JPH06329890A - ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル系樹脂組成物

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JPH06329890A
JPH06329890A JP13928093A JP13928093A JPH06329890A JP H06329890 A JPH06329890 A JP H06329890A JP 13928093 A JP13928093 A JP 13928093A JP 13928093 A JP13928093 A JP 13928093A JP H06329890 A JPH06329890 A JP H06329890A
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JP
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pellets
polyester
polyester resin
vicat softening
resin
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JP13928093A
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Shigeru Kawahara
茂 河原
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリエステル系樹脂ペレット(A)に対して、
式;Tp−20≧Ts≧50[式中、Tp=ポリエステ
ル系樹脂のビカット軟化温度(℃)、Ts=熱可塑性樹脂
のビカット軟化温度(℃)]を満足するビカット軟化温度
(Ts)を有する熱可塑性樹脂のペレット(B)を、ポリエ
ステル系樹脂ペレット(A)の重量に基づいて0.01〜
10重量%配合したポリエステル系樹脂組成物。 【効果】 本発明のポリエステル系樹脂組成物は可塑化
特性が良好でスクリュー式可塑化装置等により短時間に
可塑化可能であり且つ冷却固化速度が速いので、短時間
に高い生産性で機械的強度や熱的特性等の物性に優れる
成形品を製造することができ、しかも粉末状や液状の離
型剤や展着剤等を含まないため、成形装置、金型、付帯
設備の汚染、成形装置の材料供給部での目詰まり等がな
く、取扱い性および成形性が極めて良好である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル系樹脂組成
物に関する。詳細には、本発明は、スクリュー式可塑化
装置などによる可塑化特性が良好で且つ冷却固化が迅速
に行えるために各種の成形品を生産性よく製造すること
のできるポリエステル系樹脂組成物に関するものであ
り、本発明のポリエステル系樹脂組成物は特に射出成形
に適している。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系樹脂は、その優れた機械
的特性、電気的特性、耐熱性、耐溶剤性などを活かし
て、機械部品、電気・電子部品、自動車部品、輸送機器
部品、家庭用品などとして種々の分野で既に広く用いら
れている。しかしながら、ポリエステル系樹脂は一般に
融点が高く且つ溶融粘度の温度依存性が大きいために成
形性に劣り、成形時に迅速且つ均一に可塑化するのが困
難である。しかも、結晶化速度が遅いことにより冷却固
化速度が小さいため、短時間で脱型することが困難であ
り、射出成形などによって寸法精度の高い成形品を迅速
に生産性よく製造することが困難である。
【0003】ポリエステル系樹脂の上記のような欠点を
改良してその成形性を向上させるための工夫は従来から
も色々試みられており、そのような従来法としては、
(1)ポリエステル樹脂にステアリン酸金属塩潤滑剤お
よび無機固体粉末結晶化剤の一方または両方を溶融混合
する方法(特公昭47−10523号公報、特公昭48
−48894号公報)、(2)ポリエステルペレットの
表面に脂肪酸金属塩潤滑剤および無機固体粉末の一方ま
たは両方を均一にまぶす方法(特公昭45−19392
号公報、特公昭47−32435号公報)、(3)流動パ
ラフィン、低分子量ジメチルポリシロキサン(シリコー
ンオイル)などの液状展開剤を用いてポリエステルペレ
ットの表面に脂肪酸金属塩および/または無機固体粉末
を均一に付着させる方法(特開昭50−78647号公
報、特公昭63−57469号公報)、(4)無機固体
粉末を含有または含有しないポリエステルペレットの表
面にモンタン酸塩を被覆する方法(特公昭47−131
37号公報)、(5)脂肪族カルボン酸金属塩の融点以
上で且つポリブチレンテレフタレートの融点以下の温度
で、ポリブチレンテレフタレートに脂肪族カルボン酸金
属塩と無機固体粉末を加熱混合する方法(特公昭62−
941号公報)、(6)ポリブチレンテレフタレートペ
レットの表面にポリオレフィンワックスを被覆する方法
(特開平2−24289号公報)、などが知られてい
る。
【0004】しかしながら、上記(1)の方法による場
合は、成形サイクルは速くなるものの、得られる成形品
の品質がペレット形状や射出成形装置の機種などによっ
て大きく影響され易く、品質の一定した良好な成形品を
安定して製造することが困難であるという欠点がある。
また、上記(2)の方法による場合は、静電気の発生や
その他の原因で、脂肪酸金属塩や無機固体粉末がポリエ
ステルペレットの表面から脱離し易く、射出成形のショ
ットごとに成形サイクルに変動を生じ、得られる成形品
の品質に変動をきたすという問題がある。
【0005】更に、上記(3)の方法による場合は、流
動パラフィンやシリコーンオイル等の液状展着剤の使用
によって脂肪酸金属塩や無機固体粉末のポリエステルペ
レット表面から脱離はある程度防止できるものの未だ完
全ではなく、しかも液状展着剤の粘着性によってペレッ
ト間の摩擦係数が変化して、ホッパーなどのペレット移
送部分におけるペレットの移送(流動)が不均一になり
易い。その結果、溶融可塑化状態が不安定となって、品
質の一定した成形品を安定して得ることが困難であり、
しかもホッパなどの移送部分における汚れ、汚れ成分の
吸着等を発生し易い。
【0006】また、上記(4)の方法ではモンタン酸塩
がポリエステルペレット表面にほぼ均一に被覆されてい
るものの、ペレット間の滑りが悪く、成形機のホッパ等
でブリッジ(塊化による詰まり)を生じて成形機へのペ
レットの供給が不均一になり、溶融可塑化状態が不安定
になってやはり品質の一定した成形品を安定して得られ
にくい。そして、上記(5)の方法の場合は、高温での
加熱混合操作が必要なために、熱効率が悪くコスト高に
つながり、また上記(6)の方法ではポリオレフィンワ
ックスによる成形装置、金型等の汚染が生じ易い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、可塑化特性が良好でスクリュー式可塑化装置な
どにより短時間に円滑に可塑化することができ、しかも
冷却固化が迅速に行われて短時間に脱型が可能であり、
その上成形装置、金型、それらの付帯設備の汚染のな
い、成形性および取扱い性に優れるポリエステル系樹脂
材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らが検討を重ね
た結果、ポリエステル系樹脂をペレット状とし、そのポ
リエステル系樹脂ペレットに対して、特定のビカット軟
化温度を有する熱可塑性樹脂をペレット形状にして特定
の割合で配合してペレット状ポリエステル系樹脂組成物
を形成し、それを用いて射出成形などの成形を行うと、
上記の課題を解決することができることを見出して本発
明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、ポリエステル系樹脂
ペレット(A)に対して、下記の式を満足するビカッ
ト軟化温度(Ts)を有する熱可塑性樹脂のペレット
(B)[以下「熱可塑性樹脂ペレット(B)」という]
を、ポリエステル系樹脂ペレット(A)の重量に基づい
て0.01〜10重量%配合したことを特徴とするペレ
ット状ポリエステル系樹脂組成物である;
【0010】
【数2】Tp−20≧Ts≧50 ・・・ ただし、Tp=ポリエステル系樹脂のビカット軟化温度
(℃) Ts=熱可塑性樹脂のビカット軟化温度(℃)。
【0011】本発明の組成物で使用するポリエステル系
樹脂ペレット(A)は、ビカット軟化温度が100℃以
上の熱可塑性ポリエステル樹脂からなるペレットであれ
ばいずれもよく特に制限されない。そのうちでもポリブ
チレンテレフタレート系樹脂(以下「PBT系樹脂」と
いう)およびポリエチレンテレフタレート系樹脂(以下
「PET系樹脂」という)のペレットが好ましい。
【0012】PBT系樹脂またはPET系樹脂のペレッ
トを用いる場合は、ポリエステル樹脂を構成する酸成分
の約70モル%以上がテレフタル酸またはそのエステル
形成性誘導体からなり、且つジオール成分の約70モル
%以上が1,4−ブタンジオールまたはエチレングリコ
ールからなっているものを使用するのが好ましい。PB
T系樹脂およびPET系樹脂は、酸成分として少量(通
常約30モル%未満)の他の共重合酸成分を含んでいて
もよく、そのような共重合酸成分の例としては、フタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ
ルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;β−オキシエ
トキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸のようなオキシカ
ルボン酸;セバシン酸、アジピン酸、シュウ酸、マゼラ
イン酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸;またはそれ
らのエステル形成性誘導体などを挙げることができ、そ
れらの共重合酸成分は1種のみを用いてもまたは2種以
上を用いてもよい。
【0013】また、PBT系樹脂およびPET系樹脂
は、ジオール成分として、1,4−ブタンジール(PB
T系樹脂の場合)またはエチレングリコール(PET系
樹脂の場合)と共に少量(通常約30モル%未満)の他
の共重合ジオール成分を含んでいてもよく、そのような
共重合ジオール成分の例としては、エチレングリコール
(PBT系樹脂の場合)、1,4−ブタンジオール(P
ET系樹脂の場合)、プロピレングリコール、ネオペン
チルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−
オクタンジオール、デカメチレンジオールなどの炭素数
2〜10の脂肪族ジオール;シクロヘキサンジオール、
シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の脂環式ジオ
ール;ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族
ジオール;ポリエチレングリコール、ポリトリメチレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリア
ルキレングリコールなどを挙げることができ、これらの
共重合ジオール成分は1種のみを用いてもまたは2種以
上を用いてもよい。
【0014】PBT系樹脂またはPET系樹脂は、上記
したテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体から
主としてなる酸成分と上記した1,4−ブタンジオール
またはエチレングリコールから主としてなるジオール成
分とを用いて、エステル交換反応または直接エステル化
反応によって低分子量重合体を製造し、ついでそれを所
定の重合度になるまで減圧下に重縮合反応させることに
より製造することができる。限定されるものではない
が、重量比で1:1のフェノール/テトラクロロエタン
混合溶媒を用いて30℃で測定した時に、約0.6〜
1.3dl/gの極限粘度を有するPBT系樹脂または
PET系樹脂を使用するのが、成形性およびそれから得
られる成形品の力学的特性などの点から好ましい。
【0015】そして本発明の組成物では、ポリエステル
系樹脂ペレット(A)の形状は特に制限されず、例えば
円柱状、角柱状、角板状、円筒状、球状、楕円球状など
の任意の形状にしておくことができ、そのうちでも円柱
状または球状の形状のものが好ましい。また、ポリエス
テル系樹脂ペレット(A)の寸法は、最大径部分の寸法
が約0.2〜10mm、最小径部分の寸法が約0.1〜
10mmの範囲になるようにしておくのがよく、特に最
大径部分および最小径部分とも約2〜5mmの範囲にな
るようにしておくのが好ましい。なお、球状ペレットな
どのように最大径部分と最小径部分とが同じ寸法の場合
も勿論ありうる。ポリエステル系樹脂ペレット(A)の
製法は特に限定されず、公知の方法により製造すること
ができる。
【0016】ポリエステル系樹脂ペレット(A)は必要
に応じて、耐炎剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分
解防止剤、金属不活性剤、蛍光増白剤、着色剤(染顔
料)、充填剤、離型剤、可塑剤、滑剤、核剤、帯電防止
剤、分散剤などの有機または無機添加剤を含有していて
もよい。更に、成形性などの妨げにならない範囲でポリ
エステル系樹脂に各種のエラストマーおよび他の熱可塑
性樹脂を配合した後ペレット化したものであってもよ
い。
【0017】そして、本発明ではポリエステル系樹脂ペ
レット(A)に熱可塑性樹脂ペレット(B)を配合す
る。その際に、熱可塑性樹脂ペレット(B)として、上
記の式を満足するビカット軟化温度を有する熱可塑性
樹脂からなるペレットを使用することが必要である。熱
可塑性樹脂のビカット軟化温度が50℃よりも低いとペ
レットが粘着性をもち室温での取り扱いが困難であり、
一方ポリエステル系樹脂のビカット軟化温度よりも20
℃未満しか低くないと、ポリエステル系樹脂ペレット
(A)と熱可塑性樹脂ペレット(B)を配合した組成物
の可塑化特性の向上および冷却固化速度の増大を達成す
ることができない。熱可塑性樹脂ペレット(B)として
はそのビカット軟化温度が下記の式;
【0018】
【数3】Tp−60≧Ts≧80 ・・・ ただし、Tp=ポリエステル系樹脂のビカット軟化温度
(℃) Ts=他の熱可塑性樹脂のビカット軟化温度(℃)。 で表される範囲に含まれるものを使用するのがより好ま
しい。
【0019】熱可塑性樹脂ペレット(B)としては、上
記の式を満足するビカット軟化温度を有する熱可塑性
樹脂のペレットであればいずれでもよく特に制限されな
い。熱可塑性樹脂ペレット(B)を構成する好ましい熱
可塑性樹脂の例としては、低密度ポリエチレン、線状低
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィ
ン系樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリ
メタクリレート、ポリカプロラクトン、ポリテトラメチ
レングリコール、ポリエチレングリコールなどを挙げる
ことができ、ポリオレフィン系樹脂が特に好ましく用い
られる。これらの熱可塑性樹脂は単独でペレットにして
用いても、2種以上を混合してペレットにして用いて
も、またはこれらの熱可塑性樹脂をそれぞれ単独でペレ
ットにしてその2種以上のペレットを組合わせて用いて
もよい。
【0020】熱可塑性樹脂ペレット(B)も、ポリエス
テル系樹脂ペレット(A)と同様に、例えば円柱状、角
柱状、角板状、円筒状、球状、楕円球状などの任意の形
状にしておくことができ、円柱状または球状が好ましく
用いられる。また、その寸法は、最大径部分の寸法が約
0.2〜10mm、最小径部分の寸法が約0.1〜10
mmの範囲になるようにしておくのが好ましく、特に最
大径部分および最小径部分とも約2〜5mmの範囲にな
るようにしておくのが好ましい。熱可塑性樹脂ペレット
(B)も、必要に応じて耐炎剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、加水分解防止剤、金属不活性剤、蛍光増白剤、着
色剤(染顔料)、充填剤、離型剤、可塑剤、滑剤、核
剤、帯電防止剤、分散剤などの有機または無機添加剤、
各種のエラストマー、他の熱可塑性樹脂の1種または2
種以上を含有することができる。
【0021】そして本発明の組成物では、ポリエステル
系樹脂ペレット(A)の重量に基づいて、熱可塑性樹脂
ペレット(B)を0.01〜10重量%の割合で配合す
ることが必要であり、0.3〜6重量%の割合で配合す
るのが特に好ましい。熱可塑性樹脂ペレット(B)の配
合量が0.01重量%よりも少ないと、ポリエステル系
樹脂組成物の成形時の可塑化特性および冷却固化速度の
改良効果が小さく、一方10重量%よりも多いと得られ
る成形品の物性が低下するので好ましくない。ポリエス
テル系樹脂ペレット(A)と熱可塑性樹脂ペレット
(B)との配合方法は特に限定されず、例えば両者を回
転タンブラーなどによりペレットブレンドする方法など
を採用することができる。
【0022】本発明では、熱可塑性樹脂ペレット(B)
として上記の式を満足するビカット軟化温度を有する
ものを使用することと併せて、ポリエステル系樹脂と該
熱可塑性樹脂をそれぞれペレットの形態にしてペレット
ブレンドすることにも大きな特徴があり、それによって
可塑化特性の向上および冷却固化速度の増加をはかるこ
とができる。射出成形による場合を例にとると、射出成
形機のシリンダー内で熱可塑性樹脂ペレット(B)がポ
リエステル系樹脂ペレット(A)の表面に混在しながら
両方の樹脂の可塑化および溶融混練が円滑に且つ均一に
行われ、得られた溶融混練物が速やかに型内に射出され
る結果、成形機の機種や成形条件などにほとんど影響さ
れることなく迅速な可塑化、均一混合および型内におけ
る速やかな冷却固化が達成されて、成形サイクルの短縮
化が実現でき生産性が大幅に向上する。それに対して本
発明におけるようなペレットブレンドを行わず、例えば
ポリエステル系樹脂と上記の式を満足するビカット軟
化温度を有する熱可塑性樹脂とを押出機中などで溶融混
練した後ペレット化して両方の樹脂が混合したペレット
をつくり、そのペレットを用いて射出成形などを行った
場合には、可塑化特性の向上および冷却固化速度の増加
をはかることができない。
【0023】本発明のポリエステル系樹脂組成物は、ポ
リエステル系樹脂に対して一般に用いられている成形方
法や成形装置を用いて成形することができる。例えば射
出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、押出ブロ
ー成形、射出ブロー成形、カレンダー成形などによって
任意の形状や寸法を有する成形品にすることができ、そ
れによって電気・電子部品、機械部品、自動車部品、パ
イプ、シート、フイルム、日用品などの任意の種々の用
途の成形品を製造することができる。そのうちでも、本
発明のポリエステル系樹脂組成物は射出成形に使用する
のに特に適しており、その場合には短い成形サイクルで
寸法精度の優れた成形品を安定して得ることができる。
【0024】
【実施例】以下に本発明を実施例等により具体的に説明
するが、本発明はそれにより限定されない。以下の実施
例および比較例において、ポリエステル系樹脂の極限粘
度、ポリエステル系樹脂および熱可塑性樹脂のビカット
軟化温度、樹脂組成物または樹脂の可塑化特性、成形時
の冷却固化速度(最小冷却時間および結晶化温度)並びに
成形品の引張強度および耐熱性(熱変形温度)は次のよ
うにして測定した。
【0025】ポリエステル系樹脂の極限粘度:ポリエス
テル系樹脂をフェノール/テトラクロロエタン(50/
50重量比)混合溶媒に溶解し、ウベローデ粘度計によ
り30℃にて測定した。
【0026】ビカット軟化温度:長さ126mm、幅1
2mm、厚さ3mmの試験片を作製し、JIS 720
6に準拠してビカット軟化試験を行い、針状圧子が1m
m侵入した時の伝熱媒体の温度を測定した。
【0027】可塑化特性:射出成形機に成形材料を供給
した際の可塑化時間と1サイクルの成形時間を測定して
可塑化特性を判定した。なお、可塑化時間は日精樹脂工
業社製の80トン射出成形機(シリンダー内径36mm
のフルフライトスクリュー装備)を用いて100rpm
で計量値27mmまで可塑化する間の時間を測定して可
塑化時間とした。
【0028】最小冷却時間:直径20mmのコイルボビ
ン金型を用いて連続100ショット射出成形し、冷却不
充分のために脱型時に成形品からスプール部分およびラ
ンナー部分がとれてしまう不良品が3個以内におさまる
冷却時間を最小冷却時間とした。
【0029】結晶化温度:示差走査熱分析(DSC)を
用い、試料を20℃/分で室温から270℃まで昇温し
10分保持した後、20℃/分で降温した。この際の昇
温時の融点ピーク(Tm)と降温時の結晶化温度のピー
ク(Tcc)の差(Tm−Tcc)を求めた。
【0030】成形品の引張強度:JIS 1号ダンベル
を射出成形し、JIS K7113に準拠してその引張
強度を測定した。
【0031】成形品の熱変形温度:JIS K7207
に準じて試験片を作製し、JIS K7207に準拠し
て荷重たわみ温度試験を行い、試験片が変形する温度を
熱変形温度として測定した。
【0032】《実施例 1〜5》ポリブチレンテレフタ
レート(PBT)(極限粘度0.85、ビカット軟化温
度214℃)の円柱状ペレット(直径2.9mm、長さ
3.4mm)を130℃で4時間乾燥した後、これに8
0℃で4時間乾燥したビカット軟化温度120℃の下記
の表1に示すポリエチレンペレット(直径3.6mm、
長さ2.4mmの円柱状ペレット)を表1に示す割合で
加えて回転タンブラーによりペレットブレンドしてペレ
ット状樹脂組成物を形成した。このペレット状樹脂組成
物を用いて、日精樹脂工業社製の80トン射出成形機に
て直径20mmのコイルボビン金型を使用して、シリン
ダー温度255℃、射出圧力600kg/cm2、金型
温度50℃の条件下に、連続して100ショットの射出
成形を行った。その際の可塑化特性、成形時の冷却固化
速度(最小冷却時間および結晶化温度)は表1に示すと
おりであった。また、同時に成形品の引張強度および熱
変形温度を上記した方法により測定したところ、表1の
とおりであった。
【0033】《比較例 1》実施例1で用いたのと同じ
PBTペレットを単独で使用して実施例1と同様にして
射出成形を行ったところ、その可塑化特性、成形時の冷
却固化速度(最小冷却時間および結晶化温度)は表1に
示すとおりであった。また、同時に成形品の引張強度お
よび熱変形温度を上記した方法により測定した結果は表
1のとおりであった。
【0034】《比較例 2》ポリエチレンペレットの配
合量を20重量%に変えた以外は実施例1と同様にして
射出成形を行ったところ、その可塑化特性、成形時の冷
却固化速度(最小冷却時間および結晶化温度)は表1に
示すとおりであった。また、成形品の引張強度および熱
変形温度は表1のとおりであった。
【0035】《比較例 3》PBTペレットとポリエチ
レンペレットとをペレットブレンドした樹脂組成物を用
いずに、PBTペレット100重量部とポリエチレンペ
レット1重量部をシリンダー温度240℃の二軸押出機
に同時に供給して溶融混練して口金から直径4mmの断
面円形のストランド状に押出し、これを3.4mmに切
断して両方の樹脂の混合物からなるペレットを製造し
た。このペレットを120℃で4時間乾燥した後、実施
例1と同様にして射出成形を行ったところ、その可塑化
特性、成形時の冷却固化速度(最小冷却時間および結晶
化温度)は表1に示すとおりであった。また、成形品の
引張強度および熱変形温度を上記した方法により測定し
た結果は表1のとおりであった。
【0036】《実施例 6〜8》熱可塑性樹脂ペレット
として、下記の表1に示すものを用いた以外は実施例1
と同様にして射出成形を行ったところ、その可塑化特
性、成形時の冷却固化速度(最小冷却時間および結晶化
温度)は表1に示すとおりであった。また、同時に成形
品の引張強度および熱変形温度を上記した方法により測
定した結果は表1のとおりであった。
【0037】《比較例 4》PBTペレットとポリスチ
レンペレットとをペレットブレンドした樹脂組成物を用
いずに、PBTペレット100重量部とポリスチレンペ
レット1重量部をシリンダー温度240℃の二軸押出機
に同時に供給して溶融混練して口金から直径4mmの断
面円形のストランド状に押出し、これを3.4mmに切
断して両方の樹脂の混合物からなるペレットを製造し
た。このペレットを120℃で4時間乾燥した後、実施
例1と同様にして射出成形を行ったところ、その可塑化
特性、成形時の冷却固化速度(最小冷却時間および結晶
化温度)は表1に示すとおりであった。また、成形品の
引張強度および熱変形温度は表1のとおりであった。
【0038】《比較例 5》ポリエチレンペレットの代
わりに、ビカット軟化温度221℃のポリアミド[宇部
興産株式会社製「UBEナイロン1013R」(MFR
22g/10min)を使用した以外は実施例1と同様
にして射出成形を行ったところ、その可塑化特性、成形
時の冷却固化速度(最小冷却時間および結晶化温度)は
表1に示すとおりであった。また、成形品の引張強度お
よび熱変形温度は表1のとおりであった。
【0039】《実施例 9〜10》ポリエチレンテレフ
タレート(PET)(極限粘度0.60、ビカット軟化
温度210℃)の円柱状ペレット(直径2.9mm、長
さ3.4mm)を130℃で4時間乾燥した後、これに
80℃で4時間乾燥した下記の表1に示す熱可塑性樹脂
ペレット(B)(直径3.6mm、長さ2.4mmの円
柱状ペレット)を表1に示す割合で加えて回転タンブラ
ーによりペレットブレンドしてペレット状樹脂組成物を
形成した。このペレット状樹脂組成物を用いて、シリン
ダー温度275℃、射出圧力600kg/cm2、金型
温度110℃の条件下に、実施例1と同様にして連続し
て100ショットの射出成形を行い、実施例1と同様の
性能評価を行った。その結果を表1に示す。
【0040】《比較例 6》実施例9で用いたのと同じ
PETペレットを単独で使用して実施例9と同様にして
射出成形を行ったところ、その可塑化特性、成形時の冷
却固化速度(最小冷却時間および結晶化温度)は表1に
示すとおりであった。また、同時に成形品の引張強度お
よび熱変形温度を上記した方法により測定した結果は表
1のとおりであった。
【0041】
【表1】
【0042】上記表1の結果から、実施例1〜10の場
合には、ポリエステル系樹脂組成物の射出成形時の可塑
化特性が良好で且つ冷却固化が迅速に行えるために短い
時間で成形品を生産性よく製造することができ、しかも
得られる成形品の物性(引張強度および熱変形温度)が
優れていることがわかる。一方、比較例1および比較例
3〜6の場合は可塑化特性が不良で可塑化に時間がかか
り射出成形が迅速に行えないこと、また比較例2では可
塑化特性は良好であるが、得られる成形品の引張強度お
よび熱変形温度が低く、物性が劣ることがわかる。
【0043】
【発明の効果】本発明のポリエステル系樹脂組成物は、
可塑化特性が良好でスクリュー式可塑化装置などにより
短時間に円滑に可塑化することができ、しかも冷却固化
が迅速に行われるため短時間で脱型が可能であり、その
結果、短時間に高い生産性で成形品を製造することがで
きる。更に、本発明のポリエステル系樹脂組成物はペレ
ット状のブレンド物であって粉末状や液状の離型剤や展
着剤などを含んでいないので、成形装置、金型、それら
の付帯設備の汚染、成形装置の樹脂材料供給部における
目詰まりなどを生じず、取扱い性および成形性が極めて
良好である。そして、本発明のポリエステル系樹脂組成
物を用いた場合には、機械的強度や熱的特性などの物性
に優れた成形品を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系樹脂ペレット(A)に対
    して、下記の式を満足するビカット軟化温度(Ts)
    を有する熱可塑性樹脂のペレット(B)を、ポリエステ
    ル系樹脂ペレット(A)の重量に基づいて0.01〜1
    0重量%配合したことを特徴とするポリエステル系樹脂
    組成物; 【数1】Tp−20≧Ts≧50 ・・・ ただし、Tp=ポリエステル系樹脂のビカット軟化温度
    (℃) Ts=熱可塑性樹脂のビカット軟化温度(℃)。
JP13928093A 1993-05-19 1993-05-19 ポリエステル系樹脂組成物 Pending JPH06329890A (ja)

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