JPH07331215A - エポキシ樹脂系接着性組成物およびその製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂系接着性組成物およびその製造方法

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JPH07331215A
JPH07331215A JP12926494A JP12926494A JPH07331215A JP H07331215 A JPH07331215 A JP H07331215A JP 12926494 A JP12926494 A JP 12926494A JP 12926494 A JP12926494 A JP 12926494A JP H07331215 A JPH07331215 A JP H07331215A
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JP
Japan
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epoxy resin
weight
parts
mixed
polycaprolactone
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JP12926494A
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Masahiko Onishi
西 雅 彦 大
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗布したのち適度な速さで固化し、仮焼付け
をしなくても変形したり飛散するようなことがなく、シ
ーリング剤としての優れた作業性とシーリング性を有す
るエポキシ樹脂系接着性組成物を提供する。 【構成】 エポキシ樹脂系接着性組成物は、エポキシ樹
脂100重量部と、ポリスチレン換算数平均分子量が6
000〜40000のポリカプロラクトン20〜70重
量部と、前記エポキシ樹脂とポリカプロラクトンとの混
合樹脂100重量部に対して2〜15重量部の潜在性硬
化剤と、前記混合樹脂100重量部に対して10〜80
重量部の可塑剤からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばシーリング剤と
して利用されるエポキシ樹脂系接着性組成物およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の修理用交換部品として製造され
る、例えばドア,フード,トランクリッドなどは、まず
各パネルを圧造したのち、アウタパネルとインナパネル
をアッセンブリし、アウタパネルの端縁部をヘミングす
ることにより、パネルが一体化される。 一体化された
部品には、脱脂,被膜化成処理,洗浄などの前処理が施
されたのち、下塗り塗装としての電着塗装がなされ、次
いで加熱炉中にて電着塗料の焼付乾燥が行われる。 そ
して、焼付乾燥終了後、これら部品は梱包され、サービ
ス工場等に出荷される。
【0003】サービス工場においては、防錆および水密
性の向上を目的として、ヘミングを施したパネルの合わ
せ目に塩化ビニルプラスチゾルからなるシーリング剤を
塗布したのち、それぞれの車体色に合わせた中塗り塗料
および上塗り塗料を吹き付け塗装し、加熱炉中で当該塗
料とシーリング剤とを焼付乾燥する。
【0004】一方、加熱炉を設備していないサービス工
場においては、中塗りおよび上塗りに際して、赤外線ラ
ンプで焼付け可能なウレタン系の2液反応型塗料を使用
することになるが、赤外線ランプによる加熱温度は60
〜80℃であるため、塩化ビニルプラスチゾルシーリン
グ剤を焼付けることができない。
【0005】したがって、このような加熱炉のないサー
ビス工場に向けては、生産工場において、ヘミング加工
後に上記シーリング剤を塗布した状態で電着塗装による
下塗りを施すか、電着塗装終了後にウレタン系あるいは
シリコーン系の湿気硬化型シーリング剤を塗布したのち
出荷するようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、サービ
ス工場におけるシーリング剤の塗布作業は、ほとんど自
動化されておらず、人手にたよっているのが実情であっ
て、塗布直後のシーリング剤の「たれ」などが問題にな
る。 すなわち、シーリング剤の塗布後に仮焼付けを行
わないと、ペースト状のシーリング剤がパネル表面に付
着して、塗装外観不良の原因になるという問題点があ
る。
【0007】また、パネル類のヘミング加工後に鋼板の
合わせ部にシーリング剤を塗布してから電着塗装を行う
方法においては、上記同様にシーリング剤の塗布後に仮
焼付けを行わないと、脱脂,化成処理,電着の各工程で
の水洗シャワーによって塗布したペースト状シーリング
剤が変形したり、最悪の場合には飛散してしまい、シー
リング剤がパネル表面に付着して電着塗装の外観不良を
引き起こしたり、飛散したシーリング剤が電着槽内を汚
染したりするという問題点がある。
【0008】さらに、電着塗装終了後に、ウレタン系あ
るいはシリコーン系の湿気硬化型シーリング剤を塗布し
て出荷する方法においては、シーリング剤が硬化、ある
いは指触乾燥状態になるまでに時間を要し、大量生産に
は向かないという問題点があり、これらの問題点を解決
することが従来の塗装工程におけるシーリング作業の課
題となっていた。
【0009】
【発明の目的】本発明は、従来のシーリング作業におけ
る上記課題に着目してなされたものであって、シーリン
グ剤としての優れた作業性とシーリング性を有すると共
に、上記したドアやトランクリッドなどのような修理用
交換部品の製造に適用した場合、塗布したのち仮焼付け
をしなくても水洗シャワーによって変形したり飛散する
ようなことがなく、ヘミング終了後のパネルに塗布した
状態で電着塗装を施すことのできるエポキシ樹脂系接着
性組成物およびその製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるエポキシ
樹脂系接着性組成物は、ビスフェノールAまたはビスフ
ェノールFにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシ
ドを付加させ、エピクロルヒドリンと反応させたエポキ
シ樹脂100重量部に、ε−カプロラクトンを開環重合
して得られ、ポリスチレン換算数平均分子量が6000
〜40000のポリカプロラクトン20〜70重量部を
混合してなる混合樹脂と、前記混合樹脂100重量部に
対して2〜15重量部の潜在性硬化剤と、同じく前記混
合樹脂100重量部に対して10〜80重量部の可塑剤
からなる構成とし、当該エポキシ樹脂系接着性組成物を
製造するに際して採用される製造方法としては、あらか
じめ80〜100℃に加熱したエポキシ樹脂中にポリカ
プロラクトンを添加して均一に溶融混合したのち、40
〜60℃の温度範囲において潜在性硬化剤を添加し、さ
らに潜在性硬化剤の混合終了後に可塑剤を添加すること
が望ましく、エポキシ樹脂系接着性組成物およびその製
造方法におけるこのような構成を前述した従来の課題を
解決するための手段としたことを特徴としている。
【0011】本発明に係わるエポキシ樹脂系接着性組成
物の主剤を構成するエポキシ樹脂は、通常のビスフェノ
ールAにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを
付加させたのち、エピクロルヒドリンと反応させたもの
である。 なお、ビスフェノールAはアセトンとフェノ
ールから合成されることを意味するものであるが、本発
明においてはホルマリンとフェノールから合成されたビ
スフェノールFを使用することもできる。
【0012】エチレンオキシドまたはプロピレンオキシ
ドの付加モル数については、硬化後の組成物にシーリン
グ剤としての適度の柔軟性と追従性を付与する観点か
ら、ビスフェノールAまたはビスフェノールFの1モル
に対し、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを
2〜20モル付加させたものが好ましい。 なお、この
エポキシ樹脂は、室温で低粘度の液状となる。
【0013】ポリカプロラクトンは、ε−カプロラクト
ンを開環重合して得られるものであって、本発明に係わ
るエポキシ樹脂系接着性組成物においては、液状の主剤
であるエポキシ樹脂に混合されることによって、45℃
程度においてペースト状、室温においては固化するよう
にし、ペースト状態に加熱されて塗布された当該組成物
を適度な速さで結晶固化させ、外力による変形や脱落を
防止する働きを有するものである。 そして、室温で固
体状、45℃程度においてペースト状となるように、ポ
リスチレン換算数平均分子量が6000〜40000の
ものが使用され、上記の液状エポキシ樹脂の100重量
部に対し20〜70重量部、望ましくは40〜60重量
部添加混合される。
【0014】このポリカプロラクトンは、上記のように
室温において固体状であるので、ポリカプロラクトンの
融点(約60℃)以上に加熱した液状エポキシ樹脂中に
当該ポリカプロラクトンを均一に溶融混合する。
【0015】本発明に係わるエポキシ樹脂系接着性組成
物においては、主剤であるエポキシ樹脂と反応して当該
組成物を硬化させるために硬化剤が使用されるが、本発
明においては、当該接着性組成物の貯蔵安定性および加
熱塗布時の安定性を得るために、硬化剤として潜在性硬
化剤が使用される。
【0016】すなわち、潜在性硬化剤は、脂肪族アミン
やポリアミドなどの通常の硬化剤に対して、エポキシ樹
脂に微分散された状態で、室温貯蔵下での安定性を向上
させる機能を有し、一旦高温(120℃以上)に加熱さ
れると、エポキシ樹脂を速やかに硬化させる。
【0017】この潜在性硬化剤としては、ジシアンジア
ミド,グアナミン,二塩基酸ジヒドラジド類,カルボン
酸イミド,イミダゾール誘導体などを使用することがで
き、上記エポキシ樹脂とポリカプロラクトンの混合樹脂
の100重量部に対して2〜15重量部添加される。
なお、潜在性硬化剤の添加量が、混合樹脂100重量部
に対して2〜15重量部に限定されるのは、2重量部未
満であるとエポキシ樹脂との反応が不均一となり、エポ
キシ樹脂中に未反応のエポキシ基が残存して所期の特性
を発揮することができず、添加量が15重量部を超える
と硬化終了後に未反応の硬化材が過多に残存し、耐湿性
や機械的特性が劣化する傾向があることによる。
【0018】潜在性硬化剤の添加に際しては、当該硬化
剤がエポキシ樹脂と反応することによって混合樹脂の粘
度が上昇することを極力防止する観点から、上記した方
法により液状エポキシ樹脂とポリカプロラクトンとを均
一に溶融混合したのち、40〜60℃の温度範囲で分散
添加することが望ましい。
【0019】さらに、本発明に係わるエポキシ樹脂系接
着性組成物においては、硬化後の組成物にシーリング剤
としての可撓性を付与するために、可塑材が使用され
る。
【0020】このような可塑材としては、多量に使用す
ると密着力の低下を起こしたり、ブリードを起こして塗
装性を低下させるので、エポキシ樹脂と相溶性のあるも
のが好ましく、フタル酸エステル,りん酸エステル、あ
るいはこれらを高分子化した、ポリスチレン換算数平均
分子量が3000までのポリエステル可塑材などを使用
することができ、これら可塑剤は、伸びを大きくし、塗
装性を向上させる観点から前記エポキシ樹脂とポリカプ
ロラクトンの混合樹脂の100重量部に対して10〜8
0重量部、とくに望ましくは20〜50重量部添加され
る。
【0021】当該可塑材の添加に際しては、前記方法に
基づいて、液状エポキシ樹脂とポリカプロラクトンから
なる混合樹脂中への前記硬化剤の混合が終了したのちに
添加することが好ましい。 これは、エポキシ樹脂と可
塑材とをあらかじめ混合しておき、これにポリカプロラ
クトンを溶融混合したのち40〜60℃に保持すると、
低粘度化するため、シェアをかけながら硬化剤を均一に
分散混合することが困難になることによる。
【0022】本発明に係わるエポキシ樹脂系接着性組成
物には、上記した必須成分のほかに、硬化促進剤や粘度
調整剤,充填材,顔料などを必要に応じて添加配合する
ことができる。
【0023】すなわち、硬化促進剤としては、例えばイ
ミダゾールおよびその塩類、あるいはジアザビシクロウ
ンデセンの塩類などを使用することができ、当該エポキ
シ樹脂系接着性組成物の硬化時間を短縮する必要がある
場合に、前述の潜在性硬化剤と併用する。
【0024】粘度調整剤としては、無水けい酸,含水け
い酸,微粒炭酸カルシウム,ベントナイトなどの増粘
剤、モノエポキサイトなどの反応性稀釈剤が必要に応じ
て使用される。
【0025】充填材としては、炭酸カルシウム,けい酸
カルシウム,タルク,クレーなどを常法にしたがって使
用することができる。
【0026】また、顔料としては、酸化チタン,酸化マ
グネシウムなど、主に白色系顔料を必要に応じて添加す
ることができる。 これは、例えば当該エポキシ樹脂系
接着性組成物をシーリング剤として使用し、塗料を焼付
けたときの変色を見かけ上抑え、塗料隠蔽製を確保する
ために、当該組成物が白色を呈していることが望ましい
からであり、このような外観性を要求されない用途であ
れば、白色系以外の顔料、例えばカーボンブラックを使
用しても差しつかえない。
【0027】本発明に係わるエポキシ樹脂系接着性組成
物の製造に際しては、先にも述べたように、まず液状エ
ポキシ樹脂をポリカプロラクトンの融点以上の温度、す
なわち80〜100℃程度に加熱したのち、これに所定
量のポリカプロラクトンを添加し、減圧下において脱泡
しながら均一に溶融混合する。
【0028】均一に溶融混合したのち、この混合樹脂を
冷却し、40〜60℃程度に保持しながら潜在性硬化剤
を添加する。 これは、室温まで冷却した状態で硬化剤
を添加すると、硬化剤の混合中に樹脂の固化が始まり、
混合樹脂の粘度が増加して硬化剤を均一に分散させるこ
とができなくなることによる。
【0029】そして、硬化剤の混合が終了したのち、前
述のように減圧下において脱泡しながら可塑材を添加す
る。
【0030】なお、必要に応じて添加する粘度調整剤,
充填材,顔料などは、硬化剤を添加するまでに混合する
ことが望ましい。 これは、加熱しながら硬化剤を分散
混合する時間をできる限り短くするためである。
【0031】上記の製造に用いる混合手段としては、加
熱装置を具備した通常の混合機、例えばニーダー,ヘン
シェルミキサー,プラネタリウム混合機,ディスパーな
どを使用することができる。
【0032】本発明に係わるエポキシ樹脂系接着性組成
物は、混合終了後、温度低下に伴って徐々に結晶固化
し、室温において完全な固体状となるが、40〜45℃
に再加熱することにより完全なペースト状となる。
【0033】したがって、例えば、当該組成物を上記し
たドアなどの修理用交換部品のシーリング剤として使用
する場合、当該組成物は、40〜60℃に加熱可能な加
熱装置を備えた吐出機により、シーリングすべき鋼板上
に、偏平あるいは円形ビード形状に塗布される。 塗布
された組成物は、温度低下に伴って結晶固化し始め、粘
度を増して徐々に固体状態となるが、完全に固化するま
での間にへらや筆、刷毛などによって、塗布形状を修正
する。
【0034】当該組成物が固化した後は、脱脂槽や化成
処理槽,電着槽における水洗シャワーによる水圧によっ
て変形したり、飛散したりすることはない。
【0035】そして、電着槽において部品表面に電着塗
装が施された後、加熱炉中で電着塗料の焼付けが行わ
れ、同時に当該組成物が完全に硬化することにより高い
伸び率を備えた弾性体となり、優れたシーリング性を発
揮する。
【0036】
【発明の作用】本発明に係わるエポキシ樹脂系接着性組
成物においては、主剤としてビスフェノールAまたはビ
スフェノールFにエチレンオキシドまたはプロピレンオ
キシドを付加のさせたのち、エピクロルヒドリンと反応
させたエポキシ樹脂および必要に応じた所定量の可塑材
を使用しているので、硬化終了後、その組成物は高い伸
び率を備えた弾性体となる。 また、ポリスチレン換算
数平均分子量が6000〜40000のポリカプロラク
トンを所定量含有していることにより、ペースト状に加
熱して塗布されたのち、温度低下に伴って適度な速さで
結晶固化するので、固化までの間に形状修正が施される
と共に、固化したのちは外力によって変形したり、塗布
された部位から脱落したりすることがない。 さらに、
硬化剤として所定量の潜在性硬化剤を含有しているの
で、120℃程度以上の温度において、エポキシ樹脂と
潜在性硬化剤とが反応することによって完全に硬化し、
高い伸び率を備えた弾性体となって、優れたシーリング
性を発揮する。
【0037】また、本発明に係わるエポキシ樹脂系接着
性組成物においては、請求項2として、1モルのビスフ
ェノールAまたはビスフェノールFに対して2〜20モ
ルのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを付加
させるようにしているので、当該組成物が室温において
液状となり、しかも硬化後においてシーリング剤として
最適な柔軟性および追従性を備えたものとなる。
【0038】さらに、本発明の請求項3に係わるエポキ
シ樹脂系接着性組成物においては、エポキシ樹脂100
重量部に対してポリカプロラクトン40〜60重量部を
混合したいるので、120℃以上の高温における硬化反
応前の組成物が45℃程度においてペースト状となり、
室温に温度降下するまでの間により好都合な速度で結晶
固化するものとなる。
【0039】加えて、本発明に係わるエポキシ樹脂系接
着性組成物においては、請求項4として、混合樹脂10
0重量部に対して20〜50重量部の可塑剤を含有して
いるので、当該組成物の硬化後の可撓性がシーリング剤
としてより適したものとなる。
【0040】本発明に係わるエポキシ樹脂系接着性組成
物の製造方法においては、請求項5として、あらかじめ
80〜100℃に加熱したエポキシ樹脂中にポリカプロ
ラクトンを添加して混合するようにしているので、ポリ
カプロラクトンが固化することなくエポキシ樹脂中に均
一に分散するようになり、請求項6として、エポキシ樹
脂とポリカプロラクトンとの溶融混合物に40〜60℃
の温度範囲において潜在性硬化剤を添加するようにして
いるので、溶融混合中における硬化剤とエポキシ樹脂と
の反応が抑えられるとともに温度低下による組成物の固
化が避けられ、硬化剤が均一に混合されることとなる。
さらに請求項7として、エポキシ樹脂とポリカプロラ
クトンとの混合樹脂への潜在性硬化剤の混合が終了した
のちに可塑剤を添加するようにしているので、組成物の
低粘度化が回避され、硬化剤が均一に分散混合されるこ
とになる。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0042】実施例 1モルのビスフェノールAに対して6モルのエチレンオ
キシドを付加させたのち、エピクロルヒドリンと反応さ
せたエポキシ樹脂(BEO−60E:新日本理化社製
エポキシ当量364)、あるいは1モルのビスフェノー
ルAに対して2モルのプロピレンオキシドを付加させた
のち、エピクロルヒドリンと反応させたエポキシ樹脂
(BPO−20E:新日本理化社製,エポキシ当量31
5)と、ε−カプロラクトンを開環重合して得られるポ
リカプロラクトン(プラクセルH4:ダイセル化学工業
社製,ポリスチレン数平均分子量40000,融点60
℃)と、潜在性硬化剤としてのジシアンジアミド(H3
636S:エー・シー・アール社製)と、可塑剤として
のジオクチルフタレート(サンソサイザーn−DOP:
新日本理化社製)と、充填材および粘度調整剤としての
重質炭酸カルシウム(平均粒径3μm)およびコロイダ
ル炭酸カルシウム(平均粒径0.1μm)を表1に示す
割合で配合した。 なお、表1において、潜在性硬化剤
および可塑剤の配合比については、エポキシ樹脂とポリ
カプロラクトンの混合樹脂100重量部に対する重量比
を示すものであり、全体的な配合比で示すならば、例え
ば実施例1では可塑剤24,硬化剤5.0、実施例2で
は可塑剤54,硬化剤5.8となる。 これら全体的配
合比を括弧中に示す。
【0043】配合に際しては、チャンバー部に加熱装置
を備えたブラベンダー型ニーダーによりエポキシ樹脂を
ポリカプロラクトンの融点以上の温度(80℃)に保持
し、この中にポリカプロラクトンを減圧下で脱泡しなが
ら所定量添加し、均一に溶融混合した。 そして、この
混合樹脂を約50℃に保持しながら、重質炭酸カルシウ
ムおよびコロイダル炭酸カルシウムを添加したのち、潜
在性硬化剤であるジシアンジアミドを所定量添加し、均
一に分散混合した。 さらに約50℃に保持しつつ、可
塑剤であるジオクチルフタレートを添加し、混合するこ
とにより、7種類の均一なペースト状の組成物を得た。
【0044】このようにして得られた組成物は、室温に
て放置する間に徐々に粘度を増し、約20分後にはすべ
て完全な固形状となった。
【0045】これら7種の組成物は、後述する方法によ
ってシーリング剤としての特性を評価した。 この結果
については、表1中に合わせて示すとおりである。
【0046】比較例I ブラベンダー型ニーダーを使用し、塩化ビニル樹脂(数
平均分子量90000)と、可塑剤としてのジオクチル
フタレート(サンソサイザーn−DOP)と、重質炭酸
カルシウムと、コロイダル炭酸カルシウムと、白色顔料
としての酸化チタンとを表2に示す配合割合で室温にて
混合分散することにより、3種類の塩化ビニルプラスチ
ゾル系シーリング剤を調整した。
【0047】これら3種のシーリング剤は、後述する方
法によってシーリング剤としての特性を評価し、その結
果を表2中に合わせて示した。
【0048】比較例II 前記実施例と同じ材料を用い、同様の方法により表3に
示す配合比を有する7種類の組成物を調整し、前記実施
例と同様の方法によってシーリング剤としての特性を評
価し、その結果を表3中に合わせて示した。
【0049】評価方法 塗装性:実施例および比較例IIで調整した組成物を45
℃に加熱した状態で油面鋼板上に直径8mmのビード状
に塗布し、直ちに刷毛によって偏平に形状修正した。
その後化成処理と電着塗装を施し、熱風乾燥炉中で17
0℃×30分間加熱することにより電着塗料を焼付ける
と共に、当該組成物を硬化させた。 そして、電着塗装
がなされ、組成物が硬化した状態の試験板上に白系およ
び青系の自動車外板用塗料を30μmの厚さに塗装し、
熱風乾燥炉中で140℃×30分間加熱して塗料を硬化
させ、加熱硬化による組成物の黄変による、いわゆる
「色すけ」を目視により評価した。 評価基準は、色す
けが全く認められないものを塗装性「良好」、色すけが
ごくわずかに認められるものの実用上支障ないものを
「実用上使用可」、色すけが認められ使用不可なものを
「不良」とした。 比較例1の塩化ビニルプラスチゾル
系シーリング剤については、電着塗装板上に塗布したの
ち白系および青系の自動車外板用塗料を30μmの厚さ
に塗装し、熱風乾燥炉中で140℃×30分間加熱して
塗料およびシーリング剤を硬化させ、上記同様の評価を
行った。
【0050】伸びおよび剪断接着強度:実施例および比
較例2の組成物(45℃加熱)、および比較例Iの塩化
ビニルプラスチゾル系シーリング剤を熱風乾燥炉中で1
40℃×30分間加熱して硬化させたのち、JIS K
−6850に基づいて伸び率を測定した。
【0051】塗布直後の修正のしやすさ:電着塗装板上
に、上記組成物(45℃加熱)および塩化ビニルプラス
チゾル系シーリング剤を直径8mmのビード状に塗布
し、直ちに刷毛によって平らに形状修正した時に均一に
平らになるかどうかを調査し、滑らかになるもにを「良
好」、不均一あるいは波状にしかならないものを「不
良」とそれぞれ評価した。
【0052】塗布後のタック状態:上記組成物(45℃
加熱)および塩化ビニルプラスチゾル系シーリング剤を
塗布し、20分経過後のタック状態を調べ、指で触った
ときに指に付着しないものを「タック性なし」、指に付
着したり糸引きしたりするものを「タック性あり」と評
価した。
【0053】耐シャワー性:油面鋼板上に、45℃に加
熱した実施例および比較例IIの組成物を直径8mmのビ
ード状に塗布し、直ちに刷毛によって平らに形状修正し
たのち、シャワーノズルに対し直角に固定すると共に、
ノズル先端と組成物との距離を500mmに保持して水
温35℃,水圧3kgf/cm2 のシャワーを1分間施
し、組成物の変形あるいは飛散状態を観察して、飛散あ
るいは変形するものを耐シャワー性「不良」、飛散も変
形もしないものを「良好」と評価した。
【0054】貯蔵安定性:上記組成物および塩化ビニル
プラスチゾル系シーリング剤を50℃に7日間放置した
ときのゲル生成の有無により貯蔵安定性を判断した。
すなわち放置後、実施例および比較例IIの組成物につい
ては45℃に保持した状態で、比較例Iの塩化ビニルプ
ラスチゾル系シーリング剤については室温でゲル生成の
有無を観察した。 ゲル生成とは、表面に被膜が生成し
たり、粒状の塊が生じたりして流動不可能になった状態
を意味し、全くゲル化しないものを貯蔵性「良好」と評
価した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】以上の結果、表1に示した本発明に係わる
組成物においては、塗装性,伸び,剪断接着強度,塗布
直後の修正のしやすさ,塗布後のタック状態,耐シャワ
ー性,貯蔵安定性のいずれにも優れ、シーリング剤とし
て良好な性能を示したのに対し、表2に示した塩化ビニ
ルプラスチゾル系シーリング剤においては、塗装性や伸
び,剪断接着強度,修正のしやすさにおいては良好な性
能を示したものの、タック性があり、貯蔵安定性に劣る
ことが判明した。
【0059】一方、表3に示した比較例組成物に関して
は、可塑剤が添加されていない比較例5においては塗装
性が劣り、ポリカプロラクトンが添加されていない比較
例4,比較例6および比較例8においては、加熱塗布後
の結晶固化が起こらないのでペースト状態のままとな
り、タック性および耐シャワー性に劣る。 また、ポリ
カプロラクトンの添加量が過剰な比較例7および比較例
10においては加熱塗布後に結晶固化が急速に起こるの
で塗布後の修正がしにくく、可塑剤が過剰に添加されて
いる比較例9の組成物においては塗布後の結晶固化が遅
く、耐シャワー性に劣ることがそれぞれ確認された。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるエ
ポキシ樹脂系接着性組成物は、上記構成としたものであ
るから、加熱によりペースト状状態で塗布されたのち、
温度低下に伴って適度な速さで結晶固化するので、固化
までの間に形状修正を施すことができると共に、固化し
たのちは外力によって変形したり脱落したりすることが
ないので、ドアなどの修理用交換部品の製造において、
ヘミング加工後のパネルのシーリング箇所に当該組成物
を塗布することにより、仮焼付けすることなく、脱脂,
化成処理,電着塗装を施すことができる。 塗布された
組成物は、電着塗料の焼付け時の熱によって硬化し、高
い伸び率を有する弾性体となって優れたシーリング性を
発揮するので、シーリング処理済みの修理用交換部品を
速やかにサービス工場に出荷することができ、生産性を
向上させることができるという極めて優れた効果がもた
らされる。
【0061】また、本発明の請求項2,請求項3および
請求項4記載のエポキシ樹脂系接着性組成物は、ビスフ
ェノールAまたはビスフェノールFに対するエチレンオ
キシドまたはプロピレンオキシドの付加モル数、エポキ
シ樹脂100に対するポリカプロラクトンの混合量、お
よび混合樹脂に対する可塑剤の含有量をそれぞれ最適範
囲にさらに限定したものであるから、45℃前後でペー
スト状とした組成物を良好な作業性のもとに塗布するこ
とができ、塗布後の組成物の温度が室温にまで冷却され
る間により好都合な速度で結晶固化して外力に耐え、し
かも120℃以上における硬化反応によって硬化した後
の組成物の柔軟性,追従性,可撓性などをシーリング剤
として最適なものにすることができるというさらに優れ
た効果がもたらされる。
【0062】さらに、本発明の請求項5,請求項6およ
び請求項7に係わるエポキシ樹脂系接着性組成物の製造
方法においては、エポキシ樹脂中へのポリカプロラクト
ンの混合温度、混合樹脂中への潜在性硬化剤の添加温
度、および潜在性硬化剤と可塑剤の添加順序をそれぞれ
規定したものであるから、各成分を均一に分散混合させ
ることができ、上記エポキシ樹脂系接着性組成物を無理
なく合理的に製造することができるという優れた効果が
もたらされる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスフェノールAまたはビスフェノール
    Fにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを付加
    させ、エピクロルヒドリンと反応させたエポキシ樹脂1
    00重量部に、ε−カプロラクトンを開環重合して得ら
    れ、ポリスチレン換算数平均分子量が6000〜400
    00のポリカプロラクトン20〜70重量部を混合して
    なる混合樹脂と、前記混合樹脂100重量部に対して2
    〜15重量部の潜在性硬化剤と、同じく前記混合樹脂1
    00重量部に対して10〜80重量部の可塑剤からなる
    ことを特徴とするエポキシ樹脂系接着性組成物。
  2. 【請求項2】 1モルのビスフェノールAまたはビスフ
    ェノールFに対して、2〜20モルのエチレンオキシド
    またはプロピレンオキシドを付加させてなることを特徴
    とする請求項1記載のエポキシ樹脂系接着性組成物。
  3. 【請求項3】 混合樹脂は、エポキシ樹脂100重量部
    に、ポリカプロラクトン40〜60重量部を混合してな
    ることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂系接着
    性組成物。
  4. 【請求項4】 混合樹脂100重量部に対して、20〜
    50重量部の可塑剤を含有することを特徴とする請求項
    1記載のエポキシ樹脂系接着性組成物。
  5. 【請求項5】 エポキシ樹脂とポリカプロラクトンとの
    混合に際し、あらかじめ80〜100℃に加熱したエポ
    キシ樹脂中にポリカプロラクトンを添加して混合するこ
    とを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂系接着性組
    成物の製造方法。
  6. 【請求項6】 エポキシ樹脂とポリカプロラクトンとを
    均一に溶融混合したのち、40〜60℃の温度範囲にお
    いて、潜在性硬化剤を添加することを特徴とする請求項
    1記載のエポキシ樹脂系接着性組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 エポキシ樹脂とポリカプロラクトンから
    なる混合樹脂への潜在性硬化剤の混合が終了したのち、
    可塑剤を添加することを特徴とする請求項1記載のエポ
    キシ樹脂系接着性組成物の製造方法。
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