゲル化し
た場合は吐出自体が不可能となる。従ってこのような接
着剤は、使用環境温度50℃以下でのその貯蔵安定性を確
保することが車体組み立てに使用する一液型構造接着剤
の重要な要求特性となっている。従って現状では貯蔵安
定性を確保する為、エポキシ樹脂の分子量を調節した
り、潜在性硬化剤の種類、配合量を調節したりしている
が、必ずしも有効な手段でないのが実状である。従って
本発明の目的は、使用環境温度50℃以下で優れた貯蔵安
定性を有する接着性樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる問題点
を解決するためになされたものであり、エポキシ樹脂、
ポリカプロラクトン、熱活性型潜在性硬化剤を必須成分
としてなる貯蔵安定性に極めて優れている接着性樹脂組
成物に関するものである。
【0005】即ち本発明は、分子内に少なくとも1個の
エポキシ基を有する、室温で液状のエポキシ樹脂、ε−
カプロラクトンモノマーを開環重合させることにより得
られるポリカプロラクトン、熱活性型潜在性硬化剤を必
須成分とする貯蔵安定性に優れた接着性樹脂組成物に関
するものである。
【0006】本発明に用いられる分子内に少なくとも1
個のエポキシ基を有する液状のエポキシ樹脂としては、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂あるいはビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、アク
リロニトリル−ブタジエンゴム変性エポキシ樹脂が挙げ
られる。通常、数平均分子量は300 〜1500、エポキシ当
量は150 〜900 である。ここで挙げるエポキシ樹脂と
は、室温で液状のエポキシ樹脂が望ましいが、室温で固
形状のエポキシ樹脂であっても液状のエポキシ樹脂が混
合されたり、可塑剤が混合されて、その混合物が室温で
液状であり混合物のエポキシ当量が上記範囲内であれば
問題はない。また特に好ましくは、エポキシ当量180 〜
210 のビスフェノールA型液状エポキシ樹脂が作業性、
硬化性等に優れ用いられる。
【0007】次に本発明に用いられる、ε−カプロラク
トンモノマーを開環重合することにより得られる結晶性
を有するポリカプロラクトンが必須成分として、上記エ
ポキシ樹脂100 重量部に対し10〜100 重量部、特に好ま
しくは15〜35重量部配合される。配合量が10重量部未満
であると得られる組成物の貯蔵安定性は良好とならな
い。配合量が100 重量部を越えるとポリカプロラクトン
が可塑剤として作用し、製造された本発明の接着性樹脂
組成物はエポキシ樹脂の持つ優れた特性を失う。
【0008】硬化剤としては貯蔵時に安定であり高温で
活性を示す熱活性型潜在性硬化剤が用いられ、かつ硬化
後の基材への接着力の高いものが好ましく、このような
観点から、アジポイルジヒドラジド、イソフタロイルジ
ヒドラジド、セバコイルジヒドラジドのような有機酸ジ
ヒドラジド類およびそれらの誘導体、ジシアンジアミ
ド、4,4−ジアミノジフェニルスルホン、または2−
メチルイミダゾール、トリアジン塩類のような分子内に
トリアジン環を有するイミダゾール誘導体、トリメリッ
ト酸無水物のような酸無水物類、三弗化ホウ素錯化合物
等が挙げられる。特にジシアンジアミドが、上記エポキ
シ樹脂への分散配合後の硬化性、基材への接着性に優れ
るという点で好適である。
【0009】上記硬化剤及びそれらの誘導体は必須成分
としてエポキシ樹脂100 重量部に対し2〜30重量部配合
される。かかる硬化剤の配合量が2重量部未満である
と、組成物の硬化性不良や接着力不足を生じ、また配合
量が30重量部を越えると、未反応の硬化剤が硬化物中に
過多に残存し接着力の低下、耐湿性の低下等が起こり、
エポキシ樹脂の有する優れた特性を低下させる。
【0010】本発明の接着性樹脂組成物には、特に限定
はされないが、必要に応じて無機充填材を配合する事も
可能である。このような無機充填材としては溶融シリ
カ、結晶性シリカ、マイカ、アルミナ、珪酸カルシウ
ム、珪酸アルミニウム、カオリンクレー、炭酸カルシウ
ム、タルク、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、酸化チ
タン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモ
ン及び鱗状黒鉛が挙げられる。これらはそれぞれ単独で
あるいは二種以上を組合せて使用することができる。特
に限定はされないが、これら無機充填材の表面がシラン
系カップリング剤、チタン系カップリング剤、脂肪酸、
界面活性剤などで処理されていても良い。
【0011】次に上記各成分を混合し接着性樹脂組成物
とするため室温で液状のエポキシ樹脂及び熱活性型潜在
性硬化剤、ポリカプロラクトンを本発明で規定する範囲
内で、ポリカプロラクトンの融点以上の温度で均一に溶
融混合する。これらの各成分を溶融混合した後、混合物
が冷却される過程でポリカプロラクトンが結晶化し、得
られた混合物は完全に固形状となる。
【0012】エポキシ樹脂、ポリカプロラクトン、潜在
性硬化剤を三本ロール、プラネタリウムミキサー、ニー
ダー、押し出し機等で均一に溶融混合するが、正確には
ポリカプロラクトンの融点以上の温度で均一に混合す
る。但し長時間溶融混合を続けるとエポキシ樹脂と硬化
剤の反応が起こるため、混合中にシェアーによる発熱を
管理する必要がある。従って上記各混練機にはチャンバ
ーやシリンダーを冷却媒体等で冷却する装置が付帯した
ものが好ましい。
【0013】本発明の接着性樹脂組成物は上記工程によ
り調製され、調製直後は均一なペースト状、冷却の過程
で徐々に増粘し結晶化が完了すれば、完全な固形状態の
一液型接着剤として得られる。
【0014】
【作用】次に本発明の作用を説明する。本発明の接着性
樹脂組成物は、室温状態で固形状であり40〜50℃に加熱
して均一なペースト状態として吐出する。接着剤の加熱
時に配合された硬化剤の表面には、かかる接着性樹脂組
成物の製造工程終了後に、ポリカプロラクトンが選択的
に結晶固化しており、室温以上得られた接着性樹脂組成
物の融点以下で硬化剤はほとんどエポキシ樹脂と接触す
ることが無く、長期間に亘ってペースト状態での粘度変
化を起こさず貯蔵安定性に優れた特性を発揮する。また
接着性樹脂組成物の融点以上の温度以上ポリカプロラク
トンの融点以下の温度においても、同様に長期間に亘っ
てペースト状態での粘土変化を起こさず貯蔵安定性に優
れた特性を発揮する。また吐出された本発明の接着剤が
電着オーブン中で加熱される時、硬化剤表面にて固化し
ているポリカプロラクトンが速やかにエポキシ樹脂中へ
相溶し、その結果エポキシ樹脂と硬化剤により形成され
る架橋分子鎖中に取り込まれながら、硬化は完結する。
【0015】このように本発明の接着性樹脂組成物は、
硬化剤の表面で結晶固化しているポリカプロラクトンに
より、エポキシ樹脂中で、かかる硬化剤がエポキシ樹脂
と接触してないためほとんど反応せず、優れた貯蔵安定
性を示すことに特徴がある。
【0016】
【実施例】本発明を次の実施例および比較例で説明す
る。 実施例1〜3、比較例1〜2 (試料の作製)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピ
コート828 油化シェルエポキシ(株)製 商品名)、ウ
レタン変性エポキシ樹脂(EPU−78−10 旭電化工業
(株)製 商品名)、ε−カプロラクトンモノマーを開
環重合して得られるポリカプロラクトン(数平均分子量
約40000 融点60℃:プラクセルH4:ダイセル化学工業
(株)製 商品名)と硬化剤ジシアンジアミド(H3636
S :エー・シー・アール(株)製 商品名)及び充填材
として炭酸カルシウム(平均粒径1ミクロン:白艶華A
白石工業(株)製)を表1に示す割合(重量部)で配合
してなる実施例1〜3の各組成物をポリカプロラクトン
の融点以上の温度(約80℃) で、3本ロールで三回混練
してペースト状の組成物を得た。これらの組成物はそれ
ぞれ室温にて放置した後、徐々に粘度上昇を起こし、混
練終了20分後にはすべて完全に固形状となった。
【0017】次に比較例として液状エポキシ樹脂及び硬
化剤ジシアンジアミド、炭酸カルシウムを同様に表1に
示す割合(重量部)で配合してなる比較例1〜2の組成
物を三本ロールで三回混練してペースキ状の組成物を得
た。
【0018】(特性の評価) 貯蔵安定性の確認 得られた固形状の実施例の組成物を、25℃で180 日間、
40℃で60日間、50℃で30日間保持した後、40℃でペース
ト状態とした時の粘度の変化を調べた。比較例のペース
ト状接着性組成物は各温度で保持後25℃での粘度の変化
を調べた。いずれの場合も相対湿度70%で保持を行っ
た。粘度の測定はB型粘度計で行った。貯蔵安定性の評
価は、初期粘度(実施例の組成物は40℃での粘度、比較
例の組成物は25℃での粘度である) に対し保持終了後の
粘度上昇が、10%未満の試料を貯蔵安定性が「良好」、
保持終了後の粘度上昇が、10%以上の試料を貯蔵安定性
が「不良」とした。
【0019】表1の実施例からも明らかなように、本発
明の範囲内の試料(試料番号1〜3)は、いずれも優れ
た貯蔵安定性を示す。これに対し比較例では、本発明の
範囲と異なるために、本発明が挙げる優れた貯蔵安定性
が得られない。比較例は貯蔵安定性に問題があり、50℃
で30日間保持した時、完全にゲル化してしまい実用に供
さない。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】以上述べた通り、本発明の接着性樹脂組
成物は、エポキシ樹脂に潜在性硬化剤及び結晶性を有す
るポリカプロラクトンを特定量比で配合してなることに
より、優れた貯蔵安定性を示す。このような接着性樹脂
組成物を使用すれば、接着剤を圧送する配管の温度管理
が不要となるばかりでなく、特に夏季中の接着剤の粘度
の上昇による吐出量の変化が起きない為、粘度管理を行
なう必要が皆無となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に少なくとも1個のエポキシ基を
    有する、室温で液状のエポキシ樹脂100 重量部、ε−カ
    プロラクトンモノマーを開環重合させることにより得ら
    れるポリカプロラクトン10〜100 重量部、熱活性型潜在
    性硬化剤2〜30重量部を必須成分とすることを特徴とす
    る接着性樹脂組成物。
JP11830993A 1993-05-20 1993-05-20 接着性樹脂組成物 Pending JPH06330015A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11830993A JPH06330015A (ja) 1993-05-20 1993-05-20 接着性樹脂組成物

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JP11830993A JPH06330015A (ja) 1993-05-20 1993-05-20 接着性樹脂組成物

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JPH06330015A true JPH06330015A (ja) 1994-11-29

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ID=14733495

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JP11830993A Pending JPH06330015A (ja) 1993-05-20 1993-05-20 接着性樹脂組成物

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JP (1) JPH06330015A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100400437B1 (ko) * 2000-10-06 2003-10-01 세창화학 주식회사 필름용 수성 접착제 조성물
US11189676B2 (en) 2008-10-16 2021-11-30 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light-emitting device having fluorescent and phosphorescent materials

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KR100400437B1 (ko) * 2000-10-06 2003-10-01 세창화학 주식회사 필름용 수성 접착제 조성물
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